説明

第2級OH末端基を有するポリエステルポリオールの製造方法

本発明は、カルボキシル末端基を含むポリエステルと、一般式(1):
【化1】


〔式中、R1は、アルキル残基またはアリール残基を表す〕
で示されるエポキシドとの反応工程を含み、該反応は1分子当たり少なくとも1つの窒素原子を含む触媒の存在下で行う、第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールの製造方法に関する。該方法は、カルボキシル末端基を含むポリエステルが、≧25mgKOH/g〜≦400mgKOH/gの酸価および≦5mgKOH/gのヒドロキシル価を呈すること、およびカルボキシル末端基を含むポリエステルを、アルコールのヒドロキシル基1モル当たり酸成分のカルボキシル基またはカルボキシル基相当物≧1.03モル〜≦1.90モルを用いることにより製造することにより区別される。第2級ヒドロキシル末端基を含む、得られるポリエステルポリオールは、ポリウレタンポリマーを製造するために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボキシル末端基を含むポリエステルとエポキシドとの反応の工程を含む、第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールの製造方法に関する。さらに、本発明は、上記方法により得られる第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオール、およびポリイソシアネートと該ポリエステルポリオールとの反応から得られるポリウレタンポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンポリマーの製造に技術的に関連するポリエステルポリオールは、その合成に用いるα,ω−ジオールの結果として第1級ヒドロキシル末端基を有する。全体にまたは部分的に第2級ヒドロキシル末端基を有するジオール(例えば1,2−プロピレングリコールまたはジプロピレングリコール等)の使用は、これらを合成するジオールのように、末端基についてある程度与えられたポリエステルポリオールをもたらす。1,2−プロピレングリコールの場合、約50%のヒドロキシル末端基が第2級となる。
【0003】
第2級ヒドロキシル末端基のみを有するジオール(例えば2,3−ブタンジオール等)は、市販されている量および費用の理由により、工業的規模上では役割を果たさない。ポリエステルの合成において、第2級ヒドロキシル基を有する全てのジオールの場合、他の悪化させる要素は、ジカルボン酸による変換率が低いことである。
【0004】
さらに、特に不利なことは、上記種類のポリエステルから製造されたポリウレタンの特性が、多くの短いアルキル側鎖の結果としてα,ω−ジオールから得られるポリウレタンの特性より著しく劣ることである。従って、少なくとも第2級ヒドロキシル末端基を少なくとも部分的に有する上記ジオールにより製造される従来法によるポリエステルポリオールは、製造費がより高価であり、および材料費がより高価であり、高品質ポリウレタンを製造するのにあまり適していない。このため、第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールは、これまで、ポリエーテルポリオールに比べて技術的に関連する重要性を有していなかった。
【0005】
内部にα,ω−ジオール単位および鎖末端に第2級ヒドロキシル基を有する単位を含有する利用可能なポリエステルポリオールを有することが望ましい。このような種類の構造は、ポリイソシアネートに対して低下した反応性の結果を有し、例えばポリウレタン軟質フォームの分野において、水反応を主に促進させるアミン触媒の他に、錫塩のような更なるウレタン化触媒を用いることを可能とする。このことは、とりわけ、ポリエーテルポリウレタンフォームの分野に広く用いられる互いに良好なこれら2つの反応を適合させ、およびそれにより、例えばポリエステルポリウレタン軟質フォームの製造における処理の優位性を得る可能性を広げる。
【0006】
