説明

筆記具

【課題】自由度が高い筆記具を提供すること。
【解決手段】筆記具1は、その先端で紙葉類に筆記を行う筆記体11と、その先端が先細形状の筒状に形成され、その内部に筆記体を収納するとともに、その先端に前記筆記部を支持する孔部52、及び、その一部を形成する異なる径で二重に設けられた円筒状部材21,22を有し、内側の前記円筒状部材21を外側の前記円筒状部材22から視認可能に形成された外郭部材10と、筆記体11の先端を外郭部材10から出没させる駆動機構12と、を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外郭部材が樹脂材料により形成された筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、筆記具として、その外郭部材が樹脂材料で形成されるものが知られている。この筆記具は、例えば、インクやゲルインクを収納した筆記体を有するボールペンや、黒鉛等により成形した芯を突出させる筆記体を有するシャープペンシル等が知られている。
【0003】
このような筆記具は比較的安価なことから、企業名、製品名等の標章やキャラクター等の意匠等をその外郭部材に設けることで、販促品やグッズ等に用いられることもある。
【0004】
なお、これら意匠等は、スクリーン印刷、パッド印刷、転写及び箔押し等による印刷や、意匠等が印刷された粘着層を有する紙葉類が貼り付けられることで、筆記具の外郭部材の外表面に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−264095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した筆記具では、以下の問題があった。即ち、筆記具は、その外郭部材の外表面に印刷等により設けられた構成であり、その意匠等を設ける範囲は、外郭部材のみと制限される。また、意匠等は外郭部材の外表面に設けられる構成にのみ限られることから、高い視覚的効果を得ることが難しい、という問題がある。例えば、高い視覚的効果をえるために、外郭部材の表面に凹凸を設ける等の外郭部材の形状により対応することも可能であるが、意匠等にあわせて外郭部材の形状を変更する必要があり、自由度が低く、また、製造コストの増大にもなる。このため、意匠等を高い自由度で設けることが可能な筆記具が要求されている。
【0007】
そこで本発明は、高い自由度で意匠等を設けることが可能な筆記具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の筆記具は次のように構成されている。
【0009】
本発明の一態様の筆記具は、その先端に筆記を行う筆記部を有する筆記体と、その先端が先細形状の筒状に形成され、その内部に前記筆記体を収納するとともに、その先端に形成された前記筆記部を支持する孔部、及び、その一部を形成する異なる径で二重に設けられた円筒状部材を有し、内側の前記円筒状部材を外側の前記円筒状部材から視認可能に形成された外郭部材と、前記筆記体の先端を前記外郭部材から出没させる駆動機構と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い自由度で意匠等を設けることが可能な筆記具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る筆記具の構成を示す断面図。
【図2】同筆記具の構成を分解して示す断面図。
【図3】同筆記具の要部構成を拡大して示す断面図。
【図4】同筆記具に用いられる軸体の構成を一部断面で示す側面図。
【図5】同軸体の構成を端面から示す平面図。
【図6】同筆記具に用いられる外筒の構成を端面から示す平面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る筆記具の構成を示す断面図。
【図8】同筆記具の構成を分解して示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る筆記具1を、図1乃至図6を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る筆記具1の構成を示す断面図、図2は筆記具1の構成を分解して示す断面図、図3は筆記具1の要部構成、具体的には、軸体21、ホルダー23及びノック体25の係合部を拡大して示す断面図、図4は筆記具1に用いられる軸体21の構成を一部断面で示す側面図、図5は軸体21の構成を上端面から示す平面図、図6は筆記具1の外筒22の構成を端面から示す平面図である。
【0013】
