説明

第一スズ及びカリウムを含む口腔ケア組成物

本発明は、
a.第一スズイオンを供給する第一スズ塩と、
b.硝酸カリウム、グルコン酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、酒石酸カリウム、炭酸水素カリウム、及びこれらの混合物から選択される、カリウムイオンを供給するカリウム塩と、
c.キレート剤と、
d.フッ化物イオン源と、
e.0.01%未満のアルキル硫酸塩又はアルキルエトキシレート硫酸塩と、
を含む、単一相の口腔ケア組成物に関し、口腔ケア組成物は、全フッ化物イオンの50%を超える可溶性フッ化物イオン濃度を提供する。
本発明の組成物は、有毒作用又は不溶性生成物を伴わずに単一の歯磨き剤中で第一スズイオンと硝酸イオンとの長期にわたる接触が可能なことが判明している。本発明は、有効なフッ化物イオン濃度を更に維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スズ(II)イオン及びカリウムイオンをともに含む口腔ケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
象牙質過敏症は、温度、圧力又は化学作用の変化に対する急性の一時的な局所性歯痛として定義される。象牙質の露出は、歯肉の後退、又はエナメル質の損失によることが多く、しばしば過敏症をもたらす。表面に開いた象牙細管は、過敏症と関連がある。象牙細管は、歯髄からセメント質まで通じている。歯根の表面セメント質が侵食されたり、歯周病に侵されたりすると、細管は外部環境に曝されるようになり、流体が歯髄神経まで通過する経路を与える。
【0003】
「神経減感剤」は、化学的環境を変えることにより、過敏な歯の神経の感受性を下げることができる。カリウム塩は、この点において象牙質過敏症の治療に有効であることが知られている。米国特許第3863006号は、硝酸カリウムなどのカリウム塩を練り歯磨きに混合すると歯の感受性を下げることを開示している。過敏な象牙質の下にある歯髄神経を取り巻く高い細胞外カリウム濃度が、カリウム塩を含む口腔ケア製品の減感効果を担っていると考えられる。
【0004】
過敏症を治療する別の方法は、象牙細管を部分的又は完全に閉塞する薬剤を使用することである。フッ化第一スズ及び/又はその他の第一スズ塩の口腔用組成物において供給されるスズ(II)(第一スズ)イオンは、これによって得られる複数の利点(抗菌効果、息の悪臭の制御、歯垢増加及び代謝の制御、歯肉炎の減少、歯周病の進行の抑制、歯冠及び歯根の虫歯及び齲食の減少、並びに象牙質過敏症の抑制を含む)のため、重要なものとして活用されている。第一スズ塩は、特に米国特許第6592853号に開示されるように、この方法による象牙質過敏症の緩和に有効であることが知られている。第一スズは、象牙細管を閉塞し、それによって痛みを促す細管内の流体流動を激減させることが当該技術分野において知られている。
【0005】
先行技術において、第1成分がカリウム塩を含み、第2成分が第一スズ塩を含む、2成分減感歯磨き剤が幾つか開示されている。2つの成分は、歯に適用するために分配されるまで、一般に互いに分離して維持される。このような組成物は、Colgateの特許である米国特許第5780015号、同第5693314号、同第5932192号、同第5843409号、同第6464963号に開示されている。第一スズイオンによる細管の部分的閉塞により、内部拡散流動は外部流体流動より細管半径に左右されにくいため、カリウムイオンの歯への流入が増すと考えられる。第一スズ塩及びカリウム塩などの減感剤の混合物を単一の2成分減感組成物に含有させる試みは、両成分の有効量を歯に送達するための手段としては効果が不十分であることが判明しており、このことは当該技術分野において開示されている。米国特許第6464963号は、保存中に不溶性の第二スズ塩及び第一スズ化合物がどのように形成されるかについて記載している。本発明者らは、キレート剤の添加によってこの問題を克服する。
【0006】
米国特許第5843409号は、第一スズイオンと硝酸イオンが単一の歯磨き剤中で長期にわたって接触すると、これらのイオンが反応し、硝酸塩が潜在的な毒性物質に変化することを開示している。化学の原則から、このような任意の生成物の前駆体により亜硝酸塩が生成するだろうと考えられる。第一スズなどの還元剤は、硝酸塩を亜硝酸塩に変化させることがある。酸性条件下では、亜硝酸塩は亜硝酸を形成し、亜硝酸はプロトン化されてニトロソニウムカチオンを形成する。これは、口腔内でアミンと反応して毒性物質であるニトロソアミンを生成することがある。キレート化剤により第一スズを慎重に安定化することで、この反応が起こるのを防ぐことができる。本発明者らは、意外にも、2成分練り歯磨きに二重容器を使用して第一スズイオンと硝酸カリウムを互いに分離して維持する必要がないことを発見している。硝酸塩及び第一スズ含有歯磨き剤の水性モデルでは、広範囲のpHにわたって亜硝酸塩が形成される兆候は見られなかった。
【0007】
