説明

第4級アンモニウム塩含有ビニルコポリマーの水性分散液の製造方法

1種以上のビニル官能性カチオン性モノマー、1種以上の、炭素長4以下のアルキル側鎖を有する水不溶性又は疎水性ビニルモノマー、及び場合によっては、少量の、炭素原子数が4よりも大きい線状又は分岐鎖アルキル基、アルキルヒドロキシ、ポリオキシアルキレン、又は他の官能基を有する1種以上のビニルモノマーを溶液共重合することによるイオン誘発性カチオン性ポリマーの製造方法。溶液重合は、アセトンのような有機溶媒及び水の混合物中における遊離基重合によって行う。重合が完了したら、好ましくは有機溶媒を連続プロセスによって除去する。連続プロセスは、好ましくはプレート式蒸発器システムを用いて行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン感受性又はイオン誘発性で、水分散性又は水溶性のカチオン性ポリマーに関し、より詳しくはかかるカチオン性ポリマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつ、ウェットワイプ、失禁用衣類、及び女性用ケア用品のような使い捨て製品の製造において、繊維ウエブのためのバインダーとして、イオン誘発性カチオン性ポリマーを用いることが提案されている。かかるイオン誘発性カチオン性ポリマーは、使い捨て製品の異なる繊維層を一緒に結合する適度な使用強度を有しているが、水中において容易に溶解又は崩壊して、これにより、所望の場合にはそれを便所に流すことによって製品を廃棄する能力が与えられることが見出された。ポリマーが「誘発性」を有するということは、ポリマーが約0.3重量%より高い濃度において一価及び/又は二価の塩溶液中に不溶であるが、製品を便器内に含まれている水中に廃棄した場合のように溶液を水で希釈した場合には可溶であることを意味する。これにより、繊維ウエブがバラバラになって分散して、製品を流すことができるようになる。
【0003】
アクリル酸及びアルキル若しくはアリールアクリレートを含むイオン感受性ポリマーが、米国特許5,312,883、米国特許5,317,063、及び米国特許5,384,189において開示されている。これらの特許において開示されているイオン誘発性ポリマーは、部分的に中和されたアクリル酸、ブチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレートを含むアクリル酸ベースのターポリマーである。しかしながら、これらのターポリマーは、約15ppmを超えるCa2+及び/又はMg2+イオンを含む水中には適度に分散しないので、開示されているターポリマーは、その用途が、硬水ではなく軟水を有する地域に対して流すことが可能なバインダー材料としてのものに限定されている。
【0004】
米国特許6,423,804においては、上記で参照した’883、’063、及び’189特許のアクリル酸ターポリマーの改良が開示されている。より詳しくは、’804特許においては、上記で参照した特許の非変性ターポリマーと比較して、比較的硬質の水中における改良された分散性を有する、スルホネートアニオンで変性されたアクリル酸ターポリマーが開示されている。’804特許のスルホネート変性ターポリマーは、4種のモノマー、即ち、アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)或いはそのナトリウム塩(NaAMPS)のようなスルホネート含有モノマー、ブチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレートから製造される。これらの4種のモノマーを、アセトン/水混合物中に溶解する。モノマー溶液を脱酸素し、次に、モノマー溶液を、アセトン中に溶解した開始剤と共に一緒に加えて、重合する。蒸留によって過剰のアセトンを除去し、次に脱イオン水を加えてポリマー溶液の粘度を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多数の溶液重合法が公知であるが、上記で参照した特許のアクリル酸ベースのアニオン性イオン感受性ポリマー及びスルホネートアニオン変性アクリル酸ターポリマーは、ウェットワイプのようなパーソナルケア用品のためのバインダーとして用いると、通常、減少した初期シート湿潤性、増加した乾燥シート剛性、増加したシート粘着性、減少したバインダー噴霧性、及び比較的高い製品コストを有するので、イオン誘発性カチオン性ポリマーの製造方法を提供する必要性が未だ存在する。好ましくは、この方法は、望ましくは、ポリマーを高収率で与え、比較的経済的で、商業ベースにスケールアップすることができなければならない。更に、高い分子量によって繊維ウエブバインダーとして用いるために必要な強度が与えられるので、この方法によって、比較的高い分子量を有するカチオン性ポリマーが与えられなければならない。最後に、この方法は、環境に優しくなければならず、即ち、好ましくは、大気汚染に寄与する可能性がある有害大気汚染物質(HAP)及び/又は揮発性有機化合物(VOC)を用いてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
イオン誘発性カチオン性ポリマーを製造する方法は、1種以上のビニル官能性カチオン性モノマー、4以下の炭素長のアルキル側鎖を有する1種以上の水不溶性又は疎水性ビニルモノマー、及び場合によっては、炭素数が4より大きい線状又は分岐鎖アルキル基、アルキルヒドロキシ、ポリオキシアルキレン、又は他の官能基を有する、少量の1種以上のビニルモノマーを溶液共重合することを含む。溶液重合は、有機溶媒及び水の混合物中において、遊離基重合によって行う。共重合が完了したら、バッチ又は連続プロセスのいずれかによって、しかしながら好ましくは連続プレート式蒸発器システムによって、有機溶媒を除去し、水と置き換えてイオン誘発性カチオン性ポリマーの水性分散液を与える。
【0007】
好ましい有機溶媒は、大気圧において100℃より低い沸点を有するものである。かかる溶媒の例は、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、メチルアセテート、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、t−ブタノール、及びこれらの混合物である。水混和性溶媒、特にアセトンを用いることが好ましい。更に、溶媒の合計重量を基準として、約50重量%以下、好ましくは約35重量%以下、最も好ましくは約25重量%以下が水であってよい。
【0008】