筆記具1は、所謂ノック式のボールペンやシャープペンシル等である。本実施形態においては、図1に示すように、ノック式のボールペンを用いて筆記具1を説明する。筆記具1は、外郭部材10と、筆記体11と、駆動機構12と、を備えている。
【0014】
外郭部材10は、軸体21と、外筒22と、ホルダー23と、大先24と、ノック体25とを備えている。外郭部材10は、筆記体11を収納可能、且つ、筆記体11の先端を突出及び没入可能に形成されている。
【0015】
軸体21は、樹脂材料により形成され、その内部に筆記体11及び駆動機構12の一部を収納する。軸体21は、両端が開口する円筒状に形成されている。軸体21は、一方の端部に設けられ、ノック体25を往復動可能に挿通させる開口部31と、他方の端部に設けられ、大先24と締結される雌螺子部32と、その内周面であって、開口部31に隣接して設けられた後述する駆動機構の固定子33と、を備えている。
【0016】
なお、固定子33は、2つの高さ(長さ)に形成されたカム溝を複数有するカム溝群である。この固定子33は、後述する回転子71の係合突起73が係合するカム溝の高さにより、回転子71を位置決め可能に形成されている。
【0017】
軸体21は、その外径が、外筒22の内径よりも若干小径に形成されている。また、軸体21は、図2乃至図5に示すように、一端側であって、当該端部から所定の距離、具体的にはホルダー23の軸方向の長さと同一の距離まで設けられた小径部35と、小径部35の一端側の外周面に設けられた円環状の凸部36と、を備えている。
【0018】
図4に示すように、軸体21は、その外周面の一部、具体的には、軸体21の一端側であって、且つ、小径部35の他端部に軸体21と小径部35との外径差で形成される端部、及び、軸体21の他方の端部に、それぞれ切欠部38を備えている。この切欠部38は、方体状に切欠する溝であり、後述する外筒22の係合部41と係合可能に形成されている。
【0019】
外筒22は、その両端が開口する円筒形状に形成されており、その内部に軸体21を挿通可能に形成されている。外筒22は、その内径が軸体21の外形よりも若干大径に形成され、軸体21を挿通した場合に、軸体21の外周面との間に若干の隙間が形成される。例えば、この隙間は、当該隙間に紙やシール等の紙葉類を挿入可能とする場合には、0.05〜0.5mm程度の隙間とすればよい。
【0020】
図2及び図6に示すように、外筒22は、一方の端部の内周部に、軸体21の切欠部38と係合可能な方体状の突起である係合部41を備えている。外筒22は、樹脂材料で形成されている。外筒22は、例えば、透明又は有色透明に形成され、内部に挿通された軸体21を視認可能に形成されている。
【0021】
ホルダー23は、固定環43と、固定環43の外周面の一部に設けられたクリップ44と、を備えている。固定環43は、円環状に形成され、その内径が、軸体21の小径部35と略同一径に形成されるとともに、その軸心方向の長さが、小径部35の長さと略同一長さに形成されている。また、固定環43は、その内周面に、凸部36と嵌合する円環状の凹部45を備えている。
【0022】
クリップ44は、挟持体46と、挟持体46を固定環43に接続するとともに、挟持体46の先端を常時外筒22へと付勢する付勢部材47と、を備えている。付勢部材47は、ねじりばねやU字状の板ばね等が用いられる。なお、本実施形態においては、付勢部材47としてねじりばねを用いた例を示す。
【0023】
大先24は、樹脂材料により形成された樹脂成形品である。大先24は、その一端側が先細形状に形成され、両端が開口する筒状に形成されている。なお、大先24の一端側は、筆記具1の先端を形成する。
【0024】
具体的に説明すると、大先24は、先細形状の筒状に形成された胴部51と、胴部51の一端側に形成された孔部52と、胴部51の他端の開口に形成され、軸体21の雌螺子部32と螺合する雄螺子部53と、胴部51に挿入されるグリッパー54と、を備えている。
【0025】
図2に示すように、胴部51は、外郭部材10の先端側の一部を形成するとともに、グリッパー54を挿入し、且つ、支持可能に形成されている。孔部52は、筆記体11の一部、さらに言えば後述するチップ62の外径と略同一径又は若干大径となる内径に形成され、当該チップ62を出没可能、且つ、支持可能に形成された円環状の孔部である。
【0026】
グリッパー54は、例えばシリコンゴム等のエラストマー樹脂により形成されている。グリッパー54は、筆記具1の使用者が当該筆記具1を握持した際に、使用者の指とフィットし、且つ、適度な抵抗(摩擦力)を発生させて滑りを防止可能に形成されている。また、グリッパー54は、雌螺子部32に雄螺子部53が螺合された場合に、その端部とホルダー23の固定環43の端部との間に外筒22を挟持可能に形成されている。