ポリエステルポリオール合成の過程におけるカルボキシル基の官能基化は、DE3613875A1に開示される。1未満の酸価を有し、約20〜約400のヒドロキシル価を有し、好ましくは2〜3の官能価を有するポリエステルポリオールを製造するために、ポリカルボン酸および/またはその無水物および多価アルコールを縮合する。これは、150℃〜250℃の温度にて、必要に応じて減少した圧力下で、従来法によるエステル化触媒の不存在下で有利に起こる。重縮合は、20〜5の酸価まで起こり、次いで、得られた重縮合物を、カルボキシル基1個当たり1モル〜5モルのアルキレンオキシド、例えば1,2−プロピレンオキシドおよび/または好ましくはエチレンオキシドにより、第3級アミンの存在下でアルコキシル化する。第3級アミンは、N−メチルイミダゾール、ジアザビシクロ−[2,2,2]オクタン、ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデス−7−エンおよびペンタメチルジエチレントリアミンを含む群から選択される。触媒は、重縮合物の重量に対して0.001重量%〜1.0重量%の量で好ましく用いられる。有利には、アルコキシル化は、100℃〜170℃の温度にて1バール〜10バールの圧力下で行う。
【0007】
DE3613875A1による方法では、エステル化混合物は、20〜5の酸価まで重縮合される。溶融縮合は、早期に停止されないことが必要であることが記載される。例えばアルコキシル化が25以上の酸価にて行われる場合、エステル化混合物の含水量は、非常に高いと考えられる。しかしながら、これは、望ましくない副反応を生じさせる。ポリエステルの合成が20〜5の酸価にて停止される場合、これは、アルコール成分に由来する末端ヒドロキシル基、従って、一般に、第1級ヒドロキシル基の比較的高い割合が既に存在することを意味する。次いで、合成時間を短くするために、残存カルボキシル基がエポキシドにより変換され、それによって、エポキシド由来の末端ヒドロキシル基が得られる。
【0008】
EP0010804A1は、カルボキシル基末端ポリエステル、エポキシ化合物および式:[Y−CH−CH−N−(−CHn−〔式中、Xは、ORまたは−O−C(O)−Rであり、Rは水素またはC1〜40であり、Xn−はアニオンである〕で示される塩素化合物に基づく粉末被覆物を開示する。好ましくは、Yは、OHまたは−O−C(O)−R基である。この粉末被覆物は、黄変にあまり影響を受けず、毒性ではない。しかしながら、該文献によれば、エポキシ化合物は、1分子当たり平均で2以上のエポキシ基を有する。ここでは、エポキシ化合物は、ポリエステル分子を互いに架橋するために働くのであって、OH末端ポリエステル分子を合成するためではない。
【0009】
DE2849549A1は、酸半エステルを形成するポリカルボン酸無水物によるポリエーテルポリオールの変換によりポリエーテルポリエステルポリオールを製造するための方法を開示する。次いで、酸半エステルは、アルキレンオキシドにより5mgKOH/g未満の酸価を有する生成物中へ変換される。酸半エステルによるアルキレンオキシドの変換は、初期ポリエーテルポリオールに対して50ppm〜100ppmの2〜4個の炭素原子をアルキル鎖中に有する第3級アミンの存在下で行われる。しかしながら、得られるポリオールは、ポリエーテルになお基づくが、ポリエステルに基づかない。
【0010】
US4144395は、ポリエーテルエステルの製造方法を開示し、無水物によるポリエーテルポリオールの変換により、半エステルが形成され、エポキシドによりポリエーテルエステルへ変換され、アルキルアミンが触媒として用いられる。US4144395の実施例1および2において中間物として得られる、マレイン酸(0.75モル)および3官能性ポリエーテルポリオール(0.75モル)から形成される半エステルは、本発明に従って用いるカルボキシル末端基を含むポリエステルとは構造的に異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第3613875号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0010804号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2849549号明細書
【特許文献4】米国特許第4144395号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
その結果、第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールの代替の製造方法についての要求が存在し続ける。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、カルボキシル末端基を含むポリエステルと、一般式(1):
【化1】

