等角放射線治療のための計画システム、方法及び装置
最適な放射線ビーム配列を決定するためのシステム及び関連方法が提供される。システムには計画最適化ソフトウエアの機能を制御するためにユーザーにアクセスを提供するために処置計画最適化コンピューターと連絡したメモリー及び入力装置を有する処置計画最適化コンピューターを含むコンピューター計画装置が含まれる。画像収集装置は腫瘍の標的体積及び非標的の構造物体積の画像スライスを提供するために通信網をとおして処置計画最適化コンピューターと連絡する。計画最適化ソフトウエアは最適化放射線ビーム配列を形成するための制約に基づいて、提案される放射線ビーム配列をコンピューターにより得、そして次に反復して最適化する。次に通信網をとおして処置計画最適化コンピューターと連絡した等角放射線治療の送達装置が患者に最適化放射線ビーム配列を適用する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願はその全体が引用により取り込まれている、「等角放射線治療のための計画システム、方法及び装置」と題する2003年10月7日出願の米国特許仮出願第60/518,020号の35U.S.C.§119(e)下の特典を請求する。
【技術分野】
【0002】
本発明は概括的に放射線治療、そしてより特には腫瘍の等角放射線治療、そして特には放射線治療処置の計画システム、方法及び等角放射線治療のための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現代の腫瘍の放射線治療は2つの目標:腫瘍の照射並びに腫瘍の近位に存在する健康な組織及び器官に対する損傷の回避を有する。大部分の腫瘍は十分な放射線量が腫瘍体積に送達される場合は完全に照射されることができることが知られているが、腫瘍を囲む健康な組織又は腫瘍に近位に位置する他の健康な身体器官に対する損傷により、必要な有効放射線量の使用から合併症が起る可能性がある。等角放射線治療の目標は、周囲の健康な組織又は隣接する健康な器官に対する放射線量を最少にしながら、腫瘍の外面により区画される腫瘍体積のみに送達される放射線量を制約することである。
【0004】
等角放射線治療は伝統的に、一連の技術により取り組まれてき、典型的には腫瘍を処置するために使用される放射線ビーム源として線形粒子加速装置(LINAC)を使用する。線形粒子加速装置は典型的には、患者の周囲を回転し、処置される腫瘍の方向に放射線ビームを向ける放射線ビーム源を有する。放射線ビームのビーム強度は前以て決定された一定のビーム強度である。放射線ビームの経路中に個別に出入り移動することができる多葉又はフィンガー突起物を有する多葉コリメーターをプログラムして、それが腫瘍を通過する時に放射線ビーム、又はLINACの回転性ガントリー上に固定された放射線ビーム源の回転期間中に腫瘍の「ビームの視点」により認められる腫瘍の空間的輪郭を追跡することができる。多葉コリメーターの多葉は放射線ビームの進行経路の方向にある腫瘍体積により提示される腫瘍の形状の輪郭を形成し、そしてそれにより腫瘍体積に対するビームの特定の放射方向に応じて放射線ビームに提示される腫瘍の空間的輪郭の外側に位置する組織への放射線の透過を阻止する。
【0005】
等角放射線治療に対するもう1つのアプローチは線形粒子加速装置のガントリーが回転するに従って別の組のコリメータージョーが標的体積を追跡すると同時に、固定した患者を横切るスリットの領域を走査することができる独立に制御されるコリメータージョーの使用を伴う。更なるアプローチは、スリットを患者を横切って走査するLINACのための付属品の使用であり、そこでスリット全体の放射線ビームの強度がスリットが走査されている時に修正される。
【0006】
等角放射線治療処置に対する更なるアプローチはそのエネルギーを変更することができる高エネルギー陽子の細いペンシルビームの使用であった。陽子のビーム源が固定されたガントリーの各方向に最良の可能な放射線量分布を送達するように、ビームが腫瘍の標的体積上を走査する。
【0007】
等角放射線治療のこのような先行技術の方法に伴う主要な問題は、腫瘍体積が凹面の境界又は表面をもつ場合、放射線ビームの空間的構成(configuration)又は輪郭を変更することは一部の時間で成功するのみであることである。とりわけ、腫瘍のとぐろ巻き又は外面が放射線処置ビームの経路に対する平行面において再入性又は凹面であ
る時は、腫瘍の厚さが放射線ビームの経路に沿って変動し、そして健康な組織又は器官が腫瘍の凹面の外面により形成される凹面内に配置される可能性がある。
【0008】
凹面の境界を有する腫瘍を処置することができるためには、腫瘍の表面を横切る放射線ビームの強度を変化させ、並びに放射線ビームに提示される腫瘍の形状に適応するようにビームの外部形態を変化させることが必要である。各放射線ビームセグメントのビーム強度は放射線ビームが通過する腫瘍の部分の厚さに関連したビーム強度をもつように調節することができなければならない。例えば、放射線ビームが腫瘍の厚い部分を通過する場合は、放射線ビームが腫瘍の薄い部分を通過する時よりビーム強度は高くなければならない。
【0009】
ビーム強度の調節を高エネルギー陽子の走査ペンシルビームの使用により達成することができる専用の走査ビーム治療機が開発された。この装置のビーム強度はビームを発生するその電子銃の電力を増加することにより調節される。銃が固定されたガントリー及び患者が横たわるテーブルを移動することにより銃が腫瘍の周囲を誘導される時に、電力の増加はコンピューター制御下で指令される。その効果は、電子銃が腫瘍上を移動するに従って、ブラシ上の絵の具の量(電子銃に適用される電力量)により変動される絵の具の厚さ又は強度(放射線ビームの強度)により標的を前進的に「塗ること」の1つである。直接的なビームエネルギーの調節を利用するこのような専用の走査ビーム治療機は高価で、それらの使用及び操作に極めて時間がかかり、処置ビームのコンピューター制御に対する懸念によりそれらを重大な患者の負担と関連付けさせたと考えられる。
【0010】
複数の放射線ビームセグメントを利用することにより組織体積中の腫瘍の厚さに従い、組織体積を横切る放射線ビームのビーム強度を空間的に調節する、等角放射線治療のための他の方法及び装置が開発された。このような方法及び装置はビームが患者に侵入する前に放射線ビーム内に配置されたラック中の減衰リーフ又はシャッターを利用する。腫瘍はシャッターにより選択的に区分された各スライスにおいて放射線に暴露される。
【0011】
以上の方法及び装置は放射線に暴露される構造物の部分を最少にするようにデザインされた。しかし、周囲の構造物に対する暴露は完全に防止することはできないので、周囲の構造物に送達される放射線の量を最少にしながら、腫瘍体積を照射するために最適化される処置計画が望まれる。処置計画を最適化するための既存の方法及び装置は処置計画の医師の評価をシミュレートする評価関数に基づいて可能な計画を評価するためにコンピューターを使用する。
【0012】
既存の方法及び装置は腫瘍及び周囲の組織又は構造物双方の種々の部分の放射線のコストに寄与する目的コスト関数(objective cost function)に基づき最適化処置計画を確立するコンピューターによる方法を利用する。1つのこのようなコンピューターによる方法は疑似アニーリングとして当該技術分野で知られている。既存の疑似アニーリング法は周囲の構造物の過剰照射に比較して腫瘍体積の過少照射のコストを考慮するコスト関数を利用する。しかし、既存の方法に使用されるコスト機能は概括的に全体としての構造物体積を考慮せず、単に構造物内の別々のポイントに関するコストに依存し、そして更に、概括的に、変化する周囲の構造物の種類の相対的重要性を考慮しない。例えば、特定の構造物の種類はそれらの機能において豊富であり、構造物体積の実質的な部分はそれらの機能を維持しながら完全に照射されることができる。他の構造物の種類はいずれかの構造物が完全に照射される場合にそれらの機能を喪失する。従って、構造物のどの部分も致死的線量に暴露されない限り、より感受性の構造物体積は控えめの放射線量を受けることができる。
【0013】
処置計画の最適化に使用される既存のコスト関数は伝統的に異なる種類の構造物と関連
したこのような変動するコストを考慮しなかった。処置計画が最適化された後に、医師は所望の処置目的とのコンプライアンスにつき、各コンピューターにより計算された処置計画を評価しなければならない。コンピューターにより計算された処置計画が処置目的とうまく合致しない場合には、腫瘍体積及び周囲の構造物双方に対する医師の処置目的に合致する処置計画がコンピューター計算により形成されることができるまで、最適化過程を繰り返す。更に、既存の方法及び装置は伝統的に、所望の線量分布を確立する際に、累積線量体積ヒストグラム(CDVH)又は線量体積ヒストグラム(DVH)曲線と関連するなじみの分体積(partial volume)データを医師に利用させなかった。
【0014】
患者における構造物体積の放射線を最少にしながら、腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するための方法及び装置は本出願物と同時指定され、引用により本明細書に取り込まれている「放射線量測定のための計画方法及び装置」と題する特許文献1に開示されている(特許文献1参照)。該方法及び装置はCDVH又はDVHにより代表することができる所望の分体積のデータの比較に基づく反復的コスト関数を使用する。
【0015】
患者における構造物体積の放射線を最少にしながら、腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するためのもう1つの方法及び装置は「放射線量測定のための計画方法及び装置」と題する特許文献2に開示されている(特許文献2参照)。
【0016】