欧州特許第1040819号に記載されているように、アルキル硫酸ナトリウムはカリウム塩と結合すると不溶性のアルキル硫酸カリウムの沈殿を形成するため、アルキル硫酸ナトリウム界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS))は、一般にカリウム含有化合物とは相溶性がない。カリウムとSLSとの混合は好ましくないことが知られているが、多くの市販製品は依然としてこの処方を使用している。これは、一般にこれらの処方内で低イオン強度を維持することにより管理される。しかしながら、例えば本発明の組成物中に、不溶性生成物の形成防止に必要な対応するキレート剤とともに第一スズ塩を導入すると、イオン強度が上昇し、沈殿濃度を上昇させる。本発明者は、本口腔ケア組成物からSLSを除去することでこの問題を克服することを発見している。加えて、本組成物からSLSを除去することで、SLSを使用する組成物に比べてフッ化物の有効濃度を維持することができる。理論に束縛されるものではないが、潜在的なアルキル硫酸カリウムの沈殿をなくすと、組成物の全体的な可溶化容量が変わり、したがってフッ化物の有効濃度を維持することができると考えられる。フッ化物イオンは、齲食予防効果をもたらすことが当該技術分野において知られている。フッ化物は、再石灰化を高め、抗菌的に作用し、エナメル質を強化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3863006号
【特許文献2】米国特許第6592853号
【特許文献3】米国特許第5780015号
【特許文献4】米国特許第5693314号
【特許文献5】米国特許第5932192号
【特許文献6】米国特許第5843409号
【特許文献7】米国特許第6464963号
【特許文献8】欧州特許第1040819号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、単一の処方で虫歯に加えて過敏症を治療することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
a.第一スズイオンを供給する第一スズ塩と、
b.硝酸カリウム、グルコン酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、酒石酸カリウム、炭酸水素カリウム、及びこれらの混合物から選択される、カリウムイオンを供給するカリウム塩と、
c.キレート剤と、
d.フッ化物イオン源と、
e.0.01%未満のアルキル硫酸塩又はアルキルエトキシレート硫酸塩と、
を含む、単一相の口腔ケア組成物に関し、口腔ケア組成物は、全フッ化物イオンの50%を超える可溶性フッ化物イオン濃度を提供する。
【0011】
本発明の組成物は、有毒作用又は不溶性生成物を伴わずに単一相の歯磨き剤中で第一スズイオンと硝酸イオンとの長期にわたる接触が可能なことが判明している。本発明は、有効なフッ化物イオン濃度を更に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特に指示がない限り、本明細書のすべての百分率及び比率は、全組成物の重量であり、すべての測定は25℃で行われる。
【0013】
本発明は、単一相の口腔ケア組成物に関する。この組成物は、マウススプレー、マウスウォッシュ又は練り歯磨き若しくはジェルの形態であることができる。好ましくはこの組成物は、歯磨きでの使用に好適な練り歯磨き又は歯磨き用ジェルの形態である。
【0014】
本明細書の口腔ケア組成物は、単一相であり、すなわち組成物のすべての成分を容器の単一の区画内に収容することができ、使用前の更なる混合が不要である。
【0015】
第一スズイオン
本口腔ケア組成物の第1成分は、好ましくは0.05%〜1.20%(500〜12000ppm)の第一スズイオン、より好ましくは0.10%〜0.80%(1000〜8000ppm)の第一スズイオン、更に好ましくは0.25%〜0.70%(2500〜7000ppm)の第一スズイオンを供給するスズ(II)(第一スズ)イオン源である。好適な第一スズイオン源としては、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、酢酸第一スズ、グルコン酸第一スズ、シュウ酸第一スズ、硫酸第一スズ、乳酸第一スズ及び酒石酸第一スズが挙げられる。特に好ましいスズ(II)イオン源は、第一スズイオンの供給に臨床実績のある塩として確立されていることから、塩化第一スズ、フッ化第一スズ、グルコン酸第一スズ及びこれらの混合物である。
【0016】
カリウムイオン
本口腔ケア組成物の第2成分は、好ましくは0.90%〜4.0%(9000〜40000ppm)のカリウムイオン、より好ましくは1.50%〜3.60%(15000〜36000ppm)のカリウムイオン、更に好ましくは1.90%〜2.50%(19000〜25000ppm)のカリウムイオンを供給するカリウムイオン源である。好適なカリウム源には、硝酸カリウム、グルコン酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、酒石酸カリウム、炭酸水素カリウム、及びこれらの混合物が挙げられる。硝酸カリウム、グルコン酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム及びこれらの混合物は、カリウムイオンの供給に臨床実績のある塩として確立されていることから好ましい。別の実施形態では、カリウム源に水酸化カリウムを使用することができる。
