説明

符号化認識を有する分析システム

試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための分析システム(110)、特に体液中のグルコースを検出するための分析システム(110)が提供される。分析システム(110)は、少なくとも1つの試験要素を用いて分析物を検出するように設計されている。試験要素は、分析物を検出するための少なくとも1つの分析ゾーン(116)を有する。試験要素は、情報の少なくとも1つの試験要素特定項目、及び/又は情報の少なくとも1つの位置特定項目を有する少なくとも1つの符号化(118)をさらに含む。分析システム(110)は、検出器(124)、及びさらに少なくとも1つの転送デバイス(142)を含み、該転送デバイス(142)は、少なくとも第1位置において分析ゾーン(116)を取得する可能性を該検出器(124)に提供し、第1位置とは異なっている少なくとも第2位置において符号化(118)を取得する可能性を該検出器(124)に提供するように設計されている。試験要素が試験ストリップ(154)である場合、分析システム(110)は、符号化(118)の情報の少なくとも試験要素特定項目を取得するように設計されている。試験要素が試験テープ(114)である場合、分析システム(110)は、該検出器(124)によって、情報の少なくとも位置特定項目を取得するように設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析システム、及び試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための方法に関する。このような分析システム及び方法は、液体試料、特に、間質液、血液、又は尿などの体液中の分析物の定性的及び/又は定量的に検出するために使用することができる。特に、分析システム及び方法は、グルコース及び/又は他の代謝物を検出するために使用することができる。以下の説明は、糖尿病診断の範囲内において本発明の使用に焦点を当てる;しかしながら、他の領域の用途もまた実施され得る。
【背景技術】
【0002】
臨床診断において、血液試料又は体液中の他の試料、例えば、間質液の試験は、病理学的状態の初期及び信頼のある検出の可能性、生体状態の標的とされる基礎となるモニタリングを提供する。一般に、医療診断は、試験されるべき患者由来の血液又は間質液試料を得ることを前提とする。この目的を達成するために、通常、例えば、指腹又は耳たぶにおいて、滅菌した先の尖った又は鋭いランセットを用いて穴をあけ、分析用に数μl未満の血液を得る。
【0003】
今日、血中グルコースの自己測定は、世界中で適用されている糖尿病モニタリングの方法である。一般に、従来技術の血中グルコース機器は、試験要素(例えば、試験ストリップ及び/又は試験テープ)が挿入される分析機器を有する。分析される試料は、試験要素の試験フィールド(以下の本文において分析ゾーンともいう)に適用され、試験フィールドにおいて、一般には、検出される分析物に特異的に選択される1以上の試薬と、試験フィールドにおいて反応する可能性がある。一例として、この反応は、光学的、特に測光的、及び/又は電気化学的に検出され得る。
【0004】
上記評価に関して、従来技術は、本発明の目的のために使用されるか又は修飾され得る試験要素及び試験機器の異なる形態を開示する。特に、本発明の目的のために、これらの文献に説明されている検出試薬に言及することが可能である。一例として、例えば、CA2311496A1、US5,846,838A、US6,036,919A、又はWO97/02487の公報に記載されているストリップ様の試験要素を用いることが可能である。試験テープは、カセットに巻き上げられ、分析機器において使用するために提供される複数の試験フィールド又は分析ゾーンを含み、さらに、従来技術より知られている多層化された試験要素である。このようなカセット及び分析テープは、例えば、DE10332488A1、DE10343896A1、EP1424040A1、WO2004/056269A1、及びUS2006/0002816A1の公報に記載されている。
【0005】
しかしながら、実際に試験要素を使用するとき、多くの場合において、複雑な機器解決策によって克服しなければならない多数の技術的問題が起こる。例えば、分析システムにおいて使用可能な種々の試験要素がそれらの間の相違を有し得るという問題である。例えば、製造業者及び/又は製造プロセスに関する相違、使用される検出試薬に関する相違、検出されるべき分析物に関する相違、使用されるべき分析方法及び/又は分析システムに関する相違、分析が実施されるべき条件に関する相違、測定結果を評価するためのパラメータ及び/又はアルゴリズムに関する相違、ロット番後に関する相違、ロット特異的な特性に関する相違、製造プロセスに関する相違、試験要素上の分析ゾーンの数に関する相違などが現れる可能性がある。このような試験要素特定情報、又は分析ゾーン特定情報はまた、以下の本文において「試験要素特定情報」と呼ばれる。この用語は、試験要素及び/又は試験要素の分析ゾーンに関する一般的な情報を含むように意図され、したがって、試験要素ごとに変化し、あるいは、例えば、分析ゾーンごとに試験要素内でさえ変化し得る。また、これは、上述したものよりも他の情報を含み得る。
【0006】
一般に、このような試験要素特定情報の手動入力は患者にとって受け入れることができないか又は困難であるため、従来技術は、このような試験要素特定情報が自動的に読み込まれ得る種々のシステムを開示する。したがって、例えば、US2007/0273928A1に記載されるように、まず第一に、較正試験要素が分析システムに入力されなければならないシステムが知られている。US5,281,395は、別個の評価符号が試験要素上に提供され、別個の読み取りユニットによって読まれるシステムを開示する。個々の試験ストリップのためのこのような符号システムに加えて、試験テープのための符号化もまた、例えば、US5,077,010により知られている。本明細書は、試験テープの最初に試験テープに関する符号化領域の提供を提案し、前者は情報の少なくとも1つの項目を含む。この符号化領域は、例えば、光学測定のためにも使用される検出器によって読み込むことができる。
【0007】
試験要素特定情報に加えて、分析システムにおける試験要素の正しい位置決めもまた、多くの場合において重要な役割を果たす。試験要素の正しい位置決めをモニターする追加のセンサーは、一般に、この目的のために提供される。試験要素上の別個の配向フィールドを提示するこのような位置決めセンサーの一例は、US6,335,203ZB1に記載されている。一例として、この別個の配向フィールドを用いることにより、試験ストリップが分析システムに正しく挿入されたかどうか、又は逆さまに挿入されたかどうかを決定する可能性が提供される。
【0008】
しかしながら、従来技術において開示された分析システムは、多くの場合、実用的使用に関する欠点、特に、このようなシステムの機器の複雑さを実質的に増加させる欠点により悩まされた。このようにして、多くの場合、上記で説明されるように、別個のセンサーシステムは、試験要素特定情報を取得するため、及び/又はテープ位置決めを取得するために必要とされる。このようなセンサーシステムは、ハードウェア及びソフトウェアに関して、更なる複雑さを意味し、分析システムの製造コストを増加させ、また、毎日の診断において実用的使用において重要な役割を果たす、このようなシステムの重量及び設置スペースを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の課題は、少なくともできる限り、従来技術から知られているシステム及び方法の欠点を避ける、試料中の少なくとも1つの分析物を検出するための分析システム及び方法を提供することである。特に、機器の複雑さを減少させることが意図され、小さな設置スペース及び低重量を有するシステムを提供することが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、独立した請求項の特徴による本発明によって達成される。本発明の有利な開発点は、それら自体で又は組み合わせて実施することができ、従属した請求項において説明される。特に、提示される方法は、本発明に係る分析システムを使用することによって、例証された態様の1つにおいて実現され得て、分析システムは、記載された態様の1つに従って、本発明に係る方法を実施するように設計され得る。その結果、分析システムの可能な改善のための方法の可能な改善に、及びその反対について言及することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】光学的な分析物の検出のための試験テープを用いた慣用的な分析システムの切断面を示す。
