説明

第Xa因子のウレタン、尿素、アミジン、及び関連阻害剤

本発明は、単独状態及び他のタンパク質との複合体での両方で、第Xa因子の選択的阻害薬として有効な新しいクラスの化合物、それらの薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される組成物に関する。本発明の化合物は、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、不安定狭心症、難治性狭心症、血栓溶解療法後又は冠動脈形成術後により引き起される血栓症、急性虚血媒介性脳血管症候群、塞栓性発作、脳血栓、並びに血液凝固問題に伴うヒト及び他の哺乳動物の他の疾患等の疾患の治療及び予防に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単独で及び他のタンパク質との複合体に構築された際の両方で、強力で高度に選択的な第Xa因子阻害剤である新しいクラスの化合物に関する。別の態様では、本発明は、ヒト及び他の哺乳動物において血液凝固の強力で選択的な阻害薬として有用である新しいクラスの化合物、それらの薬学的に許容される塩、及びその薬学的に許容される組成物に関する。更に別の態様では、本発明は、ヒト及び他の哺乳動物の血液凝固障害に関連する疾患を治療するための新しいクラスの作用剤の新しい使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
止血、つまり出血の制御は、外科的手段によるか、又は血管の生理学的状態又は血液凝固に影響を与えることによるかのいずれかで達成にされる。本発明は、特に、血液凝固、及び傷害、炎症、疾患、先天的欠陥、機能不全、又は他の障害後の人体機能の維持におけるその役割に関する。
【0003】
トロンビンは、血液凝固を引き起す重要なタンパク質である。
【0004】
トロンビンは、フィブリノゲンのフィブリンへの変換を触媒するその能力により、血栓形成に主要な役割を果たす。
【0005】
トロンビンの直接的及び間接的阻害剤は、最近まで様々な抗凝固戦略の中心であった。例えば、Claeson,G.、「Synthetic Peptides and Peptidomimetics as Substrates and Inhibitors of Thrombin and Other Proteases in the Blood Coagulation System」、Blood Coag.Fibrinol.5巻、411〜436頁(1994年)を参照されたい。臨床で現在使用されている幾つかのクラスの抗凝血剤は、トロンビンの直接的又は間接的阻害剤である(ヘパリン、低分子量ヘパリン、クマリン等)。
【0006】
タンパク質(第Xa因子)を含むプロトロンビナーゼ複合体は、酵素前駆体プロトロンビンを活性トロンビンに変換する。第Xa因子は、セリンプロテアーゼのクラスに属しており、その活性化によりXタンパク質(因子)から形成される。様々なタンパク質基質及び特定の受容体に作用するトロンビンとは異なり、第Xa因子は、単一の基質、即ちプロトロンビンに作用することが明らかにされている。1個の第Xa因子分子は、最大138個のトロンビン分子を生成することができるため、Xaタンパク質の直接的阻害剤を、トロンビン形成の阻害剤として、抗凝固戦略における効率的作用剤として使用することができる。従って、Xaタンパク質を選択的に阻害する作用剤は、体外診断薬、又は血液凝固に関連する疾患に対する治療薬として有用であり得ることは明白である。
【0007】
吸血生物に由来するポリペプチドが、効率的であり、第Xa因子の阻害剤であり得る。米国特許第4,588,587号には、メキシコヒル、ヘメンテリア・オフィシナリス(Haementeria officinalis)の唾液の抗凝固活性が記載されている。この唾液の活性作用剤は、ポリペプチド第Xa因子阻害剤アンチスタシン(antistasin)(ATS)であり、ダニ抗凝固ペプチド(TAP)と呼ばれる強力で高度に特異的な別の第Xa因子阻害剤は、ヒメダニ、オルニチドルス・モウバタ(Ornithidoros moubata)の全身抽出物から単離されている。
【0008】
以下の文献によると、ポリペプチドではない第Xa因子阻害化合物も調製されている:Tidwell,R.R.ら、「Strategies for Anticoagulation With Synthetic Protease Inhibitors.Xa Inhibitors Versus Thrombin Inhibitors」、Thromb.Res.、19巻、339−349頁(1980年);Turner,A.D.ら、「p−Amidino Esters as Irreversible Inhibitors of Factor IXa and Xa and Thrombin」、Biochemistry、25巻、4929〜4935頁(1986年);Hitomi,Y.ら、「Inhibitory Effect of New Synthetic Protease Inhibitor (FUT−175) on the Coagulation System」、Haemostasis、15巻、164〜168頁(1985年);Sturzebecher,J.ら、「Synthetic Inhibitors of Bovine Factor Xa and Thrombin. Comparison of Their Anticoagulant Efficiency」、Thromb.Res.、54巻、245〜252頁(1989年);Kam,C.M.ら、「Mechanism Based Isocoumarin Inhibitors for Trypsin and Blood Coagulation Serine Proteases: New Anticoagulants」、Biochemistry、27巻、2547〜2557頁(1988年);Hauptmann,J.ら、「Conzparisofz of the Anticoagulant and Antithrombotic Effects of Synthetic Thrombin and Factor Xa Inhibitors」、Thromb.Haemost、63巻、220〜223頁(1990年)等。
【0009】
他には、アミジノ置換基を有する窒素含有複素環式化合物等の低分子有機化合物であり、化合物の2つの官能基が第Xa因子の活性部位の2箇所に結合することができる第Xa因子阻害剤が報告されている。例えば、国際公開第98/28269号には、末端C(=NH)−NH基を有するピラゾール化合物が記載されており、国際公開第97/21437号には、直鎖又は分岐鎖アルキレン、−C(=O)又は−S(=0)架橋基によりナフタレン基に結合されている塩基性ラジカルにより置換されたベンズイミダゾール化合物が記載されており、国際公開第99/10316号には、カルボキサミドアルキレンアミノ架橋により3−アミジノフェニル基に結合された4−フェニル−N−アルキルアミジノ−ピペリジンを有する化合物が記載されており、欧州特許第798295号には、置換又は非置換スルホンアミドにより、アミジノナフチル基に結合された4−フェノキシ−N−アルキルアミジノ−ピペリジン基を有する化合物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,588,587号
【特許文献2】国際公開第98/28269号
【特許文献3】国際公開第97/21437号
【特許文献4】国際公開第99/10316号
【特許文献5】欧州特許第798295号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Claeson,G.、「Synthetic Peptides and Peptidomimetics as Substrates and Inhibitors of Thrombin and Other Proteases in the Blood Coagulation System」、Blood Coag.Fibrinol.5巻、411〜436頁(1994年)
【非特許文献2】Tidwell,R.R.ら、「Strategies for Anticoagulation With Synthetic Protease Inhibitors.Xa Inhibitors Versus Thrombin Inhibitors」、Thromb.Res.、19巻、339−349頁(1980年)
【非特許文献3】Turner,A.D.ら、「p−Amidino Esters as Irreversible Inhibitors of Factor IXa and Xa and Thrombin」、Biochemistry、25巻、4929〜4935頁(1986年)
【非特許文献4】Hitomi,Y.ら、「Inhibitory Effect of New Synthetic Protease Inhibitor (FUT−175) on the Coagulation System」、Haemostasis、15巻、164〜168頁(1985年)
【非特許文献5】Sturzebecher,J.ら、「Synthetic Inhibitors of Bovine Factor Xa and Thrombin. Comparison of Their Anticoagulant Efficiency」、Thromb.Res.、54巻、245〜252頁(1989年)
【非特許文献6】Kam,C.M.ら、「Mechanism Based Isocoumarin Inhibitors for Trypsin and Blood Coagulation Serine Proteases: New Anticoagulants」、Biochemistry、27巻、2547〜2557頁(1988年)
【非特許文献7】Hauptmann,J.ら、「Conzparisofz of the Anticoagulant and Antithrombotic Effects of Synthetic Thrombin and Factor Xa Inhibitors」、Thromb.Haemost、63巻、220〜223頁(1990年)
【非特許文献8】Remington、「The Science and Practice of Pharmacy」
【非特許文献9】Kirk、Othmer「Encyclopedia of Chemical Technology」
【非特許文献10】「The Pharmacological Basis of Therapeutics(第3版)
【非特許文献11】Jordan,S.P.,;Waxman,L.;Smith,D.E.;Vlasik,G.P. Biochemistry 1990年、29巻、11095頁
【非特許文献12】Morrison,J.F. Biochim.Biophys.Acta 1969年、185巻、269頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
依然として、止血を調節するための有効な治療剤、及び再狭窄及び炎症等の、トロンビンにより誘発される脈管構造における血栓形成及び他の病理学的プロセスを予防及び治療するための有効な治療剤の必要性が存在する。特に、Xaタンパク質を選択的に阻害する化合物が必要とされ続けている。トロンビンよりも高次なXaタンパク質に対する結合性を有する化合物は、良好な生物学的利用能及び/又は溶解度を有する場合、特に好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様は、一般式Iの化合物又はその薬学的に許容される異性体、塩、水和物、溶媒和物、及びプロドラッグ誘導体により表される。
【0014】
【化1】