【0017】
キレート剤
本発明の口腔用組成物は、1つ以上のキレート剤(別名キレート化剤)を含む。本明細書で使用される用語「キレート剤」は、第一スズイオン及び好ましくは他の二価又は多価金属イオンを結合することができる2つ以上の基を有する二座配位子又は多座配位子を意味し、少なくともキレート剤混合物の一部分として、口腔用組成物内の第一スズイオン及び他の任意の金属イオンを可溶化することができる。第一スズイオン及び他の金属イオンを結合することができる基には、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びアミン基が挙げられる。典型的には、本明細書において有用なキレート剤はまた、第一スズイオンと安定な水溶性錯体を形成する。
【0018】
本明細書における好適なキレート剤には、C〜Cのジカルボン酸及びトリカルボン酸(例えばコハク酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン酸)、ヒドロキシル置換C〜Cのモノカルボン酸(例えばグルコン酸)、ピコリン酸、アミノ酸(例えばグリシン)、フィチン酸、これらの塩並びにこれらの混合物が挙げられる。キレート剤はまた、キレート化配位子が同一又は隣接するモノマー上に存在するポリマー又はコポリマーであることができる。好ましいキレートポリマーは、モノマーのホモポリマー、2つ以上の異なるモノマーのコポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリ酸であり、モノマー、又は2つ以上の異なるモノマーの少なくとも1つは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、グルタコン酸、アコニット酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸及びチグリン酸からなる群から選択される。特に好ましいのは、メチルビニルエーテル/マレイン酸(PVM/MA)コポリマーである。
【0019】
トリポリリン酸塩などのポリリン酸塩もキレート剤として好適である。長い直鎖ポリリン酸塩は、良いキレート剤ではあるが、水性組成物中で加水分解を起こしやすい。加水分解によってオルトリン酸塩が形成され、これは不溶性の亜鉛錯体を形成する。したがって、これらは好ましくは無水組成物中で使用される。
【0020】
一部の物質、特にオルトリン酸塩は、二価金属イオンを結合することができる2つ以上の基を有する二座配位子又は多座配位子であることからキレート剤と見なすことが可能であるが、しかしそれにもかかわらず、不溶性の亜鉛塩を形成するため、亜鉛イオンを含む組成物のためのキレート剤としては有用ではない。
【0021】
本明細書においては、フィチン酸塩が着色除去の利点も提供するため、好ましいキレート剤である。しかしながら、フィチン酸第一スズは部分的にしか溶けないため、好ましくは単独のキレート剤として使用せず、好ましくはこのセクションに記述されている有機酸と組み合わせて使用される。本明細書において好ましい有機酸キレート剤は、遊離酸又は塩のいずれかの形態で加えられた、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、及びこれらの混合物を含む。
【0022】
組成物中のキレート剤は、第一スズイオンを安定させるために、組成物の0.1%〜10%の範囲が好ましいであろう。
【0023】
分子量が1000未満のキレート剤では、使用するキレート剤と第一スズ塩から供給される第一スズイオンとのモル比は、好ましくは少なくとも0.70:1、より好ましくは少なくとも0.8:1であり、好ましくは0.70:1〜20:1である。その他の二価金属イオン(例えば、亜鉛)を組成物に添加する場合、キレート剤と全金属イオンの比が少なくとも0.70:1になるようにキレート剤を増加させることが好ましい。二価金属イオンに対するキレート剤のモル比は、キレート剤のモル数合計を金属イオンのモル数合計で割ったものである。
【0024】
キレート剤と第一スズ塩から供給される第一スズイオンとの重量%比としては、特に1つ以上のキレート剤が1000を超える分子量を有する場合、組成物は、好ましくは少なくとも2:1、より好ましくは少なくとも5:1、好ましくは2:1〜10:1のキレート剤対第一スズイオンの比を有するであろう。その他の二価金属イオン(例えば、亜鉛)を組成物に添加する場合、キレート剤と全金属イオンの比が少なくとも2:1に維持されるようにキレート剤を増加させることが好ましい。
【0025】
界面活性剤
本発明の組成物は、界面活性剤を含んでよい。有用な界面活性剤の種類には、両性、非イオン性及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0026】
