説明

符号分割クロック伝送方式

【課題】 クロック発生装置にて複数のクロック信号を生成し、かつ、それら複数のクロック信号を送信し、複数の受信装置で受信をするクロック伝送方式において、特にクロック伝送により発生する輻射(放射)ノイズ低減を図る。
【解決手段】 伝送する複数のクロック信号7に互いに直交する符号(拡散符号)5を割当て拡散を行った後に多重処理して伝送路14に伝送信号19を送出し、伝送路に接続された受け側の装置で送出された伝送信号19から伝送された複数のクロック信号7を再生することで装置間の配線数の削減,輻射(放射)ノイズの低減を行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロック発生装置にて複数のクロック信号を生成し、かつ、それら複数のクロック信号を送信し、複数の受信装置で受信をするクロック伝送方式において、特にクロック伝送により発生する輻射(放射)ノイズ低減を必要とする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のクロック伝送方式は、クロック発生装置で生成した複数のクロック信号を受け側の装置に伝送するためには、生成したクロックの種類とクロック発生装置に接続される装置の数をかけ算した数の複数の伝送路を設けて接続していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のクロック伝送方式では、クロックの種類に等しい本数のクロック信号線が必要となるため、クロックの種類が増加した場合に装置間の配線が多数となり、プリント板の物理的制約によりプリントパターンで実現できずに、多芯ケーブルで代用することがあり、コストアップになるという問題があった。
【0004】また、従来のクロック伝送方式では、複数のクロックを伝送する場合において、クロック信号線を平行に配置すると、クロック信号線の間でクロックの回り込みの発生が生じ易く、回り込んだクロックの影響により回路が誤動作を起こす可能性があることから、クロック信号線の配線に制約が生じるという問題があった。
【0005】さらに、従来のクロック伝送方式では、発生され伝送されるクロックの基本次数および高調波次数の輻射(放射)ノイズの低減を図るために複数の伝送路のシールドが必要になり、コストアップになるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、伝送する複数のクロック信号に互いに直交する符号(拡散符号)を割当て拡散を行った後に多重処理して伝送信号として伝送路に送出し、伝送路に接続された受け側の装置においては送出された伝送信号から伝送された複数のクロックを再生することで、装置間の配線数を削減し、伝送路の輻射(放射)ノイズ対策を簡易に実現する、符号分割クロック伝送方式を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】拡散,逆拡散のタイミングを与えるリファレンス信号を生成するリファレンス信号回路と、前記リファレンス信号に同期して第1の拡散符号を生成する疑似ランダムコード発生器(以下PNGを称す)と、前記PNGの第1の拡散符号出力を入力とし時間軸上に遅延させたn個の第2の拡散符号に変換する第1のシフトレジスタと、前記n個の第2の拡散符号とn個の伝送クロックとの乗算を行いn個の拡散信号をそれぞれ生成し出力するn個のディジタル乗算器と、前記n個の拡散信号を加算し多重を行い多重クロック信号を出力する多重部と、前記多重クロック信号の振幅制限を行う減衰器(以下ATTと称す)と、前記リファレンス信号と前記多重クロック信号とのアナログ乗算を行い伝送信号を生成し出力するアナログ乗算器とから構成され、かつ、伝送路に前記伝送信号を出力するクロック多重部と、前記伝送路で伝送された前記伝送信号から前記リファレンス信号の再生を行うリファレンス再生回路と、再生された前記リファレンス信号に同期して前記PNGで生成された前記第1の拡散符号を再生し出力する再生PNGと、前記再生PNGの前記第1の拡散符号出力を入力とし時間軸上に遅延させたn個の第3の拡散符号に変換する第2のシフトレジスタと、前記伝送信号と前記n個の第3の拡散符号との乗算を行い所望のn個のクロックを抽出するn個の乗算器と、前記n個の乗算器から出力される前記n個のクロック信号の波形整形を行い前記n個の伝送クロックを出力するn個のクロック整形回路とから構成される複数のクロック再生部にクロックを伝送する機能を有する。
【0008】前記第1および第2のシフトレジスタは、前記第1の拡散符号を入力とし時間軸上に遅延させn個の出力ポートから異なったタイミングのn個の第2および第3の拡散符号を出力する機能を有する。
【0009】前記伝送路は、前記クロック多重部と複数の前記クロック再生部とを接続し、前記多重クロック信号と前記リファレンス信号が合成された前記伝送信号を伝送する機能を有する。
