説明

等化器、等化方法、及びプログラム

【課題】従来の等化器は、再生信号の非線形歪を低減するために、トレーニング信号を用いなければならない。
【解決手段】等化器の機能を有する処理部7は、処理対象の信号を線形等化する線形等化部11と、処理対象の信号を非線形等化する非線形等化部12と、線形等化部11によって線形等化された信号と非線形等化部12によって非線形等化された信号とを加算する加算部13と、加算部13によって得られた信号を仮判定する第1ビタビ復号部14と、線形等化部11によって線形等化された信号を仮判定する第2ビタビ復号部18とを有し、非線形等化部12は、第1ビタビ復号部14によって仮判定された信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、線形等化部11は、第2ビタビ復号部18によって仮判定された信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号を等化する等化器、等化方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクから検出した再生信号を良好に復号するために、パーシャルレスポンス方式の線形等化回路とビタビ復号回路とを併用することが有効である。これは、例えば、DVDフォーラムにより公開されているHD DVD(High Definition DVD)−ROM Part1(物理)規格書等に示されている。これに対応した光ディスク再生装置では、ディスク制御回路は、光ディスクを所定の回転速度で回転させ、光ピックアップは、光ディスクに記録された再生信号を読み取る。再生信号は、プリアンプで増幅された後、AGC(Auto Gain Control)回路等で所定の振幅に増幅される。
【0003】
更に、再生信号は、A/D変換され、線形等化回路により波形が等化された後、ビタビ復号回路により復号される。これにより、光ディスクに記録された画像データや音データが再現される。ところで、光ディスクが更に高密度化されると、再生信号の波形の非線形歪が大きくなるので、再生信号を等化するためには線形等化回路だけでは不十分である。そこで、非線形歪を低減するために、非線形等化回路が使用される。非線形等化回路を実現するために、ニューラルネットワークが使用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−106158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、ニューラルネットワークに所望の動作を実行させるためには、既知のトレーニング信号を使用し、学習動作を予め実行させることが必要である。例えば、光ディスクの所定の箇所にトレーニング信号を記録しておき、トレーニング信号に対応した出力を教師信号として、ニューラルネットワークにおける係数が決定される。この場合、光ディスクにトレーニング信号が予め記録されることになるので、光ディスクの利用効率が低減する。
【0006】
トレーニング信号は、教師信号と呼ばれる場合もある。本願においては、上記の既知のトレーニング信号のことを、既知のトレーニング信号、または、トレーニング信号と記載する。本願の方法で未知の信号から作成して学習動作に用いる信号のことは、区別するために教師信号と記載する。
【0007】
また、トレーニング信号を得る別の方法として、既知の信号と伝送路特性により変調された出力波形、別の言い方をすると、光ディスクへの記録と再生機による再生という伝送路を通過した後の出力、すなわち等価回路への入力信号、の関係が、あらかじめわかっている信号の組を準備しておいて、これを用いて学習動作をすることも可能である。この場合は、ディスクの個体差、記録状態の個体差、再生機の個体差等による伝送路特性のばらつきを補償することができず、良好な学習動作が行えなえず、また適応動作をさせることも出来ないという課題があった。
【0008】
また、学習動作の終了後は係数が固定されるので、光ディスクの面内において再生波形特性が変動することへの追従が困難になる。更に、光ディスクにデータを記録した記録機によってパワー変動等があるが、それへの追従も困難になる。そのため、線形歪を適応的に低減するとともに、記録密度の向上や記録パワー変動等によって生じる再生信号の非線形歪をトレーニング信号を用いることなく適応的に低減することが要求される。
【0009】
本発明は、記録密度の向上や記録パワー変動等によって生じる再生信号の非線形歪をトレーニング信号を用いることなく低減する等化器、等化方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明の等化器は、処理対象の信号を線形等化する線形等化部と、前記処理対象の信号を非線形等化する非線形等化部と、前記線形等化部によって線形等化された信号と、前記非線形等化部によって非線形等化された信号とを加算する加算部と、前記加算部によって得られた信号を仮判定する第1仮判定部と、前記線形等化部によって線形等化された信号を仮判定する第2仮判定部とを備え、前記非線形等化部は、前記第1仮判定部によって仮判定された信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、前記線形等化部は、前記第2仮判定部によって仮判定された信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する。
【0011】
また、本発明の等化器は、処理対象の信号を線形等化する線形等化部と、前記線形等化部によって線形等化された信号を非線形等化する非線形等化部と、前記線形等化部によって線形等化された信号と、前記非線形等化部によって非線形等化された信号とを加算する加算部と、前記加算部によって得られた信号を仮判定する第1仮判定部と、前記線形等化部によって線形等化された信号を仮判定する第2仮判定部とを備え、前記非線形等化部は、前記第1仮判定部によって仮判定された信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、前記線形等化部は、前記第2仮判定部によって仮判定された信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する。
【0012】
また、本発明の等化方法は、処理対象の信号を線形等化するステップと、処理対象の信号を線形等化するステップと、前記処理対象の信号を非線形等化するステップと、線形等化した信号と非線形等化した信号とを加算するステップと、加算によって得た信号を仮判定するステップと、線形等化した信号を仮判定するステップとを含み、非線形等化を実行するステップでは、加算によって得た信号を仮判定した信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、線形等化を実行するステップでは、線形等化した信号を仮判定した信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する。
【0013】
また、本発明の等化方法は、処理対象の信号を線形等化するステップと、線形等化した信号を非線形等化するステップと、線形等化した信号と非線形等化した信号とを加算するステップと、加算によって得た信号を仮判定するステップと、線形等化した信号を仮判定するステップとを含み、非線形等化を実行するステップでは、加算によって得た信号を仮判定した信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、線形等化を実行するステップでは、線形等化した信号を仮判定した信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する。