アニオン性のアルキル硫酸塩界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS))及びアルキルエトキシレート硫酸塩は、カリウムイオンの存在下で沈殿することが知られている。カリウムとSLSとの混合は好ましくないことが知られているが、多くの市販製品は、依然としてこの処方を使用しており、一般に低イオン強度を維持することにより管理される。しかしながら、本発明者は、高イオン強度の組成物(例えば本発明の組成物)からアルキル硫酸塩(特にSLS)を除去することにより、この問題を解決し、更にまたSLSなどのアルキル硫酸塩を使用する組成物に比べてフッ化物の有効濃度を維持することができることを発見している。理論に束縛されるものではないが、潜在的なアルキル硫酸カリウムの沈殿をなくすと、組成物の全体的な可溶化容量が変わり、したがってフッ化物の有効濃度を維持することができると考えられる。したがって、本口腔ケア組成物は、0.01%未満のアルキル硫酸塩又はアルキルエトキシレート硫酸塩、好ましくは0.01%未満のアルキル硫酸塩、より好ましくは0.01%未満のSLSを含む。アルキル硫酸塩及びアルキルエトキシレート硫酸塩の合計濃度は、0.01%未満である。
【0027】
カリウムイオンと沈殿を生じないその他のアニオン性界面活性剤は、洗浄及び発泡作用を提供するように含有することができ(例えばメチルココイルタウリン酸ナトリウム)、典型的には0.1重量%〜2.5重量%、好ましくは0.3重量%〜2.5重量%、最も好ましくは0.5重量%〜2.0重量%の量で使用される。カチオン性界面活性剤も使用することができるが、他の成分とのそれらの相容性について注意をする必要がある。カチオン性界面活性剤は、典型的には、追加のアニオン性界面活性剤と同様の濃度で使用される。本発明に有用なカチオン性界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、臭化セチルトリメチルアンモニウム、ジ−イソブチルフェノキシエチル−ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、フッ化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セトリモニウム等のような、8個〜18個の炭素原子を含有する1つのアルキル長鎖を有する脂肪族四級アンモニウム化合物の誘導体が挙げられる。これらのカチオン性界面活性剤の幾つかはまた、抗菌剤としても有用である。幾つかの非イオン性界面活性剤は、それらをリンギングゲルを形成するために使用することが所望される場合、20%までといった、実質的により高い濃度で有用であることができる。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ポロキサマー、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合体、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、コカミドMEA、コアミドDEA及びこれら物質の混合物が挙げられる。
【0028】
好ましい界面活性剤は、典型的には0.1重量%〜2.5重量%、好ましくは0.3重量%〜2.5重量%、最も好ましくは0.5重量%〜2.0重量%の量で使用される両性界面活性剤である。有用な界面活性剤には、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ドデシルベタイン、ココアミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン及びこれらの混合物が挙げられる。特に好ましいのは、ココアミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン及びこれらの混合物である。
【0029】
フッ化物イオン
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物中に遊離フッ化物イオンを提供するであろうフッ化物イオン源を含む。歯磨き剤及び他の口腔用組成物には、齲食予防効果を提供するのに十分なフッ化物イオン濃度を得るのに十分な量で存在する水溶性フッ化物化合物を有するのが一般的である。本明細書の口腔用組成物は、0.01%〜0.35%(100〜3500ppm)のフッ化物イオン、好ましくは0.05%〜0.25%(500〜2500ppm)のフッ化物イオンを供給するのに十分なフッ化物イオン源を含む。本発明の組成物は、全フッ化物イオンの50%を超える、好ましくは75%を超える、可溶性フッ化物イオン濃度を有する。SLSを除去することにより、この有効濃度が容易になる。広範なフッ化物イオン生成物質を、本組成物において、可溶性又は微溶性フッ化物イオン源として使用することができる。代表的なフッ化物イオン源としては、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化インジウム、フッ化アミン、及び他の多くのものが挙げられる。好ましいフッ化物イオン源は、フッ化第一スズ及びフッ化ナトリウム、並びにこれらの混合物である。一般に口腔ケア組成物に使用されるモノフルオロホスフェート(MFP)は、上記のフッ化物源とは異なり水中に遊離フッ化物イオンを提供しない。MFPは、水中に溶解すると、モノフルオロホスフェートのイオン(FPO2−)を供給する。これは、酵素(ホスファターゼ)により分解されて、その場で徐々に遊離フッ化物イオン(F−)を供給する。したがって、MFPは、本発明の口腔ケア組成物中に遊離フッ化物イオン源を供給しない。