より具体的には、本方法の工程は、水及び溶媒(好ましくはアセトン)の混合溶媒溶液を調製し、溶媒溶液を加熱することを含む。好ましくは、溶媒溶液を還流に加熱する。その後、プロセス工程は、溶媒溶液と、1種以上のビニル官能性カチオン性モノマー、炭素原子数1〜4のアルキル側鎖を有する1種以上の疎水性ビニルモノマー、場合によっては約0モル%〜30モル%の、炭素数が4より大きい線状又は分岐鎖アルキル基、アルキルヒドロキシ、ポリオキシアルキレン、又は他の官能基を有する、1種以上の他のビニルモノマー、及び遊離基開始剤を混合して、反応混合物を形成することを含む。反応混合物を、モノマーを重合してイオン誘発性カチオン性ポリマーを製造するのに十分な時間且つ十分な温度で加熱する。重合後、溶媒(好ましくはアセトン)を除去し、水を加えて、実質的に全ての溶媒を含まないイオン誘発性カチオン性ポリマーの水性分散液を与える。溶媒の除去及び水の添加の工程は、同時などの任意の順番で行うことができる。有機溶媒は、バッチ又は連続プロセスのいずれかによって除去することができるが、好ましい方法は、流下膜、上昇膜、又はプレート式蒸発器システムのような連続蒸発器技術によるものである。好ましいビニル官能性カチオン性モノマーは[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドのような第4級アンモニウム塩含有ビニルモノマーであり、好ましい疎水性ビニルモノマーはメチルアクリレートである。
【0009】
本方法は、好ましくは、アセトンのような有機溶媒を再循環して、初めの溶媒及び水を混合した溶媒溶液の溶媒成分として再利用することを含む。アセトンのような溶媒を再循環することは、本方法を商業的に経済的で実行可能なものにする有利性を有する。更に、アセトンのような溶媒は、揮発性有機化合物(VOC)及び/又は有害大気汚染物質(HAP)として示されておらず、これもまた商業化目的のために有利である。また、アセトンは、例えばメタノール若しくはエタノールのような、ビニルモノマーのための溶媒として用いられる可能性のある他の低級アルコール若しくは低級ケトンとは対照的に、比較的高い分子量の最終生成物を有利に与えるので、幾つかの他の溶媒よりも好ましい。最後に、アセトンは、高い純度で反応混合物から除去及び回収することが他の溶媒よりも容易であり、このため、その後の重合反応において用いるために再循環することができるので、更に好ましい。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明にしたがって合成されるポリマーは、種々のパーソナルケア用品における体側のライナー、流体分布材料、流体吸収材料(サージ)、又はカバー材料のような用途のためのエアレイド及びウェットレイド不織布のためのバインダー及び構造成分として有用である。本発明のポリマー配合物は、流すことのできるパーソナルケア用品、特に、皮膚の清浄化又は処置、化粧の除去、マニキュア液の除去、医療ケアのような個人的使用のためのウェットワイプ、並びに、洗浄剤、消毒剤などを含む雑巾などの、硬質表面洗浄、自動車の手入れにおいて用いるための雑巾のためのバインダー材料として特に有用である。流すことのできる製品は、保管及び使用中においては一体性又は湿潤強度を保持し、便所に流した後は、塩又はイオン濃度が臨界レベルより下に低下すると、崩壊又は分散する。処置のための好適な基材としては、クレープティッシュ又は非クレープティッシュ、コフォーム製品、ヒドロエンタングルドウエブ、エアレイドマット、フラッフパルプ、不織ウエブ、及びこれらの複合体のような布帛が挙げられる。
【0011】
本発明は、上記で参照した不織布用のバインダーとして用いるための水分散性又は水溶性のイオン感受性又はイオン誘発性カチオン性ポリマーの製造方法に関する。このバインダーによって、乾燥状態での強度が与えられるが、より重要なことには、イオン誘発性によって湿潤状態での所望のレベルの強度を保持するのに役立つ。湿潤溶液中の塩の濃度を制御することにより、バインダーが溶けにくくなり、それがウエブのための接着剤として機能することが可能になる。製品、好ましくはウェットワイプを廃水流中に廃棄すると、塩濃度が希釈され、バインダーが可溶になり、強度が臨界レベルより下に低下する。このように、イオン誘発性ポリマーは「誘発特性」を有していて、ポリマーは、約0.3重量%よりも高い濃度の一価及び/又は二価の塩溶液のような特定のタイプ及び濃度の不溶化剤を含む湿潤溶液中には不溶であるが、200ppm以下のカルシウム及びマグネシウムイオンを有する硬水などの水で希釈すると可溶である。これにより、ウエブを、小片に崩壊させ、最終的には分散させることが可能になる。
【0012】
イオン誘発性カチオン性ポリマーは、1種以上のビニル官能性カチオン性モノマーと、炭素長が4以下のアルキル側鎖を有する1種以上の疎水性ビニルモノマーとの重合生成物である。好ましい態様においては、イオン誘発性カチオン性ポリマーは、ビニル官能性カチオン性モノマーと、炭素長が4以下の大きさのアルキル側鎖がランダムに含まれている1種以上の疎水性ビニルモノマーとの重合生成物である。更に、少量、即ち約0〜30モル%の、炭素数が4よりも大きい線状又は分岐鎖アルキル基、アルキルヒドロキシ、ポリオキシアルキレン、又は他の官能基を有する1種以上の他のビニルモノマーを用いることができる。イオン誘発性カチオン性ポリマーは、テッシュ、エアレイドパルプ、及び他の不織ウエブのための接着剤として機能し、塩溶液、特に塩化ナトリウム中において十分な使用強度(通常は>300g/in)を与える。また、不織ウエブは、水道水(金属イオンとして200ppm以下の硬水など)中に分散することができ、通常は24時間又はそれ以内でその湿潤強度の大部分を失う(<30〜75g/in)。
【0013】
本発明方法にしたがって重合されるイオン誘発性カチオン性ポリマーに関する一般的な構造は、下式:
【0014】
【化1】

【0015】
(式中、x=1〜約15モル%;y=約60〜約99モル%;及びz=0〜約30モル%であり;Qは、C〜Cアルキルアンモニウム、第4級C〜Cアルキルアンモニウム、及びベンジルアンモニウムから選択され;Zは、−O−、−COO−、−OOC−、−COHN−、及び−NHCO−から選択され;R、R、Rは、独立して、水素及びメチルから選択され;Rは、C〜Cアルキル、即ち、メチル、エチル、プロピル、及びブチルから選択され;Rは、水素、メチル、エチル、ブチル、エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ポリオキシエチレン、及びポリオキシプロピレンから選択される)
で示される。本発明方法において有用なビニル官能性カチオン性モノマーとしては、望ましくは、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(ADAMQUAT);[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド(MADQUAT);(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド;N,N−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド;[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリド;(2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリド;[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド;[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド;が挙げられるが、これらに限定されない。ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルアクリレート、及びジメチルアミノエチルメタクリレートのような、後重合反応によって重合及び4級化することのできる前駆体モノマーもまた可能である。臭化物、ヨウ化物、又はメチルスルフェートのような異なる対イオンを与えるモノマー又は4級化剤もまた有用である。疎水性ビニルモノマーと共重合することのできる他のビニル官能性カチオン性モノマーもまた、本発明において有用である。