多数の前記のシステムは伝統的な未来計画方法に取って代わる。未来計画においてはユーザーはビームの方向及びそれらの強度を特定することにより出発し、そしてコンピューターが線量計算値を決定し、得られるものをユーザーに示し、そして次に目標が満たされる程度に基づいてユーザーが溯ってビームパラメーターを変更する。前記のシステムは溯る計画を利用する。溯る計画システムにおいては、専門家/ユーザーは彼らが達成することを所望する目標により出発し、腫瘍がどのくらいの線量を得ることをユーザーが所望するか、そしてどの程度まで他の健康な組織を保存したいかにつき、患者に対する指令(prescription)を特定する。次にコンピューターが種々の処置計画パラメーターすべて、すなわちビームが異なる方向から適用される時のビームの方向及び対応する強度を計算する。基本的には、溯る計画においては、ユーザーは臨床的目標により出発し、コンピューターにビームの強度を決定させるが、他方、未来計画システムにおいてはユーザーはビームの見取り図(layouts)により出発し、基本的に目標に対する計画の有効性を算定し、そのようにしてそれらを反復する。
【0017】
前記のシステムにおいては、ユーザーはコンピューター断層撮影(CT)スキャン又は磁気共鳴映像法(MRI)スキャンから出発する。例えば、CTスキャンからユーザーはユーザーが保存することを所望するものから、ユーザーが処置されることを所望するものを分離することにより組織を典型的にはスライス1枚毎に解剖学的に特定する。ユーザーは例えば、1つの物体を腫瘍として、もう1つを前立腺として、もう1つを膀胱として、等、特定することができる。CTスキャンは患者の身体の一組の連続的スライスを提供するので、ユーザーは概括的に、位置決め装置又はマウスを使用して、各数枚のスライスの、医師が処置を所望する領域の周囲をドラッグするであろう。この過程は時間の浪費である可能性がある。CTスキャン又は腫瘍を検査するためにユーザーが選択したどんな他の画像においても腫瘍が非常に明確に識別されている場合に、ユーザーが自動化手段を使用して、ユーザーに腫瘍又は標的上でただ「クリック」させることができ、腫瘍の境界の位置を自動的に決定させて、マークさせることができることは有利であると考えられる。
【0018】
DVH曲線は、ユーザーがこのようなDVH曲線に関して目標を特定する指令(prescription)として、そしてフィードバック機構として使用されてきた。DVH
曲線は個々の構造物が受けている線量の総量を表わす。例えば、ユーザーがいかに腫瘍又は標的が処置される必要があると考えるかの表示として、ユーザーが標的の80%に送達される特定の最低線量レベルそしてまた、標的の90%に送達される特定の最低線量レベルを標的が受ける望みを明記することができる。次にコンピューターは処置計画を展開する。コンピューターが実際に、患者をいかに処置するかを決定後、DVHはその処置をまとめるためそして、ユーザーによる考察のための機構である。例えば、ユーザーが特定の曲線を要請し、次にコンピューターが誘導された処置計画における実際の曲線を表示する。この方法におけるDVH曲線の使用は、医師による計画評価のためにこのような情報を表わす、知られた、一般的な方法である。
【0019】
DVH指示を規定するために、ユーザーは典型的にはグラフによる描写により出発してスクリーン上のグラフ上の点をドラッグするか又はテキストのフィールドボックス中に数時を入力する。いずれにしても、ユーザーはDVH曲線を規定する。結果は本質的に願望のリスト−ユーザーがこの種のDVH曲線を達成することができるという希望である。ユーザーが提案されるDVH曲線を完了した後、先行システムは更なるユーザーの入力と独立した最適化過程に侵入する。この過程は典型的には少なくとも10分を要する。計算の結果は、すべてが達成可能であってもそうでなくても、異なるすべての「願望」の処置のための実際的計画への回帰である。しかし、コンピューターにより処理される計画の容積測定の統計値を表わすDVH曲線は操作可能ではない。統計値に対する容積測定の直接的操作を提供することは有利であると考えられる。
【0020】
DVH曲線は計画の線量測定の特性を総括する1方法である。溯る計画最適化後に、ユーザーは典型的には最適化計画の実際のDVH曲線を検討する。ユーザーは実際に達成されたDVH曲線をDVH指示と比較して、開発された処置計画が満足であったかどうか決定することができる。満足であるものは、(1)十分な線量が十分な腫瘍に到達しているかどうか、(2)大量過ぎる線量が腫瘍の幾つかの部分に到達しているかどうかそして/又は(3)どのくらいの線量が腫瘍として特定されない健康な構造物に到達しているか、の疑問である可能性がある。表わすことができるすべての組織(標的及び構造物)はDVH曲線上に個別に総括される。例えば、腫瘍が前立腺中に位置付けされた場合は、ユーザーは典型的には前立腺に対するグラフ上に単一曲線を、膀胱に対するグラフ上にもう1本の曲線、等を提供されるであろう。
【0021】
結果を更に詳細にみるためにCTスライスを実際に観察することにより、DVH曲線中に総括された同一の結論を導くことができる。CTスキャンのスライスは典型的には各スライスの別々の部分に適用される種々のレベルの線量を示すオーバーレイを有する。すなわち、ユーザーは問題の任意の特定の器官に適用された線量レベルに基づいて結論を導くことができる。商品名CORVUS(R)下で本出願の指定者である、NOMOS Corporationにより販売された計画システムにおいて、個々のスライス中の線量はCTスキャンスライス上に引かれた等線量曲線の使用により描かれる。等線量曲線は視覚的には、特定の線量レベル、例えば、50Gy(特定の曲線の内側のすべてが少なくとも50Gyを受けると考えられる)を表わす、異なる、通常着色された線の等高線のようである。
【0022】
与えられる処置計画に基づく決定に関与する時間量を減少させることは有利であると考えられる。ユーザーがある計画を最善であると考えられることを見いだす前に任意の特定の患者は決定される2又は3件の異なる処置計画を有すると考えられる。これらのシステムが、ユーザーが認識するのにより容易な計画最適化過程内で起っていることに対してより直感的な直接的制御をユーザーに提供すれば更に有利であると考えられる。
【0023】
伝統的にはDVH曲線は計画評価手段の1形態としてのみ使用された、しかし幾つかの
以前のシステムは前以てDVH曲線を引くことを伴い−ユーザーは最初に所望の目標を決定しなければならない。コンピューターシステムがユーザーの要求を即座に表示し、そしてそれに対応して計画システムが達成することができることを表示することは有利であると考えられる。異なる目標間で妥協しなければならない場合は、ユーザーにそれらを動的な双方向的方法で表示し、そしてユーザーに目標を動的に編集させ、ユーザーが指示を特定すると考えられる項目を変更させることは、計画システムに対し有利であると考えられる。更に、動的な制約の平衡化、すなわち患者における線量の少なくとも1つの表示を観察しながら、線量測定目標を調整するための現在時のシステムを提供することは有利であると考えられる。
【0024】
放射線処置計画は種々の、しばしば手動により独占的な目標を平衡させることを伴う。これらの目標が表示された後、処置計画システムは、それらを最適に平衡させるためにはそれらの相対的優先性が何であるかを知らなければならない。多数の現代の処置計画システムは、ユーザーに目標を明白に優先させることを要求し、それは困難で、不正確で、そして時間のかかる過程である可能性がある。例えば、「完全な世界」においては、ユーザーは前立腺の標的全体が50Gyを受けそして、それに対応して、1ミリメートル離れて位置する直腸は全く線量を受けないことを要求することができる。この作業は実質的に物理的に不可能である。従って、問題はこれら2つの目標を平衡し、どちらの目標が他方の目標より重要であるかを決定することになる。処置計画は以前は、ユーザーに事前に優先性を特定することを要求してきた。幾つかのシステムにおいては、DVH曲線に侵入する時にユーザーが実施している作業の一部は非常に高いレベルで標的に線量を照射すること及び、危機にある器官(OAR(organ at risk))を救うことの間に優先性を構成することである。このような優先性を開発することは処置計画者にとり困難で、時間のかかる仕事である可能性がある。従って、ユーザーに実行される優先性決定の必要を最少にすることは有利であると考えられる。
【0025】
本出願者は、ユーザーに実行される優先性決定の必要を排除することができる2種の特徴物が存在することを認めた:第1に、コンピューターシステムとの相互応答中に、アルゴリズムがユーザーの最後のインプットをもっとも重要な要求であると有効に考えることができる。第2に、ユーザーは所望される程度まで前のインプットを解除するように選択することができること、例えば、ユーザーがその場合、優先性において構造物から線量を除去又は最小化することを決定する場合、該行動がもっとも重要な要求である。次にユーザーはその優先化の結果を理解して、それを部分的に解除することによりその重要性において後退することができる。この二重の優先化の考えは双方向性過程において絶対的である。しかし、コンピューターシステム及び関連アルゴリズムはこれらの異なる目標の関係の理解を要する。ユーザーが古い目標の上に新規の目標を重ねる時に、システムはこれらの目標をいかにして平衡させなければならないかを知る必要がある。自動的な制約の評価、すなわち、このような優先性の直接的入力よりむしろ、順次、ユーザーの行動及び計画調整の形態のユーザーの入力の系列から優先化を推測させる双方向性のレベルを提供することは有利であると考えられ;そこで最終的結果は、このような優先性の考えをユーザーの経験から排除することである。
【0026】
先行計画システムは概括的にユーザーに、2つの方法:送達パラメーター(例えば、ビームの方向及びサイズ)を変える又は体積線量の目標を変えること、の片方において、患者の処置計画を調整することを要求する。従って、断層撮影スキャン上の等線量プロット上の等線量曲線の現在時の直接的操作を提供することは有利であると考えられる。更に、不可能な可能性のある理想化された指示の間接的指定よりも送達可能なDVH曲線の直接的操作を許す計画システムを提供することは有利であると考えられる。
