説明

竹綿混合シート、竹綿混合シート製造方法及び竹綿混合シート製造装置

【課題】竹繊維を綿状にした竹綿の消臭性、抗菌性を有効に利用できると共に、竹綿を使用するにも拘わらず容易に製造でき生産性に優れた竹綿混合シートを提供する。
【解決手段】熱融着繊維5と竹綿4とが混合され且つ熱融着繊維5同士の熱融着により竹綿4が抱持された竹綿混合熱融着層6と、竹綿混合熱融着層6の少なくとも一側面に熱融着された熱融着繊維8により形成され且つ竹綿混合熱融着層6を覆う熱融着層9とを備えている。これは、竹綿混合熱融着層6を吸収層2とし、熱融着層9を表面層3とした、生鮮食品用の二層構造又は三層構造のドリップシートとしても使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生鮮食品用のドリップシート、医療用の抗菌・消臭シート材、住宅用の内装材等の各種分野に広く利用できる竹綿混合シート、その竹綿混合シートを製造する竹綿混合シート製造方法及び竹綿混合シート製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
魚、肉等の生鮮食品を販売する際に、商品陳列用のトレイの上にドリップシートを敷いて、そのドリップシートの上に魚、肉等の生鮮食品を載せておき、陳列中に生鮮食品から滲み出た魚汁、肉汁等のドリップをドリップシートにより吸収するようにしている。
【0003】
このドリップシートには、従来、親水性繊維又は親水処理された合成樹脂繊維を用いた不織布により吸収層を構成し、この吸収層の片面に、多数の開口を有する合成樹脂フィルムにより形成された表面層を設けた二層構造のものと、吸収層の両面に、多数の開口を有する合成樹脂フィルムにより形成された表面層を設けた三層構造のものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−300848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のドリップシートを使用すれば、陳列中に生鮮食品から滲み出たドリップをドリップシートの吸収層により吸収できるため、生鮮食品をトレイに入れて店頭に陳列したときの見栄えが向上すると同時に、トレイに入れたままの生鮮食品を包装するときにも、トレイ内に溜まったドリップが零れる等の惧れがなく、生鮮食品の一部がトレイ内に溜まったドリップに漬かってその品質が低下する等の問題も防止できる利点がある。
【0005】
しかし、従来のドリップシートは、親水性繊維又は親水処理された合成樹脂繊維を用いた不織布により吸収層を構成しているため、ドリップの吸収効果はあるものの、吸収層による消臭効果、抗菌効果を期待することはできなかった。そのため生鮮食品の陳列又は保管中に吸収層に吸収されたドリップにバクテリア、その他の微生物が繁殖して腐食が進行し易いと云う欠点があり、また腐食の進行によってドリップが異臭を発生すると、その異臭が生鮮食品に付くと云う欠点があった。
【0006】
また従来のドリップシートは吸収層の片面又は両面に合成樹脂フィルムをラミネートして表面層を形成しているため、吸収層に対する合成樹脂フィルムのラミネートに時間を要し、製造ラインの高速化を図り難く生産能率が悪いと云う欠点もある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、竹繊維を綿状にした竹綿の消臭性、抗菌性を有効に利用できると共に、竹綿を使用するにも拘わらず容易に製造でき生産性に優れた竹綿混合シート、及びこの竹綿混合シートを製造する竹綿混合シート製造方法、竹綿混合シート製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る竹綿混合シートは、熱融着繊維5と竹綿4とが混合され且つ前記熱融着繊維5同士の熱融着により前記竹綿4が抱持された竹綿混合熱融着層6と、該竹綿混合熱融着層6の少なくとも一側面に熱融着された熱融着繊維8により形成され且つ前記竹綿混合熱融着層6を覆う熱融着層9とを備えたものである。これは、前記竹綿混合熱融着層6を吸収層2とし、前記熱融着層9を表面層3とした、生鮮食品用の二層構造又は三層構造のドリップシートとしても使用できる。
【0009】
本発明に係る竹綿混合シートの製造方法は、熱融着繊維5と竹綿4とを混合して竹綿混合繊維7とする混合工程47と、前記竹綿混合繊維7を積層して竹綿混合繊維層7aを成形する竹綿混合繊維層成形工程48と、熱融着繊維8を積層して熱融着繊維層8aを成形する熱融着繊維層成形工程50と、前記竹綿混合繊維層7aと前記熱融着繊維層8aとを重ねた状態でその前記熱融着繊維5,8を熱融着させる熱融着工程52とを含むものである。
【0010】
前記熱融着繊維層成形工程50は前記竹綿混合繊維層成形工程48で成形された前記竹綿混合繊維層7aの一側面に前記熱融着繊維8を積層して前記熱融着繊維層8aを成形すしてもよい。また前記竹綿混合繊維層成形工程48は前記熱融着繊維層成形工程50で成形された前記熱融着繊維層8aの一側面に前記竹綿混合繊維7を積層して前記竹綿混合繊維層7aを成形してもよい。