【0027】
筆記体11は、所謂リフィル等の芯体である。筆記体11は、インキ管61と、筆記部62と、を備えている。インキ管61は、その内部にインキやゲルインキ等を収容する。また、インキ管61は、その中途部に、外表面から突出する座部63を備えている。筆記部62は、インキ管61の一方の端部に接続され、インキを用紙等の筆記を行うための紙葉類に塗布可能に形成されている。筆記部62は、その先端にボールを回転可能に支持するチップ62である。
【0028】
ノック体25は、軸体21の開口部31に挿通される一端側が閉塞する円筒状に形成されている。ノック体25は、その他端側の外周面に、軸体21の開口部31の内側の端面と干渉する突起部65を有する。
【0029】
ノック体25は、開口部31から抜け出る方向の移動において、開口部31の内側の端面と干渉することで突起部65の移動が規制され、軸体21からの脱離が防止される。ノック体25は、筆記具1の使用者が押圧することで、回転子71を押圧可能に形成されている。
【0030】
駆動機構12は、ノック体25と、固定子33と、回転子71と、付勢部材72と、を備えている。駆動機構12は、使用者により操作されることで、筆記体11を往復動させ、大先24の孔部52から出没させる機構である。
【0031】
回転子71は、インキ管61の他方の端部と当接し、その外周面に、固定子33のカム溝と係合する係合突起73を備えている。回転子71は、この係合突起73が、カム溝と係合することで、軸体21の軸心方向において異なる2つの位置に固定される。即ち、回転子71は、一のカム溝と係合した場合に、当接する筆記体11のチップ62が大先24内に収納する位置となり、他のカム溝と係合した場合に、筆記体11のチップ62が大先24の孔部52から突出する位置となる。
【0032】
付勢部材72は、インキ管61の座部63及び大先24の先端側の内面の間に配置されるコイルばねである。付勢部材72は、筆記体11を回転子71に付勢する。
【0033】
このように構成された筆記具1の組立方法について、以下説明する。先ず、筆記具1は、図2に示すように、軸体21に、ノック体25、回転子71及び筆記体11を順次挿入し、筆記体11に付勢部材72を挿入するとともに、グリッパー54を挿入した大先24を軸体21に螺合させる。
【0034】
次に、軸体21に外筒22を挿入するとともに外筒22の係合部41を軸体21の切欠部38に係合させて、外筒22の位置合わせを行う。次に、ホルダー23の固定環43を軸体21に圧入し、凸部36及び凹部45を係合して軸体21にホルダー23を固定させる。これにより、外筒22は、ホルダー23及び切欠部38に係合部41が支持されるとともに、ホルダー23及びグリッパー54に挟持されて固定される。
【0035】
なお、外筒22は、ホルダー23及びグリッパー54により挟持されるが、実質的には、ホルダー23及び切欠部38に係合部41が支持される。このため外筒22は、その軸心方向及び当該軸心を中心とした回転方向の移動が規制されることから、大先24(グリッパー54)が取り外されても、軸体21から脱離することはない。
【0036】
このように構成された筆記具1によれば、外郭部材10は、軸体21及び外筒22により隙間を有する二重構造となる。このため、筆記具1は、外筒22を透明又は有色透明とすることで軸体21及び外筒22の外面の一方又は両方に意匠等を設けることが可能となる。また、軸体21の外径を外筒22の内径よりも小径とすることで、軸体21及び外筒22の間に、隙間が形成される。
【0037】
即ち、筆記具1は、その外郭部材10に企業名、製品名等の標章やキャラクター等の意匠等の意匠や標章等(以下「意匠等」)を設ける場合に、軸体21及び外筒22のいずれにも設けることが可能となる。
【0038】
このため、使用等による意匠等の摩耗や欠損等を防止するために、軸体21の外周面にのみ意匠等を設け、外筒22により保護を行ってもよい。また、軸体21及び外筒22の両方に意匠等を設ける構成とし、立体的又は高さ位置の相違による視覚効果となる意匠等を設ける構成であってもよい。
【0039】
さらに、軸体21及び外筒22の隙間に意匠等や裏面に粘着層が設けられた紙葉類や写真等を配置させることが可能となる。即ち、筆記具1は、軸体21及び外筒22を、隙間を有する二重構造とすることで、意匠等を設けるための自由度を向上することが可能となる。
【0040】
なお、意匠等は、スクリーン印刷、パッド印刷、転写及び箔押し等による印刷等により設けられる。この場合、軸体21及び外筒22は、互いに係合するための切欠部38及び係合部41を用いることで、意匠等の印刷の位置合わせを行うことも可能となる。また、カム溝を意匠等の印刷の位置合わせとすることも可能である。