【0027】
放射線治療計画はある程度はまだ、平衡と妥協の技術である。特定の変化が必要とする
ものを犠牲にするものの発見時に計画の変更を実施することを所望するユーザーの補助をするために、部分的「変更の取り消し関数」を提供することは有利であると考えられる。それに対応して、最適な平衡を早急に選択するために、ユーザーに完全に又は一部、変更を動的に取り消し、そして取引を探索させることにより、ユーザーに現在時の制御を提供することは有利であると考えられる。
【0028】
放射線治療処置計画を開発することはこれらの取引及びその他の可能性の探索であるので、幾つかの処置計画システムはその後に比較のためそして「逆追跡」を許すために、計画の幾つかの反復を保存するための手段を提供することに利点を示した。従って、ユーザーにこれらの計画の「チェックポイント」のいずれか2個を単一の連続体上の終結ポイントとして確立させることにより現在時の制御をユーザーに提供することは有利であると考えられ、そして、チェックポイントの間を内挿する手段をユーザーに提供して、更なる比較又は実行のための新バージョンを誘導することは更に有利であると考えられる。
【0029】
他のシステムともっとも有効に同時使用するために、本発明のもののような柔軟な調整の可能な新システムが、もう1つのシステムにより形成されるものと同一の処置計画を作成すると考えられるそれ自体の構築物(formulation)中に処置目標を自動的に作成することができることが望ましいと考えられる。この特徴は新規のシステムを「前進させ」そして、他のシステムにより形成される処置計画を調整させると考えられる。従って、適当な処置目標及びそれらの対応する重要性を発展させるアルゴリズムを実行する最適化指令適合機能をもつシステムを提供することは有利であると考えられる。
【0030】
現代のコンピューターハードウエア上の現在時の双方向性の計画調整を許すためには、コンピューターがしばしば最適化する目的関数が、能力の著しい減退を伴わずに、早急な最適化と適合性の方法で更新されなければならない。1つの方法は目的関数に対する各貢献物(contributor)がその一次導関数において単調であるように目標を再構築することである。目標原因物の単調の一次導関数による最適化は基本的に影響関数又はコスト関数中の項(terms)を表わし、そしてそれは特定のコンピューターシステムに計算を早急に実施させるこれらの関数の数学的クラスを提供する。各目的貢献物は線量の関数に関して構築される。その関数の導関数が単調であり、そのため導関数が常に増加する、減少する又は変化しないのいずれかであり、増加して出発し、次に減少することは決してないことを明記することにより、異なる群の最適化を可能にすることができる。従って、目的貢献物の単調な一次導関数による最適化を利用するシステムを提供することは有利であると考えられる。
【0031】
目的関数を計算することは、処置計画の重要なアスペクトすべてを捕捉しようと試みるために多数の場所の患者のCT又は他の画像を有効に収集することにより実施することができる。速度及び双方向性は処置線量をシミュレートするための患者内のより少数のポイントを特定する試料収集法の使用により改善させることができる。これらのポイントはソフトウエアがすべての重要な線量特徴物を「認識」するように十分に分布されなければならないが、性能(performance)はこのようなポイントの数に反比例するので、その基準を満たす最少の可能な群を特定することが望まれる。従って、最少の計画評価点の自動的選択のためのアルゴリズムを有するコンピューターシステムを提供することは有利であると考えられる。
【0032】
「フルエンス」マップは、放射線が送達装置の特定の位置をとおしていかに送達されているかの空間的マップである。計画送達機構はしばしば、ビームのフルエンスが特定の別々の値を担い、他方最適化物(optimizers)が別々の又は連続的いずれかの空間で働く(work)ことができることを要する。従って、最適化計画を送達可能な別々の計画に変換するための装置を提供することは有利であると考えられる。
【0033】
異なる放射線送達装置はそれらが実際に送達することができるものに対して異なる制約を有するであろう。例えば、あるものはただ数ミリメートルの直径の小ビームを調整することができ、そしてある物はより大きい、1センチメートル以上の直径であるものを調整しなければならないかも知れない。もう1つの制約はフルエンスマップ内の変動の程度である。例えば、計画マップはビームの中央で100%のビームが通過しておりそして、特定の部分においては50%のみのビームが通過していることを必要とするかも知れない。モードフォールドの離散化法(discretization)は装置の最善の使用を実施するためのフルエンスマップのデザイン法である。歴史的にフルエンスマップは10%段階のような特定のレベルをもつように制約されており、すなわち送達装置が1地点では50%の透明性をもつが、52%の透明性をもつことはできない。これらの制約はユーザーが開発することができる処置計画を限定する。モードフォールドの離散化法はある患者に対して与えられる処置計画を算定し、そして別々のレベルの数に限定される場合は、それはこれらのレベルのいずれが最適値であるかを決定する。例えば、最適レベルは10%、20%、30%、40%及び50%ではなく、その代りに、13%、14%、15%、80%及び90%であることができる。その基礎的形態におけるモードフォールド離散化法はフルエンスマップ中の所望の透過性(transmission)(線量レベル)すべてのヒストグラムを採り(そこで各ポイントは1組の放射線レベルを表わす)、ピークのレベルでグラフを分割し、右側を左側上に滑らせ、そして重複ポイントを付加する。アルゴリズムが送達装置により制約される数に対応する特定数のピークを達成するまでその過程が反復する。使用される実際のレベルは処置の簡略性及び速度の双方に対して著明な効果をもつことができ、そして1つの処置計画に対する最適レベルは典型的にはもう1つに対するものと異なるために、任意の与えられる処置領域に対する理想的フルエンスレベルを早急に算定する「モードフォールド」離散化のアルゴリズムを提供することは有利であると考えられる。
【0034】
従って、当該技術分野は:使用するのに簡単で、経済的で;患者の安全性に対して高い安全性因子であると考えられるものを有し;単純な制約並びに標的の腫瘍体積及び多数の構造物のタイプ双方における目的を考慮する、医師の矛盾する、変わりやすい処置の目的を満たすようにそれらに調整された早急な最適化物を使用して、最適な処置計画をコンピューターで計算し;そして等線量曲線図、関連するDVH曲線、他の統計値及び、ユーザーに各標的の腫瘍体積及び組織構造物のタイプに対する所望の線量分布を確立させる手段を表示するグラフィック・ユーザーインターフェイス(GUT)を利用する、腫瘍の処置のための等角放射線治療のためのシステム、方法及び装置を追求してきた。
【特許文献1】米国特許第6,038,285号明細書
【特許文献2】米国特許第6,393,096号明細書
【発明の開示】
【0035】
以上を考慮すると、本発明の態様は有利には、患者における非標的の構造物体積の放射線を最少にしながら、腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適な放射線ビーム配列を決定するためのシステムを提供する。本発明の態様は有利には、計画システムが達成することができるものと同時にユーザーの要請を即座に表示することができ、そして目標をユーザーに動的に編集させそしてユーザーが指示を特定すると考えられる項目を変更させることができるコンピューターの計画装置を提供する。本発明の態様は有利には、断層撮影スキャン上の等線量プロット上で等線量曲線の現在時の直接的操作及び入力装置を使用して線量測定統計値の直接的操作を提供し、そしてユーザーに順次、等線量曲線及び線量測定統計値の双方に調整させる個々の制約、好ましくは、一度に1制約を調整する能力を提供する。
【0036】
本発明の態様は有利には、先行計画の放射線ビーム構成に対応する極値を有する最適化
目的関数を構築することにより任意の/外部の先行放射線処置計画の一致(plan matching)を提供する。本発明の態様は有利には、動的な制約の平衡化、すなわち患者における線量の少なくとも1つの表示を観察しながら線量の目標を調整するための現在時システム、及び自動的制約の評価、すなわちこのような優先性の直接的入力よりむしろ、順次、ユーザーの行動及び計画調整の形態のユーザーの入力のシークエンスから優先順位を推定させる双方向性のレベル、を提供することができるコンピューター計画装置を含む。本発明の態様は有利には、ユーザーに完全に又は部分的に変更を動的に取り消させ、そして処置計画のバージョンの間そして異なるシステム上で開発された処置計画の間に最適な平衡を早急に選択するために、処置計画の間の取引を探索させることによりユーザーに現在時の制御を提供する。本発明の態様は有利には、最少の計画評価ポイントの自動的選択のためのアルゴリズムを含むソフトウエアを提供する。本発明の態様は有利には、最適な計画を送達可能な別々の計画に変換するためのソフトウエアを提供する。
【0037】