【図2】試験テープを有する本発明に係る分析システムの略設計を示す。
【図3】図2に従う分析システムにおいて使用するための試験テープの略設計を示す。
【図4】試験ストリップを有する本発明に係る分析システムの例示的態様を示す。
【図5】図4に従う分析システムにおいて使用するための試験ストリップの例示的態様を示す。
【図6】本発明に係る符号化の例示的態様を示す。
【図7】図6に従う符号化のヒストグラム分析の例示的態様を示す。
【図8】番号262144のグレースケール符号化の例示的態様を示す。
【図9】商業バーコードによって図示されたナンバー番号を示す。
【図10】本発明に係る方法の例示的な態様の略フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
提示される分析システム、及び提示される方法は、試料中の少なくとも1つの分析物を検出するため、例えば、体液中のグルコースを検出するために使用される。この目的を達成するため、一般的には、最初に記載される可能なアプリケーションに対して、参照を作製することができる。上記用途以外の用途もまた可能である。
【0013】
このプロセスでは、分析物は、少なくとも1つの試験要素を用いることによって検出される。特に、検出は、上述されるように、光学的に、例えば、反射率測定法及び/又は比色分析法を用いることによって達成され得る。このため、分析システムは、例えば、検出器によって決定された測定結果を用いることによって、例えば、1以上のデータプロセッシングデバイス、特にマイクロプロセッサーを用いることによって、測定結果の評価を行う対照を含む。このプロセスでは、分析物は、定性的又は他には定量的に検出され得る。
【0014】
試験要素は、少なくとも1つの分析物を検出するための少なくとも1つの分析ゾーンを含む。一例として、この分析ゾーンは、試験ストリップ及び/又は試験テープ上の少なくとも1つの試験フィールドの形態で適用することができ、検出されるべき分析物に特異的に反応する少なくとも1つの試験化学物質を含むことができる。一例として、この反応は、上記で説明されるように、色反応を含むことができる。少なくとも1つの分析ゾーンに加えて、試験要素は、さらに他の要素、例えば、上記記載に従った体液の試料を生じさせるためのランセットを含むことができる。一例として、分析ゾーン及びランセットは、試験テープ上に二者択一的に配置され得る。
【0015】
原理上は、本発明は、複数の試験要素、例えば、従来技術から知られている試験要素に適用することができる。このようにして、試験要素は、例えば、以下の試験要素の1以上を含むことができる:試験ストリップ、特に、個々の分析ゾーンを有する個々の試験ストリップ又はその複数;試験テープ;周囲に配置されている複数の分析ゾーンを有する試験車輪;その表面に配置されている複数の分析ゾーン、特に、ケーキスライス形状に配置されている分析ゾーンを有する試験車輪;複数の分析ゾーンを有する折り畳み式の試験要素(扇形褶曲)。一例として、この場合、直接的な滴下、軽く叩くことによって、分析ゾーン上に直接適用される試験要素を用いることができる。この直接的な応用は、「上部投薬(top dosing)」によって達成することができ、この場合、分析ゾーンは、例えば、試験要素の平面上に配置され、試料は、上部からそこで作用する。しかしながら、あるいは、又はさらに、いわゆる「前面投薬(front dosing)」もまた可能であり、この場合、試料は、試験要素の端面上で作用する。後者の場合、例えば、毛細管力によって分析ゾーンに直接試料を適用し、又は応用位置から分析ゾーンに試料の運搬を達成することが可能である。更なる改良を行うことができる。また、分析物の検出タイプに関して複数の可能性がある。このようにして、例えば、電気化学的検出が可能である。あるいは、又はさらに、光学的検出を達成することができる。一例として、後者の場合、直接的な光学検出は、光による照射によって達成することができる。あるいは、又はさらに、照射光又は分析ゾーンによって放射された光はまた、1以上の光導波路によって輸送され得る。種々の他の改良を行うことができる。
【0016】
試験要素は、さらに、情報の少なくとも1つの試験要素特定項目、及び/又は情報の少なくとも1つの位置特定項目を有する少なくとも1つの符号化を含む。参照は、この場合、定義に関する従来技術の上記記載、及び、例えば、用語「試験要素特定情報」の上記記載に対して作製することができる。特に、情報の試験要素特定項目は、試験要素、及び/又は試験要素の分析ゾーンを特徴付ける情報の少なくとも1つの項目を含むことができる。情報の試験要素特定項目は、この場合、個々の、多数の、又は全ての、試験要素の分析ゾーンに関することができる。ここで、情報の位置特定項目は、試験要素上の位置を特徴付ける情報の項目であると理解される。例えば、これは、試験テープ上の位置についての情報の項目であり得る。情報の位置特定項目は、例えば、符号化の成分である少なくとも1つの位置決めマーカーにおいて全体的に又は部分的に含有し得る。
【0017】
また、本発明の基本的な着想は、多数の追加機能に関して、分析ゾーンによって測定結果を評価するために使用される分析システムの検出を同時に使用することである。本発明によれば、検出器は、分析ゾーンを取得することに加えて、全体的に又は部分的に符号化も取得するために使用される。したがって、検出器は、例えば、情報の少なくとも1つの試験要素特定項目を取得するために使用することができる。あるいは、又はさらに、検出器はまた、情報の少なくとも1つの位置特定項目を取得するために使用することができる。
【0018】
試験要素の一般的な場合において、符号化の情報の試験要素特定項目、若しくは情報の位置特定項目、又は情報の両タイプは、原理上は、検出器によって取得され得る。
【0019】
試験要素が試験ストリップである場合、本発明は、検出器が符号化の少なくとも試験要素特定項目を取得することを提示する。この場合、追加の情報はまた、試験ストリップが分析システムに正しく挿入されたかどうか、及び/又は試験ストリップが正しい配置で分析システムに挿入されたかどうかを、検出器によって、例えば、試験ストリップを分析システムにおいて位置決めすることによって取得され得る。この目的を達成するために、情報の少なくとも1つの位置特定項目は、例えば、検出器によって付加的に取得され得る。
【0020】
本発明のこの局面は、一般に、位置特定情報が試験ストリップにおいて二次的な役割を果たすという事実を可能にする。この場合、情報の少なくとも1つの試験要素特定項目の取得はより重要である。この点において、符号化は、試験ストリップの場合における情報の試験要素特定項目を含む。それにもかかわらず、試験ストリップの場合でさえ、情報の少なくとも1つの位置特定項目を付加的に取得することが可能である。
【0021】
対照的に、試験要素が試験テープである場合、本発明は、情報の位置特定項目が検出器によって取得されることを提示する。次に、分析システムは、試験テープを位置決めするために、検出器によって取得される情報のこの位置特定項目も用いるように設計され得る。この点において、試験要素が試験テープである場合、符号化は、情報の位置特定項目を含むことが提示される。本発明のこの局面は、多くの場合、位置決めは、例えば、個々の試験ストリップと対照的に、試験テープにおいて決定的な役割を果たすという事実を可能にする。それにもかかわらず、試験テープの場合でさえ、符号化はまた、当然、検出器によって付加的に読み込まれ得る、情報の試験要素特定項目を含み得る。
【0022】
当然、検出器はまた、複数の個々の検出器、例えば、異なるスペクトル領域用の検出器で構成されていてもよい。しかしながら、この場合、全ての個々の検出器、又は少なくとも1つの個々の検出器は、同時に、上記した目的を行うことができ、換言すると、多機能的に使用される。
【0023】
本発明のこの着想に従って、このようして、分析システムは、多機能的に使用される検出器を含むことが提示される。分析システムは、少なくとも第1位置において分析ゾーンを取得する可能性を検出器に提供し、第1位置とは異なっている少なくとも第2位置において符号化を取得する可能性を同検出器に提供するように設計されている転送デバイスを含む。
【0024】