式中、
は、H、−Cl、−F、−Br、−OH、−Me、−OMeから選択され、
は、CH及びNから選択され、
及びRは、各々独立して、H、−Cl、−F、−Br、−OH、−Me、−OMeから選択され、
は、H、又は随意にヒドロキシル、カルボキシル、又はエステル基を含有するC〜Cアルキルから選択され、
は、以下の化合物から選択され、
【0015】
【化2】

式中、X、X、X、及びXは、各々独立して、H、又は随意にヒドロキシル、カルボキシル、又はエステル基を含有するC〜Cアルキルから選択され、
、R、及びR10は、各々独立して、H、−Cl、−F、−Br、−OH、−Me、−OMeから選択され、
は、H、−Cl、−F、−Br、−OH、−Me、−OMe、又は以下の化合物から選択され、
【0016】
【化3】

【0017】
式中、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、及びZ10は、各々独立して、H、又は随意にヒドロキシル、カルボキシル、又はエステル基を含有するC〜Cアルキル;または医薬的に許容される異性体、塩、水和物、溶媒和物およびそのプロドラッグ誘導体である。
【0018】
以下のものからなる群から選択される化合物が、特に好ましい。
【0019】
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【0020】
本発明の別の態様は、治療上有効量の本発明の化合物を含む、望ましくない血栓形成を特徴とする哺乳動物の状態を予防又は治療するための医薬組成物により表される。
【0021】
医薬組成物は、一般式(I)の化合物である活性成分に加えて、薬学的に許容される担体、溶媒、又は希釈剤を更に含み、それらは、Remingtonの「The Science and Practice of Pharmacy」、Kirk、Othmerの「Encyclopedia of Chemical Technology」、及び単行本「The Pharmacological Basis of Therapeutics(第3版)に報告されていている作用剤であってもよい。
【0022】
本発明のもう1つの態様は、治療上有効量の式1の化合物を投与することを含む、望ましくない血栓形成を特徴とする哺乳動物の状態を予防又は治療するための方法により表される。望ましくない血栓形成を特徴とする哺乳動物の状態は周知であり、特に、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、不安定狭心症、難治性狭心症、血栓溶解療法後又は冠動脈形成術後に伴う血栓症、血栓媒介性脳血管症候群、塞栓性発作、脳血栓、一過性脳虚血発作、静脈血栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓、凝血異常、汎発性血管内凝固、血栓性血小板減少性紫斑病、閉塞性血栓性血管炎、ヘパリン誘導性血小板減少症に伴う血栓性疾患、体外循環に伴う血栓性合併症、人工器官の装着に伴う血栓性合併症である。
【0023】
及び、本発明の更にもう1つの態様は、式(I)の化合物を投与するステップを含む、生体試料の血液凝固を阻害するための方法により表される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
化学化合物の合成
【0025】
【化24】

一般式(I)の化合物は、任意の適切な方法により、例えば、対応するアミン(II)と、対応するカルボン酸誘導体(III)を、
【0026】
【化25】

【化26】

【0027】
1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、又は他の適切なカップリング剤等の適切なカップリング剤の存在下で結合させることにより合成することができる。アミド結合の形成は、クロロ無水物(IV)とアミン(II)とを反応させるによっても達成することができる。クロロ無水物(IV)は、SOCl又はPOCl等の適切な試薬を用いて処理することにより、対応するカルボン酸(III)から得ることができる。
【0028】
【化27】

【0029】
対応するカルボン酸クロロ無水物(IV)は、アミン(II)と容易に反応して、目的化合物(I)を産出する。
【0030】
アミン(II)は、適切な条件下で、対応するニトロ化合物(V)を還元することにより得ることができる。還元剤として、例えば、SnCl、又はラネーニッケル上での触媒的水和作用を使用することができる。
【0031】
【化28】

【0032】
ニトロ化合物(V)は、対応するアミン(VI)及びニトロ置換カルボン酸(VII)から合成することができる。
【0033】
【化29】

【0034】
一般的に、カルボン酸(VII)は、SOCl又はPOCl等の適切な試薬を用いて処理することにより、対応するクロロ無水物(VIII)に変換される。その後、クロロ無水物(VIII)を、アミン(VI)と穏やかに反応させ、ニトロ化合物(V)が得られる。アミド結合の代替的合成法では、DCC、EDCI、及びCDI等の適切なカップリング剤の存在下で、カルボン酸(VII)をアミン(VI)と反応させてもよい。
【0035】
ほとんどの場合、上述の反応は、非常に穏やかに進行し、収率がよい。しかしながら、幾つかのラジカルの場合、R及びR置換カルボン酸(III)は、アミン(II)と反応しない。そのような場合は、アミド結合を穏やかに形成するために、適切な保護基を使用すべきであり、対応する基R及びRは、アミド結合形成後に分子に導入すべきである。
【0036】
カルボン酸の尿素誘導体(IIIa)は、対応するメチル又はエチルアミノエステル(XI)をCDIで処理し、その後アミンXNHで処理することにより合成することができる。その後、エチル又はメチルエステルは、アルカリ性媒体中で加水分解されて、所望の化合物が得られる。
【0037】
【化30】

【0038】
代替的方法では、アミノ酸(IIIb)は、イソシアナート又はX=Hの場合はシアン酸ナトリウムと反応させることにより、対応する尿素誘導体IIIcに変換することができる。
【0039】
【化31】

【0040】
=Hの場合、対応する尿素誘導体(IIIc)は、DCC、CDI、及びEDCIの存在下では、アミン(II)と反応しないことに留意すべきであり、従って、まず保護基Yを有する保護アミン(Ia)を合成する必要がある。
【0041】
【化32】