本発明の態様は患者における非標的の構造物体積の放射線を最少にしながら、腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適な放射線ビーム配列を決定するためのシステムを提供する。例えば、本発明の1態様において、システムは、その中にデータ及び計画最適化ソフトウエアを保存するためのメモリーを有する処置計画最適化コンピューター;及び計画最適化ソフトウエアの機能を制御するためのユーザーアクセスを提供するために処置計画最適化コンピューターと連絡する入力装置:を含むコンピューターの計画装置を含む。処置計画最適化コンピューターと連絡する、好ましくは通信網をとおる画像収集装置は腫瘍の標的体積及び非標的の構造物体積の少なくとも二次元の画像スライスをコンピューター計画装置に提供する。処置計画最適化コンピューターのメモリー中に保存される計画最適化ソフトウエアは提案される放射線ビーム配列をコンピューターにより得て、複数の制約に基づいて提案される放射線ビーム配列を反復してコンピューターにより最適化して、最適化放射線ビーム配列を形成する。計画最適化ソフトウエアは各提案される放射線ビーム配列に対する画像スライス、グラフィック・物体及び放射線量分布のグラフ表示を表示するためのグラフィック・ユーザーインターフェイスを含むことができる。ソフトウエアはグラフィック・ユーザーインターフェイス上に表示される放射線量分布の表示を操作するために入力装置からの入力を受け取るようになっている。通信網をとおる処置計画最適化コンピューターと連絡した等角放射線治療の送達装置は患者に最適化放射線ビーム配列を適用することができる。
【0038】
放射線量分布のグラフ表示は複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態にあることができる。等線量プロットの等線量曲線は、標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積に対する放射線量を変更して、最適化放射線ビーム配列を形成するためにユーザーにより直接操作可能である。放射線量分布のグラフ表示はまた、集合的に「DVH」又は「DVH曲線」と呼ばれる「累積線量体積ヒストグラム」又は「線量体積ヒストグラム」の形態あるいは、問題の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する線量−体積統計値の他の形態にあることができる。DVHプロット又は曲線は放射線量を変更するためにユーザーにより直接操作可能であり、それにより最適化放射線ビーム配列を形成する。
【0039】
計画最適化ソフトウエアは、コンピューター計画装置と関連したもののようなコンピューターにより実行される時に、コンピューターに種々の機能及び操作を実施させて最適化放射線処置計画を開発させる1組の指令(instruction)を含んでなる。ソフトウエアは標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフ表示し、そして画像スライス上の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフにより表示する。放射線量は第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態にあることができる。等線量プロットの等線量曲線は標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量を変更して、第2の放射線ビーム配列を形成するためにユーザーにより操作可能である。
【0040】
例えば、ソフトウエアは好ましくは、マウス又はタッチスクリーンのような位置決め装置の形態にある入力装置とインターフェイスして、ユーザーに等線量曲線を隣接する標的又は構造物体積から又はそれらの中に「グラブ」そして「ドラッグ」させることができる。更に例えば、ソフトウエアはまた、選択される等線量曲線に対する所望の位置を示す経路をユーザーに「落とさせる」又は「彫らせる」ことができる。種々の制約を受けるソフトウエアは、所望の経路をもつ選択される等線量曲線に従うように試みる。更に、ソフトウエアはユーザーに「消去」されるべき等線量曲線を選択させることができる。機能的には、種々の制約を受けるソフトウエアは、等線量曲線の外側の放射線量の値に等しい又はその近位の選択される等線量曲線内に放射線量を構成する。
【0041】
放射線量はまた、第1の放射線ビーム配列に従って、好ましくは、DVHプロット又は曲線の形態の種々の線量−体積統計値の形態にあることができる。DVH曲線は標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量を変更して、第2の放射線ビーム配列を形成するためにユーザーにより操作可能である。例えば、ソフトウエアは入力装置とインターフェイスして、ユーザーにDVH曲線を「グラブ」しそして「ドラッグ」させ、それにより、前以て決定された放射線量レベルあるいは標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積の選択された率だけ超えることができる放射線量レベルを超えて受けることを許される標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積の率のいずれかを変更することができる。
【0042】
ユーザーは、ユーザーが望ましくない付随の線量の変動を気づかずに誘発することを防止するために等線量曲線の操作及びDVH曲線操作を制約するために利用することができる、問題の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の最大及び/又は最小放射線量を入力することができる。ユーザーはまた、線量測定の質を維持することと、等線量曲線及び、所望される効率閾値より上の放射線送達効率を維持するためのユーザーによるDVH曲線の操作を制約するために使用することができる放射線送達装置に対する放射線送達効率を維持することの間の所望される平衡を提供することができる。
【0043】
本発明の種々の態様において、計画最適化ソフトウエアは:外部で作成された放射線処置計画を取り入れ;その計画の放射線ビーム構成に対応する極値を有する最適化目的関数を構築し;そして該関数を適用して外部で作成された放射線処置計画の線量分布とほぼ同様な線量分布を有する放射線処置計画を形成することができる。
【0044】
そのためにはソフトウエアは最初に、バイアスを伴い又は伴わずに、該計画の放射線量分布をランダムに収集することにより複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントを形成することができる。次にソフトウエアはこれらのポイントにおける線量の値(第1の値)を使用して、各収集ポイントに対する目的関数に対して1項を付加することにより(ここで各項は目的関数に対する極値を提供する)最適化目的関数を形成することができる。標的の腫瘍体積の収集ポイントに関連する項は、第2の放射線処置計画の標的の腫瘍体積の収集ポイントのいずれかにおける放射線量の第2の値が放射線量のそれぞれの第1の値と実質的に異なるか又は実質的に望ましくなく異なる時に、目的関数が放射線量にペナルティーを課す(penalizes)ように選択される。あるいはまた、ソフトウエアは目的関数の制約の少なくとも1つを反復調整することにより最適化目的関数を形成することができる。
【0045】
本発明の種々の態様において、計画最適化ソフトウエアは、しばしば「チェックポイント」と呼ばれる1対の放射線処置計画から、最適化放射線ビーム配列を決定することができる。ソフトウエアは単一の連続体上のエンドポイントとして2個のチェックポイントを確立し、そしてユーザー制御入力装置のユーザーの操作に応答して、2個のチェックポイント間を内挿して、中間の提案される放射線処置計画を形成し、表示することができる。
本発明の好ましい態様において、内挿は線形で、そして各計画の放射線分布における各対応ポイントにおける2個のチェックポイントの放射線量の値の間で実施される。本発明の態様に従って形成される他の計画と同様にこの中間の計画は、前以て選択された等角放射線治療の送達装置と適合性の対応する複数の放射線ビーム強度の構成値中への複数の放射線ビーム強度の離散化により送達可能な別々の放射線処置計画に容易に変換することができる。
【0046】
本発明の態様はまた、患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するための方法を含む。例えば、本発明の1態様において、方法は標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフにより表示することを含む。該方法はまた:画像スライス上で、そして第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフにより表示し;そして第2の放射線処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し、表示するために入力又は位置決め装置により、少なくとも1つの、等線量プロットの表示された等線量曲線を操作すること、を含む。関連した方法は:第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフにより表示し;そして第2の放射線処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し、表示するために、位置決め装置により、少なくとも1つの表示された線量体積ヒストグラムのプロットを操作すること、を含む。
【0047】
本発明の態様において、二次元の放射線量分布の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画への双方向性の(interactive)調整を容易にする方法を提供する。例えば、方法は:標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフに表示し、そして標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量分布を画像スライス上にそして、第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態で同時にグラフに表示することを含むことができる。標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積のいずれか又は双方の放射線量分布を変更して、第2の処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成することができる。実施を確実にするために、有利には、第2の処置計画を分析するための十分な情報をユーザーに提供するために、表示された画像スライス上に表示された二次元の線量分布のみを再計算し、表示することが必要である。