【0016】
本発明のイオン感受性カチオン性ポリマーにおいて用いるのに望ましい疎水性モノマーとしては、分岐鎖又は線状のC〜C18アルキルビニルモノマー、好ましくはC〜Cアルキルビニルエーテル、ビニルエステル、アクリルアミド、アクリレート、メタクリレート、及びカチオン性モノマーと共重合することのできる他のモノマーが挙げられるが、これらに限定されない。ここで用いるモノマーメチルアクリレートは、疎水性モノマーであると考えられる。メチルアクリレートは、20℃の100mLの水中において6gの溶解度を有する。
【0017】
好ましい態様においては、バインダーは、カチオン性アクリレート又はメタクリレートと、一般式:
【0018】
【化2】

【0019】
(式中、x=1〜約15モル%;y=約60〜約99モル%;及びz=0〜約30モル%であり;Rは、C〜Cアルキル、即ち、メチル、エチル、プロピル、及びブチルから選択され;Rは、エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ポリオキシエチレン、及びポリオキシプロピレンから選択される)
を有する1種以上のアルキルアクリレート又はメタクリレートとの重合生成物である。
【0020】
特に好ましい態様においては、イオン誘発性ポリマーは、次式:
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、x=1〜約15モル%;y=約85〜約99モル%であり;RはC〜Cアルキルである)
の構造を有する。最も望ましい態様においては、Rがメチルの場合に、x=3〜約6モル%;y=約94〜約97モル%である。
【0023】
イオン誘発性カチオン性ポリマーは、ポリマーの最終用途に依存して変動する平均分子量を有することができる。イオン誘発性カチオン性ポリマーは、約10,000〜約5,000,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有する。より具体的には、イオン誘発性カチオン性ポリマーは、約25,000〜約2,000,000ダルトン、より具体的には約120,000〜約1,000,000ダルトンの範囲の重量平均分子量を有する。
【0024】
イオン誘発性カチオン性ポリマーは、種々の重合方法、望ましくは溶液重合方法にしたがって製造することができる。溶液重合は、有機溶媒及び水の混合物中において、遊離基重合によって行う。共重合が完了したら、バッチ又は連続プロセスのいずれかにより、しかしながら好ましくは連続プレート式蒸発器システムによって有機溶媒を除去し、水と置き換えて、イオン誘発性カチオン性ポリマーの水性分散液を得る。
【0025】
好ましい有機溶媒は、大気圧において100℃より低い沸点を有するものである。かかる溶媒の例は、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、メチルアセテート、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、t−ブタノール、及びこれらの混合物である。水混和性溶媒、特にアセトンを用いることが好ましい。更に、溶媒の全重量を基準として約50重量%以下、好ましくは約35重量%以下、最も好ましくは約25重量%以下が水であってよい。
【0026】
より具体的には、本方法の工程は、水及び溶媒(好ましくはアセトン)の混合溶媒溶液を調製し、溶媒溶液を加熱することを含む。好ましくは、溶媒溶液を還流に加熱する。その後、プロセス工程は、溶媒溶液と、1種以上のビニル官能性カチオン性モノマー、炭素原子数1〜4のアルキル側鎖を有する1種以上の疎水性ビニルモノマー、場合によっては約0モル%〜30モル%の、炭素数が4より大きい線状又は分岐鎖アルキル基、アルキルヒドロキシ、ポリオキシアルキレン、又は他の官能基を有する、1種以上の他のビニルモノマー、及び遊離基開始剤を混合して、反応混合物を形成することを含む。反応混合物を、モノマーを重合してイオン誘発性カチオン性ポリマーを製造するのに十分な時間且つ十分な温度で加熱する。重合後、溶媒(好ましくはアセトン)を除去し、水を加えて、実質的に全ての溶媒を含まないイオン誘発性カチオン性ポリマーの水性分散液を与える。溶媒の除去及び水の添加の工程は、同時などの任意の順番で行うことができる。有機溶媒は、バッチ又は連続プロセスのいずれかで除去することができるが、好ましい方法は、流下膜、上昇膜、又はプレート式蒸発器システムのような連続蒸発器技術によるものである。好ましいビニル官能性カチオン性モノマーは、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドのような第4級アンモニウム塩含有ビニルモノマーであり、好ましい疎水性ビニルモノマーは、メチルアクリレートである。
【0027】
以下の説明は、ビニルモノマーのための好ましい溶媒としてアセトンを用いることに関する。しかしながら、任意の上記記載の有機溶媒をアセトン成分に置き換えることができる。
【0028】
重合方法のための好適で好ましい溶媒は、水及びアセトンの混合溶媒溶液である。水はカチオン性モノマーのための溶媒として機能し、アセトンはビニルモノマーのための溶媒として機能する。溶媒溶液は、好ましくは、約50重量%〜約90重量%のアセトン、より好ましくは約60重量%〜約85重量%のアセトン、最も好ましくは約70重量%〜約75重量%のアセトンを含み、溶液の残り(即ち、約10重量%〜約50重量%)は水である。いずれの場合においても、用いるビニルモノマー及び開始剤の全部を溶解するのに十分な量のアセトンを用いなければならず、プロセスにおいて用いるカチオン性モノマーの全部を溶解するのに十分な量の水を用いなければならない。
【0029】
本発明の重合方法においては、遊離基重合開始剤を用いる。特定の開始剤の選択は、用いる重合温度、溶媒、及びモノマーなど(但しこれらに限定されない)の数多くのファクターに依存する。本発明において用いるのに好適な重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)のようなアゾ開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。また、ジ(n−プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、及びt−ブチルペルオキシピバレートのようなペルオキシド開始剤を用いることもできる。重合開始剤の量は、望ましくは、存在するモノマーの合計重量を基準として約0.01〜5重量%の範囲であってよい。
【0030】
重合温度は、用いる重合溶媒、モノマー、及び開始剤に依存して変動させることができるが、一般に、約20℃〜約90℃の範囲である。重合時間は、一般に、約2〜約8時間の範囲である。