【0030】
本発明の口腔用組成物中の可溶性フッ化物は、以下のように測定することができる。
【0031】
50mL遠心管に、組成物1g±0.01g及び10%脱イオン水9g±0.01gを量る。ガラスボール6個を入れてキャップをする。2分間攪拌してから、37℃において15000rpmで10分間遠心分離器にかける。ビーカーに上澄み2g±0.01gを量り、EDTA/TRIS緩衝液18g±0.01gを添加する。十分に撹拌して混合する。
【0032】
参照溶液を以下のように作成する。
【0033】
フッ化物原液500mg/LF
1Lメスフラスコにフッ化ナトリウム1.105g±0.001gを量る。脱イオン水で溶解し、標線まで希釈する。
【0034】
指定量の水を入れた容器にEDTA及びTRISの量を量り、溶解する。
【表1】

【0035】
50%水酸化ナトリウムでpHを8.0±0.05に調整し、適切なフラスコに移して標線まで希釈する。Triton X−100を添加し、その後、保存容器に静かに移す。溶液は12ヶ月間にわたって安定である。
【0036】
5mg/Lフッ化物溶液
10mmLプラスチック容器に原液1g±0.05gを量り、脱イオン水9g±0.1gを添加し、次にEDTA/TRIS緩衝液90g±0.1gを添加する。キャップをして十分に混合する。
【0037】
25mg/Lフッ化物溶液
10mmLプラスチック容器に原液5g±0.05gを量り、脱イオン水5g±0.1gを添加し、次にEDTA/TRIS緩衝液90g±0.1gを添加する。キャップをして十分に混合する。
【0038】
50mg/Lフッ化物溶液
10mmLプラスチック容器に原液10g±0.1gを量り、次にEDTA/TRIS緩衝液90g±0.1gを添加する。キャップをして十分に混合する。
【0039】
上記の5.0、25.0及び50.0mg/Lフッ化物溶液(EDTA/TRIS緩衝液中)の参照溶液を使用し、任意の好適なイオンメーター及びイオン選択電極を使用して、フッ化物の量を測定することができる。試料及び参照の両方の希釈係数を考慮して、電極の測定値から可溶性フッ化物の濃度を計算する。その他のフッ化塩では、方法を適切に調整することができる。
【0040】
本発明の好ましい組成物では、可溶性フッ化物イオンの濃度は、試料を脱イオン水で1:3に希釈した場合に測定すると、25〜930ppm、好ましくは130〜660ppmの範囲である。
【0041】
亜鉛イオン
亜鉛イオンは、口腔用組成物に有益に含まれることができる。第一スズイオンに亜鉛イオンを組み合わせると、より広域な抗菌活性スペクトルを与えることができる。本組成物は、組成物に対し、0.1〜1.5重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.15〜0.5重量%の亜鉛イオンを供給するのに十分な亜鉛イオン源を含んでよい。酸化亜鉛又は炭酸亜鉛などの不溶性又は微溶性の亜鉛化合物をこの亜鉛源として使用することができる。ただし、好ましい亜鉛源は、塩化亜鉛又は硫酸亜鉛などの水溶性亜鉛源である。より好ましい亜鉛源は、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛及びグリシン酸亜鉛など、亜鉛がすでに塩又はその他の錯体の形態で好適なキレート化剤と結合しているものである。特に好ましい亜鉛イオン源は、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛及びこれらの混合物である。
【0042】
本組成物の好ましいpH範囲は、第一スズの沈殿を避けるため、7.5未満、好ましくは7未満、より好ましくは6.5未満であり、例えば4.5〜7.5、より好ましくは5〜7、更に好ましくは5.5〜6.5である。口腔ケア組成物のpHは、安全上の理由から4.5以上が好ましい。歯磨き組成物のpHは、3:1の歯磨き剤の水性スラリー、すなわち、3部の水対1部の歯磨き剤で測定される。
【0043】

