説明

第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体及び脱炭酸アリル化反応を用いるその製造方法

【課題】簡便,かつ高収率に第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体を合成できる製造方法を開発することを課題とする。
【解決手段】α‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステルをリン配位子,Pd触媒存在下,脱炭酸を伴うアリル化反応を行うことにより第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体を合成する製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体及び脱炭酸アリル化反応を用いるその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
α−トリフルオロメチルカルボニル化合物はフッ素原子のもつ特異的な性質により,医薬農薬分野において強い生理活性をもつものがあることが知られている。しかしながらその直接的な合成には困難な要素がある。それは反応の出発原料のエノラートや塩基等によって容易に脱フッ素化がおこってしまうことである。そのためα−トリフルオロメチルケトン誘導体を直接的に合成する方法は以前から研究されているにも関わらず,簡便で高収率な反応はほとんど報告されていない。特に第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体においてはその傾向が顕著なものとなっている。(非特許文献1,2,3)そのため簡便,かつ高収率に第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体を合成できる製造方法が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Cahard, D.; Ma, J. A. J. Org. Chem. 2003, 68, 8726.
【非特許文献2】Sato, K.; Omoto, M.; Ando, A.; Kumadaki, I. Org. Lett., 2004, 6, 4359.
【非特許文献3】Itoh, Y.; Mikami, K. J. Fluorine Chem., 2006, 127, 539.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記点に鑑みて,簡便,かつ高収率に第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体を合成できる製造方法を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため,本発明の第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体の製造方法は請求項1に示すとおり下記一般式(2)で示されるα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステルをリン配位子,Pd触媒存在下,脱炭酸を伴うアリル化反応を行うことにより下記一般式(1)で示される第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体を合成する製造方法である。
【0006】
【化1】

【0007】
(式中,R,R及びRは置換もしくは未置換のアルキル基,アルケニル基,アラルキル基,アルキニル基,アリール基,又はアリールオキシ基を示す。なおRおよびR,RおよびR又はRおよびRが一体となって,ヘテロ原子の介在もしくは非介在で環状構造の一部を形成してもよい。)

請求項2に記載の発明は,前記一般式(1)で表される第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体の合成法であって,下記一般式(2)で表されるα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステルをアキラルもしくはキラルなリン配位子,Pd触媒存在下,脱炭酸を伴うアリル化反応を行う工程を備えることを特徴とする製造方法にある。
【0008】
【化2】

【0009】
(式中,R,R及びRは式(1)記載の通りである。)