したがって、少なくとも1つの転送デバイスは、第1位置において分析ゾーンを取得し、少なくとも1つの第2位置において符号化を取得する可能性を提供する。これは、異なる方法で達成可能である。例えば、転送デバイスは、検出器に対して、試験要素を位置決めするように設計され得て、その反対も可能である。また、混合した形態において、検出器と試験要素の両方の位置決めが行われ、混合した形態が可能である。ここで、転送は、必ずしも、積極的に、換言すると、力をもたらす分析システムによって(例えば、適切な位置決めアクチュエーターによって)達成されなくてもよいが、同分析システムはまた、例えば、このような転送の可能性を受動的に提供され得て、実際の転送について、例えば、同様に患者によって行われることが可能である。後者は、例えば、手動手段、及び/又はそれを作用するドライブ要素(例えば、クランプ、歯車、駆動ロッドなど)によって、横方向に移動させることができるガイドによって達成され得る。試験要素に配置された符号化は、横方向に移動中に検出器を通り過ぎて導かれ得る。個々の第1位置及び個々の第2位置の代わりに、複数のこのような第1位置に対して、及び/又は複数のこのような第2位置に対して、用意がなされ得る。特に、符号化は、上記で説明した通り、マルチパート設計であってもよく、異なる位置で読み込まれるべき符号化のこれらの複数の部分について可能である。このようにして、符号化は、例えば、情報の試験要素特定項目、及び異なる位置にある情報の位置特定項目を含むことができる。一例として、この場合において、2つの第2位置を提供することができる:情報の試験要素特定項目を取得するもの、及び情報の位置特定項目を取得するものである。種々の改良が実行され得る。
【0025】
このプロセスでは、試験要素は、第1位置及び/又は第2位置に必ずしも保持されなくてもよいが、また、検出器を通じて単に導かれ得る。ここで、指示「第1位置」及び「第2位置」は、検出器によって、分析ゾーン及び符号化を取得する配列について何ら記述を含まないが、単に、これらの位置の間のレベル及び相違に意図される。このようにして、例えば、分析ゾーンが最初に取得され、その後、符号化が取得され得て、その反対も可能である。少なくとも部分的に、一時的に重複している取得はまた、例えば、分析ゾーン及び符号化が、少なくとも部分的に、他の及び/又は一時的な重複後に配置され、取得され得る、取得フィールド(例えば、カメラの画像領域)を検出器が有する場合に実行可能である。
【0026】
したがって、試験ストリップの場合、提示される分析システムは、既知の分析システムと異なっていて、該検出器は、多機能的に使用され、情報の少なくとも1つの試験要素特定項目、及び/又は情報の少なくとも1つの位置特定項目を有する符号化も取得する。これは、相当量の設置スペースを確保し、機器の複雑さを低減することを可能にする。この場合、試験ストリップは、柔軟性のある、及び/又は柔軟性のない、実質的に平らなキャリアを有する試験ストリップであってもよく、例えば、プラスチック、紙、セラミックス若しくはこれらの組み合わせ、及び/又は他の材料から作製されたキャリアを有する試験ストリップであってもよい。
【0027】
試験テープの場合、原理上は、例えば、従来技術から知られてもいる全てのタイプの試験テープを用いることが可能である。また、これらの試験テープは、例えば、再度、テープ形状のキャリア、例えば、プラスチックテープ、紙テープ又は積層テープの形態であるキャリアを有することができる。他のタイプの細長いキャリア、例えば、チェーン、糸等もまた可能である。試験テープを用いる場合、提示される分析システムは、既知の分析システムと異なっていて、特に、情報の少なくとも位置特定項目もまた、分析ゾーンの取得に加えて取得される。このプロセスでは、分析システムは、試験テープを位置決めするために、検出器によって取得された符号化、又は情報の位置特定項目も用いるように設計され得る。この目的を達成するために、符号化は、例えば、試験要素が第2位置に配置された場合に、適切な制御によって取得され得る。この取得は、例えば、1以上の位置決めマーカー、例えば、位置決めストリップ、位置決めクロスを取得することを含み得る。さらに、この場合、符号化の情報の少なくとも1つの試験要素特定項目を取得することもできる。
【0028】
位置決めのこの認識から開始して、次に、コントロールを、例えば、プログラム技術用語において設計し、次のステップにおける試験テープを位置決めし、その結果、分析ゾーンは検出器の前面に配置される。実際に、この位置決めは、しばしば、「スタート/ストップ」パルスとも呼ばれる。符号化の取得から開始して、コントロールは、例えば、所定量によって(例えば、所定のテープ距離、又は既知の糸巻速度での所定の糸巻時間によって)、試験テープの持続糸巻が、検出器の前面にある分析ゾーンを位置決めするように要求されることを認識する。
【0029】
後者は、少なくとも1つの個々の符号化が、分析ゾーンの各々に又は分析ゾーンの群に割り当てられる試験要素又は試験テープが使用される場合に、特に有利である。一例として、分析ゾーン及び符号化は、試験要素上で二者択一的に配置され得る。ここで、多数の分析ゾーンでも、試験テープのテープ方向と交差して配置され、例えば、群、例えば、試料によって同時に湿らせることができる分析ゾーンの群を形成することができる。共通の符号化は、これらの分析ゾーンに割り当てることができる。また、試験テープ全体に対して共通の符号化に代えて、又はそれに加えて、各場合において、試料と同時に作用することができ、したがって、分析に同時に使用することができる分析ゾーン又は分析ゾーンの群のための少なくとも1つの別個の符号化について提供することができる。一例として、この群はまた、検出器によって同時に取得され得る。
【0030】
この点において、提示される分析システムはまた、既知の分析システムとは有意に異なっていて、それは、特に、既知のシステムにおいてスタート/ストップパルスを生じる別個の位置決めセンサーが免れているためである。したがって、分析ゾーン、試験要素特定情報及び/又は情報の位置特定項目の機能性の組み合わせは、順に、機器の複雑さの減少、コスト削減並びに分析システムの設置スペース及び重量の減少を意味する。
【0031】
さらに、分析システムは、また、全体的に又は部分的に、言及されるコントロールと成分同一であり得る評価ユニットを含み得る。この評価ユニットは、特に、取得された情報の試験要素特定項目を用いて、分析物を検出するように設計され得る。この目的を達成するために、評価ユニットは、例えば、コントロールと関連して、上記で説明したように、1又は複数のデータプロセッシング装置、例えば、マイクロプロセッサーを含む。さらに、分析物の検出の評価結果を、例えば、ユーザーに、及び/又は装置の異なる部分、例えば、図形入力/出力手段、インターフェイス、キーボード等に転送するために、入力及び出力手段が提供され得る。
【0032】
さらに、検出器は光学検出器であるか、又は光学検出器を含むことが好ましい。さらに、検出器が空間分解検出器を含むか、又はこのような空間分解検出器であることが特に好ましい。空間分解は、組み合わせることも可能である多数のやり方で実行することができる。一例として、このようにして、検出器の照明は、例えば、空間分解検出器を確実にするために、分析ゾーンの異なる領域を交互にスキャンし得る空間分解照明として定義することができる。あるいは、又はさらに、分析ゾーンの異なる領域が互いにスキャンされ得る手段によって、空間分解光学システム、例えば、スキャン光学システムを用いることも可能である。再び、あるいは、又はさらに、画像センサーはまた、空間分解画像センサーとして設計され得る。一例として、検出器は、画像情報の空間分解記録のために、画像センサー、特にCCD又はCMOS画像センサーチップを含み得る。
【0033】
画像情報のこのような空間分解記録は、好都合には、分析ゾーンを評価し、したがって、例えば、EP1843148A1に記載されるように、少なくとも1つの分析物の検出の精度を改善するために、空間分解のタイプとは独立して使用され得る。一例として、空間分解光学検出器によって取得される濃淡値情報はまた、この目的を達成するために、ヒストグラム分析によって評価することができる。下記により詳細に説明する通り、空間分解画像情報の評価はまた、一般的には、特に好ましい二次元光学的符号化を評価する可能性を提供する。一般に、符号化の少なくとも部分的な評価(例えば、試験要素特定項目、及び/又はそこに含まれる試験テープを位置付けるための空間情報に関して)はまた、検出器自体、例えば、CCD又はCMOS画像センサーチップにおいて、部分的に影響を受ける可能性もある。これは、例えば、コントロール及び/又は評価ユニットにおいて、追加の評価を避けるか又は減少させる可能性を提供し、これはさらに資源を減らす。