〔式中、R1は、アルキル残基またはアリール残基を表す〕
で示されるエポキシドとの反応工程を含み、該反応は1分子当たり少なくとも1つの窒素原子を含む触媒の存在下で行う、第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールの製造方法を提供する。
【0014】
本発明による方法は、カルボキシル末端基を含むポリエステルが、≧25mgKOH/g〜≦400mgKOH/gの酸価および≦5mgKOH/gのヒドロキシル価を呈すること、およびカルボキシル末端基を含むポリエステルを、アルコールのヒドロキシル基1モル当たり酸成分のカルボキシル基またはカルボキシル基相当物≧1.03モル〜≦1.90モルを用いることにより製造することにより区別される。
【0015】
本発明に従って製造されるポリエステルポリオールは、ポリウレタンポリマー、特にポリウレタンフォームを形成する更なる処理において、第2級ヒドロキシル末端基のより遅い反応速度により、より広範な触媒系を用いることができるという優位性を有する。特に、錫触媒を、アミン触媒の代替として用いることができる。アミン触媒のより少ない割合は、臭気およびポリウレタンの耐老化性のような特性に好ましい影響を与える。
【発明を実施するための形態】
【0016】
カルボキシル末端基を含むポリエステルの酸価は、DIN53402に基づいて決定することができ、合計≧30mgKOH/g〜≦300mgKOH/gまたは≧50mg/KOH/g〜≦250mgKOH/gであり得る。カルボキシル末端基を含むポリエステルのヒドロキシル価は、標準DIN53240に基づいて決定することができ、合計≦3mgKOH/gまたは≦1mgKOH/gであり得る。
【0017】
一般式(1)で示されるエポキシドとの変換に適しているのは、原理上、カルボキシル末端基を含む全てのポリエステルであるが、但し、これらは本発明による酸価およびヒドロキシル価の条件を充足する。また、これらのポリエステルは、ポリエステルカルボキシレートの同意語として規定する。ポリエステルカルボキシレートは、低分子量ポリオールおよび低分子量ポリカルボン酸からの重縮合により製造することができる。さらに、内部無水物(ラクトン)を含むヒドロキシカルボン酸を用いてよく、または併用してよい。
【0018】
本発明に従って用いることができるポリエステルカルボキシレートは、大部分は、カルボキシル末端基を有する。例えば、末端基は、≧90モル%、≧95モル%または≧98モル%の割合でのカルボキシル基であり得る。これに対して、該ポリエステルカルボキシレートは、本発明に従うヒドロキシル価の仕様により、極めて下位の程度にのみヒドロキシル末端基を呈す。先に説明したものとは関わりなく、例えば、カルボキシル末端基の数は、ヒドロキシル末端基の数を≧5ホールドまたは≧10ホールド超え得る。適当なポリエステルカルボキシレートは、≧400Da〜≦10000Da、好ましくは≧450Da〜≦6000Daの範囲内の分子量を示し得る。同様に、先に説明したものとは関わりなく、ポリエステルカルボキシレート中のカルボキシル末端基の数は、合計2、3、4、5または6であり得る。ポリエステルカルボキシレートの平均官能価は、例えば≧2〜≦3であり得る。
【0019】
ポリエステルカルボキシレートを製造するために用いることができる低分子量ポリオールは、特に≧2〜≦8のヒドロキシル官能価を有する低分子量ポリオールである。これらは、例えば≧2〜≦36、好ましくは≧2〜≦12個の炭素原子を有する。一般に、ポリオールが合計少なくとも90モル%の割合でのα,ω−ポリオール、特にα,ω−ジオールまたはα,ω−ジオールである場合、有利である。極めて特に好ましいのは、エチレングリコールおよびジエチレングリコールおよびその高級同族体、さらに1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールおよびその高級同族体、さらに2−メチルプロパンジオール−1,3、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール−1,5、さらにグリセリン、ペンタエリトリトール、1,1,1−トリメチロールプロパンおよび/または5〜12個のC原子を有する炭水化物、例えばイソソルビド等を含む群からのポリオールである。
【0020】
さらに、同様に用いることができるのは、1,2−プロパンジオール、ジプロピレングリコールおよびその高級同族体である。
【0021】
当然のことながら、記載のポリオールが全てのヒドロキシル基の少なくとも90モル%に寄与するポリオールの混合物を用いることもできる。
【0022】