【0014】
更に、本発明は、本発明の等化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、記録密度の向上や記録パワー変動等によって生じる再生信号の非線形歪をトレーニング信号を用いることなく低減することができる。また、本発明によれば、再生信号の線形等化及び非線形等化の発散を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1の再生装置の構成図である。
【図2】実施の形態1の処理部の構成図である。
【図3】図2の線形等化部の構成図である。
【図4】図2の非線形等化部の構成図である。
【図5】図2の第1ビタビ復号部の構成図である。
【図6】図2の第1ビタビ復号部がパーシャルレスポンス(1,2,2,2,1)に対応する場合の状態遷移を示す図である。
【図7】図2の第1ビタビ復号部がパーシャルレスポンス(1,2,2,2,1)に対応する場合の状態遷移を示す別の図である。
【図8】図5のブランチメトリック演算部の構成図である。
【図9】図5のパスメモリ部の構成図である。
【図10】図5の特定部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。
【図11】図2の加算部による信号の出力手順を示すフローチャートである。
【図12】図2の非線形等化部による係数の導出手順を示すフローチャートである。
【図13】従来及び図1の再生装置による出力信号のヒストグラムを示す図である。
【図14】実施の形態2の処理部の構成図である。
【図15】実施の形態3の処理部の構成図である。
【図16】実施の形態4の処理部の構成図である。
【図17】実施の形態5の等化処理部の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を具体的に説明する前に概要を述べる。本実施の形態は、DVDやBD、次世代光ディスク等、光ディスク等の記録媒体に記録されている信号を再生し、再生した信号(以下、「再生信号」という。)をパーシャルレスポンス方式により等化するととともに、等化した信号(以下、「等化信号」という。)を復号する再生装置に関する。
【0019】
上述したように、光ディスクの記録容量が高まり、その記録領域が高密度化すると、線形等化回路では除去しきれない非線形歪の影響が大きくなる。非線形歪を除去するためには、ニューラルネットワークにより実現される非線形等化回路を用いることが有効であるが、一般的にニューラルネットワークに所望の動作を実行させるためには、既知のトレーニング信号を使用し、学習動作を予め実行させる必要がある。それに対し、本実施の形態の再生装置は、再生信号の非線形歪をトレーニング信号を用いることなく低減する。
【0020】
本実施の形態の再生装置は、線形等化部と非線形等化部とを有し、線形等化部には再生信号が入力され、非線形等化部には、再生信号又は線形等化部によって得られた信号が入力される。線形等化部によって得られた等化信号(以下、「線形等化信号」という。)と、非線形等化部によって得られた等化信号(以下、「非線形等化信号」という。)とは加算部によって加算され、加算された信号(以下、「加算信号」という。)は第1ビタビ復号部に送られる。
【0021】
第1ビタビ復号部は加算信号を仮判定し、第1ビタビ復号部によって仮判定された信号(以下、「第1仮判定信号」という。)は、教師信号として非線形等化部へ送られる。非線形等化部は、教師信号をもとに非線形等化のためのタップ係数を導出して非線形等化を実行する。これにより、本実施の形態の非線形等化部は、再生信号の非線形歪をトレーニング信号を用いることなく低減することができる。
【0022】
また、線形等化部によって得られた線形等化信号は、第2ビタビ復号部へ送られ、第2ビタビ復号部は線形等化信号を仮判定し、第2ビタビ復号部によって仮判定された信号(以下、「第2仮判定信号」という。)は、等化目標値として線形等化部に戻される。線形等化部は、教師信号とは別の等化目標値をもとに線形等化のためのタップ係数を導出して線形等化を実行する。これにより、再生信号の線形等化及び非線形等化が発散する確率を低減することができる。
【0023】
以下に、本発明を実施するための形態を図面を参照して具体的に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の再生装置100の構成図である。再生装置100は、光ディスクAに記録されている信号を再生する装置であって、光ディスク駆動部1と、光ピックアップ2と、プリアンプ部3と、AGC部4と、PLL(Phase Locked Loop)部5と、A/D変換部6と、処理部7とを有する。なお、図1には、光ディスクAも表示されている。光ディスクAは、CD、DVD、BD、又はHD DVD等の、再生装置100に着脱可能に構成された記録媒体であり、着脱可能なメモリやHDD、着脱不可記録媒体でも良い。
【0025】
光ディスク駆動部1は、所定の回転速度で光ディスクAを回転させるためのモータである。光ピックアップ2は、光ディスクAから処理対象となる信号を読み出すとともに、その信号に対して光電変換及び増幅を実行する。これにより得られる信号が、上述した「再生信号」である。光ピックアップ2は、再生信号をプリアンプ部3へ出力する。
【0026】
プリアンプ部3は、再生信号を増幅し、AGC部4は、プリアンプ部3からの再生信号を所定の振幅に増幅する。AGC部4は、増幅した再生信号をPLL部5へ出力し、PLL部5は、再生信号からクロックを検出する。A/D変換部6は、PLL部5によって検出されたクロックをもとに、再生信号をアナログ/デジタル変換する。処理部7は、A/D変換部6によってアナログ/デジタル変換された再生信号(以下、これもまた「再生信号」という。)に対して、等化処理及び復号処理を実行する。処理部7の詳細は後述する。
【0027】
図2は、実施の形態1の処理部7の構成図である。処理部7は、線形等化部11と、非線形等化部12と、加算部13と、第1ビタビ復号部14と、非線形遅延部15と、非線形等化誤差生成部16と、非線形収束判定部17と、第2ビタビ復号部18と、線形遅延部19と、線形等化誤差生成部20とを有する。
【0028】
図1のA/D変換部6によってビットクロック毎にサンプリングされた再生信号は、線形等化部11と非線形等化部12とに送られる。線形等化部11は、送られてきた再生信号を順次線形等化する。線形等化部11は、トランスバーサルフィルタにより構成されており、多段タップで再生信号を遅延させるとともに、多段タップからの出力と対応するタップ係数とを乗算し、かつ乗算結果を加算する。線形等化部11によって得られる加算結果が、上述した「線形等化信号」である。
【0029】
また、線形等化部11は、線形等化誤差生成部20から線形等化用誤差信号301を受け取り、線形等化用誤差信号301をもとに、複数のタップ係数を導出する。複数のタップ係数の導出には、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムのような適応アルゴリズムが使用される。線形等化部11は、線形等化信号を、加算部13と、第2ビタビ復号部18と、線形遅延部19とへ出力する。
【0030】
