説明

競技自転車用発走機

【課題】
自転車競技の繰り返し行われるスタートの前に、選手の乗った競技自転車を強固に保持することができ、競技自転車の後輪を強固に保持する為に複雑化する構造に伴って大型になりかねない発走機の小型化を図った競技自転車用発走機を提供する。
【解決手段】
自転車競技における発走前に、競技自転車30を保持する発走機1に、一対の挟持部20と、その挟持力を増幅させ作動させる倍力リンク機構40と、この倍力リンク機構40を駆動するエアーシリンダー19とを設ける。エアーシリンダー19により進退される可動ロッド19Aによって作動される倍力リンク機構40を、可動ロッドの下端又はその近傍から上方側に向かって折り返し状に配置するので、発走機1の小型化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車競技などのスタート前に、選手の乗った競技自転車がフライングを起こさないよう保持する競技自転車用発走機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、競技自転車による競技を行う際には、そのスタート前に補助員が競技自転車に乗った選手の自転車のサドルを手により把持することで、競技のスタートの合図と同時にその手を開放させ、選手の乗った自転車がフライングを起こさないようにしてスタートを行っていた。こうした補助員がスタートの合図と同時に手を開放させて自転車をスタートさせると、その補助員の手を開放するタイミングにより、競技を行う選手同士のスタートにタイミングのズレが生じてしまう。こういった競技においては、特に競技者である選手同士に不公平が生じないようできるだけ平等をきする必要があり、近年は、公平に競技を行うために、補助員が自転車を保持する代わりに人手に頼らない発走機と呼ばれる自転車スタンド装置が用いられている。例えば、図9に示す自転車スタンド装置100においては、選手の乗った競技自転車101の後輪102を挟持する一対の挟持部103を備え、ボンベ104に蓄圧されたその圧力により二つのエアーシリンダー105を作動させ、各エアーシリンダーの動作に連動する挟持部103を開閉させることにより、挟持部間に配置された後輪102を挟持し、競技のスタートの合図前にフライングを起こさないように競技自転車101を保持するものが用いられている。また、特許文献1には、競技などに使用するスポーツ用自転車を支持するスポーツ用自転車に用いるスタンド装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−218052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図9に示す従来の競技自転車101の自転車スタンド装置100においては、二つのエアーシリンダー105を備え、この二つのエアーシリンダー105の夫々によって対応する各挟持部103を作動する構造となっており、後輪102を挟持するために挟持部103を作動させる際には、ボンベ104に蓄圧された圧力を駆動源としてエアーシリンダー105を介して直接的に挟持部を作動するので、例えば、ボンベ104の蓄圧力が低下してしまうと、実質的に後輪102を挟持する力が低下してしまい、スタート時に確実に選手の乗った競技自転車を、発走しないように強固に保持することが難しくなる。また、こういった問題点を解決するため、挟持部103の挟持力の低下を防止する為に、例えば、図10及び図11に示すような、挟持部103Aとエアーシリンダー105とに架設され支点部107に枢着されたリンクアーム106,106Aの梃子の作用を利用して、挟持部103Aへの挟持力を増幅するとなると、リンクアーム106,106Aが直線状に長い形状であれば、その長さを比較的長く形成しないと、所望の作用力を得ることができないことから、挟持部103Aとエアーシリンダー105との間の間隔を比較的距離をおいて離して配置しなければならなくなる。また、図10において、エアーシリンダー105を上部に配置するとなると、競技自転車101の後輪の後端を挟持部103Aにより挟持した際には、それを備えた自転車スタンド装置(図示せず)の重心が高くなってしまうことから、競技場の傾斜された走路などに自転車スタンド装置を設置した際に不安定になってしまう。