【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において,R,R及びRが示すアルキル基としては,例えば,炭素数1乃至20程度のアルキル基を用いることができる。具体的には,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル基,デシル基,ウンデシル基,ドデシル基,トリデシル基,テトラデシル基,ペンタデシル基,ヘキサデシル基,ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基,イコシル基,又はこれらの環状アルキル基,分鎖アルキル基などを用いることができる。アルキル基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基などの置換基で置換されていてもよい。
,R及びRが示すアルケニル基又はアルキニル基に含まれる不飽和結合の数は特に限定されないが,好ましくは1乃至2個程度である。該アルケニル基又はアルキニル基は,直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよい。
,R及びRが示すアラルキル基は,例としてベンジル基,ペンタフルオロベンジル基,o−メチルベンジル基,m−メチルベンジル基,p−メチルベンジル基,p−ニトロベンジル基,ナフチルメチル基,フルフリル基,α−フェネチル基等が挙げられる。
,R及びRが示すアリール基としては,ヘテロアリール基も含有し,具体例としては,例えば炭素数2〜30のアリール基,具体的にはフェニル基,ナフチル基,アンスラニル基,ピレニル基,ビフェニル基,インデニル基,テトラヒドロナフチル基,ピリジル基,ピリミジニル基,ピラジニル基,ピリダニジル基,ピペラジニル基,ピラゾリル基,イミダゾリル基,キニリル基,ピロリル基,インドリル基,フリル基などが挙げることができる。
,R及びRが示すアリールオキシ基としては,ヘテロアリールオキシ基も含有し,具体例としては,例えば炭素数2〜30のアリール基,具体的にはフェニルオキシ基,ナフチルオキシ基,アンスラニルオキシ基,ピレニルオキシ基,ビフェニルオキシ基,インデニルオキシ基,テトラヒドロナフチルオキシ基,ピリジルオキシ基,ピリミジニルオキシ基,ピラジニルオキシ基,ピリダニジルオキシ基,ピペラジニルオキシ基,ピラゾリルオキシ基,イミダゾリルオキシ基,キニリルオキシ基,ピロリルオキシ基,インドリルオキシ基,フリルオキシ基などが挙げることができる。
およびR,RおよびR,又はRおよびRを組み合わせて形成されうる前記環状構造の例としては,3員環から20員環でなる単環,双環,またはそれ以上の多環の構造を示すことができる。これらの環状構造はヘテロ原子を有してもよい。
アルキル基又はアルキル部分を含む置換基(例えば,アルコキシ基,アルキルチオ基,アルコキシカルボニル基など)のアルキル部分,アリール基又はアリール部分を含む置換基(例えば,アリールオキシ基など)のアリール部分は,フッ素原子,塩素原子,臭素原子,及びヨウ素原子からなる群から選ばれる1又は2個以上のハロゲン原子有していてもよく,2個以上のハロゲン原子が置換している場合には,それらは同一でも異なっていてもよい。
アルキル基又はアルキル部分を含む置換基(例えば,アルコキシ基,アルキルチオ基,アルコキシカルボニル基など)のアルキル部分,アリール基又はアリール部分を含む置換基(例えば,アリールオキシ基など)のアリール部分は,アルキル基又はアルキル部分を含む置換基(例えば,アルコキシ基,アルキルチオ基,アルコキシカルボニル基など)からなる群から選ばれる1又は2個以上の置換基を有していてもよく2個以上の置換基が置換している場合には,それらは同一でも異なっていてもよい。
,R及びRはそれぞれ独立に上記に定義されたいずれかの置換基を示すが,全部が同一の置換基であってもよい。
本発明の化合物の光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体はいずれも本発明の範囲に包含される。また,立体異性体の任意の混合物,ラセミ体なども本発明の範囲に包含される。
本発明の第四級α‐トリフルオロメチルケトン誘導体及びその製造法は特に限定されないが,前記式(2)で表されるα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステルに対して,アキラルもしくはキラルなリン配位子,Pd触媒存在下,溶媒中で脱炭酸を伴うアリル化反応させることによって前記式(1)の第四級α‐トリフルオロメチルケトン誘導体を製造することができる。
前記式(2)で表されるα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステルは特に限定されないが,非特許文献4,5などによって合成されるα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステルなどを用いることができる。
【非特許文献4】Noritake, S.; Shibata, N.; Nakamura, S.; Toru, T.; Shiro,M. Eur. J. Org. Chem. 2008, 3465.
【非特許文献5】Matsnev, A.; Noritake, S.; Nomura, Y.; Tokunaga, E.; Nakamura, S.; Shibata, N. Angew. Chem. Int. Ed., 2010, 49, 572.溶媒の種類は特に限定されないが,ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,n−ブチルメチルエーテル,tert−ブチルメチルエーテル,シクロペンチルメチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル系溶媒;ヘプタン,ヘキサン,シクロペンタン,シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;クロロホルム,四塩化炭素,塩化メチレン,ジクロロエタン,トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ベンゼン,トルエン,キシレン,クメン,シメン,メシチレン,ジイソプロピルベンゼン,ピリジン,ピリミジン,ピラジン,ピリダジン等の芳香族系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル,ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド等の溶媒;メタノール,エタノール,プロパノール,i-プロピルアルコール,アミノエタノール,N,N-ジメチルアミノエタノール等のアルコール系溶媒;水,超臨界二酸化炭素,イオン性液体が挙げられるが,テトラヒドロフランが最も好ましい。これらは単独で使用し得るのみならず,2種類以上を混合して用いることも可能である。パラジウム触媒としては,特に限定されないが,トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体,ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム錯体,酢酸パラジウム,アリルパラジウムクロリドダイマー等を用いることができ,好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体である。アキラルなリン配位子としては,特に限定されないが,トリフェニルホスフィン,1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン,1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン等を用いることができ,好ましくは1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンである。キラルなリン配位子としては,特に限定されないが,2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル,2,2’‐ビス(ジ‐パラ‐トリル‐ホスフィノ)−1,1’−ビナフチル,5,5’−ビス(ジフェニルホスフィノ)‐4,4’‐ビ‐1,3‐ベンゾジオキソール,(6,6’‐ジメトキシビフェニル‐2,2’‐ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)等を用いることができ,好ましくは2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチルである。前記式(1)の製造は加圧下に行うこともできるが,通常は常圧で行う。反応温度は0℃から溶媒の沸点までの間で行うことができるが,好ましくは0℃乃至室温付近である。反応後、前記式(1)で示される第四級α‐トリフルオロメチルケトン誘導体は一般的な手法によって反応液から単離および精製することができ,例えば反応液を濃縮した後,蒸留精製またはシリカゲル,アルミナ等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフ法での精製,塩析,再結晶等が挙げられる。
【0011】