【0048】
前記のもののような収集ポイントを利用する関連した方法は:複数の収集ポイントに対する放射線量の値に従って線量−体積統計値を規定する、複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する放射線量をグラフに表示し;そして標的の腫瘍体積及び非標的の構造物のいずれか又は双方における放射線量分布を変更して、第2の放射線ビーム配列を形成することを含む。各収集ポイントにおける放射線量の値が再計算され、そして標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する線量−体積統計値が収集ポイントに対する放射線量の再計算値に従って表示される。
【0049】
本発明のもう1つの態様において、提案される放射線処置計画の反復物の早急な再計算及び表示は1組の収集ポイント(ランダムに又はバイアスを伴ってランダムに)を選択し、そして各収集ポイントにおける放射線量の値により制約される最適化目的関数を適用して第2の放射線ビーム配列を形成することにより提供される。関連方法は計画最適化のための第1組の収集ポイント及び、計画の評価のための、第1組とは別の第2組を選択することを含む。計画最適化の収集ポイントにおける放射線量の値により制約される最適化目的関数は、計画評価の収集ポイントがその第2の放射線処置計画の早急な表示を提供する第2の放射線処置計画の早急な決定をもたらす。
【0050】
本発明の態様はまた、患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための任意の放射線ビーム強度値を有することを特徴とする、放射線処置計画からの固定された1組の別々の放射線ビーム強度値を有する最適化放射線処置計画を形成する方法を含む。例えば、本発明の1態様において、方法は候補の放射線処置計画を反復して評価するために候補の放射線処置計画及び最適化目的関数を提供することを含む。それに対応して、該方法は任意の前以て選択される臨床的目標を満足し、そして任意の放射線ビーム強度値を有する最適化放射線ビーム配列(ここで最適化ビーム配列は先行の放射線処置計画を規定する)を形成するために候補の放射線処置計画を反復して評価することを含む。候補の放射線処置計画の最適化期間中に評価される少なくとも2件の放射線処置計画の反復物を利用して、先行の放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に適合するために必要な別々の放射線ビーム強度の組み合わせを推測することができる。
【0051】
本発明の1態様において、提案される放射線処置計画に対する放射線量分布の早急な計算及び表示は:第1の放射線量分布をランダムに収集することにより放射線ビーム配列に対する複数の収集ポイントを形成し;各複数の収集ポイントにおける放射線量値を決定し;そして各標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対して、最高値を有する複数の収集ポイントの第1組及び最低値を有する複数の収集ポイントの第2組を特定することにより提供される。次に、各第1組に勾配上昇アルゴリズムを適用して標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量の最大値を決定し、そして表示し、並びに各第2組に勾配下降アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量の最低値を決定し、そして表示することができる。
【0052】
本発明の態様は有利には:使用するのに簡単で、経済的であり;患者の安全性に対して高い安全性因子であると考えられるものを有し;簡単な制約並びに標的の腫瘍体積及び複数の構造物のタイプ双方における目的を考慮する、医師の矛盾する、変わりやすい処置目的を満たすようにそれらに調整された早急な最適化物を使用して最適な処置計画を計算し;そして等線量曲線図、付随するDVH曲線、他の統計値及び、各標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積のタイプに対する所望の線量分布をユーザーに確立させる手段を表示するグラフィック・ユーザーインターフェイス(GUI)を利用する、腫瘍の処置のためのシステム、方法及び装置を提供する。
【0053】
本発明の特徴物及び利点並びにその他が明白になるであろう方法をより詳細に理解することができるように、付記の図面中に具体的に示され、そして本明細書の一部を形成する本発明の態様を参照することにより、以上に簡単に要約された本発明のより特定の説明を得ることができる。しかし、それは他の有効な態様をも同様に包含することができるので、図面は本発明の種々の態様を具体的に示すのみであり、従って本発明の範囲を限定すると考えるべきではないことに注意しなければならない。
【0054】
今度は本発明の態様を具体的に示す付記の図面を参照して、本発明が以下により詳細に説明されよう。しかし、本発明は多数の異なる形態で具体化することができ、本明細書に示される具体化される態様に限定するものと理解するべきではない。むしろ、これらの態様はこの開示が詳細でそして完全であり、そして当業者に本発明の範囲を完全に伝えるであろうように提供される。全体をとおして類似の番号は類似の要素を表わし、使用されるプライム表記法は代わりの態様における類似の要素を表わす。
【0055】
例えば、線形粒子加速装置(LINAC)のような現代の放射線処置装置は異なる入射経路に沿って標的体積に接近する種々の弧線に沿った多数の経路を形成することにより腫
瘍部位を照射し、そこで各弧線は一般に処置体積のアイソセンターと呼ばれる標的体積の中心点の方向に向けられる。処置ビームの各通過はその弧線内を通過する腫瘍及び周囲の構造物の部分を照射するであろう。このような多数のビームの通過を利用することにより処置領域の特定の部分がビームの弧線の幾つかのみにより照射され、他方処置領域の他の部分は各ビームの弧線により照射され、それによりアイソセンターにおいて最大の線量濃度を発生させる。
【0056】
恐らく図1〜3に関してもっとも適切に表わされる本発明の態様は有利には、最適な放射線ビーム配列を決定するための放射線処置計画システム30又は患者における構造物体積の放射線を最少にしながら腫瘍の標的体積に放射線を適用するための計画;最適な計画の種々の反復を決定し、表示するための装置;及びシステムを実行する方法:を提供する。図1に関して、本発明の最適化法は、画像収集装置31;放射線送達装置39;通常のコンピューター又は1組のコンピューターを含むコンピューター計画装置35;及び本発明の最適化法を利用する計画最適化ソフトウエア36;及び試験装置37:を使用して実施することができる。以上のすべての構成部品は通常の地域通信網を介してインターフェイスすることができる。
【0057】
本発明の計画最適化ソフトウエア36は処置領域の周囲の最適なビーム位置及び/又は別に強度マップ又はフルエンスプロファイル又は双方として知られているビーム重量又はビーム強度の最適なアレーを包含すると理解しなければならない最適化処置計画又はビーム配列を計算する。最適なビーム配列は最初に、提案されるビーム重量をコンピューターにより反復して増加し、そしてビーム重量の反復的変化が提案される線量にさらされている組織又は構造物体積に許容できない暴露をもたらさないであろうことを確実にするためのコスト関数を取り込むことにより達成される。次にユーザーは追加される性能のために更なる反復の実行を誘起することができる。
【0058】
より具体的には、本発明の態様は有利には、標的及び多数の周囲の構造物のタイプ双方に対する多数の処置パラメーターを考慮する改善された最適化放射線処置計画システム30を包含する。システム30は、提案される放射線ビーム配列をコンピューター上で得;そして少なくとも1つの制約タイプに反復的に基づいて、提案される放射線ビーム配列をコンピューターにより変更する(ここで該制約タイプはコスト関数及び偏導関数を実行する)ための:少なくとも1基のコンピューター上に常設された計画最適化ソフトウエア36を包含する。システム30はまた、腫瘍の標的体積の少なくとも二次元のスキャン又は画像161(図3)を提供するための計画最適化ソフトウエア36とインターフェイスするための、例えば、コンピューター化断層撮影(CT)装置又は磁気共鳴撮影(MRI)装置のような画像収集装置31(図1)を包含する。システム30はまた、画像161を表示し、そしてユーザーインターフェイスのオプションを提供するためのグラフィックユーザーインターフェイス150(図3)を包含する。システム30は更に、本発明の最適化法に従って放射線量を送達するための、例えば、多葉コリメーターを有するLINAC又は放射線ビームを操作するための当業者に知られた他の装置のような放射線送達装置39(図1)を包含する。ソフトウエア36は当業者により知られ、理解されるように、ハードウエアの機能を制御し、そしてその操作を指令する、命令される操作のセットに対する特別のセットを提供するミクロコード、プログラム、ルーティン及び記号言語の形態にあることができることに注意されたい。
【0059】
図2A〜Cは本発明のシステム30を取り入れている放射線処置計画を作成する方法を表わし、そこで図2Aは一般的全体のフロー図を表わす。システム30は2モードで実行することができる:第1は、システム30が外部で作成された先行計画を受け取り、計画をシミュレートするために最適化パラメーターを調整し、そして次に反復操作を許す図2Bの「計画微調整」モードである。第2のモードは図2Cに表わされ、「自立(stan