【0031】
重合が完了したら、反応混合物からアセトン(又は他の有機溶媒)の実質的に全部を取り出し、それによりアセトン(又は他の有機溶媒)を再利用又は再循環することができる。アセトン(又は他の有機溶媒)を再循環することは、プロセスを比較的経済的に且つ商業目的で実現可能にする特長である。アセトン(又は他の有機溶媒)は、バッチ又は連続プロセスのいずれかの蒸留によって反応混合物から取り出すことができるが、連続法が好ましい。しかしながら、当該技術において公知の任意の他の方法、例えば押出法及び/又は薄膜蒸発器法を用いることもできる。反応混合物から取り出したら、アセトン(又は他の有機溶媒)は、回収し、初めの溶媒/水混合溶媒溶液の有機溶媒成分として用いるために再循環する。また、一般に反応混合物からアセトン(又は他の有機溶媒)の100%を回収することは困難であるので、再循環アセトン(又は他の有機溶媒)を用いてアセトン/水混合溶媒溶液を調製する際には、所定量の補給アセトン(又は他の有機溶媒)を加えることが必要な可能性がある。
【0032】
上述したように、好ましくは、重合プロセスにおいて用いた有機溶媒の大部分を蒸留によって連続的に取り出す。この目的のために用いる蒸留ユニットは、好ましくは、浸漬蒸発器表面を有する蒸発器、例えば外部加熱レジスタを有する循環タイプの蒸発器、Rober蒸発器、Herbert蒸発器、長管蒸発器、流下膜式蒸発器、上昇膜式蒸発器、プレート式蒸発器、及び遠心流薄膜式蒸発器である。
【0033】
蒸留は、一般に、約20℃〜100℃、好ましくは約30℃〜90℃の温度、約5〜1100mbar、好ましくは約300〜1000mbarの圧力で行う。
低い残留溶媒含量を得るために、蒸留を1よりも多い段階で行うことが必要な可能性がある。循環タイプの蒸発器が引き続く蒸留段階においても同様に好ましく用いられるが、流動蒸発器又はボイラー蒸発器のような他の蒸発器も、本発明にしたがってここで用いることができる。
【0034】
本発明方法においては、ビニルモノマーのための溶媒としてアセトンを用いることが好ましいことが見出された。上記したように、アセトンを再循環して、それによってプロセスにおいて必要な原材料の量を減少させることができる。他の水混和性低級アルコール及び/又は低級ケトンは、反応混合物から取り出すのが比較的より困難であり、水の存在下で高い濃度を得るのが容易ではない(これは、溶媒の再循環のために重要な点である)。更に、アセトンは、揮発性有機化合物(VOC)及び/又は有害大気汚染物質(HAP)として示されていない。したがって、プロセスのコストを実質的に上昇させる可能性がある規制された特別な取り扱いは必要ない。最後に、アセトンは、他の低級アルコール及び/又は低級ケトンとは異なり、本重合プロセスにおいて用いると、有利なことに、比較的高い分子量を有する最終生成物のカチオン性ポリマーを与えることが見出された。高い分子量によって、ポリマーを繊維ウエブバインダーとして用いるのに必要な高い強度が与えられる。好ましくは、カチオン性ポリマーの分子量は、その固有粘度によって測定する(当該技術において周知の技術である)と、1.0以上、より好ましくは1.6以上である。
【実施例】
【0035】
実施例1:イオン感受性カチオン性ポリマーの製造及び評価
製造:
還流凝縮器、撹拌手段、及び熱電対を取り付けた3Lの丸底フラスコに、アセトン(Westchester,PAのVWRの製品;444.14g)及び脱イオン水(148.05g)を充填した。この混合物を、氷水浴中で冷却し、窒素を20分間バブリングして酸素を除去した。20分後、反応混合物を窒素の正圧下に保持し、熱源として加熱マントルを用いて、温度を混合物の沸点(約60℃)に上昇させた。
【0036】
9.15gの脱イオン水、及び39.32gのAdamquat MC−80([(2−アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドの80%水溶液;Atofina,Philadelphia,PAの製品)を混合することによって、第1のモノマー混合物を調製した。335.26gのメチルアクリレート(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、51.08gのアセトン、及び2,23gのVAZO 52(Wilmington,DEのDuPontから入手した遊離基開始剤)を混合することによって第2のモノマー混合物を調製した。これらの二つのモノマー混合物を、同時に、還流アセトン/水混合物を含むフラスコに4時間かけて加えた。モノマーの添加の終了時に、5.19gの脱イオン水及び15.57gのアセトンを反応混合物に加えた。モノマーの添加が完了した後、反応混合物を更に4時間加熱した。冷却すると、反応生成物は、1220cpsの粘度(ブルックフィールド粘度計、室温、RVTスピンドル#2、20速度)を有する固形分約35%の明澄なポリマー溶液であった。ガスクロマトグラフィーによる分析に基づいてモノマー転化率を測定すると、96%であった。
【0037】
アセトンを取り出すために、フラスコに蒸留凝縮器及び回収フラスコを取り付けた。ポリマー溶液に脱イオン水(1220g)を加え、温度を上昇させた。混合物上に窒素の軽流を保持して、蒸留物の取り出しを補助した。約4時間かけて蒸留物(608g)が回収され、生成物の温度は室温から約99℃に上昇した。ガスクロマトグラフィーによって、蒸留物の組成が、73.0%のアセトン及び1.5%のメチルアクリレートを含むことが分かった。ガスクロマトグラフィーによっては他の物質は確認されなかったので、残りの25.5%は水であると考えられる。
【0038】
蒸留の終了時に、残りの水性混合物を冷却し、4.8gの50%過酸化水素(St.Louis,MOのSigma−Aldrich)及び8.0gの脱イオン水の混合物を加えた。水性ポリマー混合物は僅かに濁っていた。この物質のpHは3.9であり、粘度は40センチポイズであり、固形分は21.7%であった。このポリマーは、0.5重量%未満の残留アセトンを含む。分子量の指標であるポリマーの固有粘度は1.54であった。
【0039】
生成物の評価:
サーマルボンドエアレイド不織布
