説明

竹炭を用いたカレー

【課題】 竹炭の持つ種々の物理化学的な諸性質や効能が得られ、しかも味わいや食感にも優れたものとする。
【解決手段】 少なくとも所定量の竹炭パウダーと竹の子とがそれぞれ配合されたカレーであり、その配合量としては、竹炭パウダーが1.0〜2.0重量%の範囲であり、竹の子が13.3〜15.3重量%の範囲で配合され、更に、所定量の玉ねぎおよびンジンとがそれぞれ配合され、必要に応じてりんごピューレも配合されており、前記竹炭によって、腸内の有害物質等が吸着除去されると共に、便秘も改善され、またミネラル分も得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として竹炭や竹の子等を用いたカレーに関する。
【背景技術】
【0002】
竹炭は、多孔質構造であることから、その吸着性を利用して脱臭や飲料水および工業用水の浄化並びに建築用資材、或いは土壌改良剤等に広く使用されている。
【0003】
具体的には、脱臭剤としては、潮解性除湿剤と脱臭性薬剤とからなる脱臭除湿剤において、前記脱臭性薬剤として竹炭を用いたものが知られ、水の浄化用としては、例えば水中に鉄イオンを溶出させる鉄分含有物質と竹炭等の炭素材料とを混合した混合物をセメントで成形固化させた水質浄化用固形物が知られ、建築用資材としては、竹炭を一定厚さの板状に圧縮成形し、周囲に枠材を取り付けた竹炭パネルが知られ、土壌改良剤としては、樹木の皮から得られた樹皮堆肥に竹炭等を混入させたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−50934号公報
【特許文献2】特開2007−302803号公報
【特許文献3】特開2007−275856号公報
【特許文献4】特開2005−305415号公報
【特許文献5】特許第3616925号公報
【特許文献6】実用新案登録第3083200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、竹炭はその多孔質構造を利用して種々の分野で用いられているが、食品分野においては、その利用度が低いのが実情であり、芯材となる豆類の表面に加糖溶液を散布しながら所定粒度の竹炭粉末を振り掛けて焙煎などした竹炭豆菓子や餡子を竹炭入りの皮部で包んだ饅頭等が知られている程度である。
【0006】
本発明の目的は、竹炭の持つ種々の物理化学的な諸性質や効能が得られる竹炭を用いたカレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の本発明は、少なくとも所定量の竹炭パウダーと竹の子とがそれぞれ配合されたカレーである。竹炭は、孟宗竹の他、真竹やハチクを原料として既に公知の一般な方法で作製される。
【0008】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載のカレーについて、竹炭パウダーが1.0〜2.0重量%の範囲で配合され、竹の子が13.3〜15.3重量%の範囲で配合されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求高3記載の本発明は、前記請求項1または請求項2記載のカレーについて、更に所定量の玉ねぎとニンジンとがそれぞれ配合されたものである。
【0010】
請求項4記載の本発明は、前記請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項記載のカレーについて、更に調味料として、少なくとも所定量のりんごピューレが配合されたものである。
【0011】
請求項5記載の本発明は、前記請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項記載のカレーが液状カレーとしてパウチに封入され、該パウチが加熱殺菌されてなるレトルトカレーであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6記載の本発明は、前記請求項5記載のレトルトカレーの製造方法であって、溶解釜に粉体原料としてカレー粉と共に竹炭パウダーを投入する工程と、充填機でレトルトパウチに、前記カレー粉および竹炭パウダーが溶融混入されたカレーソースと共に予め水煮された竹の子を充填する工程が含まれていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載のカレーは、少なくとも所定量の竹炭パウダーと竹の子とがそれぞれ配合されたものであり、このカレーによれば、以下のような味覚面並びに健康面での優れた効果が得られる。
【0014】
すなわち、先ず竹炭の原料である生竹はカルシウム、カリウム、鉄、マンガン等の約40種類のミネラルを含有し、これらミネラルは生竹を炭化することによって濃縮され、そのため竹炭は濃縮された種々のミネラルが含まれており、これを原材料とする本発明のカレーを食べることで種々の高濃度のミネラルが摂取され得る。