以下,実施形態により本発明をさらに具体的に説明するが,本発明の範囲は下記の実施形態に限定されることはない。
【0012】
(第1実施形態)
前記式(1)の一般的な製造方法
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体(1.6 mg, 0.00176 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.8 mg, 0.0044 mmol)のテトラヒドロフラン (1.4 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2a (20.0 mg, 0.0704 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=95:5)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1a (16.2 mg, 96%)を無色液体として得た。
【0013】
【化3】

【0014】
Compound 1a: 2−アリル−2−(トリフルオロメチル)−1−インダノン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 2.61 (dd, J = 13.5, 8.4 Hz, 1H), 2.84 (dd, J = 13.8, 6.3 Hz, 1H), 3.20 (d, J = 18.0 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 18.0 Hz, 1H), 5.04 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 5.17 (dd, J = 17.4, 1.2 Hz, 1H), 5.41-5.55 (m, 1H), 7.39-7.49 (m, 2H), 7.65 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 7.8 Hz, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 32.7 (q, J = 1.5 Hz), 36.1 (q, J = 5.3 Hz), 56.2 (q, J = 25.7 Hz), 120.7, 124.6, 125.9 (q, J = 282.2 Hz), 126.3, 128.1, 130.4, 135.7, 135.9, 151.9, 200.0; 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −72.5 (s, 3F);
(第2実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体(1.5 mg, 0.00168 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.7 mg, 0.00419 mmol)のテトラヒドロフラン (1.3 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2b (20.0 mg, 0.0671 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=9:1)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1b (14.0 mg, 82%)を無色液体として得た。
【0015】
【化4】

【0016】
Compound 1b: 2−アリル−6−メチル−2−(トリフルオロメチル)−1−インダノン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 2.41 (s, 3H), 2.58 (dd, J = 13.8, 8.1 Hz, 1H), 2.83 (dd, J = 13.5, 6.6 Hz, 1H), 3.15 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 3.36 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 5.03 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 5.40-5.54 (m, 1H), 7.36 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 21.0, 32.3 (q, J = 1.5 Hz), 36.1 (q, J = 3.0 Hz), 56.5 (q, J = 24.1 Hz), 120.9, 123.2, 126.0, 126.0 (q, J = 282.2 Hz), 130.5, 135.9 (q, J = 1.5 Hz), 137.2, 138.1, 149.3, 200.0; 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −72.5 (s, 3F);
(第3実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.4 mg, 0.00157 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.6 mg, 0.00393 mmol)のテトラヒドロフラン (1.3 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2c (20.0 mg, 0.0628 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=8:2)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1c (16.8 mg, 99%)を無色液体として得た。
【0017】
【化5】

【0018】
Compound 1c: 2−アリル−5−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−1−インダノン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 2.59 (dd, J = 13.8, 8.1 Hz, 1H), 2.85 (dd, J = 13.5, 6.3 Hz, 1H), 3.18 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 5.38-5.52 (m, 1H), 7.40 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 32.4 (q, J = 1.5 Hz), 36.0 (q, J = 3.0 Hz), 56.5 (q, J = 24.1 Hz), 121.0, 125.7, 125.7 (q, J = 282.2 Hz), 126.7, 129.0, 130.1, 134.2 (q, J = 1.5 Hz), 142.6, 153.2, 198.6 (q, J = 1.5 Hz); 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −72.6 (s, 3F);
(第4実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.4 mg, 0.00157 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.6 mg, 0.00393 mmol)のテトラヒドロフラン (1.3 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2d (20.0 mg, 0.0628 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=95:5)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1d (13.9 mg, 86%)を無色液体として得た。
【0019】
【化6】