その一方で、仮に、重心を低くして走路に安定的に設置するために、図11に示すように、下方側にエアーシリンダー105を配置するとなると、リンクアーム106Aの所望の梃子の作用力を得ようとするには、リンクアーム106Aが路面に接触してしまうことから、リンクアーム106Aの長さを比較的長く形成することができず好ましくない。また、図10において、自転車競技時のスタート時にその挟持部103Aによって、後輪102の後部を保持した状態においては、選手の乗った競技自転車101は、スタートの合図と同時に挟持部103Aを開放して発走される直前に、選手は一刻も早くスタートを切りたいが為に、後輪102を回転させようとする回転力が、挟持部103Aからリンクアーム106に伝達され、支点部107などに集中的に負荷が加わるとリンクアーム106が破損する虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、自転車競技のスタートの前に、選手の乗った競技自転車を強固に保持することができると共に、競技自転車の後輪を強固に保持する為に複雑化する構造によって、結果的に発走機が大型になることを抑えた小型化を図った競技自転車用発走機を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1の競技自転車用発走機は、自転車競技における競技自転車の発走前に競技自転車の後輪を挟持する一対の挟持部と、挟持する時にその挟持力を増幅させ前記一対の挟持部を作動させる倍力リンク機構と、この倍力リンク機構を駆動するエアーシリンダーとを備えた競技自転車用発走機であって、前記エアーシリンダーに前記競技自転車用発走機の縦方向に進退する可動ロッドを設け、前記可動ロッドの下部側に一方の端部が枢着されたリンクアームと、このリンクアームの他方の端部に下端部を連結すると共にその反対側の上端部に前記挟持部の固定される揺動可能に枢着された揺動リンクアームとを前記倍力リンク機構に備え、この倍力リンク機構を前記可動ロッドの下端又はその近傍から上方側に向かって折り返し状に配置したことを特徴とする。
【0007】
請求項1の構成により、挟持部により競技自転車の後輪を保持する際、エアーシリンダーにより可動ロッドを駆動すると、連動してリンクアームの一方の端部が上昇すると共に他方の端部が揺動リンクアームの下端部と共に外側に可動される。これに伴い枢着された揺動リンクアームは梃子の作用により揺動され、揺動リンクアームの上端部に固定されている挟持部は、互いに向かい合う内側方向に可動し、競技自転車の後輪を挟持し保持する。この時、倍力リンク機構は可動ロッドの下端またはその近傍から上方側に折り返し状に配置されているので、背景技術のように外方にリンクアームが突出することのない小型化を図った競技自転車用発走機を提供することができる。
【0008】
本発明の請求項2の競技自転車用発走機は、請求項1記載の競技自転車用発走機において、前記揺動リンクアームが枢着されたその支点を、前記揺動リンクアームの長手方向の中間点より前記挟持部側に偏心して配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項2の構成により、揺動リンクアームの下端部が外側に可動されるに従って、挟持部を固定した上端部は内側に可動する。この時、揺動する揺動リンクアームの中間点より挟持部側に支点が偏心していることで、梃子の作用によって揺動リンクアームの下端部に伝達される力よりその上端部に作用する力を大きくできるので、上端部に設けた挟持部の挟持力を増幅した後に後輪を強固に挟持することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の競技自転車用発走機によれば、自転車競技における競技自転車の発走前に競技自転車の後輪を挟持する一対の挟持部と、挟持する時にその挟持力を増幅させ前記一対の挟持部を作動させる倍力リンク機構と、この倍力リンク機構を駆動するエアーシリンダーとを備えた競技自転車用発走機であって、前記エアーシリンダーに前記競技自転車用発走機の縦方向に進退する可動ロッドを設け、前記可動ロッドの下部側に一方の端部が枢着されたリンクアームと、このリンクアームの他方の端部に下端部を連結すると共にその反対側の上端部に前記挟持部の固定される揺動可能に枢着された揺動リンクアームとを前記倍力リンク機構に備え、この倍力リンク機構を前記可動ロッドの下端又はその近傍から上方側に向かって折り返し状に配置したので、外方にリンクアームが突出して配置されることを抑制した小型で移動し易い使い勝手を向上した競技自転車用発走機を提供することができる。