【0011】
本発明に係る竹綿混合シート製造装置は、熱融着繊維5と竹綿4とを解繊して混合する混合手段12と、熱融着繊維8を解繊する解繊手段14と、前記混合手段12により混合された竹綿混合繊維7と前記解繊手段14により解繊された前記熱融着繊維8との内の一方を外周面に吸引して内層を成形し、且つ該内層の外周面に他方を吸引して外層を重合状に成形する吸引成形手段15と、該吸引成形手段15で重合状に成形された内外層の竹綿混合繊維層7a及び熱融着繊維層8aの前記熱融着繊維5,8を熱融着させる熱融着手段17とを備えたものである。
【0012】
前記吸引成形手段15は前記混合手段12により混合された前記竹綿混合繊維7を外周の吸引領域33の上手側で吸引して前記竹綿混合繊維層7aを成形し、前記解繊手段14により解繊された前記熱融着繊維8を前記吸引領域33の下手側で前記竹綿混合繊維層7aの外側に吸引して前記熱融着繊維層8aを成形する吸引成形ドラム32を備えたものでもよい。
【0013】
前記混合手段12からの前記竹綿混合繊維7を前記吸引領域33の上手側で前記吸引成形ドラム32へと案内する竹綿混合繊維案内手段36と、前記解繊手段14からの前記熱融着繊維8を前記吸引領域33の下手側で前記吸引成形ドラム32へと案内する熱融着繊維案内手段37と、前記吸引成形ドラム32の外周から前記竹綿混合繊維層7aと前記熱融着繊維層8aとの重合体16を受け取って前記熱融着手段17へと搬送する搬送手段18とを備えたものでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る竹綿混合シートでは、熱融着繊維5と竹綿4とが混合され且つ熱融着繊維5同士の熱融着により竹綿4が抱持された竹綿混合熱融着層6と、該竹綿混合熱融着層6の少なくとも一側面に熱融着された熱融着繊維8により形成され且つ竹綿混合熱融着層6を覆う熱融着層9とを備えているので、竹綿4の有する消臭性、抗菌性を有効に利用できると共に、竹綿4を使用するにも拘わらず容易に製造でき生産性に優れているという利点があり、製造ラインの高速化による生産能率の向上を図ることができる。
【0015】
また本発明に係る竹綿混合シートの製造方法では、熱融着繊維5と竹綿4とを混合して竹綿混合繊維7とする混合工程47と、竹綿混合繊維7を積層して竹綿混合繊維層7aを成形する竹綿混合繊維層成形工程48と、熱融着繊維8を積層して熱融着繊維層8aを成形する熱融着繊維層成形工程50と、竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとを重ねた状態でその熱融着繊維5,8を熱融着させる熱融着工程52とを経て製造するため、竹綿混合シート1を容易且つ能率的に製造でき生産性に優れているという利点があり、製造ラインの高速化による生産能率の向上を図ることができる。
【0016】
更に本発明に係る竹綿混合シート製造装置では、熱融着繊維5と竹綿4とを解繊して混合する混合手段12と、熱融着繊維8を解繊する解繊手段14と、混合手段12により混合された竹綿混合繊維7と解繊手段14により解繊された熱融着繊維8との内の一方を外周面に吸引して内層を成形し、且つ該内層の外周面に他方を吸引して外層を重合状に成形する吸引成形手段15と、該吸引成形手段15で重合状に成形された内外層の竹綿混合繊維層7a及び熱融着繊維層8aの熱融着繊維5,8を熱融着させる熱融着手段17とを備えているので、竹綿混合シート1を容易且つ能率的に製造でき生産性に優れているという利点があり、製造ラインの高速化による生産能率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1〜図5は本発明の第1の実施例を例示する。なお、図面の記載の便宜上、竹綿は○印により、熱融着繊維は×印により夫々模式的に表示している。
【0018】
図1は生鮮食品用のドリップシートに使用する二層構造の竹綿混合シート1を示し、図2はその一部を拡大したものを示す。図3は竹綿混合シート1の素材構成を示す。この竹綿混合シート1は図1〜図3に示すように吸収層2と、この吸収層2の一側面を覆う表面層3とを有する。なお、吸収層2は表面層3よりも厚さが大であるが、表面層3と同じ厚さでもよい。
【0019】
吸収層2は通気性の他、生鮮食品からのドリップ等の液体に対する吸収性を有し、竹綿4と熱融着繊維5とを略均一に混合し積層して熱融着された竹綿混合熱融着層6により構成されている。竹綿混合熱融着層6は竹綿4と熱融着繊維5との竹綿混合繊維7を積層して所定厚さの竹綿混合繊維層7aを成形した後、その竹綿混合繊維層7aの熱融着繊維5同士を相互に熱融着したものであって、熱融着により結合された熱融着繊維5によって竹綿4の繊維がばらけないように抱持されている。竹綿4は孟宗竹等の竹から得た竹繊維を綿状に加工したものであり、優れた消臭性と抗菌性とを有する。
【0020】