Weyerhauser NF405木材パルプ及びKoSA T−255バインダー繊維から、弱いサーマルボンドエアレイド(TBAL)の不織試験基材を製造した。バインダー繊維は、ポリエステルコア、及び約130℃で溶融するポリエチレンシェスを有していた。約4%のバインダー繊維を用いてエアレイドウエブを形成し、シェスの融点より高い温度で熱接合させた。TBALベースシートは、51gsmの平均基準重量及び1.0mmの平均厚さ(カリパス)を有していた。TBAL基材は、水中において約30g/inの残留交差方向(CD)湿潤引張り強度を有していた。加圧スプレーユニットによって、均一で一貫した量のそれぞれのバインダーを基材に施した。このハンドシートスプレーユニットは、液体又はエマルジョンのバインダーを用いる市販のエアレイド機械の操作に非常に類似しているが、非常に小さなスケールでデザインされている。装置を、実験室のフード内に配置することができる小型フレームのハウジング内に収容した。ユニットは、ユニットの中央部に静止試料ホルダー(10”×13”)、及び試料ホルダーの直ぐ上に移動可能なスプレーヘッダーを有する。試料ホルダーセクションの下に真空ボックスを設置して、塗布プロセスの間にウエブ中へバインダーを導入することを補助している。真空ボックス上にハンドシートを配置し、バインダーをフラットなV形パターンでスプレーしながら、スプレーヘッドを基材を横断して移動させる。バインダーは、スプレー室の外側に配置されている加圧保管室内に収容し、高圧可撓管を通してスプレーノズルに送る。ベルト駆動スライドアセンブリを用いてスプレーノズル(Spraying Systems Company)アセンブリを有するスプレーヘッダーを試料上で移動させて、所望の塗布均一性及び速度を与える。スプレーヘッダーは180fpm付近の速度で運転することができ、スプレー霧化圧力は200psig程度の高さに設定することができる。試料を手動で取り外し、Werner Mathis,Model LTVスルーエアードライヤー(TAD)内において、示されている温度で所定の時間乾燥した。バインダーを有する試料の最終基準重量は約63〜64gsmであった。
【0040】
引張り試験
全ての試料の試験に関して、Testworks 3.03バージョンのソフトウエアを備えたSinTech 1/D引張りテスターを用いた。空気グリップを有する100ニュートンのロードセルを用いた。2インチのゲージ長さ及び12インチ/分のクロスヘッド速度を用いた。反復試料のピーク負荷値(g/in)を記録し、平均を出して、測定をどのようにして行ったかに依存して、機械方向の湿潤引張り強度(MDWT)又は交差方向の湿潤引張り強度(CDWT)として報告する。
【0041】
(1)引張り試料を、所望の塩のタイプ及び濃度の塩溶液、或いは塩を含む配合湿潤溶液中に浸漬するか、或いは(2)上記記載の溶液の一方を固定した添加量(通常は200%〜300%)で施すことのいずれかによって、それぞれの試料の使用強度をシミュレーションした。引張り強度を測定する前に、試料を数時間平衡化した。「使用中」として処理された試料を、引張り強度を測定する前に、過剰(通常は800mL)の脱イオン水又は特定の硬度レベル(金属イオンとして)の硬水中に移し、示されている時間浸漬することによって、廃棄強度又は分散性を評価した。
【0042】
【表1】

【0043】
実施例2〜5:再循環蒸留物を用いたイオン感受性カチオン性ポリマーの製造及び評価
製造:
実施例1の手順と実質的に同様の方法で、実施例1のポリマー組成物を調製した。蒸留物はメチルアクリレートを含んでいたので、重合の開始時において若干のAdamquat及びVAZO 52を加えて、フラスコ内のモノマー組成物を標準化した。同様に、蒸留物中のアセトン/水の比における僅かな差に関して若干の修正を行った。以下は、これらの変更及び得られた反応生成物の一覧である。実施例1からのアセトン蒸留物を実施例2の重合プロセスにおいて用い、一方、実施例2から蒸留されたアセトンを実施例3の重合プロセスにおいて用いた。同様に、実施例3から蒸留されたアセトンを実施例4の重合プロセスにおいて用い、実施例4から蒸留されたアセトンを実施例5の重合プロセスにおいて用いた。
【0044】
【表2】

【0045】
これらの実施例は、実施例1におけるフラスコの内容物の量及び組成と同様の量及び組成で溶媒蒸留物を回収する能力を示す。
生成物の評価:
実施例1に記載したものと同じ方法で生成物の評価を行った。
【0046】
【表3】

【0047】
結論:
アセトンを5回以下再循環しても、ポリマーの分子量又はバインダーとしてのポリマーの特性には影響を与えなかった。
【0048】
実施例6〜8:初期レベルを変化させた他のイオン感受性カチオン性ポリマーの他の製造及び評価
実施例1に示す手順にしたがって、アセトン(426.94g)及び脱イオン水(133.84g)を、3Lフラスコ内に配置した。第1のモノマー混合物は、42.42gのAdamquat MC−80及び45gの脱イオン水を含んでいた。第2のモノマー混合物は、286.56gのメチルアクリレート、135gのアセトン、及び1.92gのVAZO52を含んでいた。開始剤の半減期は、反応温度において約180分である。実施例1に示すようにしてモノマーを加えた。モノマー添加の後、反応生成物を更に2時間加熱し、その後冷却した。反応生成物は、約300センチポイズの粘度を有する明澄な30%ポリマー含有溶液である。モノマー転化率は93.5%であった。800gの水を加え、約6.5時間かけてアセトンを留去することによって、反応溶液を水性ポリマー混合物に変換した。水性の最終生成物は、4.0のpH、210センチポイズの粘度、及び25.5%の固形分を有していた。最終乾燥ポリマー生成物は、1.49の固有粘度を有していた。
【0049】
実施例7:ポリマーの製造:
開始剤レベルを1.28gに低下させた他は、実施例6と同じ方法で生成物を製造した。水性の最終生成物は、3.9のpH、87センチポイズの粘度、及び24.5%の固形分を有していた。最終乾燥ポリマー生成物は、2.01の固有粘度を有していた。
【0050】
実施例8:ポリマーの製造:
開始剤レベルを0.64gに低下させた他は、実施例6と同じ方法で生成物を製造した。水性の最終生成物は、3.8のpH、50センチポイズの粘度、及び25.5%の固形分を有していた。最終乾燥ポリマー生成物は、3.08の固有粘度を有していた。
【0051】
生成物の評価:
実施例1に示すものと同じ方法で生成物の評価を行った。
【0052】
【表4】

【0053】
結論:
種々の程度の開始剤を用いて高分子量を達成することができる。更に、開始剤を減少させると、CDWTが増加し、水中での分散性が減少する。
【0054】
比較例1及び2:メタノール及びエタノール中でのイオン感受性ポリマーの製造及び評価
比較例1:ポリマーの製造:
メタノール(323.3g,Westchester,PAのVWRから入手)を3Lフラスコ内に配置し、実施例1の手順を用いて脱酸素した。286.56gのメチルアクリレート、42.42gのAdamquat MC−80、150gのメタノール、及び0.64gのVAZO 52のモノマー混合物を調製した。モノマー混合物を、4時間かけてメタノール溶媒に加えた。モノマー添加及び引き続く2時間の反応時間の間中、温度を60℃に保持した。最終生成物は、明澄な40%ポリマー溶液であった。モノマー転化率は92%であった。800gの水を加え、メタノールを留去することによって、反応溶液を水性ポリマー混合物に変換した。メタノールを完全に除去するためには、蒸留に約12時間及び更に300gの水が必要であった。蒸留物は、水及びメタノールの混合物を含んでいた。水性の最終生成物は、4.0のpH、約250センチポイズの粘度、及び25.6%の固形分、並びに0.3重量%の残留メタノールレベルを有していた。最終乾燥ポリマー生成物は、1.68の固有粘度を有していた。
【0055】