d−alone)」モードであり、段階のサブセット(段階99〜101及び図2Bの「計画微調整」モードの107〜111)を含む。第1のモード又は「計画微調整」モードは本発明の種々の態様の実行のための背景を提供するために図2A及び2Bに関して説明されるであろう。この背景は説明の目的のために提供され、本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。
【0060】
先行の放射線処置計画を形成する第1段階は典型的に「画像獲得段階99」と呼ばれる。この段階において、最初に画像を好ましくは、解剖学的精度を伴って表示される組織の「スライス」を表わす画像161を作成する通常のCTスキャン実施又はMRI法により得る。次にユーザーは画像161をコンピューター計画システム35(図1)に直接、又はコンピューター計画システム35によりアクセスできるデータベースのいずれかに移送する。これは典型的には地域のネットワーク33を介して実施される(図1)が、手動のデータ移送を含む他の方法を使用することができる。
【0061】
次の段階は概括的に「登録処理段階100」と呼ばれる。これは本発明に従う等角放射線治療により処置されるべき患者の部分の通常の軸方向のスライスの1組の画像161を整列させる処理段階である。完全なCT又はMRI研究を構成する「スライス」の系列は有効な三次元のデータセットとしての可視化を許すための患者の特定の部分の三次元描写を表わす。形成されるデータはインプットデータを収集し、既知の幾何学構造の共通のマークを決定し、そして正確に整列されるようにデータを歪ませること(warping)により達成される。形成される解像度はそれが利用される既知の患者の固定装置に基づいて幾何学的に正確であるように構成される。画像161がフィルムからスキャンされた場合は、画像中に包含される参照灰色バーに基づいて灰色の縮尺(scale)画像の正規化を実施される。当業者により知られ、理解されるように、通常の二次元画像の歪曲法は解像度調整に必要とされるような収集及びフィルターとともに利用される。イメージスライススペーシングをコンピューター計画装置35のオペレーターにより入力され、既知の患者の固定装置の幾何学構造により確認される(verified)。
【0062】
次の段階は概括的に「解剖学ツール段階101」と呼ばれる。ユーザーは放射線計画に重要な構造物の三次元体積を特定し、それにより概括的に画像上で各スライスに基づいて解剖学的構造物を特定する。概括的にユーザーは各数枚のスキャンスライスにおいて、医師が処置を所望する領域上をドローするための例えば、ライトペン、トラックボール、タッチスクリーン、タッチパッド、キーボード又はマウスのような入力装置(図示されてはいない)を使用するであろう。本発明の1態様において、腫瘍が例えば、断層撮影スキャンの画像161上で十分に識別される場合は、コンピューター計画装置35(図1)の計画最適化ソフトウエア36がその代りに腫瘍の境界を選択するための自動化ツール及び付随のアルゴリズムを提供することができる。自動化ツールはユーザーにツール上でただ「クリック」させることができ、ソフトウエア36が自動的に腫瘍の境界の位置を決定するであろう。
【0063】
方法の次の段階は一般に「ビーム位置決め段階102」と呼ばれる。コンピューター計画装置35が対応するビーム位置により最初の処置計画を決定する。「ビーム位置決め段階102」は通常「指令パネル段階103」の前に置かれる。
【0064】
「指令パネル段階103」は医師に、先行段階で利用される放射線治療処置の所望の目標を計画装置35中に入力させ、それが順次、その後の「計画最適化段階107」中で利用される。
【0065】
再度、図2A及び2Bに関して、本発明の方法の次の段階は「試験装置適合段階104」である。放射線ビームの位置及びビーム重量の形成される最適化組み合わせ物又は放射線ビームのセグメントに対するビーム強度は送達装置39(図1)の送達能に適合される。「出力因子(OF)」の調整、送達装置39の多葉コリメーターのリーフの移動の時間調整及び送達装置39の操作限界内に送達することができる処置計画を表わす送達装置39のための制御情報に到達するための同時移動の限界を考慮するために反復処理を利用することができる。
【0066】
実行される場合に、「線量シミュレーション段階105」において、患者に対する放射線量を例えば、送達装置39(図1)のための制御情報に基づいてシミュレートする。この段階で使用することができるアルゴリズムは当業者により知られ、理解されるように、「三次元修正経路距離法」に基づく。
【0067】
図2A及び2Bに関して、計画法における次の段階は「計画変換段階106」である。本発明のシステム30は現代の処置計画実施法から幾つかの重要な出発法を包含することができる。例えば、ユーザーは同一患者に対し複数の非常に異なる処置計画の間を内挿することができる。処置計画の1つは以前に特定されたCORVUS(R)システムにより作成することができ、もう1つの計画は異なる開発法を有する異なるシステムにより作成することができる。他のシステムともっとも有効に相互運用するためにはコンピューター計画装置35は一般に、もう1つのシステムにより作成されるものと実質的に同一の処置計画を作成するであろうそれ自体の構築物中に処置目標を自動的に作成することができなければならない。これがコンピューター計画装置35に、他のシステムにより作成される種々の処置計画を「前進させ」、そして調整させる。適当な処置目標及びそれらの対応する重要性を拡大する(develop)アルゴリズムが提供される。
【0068】
本発明の「計画微調整」の態様において、コンピューター計画装置35は以後に説明される更なる制約と一緒に多数の選択される収集計画評価ポイントを表わすこの実行に独特な目的関数の貢献物(contributor)又は「ポイントの制約」を提供する。これらのポイントは標的及び周囲の構造物全体に自動的に分布される。例えば、コンピューター計画装置35の計画適合部分がある計画を取り込む時に、それは標的の境界、標的の内部、危険にさらされる器官(OAR)の境界及び後に説明されるDmaxポイントのうちの選択される部位中に計画評価ポイントを拡大することができる。分布は概括的にランダムな収集により実施される。しかしランダムな収集は例えば、標的の腫瘍体積の外側境界に隣接するもののような特定の関連度をもつ領域に収集確率を増加するように偏らせることができる。
【0069】
標的の腫瘍体積の収集ポイント及び構造物体積の収集ポイントは、もう1つのシステムにより作成される処置計画の放射線量分布又はビーム配列をランダムに収集することにより得ることができる。計画最適化ソフトウエア36は標的の腫瘍体積の収集ポイント及び構造物体積の収集ポイントおのおのにおける放射線量値を決定する。次に、標的の腫瘍体積の各収集ポイント及び構造物体積の各収集ポイントに対する目的関数に1項を付加することにより最適化目的関数を構築又は修正することができる。各項は、先行放射線処置計画の放射線ビーム配列に対応する目的関数に極値(最大又は最少制約値)を提供する。
【0070】
標的の腫瘍体積の収集ポイント又は構造物体積の収集ポイントと関連する各項は、提案される放射線処置計画に対して、対応するそれぞれの収集ポイントのいずれかにおける放射線量の値が先行放射線処置計画の放射線ビーム配列に対する放射線量のそれぞれの値と実質的に異なる時に放射線量にペナルティーを課す。本発明のもう1つの態様において、標的の腫瘍体積の収集ポイント又は構造物体積の収集ポイントと関連する各項は、提案される放射線処置計画に対して、対応するそれぞれの収集ポイントのいずれかにおける放射線量の値が先行放射線処置計画の放射線ビーム配列に対する放射線量のそれぞれの値と、実質的に、望ましくなく異なる時に放射線量にペナルティーを課す。同様に、本発明の1
態様において、標的の腫瘍体積の線量−体積統計値又は構造物体積の収集ポイントと関連する各項は、提案される放射線処置計画に対応するそれぞれの収集ポイントのいずれかにおける放射線量の値が放射線量のそれぞれの値と実質的に望ましくなく異なる時に、対応する線量−体積統計値にペナルティーを課す。
【0071】
これらの計画評価ポイントを分布後に、コンピューター計画装置35は、異なる位置に適用することができる異なるタイプのコスト貢献物により実験して、取り込まれたものと同様な処置計画を作成することができる。概して、更なる制約を伴わない場合は、取り込まれた処置計画も同様に異なるポイントを分析し、異なるコスト貢献物を使用しているので、コンピューター計画装置35は本発明の1態様に従う処置計画を、取り込まれた処置計画に適合させることに完全には成功しないと考えられる。従って、後記されるポイントの制約は、それを、取り込まれた計画と実質的に類似させるために自動的に(ユーザーにより運転されずに)処置計画を変更し、微調整するための1つの他のツールをコンピューター計画装置35に提供する。
【0072】
「計画変換段階106」の最終結果はコンピューター計画装置35が以前の計画を本発明の態様に従う最適化動力(engine)により使用のために適当にフォーマット化された計画に変形又は変換することである。これは:第1に、取り込まれた放射線処置計画を形成するために使用される最初の臨床目標を表わす放射線ビーム配列(放射線量分布)を決定し;そして先行放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に適合する臨床的貢献物を有する放射線処置計画を開発するために使用することができる最適化目的関数を形成すること、により達成することができる。
【0073】