表面層3は吸収層2内の竹綿4が表面に露出してその繊維が生鮮食品に付着しないように吸収層2の表面を覆うもので、熱融着繊維8を積層して熱融着された熱融着層9により構成されている。熱融着層9は熱融着繊維8を所定厚さに積層して熱融着繊維層8aを成形した後、その熱融着繊維層8aの熱融着繊維8同士を相互に熱融着したものである。そして、表面層3の熱融着繊維8は吸収層2と接する部分ではその熱融着繊維5とも熱融着により結合されている。勿論、この表面層3も通気性、通水性を有する。
【0021】
熱融着繊維5,8としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルその他のものがある。吸収層2の熱融着繊維5と表面層3の熱融着繊維8は異種のものを用いてもよいが、同種のものを用いた場合には、製造時に両者の熱融着繊維5,8を一工程で熱融着することが可能である。竹綿4、熱融着繊維5,8は5〜15mm程度、望ましくは8〜12mm、10mm前後の長さのものが適当であるが、これら以外の長さのものを使用してもよいことは云うまでもない。
【0022】
このような二層構造の竹綿混合シート1をドリップシートとして使用する場合には、この竹綿混合シート1を所定の大きさに裁断し、それをドリップシートとしてトレイの底部に敷き、その表面層3の上に魚、肉等の生鮮食品を載せて陳列等を行う。
【0023】
この竹綿混合シート1製のドリップシートを使用すれば、次のような利点がある。即ち、竹綿4は親水性を有する天然繊維である竹繊維を綿状にしたものであって、吸収層2が竹綿4を含む竹綿混合熱融着層6により構成されているので、その吸収層2の竹綿4により生鮮食品から出たドリップを吸収することができる。
【0024】
一方、竹綿4は孟宗竹等の竹繊維本来の消臭性、抗菌性を有し、その竹綿4で生鮮食品からのドリップを吸収するため、竹綿4の有する消臭性、抗菌性がドリップに対して直接的に作用することができる。
【0025】
例えば、竹綿4の抗菌作用により、ドリップのバクテリアその他の微生物の繁殖を防止でき、生鮮食品、ドリップの腐食の進行を抑制することが可能である。また竹綿4の抗菌作用により微生物の繁殖による異臭の発生を抑制することができ、しかも竹綿4の消臭作用によりドリップの異臭を消臭して、異臭の生鮮食品に対する付着を防止することができる。
【0026】
更に吸収層2の表面には、吸収層2を構成する竹綿混合熱融着層6を覆うように、熱融着繊維8を熱融着して構成された表面層3があり、この表面層3の上に魚、肉等の生鮮食品を載せればよいので、吸収層2である竹綿混合熱融着層6の竹繊維が生鮮食品に付着するような惧れもない。構造的には竹綿4を熱融着繊維5と混合して、その熱融着繊維5を熱融着することにより竹綿4を抱持しているので、バインダ等を使用することなく吸収層2内の竹綿4を保持することができる。
【0027】
また吸収層2は竹綿4と熱融着繊維5とが混合された竹綿混合繊維層7aにより、表面層3は熱融着繊維8が積層された熱融着繊維層8aにより夫々構成され、その熱融着繊維5,8を熱融着により結合しているため、製造に際しては竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとの熱融着繊維5,8を一挙に熱融着することが可能である。
【0028】
このため吸収層2には竹綿4が混合され、その表面に表面層3があるにも拘わらず、従来の合成樹脂フィルムをラミネートする場合に比較して容易に製造することができ、製造ラインの高速化が可能であり、高速で能率的にドリップシート又は竹綿混合シート1を製造することができる。
【0029】
この竹綿混合シート1は、図4に示すような竹綿混合シート製造装置を用いて製造する。この竹綿混合シート製造装置は、図4に示すように熱融着繊維5を供給する第1熱融着繊維供給部10と、竹綿4を供給する竹綿供給部11と、各供給部10,11から供給された竹綿4及び熱融着繊維5を解繊して混合する混合手段12と、熱融着繊維8を供給する第2熱融着繊維供給部13と、第2熱融着繊維供給部13から供給された熱融着繊維8を解繊する解繊手段14と、混合手段12により混合された竹綿混合繊維7を吸引して内層である竹綿混合繊維層7aを成形し、解繊手段14により解繊された熱融着繊維8を吸引して竹綿混合繊維層7aの外側に外層である熱融着繊維層8aを成形する吸引成形手段15と、竹綿混合繊維層7aび熱融着繊維層8aの重合体16の熱融着繊維5,8を熱融着する熱融着手段17と、吸引成形手段15で成形された竹綿混合繊維層7a及び熱融着繊維層8aの重合体16を受け取って熱融着手段17へと搬送する搬送手段18とを備えている。
【0030】
各供給部10,11,13はホッパー等の容器19〜21と、容器19〜21の出口側に相対向して配置された一組又は複数組みの定量送りロール22〜24とを有し、容器19〜21内の熱融着繊維5,8、竹綿4を定量送りロール22〜24の回転により出口側から定量ずつ供給するようになっている。
【0031】