【0011】
本発明の請求項2の競技自転車用発走機によれば、請求項1において、前記揺動リンクアームが揺動する枢着されたその支点を、前記揺動リンクアームの長手方向の中間点より前記挟持部側に偏心して配置したので、揺動リンクアーム中間点より挟持部側に支点が偏心していることで、揺動リンクアームの下端部に伝達される力よりその上端部に作用する力を梃子の作用により増幅させ、後輪を強固に挟持することができ、挟持した後輪が簡単に外れることがないよう確実に保持することができる。従って、自転車競技のスタート時に挟持部が開放されるまで、確実に競技自転車を保持することが可能となり、競技スタート前におけるフライングを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図8により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施例において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0013】
図1は、本実施例の競技自転車用発走機の斜視図、図2は、競技自転車用発走機に競技自転車を保持した状態を示す側面図であり、図3は競技自転車用発走機の平面図である。図1〜図3に示すように、競技自転車用発走機1(以下、発走機と称す。)は、その骨組みが角筒状のフレーム2Aにより形成され、このフレーム2Aを一体に組み付けた本体フレーム2の下端側四隅には、方向が自在に変わると共に回動自在に軸支された固定キャスター3,3Aが取り付けられており、固定レバー4の一方の端部を足により踏み込むことで固定キャスター3の回動を固定できるようになっている。また、固定された固定キャスター3,3Aを再び回動可能に開放させ発走機1を移動できるようにするには、前記固定レバー4の前記一方の端部と反対側の他方の端部を踏み込むことで回動可能にできるようになっている。
【0014】
5は、発走機1を地面に安定的に保持するジャッキスタンドである。このジャッキスタンド5は、発走機1を所定の位置から移動しないように設置を行うためのものであり、図4に示す固定キャスター3,3Aが地面に設置されている発走機1の移動可能状態から、例えば、自転車競技をするトラックのスタートライン近傍の所定の位置に発走機1を移動できないように安定させた状態で設置する際には、発走機1の一方の側部下端に設けられた2本のジャッキスタンド5の下面を地面に設置させる。この時、ジャッキスタント5に設けられた上下レバー5Aを押し下げることにより、ジャッキスタンド5の下端が地面側に突き出すように伸びて接触され、その近傍に設けられた固定キャスター3が地面から接触しないように離間され、二つのジャッキスタンド5と地面に接触されている固定キャスター3Aにより、発走機1が移動しないように安定状態(図5に示す状態)で設置できるようになっている。また、地面に設置された発走機1を移動する際には、ジャッキスタンド5の下端を上下に可動する上下レバー5Aを押し上げることにより、本体フレーム2の下端側四隅に設けられた固定キャスター3,3Aを全て地面に接触させ、ジャッキスタンドが地面に接触しない状態で、発走機1を移動できるようになっている。なお、このジャッキスタンド5は、足踏み式のジャッキスタンド5であり、前述した上下レバー5Aにより所定の高さに上下動させることができると共にその固定及び解除をもできるようになっている。
【0015】
7は、競技自転車30のサドル31に設けられた円柱状のパイプ部32を保持するサポートユニットであり、このサポートユニット7は本体フレーム2に取り付けられ、その一端に競技自転車30のサドル31のパイプ部32を保持するY字型の保持部8が設けられていて、この保持部8の内側にパイプ部32が接触された状態で競技自転車30の姿勢を垂直となるように保持できるようになっている。
【0016】