非線形等化部12は、線形等化部11が行う線形等化と並行して、再生信号を順次非線形等化する。非線形等化部12は、ニューラルネットワークにより構成されている。非線形等化部12によって得られる非線形等化の結果が、上述した「非線形等化信号」である。また、非線形等化部12は、非線形等化誤差生成部16から非線形等化用誤差信号300を受け取り、非線形等化用誤差信号300をもとに、ニューラルネットワークにおける複数のタップ係数を導出する。
【0031】
後述するが、非線形等化用誤差信号300は、非線形遅延部15によって遅延した加算部13からの加算信号と、第1ビタビ復号部14からの第1仮判定信号302との差により生成される。そのため、非線形等化部12は、第1仮判定信号302を教師信号として非線形等化のための係数を導出するといえる。非線形等化部12は、非線形等化信号を加算部13へ出力する。
【0032】
加算部13は、線形等化部11からの線形等化信号と、非線形等化部12からの非線形等化信号とを受け取り、線形等化信号と非線形等化信号とを加算し、それにより加算信号を生成する。加算部13は、加算信号を、第1ビタビ復号部14と非線形遅延部15とへ出力する。
【0033】
第1ビタビ復号部14は、加算部13からの加算信号を受け取り、加算信号に対してビタビ復号を実行する。第1ビタビ復号部14は、加算信号からブランチメトリックを計算するブランチメトリック演算回路と、ブランチメトリックを1クロック毎に累積加算してパスメトリックを計算するパスメトリック演算回路と、パスメトリックが最小となるデータ系列を最も確からしい候補系列として選択して記憶するパスメモリとを有する。パスメモリは、複数の候補系列を保持しており、パスメトリック演算回路からの選択信号にしたがって候補系列を選択する。選択された候補系列は、データ系列として図示しない再生装置100の外部に出力される。
【0034】
また、第1ビタビ復号部14は、パスメモリに記憶されているデータ系列に対して、パーシャルレスポンス規則にしたがって仮判定を実行することにより、加算信号を順次仮判定する。つまり、第1ビタビ復号部14は、パスメモリに記憶されている候補系列に対して、所定のビット数を使ってパーシャルレスポンスの仮判定を実行する。具体的に説明すると、第1ビタビ復号部14は、パーシャルレスポンス等化が正常に行われた場合、所定の入力ビットに対する出力のレベルを仮判定し、入力ビットに対して仮判定したレベルを第1仮判定信号302として非線形等化誤差生成部16へ出力する。なお、第1ビタビ復号部14は、パスメモリの最終結果に対して仮判定を行ってもよいが、それに限らず、パスメモリの途中の候補系列に対して仮判定を行ってもよい。例えば、パスメモリ長が64ビットであれば、第1ビタビ復号部14は、24ビット目又は32ビット目の候補系列に対して仮判定を行ってもよい。
【0035】
非線形遅延部15は、加算部13からの加算信号を受け取り、加算信号を遅延させた後、遅延した加算信号を非線形等化誤差生成部16へ出力する。非線形遅延部15は、第1ビタビ復号部14による仮判定のための処理遅延に応じた期間にわたって遅延を実行する。つまり、非線形遅延部15によって、加算信号が加算部13から第1ビタビ復号部14へ至った後に第1ビタビ復号部14から出力された第1仮判定信号302の非線形等化誤差生成部16への入力タイミングと、加算信号の非線形等化誤差生成部16への入力タイミングとが合わされる。非線形遅延部15は、例えば、ビットクロックで駆動されるラッチ回路により構成される。
【0036】
非線形等化誤差生成部16は、非線形遅延部15からの加算信号と、第1ビタビ復号部14からの第1仮判定信号302とを受け取る。上述したように、加算信号と第1仮判定信号302との非線形等化誤差生成部16への入力タイミングは合っている。非線形等化誤差生成部16は、加算信号と第1仮判定信号302との差をもとに、非線形等化用誤差信号300を生成する。例えば、非線形等化誤差生成部16は、加算信号から第1仮判定信号302を減ずることによって非線形等化用誤差信号300を生成する。非線形等化誤差生成部16は、非線形等化用誤差信号300を、非線形等化部12と非線形収束判定部17とへ出力する。
【0037】
非線形等化部12は、非線形等化用誤差信号300をもとに、ニューラルネットワークのタップ係数を更新するが、タップ係数が収束するまでの間、非線形等化部12の動作は不安定である。そのため、再生装置100の動作の最初から、第1ビタビ復号部14が加算信号に対してビタビ復号を実行すると、第1ビタビ復号部14から出力されるデータ系列が誤る可能性が高くなる。つまり、収束前から加算信号を第1ビタビ復号部14へ入力することは好ましくない。
【0038】
そこで、非線形収束判定部17は、非線形等化部12における複数のタップ係数が収束したか否かを判定する。具体的に説明すると、非線形収束判定部17は、非線形等化用誤差信号300の二乗値を所定の期間にわたって加算することにより積算し、積算値としきい値とを比較し、積算値がしきい値以下になれば、非線形等化部12におけるタップ係数は収束したと判定する。他方、積算値がしきい値より大きければ、非線形収束判定部17は、非線形等化部12におけるタップ係数は収束していないと判定する。非線形収束判定部17は、非線形等化部12におけるタップ係数が収束しているか否かを示す判定結果を加算部13へ出力する。
【0039】
加算部13は、非線形収束判定部17によって非線形等化部12におけるタップ係数が収束されたと判定されるまでの間、つまりタップ係数が収束していないと判定された場合、加算信号を第1ビタビ復号部14へ出力せずに、線形等化部11からの線形等化信号を第1ビタビ復号部14へ出力する。他方、非線形収束判定部17によって非線形等化部12におけるタップ係数が収束されたと判定された後は、加算部13は、上述したように、加算信号を第1ビタビ復号部14へ出力する。
【0040】
つまり、ニューラルネットワークが収束するまでの間は、線形等化信号が第1ビタビ復号部14へ送られ、ニューラルネットワークが収束した後は、加算信号が第1ビタビ復号部14へ送られる。これにより、第1ビタビ復号部14から出力されるデータ系列に対する非線形等化信号による悪影響が低減される。言い替えると、第1ビタビ復号部14から出力されるデータ系列が誤る可能性が低くなる。なお、加算部13は、非線形収束判定部17からの判定結果に関わらず、非線形遅延部15へは加算信号を出力する。
【0041】
なお、非線形収束判定部17は、ニューラルネットワークが収束した後、非線形等化用誤差信号300の二乗値の総和である積算値がしきい値よりも再び大きくなった場合、非線形等化部12の複数のタップ係数が発散したと判定する。その場合、非線形収束判定部17は、その判定結果を非線形等化部12に出力し、非線形等化部12は、複数のタップ係数を新たに導出する。なお、非線形等化部12は、積算値が所定の収束値以下となった場合には複数のタップ係数の更新を停止してもよい。
【0042】
また、ニューラルネットワークにおける複数のタップ係数を最初から収束値に近い値に設定することができれば、加算部13は、最初から加算信号を第1ビタビ復号部14へ出力してよい。また、非線形収束判定部17は、非線形等化用誤差信号300の二乗値を所定の期間にわたって加算することにより得られる積算値がしきい値以下になれば、非線形等化部12におけるタップ係数は収束したと判定するのではなく、判定動作の開始からの所定の時間の経過をもって非線形等化部12におけるタップ係数は収束したと判定してもよい。
【0043】