【0020】
Compound 1d: 2−アリル−5−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−1−インダノン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 2.59 (dd, J = 13.8, 8.1 Hz, 1H), 2.85 (dd, J = 13.5, 6.3 Hz, 1H), 3.18 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 5.38-5.52 (m, 1H), 7.40 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 32.4 (q, J = 1.5 Hz), 36.0 (q, J = 3.0 Hz), 56.5 (q, J = 24.1 Hz), 121.0, 125.7, 125.7 (q, J = 282.2 Hz), 126.7, 129.0, 130.1, 134.2 (q, J = 1.5 Hz), 142.6, 153.2, 198.6 (q, J = 1.5 Hz); 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −72.6 (s, 3F);
(第5実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.3 mg, 0.00138 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.4 mg, 0.00344 mmol)のテトラヒドロフラン (1.1 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2e (20.0 mg, 0.0551 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=9:1)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1e (12.1 mg, 69%)を無色液体として得た。
【0021】
【化7】

【0022】
Compound 1e: 2−アリル−5−ブロモ−2−(トリフルオロメチル)−1−インダノン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 2.59 (dd, J = 13.5, 8.1 Hz, 1H), 2.84 (dd, J = 13.8, 6.3 Hz, 1H), 3.19 (d, J = 18.0 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 17.7 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 5.38-5.52 (m, 1H), 7.56 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 32.3 (q, J = 1.5 Hz), 36.0 (q, J = 1.5 Hz), 56.4 (q, J = 24.1 Hz), 121.1, 125.7 (q, J = 282.2 Hz), 125.7, 129.7, 130.1, 131.5, 131.8, 134.6 (q, J = 1.5 Hz), 153.3, 198.8 (q, J = 1.5 Hz); 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −72.6 (s, 3F);
(第6実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.0 mg, o.oo109 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.1 mg, 0.00273 mmol)のテトラヒドロフラン (0.9 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2f (15.0 mg, 0.0436 mmol)を加え,60℃,2時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=7:3)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1f (9.6 mg, 73%)を白色固体として得た。
【0023】
【化8】

【0024】
Compound 1f: 2−アリル−5,6−ジメトキシ−2−(トリフルオロメチル)−1−インダノン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 2.57 (dd, J = 13.5, 8.4 Hz, 1H), 2.85 (dd, J = 13.5, 6.0 Hz, 1H), 3.09 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 3.31 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 5.04 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 5.17 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 5.41-5.55 (m, 1H), 6.87 (s, 1H), 7.18 (s, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 32.4 (q, J = 3.0 Hz), 36.0 (q, J = 1.5 Hz), 56.1, 56.3, 56.5 (q, J = 24.1 Hz), 104.6, 107.0, 120.4, 126.1 (q, J = 282.2 Hz), 128.6 (q, J = 3.0 Hz), 130.6, 147.4, 149.9, 156.4, 198.3 (q, J = 1.5 Hz); 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −72.7 (s, 3F);
(第7実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.5 mg, 0.00168 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.7 mg, 0.00419 mmol)のテトラヒドロフラン (1.3 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2g (20.0 mg, 0.0671 mmol)を加え,60℃で3時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=9:1)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1g (14.7 mg, 86%)を無色液体として得た。
【0025】
【化9】

【0026】
Compound 1g: 2−(2−メチルアリル)−2−(トリフルオロメチル)−1−インダノン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 1.45 (s, 3H), 2.62 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 2.97 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.36 (s, 2H), 4.75 (s, 1H), 4.82 (s, 1H), 7.41 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.64 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 7.8 Hz, 1H);13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 23.5, 32.2 (q, J = 1.5 Hz), 39.0 (q, J = 3.0 Hz), 56.2 (q, J = 24.1 Hz), 117.1, 124.6, 126.1 (q, J = 282.2 Hz), 126.3, 128.0, 135.8, 135.8 (q, J = 1.5 Hz), 139.5, 152.4, 200.5; 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −73.3 (s, 3F);
(第8実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (6.5 mg, 0.00707 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (7.0 mg, 0.0177 mmol)のテトラヒドロフラン (5.7 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2h (84.4 mg, 0.283 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=95:5)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1h (59.8 mg, 83%)を無色液体として得た。
【0027】
【化10】

