説明

竹粉配合の軽量育苗資材

【課題】竹粉配合の軽量育苗資材として、軽量粒状培土及び軽量培土に籾殻くんたん配合したものと軽量培土に籾殻くんたん配合さらに土を混入したもので軽量育苗培土を提供する。
【解決手段】孟宗竹、和竹、笹竹等の竹材を所要の小片に破砕のうえ、加圧押出装置により少なくともその内部圧力が15Kg/cm2以上で加圧混練し、カッターでミンチ状にし且その長さを20〜200mmに裁断のうえ、その先端の多孔なノズルより大気中に吐出し、膨潤拡散して硬組織と柔組織の解体と、細胞壁を形成するセルロース及びヘミセルロースをリグニンより解離させた解繊状の竹繊維チョップドストランドを用い、10〜200ミクロンの微粉末に粉砕し育苗マットとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹粉配合の軽量育苗資材として、軽量粒状培土及び軽量培土に籾殻くんたん配合したものと軽量培土に籾殻くんたん配合さらに土を混入したものを言う。
【背景技術】
【0002】
昭和40年以降、機械移植の普及に伴い、育苗箱を使用した育苗様式が広く普及するようになったが、育苗箱の全重は1箱当たり6Kg近くに達する等、灌水後の移動作業には多大な労力を必要とし、高齢化が進む今日、より一層、省力化、軽労化が必要とされている。育苗資材製品としては、育苗マット化の流れと育苗培地の軽量粒状化の二つの流れがある。
近年、農協の育苗センター等まとまった単位で播種機による育苗生産が普及し愛媛県においてもこうした方式が普及してきている。
そのため軽量粒状化の方が既存の生産体制において組み込みやすい点が指摘できる。
【0003】
先進製品としましては、▲1▼籾殻マット・水稲用育苗マットとしては、さほど普及は進まなかった。最近は屋上緑化基盤材としての籾殻マットがある。
▲2▼ロックウール系育苗マット・ケイ酸カルシウム系繊維でマット状に形成された寸法579×279×16mm重さ190g/枚のボード。一般的な培土を使ったものは6.5Kg、軽量ボードを使ったものは4.5Kgと軽量化効果が期待できる。
▲3▼天然由来繊維系育苗マット・竹、アシ、パーム等の非木材繊維を材料として成型された軽量ボード。100%天然素材、生分解を特徴としたものである。
【0004】
軽量粒状培土としましては、農作業の軽減化として水稲育苗作業の共同施設(育苗センター等)の普及により自動播種機、育苗設備等による自動化が進展してきて中で軽量粒状培土のニーズが高まっている。
軽量化のタイプとしては、熱処理した培土を原料としたタイプと天然繊維素材によるタイプがある。
軽量粒状培土については、人工床土のチェック項目として一定の品質に関するガイドラインが示されている。
【0005】
【表1】


【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、竹粉を原料とした軽量粒状培地で、造粒装置としては、パン型造粒機を使用した。
【表2】

【課題を解決するための手段】
【0007】
【表3】

【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如き製法からなるものであって、竹粉のかさ比重が0.25である為、竹粉軽量培土の簡易物性試験の方法及び性能基準について最適素材である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
【表4】

【実施例1】
【0010】
【表5】

【0011】
粒状培土を実際の育苗用で培土として用いるため、さらにPH調整を行い培土の試作を行った。これらの試作品を、2.8mmの篩を通し、かさ密度、PH、電気伝導率、水分率の物性試験を行ったので、[0010]に示す。
竹粉入り粒状培土については既存の培土の705以下のかさ密度であり、軽量化可能であることが確認できた。今回は、PH調整を硫酸第一鉄および硫酸で行った。
【産業上の利用可能性】
【0012】
▲1▼粒径3〜4mm程度の粒状化を想定していたが、粒状にバラツキが見られたこと、及び30〜40%が粒状化せず粉状となった。
これは、製造機械と求める精度との差が生じているため、パン型粒状製造機の精度を上げる必要がある。
▲2▼かさ密度が0.66〜0.77となった。目標としては0.3程度であるため、竹粉乾燥、バーミキュライト、もしくはパーライト等の軽量材の混入等が考えられる。
【表での簡単な説明】
【0013】
[表1]水稲用育苗培土のガイドライン 水稲用育苗培土の好ましい品質(JA全農)
[表2]軽量粒状化の基本仕様
[表3]粒状培地の簡易物性試験の方法及び性能基準について
[表4]粒状培土における物性試験
[表5]粒状培土試作品における物性試験
【図面の簡単な説明】
【図1】 パン型造粒装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
孟宗竹、和竹、笹竹等の竹材を所要の小片に破砕のうえ、加圧押出装置により少なくともその内部圧力が15Kg/cm2以上で加圧混練し、カッターでミンチ状にし且その長さを20〜200mmに裁断のうえ、その先端の多孔なノズルより大気中に吐出し、膨潤拡散して硬組織と柔組織の解体と、細胞壁を形成するセルロース及びヘミセルロースをリグニンより解離させた解繊状の竹繊維チョップドストランドを用い、10〜200ミクロンの微粉末に粉砕した粉末であることを特徴とするものである。
【請求項2】
請求項1の竹粉配合の育苗マット、▲1▼籾殻マット▲2▼ロックウール系育苗マット▲3▼天然由来繊維系育苗マットに関するもの。
【請求項3】
請求項1の竹粉配合の軽量粒状培土に関するもの。
【請求項4】
請求項3の竹粉軽量培土に籾殻くんたん配合に関するもの。
【請求項5】
請求項4の竹粉軽量培土に籾殻くんたん配合さらに土を混入したもの。

【図1】
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【公開番号】特開2013−51952(P2013−51952A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209838(P2011−209838)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(507095840)長崎工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】