【0034】
検出器は、特に、空間分解記録を改善するために、光学システムをさらに含むことができる。一例として、この光学システムは、少なくとも1つのレンズ、及び/又は他の画像光学要素、及び/又は更なる光学要素を含むことができる。一例として、対象は、この目的のために使用可能であり、特に、1以上のレンズによって、少なくとも1つの画像センサーに検出器における試験要素条で画像領域を撮像することができる。この画像領域が符号化を完全に取得することが特に好ましい。
【0035】
更なる改良点では、上記されるように、転送ユニットがガイドを含み、そこでは、その符号化を有する試験要素が検出器を横方向に通過するように導かれ得ることが特に好ましい。上述されるように、この通り過ぎる誘導(guiding)は、例えば、手動で達しされ得る。しかしながら、あるいは、又はさらに、転送ドライブはまた、試験要素を調和して移動するように設計され得る少なくとも1つのドライブ装置を含むことができる。これは、特に、試験テープの場合、例えば、対応する試験テープを有するテープカセットにおいて好ましい。このようにして、ドライブ装置は、例えば、テープカセットの不良のワインディングを回転させることができ、その結果、試験テープが巻かれる。
【0036】
上記で説明したように、分析システムは、少なくとも1つの分析ゾーンを有する上述の試験要素の少なくとも1つ、並びに情報の少なくとも1つの試験要素特定項目及び/又は情報の少なくとも1つの位置特定項目を有する少なくとも1つの符号化をさらに含む。試験要素は、特に、平面試験要素であり得て、分析ゾーン及び符号化は平面試験要素の同じ側に配置されることができる。
【0037】
試験要素は、上記と同様に、好ましくは、例えば、試験テープの場合において、複数の分析ゾーンを含むことができる。このプロセスでは、上述した通り、分析ゾーンの各々、又は分析ゾーンの群は、少なくとも1つの個々の符号化に割り当てることができる。特に、分析ゾーン又は分析ゾーンの群及び符号化は、交互に、例えば、試験テープの縦の長さに従って交互に、試験要素上に配置され得る。
【0038】
本発明のさらに好ましい改良点は、符号化のタイプに関する。このようにして、符号化は、特に、光学的符号化を含むことができる。特に、この光学的符号化は、光情報の二次元項目、特に、いわゆる二次元バーコードを含むことができる。情報の試験要素特定項目は、特に、このような光学的符号化、特に、光情報の二次元項目に含まれ得る。
【0039】
特に、符号化の形状、及び/又は二次元光情報は二次的役割を果たす。一例として、符号化及び/又は光情報の二次元項目は、矩形形状を有することができ、これは、矩形画像センサーがまた多くの場合に使用されるためである。しかしながら、原理上、他の幾何学的形状はまた、例えば、線状、円形、楕円形、三角形又は異なって設計した多角形などであり得る。さらに、また、上記形状の代わりとして、又はそれに加えて、ランダムパターン及び/又は不規則パターンについても提供され得る。
【0040】
特に、符号化は、少なくとも1つのグレースケール符号化を含むことができる。この場合のグレースケール符号化は、また、情報キャリアとして、濃淡値又はグレースケール値(これらの用語は一般には同意語として使用される)、即ち、1以上の色の異なる輝度ステップを利用する符号化として理解されることが意図される。解像度に応じて、黒(カラフルな色の場合では、「黒」は対応する最も暗いステップを意味するものと理解される)と白(カラフルな色の場合では、「白」は対応する最も明るいステップを意味するものと理解される)との間のグレーステップは、プロセスにおいて、好ましくは、これらの黒及び白極限値の間の少なくとも1つの、好ましくは多数の、中間ステップを有する別個のステップにおいて達成され得る。一例として、黒から白の一定であり所定の間隔を有するグレースケール値ステップにおけるグレースケール符号化を利用することができる。しかしながら、原理上、グレースケール値なる用語は、広義語において理解されることが意図され、例えば、また、着色検出器の場合における異なる輝度値を含む。
【0041】
情報の試験要素特定項目及び/又は情報の位置特定項目を評価するために、この場合において前者が好ましく、グレースケール値のヒストグラム分析は、特に、グレースケール符号化を利用する場合に行われ得る。「ヒストグラム分析」は、原理上、度数分布を評価するいずれかの分析として理解されることが意図される。ここで、分析のタイプは、原理上、結果が濃度値の充填因子への割り当て又はその反対を表す限り、二次的関連性がある。このようにして、一例として、濃淡値/充填因子評価は、即座に行われ得て、又は他には、画像情報の空間分解項目を初めに得ることができ、その後、さらに、濃淡値及び充填因子に変換され得る。
【0042】
直接的な即座の濃淡値/充填因子評価の例は、EP1843148A1に説明されている。ここで、ヒストグラム分析は、例えば、ある種のグレースケール値を有する符号化内のフィールの数及び/又はピクセルの数を取得し、評価することができる。しかしながら、多数のヒストグラム分析の代わりに、符号化の多数のフィールドに関する個々のグレースケール値の充填因子を含むヒストグラム分析が行われることが特に好ましい。このようにして、符号化は、例えば、複数のフィールド、例えば、長方形又は正方形のフィールドを含むことができ、これらは、各々、ある種のグレースケールを有する個々の充填因子に満たされる。一例として、例えば、符号化におけるこれらのフィールドは、行列(matrix)、例えば、長方形又は二次行列を形成するように配置され得る。次に、ヒストグラム分析は、濃淡値ステップに対する充填因子、又はその反対をプロットすることができ、その結果、各場合において、充填因子及び濃淡値又はグレースケール値の対が形成され得て、その対は符号化を含む。このようにして、ある数を、例えば、グレースケール符号化に割り当てることができ、その反対も可能である。したがって、符号化はヒストグラム分析によって評価することができ、そこに含まれる情報の少なくとも1つの項目、特に情報の試験要素特定項目を埋め合わせる(recoup)ができる。上記で説明した通り、ヒストグラム分析は、少なくとも部分的には、検出器内において、例えば、CCD及び/又はCMOSチップにおいてすでに行うことができる。
【0043】
グレースケール符号化を用いる場合、さらに、分析システムをスケーリングするために使用することができる。このようにして、グレースケール情報は、例えば、検出器をスケーリングするために使用することができる情報の黒項目及び/又は情報の白項目を含み得る。
【0044】
典型的な実施形態
本発明の更なる詳細及び特徴は、従属した請求項と組み合わせて、好ましい例示的態様の以下の説明から現れる。このプロセスでは、個々の特徴は、個別に実現され得るか、又は多数の特徴が互いに組み合わせられる。本発明は例示的態様に限定されない。例示的態様は、図面において図説されている。個々の図面において、同じ参照数字は、同一又は機能的に同一の要素、あるいは機能が対応する要素を指す。
【0045】
図1は、既知の分析システム110の断面の斜視図を示す。図示された典型的な態様では、分析システム110はテープカセット112を含み、それは、例えば、交換式であり、分析システム110のハウジング(図示されていない)に保持され得る。このテープカセット112は試験テープ114を導き、これは、血中グルコースの光学的検出のために、テープの方向に間隙を介して、テープカセット112の先端に晒されているだけであり、多数の分析ゾーン116を有する。バーコードの形態である符号化118は、テープカセット112の外側に接触され、試験テープ114又は分析ゾーン116、及びこれらの分析ゾーン116に含まれる試験化学物質に関する試験要素特定情報を含む。
【0046】
さらに、試験テープ114は位置決めマーカー120を含み、これは、試験テープ114を横切って動くバーの形態である試験テープ114上に印字され得て、例えば、分析ゾーン116と交互に起こる。これらの位置決めマーカー120は、例えば、テープカセット112において位置決め122によって取得され得て、その結果、分析システム110を介して試験テープ114を巻くことが、対応して制御され得る。
【0047】