ポリエステルカルボキシレートを製造するために用いることができる低分子量ポリカルボン酸またはその酸相当物、例えば無水物等は、2〜36個、好ましくは2〜12個のC原子を有する。低分子量ポリカルボン酸は、脂肪族または芳香族であってよい。これらは、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸および/またはトリメリット酸を含む群から選択することができる。
【0023】
当然のことながら、記載のポリカルボン酸が全てのカルボキシル基の少なくとも90モル%に寄与する低分子量ポリカルボン酸の混合物を用いることもできる。
【0024】
内部無水物(ラクトン)を含むヒドロキシカルボン酸を使用または併用する場合、これらは好ましくはカプロラクトンおよび6−ヒドロキシを含む群に由来する。
【0025】
重縮合は好ましくは触媒を用いずに行うが、当業者に既知の触媒により触媒してもよい。重縮合は、一般的な方法、例えば高温にて、真空により、共沸エステル化として、窒素発泡法により行うことができる。本発明により供される酸価およびヒドロキシル価を得るために、重縮合は、特定の段階にて停止させないが、可能な限り、アルコールのOH基の変換までに形成される水を除去することにより、カルボキシル末端基を形成させながら行う。
【0026】
一般式(1)で示されるエポキシドは、アルキル残基またはアリール残基であり得る置換基R1による末端エポキシドである。用語「アルキル」は通常、本発明全体において、n−アルキル、例えばメチル、エチルまたはプロピル、分枝状アルキルおよび/またはシクロアルキル等を含む基からの置換基を含む。用語「アリール」は通常、本発明全体において、単核カルボアリールまたはヘテロアリール置換基、例えばフェニル等および/または多核カルボアリールまたはヘテロアリール置換基を含む基からの置換基を含む。エポキシドとカルボキシル末端基とのモル比は、本発明による方法において、例えば≧0.9:1〜≦10:1、好ましくは≧0.95:1〜≦5:1、より好ましくは≧0.98:1〜≦3:1の範囲内であり得る。
【0027】
ポリエステルカルボキシレートとエポキシドとの反応は、少なくとも1つの窒素原子を分子中に含む触媒の存在下で行う。この窒素触媒の量は、例えば、反応電荷の全質量に対して合計≧10ppm〜≦10000ppm、好ましくは≧50ppm〜≦5000ppm、より好ましくは≧100ppm〜≦2000ppmとなってよい。
【0028】
ポリエステルのカルボキシル基とエポキシドとの反応により、第1級または第2級アルコールは、エポキシド環の攻撃の場所に応じて開環により生じる。好ましくは≧80%、≧90%または≧95%のカルボキシル基をエポキシドと反応させ、好ましくは≧50モル%〜≦100モル%、または≧60モル%〜≦85モル%の第2級ヒドロキシル基の割合が得られる。
【0029】
本発明による方法の1つの実施態様では、カルボキシル末端基を含むポリエステルは、アルコールのヒドロキシル基1モル当たり酸成分のカルボキシル基またはカルボキシル基相当物≧1.03モル〜≦1.90モルを用いることにより製造する。過剰のカルボキシル基またはその相当物、例えば無水物等により、末端基のほとんどの画分またはポリエステルの全ての末端基がカルボキシル基であることを確保することができる。次いで、これらは、以下のエポキシドとの反応では、対応するアルコールへさらに変換することができる。過剰のカルボキシル基は、ヒドロキシル基1モル当たり合計≧1.04モル〜≦1.85モルまたは≧1.05モル〜≦1.5モルとなってよい。
【0030】
本発明による方法の更なる実施態様では、カルボキシル末端基を含むポリエステルは、一般式(1)で示されるエポキシドとの反応の直前に製造する。これは、直接の引き続きのエポキシドによるポリエステルの製造を、1分子当たり少なくとも1つの窒素原子を有する触媒を用いて行うことを意味する。有利には、該変換は、エポキシドをポリエステル合成からの反応混合物へ添加することにより行う。これは、同じ製造プラントにおいて有利に行う。このようにして、生産時間を短くする。
【0031】
本発明の更なる実施態様では、カルボキシル末端基を含むポリエステルは、
エチレングリコールおよびジエチレングリコールならびにその高級同族体、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチルプロパンジオール−1,3、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール−1,5、グリセリン、ペンタエリトリトールおよび/または1,1,1−トリメチロールプロパンと、
コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸および/またはカプロラクトン
との反応から得られる。
【0032】
本発明による方法の更なる実施態様では、触媒は、
(A)一般式(2):
【化2】