第2ビタビ復号部18は、線形等化部11からの線形等化信号を受け取り、第1ビタビ復号部14と同様にして、線形等化信号を順次仮判定し、第2仮判定信号303を線形等化誤差生成部20へ出力する。すなわち、第2ビタビ復号部18は、第1ビタビ復号部14と同様に、ブランチメトリック演算回路と、パスメトリック演算回路と、パスメモリとを有しており、パスメモリに記憶されているデータ系列に対して、パーシャルレスポンス規則にしたがって仮判定を実行することにより、線形等化信号を順次仮判定する。このように、第2ビタビ復号部18は、第1ビタビ復号部14と同様に動作する。
【0044】
線形遅延部19は、線形等化部11から線形等化信号を受け取り、線形等化信号を遅延させた後、遅延した線形等化信号を線形等化誤差生成部20へ出力する。線形遅延部19は、第2ビタビ復号部18によって行われる仮判定のための処理遅延に応じた期間にわたって遅延を実行する。つまり、線形遅延部19によって、線形等化信号が線形等化部11から第2ビタビ復号部18へ至った後に第2ビタビ復号部18から出力された第2仮判定信号303の線形等化誤差生成部20への入力タイミングと、線形等化信号の線形等化誤差生成部20への入力タイミングとが合わされる。線形遅延部19は、例えば、ビットクロックで駆動されるラッチ回路により構成される。
【0045】
線形等化誤差生成部20は、線形遅延部19からの線形等化信号と、第2ビタビ復号部18からの第2仮判定信号303とを受け取る。上述したように、線形等化信号と第2仮判定信号303との線形等化誤差生成部20への入力タイミングは合っている。線形等化誤差生成部20は、線形等化信号と第2仮判定信号303との差をもとに、線形等化用誤差信号301を生成する。例えば、線形等化誤差生成部20は、線形等化信号から第2仮判定信号303を減ずることによって線形等化用誤差信号301を生成する。線形等化誤差生成部20は、線形等化用誤差信号301を線形等化部11へ出力する。
【0046】
図3は、線形等化部11の構成図である。線形等化部11は、多段タップ50と、線形処理部52とを有する。多段タップ50は、遅延タップ54と総称される第1遅延タップ54a、第2遅延タップ54b、第3遅延タップ54c、及び第N遅延タップ54nを有する。線形処理部52は、乗算部56と総称される第1乗算部56a、第2乗算部56b、第3乗算部56c、及び第N+1乗算部56n+1と、タップ係数導出部58と、積算部60とを有する。
【0047】
多段タップ50は、複数の遅延タップ54がシリアルに接続されることによって構成されている。具体的に説明すると、第1遅延タップ54aは、再生信号を受け取り、遅延後、再生信号を出力する。第2遅延タップ54bは、第1遅延タップ54aからの再生信号を受け取り、遅延後、再生信号を出力する。第3遅延タップ54cから第N遅延タップ54nも、同様の処理を実行する。遅延タップ54への入力と出力が多段タップ50からの出力信号であり、例えば、4個の遅延タップ54が配置される場合、5個の出力信号が存在する。これらの出力信号は、乗算部56へ送られる。
【0048】
乗算部56は、遅延タップ54からの出力信号を受け取るとともに、タップ係数導出部58からのタップ係数を受け取る。タップ係数は、各出力信号に対応づけられて導出されている。乗算部56は、対応づけられている出力信号とタップ係数とを乗算する。乗算部56は、各乗算結果を積算部60へ出力する。積算部60は、乗算部56からの乗算結果を次々に加算して加算結果である積算値を算出する。加算結果である積算値が、上述した「線形等化信号」である。
【0049】
積算部60は、線形等化信号を線形等化部11の外部へ出力する。タップ係数導出部58は、線形等化用誤差信号301を受け取り、再生信号がパーシャルレスポンス特性に適合するように、線形等化用誤差信号301と、乗算部56によって得られる乗算結果とを使用して、複数のタップ係数を制御する。なお、タップ係数の導出には、例えばLMSアルゴリズムのような適応アルゴリズムが使用され、それにより、線形等化用誤差信号301が小さくなるように制御される。
【0050】
図4は、非線形等化部12の構成図である。非線形等化部12は、多段タップ70と、非線形処理部72とを有する。多段タップ70は、遅延タップ74と総称される第1遅延タップ74a、第2遅延タップ74b、及び第N遅延タップ74nを有する。非線形処理部72は、乗算部76と、積算部78と、関数演算部80と、乗算部82と、積算部84と、関数演算部86と、タップ係数導出部88とを有する。
【0051】
乗算部76は、第11乗算部76aaと、第12乗算部76abと、第1M乗算部76amと、第21乗算部76baと、第22乗算部76bbと、第2M乗算部76bmと、第(N+1)1乗算部76(n+1)aと、第(N+1)2乗算部76(n+1)bと、第(N+1)M乗算部76(n+1)mとを有する。積算部78は、第1積算部78aと、第2積算部78bと、第M積算部78mとを有する。関数演算部80は、第1関数演算部80aと、第2関数演算部80bと、第M関数演算部80mとを有する。乗算部82は、第1乗算部82aと、第2乗算部82bと、第M乗算部82mとを有する。
【0052】
非線形等化部12は、図4に示すように、3層パーセプトロン型のニューラルネットワークにより構成されている。入力層が多段タップ70に相当し、隠れ層が関数演算部80に相当し、出力層が関数演算部86に相当する。
【0053】
多段タップ70は、複数の遅延タップ74がシリアルに接続されることによって構成されている。具体的に説明すると、第1遅延タップ74aは、再生信号を受け取り、遅延後、再生信号を出力する。第2遅延タップ74bは、第1遅延タップ74aからの再生信号を受け取り、遅延後、再生信号を出力する。第N遅延タップ74nも、同様の処理を実行する。遅延タップ74への入力と出力が多段タップ70からの出力信号である。これらの出力信号は、乗算部76へ送られる。
【0054】
乗算部76は、多段タップ70からの出力信号と、タップ係数導出部88からのタップ係数とを乗算する。具体的に説明すると、第IJ乗算部76ijは、多段タップ70の先頭からi番目の出力信号S(i)と、タップ係数W1(i,j)とを乗算し、それにより乗算結果U(i,j)を生成する。積算部78は、乗算部76によって得られた乗算結果を次々に加算する。具体的に説明すると、第J積算部78jは、乗算結果U(1,j)、U(2,j)、U(3,j)、・・・、及びU(n+1,j)を加算し、それにより積算結果V(j)を生成する。関数演算部80は、積算部78によって得られた積算結果V(j)を次の(式1)のシグモイド関数のxに代入して演算する。
【0055】
f(x)=(1−exp(−αx))/(1+exp(−αx))…(式1)
関数演算部80によって得られた演算結果が、隠れ層からの出力に相当する。
【0056】
乗算部82は、関数演算部80によって得られた演算結果とタップ係数導出部88からのタップ係数とを乗算する。具体的に説明すると、第J乗算部82jは、第J関数演算部80jによって得られた演算結果X(j)と、タップ係数W2(j)とを乗算し、それにより乗算結果Y(j)を生成する。積算部84は、乗算部82によって得られた乗算結果を次々に加算する。積算部84は、全ての乗算部82によって得られた乗算結果を加算し、それにより積算結果Zを生成する。関数演算部86は、積算部84によって得られた積算結果Zを(式1)のシグモイド関数のxに代入して演算する。関数演算部86によって得られた演算結果が、出力層からの出力に相当し、上述した「非線形等化信号」である。
【0057】