使用される用語「口腔用に許容できる担体」は、本発明の活性成分を含み、口腔に送達するための液体又は半固体のビヒクル(例えばペースト又はジェル)を意味する。水は、口腔用組成物におけるキャリア物質として一般的に使用される。それは加工助剤として有用であり、口に対して害が無く、及び練り歯磨きの迅速な発泡を助ける。水は、それ自体を成分として添加してもよく、又はソルビトールのような他の一般的な原材料中の担体として存在してもよい。本明細書で使用するとき用語「水の合計」とは、別個に添加された、又は、他の原材料のための溶媒若しくはキャリアとして、組成物中に存在する水の合計量を意味するが、特定の無機塩の結晶水として存在し得るものを除く。本明細書における好ましい歯磨き剤組成物は、合計で20%〜65%、好ましくは30%〜55%、より好ましくは40%〜50%の水を含む、水性組成物である。担体はまた、例えば減感剤、歯ホワイトニング剤(過酸化物源など)、ハーブ剤、緩衝剤、抗着色剤、増粘剤、保湿剤、界面活性剤、香味剤、甘味剤、及び着色剤などの、他の従来の添加物を口腔ケア組成物に含むことができる。
【0044】
他の成分
本発明の口腔ケア組成物は、下記により詳しく述べるように、通常及び従来の補助的構成成分を含むことができる。
【0045】
歯科用研磨剤は、表面の汚れ及び菌膜を除去する能力と歯の研磨のために、練り歯磨き又は歯磨き用ジェルなどの口腔用組成物に有用である。歯科用研磨剤は、本発明の組成物にきわめて好ましい成分である。本発明の口腔用組成物において有用な歯科用研磨剤には、様々に異なる種類の材質が挙げられる。選択される物質は、目的の組成物との混和性があり、象牙質を過度に削らないものでなければならない。好適な研磨剤には、例えば、ゲル及び沈殿物を含むシリカ、不溶性ポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、並びに尿素とホルムアルデヒドとの粒子状縮合生成物のような樹脂性研磨剤物質が挙げられる。本発明で用いられる別の部類の研磨剤は、米国特許第3,070,510号に記載されている、粒子状熱硬化性重合樹脂である。好適な樹脂には、例えば、メラミン、フェノール樹脂、尿素、メラミン−尿素、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド、架橋エポキシド、及び架橋ポリエステルが挙げられる。
【0046】
様々な種類のシリカ歯科用研磨剤は、歯のエナメル質又は象牙質を過度に削らない、優れた歯の洗浄及び研磨性能という独特の利益があるため、本明細書において好ましい。本明細書において、シリカ砥粒研磨物質及びその他の研磨剤は一般に、0.1〜30μm、及び好ましくは5〜15μmの範囲の平均粒度を有する。研磨剤は、米国特許第3,538,230号及び同第3,862,307号に記載されている沈殿シリカ又はシリカキセロゲルのようなシリカゲルであることができる。例としては、W.R.Grace & Company,Davison Chemical Divisionにより商品名「Syloid」として販売されているシリカキセロゲル、及びJ.M.Huber Corporationにより商品名ゼオデント(登録商標)として販売されているような沈殿シリカ材料、特にゼオデント(登録商標)119、ゼオデント(登録商標)118、ゼオデント(登録商標)109及びゼオデント(登録商標)129という表示を有するシリカが挙げられる。本発明の練り歯磨きに有用なシリカ歯科用研磨剤のタイプは、更に詳細に米国特許第4,340,583号、同第5,603,920号、同第5,589,160号、同第5,658,553号、同第5,651,958号及び同第6,740,311号に記述されている。
【0047】
上に列挙された様々な等級のゼオデント(登録商標)シリカ研磨剤の混合物など、研磨剤の混合物を用いることができる。本発明の歯磨き剤組成物中の研磨剤の合計量は、典型的には組成物の6重量%〜50重量%の範囲である。本発明の歯科用溶液、口内スプレー、口内洗浄剤、及び非研磨剤ゲル組成物は、典型的には、少量の研磨剤を含む、又は研磨剤を含まない。
【0048】
保湿剤は、本明細書の組成物の任意であるが好ましい構成成分である。保湿剤は、歯磨き剤が空気に曝されて硬化しないようにしたり、口に潤い感を与えたり、特定の保湿剤については香味料の所望の甘さを付与する役目をする。保湿剤は、純粋な保湿剤を基準として、一般に組成物の5重量%〜70重量%、好ましくは15重量%〜45重量%含まれる。好適な保湿剤には、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコールのような食用多価アルコール、特にソルビトール及びグリセリンが挙げられる。
【0049】
練り歯磨き又はジェルの調製においてはしばしば、組成に望ましい稠度をもたらすため、使用時の所望の活性放出特性を付与するため、貯蔵安定性を高めるため、組成物の安定性をもたらすためなどの目的で、増粘剤又は結合剤を添加する必要がある。増粘剤には、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、非イオン性セルロース誘導体(例えばヒドロキシエチルセルロース(HEC))、及びセルロース誘導体の水溶性塩(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC))を挙げることができる。ガムカラヤ、キサンタンガム、アラビアゴム、及びトラガカントガム等の天然のゴムもまた、本明細書で使用されることができる。好適な増粘剤の濃度は、0.1〜5%の範囲であり、必要に応じてそれより高くすることができる。