本実施例は、メタノールがポリマーの分子量を制限する傾向を示す。メタノール反応は、実施例6におけるアセトン/水混合物と同等の分子量に到達するためには、1/3の量の開始剤が必要である。アセトン/HO(実施例8)において同量の開始剤を用いると、分子量は、固有粘度によって測定されるように非常に高かった。メタノールを用いた際のより低い開始剤レベルは、更に高い分子量を達成する能力を制限する。分子量を増大させるためにメタノール系において既に低い開始剤レベルを減少させると、モノマー転化率がより低くなり、ポリマー収率が低下する。より重要なことは、メタノールの蒸留は、溶媒としてアセトンを用いた場合よりも非常により長い時間が必要であったことを留意すべきである。更に、メタノールは、米国EPA規則下でVOC及びHAP物質と考えられている。
【0056】
比較例2:ポリマーの製造:
比較例1のメタノールをエタノールに置き換えることによって、エタノール中でイオン感受性ポリマーを製造した。他の全ての条件は一定に保持した。約950gの水をポリマー溶液に加え、蒸留した。蒸留物は、水及びエタノールの混合物を含んでいた。水性の最終生成物は、4.0のpH、約120センチポイズの粘度、及び25.7%の固形分を有していた。最終乾燥ポリマー生成物は、0.42の固有粘度を有していた。
【0057】
本実施例は、エタノールがポリマーの分子量を制限する傾向を示す。エタノール反応は、実施例6におけるアセトン/水混合物と比較して1/3の量の開始剤を用いても、許容できない低い分子量を与えた。より低い開始剤レベルは、生成物特性のために必要なより高い分子量を達成する能力を制限する。更に、エタノールは、米国EPA規則下でVOCと考えられている。
【0058】
生成物の評価:
実施例1に示すものと同じ方法で生成物の評価を行った。
【0059】
【表5】

【0060】
実施例9:水分散カチオン性樹脂のアセトンフラクションを約16重量%から0.5重量%に減少させるためのプレート式蒸発器の使用
実施例1の溶液ポリマーを水で希釈して、約17.8%のポリマー、65.7%の水、16.0%のアセトン、及び0.5%の残留モノマーを含む混合物を得た。本実施例は、連続プロセスにおいてプレート式蒸発器を用いて溶媒を除去することを示す。プレートの形状は、発泡を最小にするか又は排除し、且つ供給材料のアセトン含量を所望のレベルに減少させるように選択されていた。
【0061】
ロードセル上の60ガロンのジャケット付き撹拌供給ケトル、Monyo容積式供給ポンプ、キャニスターフィルター、及び回転計を用いて、蒸気加熱プレート式蒸発器(304ステンレススチールプレート)に供給材料を供給する。プレート式蒸発器を通過させた後、ストリッピングされた樹脂及び蒸気を、直径14”のエルボー導入管付き気液分離器(Koch接触器を具備)に入れる。分離器から排出された蒸気を、水平方向に傾斜しているシェル及び管凝縮器を用いて、管内で凝縮させることによって、凝縮する。渦巻きポンプによって、蒸留物を凝縮器から重量計上に載置されている回収ドラムに排出する。二段階蒸気排出装置によって真空を維持する。
【0062】
Monyo容積式ポンプを用いて、ストリッピングされた生成物を分離器の底部から排出する。配管は、ストリッピングされた生成物を、生成物回収タンク又は元の供給タンクのいずれかに戻すことができるように配置されている。プレート式蒸発器に、熱電対、回転計、マノメーター、ロードセル、及び手動の重量計を取り付けて、温度、流量、圧力、及び重量データを集める。ストリッピングされた生成物のポリマー固形分含量は、1gの液体試料を120℃で60分間加熱することによる重量損失によって求める。蒸留物中のアセトン含量のおおまかな測定は、比重によって行う。
【0063】
試験18858、18859、及び18860の過程で得られた関連するデータを、それぞれ表9A、9B、及び9Cに示す。
二段階連続処理(試験18858及び18859)
225lbsの受容したままの供給材料を、87.3lbsの蒸留水で希釈して、第1段階ストリッピング(試験18858)のための供給材料を調製した。この供給材料を、126〜176lbs/時の速度でプレート式蒸発器に連続的に供給した。分離器内の運転圧力を約455mmHg絶対圧として、10psigの蒸気圧力を用いて、178°Fの塔底温度を生成させた。110分の経過時間の後、供給速度を増加させて、より高い流速の効果を調べた。180分の処理の後、供給材料の33%の蒸発が得られた。
【0064】
第1段階から236.2lbsのストリッピングされた生成物を回収し、30lbsの蒸留水で希釈して、第2段階処理(試験18859)のための供給材料を調製した。この第2の処理においては、プレート式蒸発器を通して9psigの蒸気圧力及び458mmHg絶対圧の運転圧力を用いた。蒸留物及びストリッピングされた生成物の試料を、1時間の間隔で回収した。140分の処理時間の後、供給材料の17.6%の蒸発が得られた。
【0065】
バッチ再循環処理(試験18860)
プレート式蒸発器を、バッチモードで運転し、ストリッピングされた生成物を供給タンクに連続的に再循環するように構成した。約225lbsの受容したままの供給材料を45lbsの蒸留水で希釈して、出発供給材料を調製した。9.5psigの蒸気圧力、480〜494mmHg絶対圧の運転圧力、及び510lbs/時の供給材料再循環速度を用い、バッチを約240分間ストリッピングした。発泡又はファウリングの兆候は見られなかった。試験の終了時付近において、ストリッピングされた生成物の僅かな変色が観察された。合計で265.4lbsの供給材料が、155.8lbsの最終重量に減少した。蒸留物(塔頂流)の比重は、試験20分後の0.884から220分後の0.998に増加した。0.998の比重に到達したことにより、アセトンが所望のレベルに除去されたと結論し、試験を終了した。
【0066】
プレート式蒸発器は、熱移動表面の発泡又はファウリングを起こすことなく、樹脂中間体のアセトン含量を所望のレベルに減少させるのに有効であった。プレート式のストリッピングプロセスは、二段階連続プロセス及びバッチプロセスの両方として、上首尾に示された。
【0067】
【表6】

【0068】
【表7】

【0069】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.水及び100℃より低い沸点を有する有機溶媒の混合溶媒溶液を調製し;
B.溶媒溶液を加熱し;
C.該溶媒溶液と、
(1)1種以上のビニル官能性カチオン性モノマー;
(2)1種以上の、炭素原子数1〜4のアルキル側鎖を有する疎水性ビニルモノマー;
(3)場合によっては約0モル%〜30モル%の、炭素原子数が4よりも大きい線状又は分岐鎖アルキル基、アルキルヒドロキシ、ポリオキシアルキレン、又は他の官能基を有する1種以上の他のビニルモノマー;及び
(4)遊離基開始剤;
を混合して反応混合物を形成し;
D.モノマーを重合してイオン誘発性カチオン性ポリマーを与えるのに十分な時間、反応混合物を加熱し;
E.重合後に、
(1)該反応混合物に水を加えて、該イオン誘発性カチオン性ポリマーの水性分散液を与え、及び
(2)該反応混合物から有機溶媒の実質的に全部を除去する、
工程を、同時などの任意の順番で行う;
工程を含む、イオン誘発性カチオン性ポリマーの溶液重合方法。
【請求項2】
該反応混合物を形成する前に、該溶媒溶液から酸素を除去する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶媒溶液が、約50重量%〜約90重量%の有機溶媒及び約10重量%〜約50重量%の水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