【0041】
このように、位置合わせを行って意匠等を印刷することで、カム溝、軸体21及び外筒22の位相方向の意匠等の組み合わせが容易に可能となり、様々な印刷による視覚的効果を得ることも可能となる。
【0042】
また、筆記具1は、外筒22の係合部41を軸体21の切欠部38に係合後、ホルダー23を軸体21に固定する構成であるため、外筒22の移動は切欠部38及びホルダー23に規制される。即ち、外筒22は、大先24及びグリッパー54を取り外しても、切欠部38及び係合部41の係合により先端側に脱離することがない。また、筆記具1は、外筒22が軸体21に固定されたホルダー23によりノック体25側への移動が規制されることから、外筒22がノック体25側に脱離することもない。
【0043】
このように、外筒22を軸体21と別体としても、外筒22が脱離することによる紛失等を防止することが可能となる。また、筆記具1は、外筒22に軸体21を挿通させる単純な構成でよく、製造コストの増大を防止することが可能となる。
【0044】
上述したように本発明の一実施の形態に係る筆記具1によれば、外郭部材10の一部を、軸体21及び外筒22を二重に設ける二重構造とし、且つ、軸体21及び外筒22の間に隙間を設けることで、高い自由度を有することとなり、意匠等を高い自由度で設けることが可能となる。
【0045】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態に係る筆記具1Aについて、図7及び図8を用いて説明する。なお第2の実施形態に係る筆記具1Aにおいて、上述した第1の実施形態に係る筆記具1と同様の構成には、同一符号を付しその詳細な説明は省略する。
【0046】
図7は第2の実施形態に係る筆記具1Aの構成を示す断面図、図8は筆記具1Aの構成を分解して示す断面図である。
【0047】
図7及び図8に示すように、筆記具1Aは、外郭部材10Aと、筆記体11と、駆動機構12と、を備えている。
【0048】
外郭部材10Aは、上述した筆記具1の外郭部材10と同様に軸体21と、外筒22と、ホルダー23と、大先24と、ノック体25と、を備えている。
【0049】
このような筆記具1Aは、軸体21の先端側の切欠部38に、外筒22の係合部41が係合するように組み立てられる。図8を用いて具体的に説明すると、先ず、筆記具1Aは、軸体21に、ノック体25、回転子71、及び、筆記体11を順次挿入し、筆記体11に付勢部材72を挿入するとともに、軸体21にホルダー23を固定させる。次に、先端側から軸体21に外筒22を挿入し、且つ、外筒22の係合部41を軸体21の先端側の切欠部38に係合させて位置合わせを行う。次に、グリッパー54を挿入した大先24を軸体21に螺合させて固定することで、外筒22がグリッパー54及びホルダー23に挟持され、筆記具1Aが組み立てられる。
【0050】
このように構成された筆記具1Aは、外筒22を軸体21の先端側から挿入可能とすることで、外筒22はグリッパー54及びホルダー23により固定され、外筒22が着脱可能となる。即ち、外筒22は、軸体21から大先24及びグリッパー54を取り外すことで、先端側に脱離可能、且つ、ホルダー23によりノック体25側への移動を規制可能となる。また、係合部41を切欠部38に係合させることで、外筒22の位置合わせも可能となるとともに、外筒22の軸心を中心とした回転方向の回転を規制可能となる。このように筆記具1Aは、外筒22を必要に応じて取り外すことが可能となる。
【0051】
例えば、軸体21及び外筒22間の隙間に紙葉類を設ける場合には、筆記具1Aは、外筒22を取り外すことで、容易に当該紙葉類を交換することが可能となる。具体的には、その時々の気分により、軸体21及び外筒22間の隙間に、愛犬や子供の写真等を入れ換えることも可能となる。
【0052】
また、例えば、軸体21及び外筒22のそれぞれに記載された意匠等の組み合わせにより、外観が変化する意匠等を設けた場合には、外筒22を取り外し、切欠部38と係合部41との係合位置を変化させることで、その外観を変化させることが可能となる。具体的には、外筒22に、その一部を除いて有色の不透明な色彩を付し、当該一部は透明な窓部とし、外筒22の回転方向の位置を変化させることによって、軸体21に記載された複数の意匠等のうち、いずれかを視認可能とすることも可能となる。
【0053】
また、外筒22を異なる色、形状及び意匠等を任意に着脱させることも可能となる。即ち、筆記具1Aは、外筒22を任意に着せ替えることも可能となる。この他、様々な視覚的効果を得ることが可能な、意匠等を設けることが可能となる。