混合手段12はケーシング25と、外周に多数の解繊針26が設けられ且つケーシング25内に回転自在に略同心状に配置された解繊ロール27とを備え、解繊ロール27の外周の解繊針26により、各供給部10,11の熱融着繊維5、竹綿4を定量ずつ解繊して混合するようになっている。第1熱融着繊維供給部10、竹綿供給部11は、第1熱融着繊維供給部10が混合手段12の解繊ロール27に対して上手側に、竹綿供給部11がその下手側に配置されている。なお、竹綿供給部11を上手側に配置し、第1熱融着繊維供給部10を下手側に配置してもよい。
【0032】
解繊手段14は混合手段12と同様にケーシング28と、外周に多数の解繊針29が設けられ且つケーシング28内に回転自在に略同心状に配置された解繊ロール30とを備え、解繊ロール30の外周の解繊針29により、第2熱融着繊維供給部13の熱融着繊維8を定量ずつ解繊して供給するようになっている。
【0033】
吸引成形手段15は外周面に多数の吸引孔(図示省略)が形成され且つ軸心廻りに回転する吸引成形ドラム32と、吸引成形ドラム32の外周の吸引領域33に対応して、吸引成形ドラム32の内周に設けられた吸引部34とを備え、混合手段12で混合された竹綿混合繊維7を吸引領域33の上手側で吸引成形ドラム32の外周面に積層状に吸引して竹綿混合繊維層7aを形成し、解繊手段14で解繊された熱融着繊維8を吸引領域33の下手側で竹綿混合繊維層7aの外側に積層状に吸引して熱融着繊維層8aを形成して、竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとが重合する重合体16を形成するようになっている。
【0034】
吸引部34は吸引成形ドラム32の内側に固定されており、真空ポンプ等の外部の吸引手段(図示省略)により吸引成形ドラム32の吸引孔を介して外気を吸引するようになっている。従って、吸引成形ドラム32の外周は、吸引部34に対応する吸引領域33と、吸引部34から外れた非吸引領域35とに区別されている。なお、吸引領域33は非吸引領域35よりも周方向に長くなっているが、その長短は別段問題でない。
【0035】
混合手段12は吸引成形手段15に対して吸引領域33の上手側に、解繊手段14は吸引領域33の下手側の近傍に夫々配置されている。そして、混合手段12と吸引領域33の上手側との間には、混合手段12からの竹綿混合繊維7を吸引成形ドラム32の外周の上手側に案内する竹綿混合繊維案内手段36が設けられ、また解繊手段14と吸引領域33の上手側との間には、解繊手段14からの熱融着繊維8を吸引成形ドラム32の外周の下手側に案内する熱融着繊維案内手段37が設けられている。
【0036】
竹綿混合繊維案内手段36は、混合手段12で混合された竹綿混合繊維7が出る出口側でケーシング25に連通すると共に、その出口よりも上手側に外気取り入れ口38を有する。熱融着繊維案内手段37は、解繊手段14で解繊された熱融着繊維5が出る出口側でケーシング28に連通すると共に、その出口よりも上手側に外気取り入れ口39を有する。各案内手段36,37は吸引部34での吸引時に外気取り入れ口38,39から外気を取り込んで、その空気の流れによって移動する竹綿混合繊維7、熱融着繊維8を吸引成形ドラム32の外周の吸引領域33へと案内するようになっている。
【0037】
なお、各案内手段36,37はフードカバー等を備えた案内通路により構成されている。熱融着繊維案内手段37の上手側には、吸引成形ドラム32の外周の竹綿混合繊維層7aが引っ掛からないように押えロール37aを設けてもよい。
【0038】
各案内手段36,37の下手側近傍に、吸引成形ドラム32の外周面に吸引された竹綿混合繊維7、熱融着繊維5を所定厚さに押える押えロール40,41が配置され、この押えロール40,41の回転により竹綿混合繊維7、熱融着繊維8を押えて所定厚さの竹綿混合繊維層7a、熱融着繊維層8aとするようになっている。なお、押えロール40,41に代替して案内手段36,37の下手側に摺動式の押え部材を設けてもよいし、省略してもよい。
【0039】
熱融着手段17は乾燥炉43により構成されており、吸引成形手段15で成形された重合体16が搬送手段18により吸引されて乾燥炉43内を通過するときに、この乾燥炉43内の熱風により重合体16の熱融着繊維5,8の夫々を相互に熱融着させて、竹綿混合熱融着層6とその表面側に一体に結合された熱融着層9とを有する竹綿混合シート1とするようになっている。
【0040】
搬送手段18は吸引成形手段15側と乾燥炉43内との間で回動する吸引コンベア44と、この吸引コンベア44の搬送側で重合体16を吸引するための吸引部45とを備え、非吸引領域35の上手側近傍で吸引成形ドラム32の外周面の重合体16を受け取って吸引して乾燥炉43内へと搬送するようになっている。なお、吸引コンベア44は重合体16の外周側の周速と略同一周速で回動する。熱融着手段17の出口側には、熱融着後の竹綿混合シート1を取り出す搬送手段(図示省略)が設けられている。
【0041】