タップ係数導出部88は、乗算部76及び乗算部82によって使用されるタップ係数W1(i,j)及びタップ係数W2(j)を導出する。なお、W1(i,j)及びW2(j)の初期値として、ランダムな値や収束後に近い値が設定される。また、タップ係数導出部88は、図3のタップ係数導出部58と同様にLMSアルゴリズムによって、W1(i,j)及びW2(j)を更新する。W1(i,j)及びW2(j)の学習は、バックプロパゲーションによって行われる。非線形等化用誤差信号300の二乗値は、次の(式2)により示される。
【0058】
E=(A−D)2…(式2)
Aは、線形等化信号と非線形等化信号との和(加算信号)に相当し、Dは、第1仮判定信号302に相当する。つまり、(A−D)は、非線形等化用誤差信号300に相当する。タップ係数導出部88は、Eが最小となるように、W1(i,j)及びW2(j)を制御する。出力層でのバックプロパゲーションの結果は次の(式3)により示される。
【0059】
(∂E)/(∂Y(j))=f’(Y(j))×2(A−D)…(式3)
タップ係数導出部88は、タップ係数W2(j)を次の(式4)ように更新する。
【0060】
W2(j)=W2(j)old−ε×(∂E)/(∂W2(j))…(式4)
W2(j)oldは、一つ前のタイミングにおけるタップ係数W2(j)を示す。他方、隠れ層でのバックプロパゲーションは次の(式5)ように示される。
【0061】
(∂E)/(∂U(i,j))=
f’(U(i,j))×(∂E)/(∂Y(j))×W2(j)…(式5)
タップ係数導出部88は、タップ係数W1(i,j)を次の(式6)ように更新する。
【0062】
W1(i,j)=
W1(i,j)old−ε×(∂E)/(∂W1(i,j))…(式6)
W1(i,j)oldは、一つ前のタイミングにおけるタップ係数W1(i,j)を示す。
【0063】
図5は、第1ビタビ復号部14の構成図である。第1ビタビ復号部14は、ブランチメトリック演算部90と、パスメモリ部92と、多数決部94と、特定部96とを有する。ブランチメトリック演算部90は、加算部13からの線形等化信号又は加算信号(以下、「加算信号」と総称する。)をもとに、ブランチメトリック演算及びパスメトリック演算を実行する。そのため、ブランチメトリック演算部90には、上述したブランチメトリック演算回路とパスメトリック演算回路とが含まれる。上述したように、本実施の形態では、パーシャルレスポンス方式が適用されている。そこで、第1ビタビ復号部14の構成を説明する前に、パーシャルレスポンス方式における状態遷移を説明する。
【0064】
図6は、第1ビタビ復号部14がパーシャルレスポンス(1,2,2,2,1)に対応する場合の状態遷移を示す図である。パーシャルレスポンス(1,2,2,2,1)では、振幅が±4の範囲に収まる。4ビットを1個の組合せとすれば、組合せに含まれる値に応じて、S0からS9までの10状態が規定されている。また、次に入力されるビット値に応じて図6に示すように、状態が遷移する。例えば、状態S0にビット値「1」が入力されると、状態S1へ遷移する。図6において、状態間を結ぶ矢印に「x/y」の値が示されているが、xは、入力されるビット値を示し、yは、もとの状態に新たなビット値が加わった5ビットに対する仮判定値を示す。
【0065】
図7は、第1ビタビ復号部14がパーシャルレスポンス(1,2,2,2,1)に対応する場合の状態遷移を示す。図7は、連続した2個のタイミングでの状態を示しており、各状態は、図6と同様である。
【0066】
図8は、ブランチメトリック演算部90の構成図である。ブランチメトリック演算部90は、加算部110と、二乗回路112と、ACS(Add Compare Select)回路114と、加算部116とを有する。
【0067】
加算部110は、第1加算部110aと、第2加算部110bと、第3加算部110cと、第4加算部110dと、第5加算部110eと、第6加算部110fと、第7加算部110gと、第8加算部110hと、第9加算部110iと、第10加算部110jと、第11加算部110kと、第12加算部110lと、第13加算部110mと、第14加算部110nと、第15加算部110oと、第16加算部110pとを有する。
【0068】
二乗回路112は、第1二乗回路112aと、第2二乗回路112bと、第3二乗回路112cと、第4二乗回路112dと、第5二乗回路112eと、第6二乗回路112fと、第7二乗回路112gと、第8二乗回路112hと、第9二乗回路112iと、第10二乗回路112jと、第11二乗回路112kと、第12二乗回路112lと、第13二乗回路112mと、第14二乗回路112nと、第15二乗回路112oと、第16二乗回路112pとを有する。
【0069】
ACS回路114は、第1ACS回路114aと、第2ACS回路114bと、第3ACS回路114cと、第4ACS回路114dと、第5ACS回路114eと、第6ACS回路114fとを有する。加算部116は、第1加算部116aと、第2加算部116bと、第3加算部116cと、第4加算部116dとを有する。
【0070】
加算部110は、加算信号から所定の目標値を減じる。二乗回路112は、加算部110によって得られた減算結果の二乗値を算出する。ACS回路114は、二乗回路112によって得られた二乗値に対して、加算、比較、及び選択によるメトリック演算を実行する。また、ACS回路114は、メトリック演算の結果として、第0選択信号SEL0、第1選択信号SEL1、第2選択信号SEL2、第7選択信号SEL7、第8選択信号SEL8、及び第9選択信号SEL9をパスメモリ部92へ出力する。以下では、第0選択信号SEL0、第1選択信号SEL1、第2選択信号SEL2、第7選択信号SEL7、第8選択信号SEL8、及び第9選択信号SEL9を、選択信号SELと総称する。また、パーシャルレスポンス特性からACS回路114へ入力されない二乗値も存在する。加算部116は、そのような二乗値を加算する。図5に戻る。
【0071】
パスメモリ部92は、ブランチメトリック演算部90から選択信号SELを受け取り、選択信号SELに応じたパスを記憶する。図9は、パスメモリ部92の構成図である。パスメモリ部92は、メモリ120と、選択部122と、多数決部124とを有する。
【0072】
メモリ120は、第11メモリ120aa〜第30メモリ120bjと、第(L+1)1メモリ120(l+1)a〜第(L+1)10メモリ120(l+1)jとを有する。
【0073】
選択部122は、第11選択部122aa〜第16選択部122afと、第L1選択部122la〜第L6選択部122lfとを有する。
【0074】
実施の形態1では、L+1のメモリ120によって1個のパスが記憶され、かつ図6及び図7に示す10種類の状態のそれぞれに対応するように、10種類のパスが記憶される。選択部122は、選択信号SELに応じて、いずれかのパスを選択する。選択されたパスが、生き残りパスに相当する。多数決部124は、第(L+1)1メモリ120(l+1)aから第(L+1)10メモリ120(l+1)jのそれぞれに記憶されたビット値を受け取り、多数決を実行する。多数決によって選択されたビット値が、復号結果に相当する。多数決部124は、復号結果を再生装置100の外部へ出力する。なお、パスの途中のメモリ120に記憶されたビット値がビット信号304として多数決部94へ出力される。ビット信号304には、10種類のパスのうち、同一のタイミングに対応した10のビット値が含まれる。図5に戻る。
【0075】
多数決部94は、ビット信号304を受け取り、ビット信号304に含まれた10のビット値に対して多数決を実行する。多数決部94は、多数決によって選択したビット値(以下、「選択値」という。)を特定部96へ出力する。特定部96は、多数決部94からの選択値を受け取り、ラッチにより選択値を保持する。特定部96は、過去の選択値を含めて、5個のタイミングに対応した選択値から1個の組合せを選択する。なお、特定部96に新たな選択値が入力されると、組合せの中から最も過去の選択値が除外されることにより、組合せが更新される。