図示された例示的態様では、分析システム110は、テープカセット112が分析システム110に挿入される場合、テープカセット112の凹部分128に係合する光モジュールの形態である検出器124をさらに含む。図示された例示的態様では、この検出器124は、画像情報の空間分解記録用の画像センサー130、例えば、CCD又はCMOS画像センサーチップを含む。さらに、検出器124は空間分解光学システム132を含み、例えば、1以上のレンズの形態である。図示された例示的態様では、検出器124は、必要に応じて、適切な照明光学システムも備わっていて、検出器124の視野にある測定位置136に位置した分析ゾーン116を照射するように設計されている光源134をさらに含む。
【0048】
各場合において、このように図1に説明された既知の分析システム110は、試験テープ114の位置を認識し、符号化118を認識し、及びグルコース濃度を決定するための別個の検出器又は測定システムを必要とする。これらの測定技術物体の分割は、装置コストを増加させ、設置スペースを必要とする。
【0049】
したがって、本発明は、3つの言及された測定技術物体が1つの同じ検出器124によって行われることを提示する。これは、本発明の第1の例示的態様に基づいて、図2に図解される。原理上、図示された分析システム110は、この場合、その設計の観点において、図1に従った分析システム110に対応することができる。しかしながら、そこでは、符号化118を認識するための追加の検出器、及び位置決めウィンドウ122と相互作用する追加の位置決めセンサー(図1には図示されていない)が省略され得る。分析システム110は、再度、図2に示されているだけである試験テープ114を有するテープカセット112を含む。テープカセット112は、測定位置136の領域における試験テープ114のためのガイド138を提供し、その中で試験テープ114を導き、図2に示されているだけであるドライブ装置140によって駆動され、導かれ、よって、検出器124(図2において示されるだけである)の測定位置136と相対的に位置決めされ得る。ガイド138及びドライブ装置140は、したがって、試験テープ114を位置決めするために、転送デバイス142のコンポーネントを表す。
【0050】
分析システム110は、試験テープ114及び検出器124を用いて血中グルコース濃度測定を評価することができる評価ユニット144をさらに含み、このようにして、血液試料の定性的及び/又は定量的分析を可能にする。図2に図示された例示的態様は、この評価ユニット144は、場合により少なくとも部分的に、例えば、転送デバイス142によってテープの位置決めを制御し得るコントロール146と同一コンポーネントを有することを示す。しかしながら、原理上、別個の設計又はほんの部分的に同一のコンポーネントを有する設計もまた可能である。評価ユニット144及び/又はコントロール146は、この場合、1以上の電子的コンポーネント、例えば、マイクロプロセッサー及び/又は他のタイプの電子的コンポーネントを含むことができる。さらに、1以上の入力及び出力ユニットがまた提供され得て、例えば、インターフェイス、入力プッシュボタン、ディスプレイ、光学及び/又は音響ディスプレイ又は類似の装置が挙げられる。
【0051】
したがって、本発明は、検出器124が多機能的に利用されることを提示する。この目的を達成するために、符号化118は、図1に図示された装置の場合のように、テープカセット112のハウジングに適用されないが、直接、試験テープ114上に適用されることが提示される。しかしながら、当然、追加の符号化118が、例として図1に図示されるように、ハウジング上に、又は異なる位置で追加的に配置されることがなおも可能である。
【0052】
図3は、本発明に係る分析システム110の範囲内で使用され得る試験テープ114の例示的態様を示す。ここで、分析物を検出するための試験化学物質を有する分析ゾーン116、キャリア148上の、例えば、透明なプラスチックテープ上の符号化118を交互に含むこの試験テープ114の断面だけが図示される。ここで、それぞれ1つの符号化118は、1つの分析ゾーン116と関連し、その結果、それぞれ1つの分析ゾーン116及び関連した符号化118は、符号化/分析ゾーンの対150を形成する。テープの巻き方向では、シンボル的には図3の参照数字152として示されるが、符号化118は、例えば、既知の距離Xによって、例えば、分析ゾーン116の前で保持され得て、その結果、巻き方向152では、符号化118/分析ゾーンの対150の符号化118が最初に測定位置136を通過し、その後、関連した分析ゾーン116が通過する。しかしながら、原理上、他の改良点もまた可能である。
【0053】
符号化118は、二次元符号化の多数の個々のフィールドを有する符号化の形態で、図3に示されているだけである。しかしながら、原理上、一次元符号化は、例えば、図1において図示されるバーコードの形態であり、それも試験テープ114上で可能である。
【0054】
本発明は、画像検出器124、例えば、CMOSカメラが、テープ位置を認識し、分析ゾーン116の変色を測定し、特に、これに必要とされる全ての情報が、検出器124の測定ウィンドウにおいて同時又は連続して認識し得る場合に、符号化118自体を読み込むという概念に基づいている。特に、例えば、印刷、ラベリング又は類似のアプリケーション法によって、光学的に観察され得る符号化118の形態で、試験テープ114に、全ての必要とされる試験要素特定情報及び/又は位置特定情報を適用することが、このようなやり方で考えられる。したがって、試験要素特定情報及び/又は位置特定情報は、測定位置136における検出器124によって同時に又は連続して取得することができる分析ゾーン116の各々に対して、又は分析ゾーン116の各群に対して、関連した符号化118において個々に記憶され得る。試験テープ114の第1位置では、分析ゾーン116、又は分析ゾーン116の群は、測定位置136にあり、対照的に、試験テープ114の第2位置では、関連した符号化118である。
【0055】
図3に図示された例示的態様では、符号化118は、試験要素特定情報のための符号化フィールド162を含む。この符号化フィールド162は、同時に位置決めマーカーとして使用することができ、したがって、情報の位置特定項目のキャリアとしても使用され得る。しかしながら、点線を付した図3に例示されているのと同様に、あるいは、又はさらに、例えば、図1における例示的態様に類似して、情報の位置特定項目のキャリアとして、別個の位置決めマーカー120が提供される。この位置決めマーカー120はまた、同様に符号化118のコンポーネントであるが、例えば、分析ゾーン116から所定の距離で配置され得て、その結果、符号化118と関連した分析ゾーン116との間の距離Xは、例えば、この別個の位置決めマーカー120から画定され得る。
【0056】
両方の場合、換言すると、符号化118が別個の位置決めマーカー120を含む場合、又は情報の試験要素特定項目を含む符号化118の符号化フィールド162も位置決めのために使用される場合において、検出器124は、全ての要素116、118、120を認識することができ、グルコースを決定し、その位置を認識し、情報の試験要素特定項目を評価するために使用することができる。
【0057】
本発明に係る分析システム110は、試験テープ114の形態である試験要素に基づいて、図1〜3に説明された。図4及び5は、試験ストリップ154の使用に基づいている例示的態様を示す。これらの試験ストリップ154は、図5において例示的態様として個々に図示されるが、順に、キャリア156、例えば、紙キャリア及び/又はセラミックスキャリア及び/又はプラスチックキャリアを含む。このキャリア156は、液体試料、例えば、微量の血液が試験ストリップ154に適用され得る前部でアプリケーションゾーン158を有する。この液体試料は、例えば、毛細管力によって、試験ストリップ154の分析ゾーン116に運搬され、該位置での液体試料中のグルコースの比率に対応する分析物特定呈色反応もたらす。
【0058】
この例示的態様では、アプリケーションゾーン158に対して反対に位置している一端で、試験ストリップ154は、暗号化された形態で情報の試験要素特定項目を含む符号化118をさらに有する。同様に図5に従う例示的態様において、この符号化118は順に指示されているだけであり、その結果、例えば、図示された二次元符号化に加えて、バーコードの形態で一次元符号化も含むことができる。符号化118は、順に、光学的に読まれることが意図される。さらに、符号化118はまた、情報の試験要素特定項目に加えて、1以上の位置決めマーカー120を含むことができる;これは図5に図示されていないが、任意に可能であり、位置決めを容易にすることができる。しかしながら、あるいは、又は加えて、情報の試験要素特定項目を含む符号化118の部分はまた、同時に、位置決めマーカー120として使用することができる。