この竹綿混合シート製造装置により竹綿混合シート1を製造する際には、図5に示すように、熱融着繊維5と竹綿4とを所定割合で混合して竹綿混合繊維7とする混合工程47と、混合工程47で混合された竹綿混合繊維7を積層して所定厚さの竹綿混合繊維層7aを成形する竹綿混合繊維層成形工程48と、熱融着繊維8を解繊する解繊工程49と、解繊工程49で解繊された熱融着繊維8を竹綿混合繊維層7aの一側面に積層状に供給して熱融着繊維層8aを成形する熱融着繊維層成形工程50と、竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとの重合体16を搬送する搬送工程51と、搬送される重合体16の竹綿混合繊維層7a、熱融着繊維層8aの熱融着繊維5,8同士を相互に熱融着する熱融着工程52とを経て行う。
【0042】
混合工程47は混合手段12により行う。この混合手段12では解繊ロール27がケーシング25内でa矢示方向に回転しており、その解繊ロール27の外周の多数の解繊針26により、第1熱融着繊維供給部10から供給される熱融着繊維5を定量ずつ解繊し、その熱融着繊維5が引っ掛かった状態の解繊針26により、続いて竹綿供給部11から供給される竹綿4を定量ずつ解繊する。これによって熱融着繊維5と竹綿4とを所定の割合で略均一に混合することができる。熱融着繊維5と竹綿4とが混合された竹綿混合繊維7は、解繊ロール27の回転によって竹綿混合繊維案内手段36へと送られて行く。
【0043】
竹綿4の量はドリップシートが対象とする生鮮食品の種類等によって増減してもよい。また熱融着繊維5は竹綿混合熱融着層6内の竹綿4を抱持し得るように、竹綿4の量に応じて決定すればよい。なお、熱融着繊維5と竹綿4との混合割合は、各供給部10,11の定量送りロール22,23により調節すればよい。
【0044】
竹綿混合繊維層成形工程48は、吸引成形手段15により行う。この吸引成形手段15では吸引部34で外気取り入れ口38からの外気を竹綿混合繊維案内手段36を経て吸引しながら、吸引成形ドラム32がb矢示方向に回転している。このため解繊ロール27により出口側へと送られた竹綿混合繊維7は、竹綿混合繊維案内手段36内の空気流により解繊針26から外れた後、熱融着繊維5と竹綿4とが更に均一に混ざり合いながら吸引成形ドラム32側へと移動し、吸引領域33の上手側で吸引成形ドラム32の外周面に吸引されて積層される。
【0045】
そして、吸引成形ドラム32の外周面に吸引され積層された竹綿混合繊維7は、吸引成形ドラム32の回転に伴ってb矢示方向に送られた後、竹綿混合繊維案内手段36の下手側で回転する押えロール40により所定厚さの層状に押えられて竹綿混合繊維層7aとなる。この竹綿混合繊維層7aは押えロール40と熱融着繊維案内手段37との間で吸引成形ドラム32の外周から吸引部34により吸引される外気により、吸引成形ドラム32の外周面に吸引された状態でその回転に伴って下手側へと案内されて行く。
【0046】
解繊工程49は解繊手段14により行う。この解繊手段14では解繊ロール30がケーシング28内でc矢示方向に回転しており、その解繊ロール30の外周の多数の解繊針29により、第2熱融着繊維供給部13から供給される熱融着繊維8を定量ずつ解繊する。そして、解繊された熱融着繊維8は、解繊ロール30によって熱融着繊維案内手段37へと送って行く。なお、熱融着繊維8の量は、第2熱融着繊維供給部13の定量送りロール24により調整すればよい。
【0047】
熱融着繊維層成形工程50は、吸引成形手段15により行う。この吸引成形手段15では吸引部34が外気取り入れ口39からの外気を熱融着繊維案内手段37を経て吸引しているため、解繊ロール30の回転により出口側へと送られた熱融着繊維8は、熱融着繊維案内手段37内の空気流により解繊針29から外れて吸引成形ドラム32側へと移動し、吸引領域33の下手側で吸引成形ドラム32の外周面の竹綿混合繊維層7aの外側に吸引されて積層される。
【0048】
そして、吸引成形ドラム32の竹綿混合繊維層7aの外側に吸引され積層された熱融着繊維8は、吸引成形ドラム32の回転に伴ってb矢示方向に送られた後、熱融着繊維案内手段37の下手側で回転する押えロール41により所定厚さの層状に押えられて熱融着繊維層8aとなる。これによって竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとが重合した重合体16ができる。
【0049】
搬送工程51は搬送手段18で行う。吸引成形ドラム32の回転により、重合体16が吸引領域33の終端を通過して非吸引領域35に入ると、吸引成形ドラム32の外周の重合体16に近接して略同一の周速で順方向に回動する吸引コンベア44があるので、重合体16は吸引コンベア44側の吸引部34の吸引によりその搬送側に乗り移り、吸引コンベア44により乾燥炉43へと搬送されて行く。
【0050】
熱融着工程52は熱融着手段17で行う。重合体16が乾燥炉43を通過する間に、乾燥炉43内の熱風により熱融着繊維5,8が熱融着されて所定厚さの竹綿混合シート1となる。なお、熱融着繊維5,8の熱融着により嵩張りがなくなり、竹綿混合シート1は重合体16よりも薄くなる。