17は、エアーコンプレッサによりエアーを蓄圧することができるエアータンクであり、本実施例における発走機1には、その本体フレーム2にエアータンク17が取り付けられており、このエアータンク17に蓄圧された空気圧により、エアーシリンダー19を作動させ、このエアーシリンダー19により後述する倍力リンク機構40を駆動させ、この倍力リンク機構40を介して一対の挟持部20によって、競技自転車30の後輪の両側を40〜50kgfの力で強固に挟持するようになっており、挟持部20の動力源は、ボンベではなく、一般的な汎用性のあるエアータンク17を使用することにより、エアーコンプレッサさえあれば簡単にエアーを充填することができる。
【0017】
ここで、上記構成について、さらに図6〜8を参照しながら以下に詳述する。同図に示すエアーシリンダー19は、本体フレーム2に一体に固定された固定板21にねじ止めされ、その下方には発走機1の縦方向に進退可能な可動ロッド19Aが設けられ、この可動ロッド19Aが固定板21に固定された誘導部材22の縦孔22Aに挿入されている。
【0018】
また、前述した揺動リンクアーム41は、固定板21に揺動可能に枢着されており、その上端部42に挟持部20がねじ止めなどにより固定されている。なお、揺動リンクアーム41は、枢着されたその部位を中心として揺動するもので、その長手方向の中間点と挟持部20の固定された上端部42との間に孔部41Aが形成されていて、固定板21から突設された軸部23に枢着され、この軸部23を支点Fとして揺動するようになっている。そして、上端部42の反対側に位置する揺動リンクアーム41の下端部43には、互いに回動自在になるようにリンクアーム45の一方の端部46が連結され、その長手方向の反対側に位置する他方の端部47が、可動ロッド19Aの下端に一体的に設けられた固定部材24に回動自在に連結され、可動ロッド19Aがエアーシリンダー19によって縦方向に可動されると、可動ロッド19Aの固定部材24も共に可動され、これに連結されたリンクアーム45の一方の端部46も同様に可動されることにより、他方の端部47に連結された揺動リンクアーム41の下端部43が外側に可動されることによって、下端部43に対し反対側に位置する上端部42に固定された挟持部20のそれぞれを内側の対向する方向に可動させ、挟持部20の間に配置する競技自転車30の後輪33の後端を挟持するように構成されている。なお、前記揺動リンクアーム41とリンクアーム45とを構成する倍力リンク機構40は、可動ロッド19Aの下端またはその近傍、より詳しくは可動ロッド19Aの下端に固定された固定部材24から上方側に向かって折り返し状に配置することにより、外方に倍力リンク機構40が突出することがないよう本体フレーム2の内方に配置されるので、発走機1の全体形状を小型化することができる。
【0019】
以上のように上記構成によれば、エアーシリンダー19に発走機1の縦方向に進退する可動ロッド19Aを設け、可動ロッド19Aの下部側に直接又は固定部材24などを介して一方の端部46が枢着されたリンクアーム45と、このリンクアーム45の他方の端部47に下端部43を連結すると共にその反対側の上端部42に挟持部20の固定される揺動可能に枢着された揺動リンクアーム41とを倍力リンク機構40に備え、倍力リンク機構40を可動ロッド19Aの下端側又はその近傍から上方側に向かって折り返し状に配置したものであり、挟持部20により競技自転車30の後輪33の後端を挟持し保持する際、エアーシリンダー19により可動ロッド19Aを駆動すると、連動してリンクアーム45の一方の端部46が上昇すると共に他方の端部47が揺動リンクアーム41の下端部43と共に外側に可動される。これに伴い枢着された揺動リンクアーム41は梃子の作用により揺動され、揺動リンクアーム41の上端部42に固定されている挟持部20は、互いに向かい合う内側方向に可動し、競技自転車30の後輪33の後端部を挟持し保持する。この時、倍力リンク機構40は、可動ロッド19Aの下端又はその近傍から上方側に折り返し状に配置され、且つ後輪33の後端部を挟持した挟持部20の上方側でなく下方側から後輪を挟持するように構成されているので、競技自転車30が前進されようとする際に、その後輪33が回転されようとする回転力(図7に示す後輪33の半時計回りの回転力)の影響を倍力リンク機構40が受け難くなるので、結果的に発走機1が故障することを回避することが可能となる。