【0059】
図4に図示された分析システム110の例示的態様では、ガイド138は、試験ストリップ154のための転送デバイス142のコンポーネントとしてもう一度提供される。このガイド138の効果は、試験ストリップ154が、図4に図解的に指示されているだけの検出器124を通じて導かれ得ることである。ここで、図4に図示された第2位置では、符号化118は、全体的に又は部分的に、検出器124の視野に配置されている。試験ストリップ154は、ガイド138が、例えば、対応して伸長するように設計され得ることを目的として、分析システムにさらに押される場合、試験ストリップ154の分析ゾーン116は、検出器124の視野に入り、試験ストリップ154は第1位置にある。分析ゾーン116の記載された色反応は、この第1位置において評価され得る。そうでなければ、図4に従って分析システム110の機能性は、基本的には、図2に従って分析システム110の機能性に対応され得る。
【0060】
図6〜9は、符号化118の異なる例示的態様(又は情報の試験要素特定項目を含む符号化118の部分)、及びその評価方法の例を示す。ここで、図6は、符号化118が二次元符号化フィールド162を含む符号化118の例示的態様を示す。上記した通り、符号化118はまた、付加的に、1以上の位置決めマーカー120を含むことができ、又は符号化フィールド162は、符号化された形態で情報の試験要素特定項目を含み、同時に、試験テープ114及び/又は試験ストリップ154を位置決めするためにも使用可能である。図6に図示された符号化118は、原理上、試験テープ114及び試験ストリップ154上で使用され得る。しかしながら、符号化118はまた、付加的に、例えば、図1に図示されたハウジング上の異なる位置で配置され得る。
【0061】
本発明によれば、好都合には、符号化フィールド162による二次元符号化は、多くの場合、検出器124が、例えば、コンパクトなセンサーアレイの形態で、空間分解画像センサー130を有する空間分解検出器124として適合されるという事実を使用する。この検出器124によって得られる符号化フィールド162についての空間分解情報は、例えば、EP1843148A1に記載される方法に類似したやり方で、濃淡値ヒストグラムによって、濃淡値分析を行うために使用することができる。このヒストグラム作成は、例えば、検出器124のCMOSチップにおいて、検出器124に直接行うことができる。この場合における利点は、特に、周辺ハードウェアに関する複雑さの減少、即ち、実時間の減少、画像記憶の可能な回避及びエネルギー要求の減少である。しかしながら、このような検出器124を用いる利点、同時に欠点は、測定対象の高度の特化である。ここで、以下の説明は、また、符号化118を認識するためのこのようなヒストグラム最適化検出器124を利用し、すなわち、試験要素特定情報を評価し、及び/又はそこに含まれる情報の位置特定項目を評価するため、例えば、ドライブ装置140に対してスタート/ストップパルスを生じさせ得るために、一般概念を記載する。上記された利点、特に、周辺ハードウェアに関する複雑さの減少、実時間の減少、記憶要求の減少、及びエネルギー要求の減少が、この態様のために同じように保持される。
【0062】
図6における符号化の例を用いると、符号化118における試験要素特定情報の符号化、又はこの情報の解読は、下記の例に記載されることが意図される。任意の付加的な位置決めマーカー120に加えて、符号化118は、上記される符号化フィールド162を含み、これは、本例示的態様において、少なくともおよそ正方形を有する。符号化フィールド162は、順に、同様に正方形又は少なくともおよそ正方形であり、3×3行列で配置される多数の(この例示的態様では9個の)フィールド164を含む。フィールド164は、エッジを有するか、又はエッジを有しないように設計され得る。
【0063】
図6は、フィールド164が、グレースケール値を用いて、異なる充填因子に塗られることを示す。グレースケール符号化を有する二次元光学情報を含む符号化118のこの例示的態様は、ヒストグラム評価の実施の可能性を与える。この目的を達成するために、符号化118又は符号化フィールド162の画像は、符号化118が検出器124の視野、したがって、測定位置136に少なくとも部分的に配置された第2位置に、試験テープ114及び/又は試験ストリップ154の形態である試験要素が位置された場合に記録され得る。この例では、検出器124は、濃淡値分布の正確な決定のために最適化され得る。ここで、各グレースケール値は、各個々のフィールド164の充填因子からのこの濃淡値を用いて、ある数のピクセルが割り当てられ得る。例では、9個の濃淡値が示され、その各々は、最大4個充填因子を取り得て、すなわち、完全に満たされたもの(例えば、上部左隅における黒フィールド)から3/4満たされたものを介して、1/2満たされたものから1/4満たされたものに下がる。充填因子を明らかにするため、正方形フィールド164の端は、なおも、図6において記されるが、これは、そのケースでなくてもよい。全体的に、図6に図示された符号化は、36個の組み合わせの可能性(9個の濃淡値×4個の充填因子)をもたらす。これは、単に、可能性の符号化の1つの例示的態様を示している。また、異なる多数の可能な濃淡値及び/又は充填因子が考えられ得る。
【0064】
一例として、図7に示される濃淡値ヒストグラムは、図6に図示された符号化118に起因していた。この場合、充填因子a(%)は、グレースケール値gの各々に対してプロットされ、この場合のグレースケール値は1〜9を通じて番号付けされている。図7に従ったヒストグラムにおけるグレースケール値gの列は、順番であり、すなわち、例えば、数字列であると理解される場合、4個の充填因子を有するこの9個のフィールドコードを用いると4=262144個の数を生じ得る;標準化されたバーコードを用いてこれを観察するために、例えば、18ビットの深度が必要であり、それは218が4に等しいためである。
【0065】
一例として、図8及び9は、商業バーコードを用いた図解により、本発明に従って、濃淡値符号化(図8)を用いて数「262144」の図解を例える。2個(黒/白)〜9個のグレースケール値の結果として可能とされる所定の線分解(ここでは300dpi)での符号化のための空間要求の減少は、この場合に明確に見られ、符号化する濃淡値を有意に減少させることさえも可能である。
【0066】
特に、濃淡値符号化の場合では、ヒストグラムによる読み出しが翻訳及び回転に少なくとも主に無感覚であることが強調されなければならない。これは、さらに、試験ストリップ154又は試験テープ114の傾斜が、何ら問題なく、符号化118の読み出しを可能にすることを意味する。同様に、符号化の形状は非常に柔軟性であり、そのため、正方形フィールド164及び/又は二次符号化フィールド162の代わりに、水平に及び/又は垂直に整列された、異なる濃淡値及び厚さを有する長方形、円形、対角線などを用いることも可能である。
【0067】
同様に図6に図示された4個の充填因子を有する9個のグレースケール値の選択は、単純化された例示である。概念的には、本発明の態様は、グルコース決定のために最適化された分析システム110において、認識し得る濃淡値の数が、できるだけ正確に濃淡値を決定し得るように正確に設計されているという事実に基づいている。特に、この利点は、グレースケール値における符号化、又はこれらの符号化118の読み込みのために利用され得る。グルコース決定のための測定の精度についての要求は、概念的に典型的には、約50%寛解の範囲内で約0.1%寛解であり、したがって、500個のグレースケール値が認識され得るが、故に、濃淡値符号化のために、少なくとも50個のグレースケール値を別個に認識し得るように現実的であるようである。一例として、10ピクセルの画像センサー130を有する検出器124を用いた場合、20000ピクセルは、各グレースケール値について利用可能となる。ポアソン分布を仮定すると、ある種の濃淡値のピクセル数は、理論的には、0.7%精度に決定され得る。したがって、充填因子は、141ステップに再分割され得た。技術的実施可能性、特にエッジ効果、及び濃淡値分布の幅を考慮すると、少なくとも30ステップを実現できるようである。全体的に、長方形の所定領域のエッジ効果は、正方形フィールド164及び/又は正方形符号化フィールド162が好ましいとされる結果として、その長方形が正方形である場合に最小化される。このようにして、画像において5030の数を符号化することができ、これは、約170ビットの2進法の情報深度に対応する。例えば、406ビットの情報が要求される場合、情報は、このようにして、せいぜい3個の画像において検出器上で図示され得た。