【0054】
上述したように本発明の第2の実施形態に係る筆記具1Aによれば、外筒22を先端側から軸体21に挿入し、グリッパー54及びホルダー23により固定する構成とすることで、外筒22が着脱可能となり、高い自由度を有することとなり、意匠等を高い自由度で設けることが可能となる。
【0055】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、筆記具1、1Aの軸体21は、一端側であって、且つ、小径部35の他端部に形成される端面部、及び、他方の端部にそれぞれ切欠部38を有する説明したがこれに限定されない。
【0056】
例えば、上述した筆記具1のように、軸体21は、外筒22を軸体21及びホルダー23により常時固定する構成においては、切欠部38を軸体21の一端側の端面部にのみ設ける構成であればよく、同様に、筆記具1Aのように、外筒22を着脱可能な構成においては、切欠部38を軸体21の他方の端部にのみ設ける構成であればよい。
【0057】
また、筆記具1,1Aは、ボールペンを用いた構成を説明したがこれに限定されず、上述したようにシャープペンシルであってもよく、また、例えば筆記体11として蛍光塗料が含有されたフェルト等を有する蛍光ペン等であってもよい。
【0058】
また、上述した例では、筆記具1、1Aは、所謂ノック式の駆動機構12を説明したがこれに限定されず、外郭部材10の一部が二重構造であればスライド式の駆動機構であってもよく、また他の構成であってもよい。即ち、筆記具1,1Aは、外郭部材10の一部が二重構造であって、意匠等を設けるための高い自由度を有する構成であれば、他の構成は、適宜設定可能である。
【0059】
さらに言えば、上述した例では、筆記具1,1Aは、グリッパー54を有する構成を説明したがこれに限定されず、例えば、大先をグリッパー54と同等の外形とし、当該大先により外筒22を固定する構成であってもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0060】
1、1A…筆記具、10…外郭部材、10A…外郭部材、11…筆記体、12…駆動機構、21…軸体(円筒状部材)、22…外筒(円筒状部材)、23…ホルダー、24…大先、25…ノック体、31…開口部、32…雌螺子部、33…固定子、35…小径部、36…凸部、38…切欠部、41…係合部、43…固定環、44…クリップ、45…凹部、46…挟持体、47…付勢部材、51…胴部、52…孔部、53…雄螺子部、54…グリッパー、61…インキ管、62…筆記部(チップ)、63…座部、65…突起部、71…回転子、72…付勢部材、73…係合突起。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その先端に筆記を行う筆記部を有する筆記体と、
その先端が先細形状の筒状に形成され、その内部に前記筆記体を収納するとともに、その先端に形成された前記筆記部を支持する孔部、及び、その一部を形成する異なる径で二重に設けられた円筒状部材を有し、内側の前記円筒状部材を外側の前記円筒状部材から視認可能に形成された外郭部材と、
前記筆記体の先端を前記外郭部材から出没させる駆動機構と、
を備えることを特徴とする筆記具。
【請求項2】
前記外郭部材は、
円筒状に形成され、前記筆記体の一部を収納する前記円筒状部材である軸体と、
前記軸体の一端側に設けられ、前記筆記体の他部を収納するとともに、前記孔部をその先端に有する大先と、
前記軸体をその内部に挿通し、且つ、その一端が前記大先と当接する前記円筒状部材である外筒と、
前記軸体の他端側に固定され、前記外筒と当接することで、前記外筒を前記大先との間に挟持するホルダーと、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
【請求項3】
前記軸体はその他端側に切欠部を有し、
前記外筒は、その端部に前記切欠部と係合する係合部を有することを特徴とする請求項2に記載の筆記具。
【請求項4】
前記軸体はその一端側に切欠部を有し、
前記外筒は、その端部に前記切欠部と係合する係合部を有することを特徴とする請求項2に記載の筆記具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−22765(P2013−22765A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157069(P2011−157069)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000002314)セーラー万年筆株式会社 (49)
【Fターム(参考)】