「計画最適化段階107」中で図2A、2B及び2Cに関して、放射線計画最適化は該目標が線量の指令を達成するための最適送達シナリオ(放射線ビーム及び/又は強度のセット)を決定することである、逆行する問題の特定の事例である。この段階は「微調整」(図2B)及び「自立」モード(図2C)双方に適用できる。図2Bに関して前記の「微調整」モードにおいてはユーザーはその計画システムのための最適な計画を作成するために例えば、CORVUS(R)計画システムのようなもう1つの計画システムを走行する。次にその計画を、最適化目的関数の極値が第1の放射線量分布、そして従って、取り込まれた処置計画の最初の臨床目標とほぼ同様な放射線量分布に対応するように、少なくとも1制約を反復調整することにより形成することができる最適化目的関数を利用して現在時の編集のために変換するか又は取り込む。次にユーザーは取り込まれた計画を「微調整」するために本発明の態様に従ってコンピューター計画装置35を走行させることができる。
【0074】
次に、以下に説明されるような計画システムツールをその計画を微調整するために適用することができる。これらの新ツールはユーザーにコンピューター計画装置の更に特定の要請を実施する能力を与えることができ、従って線量分布に対して微細な粒子の、そしてより流動性の制御を提供することができる。取り込まれた計画は外部の計画システムのコスト関数において最適であったかも知れない。しかし、臨床医は外部のシステムのコスト関数に具現されたものと僅かに異なる目標をもつ可能性があるので、臨床医は最適化計画に対する修正を所望するかも知れない。新ツールは臨床医にそれが最初に誘導された方法に拘わらず、計画を微調整することができる利点を提供する。
【0075】
図2Cの「自立」の態様に関して、コンピューター計画装置35はユーザーが最初の又はアプデートされた目標の情報を入力する時に、双方向性計画の段階に本質的に直接侵入する。コンピューター計画装置35は比較的早急に(双方向的時間の枠内で)、双方ともユーザーにより直接に、グラフ上で操作されることができる、開発又は修正中の実際の処置計画から、等線量曲線162(図3)及び、集合的に「DVH」又は「DVH曲線」1
75(図3)と呼ばれる累積線量体積ヒストグラム又は線量体積ヒストグラムを表示することができる。
【0076】
座している代わりに、有利には本発明の態様に従って、恐らく指令を書き込む5〜10分間を消費し、作成される計画最適化のために恐らく10分間待機し、そして次に結果を評価し、そしてその過程を繰り返すことにより、ユーザーはおのおのの提案される放射線ビーム配列に対して放射線量分布のグラフ表示を表示することができる、より流動的なプラットホームを提供される。例えば、ユーザーは前立腺を50Gyで照射することを決定して、そのように入力する。次に50Gyの線量を前立腺の周囲にスクリーン上で表示するであろう。次にユーザーは結果を検討し、OARが余りに大量の線量を受けていることを決定する。ユーザーは問題のOARから過剰な線量を結果的に追い出すその特定のOARに対して調整を実施することができる。次にユーザーは結果を再度検討し、適切な調整を実施することができる。ユーザーは有利には、放射線処置計画を開発する時にこれらの反復物の展開を見守る能力を提供され、従って計画に対する非常に詳細な、微細調整された調整を可能にする。
【0077】
更に特には、恐らく図3にもっとも適切に示されるように、放射線処置計画の最適化を補助するために、本発明の態様は有利には、ユーザーにGUI150のスキャンウインドー160中に表示されるCTスキャン又は他の断層撮影タイプのスキャン画像161上に等線量プロット162を提供する。本発明の態様はまた有利には、ユーザーにDVH曲線175を提供する。ユーザーはGUI150及び、GUI150上に表示される情報のデータ入力及び操作のためのアルゴリズムを包含するソフトウエア36を提供される。GUI150は例えば、ドロップダウンメニュー151、151’、チェックボックス152、152’、例えば、標的の「目標線量」153又は構造物の「線量限界」153’のようなテキストフィールドボックス、標的の「均一性」又は構造物の「重要性」のようなパラメーターそれぞれに対するスライドコントロール154、154’、及び入力装置の使用により画像161及び/又はDVH曲線175中に表示される等線量曲線162を操作することができるスクリーンポインター162のような双方向性ツールを表示することができる。
【0078】
本発明の1態様において、所望の目標の入力は、コンピューター計画装置35のグラフィックユーザーインターフェイス(GUI)150の少なくとも1つのドロップダウンメニュー151、151’、チェックボックス152、152’、テキスト入力フィールド153、153’中への入力により実施することができる。目標の達成はまた、例えば、分析ウインドー170(図3)に示されたもののような、指令されるDVHの作成及び調整により開始することができる。指令されるDVHはユーザーが装置35中に目標を入力する時に構成することができる。本発明の好ましい態様において、達成可能な放射線処置計画を表示する付随DVH曲線175は種々のドロップダウンメニュー151、151’、チェックボックス入力152、152’、テキスト入力フィールド153、153’、等線量曲線162の個別の又は集合的操作及び、DVH曲線175それら自体の直接の操作(位置決め装置の使用による)により調整することができることに注意されたい。
【0079】
例えば、標的及び構造物に対して、ユーザーは(1)テキストボックス153中に標的の線量目標値(例えば、67.24Gy);及び(2)テキストボックス153’中に構造物の線量限界(例えば、68Gy):のような目標を表わす数字を入力することができる。標的及び構造物双方に対してGUI150は、ユーザーに、テキストボックス153、153’中への数字の入力により表わされるものと同様な結果を確立するために、スライドコントロール154、154’の長さに沿ってバー157を「ドラッグ」させる機能をもつ小型のグラフ又はスライドバー157を表示することができる。
【0080】
コンピューター計画装置35は、一緒に等線量曲線又は曲線162の直接的操作及び矛盾する目標の動的平衡のための背景を提供する、簡単な制約及びそれらに調整された早急な最適化物を適用することができる。理想的には目的関数貢献物又は制約は連続的であり、そして単調であり、区分的に線形であるコスト関数を実行する一次導関数を有する。コンピューター計画装置35は放射線処置計画を「評点」Sに変換することができ、それはそれらの指定される優先性又は重量を掛けた個々のコスト貢献物の値の和に等しく、そこで
【0081】
【数1】
【0082】
[式中、Cxはコスト貢献物であり、nはn番目の貢献物を表わし、そしてWxはn番目のコスト貢献物に指定される優先性又は重量である]
である。これらのコスト貢献物又は影響関数は、順次放射線ビームの重量又は線量の関数である制約の形態を採ることができる。好ましい態様において、以下に説明される処置計画の「評点」Sは、順次、それらに限定はされないが少なくとも1又は複数の以下の制約:
1.標的の境界、
2.標的の内部/標的のカバー、
3.危険にされた器官(OAR)の境界、
4.Dmaxポイント:各ビームのDmaxポイントに配置された及び
5.ドラグアップ/ダウンポイント:これらのポイントはユーザーにより引かれる線に沿って横たわる、
6.ポイントの制約(計画適合態様のみ)、
からなるコスト貢献物の関数である。
【0083】
各制約タイプは、それぞれの制約に対する問題のそれぞれのポイントが位置付けられる領域及び患者内の問題の領域により破壊される(broken down)。これらの制約タイプはそれぞれ、コスト関数及び分導関数(特定のビームフルエンスに対する)を実行しなければならない。制約の効果の詳細は以下に説明される。ビーム重量が放射線処置計画を有効に説明し、そしてコスト関数が、任意の個々のコスト貢献物又は制約が放射線ビーム重量のサブセットの関数であることができる評点を作成することにより放射線処置計画を評価する。更に、制約を伴うボクセル(voxels)(制約ボクセル)のみが最適化の反復期間中にコストを払いながら(while costing)、照射される。
【0084】
本発明の好ましい態様において、まだ図3に関して、コンピューター計画装置35は動的な制約の平衡化、すなわち例えば、CTスキャン又は他の断層撮影タイプのスキャン上の等線量プロット162又はGUI150のスキャンウインドー160に表示される画像161のような患者における線量の少なくとも1つの表示において観察しながら線量の目標を調整するための現在時の方法を提供することができる。この態様において、ソフトウエア36は、例えば、ドロップダウンメニュー151、151’、チェックボックス152、152’、テキストフィールドボックス153、153’、スライドコントロール154、154’並びに、画像161中に表示されるDVH曲線175及び等線量曲線162を操作するために配置されるスクリーンポインター163のような、ユーザー双方向性ツールの使用による放射線処置計画の動的な操作のためのアルゴリズムを包含する。
【0085】
放射線処置計画の種々の反復物の評価は一般に患者中の計画評価ポイントの収集を必要とする。この収集は完全にランダムに又は、有利には、より少ない計画評価ポイントを利
用してより多くの情報を提供することができる標的の腫瘍体積の外側境界に隣接する収集確率を増加するためにバイアスを伴ってランダムにのいずれかであることができる。計画評価に信頼性を付加するために、選択される計画評価ポイントは好ましくは、放射線処置計画の種々の反復を実施し、表示するためのコンピューター計画システム35(図1)の計画最適化ソフトウエア36により利用される同一のランダムに選択されるポイントではない。
【0086】
前記の制約は放射線処置計画の開発及び評価を効率的に実施するために適用できる数学的構築物を提供することができる。更に、コンピューター計画装置35のソフトウエア36は、このような制約が関数として計画の評価Sにペナルティーを課すか又は計画を余り魅力的でなくさせるように構成される、当業者に知られたその他と方法と一緒に、前記の制約を提供することができる。