【0042】
保護基として、例えば、トリフルオロアセチル基を使用することができる。保護アミン(Ia)は、適切なカップリング剤の存在下でアミン(II)と結合させることにより、対応する保護アミノ酸(IIId)から合成することができる。その後、保護基は、適切な作用剤により除去されるべきであり、トリフルオロアセチル基の場合、NaOHをこの目的に使用することができる。その後、アミン(Ib)を、適切な方法により、対応する尿素誘導体(Ic)に変換することができる。例えば、CDI及びアミンXNHでアミン(Ib)を連続して処理することにより、又はX=Hの場合は、対応するイソシアナートOCN−Zで処理することによってである。
【0043】
【化33】

【化34】

【0044】
アミン(Ib)は、乾燥HClガスの存在下で、ニトリルNC−CZと反応させることによっても、アミジン(Id)に変換することができる。アミニン(aminine)(Id)は、適切なアルキルハロゲン化物又はアリールハロゲン化物X1−Ha1により、又は他の適切な脱離基含有試薬により、更にアルキル化又はアリール化して、アミジン(Ie)にすることができる。
【0045】
【化35】

【0046】
【化36】

【0047】
実施例1
反応1
1.9g 2−ニトロ安息香酸を、塩化カルシウム管を備えた還流冷却器を用いて、20mlのSOCl中で4時間沸騰させ、得られた溶液を冷却し、ロータリーエバポレータで蒸発させ、無水THFで2回再度蒸発させ、残渣を10mlのTHFに溶解し、得られた溶液を、20ml THF中1.5g 2−アミノ−5−クロロピリジンの撹拌溶液に、30分間にわたって滴加する。15時間後、反応混合物を蒸発させ、残渣を30mlクロロホルムに溶解し、NaHCOの飽和水溶液ですすぎ、クロロホルム抽出物を蒸発させ、残渣を、30〜50μmのシリカゲルが充填された40×150mmカラムに負荷する。産物をクロロホルムで溶出する。検出は、UVユニットを用いて280nmの波長で実施する。UV吸収画分を収集し、産物の純度を、クロロホルムでの薄層クロマトグラフィー技術で管理する。産物のRは0.4であり、開始物質2−アミノ−5−クロロピリジンのRは0.7である。クロロホルム中の2−ニトロ安息香酸は、開始位置に留まる(R<0.1)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−ニトロベンズアミドの収量は、2.4gである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 278、M+Na 300。
【0048】
反応2
1.5g N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−ニトロベンズアミドを、20ml酢酸エチルに溶解し、0.3ml濃HClで酸性化された20ml水中の4g SnClの溶液と混合する。反応混合物を、1時間激しく撹拌し、沸騰するまで加熱し、更に3時間沸騰させる。その後、反応混合物をろ過し、水性画分をCHClで抽出し、水性画分に、30mlの10%アンモニア水溶液を撹拌しながら添加し、一晩静置して沈殿させる。翌日、沈殿物をろ過し、水及びクロロホルムですすぐ。水性画分をクロロホルムで抽出し、抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を、40〜60μmのシリカゲルが充填された30×150mmカラムに負荷する。産物をクロロホルムで溶出する。検出は、UVユニットを用いて280nmの波長で実施し、産物の純度は、クロロホルムでの薄層クロマトグラフィー技術で管理する。産物のRは0.6であり、2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンズアミドの収量は、650mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 248、M+Na 270。
【0049】
反応3
1g 4−メチルアミノ安息香酸を、3ml無水トリフルオロ酢酸と冷却しながら混合する。2時間後、反応混合物を蒸発させ、クロロホルムで再度蒸発させる。残渣をクロロホルムに溶解し、40〜60μmのシリカゲルが充填された35×150mmカラムに負荷する。副産物をクロロホルムで溶出し、目的産物を、1%酢酸が添加された9:1のクロロホルム/イソプロパノール混合液で溶出する。4−メチルアミノ安息香酸の収量は、700mgである。Rは、0.2〜0.4である。陰イオンでの質量スペクトル(MALDI−VP):M−1 246。
【0050】
反応4
3000mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)ベンズアミド、250mg 4−メチルアミノ安息香酸のトリフルオロアセタート、及び250mg EDCIを、1ml THFと混合し、3日間撹拌する。その後、混合物を蒸発させ、40〜60μmのシリカゲルが充填された25×150mmカラムに負荷する。産物をクロロホルムで溶出する。R=0.5。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル(トリフルオロアセチル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]ベンズアミドの収量は、430mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 477、M+Na 499。
【0051】
反応5
400mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル−(トリフルオロアセチル)アミノフェニルカルボニル)−アミノ]ベンズアミドを、5mlイソプロパノールに溶解し、2mlの10%NaOHを添加する。反応混合物を3時間撹拌し、その後過剰アルカリを、5%HCl水溶液で中和し、反応混合物を蒸発させ、40〜60μmのシリカゲルが充填された25×150mmカラムに負荷する。産物をクロロホルムで溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニルカルボニル)アミノ]ベンズアミドの収量は、320mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 381、M+Na 403。
【0052】
反応6
300mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル−アミノフェニルカルボニル)アミノ]ベンズアミドを、5mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷上で冷却し、その後それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物に、激しく撹拌しながらNaHCOを添加する。気体発生が止まるまで、NaHCOを何回かに分けて新たに添加する。通常、この手順には、約0.5gのNaHCOが必要である。過剰分をHClで中和した際に得られた溶液を、5mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルム抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、逆相C2(RP2)が充填された20×250mmカラムに負荷する。カラムを100mlの水ですすぎ、その後0から50%のエチルアルコールの勾配を用いた溶出を、1%酢酸のバックグラウンドに対して実施する。産物の収量は、約30%エチルアルコール毎である。純度管理は、9:1のジオキサン/アンモニア水溶液系でのTLC技術を用いて実施する。R=0.2。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−エタンイミドイル−メチルアミノフェニルカルボニル)アミノ]ベンズアミドの収量は、200mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 422、M+Na 444。
【0053】
【化37】

【0054】
実施例2
実施例1と同様に、実施例1の反応1に記載の手順に従って、800mg 5−メチル−2−ニトロ安息香酸から、650mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチル−2−ニトロベンズアミドを得る。R=0.45(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 292、M+Na 314。
【0055】
実施例1の反応2に記載の手順に従って、600mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチル−2−ニトロベンズアミドから、350mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミドを得る。R=0.65(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 262、M+Na 284。
【0056】
実施例1の反応4に記載の手順に従って、300mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミド及び250mg 4−メチルアミノ安息香酸のトリフルオロアセタートから、430mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル(トリフルオロアセチル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−メチル−ベンズアミドを得る。R=0.55(クロロホルム)。正荷電イオンでの質量スペクトル m+H 491。
【0057】
トリフルオロアセチルの除去は、実施例1の反応5に記載の手順に従って実施する。400mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル(トリフルオロアセチル)アミノフェニルカルボニル)−アミノ]−5−メチル−ベンズアミドから、300mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニルカルボニル)アミノ]5−メチルベンズアミドを得る。R=0.5(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 395、M+Na 417。
【0058】
アミジンの合成は、実施例1の反応6に記載の手順に従って実施する。反応には、250mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニルカルボニル)−アミノ]−5−メチルベンズアミドを用いる。この反応により、130mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−エタンイミドイル−メチル−アミノフェニルカルボニル)アミノ]5−メチルベンズアミドを得る。9:1のジオキサン/アンモニア水溶液系でのTLC。R=0.2(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 436、M+Na 458。
【0059】
【化38】