また、可動ロッド19Aの下端又はその近傍から上方側に向かって折り返し状に倍力リンク機構40を配置したことにより、発走機1の本体フレーム2から上方や下方などの外方にリンクアームが突出することのない小型で移動し易い使い勝手を向上した発走機1を得ることができる。さらに揺動リンクアーム41が枢着されたその支点Fを、揺動リンクアームの長手方向の中間点より挟持部20側に偏心して配置したので、揺動リンクアーム41の下端部43が外側に可動されるに従って、挟持部20を固定した上端部42は内側に可動される時に、揺動リンクアーム41の中間点より挟持部20側に揺動リンクアーム41の支点Fが偏心していることにより、梃子の作用によって揺動リンクアーム41の下端部43に伝達される力よりその上端部42に作用する力を大きくできるので、上端部42に設けた挟持部20の挟持力を増幅した後に後輪33を強固に挟持することができる。すなわち、自転車競技のスタート前に選手の乗った挟持部20により挟持され保持された競技自転車30を、スタートの合図等によって挟持部20が開放されるまで強固に保持し、競技スタート前の競技自転車30がフライングを起こすことを確実に防止することができる。しかも、エアーシリンダー19は発走機1に一つ設けられ、競技自転車30の後輪33を挟持する一対の挟持部20の固定された倍力リンク機構40は、図6に示すように、左右対称な形状となっているから、後輪33を挟持した挟持部20の開放を同時に行うことができる。従って、競技のスタート時に選手の乗った競技自転車30をスムーズに発走させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の競技自転車用発走機に競技自転車を保持した状態を示す斜視図である。
【図2】同上、競技自転車用発走機に競技自転車を保持した状態を示す側面図である。
【図3】同上、競技自転車用発走機を上部から視た状態を示す平面図である。
【図4】同上、競技自転車用発走機の移動可能状態を示す背面図である。
【図5】同上、競技自転車用発走機の設置状態を示す背面図である。
【図6】同上、競技自転車用発走機の要部を示す拡大正面図である。
【図7】同上、図6に示す要部の断面図である。
【図8】同上、図6に示す要部の平面図である。
【図9】従来から用いられている競技自転車用発走機を示す斜視図である。
【図10】同上、リンク機構の概略を示す説明図である。
【図11】同上、リンク機構の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
【0021】
1 発走機(競技自転車用発走機)
19 エアーシリンダー
19A 可動ロッド
20 挟持部
30 競技自転車
33 後輪
40 倍力リンク機構
41 揺動リンクアーム
42 上端部
43 下端部
45 リンクアーム
46 一方の端部
47 他方の端部
F 支点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車競技における競技自転車の発走前に競技自転車の後輪を挟持する一対の挟持部と、挟持する時にその挟持力を増幅させ前記一対の挟持部を作動させる倍力リンク機構と、この倍力リンク機構を駆動するエアーシリンダーとを備えた競技自転車用発走機であって、前記エアーシリンダーに前記競技自転車用発走機の縦方向に進退する可動ロッドを設け、前記可動ロッドの下部側に一方の端部が枢着されたリンクアームと、このリンクアームの他方の端部に下端部を連結すると共にその反対側の上端部に前記挟持部の固定される揺動可能に枢着された揺動リンクアームとを前記倍力リンク機構に備え、この倍力リンク機構を前記可動ロッドの下端又はその近傍から上方側に向かって折り返し状に配置したことを特徴とする競技自転車用発走機。
【請求項2】
前記揺動リンクアームが枢着されたその支点を、前記揺動リンクアームの長手方向の中間点より前記挟持部側に偏心して配置したことを特徴とする請求項1記載の競技自転車用発走機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−96063(P2006−96063A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281192(P2004−281192)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)