〔式中、
R2およびR3は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R2およびR3は、これらを有する窒素原子と共に、脂肪族、不飽和または芳香族ヘテロ環式化合物を形成し、
nは、1〜10の整数、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
R4は、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R4は、−(CH−N(R41)(R42)
〔式中、R41およびR42は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R41およびR42は、これらを有するN原子と共に、脂肪族、不飽和または芳香族、ヘテロ環式化合物を形成し、
xは、1〜10の整数、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である〕
を表す〕
で示されるアミン、
(B)一般式(3):
【化3】

〔式中、
R5は、水素、アルキルまたはアリールであり、
R6およびR7は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、
mおよびoは、互いに独立して、1〜10の整数、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である〕
で示されるアミン、および/または
(C)ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、ジアルキルベンジルアミン、ジメチルピペラジン、2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテルおよび/またはピリジン
を含む群から選択される。
【0033】
記載の触媒は、所望の第2級OH末端基のより高い割合がポリエステルポリオール中に得られるようにカルボキシル基とエポキシドとの反応に影響を与えることができる。
【0034】
一般式(2)で示されるアミンは、アミノアルコールまたはそのエーテルとして広い意味で記載することができる。R4が水素である場合、触媒は、ポリエステルポリオールをポリイソシアネートにより変換する場合にポリウレタンマトリックス中へ組み込むことができる。これは、不利な臭気問題を有するアミンの場合に同時に起こり得る触媒のポリウレタンの表面への離脱、いわゆる、曇りの問題またはVOC(揮発性有機化合物)問題を防止するために有利である。
【0035】
一般式(3)で示されるアミンは、アミノ(ビス)アルコールまたはそのエーテルとして広い意味で記載することができる。R6またはR7が水素である場合、これらの触媒は、同様に、ポリウレタンマトリックス中へ組み込むことができる。
【0036】
本発明による方法の更なる実施態様では、一般式(1)で示されるエポキシド中では、R1はメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはフェニルである。本発明では、R1がメチルであることが好ましい。この場合、用いるエポキシドは、プロピレンオキシドである。
【0037】
本発明による方法の更なる実施態様では、一般式(2)R2およびR3のアミンにおいて、R4は水素およびn=2であり、またはR2およびR3はメチルであり、R4は−(CH−N(CHおよびn=2である。従って、N,N−ジメチルエタノールアミンまたはビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテルは全体に生じる。
【0038】
本発明による方法の更なる実施態様では、一般式(3)で示されるアミンにおいて、R5はメチルであり、R6およびR7は水素であり、m=2およびo=2である。従って、N−メチルジエタノールアミンは全体に生じる。
【0039】
本発明による方法のさらなる実施態様では、エポキシドと一般式(1)との反応は、≧70℃〜150℃の温度にて起こる。反応温度は、好ましくは≧80℃〜≦130℃となる。
【0040】
本発明は、カルボキシル末端基を含むポリエステルと一般式(4):
【化4】