【0060】
実施例3
実施例1と同様に、実施例1の反応1に記載の手順に従って、900mg 5−クロロ−2−ニトロ安息香酸から、750mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロ−2−ニトロベンズアミドを得る。R=0.3(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 312、M+Na 334。
【0061】
実施例1の反応2に記載の手順に従って、700mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロ−2−ニトロベンズアミドから、350mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロベンズアミドを得る。R=0.6(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 282、M+Na 304。
【0062】
実施例1の反応4に記載の手順に従って、300mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロベンズアミド及び250mg 4−メチルアミノ安息香酸のトリフルオロアセタートから、430mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル(トリフルオロアセチル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−クロロ−ベンズアミドを得る。R=0.5(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 511、M+Na 533。
【0063】
トリフルオロアセチルの除去は、実施例1の反応5に記載の手順に従って実施する。400mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル(トリフルオロアセチル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−クロロ−ベンズアミドから、300mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−クロロベンズアミドを得る。R=0.45(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 415、M+Na 437。
【0064】
アミジンの合成は、実施例1の反応6に記載の手順に従って実施する。反応には、250mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニルカルボニル)−アミノ]−5−クロロベンズアミドを用いる。この反応により、130mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−エタンイミドイル−メチル−アミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−クロロベンズアミドを得る。R=0.2(9:1のジオキサン/アンモニア水溶液)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 456、M+Na 478。
【0065】
【化39】

【0066】
実施例4
実施例1と同様に、実施例1の反応1に記載の手順に従って、1.5g 5−メトキシ−2−ニトロ安息香酸から、1.1g N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メトキシ−2−ニトロベンズアミドを得る。R=0.5(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 308、M+Na 330。
【0067】
実施例1の反応2に記載の手順に従って、1g N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メトキシ−2−ニトロベンズアミドから、300mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メトキシベンズアミドを得る。R=0.7(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 278、M+Na 300。
【0068】
実施例1の反応4に記載の手順に従って、250mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メトキシベンズアミド及び220mg 4−メチルアミノ安息香酸のトリフルオロアセタートから、310mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル(トリフルオロアセチル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−メトキシベンズアミドを得る。R=0.6(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 507、M+Na 529。
【0069】
トリフルオロアセチルの除去は、実施例1の反応5に記載の手順に従って実施する。280mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル(トリフルオロアセチル)アミノフェニルカルボニル)−アミノ]−5−メトキシベンズアミドから、200mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニルカルボニル)アミノ]5−メトキシベンズアミドを得る。R=0.5(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 411、M+Na 433。
【0070】
アミジンの合成は、実施例1の反応6に記載の手順に従って実施する。反応には、170mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニルカルボニル)−アミノ]−5−メトキシベンズアミドを用いる。この反応により、110mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−エタンイミドイル−メチル−アミノフェニルカルボニル)アミノ]5−メトキシベンズアミドを得る。R=0.2(9:1のジオキサン/アンモニア水溶液)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 452、M+Na 474。
【0071】
【化40】

【0072】
実施例5
反応1
1gアミノサリチル酸を、20mlジオキサン水溶液に溶解する。溶液に、900mg ジ−tertブチルジカルボナート、及び3mlの10%NaOH水溶液を添加する。24時間後、反応混合物を蒸発させ、4−tertブトキシカルボニルアミノサリチル酸を、エタノールからの再結晶化(recrustallixation)により精製する。収量は、1.1gである。
【0073】
反応2
0.5g 4−tertブトキシカルボニルアミノサリチル酸、0.6g N−(3−クロロプロピル)−アセトアミド、及び0.5g KCOの混合物を110℃に加熱し、1時間後に反応混合物を冷却し、水で希釈し、クロロホルムで抽出し、抽出物を蒸発させ、40〜60μmのシリカゲルが充填された30×150mmカラムに負荷し、産物を、9:1のクロロホルム/エタノール混合液で溶出する。R=0.5(9:1のクロロホルム/エタノール)。2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−[(tertブトキシカルボニル)アミノ]安息香酸の収量は、400mgである。
【0074】
反応3
370mg 2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−[(tertブトキシカルボニル)アミノ]安息香酸を、3mlエタノールに溶解させ、100μlの10%HClを添加する。2時間後、反応混合物を蒸発させ、産物を、エタノールからの再結晶化により精製する。R=0.45(9:1のクロロホルム/エタノール)。2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−アミノ安息香酸の収量は、300mgである。
【0075】
反応4
270mg 2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−アミノ安息香酸を、300μlの40%ホルムアルデヒド、2ml水中400mgのNaOH溶液、及び400mg亜鉛粉末と混合する。反応混合物を撹拌し、60℃で4時間静置させ、その後それをろ過し、沈殿物をエタノール水溶液ですすぎ、ろ過液をHCl水溶液でpH4〜5にまで酸性化し、蒸発させ、残渣を、40〜60μmのシリカゲルが充填された25×150mmカラムに負荷する。産物を、9:1のクロロホルム/エタノールで溶出する。R=0.5。2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−メチルアミノ)安息香酸の収量は、150mgである。
【0076】
反応5
130mg 2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−メチルアミノ)安息香酸を、500mg NaOHを含有する2mlエタノール水溶液に溶解する。混合物をアンプルに密閉し、それを10時間100℃に加熱する。アンプルを冷却し、開封し、過剰なアルカリを、希釈HClで中和してpH8〜9にし、その後得られた溶液を蒸発させる。残渣を、40〜60μmのシリカゲルが充填された20×150カラムに負荷する。産物をクロロホルムで溶出する。R=0.3。2−[3−アミノプロポキシ]−4−(メチルアミノ)安息香酸の収量は、100mgである。
【0077】
反応6
90mg 2−[3−アミノプロポキシ]−4−(メチルアミノ)安息香酸を、1ml無水トリフルオロ酢酸と混合する。1時間後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、40〜60μmのシリカゲルが充填された20×150mmカラムに負荷する。産物を、9:1のクロロホルム/エタノール系で溶出する。2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル−(メチル)アミノ]安息香酸の収量は、100mgである。
【0078】
反応7
80mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン(chloropyridinw)−2−イル)ベンズアミド、100mg 2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル−(メチル)アミノ]安息香酸、及び80mg EDCIを、1ml THF中に混合し、48時間撹拌し続ける。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルのカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5(塩化メチレン)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−{4−トリフルオロアセチル(メチル)アミノ]−2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]フェニル−カルボニルアミノ}ベンズアミドの収量は、80mgである。
【0079】
反応8
70mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−トリフルオロアセチル(メチル)アミノ]−2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]フェニルカルボニルアミノ]ベンズアミドを、100μlの3M NaOH及び1mlエタノールの混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残渣を蒸発させ、産物をシリカゲルのクロマトグラフィー技術で精製する。産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)−フェニルカルボニルアミノ]−ベンズアミドの収量は、55mgである。
【0080】
反応9
50mg (N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)−フェニルカルボニルアミノ]ベンズアミドを、2mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷上で冷却し、その後それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物にNaHCOを添加し、よく撹拌する。気体発生が止まるまで、NaHCOを何回かに分けて新たに添加する。過剰HClの中和後に得られた溶液を、5mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を蒸発させる。残渣を水に溶解し、pH9になるまで1%NaOH水溶液で滴定する。溶液を25℃で3時間静置させ、その後それを中和し、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された20×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、その後1%酢酸のバックグラウンドに対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物は、およそ30%又はエチルアルコール毎に産出される。純度管理は、8:2のイソプロパノール/アンモニア水溶液系のTLC技術で実施する。R=0.5。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(エタンイミドイルメチルアミノ)−2−(3−アミノプロポキシ)フェニルカルボニル−アミノ]ベンズアミドの収量は、20mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 495、M+Na 517。
【0081】
【化41】