【0010】前記第2,第3の拡散符号は、同一の拡散符号であり、前記第2の拡散符号は前記クロック多重部で前記クロック信号の拡散に使用され、第3の拡散符号は前記クロック再生部で前記伝送クロックの再生(逆拡散)に使用する機能を有する。
【0011】前記リファレンス再生回路は、前記再生PNGにて前記第1の拡散符号の生成タイミングを決定する前記リファレンス信号を前記伝送信号より抽出する機能を有する。
【0012】本発明は、伝送する複数のクロック信号に互いに直交する拡散符号を割当て拡散を行い多重して振幅制限を行った後、逆拡散のタイミングを決定するリファレンス信号を重畳し伝送信号とし伝送路に送出し、伝送路に接続された受け側の装置で送出された伝送信号から伝送されたリファレンス信号を分離し、かつ分離再生したリファレンス信号のタイミングに同期して拡散符号の生成を行い逆拡散を行うことで、装置間の伝送路数の低減と、伝送路の輻射(放射)ノイズ対策の簡易化を実現する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明による符号分割クロック伝送方式の一実施例のブロック図である。この符号分割クロック伝送方式は、伝送クロックを拡散符号にて拡散を行い多重するクロック多重部15と、拡散符号にて逆拡散を行い伝送クロックを再生するクロック再生部16とに大別できる。
【0014】クロック多重部15は、リファレンス信号回路1,疑似ランダムコード発生器(PNG)2,シフトレジスタ4,ディジタル乗算器(6−1)〜(6−n),多重部9,減衰器(ATT)10,アナログ乗算器12より構成される。リファレンス信号回路1は、拡散のタイミングを与えるリファレンス信号13を生成する。生成されたリファレンス信号13は、PNG2とアナログ乗算器12に送出される。PNG2は、リファレンス信号を入力としリファレンス信号13に同期した第1の拡散符号3を生成し、シフトレジスタ4に送出する。シフトレジスタ4は第1の拡散符号3を時間軸上に遅延させたn個の第2の拡散符号(5−1)〜(5−n)に変換し、ディジタル乗算器(6−1)〜(6−n)に出力する。
【0015】ディジタル乗算器(6−1)〜(6−n)は、伝送クロック(7−1)〜(7−n)とn個の第2の拡散符号5との乗算をそれぞれ行い、n個の拡散信号(8−1)〜(8−n)を生成し、多重部9に出力する。多重部9は、入力されたn個の拡散信号8を加算して多重を行い、得られた多重クロック信号11をATT10に出力する。ATT10は多重クロック信号11の振幅を減衰させて、アナログ乗算器12に出力する。アナログ乗算器12は、多重クロック信号11とリファレンス信号13との乗算を行い、リファレンス信号13に多重クロック信号11を重畳し、伝送路14に送出する。伝送路14には、n個の受信装置(17−1)〜(17−n)が接続される。n個の受信装置は、それぞれクロック再生部(16−1)〜(16−n)を有している。なお、各受信装置のクロック再生部の構成は同じであるので、受信装置17−1のクロック再生部16−1のみ詳細に示してある。
【0016】なお、以下の説明において、同一の要素がn個あり、これらを区別する必要のない場合には、枝番号を省略した参照番号で表記するものとする。
【0017】クロック再生部16は、リファレンス再生回路18,再生PNG20,シフトレジスタ21,乗算器(23−1)〜(23−n),クロック整形回路(24−1)〜(24−n)より構成される。リファレンス再生回路18は、伝送路14より入力される伝送信号19より、逆拡散のタイミングを与えるリファレンス信号13の再生を行い再生PNG20に出力する。再生PNG20は再生されたリファレンス信号13に同期して、PNG2で生成された第1の拡散符号3を生成し、シフトレジスタ21に出力する。シフトレジスタ21は再生された第1の拡散符号3を時間軸上に遅延させたn個の第3の拡散符号22に変換し、乗算器(23−1)〜(23−n)に出力する。乗算器(23−1)〜(23−n)は、伝送信号19とn個の第3の拡散符号22をそれぞれ入力とし、逆拡散を行い歪み成分を含んだ伝送クロック(7−1)〜(7−n)を抽出して、クロック整形回路(24−1)〜(24−n)に送出する。これらクロック整形回路は、歪みを含んだ伝送クロック(7−1)〜(7−n)の波形整形を行い出力する。
【0018】本実施例の構成を、動作をも含めて、さらに詳細に説明する。
【0019】クロック多重部15のリファレンス信号回路1は、PNG2にて生成される第1の拡散符号3のタイミング決定に使用される固定周期のクロック信号であるリファレンス信号13を出力する。なおリファレンス信号13は、第1の拡散符号3の符号速度に比較して十分長い周期の任意の信号である。