【0076】
図10は、特定部96に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。図10に示すように、特定部96に記憶されたテーブルのデータ構造は、メモリ値欄200と、b(k)欄202と、b(k−1)欄204と、b(k−2)欄206と、b(k−3)欄208と、b(k−4)欄210と、仮判定出力欄212とを含む。b(k)は、最も新しく入力された選択値に相当し、b(k−1)は、一つ前のタイミングに入力された選択値に相当し、b(k−4)は、四つ前のタイミングに入力された選択値に相当する。上述したように、これらはラッチにより保持される。
【0077】
b(k)欄202からb(k−4)欄210には、ラッチに保持された選択値が取り得る値の組合せが示されている。メモリ値欄200には、取り得る値に対応したメモリ値が示され、仮判定出力欄212には、取り得る値に対応した仮判定値が示されている。例えば、パスメモリの内容が「00000」であれば、それには仮判定値「−4」が対応づけられており、パスメモリの内容が「00001」であれば、それには仮判定値「−3」が対応づけられている。図5に戻る。特定部96は、図10に示すテーブルを参照しながら、組合せに対応した仮判定値を特定する。特定部96は、仮判定値を第1仮判定信号302として非線形等化誤差生成部16へ出力する。
【0078】
なお、図5から図9を用いて第1ビタビ復号部14を説明したが、第2ビタビ復号部18は、第1ビタビ復号部14と同様に構成されている。
【0079】
次に、再生装置100の動作を説明する。図11は、加算部13による信号の出力手順を示すフローチャートである。非線形収束判定部17は、非線形等化誤差生成部16から非線形等化用誤差信号300を受け取り、非線形等化用誤差信号300の大きさを導出する。非線形等化用誤差信号300の大きさがしきい値以内に収束していなければ(S10でNo)、加算部13は、線形等化信号を第1ビタビ復号部14に出力する(S12)。他方、非線形等化用誤差信号300の大きさがしきい値以内に収束していれば(S10でYes)、加算部13は、加算信号を第1ビタビ復号部14に出力する(S14)。
【0080】
図12は、非線形等化部12による係数の導出手順を示すフローチャートである。非線形収束判定部17は、非線形等化用誤差信号300の大きさが収束した後も、継続して非線形等化用誤差信号300の大きさを導出する。非線形等化用誤差信号300の大きさがしきい値よりも大きくなった場合(S40でYes)、非線形等化部12は新たにタップ係数を導出する(S42)。大きさがしきい値よりも大きくならなければ(S40でNo)、処理は終了する。
【0081】
図13は、従来及び再生装置100による出力信号のヒストグラムを示す図である。図13(a)は、従来の線形等化回路により等化した信号のヒストグラムを示す。このときのビットエラーレートは、1.1×10−2である。他方、図13(b)は、再生装置100により等化した信号のヒストグラムを示す。このときの目標値は、上述したように、パーシャルレスポンス(1,2,2,2,1)の9値としている。また、このときのビットエラーレートは、1.5×10−4である。従来の線形等化回路における特性の不良は、波形に非線形成分が含まれているので、等化目標値への収束が不充分であるためであると推定される。
【0082】
上述したように、実施の形態1の再生装置100は、線形等化と非線形等化とを並列に実行して線形等化信号と非線形等化信号とを加算し、加算信号を仮判定した結果を教師信号とするので、トレーニング信号を使用することなく、非線形等化のための係数を導出してできる。したがって、再生装置100は、トレーニング信号を使用することなく非線形等化を実行でき、記録密度の向上や記録パワー変動等によって生じる再生信号の非線形歪をトレーニング信号を用いることなく低減できる。
【0083】
また、再生装置100は、ニューラルネットワークを用いた非線形透化の教師信号とは別の等化目標値をもとに線形等化のためのタップ係数を導出して線形等化を実行するので、再生信号の線形等化及び非線形等化の発散を防止することができる。
【0084】
更に、再生装置100は、パーシャルレスポンス規則にしたがって仮判定を実行するので、パーシャルレスポンス処理に対応できる。また、再生装置100では、非線形等化のための係数が収束されるまで、非線形等化信号を含む加算信号が第1ビタビ復号部14へ出力されないので、第1仮判定信号302の精度の悪化を抑制できるとともに、処理の初期段階であっても、等化処理の精度の悪化を抑制できる。
【0085】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2の再生装置を図14を用いて説明する。実施の形態1と実施の形態2とは、処理部7の構成のみが異なる。したがって、実施の形態2では、実施の形態1との相違点のみを説明する。
【0086】
図14は、実施の形態2の再生装置を構成する処理部7の構成図である。実施の形態2の処理部7は、図14に示すように、実施の形態1の処理部7が有する構成要件に加えて、加算用遅延部21を有する。加算用遅延部21は、線形等化部11によって得られた線形等化信号を、非線形等化部12によって行われる非線形等化のための処理遅延に応じた期間にわたって遅延させる。
【0087】
また、実施の形態2では、非線形等化部12は、再生信号ではなく線形等化部11によって得られた線形等化信号を非線形等化する。更に、加算部13は、加算用遅延部21から線形等化部11によって得られた線形等化信号と、非線形等化部12によって得られた非線形等化信号とを受け取り、線形等化信号と非線形等化信号とを加算し、それにより加算信号を生成する。なお、加算用遅延部21により、線形等化信号と非線形等化信号との加算部13への入力タイミングは合っている。
【0088】
実施の形態2の再生装置においても、非線形等化部12は、第1ビタビ復号部14によって得られた第1仮判定信号302に基づく教師信号をもとに、非線形等化のためのタップ係数を導出して非線形等化を実行する。これにより、本実施の形態の非線形等化部12は、再生信号の非線形歪をトレーニング信号を用いることなく低減することができる。
【0089】
また、線形等化部11は、教師信号とは別の、第2ビタビ復号部18によって得られた第2仮判定信号303に基づく等化目標値をもとに、線形等化のためのタップ係数を導出して線形等化を実行する。これにより、実施の形態2の再生装置においても、再生信号の線形等化及び非線形等化の発散を防止することができる。すなわち、実施の形態2の再生装置は、性能低下を来すことなく安定した状態で等化処理を行うことができる。更に言うと、実施の形態2の再生装置は、実施の形態1の再生装置100よりも、線形等化及び非線形等化が収束するまでの時間を短くすることができるとともに、線形等化及び非線形等化の精度を高めることができる。
【0090】
なお、実施の形態2の再生装置による出力信号のヒストグラムは、図13(b)に示すヒストグラムとほぼ同様であった。すなわち、実施の形態2の再生装置による出力信号のヒストグラムは、実施の形態1の再生装置100による出力信号のヒストグラムとほぼ同様であった。ビットエラーレートは、従来は1.1×10−2であったのに対し、実施の形態2の再生装置では1.6×10−4であって、実施の形態1と同様に従来から大きく改善された。実施の形態1と実施の形態2の等化結果の差が小さいのは、実施の形態1の再生装置100も実施の形態2の再生装置も、波形歪の大半を占める線形歪を同一の構成により補償しているからであると推定される。