【0028】
Compound 1h: 2−アリル−2−(トリフルオロメチル)−3,4−テトラヒドロナフタレン−1(2H)−オン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 2.27-2.42 (m, 2H), 2.58 (dd, J = 14.4, 7.2 Hz, 1H), 2.76 (dd, J = 14.7, 7.2 Hz, 1H), 2.96-3.15 (m, 2H), 5.14 (s, 1H), 5.18 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 5.69-5.82 (m, 1H), 7.25 (d, J= 6.9 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.52 (dt, J = 7.5, 1.2 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 7.8 Hz, 1H);13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 24.6, 26.3 (q, J = 1.5 Hz), 35.4 (q, J = 1.5 Hz), 53.4 (q, J = 22.6 Hz), 119.9, 126.4 (q, J = 285.2 Hz), 127.0, 128.4, 128.7, 131.4 (q, J = 1.5 Hz), 131.7, 134.1, 142.9, 192.8; 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −69.7 (s, 3F);
(第9実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.4 mg, 0.00152 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.5 mg, 0.00381 mmol)のテトラヒドロフラン (1.2 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2i (20.0 mg, 0.0609 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (benzene)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1i (17.1 mg, 99%)を無色液体として得た。
【0029】
【化11】

【0030】
Compound 1i: 2−アリル−6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−3,4−テトラヒドロナフタレン−1(2H)−オン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 2.29-2.38 (m, 2H), 2.56 (dd, J = 14.1, 7.5 Hz, 1H), 2.77 (dd, J = 14.4, 7.2 Hz, 1H), 2.91-3.11 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 5.13 (s, 1H), 5.17 (d, J= 6.9 Hz, 1H), 5.68-5.82 (m, 1H), 6.68 (s, 1H), 6.85 (dd, J = 8.7, 2.1 Hz, 1H), 8.05 (d, J= 9.0 Hz, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 25.0, 26.4 (q, J = 1.5 Hz), 35.6 (q, J = 1.5 Hz), 53.1 (q, J = 22.6 Hz), 55.5, 112.4, 113.8, 119.8, 125.1, 126.5 (q, J = 285.2 Hz), 130.9, 131.9, 145.5, 164.1, 191.3; 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −69.7 (s, 3F);
(第10実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.5 mg, 0.00161 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.6 mg, 0.00400 mmol)のテトラヒドロフラン (1.3 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2j (20.0 mg, 0.0640 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=9:1)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1j (10.1 mg, 59%)を無色液体として得た。
【0031】
【化12】

【0032】
Compound 1j: 6−アリル−6−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[7]アヌレン−5−オン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 1.93-2.05 (m, 4H), 2.58 (dd, J = 14.1, 7.8 Hz, 1H), 2.71 (dd, J = 14.1, 6.9 Hz, 1H), 2.72-2.82 (m, 1H), 2.90-3.00 (m, 1H), 5.10 (s, 1H), 5.15 (dd, J = 6.6, 1.5 Hz, 1H), 5.67-5.80 (m, 1H), 7.13 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.26-7.30 (m, 2H), 7.37-7.44 (m, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 21.6, 27.0 (q, J = 1.5 Hz), 31.4, 37.9 (q, J = 1.5 Hz), 57.7 (q, J = 21.1 Hz), 119.9, 126.3 (q, J = 285.2 Hz), 126.9, 127.9, 128.5, 131.3, 131.7, 137.0, 140.3 (q, J = 1.5 Hz), 205.2; 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −68.1 (s, 3F);
(第11実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.2 mg, 0.00131 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.3 mg, 0.00328 mmol)のテトラヒドロフラン (1.0 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2k (15.0 mg, 0.0524 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:acetone=9:1)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1k (7.2 mg, 57%)を無色液体として得た。
【0033】
【化13】