【0020】図2に、リファレンス信号発生器1の具体例を示す。リファレンス信号13の原振である水晶発振器(X’tal)26と、水晶発振器26の出力に直流電圧を重畳しリファレンス信号13のデューティ比を調整するコンデンサ27と抵抗28,29とNAND30からなる回路と、波形整形と出力バッファの機能を担うNAND31とより構成され、PNG2とアナログ乗算器12へ接続される。
【0021】PNG2は、リファレンス信号13に同期して第1の拡散符号3を生成する。一例では拡散符号にM系列符号を用いる。M系列符号は、乗数に等しい数のDフリップフロップと数個の排他的論理和(以下、EX−ORを称す)とにより容易に実現できる。第1の拡散符号3をリファレンス信号13に同期させるために、一例ではリファレンス信号13の立ち上がりに合わせてPNG2内のDフリップフロップのイニシャライズを行う。この動作は、リセット入力のあるDフリップフロップを使用することで容易に実現できる。Dフリップフロップは、一例として標準ロジックのμPD74HC165(日本電気(株)製)が使用できる。
【0022】シフトレジスタ4は、PNG2より出力される第1の拡散符号3を時間軸上に遅延させ、n個の第2の拡散符号5を生成する。図3に具体的な第2の拡散符号5の生成例を示す。図中のMは、シフトレジスタ内部のDフリップフロップ数を示し、Mは常に伝送クロックの数nより大きいという関係にある。D0 からDMまで時間軸上に遅延させ、任意のDフリップフロップを選択しディジタル乗算器6と接続する。図3の例では、Dフリップフロップを2個ずつ飛ばしてディジタル乗算器6と接続している。Dフリップフロップは、一例として、標準ロジックのμPD74HC165(日本電気(株)製)が使用できる。シフトレジスタ4で生成されたn個の第2の拡散符号5は、対応するn個の伝送クロック7とディジタル乗算器(6−1)〜(6−n)にてそれぞれ乗算され、n個の拡散信号8となり多重部9に出力される。ディジタル乗算器(6−1)〜(6−n)は、EX−ORの機能で実現可能である。多重部9は、入力されるn個の拡散信号8を単純に加算し、多重クロック信号11として出力する。
【0023】図4に、多重部9の具体例を示す。入力されたn個の拡散信号8はオペアンプ32,抵抗アレー33,抵抗34よりなる加算器にて加算される。しかし、オペアンプ32の出力で位相が180度反転するため、修正の目的でオペアンプ35と抵抗36,37よりなる反転アンプに入力され、更にバッファアンプ38を通して出力される。一例として、使用するオペアンプ32,35ならびにバッファアンプ38には、μPC1251(日本電気(株)製)が使用可能である。
【0024】出力された多重クロック信号11は、ATT10に入力される。ATT10は、抵抗2個で構成される単純な抵抗分圧器である。多重クロック信号11を減衰させることで、クロック再生部16にて単純なコンパレータを使用しリファレンス信号13を抽出することを可能にし、および多重クロック信号11の振幅を制限し輻射(放射)ノイズを低減させる。減衰した多重クロック信号11は、アナログ乗算器12にてリファレンス信号1と乗算され、伝送信号19となり伝送路14に出力される。
【0025】図5に、伝送信号19のイメージを示す。固定周期のクロック信号であるリファレンス信号13と多重クロック信号11とが、アナログ乗算器12で乗算され、図示のような伝送信号19となる。
【0026】伝送路14には、クロック多重部15の出力する伝送信号19よりクロックを再生し動作するn個の受信装置17が接続されており、各受信装置17はクロック再生部16を有する。
【0027】クロック再生部16は、リファレンス再生回路18,再生PNG20,シフトレジスタ21,乗算器23,クロック整形回路24から構成され、伝送路14を通じて与えられる伝送信号19の逆拡散を行い、n個の伝送クロックを再生する。
【0028】リファレンス再生回路18は、入力された伝送信号19からリファレンス信号13を再生する。図6に、リファレンス再生回路18の具体例を示す。伝送信号19から、抵抗39,コンデンサ40,オペアンプ41,基準電圧42,ツェナダイオード43からなるコンパレータにより、CMOSレベルのリファレンス信号13が再生される。さらにリファレンス信号13は、バッファアンプ44を通して再生PNG20に出力される。リファレンス再生回路18では、オペアンプ41,バッファアンプ44として、μPC1251(日本電気(株)製)が使用できる。