【0091】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3の再生装置を図15を用いて説明する。図15は、実施の形態3の再生装置を構成する処理部7の構成図である。実施の形態1実施の形態3とでは、処理部7の線形等化部11、非線形収束判定部17、第2ビタビ復号部18、線形遅延部19、及び線形等化誤差生成部20の動作のみが異なる。したがって、実施の形態3では、実施の形態1との相違点のみを説明する。
【0092】
実施の形態3では、非線形収束判定部17は、非線形等化部12におけるタップ係数が収束したと判定した場合、その旨を示す非線形収束判定結果305を、線形等化部11、第2ビタビ復号部18、線形遅延部19、及び線形等化誤差生成部20へ出力する。線形等化部11は、非線形収束判定結果305を受け取ると、線形等化のためのタップ係数の更新を停止し、以後、停止直前のタップ係数を固定値として用いて線形等化を実行する。これは、非線形等化部12における非線形等化のためのタップ係数が収束すると、線形等化部11における線形等化のためのタップ係数も収束していると推定されるからである。
【0093】
また、第2ビタビ復号部18、線形遅延部19、及び線形等化誤差生成部20は、非線形収束判定結果305を受け取ると、処理を停止する。これにより、実施の形態3の再生装置により消費される電力は、実施の形態1の再生装置100により消費される電力より少なくなる。また、実施の形態3の再生装置100は、実施の形態1の再生装置100より、線形等化及び非線形等化を安定して行うことができる。
【0094】
なお、図14を用いて説明した実施の形態2の再生装置の処理部7においても、非線形収束判定部17は、非線形等化部12におけるタップ係数が収束したと判定した場合、その旨を示す非線形収束判定結果を、線形等化部11、第2ビタビ復号部18、線形遅延部19、及び線形等化誤差生成部20へ出力してもよい。その場合、実施の形態2の処理部7における線形等化部11、第2ビタビ復号部18、線形遅延部19、及び線形等化誤差生成部20それぞれは、図15を用いて説明した線形等化部11、第2ビタビ復号部18、線形遅延部19、及び線形等化誤差生成部20それぞれと同様に動作する。
【0095】
また、再生装置は、非線形収束判定部17によって非線形等化部12におけるタップ係数が収束したと判定された場合、第2ビタビ復号部18、線形遅延部19、及び線形等化誤差生成部20の処理を停止させるスイッチを有していてもよい。
【0096】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4の再生装置を図16を用いて説明する。図16は、実施の形態4の再生装置を構成する処理部7の構成図である。実施の形態1と実施の形態4とでは、処理部7の構成のみが異なる。したがって、実施の形態4では、実施の形態1との相違点のみを説明する。
【0097】
実施の形態4の処理部7は、図16に示すように、実施の形態1の処理部7が有する構成要件に加えて、線形収束判定部22を有する。線形収束判定部22は、線形等化部11における複数のタップ係数が収束したか否かを判定する。具体的に説明すると、線形収束判定部22は、線形等化用誤差信号301の二乗値を所定の期間にわたって加算することにより積算し、積算値としきい値とを比較し、積算値がしきい値以下になれば、線形等化部11におけるタップ係数は収束したと判定する。他方、積算値がしきい値より大きければ、線形収束判定部22は、線形等化部11におけるタップ係数は収束していないと判定する。線形収束判定部22は、線形等化部11におけるタップ係数が収束した場合、その旨を示す線形収束判定結果306を、第1ビタビ復号部14、非線形遅延部15、非線形等化誤差生成部16、及び非線形収束判定部17へ出力する。
【0098】
第1ビタビ復号部14は、線形収束判定結果306を受け取った後に、すなわち線形等化部11における線形等化のための複数のタップ係数が収束した後に、仮判定を開始する。また、非線形遅延部15、非線形等化誤差生成部16、及び非線形収束判定部17は、線形収束判定結果306を受け取った後に、処理を開始する。これにより、非線形等化のためのタップ係数の発散を回避する可能性を高めることができる。また、実施の形態4の再生装置により消費される電力を、実施の形態1の再生装置100により消費される電力より少なくすることができる。
【0099】
なお、加算部13は、線形等化部11における線形等化のための複数のタップ係数が収束するまで、線形等化部11からの線形等化信号を第1ビタビ復号部14へ出力し、線形等化部11における複数のタップ係数が収束した後、加算信号を出力する。また、第1ビタビ復号部14は、線形等化部11における複数のタップ係数が収束した後に仮判定を開始するが、仮判定を実行するかしないかに関わらず、加算部13から線形等化信号又は加算信号を受け取ると、受け取った信号に対してビタビ復号を実行する。
【0100】
また、線形収束判定部22は、図14を用いて説明した実施の形態2の再生装置の処理部7においても設けられてもよい。その場合、実施の形態2の線形収束判定部22、非線形遅延部15、非線形等化誤差生成部16、及び非線形収束判定部17は、図16を用いて説明したように動作する。
【0101】
また、再生装置は、線形収束判定部22によって線形等化部11におけるタップ係数が収束したと判定された後に非線形遅延部15、非線形等化誤差生成部16、及び非線形収束判定部17の処理を開始させるスイッチを有していてもよい。
【0102】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5の再生装置を図17を用いて説明する。実施の形態5の再生装置は、上述した実施の形態1から実施の形態4の再生装置と同様の装置であって、線形等化部11と非線形等化部12とを含む処理部7を有する。線形等化部11及び非線形等化部12はいずれも多段タップを有しており、実施の形態5では、回路規模の増大を抑制するために、線形等化部11の多段タップと非線形等化部12の多段タップとが共通化されている。その点のみが実施の形態5と実施の形態1から実施の形態4との相違点である。以下ではその相違点を中心に説明する。
【0103】
図17は、実施の形態5の等化処理部30の構成図である。等化処理部30は、線形処理部52と、非線形処理部72と、多段タップ130とを有する。線形等化部11は、線形処理部52と多段タップ130とにより構成されている。非線形等化部12は、非線形処理部72と多段タップ130とにより構成されている。線形処理部52は図3を用いて説明し、非線形処理部72は図4を用いて説明したので、実施の形態5では、それらの説明を省略する。
【0104】
多段タップ130は、遅延タップ132と総称される第1遅延タップ132aと、第2遅延タップ132bと、第3遅延タップ132cと、第N遅延タップ132nとを有する。多段タップ130は、図3の線形等化部11に含まれる多段タップ50、及び図4の非線形等化部12に含まれる多段タップ70と同様に構成されており、複数の遅延タップ132がシリアルに接続されている。また、図17に示すように、多段タップ130は、線形等化部11と非線形等化部12とにおいて共通化されている。多段タップ130からの出力は、線形処理部52へ出力されるとともに非線形処理部72へも出力される。