【0082】
実施例6
反応1
95mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミド、120mg 2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)−プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル(メチル)アミノ]安息香酸、及び80mg EDCIを、1ml THFと混合し、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルのカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ−2−(3−トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、85mgである。
【0083】
反応2
80mg N−(クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)2−(3−(トリフルオロアセチルアミノ)−プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドを、100μlの3M NaOH水溶液及び1mlエタノールの混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残渣を蒸発させ、産物をシリカゲルのTLC技術で精製する。産物を塩化メチレン(methyle chloride)で溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミド収量は、65mgである。
【0084】
反応3
60mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)−フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドを、2mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷上で冷却し、その後それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物にNaHCOを添加し、よく撹拌する。気体発生が止まるまで、NaHCOを何回かに分けて新たに添加する。過剰HClを中和した際に得られた溶液を、5mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、1%NaOH水溶液で滴定してpH=9にする。溶液を25℃で3時間静置させ、中和し、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された2−×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、その後1%酢酸水溶液のバックグラウンドに対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物収量は、およそ30%のエチルアルコール毎である。純度は、8:2のイソプロパノール/アンモニア水溶液系でのTLC技術で管理する。R=0.5。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−エタンイミドイルメチルアミノ)−2−(3−アミノプロポキシ)フェニルカルボニル−アミノ]−5−メチル−ベンズアミドの収量は、30mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 509、M+Na 531。
【0085】
【化42】

【0086】
実施例7
反応1
95mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロベンズアミド、90mg 2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル(メチルアミノ)安息香酸、及び80mg EDCIを、1ml THFと混合し、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルを含有するカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5(塩化メチレン)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)−2−(3−(トリフルオロアセチルアミノ)−プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、85mgである。
【0087】
反応2
80mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)−2−(3−(トリフルオロアセチルアミノ)−プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドを、100μlの3M NaOH水溶液及び1mlエタノール混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残渣を蒸発させ、産物をシリカゲルのクロマトグラフィー技術で精製する。産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−(アセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、65mgである。 60mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−(アセチルアミノ)プロポキシ)フェニル−カルボニル−アミノ]−5−クロロベンズアミドを、2mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷上で冷却し、その後それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物にNaHCOを添加し、よく撹拌する。気体発生が止まるまで、NaHCOを何回かに分けて新たに添加する。過剰HClを中和した際に得られた溶液を、5mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、pH=9になるまで1%NaOH水溶液で滴定する。溶液を25℃で3時間静置させ、中和し、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された20×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、その後1%酢酸のバックグラウンドに対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物収量は、約30%エチルアルコール毎である。純度は、8:2のイソプロパノール/アンモニア水溶液系のTLC技術で管理する。R=0.5。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(エタンイミドイルメチルアミノ)−2−(3−アミノプロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、30mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 528、M+Na 550。
【0088】
【化43】

【0089】
実施例8
反応1
90mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メトキシベンズアミド、100mg 2−[3−トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル(メチルアミノ)]安息香酸、及び90mg EDCIを、1ml THFと混合し、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルのカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5(塩化メチレン)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)−2−(3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メトキシベンズアミドの収量は、85mgである。
【0090】
反応2
80mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)−2−(3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メトキシベンズアミドを、100μlの3M NaOH水溶液及び1mlエタノールの混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残基を蒸発させ、産物をシリカゲルのクロマトグラフィー技術で精製する。産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メトキシベンズアミドの収量は、65mgである。
【0091】
60mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メトキシベンズアミドを、2mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷で冷却し、それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物に、気体発生が止まるまでNaHCOを添加する。過剰HClを中和した際に得られた溶液を、5mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、pH=9になるまで1%NaOH水溶液で滴定する。溶液を25℃で3時間静置させ、その後溶液を中和し、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された20×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、1%酢酸水溶液のバックグラウンドに対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物の収量は、約30%エチルアルコール毎である。純度は、8:2のイソプロパノール/アンモニア水溶液系でのTLC技術で管理する。R=0.5。N−(5−クロロピリジン−2−イル)2−[4(エタンイミドイルメチルアミノ)−2−(3−アミノプロポキシ)フェニルカルボニル−アミノ]−5−メトキシベンズアミドの収量は、30mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 525、M+Na 547。
【0092】
【化44】

【0093】
実施例9
反応1
1.5g 4−メチルアミノ−6−フルオロサリチル酸を、20mlジオキサン水溶液に溶解する。溶液に、2g ジ−tertブチルジカルボナート、及び3mlの10%NaOH水溶液を添加する。24時間後、反応混合物を蒸発させ、4−tertブトキシカルボニル(メチルアミノ)−6−フルオロサリチル酸を、エタノールからの再結晶化により精製する。収量は、1.6gである。
【0094】
反応2
1.5g 4−4−tertブトキシカルボニル(メチルアミノ)−6−フルオロサリチル酸、1.6g N−(3−クロロプロピル)−トリフルオロアセトアミド、及び1.5g KCOの混合物を110℃に加熱し、1時間後、反応混合物を冷却し、水で希釈し、クロロホルムで抽出し、抽出物を、40〜60μmのシリカゲルが充填された30×150カラムに負荷し、産物を、9:1のクロロホルム/エタノール混合液で溶出する。R=0.5(クロロホルム/エタノール混合液)。2−[3−(トリフルオロアセトアミノ)プロポキシ]−4−[(tert−ブトキシカルボニル)メチルアミノ]−6−フルオロ安息香酸の収量は、390mgである。
【0095】
反応3
370mg 2−[3−(トリフルオロアセトアミノ)プロポキシ]−4−[(tert−ブトキシカルボニル)メチルアミノ]−6−フルオロ安息香酸を、3mlエタノールに溶解し、100μlの10%HClを添加する。2時間後、反応混合物を蒸発させ、産物を、エタノールからの再結晶化により精製する。R=0.45(9:1のクロロホルム/エタノール)。2−[3−トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]−4−メチルアミノ−6−フルオロ安息香酸の収量は、280mgである。
【0096】
反応4
270mg 2−[3−(トリフルオロアミノ)プロポキシ]−4−メチルアミノ−6−フルオロ安息香酸を、1ml無水トリフルオロ酢酸と混合する。1時間後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、40〜60μmのシリカゲルが充填された20×150カラムに負荷し、産物を、9:1のクロロホルム/エタノール混合液で溶出する。2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル−(メチル)アミノ]−6−フルオロ安息香酸の収量は、280mgである。
【0097】
反応5
250mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミド、280mg 2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル(メチル)アミノ]−6−フルオロ安息香酸、及び300mg EDCIを、2ml THFと混合し、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、その中にシリカゲルを有するカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5(塩化メチレン)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)−2−(3−トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ)−6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、270mgである。
【0098】
反応6
250mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)−2−3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ)−6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドを、300μlの3M NaOH水溶液及び2mlエタノールの混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残渣を蒸発させ、産物をシリカゲルのクロマトグラフィー技術で精製する。産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)−6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、160mgである。
【0099】
反応7
150mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)−6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドを、5mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷中で冷却し、その後それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。反応混合物にNaHCOを添加し、よく撹拌する。気体発生が止まるまで、NaHCOを何回かに分けて新たに添加する。過剰HClを中和した際に得られた溶液を、10mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、pH=9になるまで1%NaOH水溶液で滴定する。溶液を25℃で3時間静置させ、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された20×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、その後1%酢酸水溶液のバックグラウンドに対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物収量は、約30%エチルアルコール毎である。産物純度は、3:5:2のアセトニトリル/ジオキサン/アンモニア水溶液系でのTLC技術で管理する。R=0.5。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(エタンイミドイルメチルアミノ)−2−(3−アミノプロポキシ)−6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、70mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 527、M+Na 549。
【0100】
【化45】