【0051】
これによって竹綿混合シート1の吸収層2は、竹綿混合熱融着層6内の竹綿4が熱融着により結合された熱融着繊維5によって抱持されたものとなり、また表面層3は熱融着された熱融着層9によって形成され、更に吸収層2と表面層3は両者の熱融着繊維5,8の熱融着により一体に結合できる。従って、このようにすれば、吸収層2内に竹綿4が混合された竹綿混合シート1であるにも拘わらず、その竹綿混合シート1を高能率で容易且つ安価に製造することができる。
【0052】
図6は本発明の第2の実施例を例示する。この実施例では、熱融着繊維層成形工程50で吸引成形ドラム32の外周に熱融着繊維層8aを成形し、その次の竹綿混合繊維層成形工程48で熱融着繊維層8aの外側に、熱融着繊維5と竹綿4との竹綿混合繊維7による竹綿混合繊維層7aを形成するようにしている。
【0053】
従って、吸引成形ドラム32の吸引領域33の上手側に、解繊手段14からの熱融着繊維5を案内する熱融着繊維案内手段37が配置され、吸引領域33の下手側に、混合手段12からの竹綿混合繊維7を案内する竹綿混合繊維案内手段36が配置されている。熱融着繊維案内手段37と竹綿混合繊維案内手段36との間には、押えロール41に代替して、吸引成形ドラム32の外周の熱融着繊維層8aを覆うカバー37bが設けられている。なお、カバー37bは省略してもよい。他の構成は第1の実施例と同様である。
【0054】
このように吸引成形手段15の吸引成形ドラム32の外周に内層となる熱融着繊維層8aを成形し、その熱融着繊維層8aの外側に外層となる竹綿混合繊維層7aを成形しても、第1の実施例の場合と同様に竹綿混合シート1を製造することが可能である。
【0055】
図7、図8は本発明の第3の実施例を例示する。図7は三層構造の竹綿混合シート1を示し、この竹綿混合シート1は吸収層2と、この吸収層2の両面に設けられた表面層3とを有する。そして、吸収層2は竹綿混合熱融着層6により構成され、各表面層3は熱融着された熱融着層9により構成されている。
【0056】
このような三層構造の竹綿混合シート1を製造する場合には、図8に示すようにすればよい。この竹綿混合シート製造装置は、第1吸引成形手段15と第2吸引成形手段55とを備えている。第1吸引成形手段15と、この第1吸引成形手段15に付随する第1混合手段12、第1解繊手段14、第1竹綿混合繊維案内手段36、第1熱融着繊維案内手段37等の基本的な構成は第2の実施例と同様である。
【0057】
第2吸引成形手段55は第1吸引成形手段15の第1吸引成形ドラム32と同様に吸引部57付きの第2吸引成形ドラム56を備え、その吸引領域58の上手側に第2解繊手段59、熱融着繊維案内手段60及び押えロール61等が設けられており、第2吸引成形ドラム56の外周に熱融着繊維層8aを成形するようになっている。
【0058】
第2吸引成形手段55は第1吸引成形手段15と搬送手段18との間に配置されている。第2吸引成形ドラム56はその吸引領域58の上手側と下手側との中間部分が第1吸引成形ドラム32の吸引領域33の終端近傍で非吸引領域35に対応しており、第1吸引成形ドラム32側で成形された竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとの重合層を第1吸引成形ドラム32から第2吸引成形ドラム56の熱融着繊維層8aの外側で受け取って吸着するようになっている。第2吸引成形ドラム56と搬送手段18との関係は他の実施例と同様である。
【0059】
第2解繊手段59は第1解繊手段14と同様にケーシング28と、外周に多数の解繊針29が設けられ且つケーシング28内に回転自在に略同心状に配置された解繊ロール30とを備え、解繊ロール30の外周の解繊針29により、第2熱融着繊維供給部13の熱融着繊維8を定量ずつ解繊して供給するようになっている。
【0060】
この場合は、第1吸引成形手段15では第2の実施例と同様に第1吸引成形ドラム32の外周に内層である熱融着繊維層8aを成形し、この熱融着繊維層8aの外側に竹綿混合繊維層7aを成形する。一方、第2吸引成形手段55では第2吸引成形ドラム56の外周に熱融着繊維層8aを成形する。
【0061】
そして、この吸引成形ドラム32の外周の熱融着繊維層8aと竹綿混合繊維層7aとの重合層は、第1吸引成形ドラム32の非吸引領域35の上手側で第2吸引成形ドラム56の熱融着繊維層8aの外周側に吸引して、第2吸引成形ドラム56の外周の熱融着繊維層8aに竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとが重合した三層構造に成形する。
【0062】
その後、第2吸引成形ドラム56の吸引領域58の終端を過ぎた非吸引領域64で、熱融着繊維層8aと竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとの三層構造の重合体16を第2吸引成形ドラム56から搬送手段18の吸引コンベア44へと受け渡した後、この吸引コンベア44により乾燥炉43へと搬送し、乾燥炉43で重合体16の各熱融着繊維5,8を熱融着により結合する。