〔式中、R8は、アルキル残基またはアリール残基を表す〕
で示されるエポキシドとの1分子当たり少なくとも1つの窒素を含む触媒の存在下での反応から得られる第2級ヒドロキシル末端基を有し、該カルボキシル末端基を有するポリエステルは、≧25mgKOH/g〜≦400mgKOH/gの酸価および≦5mgKOH/gのヒドロキシル価を呈すポリエステルポリオールを更に提供する。ポリエステルカルボキシレートとエポキシドとの反応は、分子中に少なくとも1つの窒素を含む触媒の存在下で行う。反応充填物の全質量に対する窒素触媒の量は、例えば、合計≧10ppm〜≦10000ppm、好ましくは≧50ppn〜≦5000ppm、より好ましくは≧100ppm〜≦2000ppmとなってよい。
【0041】
とりわけ、上記ポリエステルポリオールは、本発明による方法により得られる。ポリエステルは、従来法により、例えば全加水分解およびHPLCによる加水分解生成物の分離により分析することができる。既に記載の通り、本発明によるポリエステルポリオールは、ポリウレタンポリマー、特にポリウレタンフォームを形成する更なる処理における第2級ヒドロキシル末端基のより遅い反応速度により、より広範な触媒系を用いることができるという優位性を有する。
【0042】
カルボキシル末端基を含むポリエステルの酸価は、DIN53402に基づいて決定してよく、合計≧30mgKOH/g〜≦300mgKOH/gまたは≧50mg/KOH/g〜≦250mgKOH/gとなってもよい。カルボキシル末端基を含むポリエステルのヒドロキシル価は、標準DIN53240に基づいて決定してよく、合計≦3mgKOH/gまたは≦1mgKOH/gとなってもよい。
【0043】
有利には、カルボキシル末端基を含むポリエステルが合成されるアルコール成分は、合計少なくとも90モル%の割合でのα,ω−ポリオール、特にα,ω−ジオールまたはα,ω−ジオールである。
【0044】
本発明によるポリエステルポリオールの1つの実施態様では、カルボキシル末端基を含むポリエステルは、
エチレングリコールおよびジエチレングリコールならびにその高級同族体、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチルプロパンジオール−1,3、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール−1,5、グリセリン、ペンタエリトリトールおよび/または1,1,1−トリメチロールプロパンと、
コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸および/またはカプロラクトン
との反応から得られる。
【0045】
本発明によるポリエステルポリオールの更なる実施態様では、第2級ヒドロキシル基のモル比は、合計≧50モル%〜≦100モル%となる。これにより理解されるのは、ポリエステルポリオール全体におけるモル比であり、個々の分子に対するモル比ではない。これは、例えばH−NMR分光法により決定することができる。割合は、合計≧60モル%〜≦99モル%となってもよい。ポリエステルポリオールにおける第2級ヒドロキシル基の割合が大きくなると、ポリウレタンの製造の過程において反応の速度が遅くなり、より多くの可能性が触媒の変化において生じる。
【0046】
本発明によるポリエステルポリオール組成物の更なる実施態様では、一般式(4)では、R8はメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはフェニルである。好ましくは、R8はメチルである。この場合、ポリエステルポリオールは、プロピレンオキシドにより製造される。
【0047】
本発明は、本発明によるポリエステルポリオール、ならび更に、
(A)一般式(5):
【化5】