【0101】
実施例10
反応1
250mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロベンズアミド、290mg 2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル(メチル)アミノ]−6−フルオロ安息香酸、及び280mg EDCIを、1ml THFと混合し、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルが充填されたカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5(塩化メチレン)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−トリフルオロアセチル(メチル)アミノ−2−(3−(トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ)−6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、270mgである。
【0102】
反応2
180mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−トリフルオロアセチル(メチル)アミノ−2−(3−トリフルオロアセチルアミノ)プロポキシ)6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドを、400μlの3M NaOH及び2mlエタノールの混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残渣を蒸発させ、産物を、シリカゲルのクロマトグラフィー技術で精製する。産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−アミノプロポキシ)−6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、160mgである。
【0103】
反応3
150mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−アミノ−プロポキシ)−6−フルオロフェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドを、5mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷中で冷却し、それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物にNaHCOを添加し、よく撹拌する。気体発生が止まるまで、NaHCOを何回かに分けて新たに添加する。過剰HClの中和後に得られた溶液を、10mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、pH=9になるまで1%NaOH水溶液で滴定する。溶液を25℃で3時間静置させ、中和し、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された20×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、その後1%酢酸水溶液に対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物収量は、約30%エチルアルコール毎である。産物純度は、3:5:2のアセトニトリル/ジオキサン/アンモニア水溶液系でのTLC技術で管理する。R=0.5。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−(3−アミノプロポキシ)−6−フルオロ−4(エタンアミドイルメチルアミノ)フェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、60mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 547、M+Na 569。
【0104】
【化46】

【0105】
実施例11
反応1
0.5mg 4−メチルアミノ−2−フルオロ安息香酸を、1ml無水トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic ahhydride)と混合する。1時間後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、40〜60μmのシリカゲルが充填された20×150カラムに負荷する。産物を、9:1のクロロホルム/エタノール系で溶出する。2−フルオロ−4−[トリフルオロアセチル(メチル)アミノ]安息香酸の収量は、470mgである。
【0106】
反応2
450mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミド、480mg 2−フルオロ−4−[トリフルオロアセチル(メチル)アミノ]安息香酸、及び500mg EDCIを、3ml THF中に混合し、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルを含有するカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5(塩化メチレン)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−トリフルオロアセチル(メチル)アミノフェニルカルボニルアミノ]5−メチルベンズアミドの収量は、470mgである。
【0107】
反応3
450mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−トリフルオロアセチル(メチル)アミノフェニルカルボニルアミノ]5−メチルベンズアミドを、300μlの3M NaOH水溶液及び3mlエタノールの混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残渣を蒸発させ、産物を、シリカゲルのクロマトグラフィー技術で精製する。産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.2。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−メチルアミノフェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、380mgである。
【0108】
反応4
350mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−メチルアミノフェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドを、5mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷で冷却し、それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物にNaHCOを添加し、よく撹拌する。気体発生が止まるまで、NaHCOを何回かに分けて新たに添加する。過剰HClの中和後に得られた溶液を、10mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、pH=9になるまで1%NaOH水溶液で滴定する。溶液を25℃で3時間静置させ、中和し、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された20×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、その後1%酢酸水溶液のバックグラウンドに対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物収量は、約30%エチルアルコール毎である。産物純度は、9:1のジオキサン/アンモニア水溶液系のTLC技術で管理する。R=0.2。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−エタンイミドイル(メチル)アミノ)フェニルカルボニルアミノ]5−メチルベンズアミドの収量は、160mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 454、M+Na 476。
【0109】
【化47】

【0110】
実施例12
反応1
350mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロベンズアミド、370mg 2−フルオロ−4−[トリフルオロ−アセチル(メチルアミノ)]安息香酸、及び390mg EDCIを、2ml THF中に混合し、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルのカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5(塩化メチレン)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−トリフルオロアセチル(メチル)アミノフェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、370mgである。
【0111】
反応2
350mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−トリフルオロアセチル(メチル)アミノフェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドを、300μlのNaOH水溶液及び3mlエタノール混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残渣を蒸発させ、産物をシリカゲルのクロマトグラフィー技術で精製する。産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−メチルアミノフェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、320mgである。
【0112】
反応3
300mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−メチルアミノフェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドを、5mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷中で冷却し、それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物にNaHCOを添加し、よく撹拌する。気体発生が止まるまで、NaHCOを何回かに分けて新たに添加する。過剰HClの中和後に得られた溶液を、10mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、pH=9になるまで1%NaOhで滴定する。溶液を25℃で3時間静置させ、中和し、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された2−×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、その後酢酸水溶液のバックグラウンドに対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物収量は、約30%エチルアルコール毎である。産物純度は、9:1のジオキサン/アンモニア水溶液系でのTLC技術で管理する。R=0.2。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[2−フルオロ−4−(エタンイミドイル(メチル)アミノ)フェニルカルボニルアミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、140mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 474、M+Na 496。
【0113】
【化48】

【0114】
実施例13
反応1
90mg 2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−(メチルアミノ)安息香酸を、1ml無水トリフルオロ酢酸と混合する。1時間後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、40〜60μmのシリカゲルが充填された20×150カラムに負荷する。産物を、9:1のクロロホルム/エタノール系で溶出する。2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)]安息香酸の収量は、100mgである。
【0115】
反応2
90mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミド、95mg 2−[3−(アセチルアミノ)プロポキシ]−4−[トリフルオロアセチル(メチル)アミノ]安息香酸、及び80mg EDCIを、1ml THF中に混合し、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルを含有するカラムに負荷し、産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.5(塩化メチレン)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)−2−(3−(アセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、80mgである。
【0116】
反応3
70mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(トリフルオロアセチル(メチル)アミノ)−2−(3−(アセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドを、100μlの3M NaOH水溶液及び1mlエタノールの混合液に溶解し、1時間撹拌し、その後溶液を中和し、残渣を蒸発させ、産物を、シリカゲルのクロマトグラフィー技術で精製する。産物を塩化メチレンで溶出する。R=0.4。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−(アセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、55mgである。
【0117】
反応450mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−メチルアミノ−2−(3−(アセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドを、2mlアセトニトリルに加熱しながら溶解する。得られた溶液を氷中で冷却し、それに乾燥HClガスを通気する。30分後、溶液を冷蔵庫に配置し、5℃で48時間静置させる。その後、反応混合物にNaHCOを添加し、よく撹拌する。気体発生が止まるまで、NaHCOを新たに添加する。過剰HClの中和後に得られた溶液を、5mlの水で希釈し、クロロホルムで3回抽出する。クロロホルムで処理した抽出物を一緒にまとめて蒸発させる。残渣を水に溶解し、pH=9になるまで1%NaOH水溶液で滴定する。溶液を25℃で3時間静置させ、中和し、蒸発させ、残渣を、逆相C2(RP2)が充填された20×250カラムに負荷する。カラムを100mlの水で洗浄し、1%酢酸水溶液のバックグラウンドに対して0から50%のエチルアルコール勾配を用いて、溶出を実施する。産物収量は、約30%エチルアルコール毎である。産物純度は、9:1のジオキサン/アンモニア水溶液系でのTLC技術で管理する。R=0.3。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[4−(エタンイミドイルメチルアミノ)−2−(3−(アセチルアミノ)プロポキシ)フェニルカルボニルアミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、20mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 551、M+Na 573。
【0118】
【化49】