溶媒溶液が、75重量%の有機溶媒及び25重量%の水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
溶媒溶液を加熱する工程が、ビニル官能性カチオン性モノマー、疎水性ビニルモノマー、及び遊離基開始剤を溶媒溶液に加えて該反応混合物を形成する前に、溶媒溶液を還流に加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該1種以上のビニル官能性カチオン性モノマーを、水溶液として該溶媒溶液に加える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2−(メチルアクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及び[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリドから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルアクリレート、及びジメチルアミノエチルメタクリレートから選択される前駆体モノマーから選択され、その後、ポリマーを4級化する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムブロミド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムヨージド、及び[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムブロミド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムヨージド、及び[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムブロミド、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムヨージド、及び[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムブロミド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムヨージド、及び[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムブロミド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムヨージド、及び(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、N,N−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルジメチルアンモニウムブロミド、N,N−ジアリルジメチルアンモニウムヨージド、及びN,N−ジアリルジメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムヨージド、及び[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムヨージド、及び[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
疎水性ビニルモノマーが、分岐鎖又は線状アルキルビニルエーテル、ビニルエステル、アクリルアミド、及びアクリレートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
疎水性ビニルモノマーがメチルアクリレートである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ビニル官能性カチオン性ポリマーが[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
疎水性ビニルモノマーが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、及びブチルアクリレートからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
遊離基開始剤が、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)からなる群から選択されるアゾ開始剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
遊離基開始剤が、ジ(n−プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、及びt−ブチルペルオキシピバレートからなる群から選択されるペルオキシド開始剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
重合後に工程Eから除去された有機溶媒を用いて工程Aの混合溶媒溶液を調製し、その後、工程B〜Eを繰り返すことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
混合溶媒溶液を調製する際に、工程Eからの有機溶媒に所定量の補給有機溶媒を加えることを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該有機溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、メチルアセテート、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、t−ブタノール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
該有機溶媒がアセトンである、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
該反応混合物から有機溶媒の実質的に全部を除去する工程(E.2)を、連続プロセスを用いて行う、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
該連続プロセスが、該反応混合物をプレート式蒸発器に通すことを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
A.水及びアセトンの混合溶媒溶液を調製し;
B.溶媒溶液を加熱し;
C.該溶媒溶液と、
(1)1種以上のビニル官能性カチオン性モノマー;
(2)1種以上の、炭素原子数1〜4のアルキル側鎖を有する疎水性ビニルモノマー;
(3)場合によっては約0モル%〜30モル%の、炭素原子数が4よりも大きい線状又は分岐鎖アルキル基、アルキルヒドロキシ、ポリオキシアルキレン、又は他の官能基を有する1種以上の他のビニルモノマー;及び
(4)遊離基開始剤;
を混合して反応混合物を形成し;
D.モノマーを重合してイオン誘発性カチオン性ポリマーを与えるのに十分な時間、反応混合物を加熱し;
E.重合後に、
(1)該反応混合物に水を加えて、該イオン誘発性カチオン性ポリマーの水性分散液を与え、及び