【0015】
また竹炭は、腸内の有害物質を解毒する作用もあり、また整腸作用もあることから、本発明のカレーを食べることで腸内の正常化や便通の促進が期待できる。しかも本発明のカレーには竹炭の他に竹の子も含まれていることから、竹の子の繊維質によって腸のぜん動運動が活発化され、便秘の改善や大腸がんの予防効果も期待できる。更に、竹の子は、昔から体を冷やす機能があることから、本発明のカレーを食べることで、のぼせ防止や高血圧の抑制効果も期待できる。
【0016】
また、本発明のカレーは、配合された竹炭によって、味覚面でマッタリとしたコクのある味わいになると共に、竹の子によって歯ごたえのある心地よい食感が得られる。
【0017】
この他、更に、玉ねぎとニンジンが入れられた本発明に係るカレーによれば、これら材料に由来するソフトな旨味が得られ、また更にりんごピューレが混入された本発明のカレーによれば、ジューシーな味わいが加味される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るレトルトカレーの製造工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0020】
先ず、本実施形態に係るカレーの原料並びにその使用割合について説明すると、玉ねぎ28.5%、竹の子14.3%、ニンジン3.5%、りんご2.1%、牛肉8.6%、食用油脂4.2%、小麦粉2.4%、カレー粉2.3%、竹炭パウダー1.5%、香辛料0.2%、酸味料0.03%並びに以下調味料として、肉エキス1.7%、砂糖0.8%、塩0.8%、ビーフオイル0.4%、澱粉0.2%、チャツネ0.1%、バター0.1%、ウスターソース0.08%、蛋白加水分解物0.03%、アミノ酸類0.43%および残部水とした。なお、前記配合割合はいずれも重量%である。
【0021】
次に、前述した配合割合によるカレーの製造工程について説明すると、図1に示すように、先ず溶解釜1に小麦粉と食用油脂(ラード)とを混合焙煎したルウを投入し、更に前記調味料類、りんごピューレ、酸味料および香辛料並びに竹炭パウダーおよびカレー粉を水と共に投入して最終的にカレーソースを作製する。
【0022】
その後、作製したカレーソースをストレーナー2に通して異物やダマが混入している場合にはこれを除去し、その後、前記ストレーナー2を通過したカレーソースを仕上釜3に流入させ、該仕上釜3において、予め炒めた玉ねぎ(ソテー)とボイルしたニンジンを入れて炊き上げ、そのカレーソースをマグネット体4に通過させることで金属異物の除去を行った後、充填機5で予めレトルトパウチに牛肉ソテーとボイルした竹の子を投入した上、更に前記カレーソースを充填した後、レトルトパウチを密封し、次に該レトルトパウチを殺菌・冷却装置6に入れて約120℃で約35分間の加熱を行って殺菌した後、該パウチを冷却することで最終的に本実施形態に係るレトルトカレーが完成する。
【0023】
なお、殺菌・冷却装置6へのパウチの投入前においては、公知の重量チェックやエックス線検査が行われる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明のカレーは、健康面で優れ、しかも良好な味と食感が楽しめるため、幅広い需要が期待できる。
【符号の説明】
【0025】
1 溶解釜
2 ストレーナー
3 仕上釜
4 マグネット
5 充填機
6 殺菌・冷却装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも所定量の竹炭パウダーと竹の子とがそれぞれ配合された、カレー。
【請求項2】
竹炭パウダーが1.0〜2.0重量%の範囲で配合され、竹の子が13.3〜15.3重量%の範囲で配合された、請求項1記載のカレー。
【請求項3】
更に所定量の玉ねぎとニンジンとがそれぞれ配合された、請求項1または請求項2記載のカレー。
【請求項4】
更に調味料として、少なくとも所定量のりんごピューレが配合された請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項記載のカレー。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項記載のカレーが液状カレーとしてパウチに封入され、加熱殺菌されてなることを特徴とする、レトルトカレー。
【請求項6】
請求項5記載のレトルトカレーの製造方法であって、溶解釜に粉体原料としてカレー粉と共に竹炭パウダーを投入する工程と、充填機でレトルトパウチに、前記カレー粉および竹炭パウダーが溶融混入されたカレーソースと共に予め水煮された竹の子を充填する工程が含まれていることを特徴とする、レトルトカレーの製造方法。

【図1】
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