【0119】
実施例14
反応1
100mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−メチルベンズアミド及び150mgシアン酸ナトリウムを、1ml THF中に混合し、300μmの酢酸を添加する。反応混合物を24時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルを含有するカラムに負荷し、産物をクロロホルムで溶出する。R=0.25(クロロホルム)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−カルバモイル(メチル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、70mgである。
【0120】
反応2
60mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−カルバモイル(メチル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−メチルベンズアミドを、2ml THFに溶解し、溶液に200μl硫酸ジメチルを添加する。反応混合物を24時間撹拌し、蒸発させ、残渣を、シリカゲルのクロマトグラフ分離にかける。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−(イミノ(メトキシ)メチル)(メチル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]5−メチルベンズアミドを、クロロホルムで溶出する。収量は、40mgである。R=0.4(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 452、M+Na 474。
【0121】
【化50】

【0122】
実施例15
反応1
250mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニル−カルボニル)アミノ]−5−メチルベンズアミド、290mg 4−ベンジル−3,5−ジメチル−1Hピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩、及び130μl トリエチルアミンを、アセトニトリル中に混合し、60℃で24時間静置させる。その後、反応混合物を蒸発させ、逆相C2のクロマトグラフィー技術で分離する。産物を、1%酢酸水溶液のバックグラウンドに対するエタノール勾配で溶出する。2−[4−カルバムイミドイルメチルアミノ]フェニルカルボニルアミノ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)5−メチルベンズアミドの収量は、150mgである。
【0123】
反応2
120mg 2−[4−カルバムイミドイルメチルアミノ]フェニルカルボニルアミノ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)5−メチルベンズアミドを、2ml THFに溶解し、100μlヨウ化メチル及び150mg KCOを添加する。反応混合物を50℃に加熱し、10時間静置させる。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、逆相C2のクロマトグラフィー技術で分離する。2−[4−(メチル(N−メチルカルバムイミドイル)−アミノ)]フェニルカルボニルアミノ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミドの収量は、70mgである。R=0.3(8:2のジオキサン/アンモニア水溶液)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 451、M+Na 473。
【0124】
【化51】

【0125】
実施例16
反応1
250mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチルアミノフェニル−カルボニル)アミノ]−5−クロロベンズアミド、290mg 4−ベンジル−3,5−ジメチル−1Hピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩、及び130μlトリエチルアミンを、アセトニトリル中に混合し、60℃で24時間静置させる。その後、反応混合物を蒸発させ、逆相C2のクロマトグラフィー技術で分離する。産物を、1%酢酸水溶液のバックグラウンドに対するエタノール勾配で溶出する。2−[4−カルバムイミドイルメチルアミノ]フェニルカルボニルアミノ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)5−クロロベンズアミドの収量は、150mgである。
【0126】
反応2
120mg 2−[4−カルバムイミドイルメチルアミノ]フェニルカルボニルアミノ]−N−(5−クロロピリジン−2−イル)5−クロロベンズアミドを、2ml THFに溶解し、100μlヨウ化メチル及び150mg KCOを添加する。反応混合物を50℃に加熱し、10時間静置させる。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を逆相C2のクロマトグラフィー技術で分離する。2−[4−(メチル(N−メチルカルバムイミドイル)−アミノ)]フェニルカルボニルアミノ]−N−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)5−クロロベンズアミドの収量は、70mgである。R=0.3(8:2のジオキサン/アンモニア水溶液)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 471、M+Na 493。
【0127】
【化52】

【0128】
実施例17
反応1
10ml THF中750mgの4−メチルアミノ安息香酸溶液に、700μlイソシアン酸メチルを添加する。反応混合物を72時間室温で撹拌し、蒸発させ、水で再蒸発させた。産物を、イソプロパノールから再結晶化する。4−[メチル(メチルカルバモイル)アミノ]安息香酸の収量は、700mgである。
【0129】
反応2
2ml THF中の300mg 4−[メチル(メチルカルバモイル)アミノ]安息香酸、250mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロベンズアミド、及び300mg EDCIを、72時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィー技術で分離する。カラムをクロロホルムで洗浄し、その後9:1のクロロホルム/エタノールで洗浄する。R=0.5(クロロホルム)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4メチル(メチルカルバモイル)アミノフェニルカルボニル)アミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、280mgである。R=0.3(8:2のジオキサン/アンモニア水溶液)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 472、M+Na 494。
【0130】
【化53】

【0131】
実施例18
2ml THF中の240mg 4−[メチル(メチルカルバモイル)アミノ]安息香酸、220mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミド、及び250mg EDCIを、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、クロマトグラフィー技術で分離する。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−[(4−メチル(メチルカルバモイル)アミノフェニル−カルボニル)アミノ−5−メチルベンズアミドの収量は、250mgである。R=0.55(クロロホルム)。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 452、M+Na 474。
【0132】
【化54】

【0133】
反応10.5g 4−[tertブトキシカルボニル(メチル)アミノ]サリチル酸、0.6g N−(3−クロロプロピル)−トリフルオロアセチルアミド、及び0.5g KCOの混合物を、110℃に加熱する。1時間後、反応混合物を冷却し、水で希釈し、クロロホルムで抽出し、抽出物を蒸発させ、40〜60μmのシリカゲルが充填された30×150カラムに負荷し、産物を、9:1のクロロホルム/エタノール混合液で溶出する。R=0.5(9:1のクロロホルム/エタノール)。2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)−プロポキシ]−4−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]安息香酸の収量は、350mgである。
【0134】
反応2
320mg 2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)−プロポキシ]−4−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]安息香酸を、2mlエタノールに溶解し、200μlの10%HCl水溶液を添加し、溶液を3時間撹拌し、その後反応混合物を中和し、蒸発させ、残渣を、9:1のクロロホルム/エタノール混合液でシリカゲルのクロマトグラフィー技術を用いて分離する。2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)−プロポキシ]−4−(メチル)アミノ安息香酸の収量は、250mgである。
【0135】
反応3
220mg 2−[3−(トリフルオロアセチルアミノ)−プロポキシ]−4−(メチル)アミノ安息香酸を、5ml THFに溶解し、300μlイソシアン酸メチルを添加する。78時間後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、9:1のクロロホルム/エタノール混合液でシリカゲルのクロマトグラフィー技術を用いて分離する。4−[メチル(メチルカルバモイル)アミノ]−2−[3−(トリフルオロアセチル−アミノ)プロポキシ安息香酸の収量は、230mgである。
【0136】
反応4
2ml THF中の200mg 4−[メチル(メチルカルバモイル)アミノ]−2−[3−(トリフルオロアセチル−アミノ)プロポキシ安息香酸(377)、140mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−メチルベンズアミド(262)、及び150mg EDCIを48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、クロマトグラフィー技術で分離する。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−{[4−メチル(メチルカルバモイル)−アミノ]−2−[3−(トリフルオロアセチル−アミノ)プロポキシ]フェニルカルボニル}アミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、210mgである。R=0.5(クロロホルム)。
【0137】
反応5
190mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−{[4−メチル(メチルカルバモイル)−アミノ]−2−[3−(トリフルオロアセチル−アミノ)プロポキシ]フェニルカルボニル}アミノ]−5−メチルベンズアミドを、2mlエタノールに溶解し、200mlの10%NaOH水溶液を添加する。2時間後、反応混合物を蒸発させ、シリカゲルのクロマトグラフィー技術で分離する。R=0.45(クロロホルム)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−{[4−メチル(メチルカルバモイル)−アミノ]−2−[3−アミノプロポキシ]フェニルカルボニル}アミノ]−5−メチルベンズアミドの収量は、160mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 525、M+Na 547。
【0138】
【化55】