〔式中、
R9およびR10は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R9およびR10は、これらを有する窒素原子と共に、脂肪族、不飽和または芳香族ヘテロ環式化合物を形成し、
pは、1〜10の整数、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
R11は、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R11は、−(CH−N(R12)(R13)
〔式中、R12およびR13は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R12およびR13は、これらを有するN原子と共に、脂肪族、不飽和または芳香族、ヘテロ環式化合物を形成し、
yは、1〜10の整数、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である〕
を表す〕
で示されるアミン、
(B)一般式(6):
【化6】

〔式中、
R14は、水素、アルキルまたはアリールであり、
R15およびR16は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、
rおよびsは、互いに独立して、1〜10の整数、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である〕
で示されるアミン、および/または
(C)ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、ジアルキルベンジルアミン、ジメチルピペラジン、2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテルおよび/またはピリジン
を含むポリエステルポリオールを更に提供する。
【0048】
上記化合物は、特定の変法において、いわゆる発泡触媒として用いてよく、すなわち、これらは、ウレタン基を形成するヒドロキシル基とのより少ない反応の程度にまで、二酸化炭素を形成しながらイソシアネート基と水との反応を触媒する。従って、この組成物は更に、ポリウレタンの製造において直ぐに用いることができる。好ましいのは、N,N−ジメチルエタノールアミン、ビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテルまたはN−メチルジエタノールアミンである。これら化合物(A)、(B)および/または(C)の量は、本発明によるポリオールに対して、例えば合計≧10ppm〜≦10000ppm、好ましくは≧50ppm〜≦5000ppm、より好ましくは≧100ppm〜≦2000ppmとなる。
【0049】
本発明は、ポリイソシアネートと本発明によるポリエステルポリオールまたは本発明によるポリエステルポリオール組成物との反応から得られるポリウレタンポリマーを更に提供する。
【実施例】
【0050】
本発明を、以下の実施例に基づいて更に説明する。本発明では、用いた物質および略称は、以下の意味および供給源を有する:
ジエチレングリコール(DEG): Ineos
アジピン酸: BASF
2,2,2−ジアザビシクロオクタン(DABCO): Aldrich
イミダゾール: Aldrich
N−メチルイミダゾール: Acros Organics
ジメチルベンジルアミン(DMBA): Aldrich
N,N−ジメチルエタノールアミン(DMEA): Aldrich
N−メチルジエタノールアミン(MDEA): Aldrich
ビス(2−(ジメチルアミノ)エチル)エーテル(DMAEE): Alfa Aesar
2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテル(DMDEE): Aldrich
1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP): Aldrich
【0051】
分析は、以下の通り行った:
粘度: Anton Paarにより製造されたレオメータMCR51
第1級OH基および第2級OH基の割合: 1H−NMRによる(Bruker DPX 400、デューテロクロロホルム)
ヒドロキシル価: 標準DIN53240に基づく
酸価: 標準DIN53402に基づく
【0052】
A)ポリエステルカルボキシレートの製造
実施例A−1:
加熱マントル、機械スターラー、内部温度計、40cmフィラーカラム、カラムヘッド、下降高効率凝縮器ならびにダイアフラム真空ポンプを備え付けた4リットル4ツ口フラスコ中で、ジエチレングリコール3646g(34.4モル)およびアジピン酸5606g(38.4モル)を、窒素ベール下で投入し、撹拌しながら、200℃へ1時間にわたり加熱し、これにより、水を100℃の上部温度にて留去した。次いで、90分間にわたり、内圧を、15ミリバールへ徐々に低下させ、該反応を更に24時間達成した。冷却を行い、生成物の以下の特性を決定した:
ヒドロキシル価: 0.5mgKOH/g
酸価: 58.3mgKOH/g
粘度: 690mPas(75℃)、320mPas(100℃)
【0053】
実施例A−2
実施例A−1における手順と同様に、ジエチレングリコール3184g(30.04モル)、1,1,1−トリメチロールプロパン349g(2.06モル)およびアジピン酸5667g(38.82モル)を、ポリエステルカルボキシレートへ変換した。
生成物の分析:
ヒドロキシル価: 0.3mgKOH/g
酸価: 70.3mgKOH/g
粘度: 1620mPas(75℃)
【0054】
B)ポリエステルポリオールの製造
グループBの実施例についての一般的な作業方針
500mLガラス製加圧型炉に、表1〜4に規定の対応するポリエステルカルボキシレートの量および0.20g(充填全体に対して1000ppm)の対応する触媒を、保護ガス(窒素)下で投入し、次いで125℃へ加熱した。次いで、表1〜4に規定のプロピレンオキシドの量を、特定の時間の間に計量した量で添加し、これにより反応器の圧力を、4.2バール(絶対)にて維持した。
【0055】
125℃にて撹拌しながら規定の第2反応時間後に、易揮発性部分を、90℃(1ミリバール)にて留去し、次いで反応混合物を、125℃に冷却した。
【0056】
結果を、以下の表1〜4に再現する。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
用いたポリエステルカルボキシレートA−1およびA−2では、実際には、全体にカルボキシル末端基が存在し、ヒドロキシル末端基が存在しない。これは、1mgKOH/g未満である、ポリエステルを生じさせる反応後のヒドロキシル価に基づいて読み取ることができる。ポリエステルカルボキシレートとエポキシドとの変換は、ポリエステルカルボキシレートのカルボキシル基について、同様に実際に定量的に進行する。変換は、低い酸価およびポリエステルカルボキシレートA−1およびA−2の元の酸価によく相当するヒドロキシル価と区別することができる。従って、カルボキシル基1個当たりOH基1個が形成した。特定の触媒により、所望の第2級OH末端基が、少なくとも50モル%で得られることが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオールの製造方法であって、カルボキシル末端基を含むポリエステルと、一般式(1):
【化1】

〔式中、R1は、アルキル残基またはアリール残基を表す〕
で示されるエポキシドとの反応工程を含み、該反応は1分子当たり少なくとも1つの窒素原子を含む触媒の存在下で行い、カルボキシル末端基を含むポリエステルが、≧25mgKOH/g〜≦400mgKOH/gの酸価および≦5mgKOH/gのヒドロキシル価を呈し、および該カルボキシル末端基を含むポリエステルを、アルコールのヒドロキシル基1モル当たり酸成分のカルボキシル基またはカルボキシル基相当物≧1.03モル〜≦1.90モルを用いることにより製造することを特徴とする、方法。
【請求項2】
カルボキシル末端基を含むポリエステルを、一般式(1)で示されるエポキシドとの反応の直前に製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カルボキシル末端基を含むポリエステルを、
エチレングリコールおよびジエチレングリコールならびにその高級同族体、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチルプロパンジオール−1,3、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール−1,5、グリセリン、ペンタエリトリトールおよび/または1,1,1−トリメチロールプロパンと、
コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸および/またはカプロラクトン
との反応から得る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
触媒は、
(A)一般式(2):
【化2】