【0050】
有機抗菌剤もまた、使用することができる。こうした剤の中に含まれるのは、非水溶性非カチオン性抗菌剤、例えばハロゲン化ジフェニルエーテル、特にトリクロサン、及びチモールのような精油である。水溶性抗菌剤には、塩化セチルピリジニウムのような第四級アンモニウム塩が挙げられる。酵素は、本発明の組成物に使用されてよい別の種類の活性物質である。有用な酵素には、プロテアーゼ、溶菌酵素、歯垢基質阻害物質及びオキシダーゼの分類に属するものが挙げられる。オキシダーゼはまた、抗菌特性に加えて、白色化活性/洗浄活性も有する。これらの薬剤は、米国特許第2,946,725号及び同第4,051,234号に開示されている。
【0051】
香味剤及び甘味剤もまた好ましくは、本組成物に含まれる。好適な香味剤及び甘味剤は、当該技術分野において周知である。本明細書では本口腔用組成物中の好適な着香剤濃度は、0.1重量%〜5.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜1.5重量%である。広範囲の人々に受け入れられるバランスのとれた風味を提供するため、通常、香味料油は、別々の工程で製造され、天然及び/又は合成由来の多数の構成成分を含む。香味料構成成分は、ミント、香辛料、果物、柑橘類、薬草、薬用及び常用食物香味料の種類(例えばチョコレート)から選択されることができる。例証となるが、このような構成成分の非限定例としては、リモネン、カリオフィレン、ミルセン、及びフムレン等の炭化水素、メントール、リナロール、3−デカノール、及びピノカーベオール等のアルコール、ピペリトン、メントン、スピカトン、及びl−カルボン等のケトン、アセトアルデヒド、3−ヘキサナール、又はn−オクタナール等のアルデヒド、メントフラン、ピペリトンオキシド、又はカルビルアセテート−7,7オキシド等のオキシド、酢酸及びオセニック酸等の酸、及びジメチルスルフィド等の硫化物が挙げられる。構成成分としてはまた、メンチルアセテート、イソブチル酸ベンジル、及び3−酢酸オクチルのようなエステルが挙げられる。着香料構成成分としてまた、例えば、メンタピペリタ及びメンタアベンシスからのペパーミント油等の芳香油、メンタカーディアカ及びメンタスピカタからのもの等のスペアミント油、セージオイル、オランダセリ油、マジョラム油、カッシア油、クローブ芽油、桂皮油、オレンジ油、ライム油、ユーカリ油、及びアニス油も挙げることができる。他の好適な構成成分は、ケイ皮アルデヒド、オイゲノール、イオノン、アネトール、ユーカリプトール、チモール、サリチル酸メチル、バニリン、エチルバニリン、及びバニラ抽出物である。フレーバ成分は、Fenaroli著、「Handbook of Flavor Ingredients」(第3版、第1巻及び第2巻、CRC Press,Inc.、1995年)並びにSteffen Arctander著「Perfume and Flavour Chemicals」(第1巻及び第2巻、1969年)に更に詳細に記載されている。生理学的冷却剤もまた、香味料油に組み入れられてよい。冷却剤は、多種多様な物質のいずれかであることができる。このような物質に含まれるのは、カルボキサミド、メントール、アセタール、ケタール、ジオール、及びこれらの混合物である。本明細書で好ましい冷却剤としては、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(「WS−3」として商業的に既知)及びこれらの混合物のようなp−メンタンカルボキサミド剤、並びにメントングリセリンアセタール(「MGA」として商業的に既知)が挙げられる。本発明に好適な更なる冷却剤が、国際公開第97/06695号に開示されている。
【0052】
本明細書の組成物は、カモミール、オーク樹皮、メリッサ、ローズマリー及びサルビアの抽出物のような香草成分を更に包含することができる。これら、及び上述の香草由来の着香構成成分の幾つか(チモールなど)は、香味に寄与するのに丁度十分な濃度で包含させることができ、又はそれらはより高い治療効果を提供するために1%以上などのより高い濃度で添加されることができる。
【0053】
使用できる甘味剤としては、スクロース、グルコース、サッカリン、スクラロース、ブドウ糖、果糖、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩、タウマチン、アスパルテーム、D−トリプトファン、ジヒドロカルコン、アセスルファム及びシクラメート塩、特にシクラミン酸ナトリウム、スクラロース及びサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。組成物は、好ましくは0.1%〜3%、より好ましくは0.1%〜1%のこれらの剤を含有する。
【0054】
組成物は、通常の顔料、染料、及び二酸化チタンのような不透明化剤を更に包含してよい。組成物のために選択された成分は、互いに、化学的かつ物理的に適合性でなければならないことが理解されよう。
【実施例】
【0055】