【0068】
濃淡値の数と充填因子の数の対が決定された場合、例えば、図7に示されるように、ヒストグラム分析に基づいて、濃淡値及び充填因子の役割もまた、数を符号化する場合に入れ替わることが可能である。このようにして、例えば、濃淡値による順序(order)というよりはむしろ充填因子による順序を有することが可能である。次に、濃淡値は、充填因子の代わりに符号のこの位置の値を再生し得る。これは、さらに、2進法における245ビットのビット深度に対応する、上記例における5030の代わりに3050を表すことを可能にする。この役割の変化は、出力の基礎(元々はこの場合においては50)は、指数(元々はこの場合においては30)よりも大きいことが容易に示され得る。
【0069】
濃淡値を生じさせるために、一定の濃淡値を有する均質な領域を生じさせることは必ずしも必要ではなく、むしろ、別に構築された符号化フィールド162、構築されたフィールド、又は他に構築された領域は、検出器の位置での構造化の画像が1ピクセルよりも有意に小さい限り使用され得る。濃淡付け及び打点はこのような構造化の例である。
【0070】
適切な場合、符号化を読み込むためだけではく、同時に分析システム110をスケーリングするために、第1列の第1フィールド又は第2例の第2フィールドにおいて、図6に一例として示されるように、極値の黒及び白を用いることがさらに役立つ。一度、符号化が読み込まれると、次に、図7に示されるタイプのヒストグラムは、多数のテープカセット上の別々の黒及び白フィールドによって現に影響されるものと類似して、参照値「黒」」及び「白」に関するこの黒/白情報に基づいて、分析ゾーン116によって、グルコース濃度を決定するための参照として、較正を生じさせることを可能にする。この較正の結果として、分析システム110は、光源134(例えば、LED)の照明光強度に対して、又は類似の変形体に対して、センサー感受性における変化に対してより堅固であるように設計することができる。
【0071】
図6及び7に基づいて記載されたグレースケール符号化はまた、必要とされる試験要素特定情報のほんの一部のために使用することができる。このようにして、例えば、符号化118によるロット符号化は、ほんの一部の必要とされる符号のために使用することができ、残りの部分の符号化は、異なる符号化媒体(「スプリット符号」)上に残存され得る。したがって、例えば、付加的な符号化媒体は、例えば、テープカセット112上のバーコードの形態で、ROMキーの形態で、又は類似の付加的な符号媒体で使用可能である。
【0072】
最後に、図10は、符号化118を評価するため、及び同検出器124によって分析ゾーン116を評価するために、位置決めを認識するための同検出器124の使用を含む、本発明に係る方法の例示的態様を示す。本発明に係る方法のこの例示的態様は、以下の本文に記載され、テープカセット分析システム110の例を用い、例えば、図2に図示された分析システムを用いる。しかしながら、原理上、試験ストリップ154を用いたシステムへの応用は実施可能である。
【0073】
本発明に係る方法の例示的態様は、図10に図式的に示される。図10には示されていない更なる方法ステップはまた実施され得て、個々の又は多数の方法ステップは、繰り返して実施することができ、又は一時的に重複して実施することができ、又は他に、図示されたものとは異なる順序で実施することができる。
【0074】
試験テープ114は、第1の方法ステップ(図10のステップ166)において巻かれる。これは、例えば、符号化118が測定位置136、換言すると検出器124の視野に達するまで実施可能である。そこで、この符号化118は、検出器124によって取得される(図10のステップ168)。
【0075】
次に、符号化118をステップ170において評価する。図10に従う例示的態様において、この評価170は2つに分かれ、位置付けの評価(ステップ172)、及び符号化118に含まれる試験要素特定情報の評価を含む(図10のステップ174)。
【0076】
位置決め172を評価するために、例えば、評価ユニット144、コントロール146又は検出器124において、全体的に又は部分的に、組み込まれ得る特定の画像認識動作又はパターン認識動作によって、符号化118の別個の位置決めマーカー120を認識することができる。別個の位置決めマーカー120が符号化118に提供されていない場合、又はこのような位置決めマーカー120に加えて提供されていない場合、類似のやり方で符号化フィールド162の位置を評価することもでき、これは、後者が位置決めマーカー120として同様に使用することができるためである。これは、例えば、順に、画像認識又はパターン認識を用いた適切なやり方で実施可能でもある。
【0077】
一度、この位置決めがステップ172において評価された場合、試験テープ114は、方法ステップ176において、対応して位置決めが可能である。このプロセスでは、ドライブ装置140は、第2位置から試験テープ114を巻くことができ、そこでは、符号化118は、検出器124によって第1位置に取得され、分析システム116は、少なくとも部分的には測定位置136に配置され、従って、検出器124の視野内に配置される。この位置において、試料(図10のステップ178)は、測定位置136に位置された分析ゾーン116に割り当てられる。このプロセスでは、対象物は、検出器124の反対側に位置している側によって達成することができ、試料のこのアプリケーションに接続された色反応は、例えば、検出器124によって、試験テープ114によって観察できる。検出器124によるこの観察は、図10の方法ステップ180(測定)によって、一般には示される。測定180は、一般に、試料中に少なくとも1つの分析物が存在することによる分析ゾーン116の変化、例えば、検出化学物質と血中グルコースとの反応を含むことができる。検出器124は、例えば、画像センサー130の1以上の画像を含み得る、シグナル又は測定特異的情報又は測定結果を対応して生じさせることができる。
【0078】
ステップ180においてもたらされる測定の評価は、方法ステップ182において実施される。この評価は、全体的に又は部分的に、検出器124、例えば、画像センサー130のCMOSチップにおいてすでに達成可能であるが、また、全体的に又は部分的に、評価ユニット144において実施され得る。本発明によれば、このプロセスでは、符号化118に含まれ、ステップ174において観察される試験要素特定情報174は図10において利用される。試験要素特定情報174のこの評価は、例えば、濃淡値ヒストグラム分析によって、図6及び7に基づいて記載された方法によって達成され得る。一例として、上記されるように、したがって、充填因子/濃淡値の数の対を形成することができ、濃淡値又は充填因子が根拠として使用可能である。これは、試験要素特定情報を含むことができる数を形成するために濃淡値分析を用いるという可能性を与える。一例として、試験要素特定情報は、例えば、分析システム110のユーザーが、テープカセット112になおも利用可能である分析ゾーン116の数について知らされ得るようにまさに評価された分析ゾーン116の数を比較することができる。あるいは、又はさらに、測定の評価に関する情報はまた加えることができ、例えば、検出されるべき分析物のどのタイプの濃度、ロット番号などに関する情報である。また、この試験要素特定情報は、図10の例示的態様に従って、方法ステップ182において測定の評価中に配慮され、その結果、分析物の最大の可能な精度が利用可能である。
【0079】
参照記号のリスト
110 分析物システム
112 テープカセット
114 試験テープ
116 分析物ゾーン
118 符号化
120 位置決めマーカー
122 位置決めウインドウ
124 検出器
126 光学モード
128 凹部分
130 画像センサー
132 空間分解光学システム
134 光源
136 測定位置
138 ガイド
140 ドライブ装置
142 転送デバイス
144 評価ユニット
146 コントロール
148 キャリア
150 符号化/分析ゾーン対
152 巻き方向
154 試験ストリップ
156 キャリア
158 アプリケーションゾーン
160 検出器
162 符号化フィールド
164 フィールド