〔式中、
R2およびR3は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R2およびR3は、これらを有する窒素原子と共に、脂肪族、不飽和または芳香族ヘテロ環式化合物を形成し、
nは、1〜10の整数であり、
R4は、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R4は、−(CH−N(R41)(R42)
〔式中、R41およびR42は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R41およびR42は、これらを有するN原子と共に、脂肪族、不飽和または芳香族ヘテロ環式化合物を形成し、
xは、1〜10の整数である〕
を表す〕
で示されるアミン、
(B)一般式(3):
【化3】

〔式中、
R5は、水素、アルキルまたはアリールであり、
R6およびR7は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、
mおよびoは、互いに独立して、1〜10の整数である〕
で示されるアミン、および/または
(C)ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、ジアルキルベンジルアミン、ジメチルピペラジン、2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテルおよび/またはピリジン
を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
一般式(1)で示されるエポキシドにおいて、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはフェニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
一般式(2)で示されるアミンにおいて、R2およびR3はメチル、R4は水素およびn=2であるか、またはR2およびR3はメチル、R4は−(CH−N(CHおよびn=2である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
一般式(3)で示されるアミンにおいて、R5はメチル、R6およびR7は水素、m=2およびo=2である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
エポキシドと一般式(1)との反応を、≧70℃〜≦150℃の温度にて行う、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
カルボキシル末端基を含むポリエステルと、一般式(4):
【化4】

〔式中、R8は、アルキル残基またはアリール残基を表す〕
で示されるエポキシドとの、1分子当たり少なくとも1つの窒素原子を含む触媒の存在下での反応から得られ、該カルボキシル末端基を含むポリエステルは、≧25mgKOH/g〜≦400mgKOH/gの酸価および≦5mgKOH/gのヒドロキシル価を呈すること、および該カルボキシル末端基を含むポリエステルは、アルコールのヒドロキシル基1モル当たり酸成分のカルボキシル基またはカルボキシル基相当物≧1.03モル〜≦1.90モルを用いることにより製造されることを特徴とする、第2級ヒドロキシル末端基を有するポリエステルポリオール。
【請求項10】
カルボキシル末端基を含むポリエステルは、
エチレングリコールおよびジエチレングリコールならびにその高級同族体、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチルプロパンジオール−1,3、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオール−1,5、グリセリン、ペンタエリトリトールおよび/または1,1,1−トリメチロールプロパンと、
コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、フタル酸、フタル酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸および/またはカプロラクトン
との反応から得られる、請求項9に記載のポリエステルポリオール。
【請求項11】
第2級ヒドロキシル基のモル比は、合計≧50モル%〜≦100モル%となる、請求項9に記載のポリエステルポリオール。
【請求項12】
一般式(4)では、R8は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシルまたはフェニルである、請求項9に記載のポリエステルポリオール。
【請求項13】
請求項9に記載のポリエステルポリオール、ならびに更に、
(A)一般式(5):
【化5】

〔式中、
R9およびR10は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R9およびR10は、これらを有するN原子と共に、脂肪族、不飽和または芳香族ヘテロ環式化合物を形成し、
pは、1〜10の整数であり、
R11は、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R11は、−(CH−N(R41)(R42)
〔式中、R12およびR13は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、または
R12およびR13は、これらを有するN原子と共に、脂肪族、不飽和または芳香族ヘテロ環式化合物を形成し、
yは、1〜10の整数である〕
を表す〕
で示されるアミン、
(B)一般式(6):
【化6】

〔式中、
R14は、水素、アルキルまたはアリールであり、
R15およびR16は、互いに独立して、水素、アルキルまたはアリールであり、
rおよびsは、互いに独立して、1〜10の整数である〕
で示されるアミン、および/または
(C)ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン、ジアルキルベンジルアミン、ジメチルピペラジン、2,2’−ジモルホリニルジエチルエーテルおよび/またはピリジン
を含むポリエステルポリオール組成物。
【請求項14】
ポリイソシアネートと、請求項9に記載のポリエステルポリオールまたは請求項13に記載のポリエステルポリオール組成物との反応から得られるポリウレタンポリマー。

【公表番号】特表2012−526161(P2012−526161A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508939(P2012−508939)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002697
【国際公開番号】WO2010/127823
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】