【0034】
Compound 1k: 2−メチル−1−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタ−4−エン−1−オン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 1.50 (s, 3H), 2.52 (dd, J = 13.8, 7.5 Hz, 1H), 3.07 (dd, J = 14.1, 7.2 Hz, 1H), 5.10 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 5.15 (s, 1H), 5.58-5.67 (m, 1H), 7.40-7.61 (m, 1H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 18.2 (q, J = 1.5 Hz), 38.3 (q, J = 1.5 Hz), 56.7 (q, J = 24.1 Hz), 120.3, 124.4 (q, J = 330.5 Hz), 127.4, 127.4, 128.2, 131.1, 131,4, 136.9, 138.9, 200.5 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −71.1 (s, 3F);
(第12実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (3.8 mg, 0.167 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (4.2 mg, 0.0104 mmol)のテトラヒドロフラン (3.3 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2l (50.0 mg, 0.167 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=95:5)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1l (28.5 mg, 67%)を無色液体として得た。
【0035】
【化14】

【0036】
Compound 1l: 2−エチル−1−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−ペンタ−4−エン−1−オン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 0.95 (dt, J = 7.5, 0.9 Hz, 3H), 2.11 (q, J = 7.5 Hz, 2H), 2.71-2.87(m, 2H), 5.07-5.13 (m, 2H), 5.66-5.77 (m, 1H), 7.39-7.44(m, 2H), 7.48-7.53 (m, 1H), 7.59 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 2H); 13C-NMR (CDCl3, 150.9 MHz): δ 8.7, 25.1 (q, J = 1.5 Hz), 36.3 (q, J = 1.5 Hz), 60.9 (q, J = 21.1 Hz), 119.4, 126.6(q, J = 285.2 Hz), 127.2, 128.2, 131.4, 131.9, 138.3, 200.2; 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −66.3 (s, 3F);
(第13実施形態)
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム錯体 (1.5 mg, 0.00159 mmol), 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン (1.6 mg, 0.00397 mmol)のテトラヒドロフラン (1.3 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2m (15.0 mg, 0.0635 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (pentane:diethyl ether=9:1)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1m (2.9 mg, 24%)を無色液体として得た。
【0037】
【化15】

【0038】
Compound 1m: 2−アリル−2−(トリフルオロメチル)シクロペンタノン
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 1.81-1.93 (m, 1H), 1.97-2.06 (m, 1H), 2.10-2.18 (m, 1H), 2.24-2.56 (m, 5H), 5.14 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 5.19 (s, 1H), 5.58-5.72 (m, 1H); 19F-NMR (CDCl3, 282 MHz): δ −71.6 (s, 3F);
(第14実施形態)
キラルな前記式(1)の一般的な製造方法
アリルパラジウムクロリドダイマー錯体 (0.6 mg, 0.00176 mmol), 2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル (2.7 mg, 0.0044 mmol)のシクロペンチルメチルエーテル (1.4 ml, 0.05 M)溶液に非特許文献4もしくは5によって合成したα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステル2a (20.0 mg, 0.0704 mmol)を加え,室温下1時間撹拌した。反応溶媒を留去し,残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:ethyl acetate=95:5)にて精製し,目的のα-トリフルオロメチルケトン1a (16.7 mg, 99%)を無色液体として得た。
Compound 1a: 2−アリル−2−(トリフルオロメチル)−1−インダノン
1H-NMR ,13C-NMR ,19F-NMR は上記1aと同様。HPLC using three OJ-H columns (n-hexane/i-PrOH = 99/1, flow rate 0.5 mL/min, λ = 254 nm, τmaj = 11.1 min, τmin= 12.5 min);

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(2)で示されるα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステルをリン配位子,Pd触媒存在下,脱炭酸を伴うアリル化反応を行うことにより下記一般式(1)で示される第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体を製造する方法。
【化1】


(式中,R,R及びRは置換もしくは未置換のアルキル基,アルケニル基,アラルキル基,アルキニル基,アリール基,又はアリールオキシ基を示す。なおRおよびR,RおよびR又はRおよびRが一体となって,ヘテロ原子の介在もしくは非介在で環状構造の一部を形成してもよい。)

請求項2に記載の発明は,前記一般式(1)で表される第四級α−トリフルオロメチルケトン誘導体の合成法であって,下記一般式(2)で表されるα‐トリフルオロメチル‐β‐ケトエステルをアキラルもしくはキラルなリン配位子,Pd触媒存在下,脱炭酸を伴うアリル化反応を行う工程を備えることを特徴とする製造方法にある。
【化2】


(式中,R,R及びRは式(1)記載の通りである。)




【公開番号】特開2013−35816(P2013−35816A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175694(P2011−175694)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】