(2)該反応混合物からアセトンの実質的に全部を除去する、
工程を、同時などの任意の順番で行う;
工程を含む、イオン誘発性カチオン性ポリマーの溶液重合方法。
【請求項30】
該反応混合物を形成する前に、該溶媒溶液から酸素を除去する工程を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
溶媒溶液が、約50重量%〜約90重量%のアセトン及び約10重量%〜約50重量%の水を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
溶媒溶液が、75重量%のアセトン及び25重量%の水を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
溶媒溶液を加熱する工程が、ビニル官能性カチオン性モノマー、疎水性ビニルモノマー、及び遊離基開始剤を溶媒溶液に加えて該反応混合物を形成する前に、溶媒溶液を還流に加熱することを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
該1種以上のビニル官能性カチオン性モノマーを、水溶液として該溶媒溶液に加える、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2−(メチルアクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及び[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリドから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルアクリレート、及びジメチルアミノエチルメタクリレートから選択される前駆体モノマーから選択され、その後、ポリマーを4級化する、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムブロミド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムヨージド、及び[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムブロミド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムヨージド、及び[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムブロミド、[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムヨージド、及び[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムブロミド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムヨージド、及び[2−(メタクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムブロミド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムヨージド、及び(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、N,N−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリルジメチルアンモニウムブロミド、N,N−ジアリルジメチルアンモニウムヨージド、及びN,N−ジアリルジメチルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムヨージド、及び[2−(アクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項44】
ビニル官能性カチオン性モノマーが、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムヨージド、及び[2−(メタクリルオキシ)エチル]ジメチルベンジルアンモニウムメチルスルフェートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
疎水性ビニルモノマーが、分岐鎖又は線状アルキルビニルエーテル、ビニルエステル、アクリルアミド、及びアクリレートから選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項46】
疎水性ビニルモノマーがメチルアクリレートである、請求項29に記載の方法。
【請求項47】
ビニル官能性カチオン性ポリマーが[2−(アクリルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリドである、請求項29に記載の方法。
【請求項48】
疎水性ビニルモノマーが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、及びブチルアクリレートからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項49】
遊離基開始剤が、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)からなる群から選択されるアゾ開始剤である、請求項29に記載の方法。
【請求項50】
遊離基開始剤が、ジ(n−プロピル)ペルオキシジカーボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−アミルペルオキシピバレート、及びt−ブチルペルオキシピバレートからなる群から選択されるペルオキシド開始剤である、請求項29に記載の方法。
【請求項51】
重合後に工程Eから除去されたアセトンを用いて工程Aの混合溶媒溶液を調製し、その後、工程B〜Eを繰り返すことを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項52】
混合溶媒溶液を調製する際に、工程Eからのアセトンに所定量の補給アセトンを加えることを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
該反応混合物からアセトンの実質的に全部を除去する工程(E.2)を、連続プロセスを用いて行う、請求項29に記載の方法。
【請求項54】
該連続プロセスが、該反応混合物をプレート式蒸発器に通すことを含む、請求項53に記載の方法。

【公表番号】特表2009−509004(P2009−509004A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531359(P2008−531359)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/036051
【国際公開番号】WO2007/035495
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(505252090)ボスティック・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】