【0063】
このようにすれば、吸収層2の両面に、熱融着層9によって構成された表面層3を備えた三層構造の竹綿混合シート1を製造することができる。また第1吸引成形手段15で成形された熱融着繊維層8aと竹綿混合繊維層7aとを重合状に成形すると共に、第2吸引成形手段55で熱融着繊維層8aを成形し、第2吸引成形手段55において、熱融着繊維層8aの外周に第1吸引成形手段15からの竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとを重ねるようにしているため、第1吸引成形手段15、第2吸引成形手段55を直列状に配置でき高速化を図ることも容易である。
【0064】
なお、この実施例では、第2吸引成形手段55で成形された熱融着繊維層8a上に第1吸引成形手段15で成形した竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとを重ねるようにしているが、第1の実施例と同様に、第1吸引成形手段15で内側に竹綿混合繊維層7aを成形する構成であれば、第1吸引成形手段15で吸引された竹綿混合繊維層7aと熱融着繊維層8aとを第2吸引成形手段55に移した後、第2吸引成形手段55において、その竹綿混合繊維層7aの外周に熱融着層を成形してもよい。
【0065】
また第2吸引成形手段55で熱融着繊維層8aを成形する一方、第1吸引成形手段15で内外二層構造で成形された外周の竹綿混合繊維層7aの外周に、第2吸引成形手段55で成形された熱融着繊維層8aを移すようにしてもよい。
【0066】
図9は第4の実施例を例示する。この竹綿混合シート製造装置は、吸引成形手段15の外周に熱融着繊維層8a、竹綿混合繊維層7a、熱融着繊維層8aを順次成形して三層構造の竹綿混合シート1を製造するようになっている。
【0067】
吸引成形手段15の吸引成形ドラム32の外周の吸引領域33には、その上手側に第1解繊手段14からの熱融着繊維8を案内する第1熱融着繊維案内手段37が、その下手側に混合手段12からの竹綿混合繊維7を案内する竹綿混合繊維案内手段36が夫々設けられている。そして、竹綿混合繊維案内手段36の下手側に、第2解繊手段59からの熱融着繊維8を案内する第2熱融着繊維案内手段60が設けられている。
【0068】
このようにすれば吸引成形ドラム32の外周に先ず熱融着繊維層8aを成形し、この熱融着繊維層8aの外周に竹綿混合繊維層7aを成形し、最後にこの竹綿混合繊維層7aの外周に熱融着繊維層8aを成形することにより、三層構造の竹綿混合シート1を容易に製造することができる。また1個の吸引成形手段15、吸引成形ドラム32を使用して製造できるので、竹綿混合シート1が三層構造であるにも拘わらず、製造装置の構造を簡単にすることができる。
【0069】
以上、本発明の各実施例について詳述したが、本発明はこの各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では、吸引成形手段15,55として吸引成形ドラム式を例示しているが、吸引成形ベルト式でもよい。また竹綿混合繊維層7a、熱融着繊維層8aは吸引成形ドラム式、吸引成形ベルト式の吸引成形手段を用いて別々に成形し、その後の重合工程において、一方の吸引成形手段から他方の吸引成形手段に受け渡すか、又は両吸引成形手段から更に別の重合搬送手段に順次移しながら両者を重合させるようにしてもよい。
【0070】
熱融着繊維5と竹綿4とを混合する混合手段12は、実施例のようにケーシング25内で解繊ロール27が回転する解繊手段により構成してもよいが、解繊手段と竹綿混合繊維案内手段36とを組み合わせて構成してもよい。
【0071】
また実施例では竹綿混合シート1の竹綿混合熱融着層6を吸収層2とし、熱融着層9を表面層3として、竹綿混合シート1をドリップシートとして使用する場合について例示したが、この竹綿混合シート1は吸収性、消臭性、抗菌性を有することからサニタリー用品等への応用も可能であり、また通気性、緩衝性を有することから、生鮮食品、その他を包装する包装材料としても使用することができる。
【0072】
更に竹綿4自体が親水性を有する天然繊維であることから、竹綿4による調湿性を活かして住宅の内装用の下地材、壁材等としても応用可能である。従って、この竹綿混合シート1は単に生鮮食品を陳列する際に使用するドリップシートに限定されるものではなく、各種の分野に広く採用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施例を示す竹綿混合シートの斜視図である。
【図2】同竹綿混合シートの要部の拡大図である。
【図3】同竹綿混合シートの素材構成図である。
【図4】同竹綿混合シート製造装置の構成図である。
【図5】同竹綿混合シート製造方法のブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す竹綿混合シート製造装置の構成図である