【0029】再生PNG20は、先に説明したPNG2と同じ動作を行い、第1の拡散符号3を再生する。シフトレジスタ21もまたシフトレジスタ4と同じ動作を行い、n個の第3の拡散符号(22−1)〜(22−n)を乗算器(23−1)〜(23−n)に出力する。シフトレジスタ21と乗算器(23−1)〜(23−n)との接続は、シフトレジスタ4とディジタル乗算器(6−1)〜(6−n)との接続と同じである。同じ接続にすることで、伝送クロック信号7の再生が可能になる。伝送信号19とn個の第3の拡散符号22は、乗算器(23−1)〜(23−n)で逆拡散されてクロック信号(25−1)〜(25−n)となり、クロック整形回路(24−1)〜(24−n)に出力される。クロック整形回路(24−1)〜(24−n)は、再生するべき伝送クロック7に含まれる目的外の伝送信号19の成分を除去し、クロック多重部15に入力された時と同じn個の伝送クロック(7−1)〜(7−n)を再生する。
【0030】図7に、クロック整形回路24の具体例を示す。乗算器23の出力は、抵抗45,コンデンサ46,オペアンプ47,基準電圧48,ツェナダイオード49からなるコンパレータにより波形整形され、更にシュミット特性を持つインバータ50を通して、受信装置17にn個の伝送クロック7を出力する。このクロック整形回路では、一例として、オペアンプ47にμPC1251(日本電気(株)製)、インバータ50に基準CMOSロジックであるμPD74HC14(日本電気(株)製)が使用できる。
【0031】伝送クロック(7−1)を伝送する場合を例にして、動作を説明する。伝送クロック(7−1)はクロック多重部15に入力されると、ディジタル乗算器(6−1)にて第2の拡散符号(5−1)と乗算され、拡散信号(8−1)となり多重部9に出力される。多重部9にて(n−1)個の他の伝送クロック7と多重され、更にATT10にて振幅を減衰された後、アナログ乗算器12に出力される。アナログ乗算器12では、リファレンス信号13と乗算され、伝送信号19となり伝送路14に送出される。
【0032】伝送信号19は、伝送路14を通り受信装置17の有するクロック再生部16に伝送される。クロック再生部16に入力された伝送信号は、リファレンス再生回路18と乗算器23にそれぞれ入力される。リファレンス再生回路16では、伝送信号19からリファレンス信号13を抽出し、再生PNG20とシフトレジスタ21を動作させ、第2の拡散符号5と同じ第3の拡散符号22を生成する。伝送クロック(7−1)の再生は、乗算器(23−1)にて第3の拡散符号(22−1)と乗算することで行われる。再生された伝送クロック(7−1)は、伝送信号19の成分を僅かながら含んでいるため、クロック整形回路(24−1)を通し波形整形を行い、伝送クロック(7−1)が完全に再生される。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、クロック信号を多重して伝送することからクロック信号の種類によらず一本の伝送路のみでクロックを伝送でき、装置間のクロック信号線の配線数を削減できる。
【0034】また、本発明では、クロック信号を減衰させて伝送することで、従来の伝送方式に比較して輻射(放射)ノイズを低減できる。
【0035】さらに、本発明では、一つの伝送路にシールドを施すのみで輻射(放射)ノイズ対策を低コストで実現できる。
【0036】また、本発明では、各クロック信号に直交性に優れた拡散符号をそれぞれ割当て伝送することから、伝送路中のクロック信号同士の干渉がないため、クロック信号間のクロック回り込みが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】図1のブロック図におけるリファレンス信号回路の詳細な回路図である。
【図3】図1で使用する第2の拡散符号5の生成イメージ図である。
【図4】図1のブロック図における多重部の詳細な回路図である。
【図5】図1で使用する伝送信号の生成イメージ図である。
【図6】図1のブロック図におけるリファレンス再生回路の詳細な回路図である。
【図7】図1のブロック図におけるクロック整形回路の詳細な回路図である。
【符号の説明】
1 リファレンス信号回路
2 PNG
3 第1の拡散符号
4 シフトレジスタ
5 第2の拡散符号
6 ディジタル乗算器
7 伝送クロック
8 拡散信号
9 多重部
10 ATT
11 多重クロック信号
12 アナログ乗算器
13 リファレンス信号
14 伝送路
15 クロック多重部
16 クロック再生部
17 受信装置
18 リファレンス再生回路
19 伝送信号
20 再生PNG
21 シフトレジスタ
22 第3の拡散符号
23 乗算器
24 クロック整形回路
25 クロック信号
26 水晶発振器
27,40,46 コンデンサ
28,29,34,36,37,39,45 抵抗
30,31 NAND
32,35,41,47 オペアンプ
33 抵抗アレー
38,44 バッファアンプ
42,48 基準電圧
43,49 ツェナダイオード
50 インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】伝送する複数のクロック信号に互いに直交する符号を割当て拡散を行った後に多重処理して伝送路に伝送信号を送出し、伝送路に接続された受け側の装置で送出された伝送信号から伝送された複数のクロックを再生することを特徴とする符号分割クロック伝送方式。