【0139】
実施例20
反応1
2ml THF中の200g −[4−メチル(メチルカルバモイル)−アミノ−2−[3−(トリフルオロアセチル−アミノ)]プロポキシ安息香酸、140mg 2−アミノ−N−(5−クロロピリジン−2−イル)−5−クロロベンズアミド、及び150mg EDCIを、48時間撹拌する。その後、反応混合物を蒸発させ、残渣を、クロマトグラフィー技術で分離する。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−{[4−メチル(メチルカルバモイル)−アミノ]−2−[3−トリフルオロアセチル−アミノ)プロポキシ]フェニルカルボニル}アミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、210mgである。R=0.5(クロロホルム)。
【0140】
反応2
190mg N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−{[4−メチル(メチルカルバモイル)−アミノ]−2−[3−トリフルオロアセチル−アミノ)プロポキシ]フェニルカルボニル}アミノ]−5−クロロベンズアミドを、2mlエタノールに溶解し、200mlの10%NaOH水溶液を添加する。2時間後、反応混合物を蒸発させ、シリカゲルのクロマトグラフィー技術で分離する。R=0.45(クロロホルム)。N−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−{[4−メチル(メチルカルバモイル)−アミノ]−2−[3−アミノプロポキシ]フェニルカルボニル}アミノ]−5−クロロベンズアミドの収量は、160mgである。質量スペクトル(MALDI−VP):M+H 545、M+Na 567。
【0141】
【化56】

【0142】
諸物質の第Xa因子に対するin vitro活性 上記の例に示されている幾つかの化合物について、これら物質の第Xa因子に対するin vitro活性定数(K)を測定した。定は、このタンパク質による基質S−2222分解の初速度について、動力学的に実施した。測定は、2ml矩形石英キュベットで室温にて実施した。反応には、以下の溶液を使用した:50mM Tris−HCl、150mM NaCl2.5mM CaCl、及び0.1%PEG6000、pH7.5、第Xa因子0.04〜1nm、S−2222 164μM。ある濃度のタンパク質及び基質のKの決定には、標準的最小二乗法を使用した。反応の前に、溶液中のタンパク質及び活性作用剤を10分間サーモスタット制御下におき、その後基質を添加し、反応を開始させた。反応速度は、405nmの波長における光吸収の変化から、Specord M80機器を用いて測定した。IC50値は、実験的に得られた、阻害剤(活性作用剤)の濃度に対する初速度の依存性から決定した。K値は、タンパク質、基板、及び阻害剤の濃度から算出し、IC50値は、以下の文献に記載の方法により算出した:(1)Jordan,S.P.,;Waxman,L.;Smith,D.E.;Vlasik,G.P. Biochemistry 1990年、29巻、11095頁、及び(2)Morrison,J.F. Biochim.Biophys.Acta 1969年、185巻、269頁。結果は表1に示されている。
表1.諸化合物のXaタンパク質に対するin vitro活性定数K
【0143】
【表1】

【0144】
ヒト血漿における諸物質のプロトロンビン時間に対するin vitro活性 上記の例に示されている幾つかの化合物について、血漿のプロトロンビン時間が2倍(2PT)となる、これら化合物のヒト血漿における濃度を測定した。測定は、キット使用者用の説明書に記載の方法により、Diahem Pキット(NPO Renam、www.renam.ru)を用いて実施した。活性化合物を、キットに提供されている血漿に溶解し、3分間インキュベートした。測定は、Sysmex CA50機器を用いて実施した。各濃度について、3回の測定を行い、結果を平均した。結果は表2に示されている。
表2.血漿における諸化合物のXaタンパク質に対する活性定数K
【0145】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される異性体、塩、水和物、溶媒和物、及びプロドラッグ誘導体。
【化1】

式中、
は、H、−Cl、−F、−Br、−OH、−Me、−OMeから選択され、
は、CH及びNから選択され、
及びRは、各々独立して、H、−Cl、−F、−Br、−OH、−Me、−OMeから選択され、
は、H、又は随意にヒドロキシル、カルボン酸、又はカルボン酸エステル基で置換されたC〜Cアルキルから選択され、
は、以下の化合物から選択され、
【化2】

式中、
、X、X、及びXは、各々独立して、H、又は随意にヒドロキシル、カルボン酸、又はカルボン酸エステル基で置換されたC〜Cアルキルであり、
、R、及びR10は、各々独立して、H、−Cl、−F、−Br、−OH、−Me、−OMeから選択され、
は、H、−Cl、−F、−Br、−OH、−Me、−OMeから、又は以下の化合物から選択され、
【化3】

式中、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、及びZ10は、各々独立して、H、又は随意にヒドロキシル、カルボン酸、又はカルボン酸エステル基で置換されたC〜Cアルキルである。
【請求項2】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化4】

【請求項3】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化5】

【請求項4】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化6】

【請求項5】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化7】

【請求項6】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化8】

【請求項7】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化9】

【請求項8】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化10】

【請求項9】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化11】

【請求項10】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化12】

【請求項11】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化13】

【請求項12】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化14】

【請求項13】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化15】

【請求項14】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化16】

【請求項15】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化17】

【請求項16】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化18】

【請求項17】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化19】

【請求項18】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化20】

【請求項19】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化21】

【請求項20】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化22】

【請求項21】
以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化23】

【請求項22】
望ましくない血栓形成を特徴とする哺乳動物の状態を予防又は治療するための医薬組成物であって、治療上有効量の請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項23】
望ましくない血栓形成を特徴とする哺乳動物の状態を予防又は治療するための方法であって、治療上有効量の請求項1〜21の一項に記載の化合物を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
【請求項24】
前記状態が、
急性冠動脈症候群、心筋梗塞、不安定狭心症、難治性狭心症、血栓溶解療法後又は冠動脈形成術後に伴う血栓症、血栓媒介性脳血管症候群、塞栓性発作、脳血栓、一過性脳虚血発作、静脈血栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓、凝血異常、汎発性血管内凝固、血栓性血小板減少性紫斑病、閉塞性血栓性血管炎、ヘパリン誘導性血小板減少症に伴う血栓性疾患、体外循環に伴う血栓性合併症、人工器官の装着に伴う血栓性合併症からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
生体試料の血液凝固を阻害するための方法であって、請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物を投与するステップを含む方法。

【公表番号】特表2013−521278(P2013−521278A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556036(P2012−556036)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/RU2011/000129
【国際公開番号】WO2011/108963
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512221577)
【Fターム(参考)】