【図7】本発明の第3の実施例を示す竹綿混合シートの斜視図である。
【図8】同竹綿混合シート製造装置の構成図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示す竹綿混合シート製造装置の構成図である。
【符号の説明】
【0074】
1 竹綿混合シート
2 吸収層
3 表面層
4 竹綿
5 熱融着繊維
6 竹綿混合熱融着層
7 竹綿混合繊維
7a 竹綿混合繊維層
8 熱融着繊維
8a 熱融着繊維層
9 熱融着層
12 混合手段
14 解繊手段
15 吸引成形手段
16 重合体
17 熱融着手段
18 搬送手段
32 吸引成形ドラム
33 吸引領域
36 竹綿混合繊維案内手段
37 熱融着繊維案内手段
48 竹綿混合繊維層成形工程
50 熱融着繊維層成形工程
52 熱融着工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱融着繊維(5)と竹綿(4)とが混合され且つ前記熱融着繊維(5)同士の熱融着により前記竹綿(4)が抱持された竹綿混合熱融着層(6)と、該竹綿混合熱融着層(6)の少なくとも一側面に熱融着された熱融着繊維(8)により形成され且つ前記竹綿混合熱融着層(6)を覆う熱融着層(9)とを備えたことを特徴とする竹綿混合シート。
【請求項2】
前記竹綿混合熱融着層(6)を吸収層(2)とし、前記熱融着層(9)を表面層(3)とした、生鮮食品用の二層構造又は三層構造のドリップシートであることを特徴とする請求項1に記載の竹綿混合シート。
【請求項3】
熱融着繊維(5)と竹綿(4)とを混合して竹綿混合繊維(7)とする混合工程(47)と、前記竹綿混合繊維(7)を積層して竹綿混合繊維層(7a)を成形する竹綿混合繊維層成形工程(48)と、熱融着繊維(8)を積層して熱融着繊維層(8a)を成形する熱融着繊維層成形工程(50)と、前記竹綿混合繊維層(7a)と前記熱融着繊維層(8a)とを重ねた状態でその前記熱融着繊維(5,8)を熱融着させる熱融着工程(52)とを含むことを特徴とする竹綿混合シート製造方法。
【請求項4】
前記熱融着繊維層成形工程(50)は前記竹綿混合繊維層成形工程(48)で成形された前記竹綿混合繊維層(7a)の一側面に前記熱融着繊維(8)を積層して前記熱融着繊維層(8a)を成形することを特徴とする請求項3に記載の竹綿混合シート製造方法。
【請求項5】
前記竹綿混合繊維層成形工程(48)は前記熱融着繊維層成形工程(50)で成形された前記熱融着繊維層(8a)の一側面に前記竹綿混合繊維(7)を積層して前記竹綿混合繊維層(7a)を成形することを特徴とする請求項3に記載の竹綿混合シート製造方法。
【請求項6】
熱融着繊維(5)と竹綿(4)とを解繊して混合する混合手段(12)と、熱融着繊維(8)を解繊する解繊手段(14)と、前記混合手段(12)により混合された竹綿混合繊維(7)と前記解繊手段(14)により解繊された前記熱融着繊維(8)との内の一方を外周面に吸引して内層を成形し、且つ該内層の外周面に他方を吸引して外層を重合状に成形する吸引成形手段(15)と、該吸引成形手段(15)で重合状に成形された内外層の竹綿混合繊維層(7a)及び熱融着繊維層(8a)の前記熱融着繊維(5,8)を熱融着させる熱融着手段(17)とを備えたことを特徴とする竹綿混合シート製造装置。
【請求項7】
前記吸引成形手段(15)は前記混合手段(12)により混合された前記竹綿混合繊維(7)を外周の吸引領域(33)の上手側で吸引して前記竹綿混合繊維層(7a)を成形し、前記解繊手段(14)により解繊された前記熱融着繊維(8)を前記吸引領域(33)の下手側で前記竹綿混合繊維層(7a)の外側に吸引して前記熱融着繊維層(8a)を成形する吸引成形ドラム(32)を備えたことを特徴とする請求項6に記載の竹綿混合シート製造装置。
【請求項8】
前記混合手段(12)からの前記竹綿混合繊維(7)を前記吸引領域(33)の上手側で前記吸引成形ドラム(32)へと案内する竹綿混合繊維案内手段(36)と、前記解繊手段(14)からの前記熱融着繊維(8)を前記吸引領域(33)の下手側で前記吸引成形ドラム(32)へと案内する熱融着繊維案内手段(37)と、前記吸引成形ドラム(32)の外周から前記竹綿混合繊維層(7a)と前記熱融着繊維層(8a)との重合体(16)を受け取って前記熱融着手段(17)へと搬送する搬送手段(18)とを備えたことを特徴とする請求項7に記載の竹綿混合シート製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−143102(P2010−143102A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323338(P2008−323338)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(390018832)東亜機工株式会社 (14)
【Fターム(参考)】