【請求項2】拡散,逆拡散のタイミングを与えるリファレンス信号を生成し、前記リファレンス信号に同期して第1の拡散符号を生成し、前記第1の拡散符号出力を時間軸上に遅延させたn個の第2の拡散符号に変換し、前記n個の第2の拡散符号とn個の伝送クロックとの乗算を行い、n個の拡散信号をそれぞれ生成し、前記n個の拡散信号を加算し多重を行い多重クロック信号を生成し、前記多重クロック信号の振幅制限を行い、前記リファレンス信号と前記多重クロック信号とのアナログ乗算を行い伝送信号を生成し、伝送路に出力するクロック多重部と、前記伝送路で伝送された前記伝送信号から前記リファレンス信号の再生を行い、再生された前記リファレンス信号に同期して前記第1の拡散符号を再生し、前記第1の拡散符号出力を入力とし時間軸上に遅延させたn個の第3の拡散符号に変換し、前記伝送信号と前記n個の第3の拡散符号との乗算をそれぞれ行い所望のn個のクロックを抽出し、前記n個のクロック信号の波形整形を行い前記n個の伝送クロックを出力するクロック再生部とを有することを特徴とする符号分割クロック伝送方式。
【請求項3】拡散,逆拡散のタイミングを与えるリファレンス信号を生成するリファレンス信号回路と、前記リファレンス信号に同期して第1の拡散符号を生成する疑似ランダムコード発生器と、前記疑似ランダムコード発生器の第1の拡散符号出力を入力とし、時間軸上に遅延させたn個の第2の拡散符号に変換する第1のシフトレジスタと、前記n個の第2の拡散符号とn個の伝送クロックとの乗算を行い、n個の拡散信号をそれぞれ生成し出力するn個のディジタル乗算器と、前記n個の拡散信号を加算し多重を行い多重クロック信号を出力する多重部と、前記多重クロック信号の振幅制限を行う減衰器と、前記リファレンス信号と前記多重クロック信号とのアナログ乗算を行い伝送信号を生成し出力するアナログ乗算器とから構成され、かつ、伝送路に前記伝送信号を出力するクロック多重部と、前記伝送路で伝送された前記伝送信号から前記リファレンス信号の再生を行うリファレンス再生回路と、再生された前記リファレンス信号に同期して前記疑似ランダムコード発生器で生成された前記第1の拡散符号を再生し出力する再生疑似ランダムコード発生器と、前記再生疑似ランダムコード発生器の前記第1の拡散符号出力を入力とし時間軸上に遅延させたn個の第3の拡散符号に変換する第2のシフトレジスタと、前記伝送信号と前記n個の第3の拡散符号との乗算をそれぞれ行い所望のn個のクロックを抽出するn個の乗算器と、前記n個の乗算器から出力される前記n個のクロック信号の波形整形を行い前記n個の伝送クロックを出力するn個のクロック整形回路とから構成されるクロック再生部を複数有することを特徴とする符号分割クロック伝送方式。
【請求項4】前記第1のシフトレジスタは、前記第1の拡散符号を入力とし時間軸上に遅延させn個の出力ポートから異なったタイミングのn個の第2の拡散符号を出力し、前記第2のシフトレジスタは、前記第1の拡散符号を入力とし時間軸上に遅延させn個の出力ポートから異なったタイミングのn個の第3の拡散符号を出力する、ことを特徴とする請求項3記載の符号分割クロック伝送方式。
【請求項5】前記伝送路は、前記クロック多重部と複数の前記クロック再生部とを接続し、前記多重クロック信号と前記リファレンス信号が合成された前記伝送信号を伝送することを特徴とする請求項3または4記載の符号分割クロック伝送方式。
【請求項6】前記第2,第3の拡散符号は、同一の拡散符号であり、前記第2の拡散符号は前記クロック多重部で前記クロック信号の拡散に使用され、第3の拡散符号は前記クロック再生部で前記伝送クロックの再生(逆拡散)に使用されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の符号分割クロック伝送方式。
【請求項7】前記リファレンス再生回路は、前記再生疑似ランダムコード発生器にて前記第1の拡散符号の生成タイミングを決定する前記リファレンス信号を前記伝送信号より抽出することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のクロック伝送方式。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【公開番号】特開平9−321656
【公開日】平成9年(1997)12月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−135067
【出願日】平成8年(1996)5月29日
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)