次の実施例は、本発明の範囲内の好ましい練り歯磨き実施形態について更に説明して実証するものである。これらの実施例は単に例示することが目的であり、これらの変更の多くは可能であるので、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0056】
本発明による練り歯磨き組成物は、下記に構成成分量を重量%で示す。これらの組成物は従来方法を用いて製造される。
【表2】

メチルビニルエーテル/マレイン酸コポリマー
【0057】
参照試料並びに実施例A及びBの可溶性フッ化物濃度は、上記に略述した方法を使用して測定し、1:3に希釈した組成物において、それぞれ220ppm、330ppm及び325ppmの値が得られた。
【0058】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.第一スズイオンを供給する第一スズ塩と、
b.硝酸カリウム、グルコン酸カリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、酒石酸カリウム、炭酸水素カリウム、及びこれらの混合物から選択される、カリウムイオンを供給するカリウム塩と、
c.キレート剤と、
d.遊離フッ化物イオンを提供するフッ化物イオン源と、
e.0.01%未満のアルキル硫酸塩又はアルキルエトキシレート硫酸塩と、
を含み、全フッ化物イオンの50%を超える可溶性フッ化物イオン濃度を提供する、単一相の口腔ケア組成物。
【請求項2】
前記口腔ケア組成物が、0.01%未満のラウリル硫酸ナトリウムを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記フッ化物イオン源が、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第一スズ及びこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
全フッ化物イオンの75%を超える可溶性フッ化物イオン濃度を提供する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記キレート剤と前記第一スズ塩から供給される前記第一スズイオンとのモル比が、少なくとも0.70:1であって、前記キレート剤が、1000未満の分子量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記キレート剤と前記第一スズ塩から供給される前記第一スズイオンとの重量%比が、少なくとも2:1であって、前記キレート剤が、1000を超える分子量を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ココアミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記第一スズ塩が、塩化第一スズ、フッ化第一スズ、グルコン酸第一スズ及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記カリウム塩が、硝酸カリウム、グルコン酸カリウム、クエン酸カリウム及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記口腔ケア組成物が、水酸化カリウムを更に含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
亜鉛イオン源を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記亜鉛イオンが、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛及びこれらの混合物から提供される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
シリカ研磨剤を更に含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記第一スズ塩が、塩化第一スズであり、前記カリウム塩が、硝酸カリウムであり、前記組成物が、コカミドプロピルベタイン及びフッ化ナトリウムを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記第一スズ塩が、塩化第一スズ、フッ化第一スズ及びこれらの混合物から選択され、前記カリウム塩が、硝酸カリウムであり、前記組成物が、コカミドプロピルベタインを更に含む、請求項1に記載の組成物。

【公表番号】特表2013−500337(P2013−500337A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522888(P2012−522888)
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/042436
【国際公開番号】WO2011/016982
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】