166 試験テープの巻き
168 符号化の取得
170 符号化の評価
172 位置決めの評価
174 試験要素特定情報の評価
176 試験テープの位置決め
178 試料の適用
180 測定
182 測定の評価

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の少なくとも1つの分析物、特に体液中のグルコースを検出するための分析システム(110)であって、該分析システム(110)は、少なくとも1つの試験要素を用いて分析物を検出するように設計され、該試験要素は、分析物を検出するための少なくとも1つの分析ゾーン(116)を有し、さらに該試験要素は、情報の少なくとも1つの試験要素特定項目及び/又は情報の少なくとも1つの位置特定項目を有する少なくとも1つの符号化(118)を含み、前記分析システム(110)は、検出器(124)を含み、該分析システム(110)は、さらに、少なくとも第1位置において分析ゾーン(116)を取得する可能性を該検出器(124)に提供し、第1位置とは異なっている少なくとも第2位置において符号化(118)を取得する可能性を該検出器(124)に提供するように設計されている少なくとも1つの転送デバイス(142)を含み、ただし、
−試験要素が試験ストリップ(154)である場合、該分析システム(110)は、該検出器(124)によって、該符号化(118)の情報の少なくとも試験要素特定項目を取得するように設計され、及び
−試験要素が試験テープ(114)である場合、該分析システム(110)は、該検出器(124)によって、情報の少なくとも位置特定項目を取得するように設計されている、前記前記分析システム(110)。
【請求項2】
前記分析システム(110)が、前記情報の試験要素特定項目を用いて、前記分析物の検出を実施するように設計されている評価ユニット(144)をさらに含む、請求項1に記載の分析システム(110)。
【請求項3】
前記検出器(124)が光学検出器(124)である、請求項1又は2に記載の分析システム(110)。
【請求項4】
前記検出器(124)が空間分解検出器(124)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項5】
前記転送デバイス(142)がガイド(138)を含み、前記試験要素が該ガイド(138)において横方向に移動することができ、該試験要素に配置された前記符号化(118)が横方向に移動中に検出器(124)を通過する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項6】
前記転送デバイス(142)が少なくとも1つのドライブ装置(140)を含み、該ドライブ装置(140)は前記試験要素を移動するように設計されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分析システム(142)。
【請求項7】
分析物を検出するための少なくとも1つの分析ゾーン(116)、及び情報の少なくとも1つの試験要素特定項目を有する少なくとも1つの符号化(118)を有する試験要素をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項8】
前記試験要素は平面試験要素であり、特に、平面試験要素は、前記分析ゾーン(116)及び符号化(118)が、該平面試験要素の同じ側に配置され、及び/又は該平面試験要素の同じ側から読み込むことができる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項9】
前記試験要素が、複数の分析ゾーン(116)又は分析ゾーン(116)の複数の群を含み、少なくとも1つの個々の符号化(118)は、分析ゾーン(116)の各々又は分析ゾーン(116)の群に割り当てられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項10】
前記分析ゾーン(116)又は前記分析ゾーン(116)の群、及び前記符号化(118)が試験要素上に二者択一的に配置されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項11】
前記符号化(118)が、情報の少なくとも1つの2次元光学項目、特に、2次元バーコードを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項12】
前記符号化(118)が、情報の位置特定項目のキャリアとして少なくとも1つの位置決めマーカー(120)をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項13】
前記符号化(118)が少なくとも1つのグレースケール符号化を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項14】
前記分析システム(110)が、前記情報の試験要素特定項目を評価するために、グレースケール符号化のヒストグラム分析を行うように設計されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項15】
前記ヒストグラム分析が、符号化(118)の多数のフィールドについての個々のグレースケール値の充填因子のヒストグラム分析を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項16】
前記検出器(124)が、少なくとも一部においてヒストグラム分析を実行するように設計されている、請求項14又は15に記載の分析システム(110)。
【請求項17】
前記分析システム(110)が、さらに、スケーリングのために、グレースケール符号化、特に、グレースケール符号化の情報の黒色項目及び/又は白色項目を使用するように設計されている、請求項13〜16のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項18】
前記検出器(124)による前記符号化(118)の取得が、スタート情報の少なくとも1つの項目及び/又はストップ情報の少なくとも1つの項目を生じさせ、前記試験要素が試験テープ(114)を含み、前記分析システム(110)がスタート情報の項目及び/又はストップ情報の項目に従って該試験テープを巻くように設計されている、請求項1〜17のいずれか1項に記載の分析システム(110)。
【請求項19】
試料中の少なくとも1つの分析物、特に体液中のグルコースを検出するための方法であって、特に、分析システム(110)に関する請求項1〜18のいずれか1項に記載の分析システム(110)を使用することによる方法であって、少なくとも1つの試験要素は、分析物を検出するために使用され、該試験要素は、分析物を検出するための少なくとも1つの分析ゾーン(116)を有し、さらに該試験要素は、情報の少なくとも1つの試験要素特定項目及び/又は情報の少なくとも1つの位置特定項目を有する少なくとも1つの符号化(118)を有し、該分析ゾーン(116)は、少なくとも第1位置において検出器(124)によって取得され、及び、同検出器(124)は、第1位置とは異なっている少なくとも第2位置において該符号化(118)を取得し、ただし、
−試験要素が試験ストリップ(154)である場合、該検出器(124)は、該符号化(118)の情報の少なくとも試験要素特定項目を取得し、及び
−試験要素が試験テープ(114)である場合、該検出器(124)は、該検出器(124)によって、情報の少なくとも位置特定項目を取得する、前記方法。
【請求項20】
分析システム(110)に関する請求項1〜19のいずれか1項に係る分析システム(110)において使用するための試験要素であって、該試験要素は、複数の分析ゾーン(116)又は分析ゾーン(116)の複数の群を含み、少なくとも個々の符号化(118)は、分析ゾーン(116)の各々又は分析ゾーン(116)の群に割り当てられる試験要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−530076(P2011−530076A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521553(P2011−521553)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060044
【国際公開番号】WO2010/015605
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】