【0105】
上述したように、実施の形態5では、線形等化部11と非線形等化部12とにおいて多段タップが共通化されるので、回路規模の増大を抑制できるとともに、線形等化及び非線形等化の精度の悪化を抑制できる。
【0106】
なお、上述した各実施の形態の再生装置の各構成要件は、例えば、コンピュータのCPU及びメモリ等のハードウエアと、ソフトウエア(プログラム)とが協働することによって実現される。しかしながら、再生装置の各構成要件は、専用のハードウエアによって実現されてもよく、実現手段は限定されない。
【0107】
また、上述した実施の形態において、第1ビタビ復号部14は、本発明の等化器の第1仮判定部の一例であり、第2ビタビ復号部18は、本発明の等化器の第2仮判定部の一例である。
【符号の説明】
【0108】
100 再生装置、 1 光ディスク駆動部、 2 光ピックアップ、 3 プリアンプ部、 4 AGC部、 5 PLL部、 6 A/D変換部、 7 処理部、 11 線形等化部、 12 非線形等化部、 13 加算部、 14 第1ビタビ復号部、 15 非線形遅延部、 16 非線形等化誤差生成部、 17 非線形収束判定部、 18 第2ビタビ復号部、 19 線形遅延部、 20 線形等化誤差生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象の信号を線形等化する線形等化部と、
前記処理対象の信号を非線形等化する非線形等化部と、
前記線形等化部によって線形等化された信号と、前記非線形等化部によって非線形等化された信号とを加算する加算部と、
前記加算部によって得られた信号を仮判定する第1仮判定部と、
前記線形等化部によって線形等化された信号を仮判定する第2仮判定部とを備え、
前記非線形等化部は、前記第1仮判定部によって仮判定された信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、
前記線形等化部は、前記第2仮判定部によって仮判定された信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する
等化器。
【請求項2】
処理対象の信号を線形等化する線形等化部と、
前記線形等化部によって線形等化された信号を非線形等化する非線形等化部と、
前記線形等化部によって線形等化された信号と、前記非線形等化部によって非線形等化された信号とを加算する加算部と、
前記加算部によって得られた信号を仮判定する第1仮判定部と、
前記線形等化部によって線形等化された信号を仮判定する第2仮判定部とを備え、
前記非線形等化部は、前記第1仮判定部によって仮判定された信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、
前記線形等化部は、前記第2仮判定部によって仮判定された信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する
等化器。
【請求項3】
前記線形等化部及び前記非線形等化部は、多段タップを有し、
前記線形等化部の多段タップと、前記非線形等化部の多段タップとは、共通化されている
請求項1又は2に記載の等化器。
【請求項4】
更に、前記非線形等化部によって導出される係数が収束したか否かを判定する非線形収束判定部を備え、
前記第1仮判定部は、前記非線形収束判定部によって収束が判定されるまで、前記線形等化部によって線形等化された信号を仮判定し、前記非線形収束判定部によって収束が判定された後、前記加算部によって得られた信号を仮判定する
請求項1又は2に記載の等化器。
【請求項5】
更に、前記非線形等化部によって導出される係数が収束したか否かを判定する非線形収束判定部を備え、
前記線形等化部は、前記非線形収束判定部によって収束が判定された後、線形等化のための係数の更新を停止し、
前記第2仮判定部は、前記非線形収束判定部によって収束が判定された後、処理を停止する
請求項1又は2に記載の等化器。
【請求項6】
更に、前記線形等化部によって導出される係数が収束したか否かを判定する線形収束判定部を備え、
前記非線形等化部及び前記第1仮判定部は、前記線形収束判定部によって収束が判定された後に、処理を開始する
請求項1又は2に記載の等化器。
【請求項7】
処理対象の信号を線形等化するステップと、
前記処理対象の信号を非線形等化するステップと、
線形等化した信号と非線形等化した信号とを加算するステップと、
加算によって得た信号を仮判定するステップと、
線形等化した信号を仮判定するステップとを含み、
非線形等化を実行するステップでは、加算によって得た信号を仮判定した信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、
線形等化を実行するステップでは、線形等化した信号を仮判定した信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する
等化方法。
【請求項8】
処理対象の信号を線形等化するステップと、
線形等化した信号を非線形等化するステップと、
線形等化した信号と非線形等化した信号とを加算するステップと、
加算によって得た信号を仮判定するステップと、
線形等化した信号を仮判定するステップとを含み、
非線形等化を実行するステップでは、加算によって得た信号を仮判定した信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、
線形等化を実行するステップでは、線形等化した信号を仮判定した信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する
等化方法。
【請求項9】
処理対象の信号を線形等化するステップと、
前記処理対象の信号を非線形等化するステップと、
線形等化した信号と非線形等化した信号とを加算するステップと、
加算によって得た信号を仮判定するステップと、
線形等化した信号を仮判定するステップとを含み、
非線形等化を実行するステップでは、加算によって得た信号を仮判定した信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、
線形等化を実行するステップでは、線形等化した信号を仮判定した信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する
ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
処理対象の信号を線形等化するステップと、
線形等化した信号を非線形等化するステップと、
線形等化した信号と非線形等化した信号とを加算するステップと、
加算によって得た信号を仮判定するステップと、
線形等化した信号を仮判定するステップとを含み、
非線形等化を実行するステップでは、加算によって得た信号を仮判定した信号を教師信号として、非線形等化のための係数を導出し、
線形等化を実行するステップでは、線形等化した信号を仮判定した信号を等化目標値として、線形等化のための係数を導出する
ことをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−277650(P2010−277650A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129540(P2009−129540)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】