【0087】
前記に特定された最初の2件の制約は標的の境界及び標的の内部/標的のカバーである。標的の境界は腫瘍の形態を表わす。ソフトウエア36のアルゴリズムは標的の境界に沿った計画収集ポイントを検討することによりこの制約を実行する。実際の境界の内側又は外側のいずれかに境界を構成する計画はユーザーに、より望ましい計画を作成するであろう。この影響関数の視覚的表示は基本的に、区分的に線形の逆さノッチの形態を採り、当業者により、指令線量の方向にそれらの関連ボクセルを駆動するウエルを作成するものと説明される。更に、全体的計画に対する境界の正確な選択の重量又は重要性を調整するために、スライドコントロール154又は調整制御の他の形態が提供される。
【0088】
標的が少なくとも最少の線量を与えられることを確保するために標的の内部の制約が提供される。この制約は、標的のボクセル内の線量が目標線量より下である計画にペナルティーを課し、従って線量を上昇させることを試みる。別の制約であるか又は標的の内部の制約と組み合わせることができる標的のカバーの制約もまた、標的全体が最少の線量を受けそして均一であることを確保するために提供される。しかしこの制約は、標的のボクセル内の線量が目標線量を越える計画にペナルティーを課し、従って線量を低下させることを試みる。好ましい態様において、これらの制約の重要性を調整するために、スライドコントロール154又は他の形態の調整制御に類似のスライドコントロール154”が提供される。
【0089】
OARの境界の制約は健康な器官が過剰線量の放射線、すなわち線量限界の線量を越えて暴露されないことを確保するために提供される。制約はOARのボクセルにおける過剰線量にペナルティーを課す。好ましい態様において、この制約の重要性を調整するためにスライダーコントロール154’又は他の形態の調整制御が提供される。
【0090】
Dmaxポイントの制約はその特定のビームの結果として線量が最高である各ビームに沿ったポイントを表わす。Dmaxポイントの制約は標的中に存在しない線量を制御するために提供される。好ましい態様において、標的中に入る任意のポイントを無視し、そしてOAR内に入る「OAR境界」ボクセルに任意のポイントを付加するソフトウエア36のアルゴリズムが提供される。
【0091】
ドラッグアップ/ダウンポイントの制約はユーザーにより引かれる線に沿った1組のポイントにより規定される。好ましい態様において、線量を閾値の上又は下のいずれかに−線量がライン上の平均線量より高いポイント上でラインが出発するときは閾値より上に、又は平均がより高いときは閾値より下に駆動するためのソフトウエア36のアルゴリズムが提供される。メタ最適化は、それらが満足されるのにちょうど十分に強いことを確実にするようにこれらの制約の強度を平衡させることができる。
【0092】
本発明の好ましい態様において、コンピューター計画装置35は自動的制約評価を提供することができる。処置計画は種々の明白な目標をしばしば手動により平衡させることからなる。一旦これらの目標が表示されると、処置計画装置35はそれらを最適に平衡させるために何がそれらの相対的な優先性であるかを知らなければならない。前記のように、多数の処置計画システムはユーザーに、困難で、不正確で、そして恐らく時間のかかる過程である可能性がある、目標を明白に優先順位決定することを要求する。概念的には、コンピューター計画装置35及び関連アルゴリズムは処置計画により総括される(encapsulated)異なる目標の相関関係及び、ユーザーが古い目標の上に新目標を重ねる時に、これらの目標がいかに平衡させられるべきかの理解を要求される。本発明の態様は有利には、自動的制約の評価、すなわち、ユーザーが決定した優先性の直接の入力によるよりむしろ、ユーザーの行動及び計画調整物の形態の一連のユーザーの入力から優先順位決定を推測させる双方向性のレベルを提供することができる。コンピューター計画装置35のソフトウエア36は特定の目標に与えられる内部の「重要性」を決定する数値に推測される優先性を翻訳することができる。自動的制約の評価は、ユーザーが新目標を追加し、調整を実施する度に、アルゴリズムが新目標に対して特定レベルの重要性を指定し、目標のもう1つの群、例えば、50件の目標をそれら自体の別のレベルの重要性に維持し、そしてユーザーに対して均一な方法でこれらの重要性を計算する方法である。好ましい態様において、各検索試行において別々の最適化を実施する簡単な検索法はこの自動的翻訳を提供する。
【0093】
本発明の1態様において、図3に関して、優先順位決定の実際の実行は例えば、スライドコントロール154のようなスライダーコントロールの使用及び/又は等線量曲線162又はDVH曲線175のいずれかにより表わされる線量を直接に操作する(「ドラッグする」)ためにスクリーンポインター163を操作する通常の位置決め装置(図示されていない)の使用から得ることができる。例えば、ユーザーの観点から、感受性の組織を救うスライドコントロール154’を使用して、構造物中のゼロ線量の絶対的目標構成の同等物としてソフトウエア36により見なすことができる構造物から線量を取り去ることができる。しかし、ソフトウエア36の境界内では、新目標の追加は実際に、一連の評価されたコスト貢献物からなる総コスト関数に新項を追加し、そして/又は他の重量を変更することに等しい。更に、本発明の1態様に従うと、線量をドラッグすること(等線量曲線162又はDVH曲線175)は総コスト関数に新項を追加し;そして例えば、スライダーコントロール154を制御し、器官から線量を押し出すことは既存の項の1つを変更する。
【0094】
本発明の好ましい態様において、図3に関して、目標の調整は双方向性の計画線量の修正:その場合、出力が等線量曲線162及びDVH曲線175に対する変更であると考えられる、等線量曲線162(しばしば等線量「等高線」と呼ばれる)の直接の操作及びDVH曲線175の直接の操作により達成することができる。本発明の1態様において、標的の大体のDVH及びOARのDVHの横軸−切片(abscissa−intercept)及び/又はOARの推定最大線量が動的にアプデートされる。本発明のもう1つの態様において、それらは休止期間中にそれらをアプデートすることを試みる優先性の低いスレッド(thread)により全詳細にスナップされる(snapped)。
【0095】
本発明の好ましい態様において、図3、4、6、7及び8に関して、腫瘍体積又は隣接する構造物体積から線量を押し出すためにユーザーに提供される少なくとも5個の主要な選択が存在する。第1の選択は影響を受けた(affected)腫瘍体積又は組織構造物に対する巨大な調整を提供する。例えば、ユーザーは線量により影響を受けた組織構造物、例えば、直腸全体をタブ又は選択することができる。構造物はドロップダウン151’から選択することができる。ユーザーは付随のスライダーコントロール154’を調整して影響を受けた構造物中の線量を減少するか又は関連するテキストボックス153’中に減少された線量値を入力することができる。しかし、調整は影響を受ける構造物の任意の特定の部分中の線量を変化させるかも知れず又は変化させないかも知れないが、何であれ、影響を受ける構造物の「もっとも重要な部分」又は最大線量を受けている構造物の部分上に焦点をあてると考えられる。もっとも重要な部分がまた、ユーザーに心配な部分である場合は、調整は有効であるに違いない。問題の領域が影響を受ける構造物のもっとも重要な部分ではない場合は、調整は、それが構造物内の問題の点に影響を与える時又はその前に影響を受ける構造物のもう1つの部分に影響を与えると考えられる。スライダーコントロール154’を使用する代わりに、ユーザーは以下に説明されるCT上の等線量曲線プロット162又はGUI150のスキャンウインドー160の他の断層撮影タイプのスキャン161を吟味することができる。
【0096】
残るユーザーの選択はより柔軟であり、応答においてより局在的である傾向がある。図3及び4に関して、ユーザーは影響を受ける構造物、例えば、直腸上に重ねられた又は描かれた等線量曲線162を含むスキャンウインドー160を含んでなるGUI150を吟味することができる。前記のように、等線量曲線162は標的又は構造物の一部に共通に送達される線量に対応する。GUI150は例えば、CTのスライス161上のこれらの等線量曲線162の直接の操作を提供する。ユーザーは通常の位置決め装置(図示されていない)又はスクリーンポインター163により表わすことができる、当業者により知られ、理解される他の適当な入力装置の使用により等線量曲線162を操作する能力を提供されることができる。ソフトウエア36はユーザーに、選択される部位に等線量曲線162を「グラブ」又は「ドラッグ」させるアルゴリズムを包含する。しかし放射線は単独の変更を実施させるだけではない。ユーザーが問題の等線量曲線162上で位置決め装置の「グラブ」を解放すると、それに対応して他のパラメーターが変化するであろう。この解放は、調整される等線量曲線162が追加の制約を形成する新計画を出力するようにアルゴリズムに命令する。新等線量曲線の「等高線図」は問題の等線量曲線162をドラッグすることからもたらされる主要なフィードバックを提供する。
【0097】
1つの等線量曲線162の直接の操作はその等線量曲線162又は異なる部位におけるもう1つの等線量曲線162’を膨張させるかも知れない。この可視化により、その場合ユーザーは要求されない偏りによる変化が有害であるかどうか、そしてその場合にはどの程度であるかを決定することができる。図4に関して、偏った線量を表わす等線量曲線162’を選択又は「クリック」して、影響を受ける構造物上又はそれから出てドラッグすることができる。例えば、ユーザーはその等線量曲線162’上でクリックして、直腸からそれをドラッグすることができる。位置決め装置又はマウスボタン(図示されていない)の解放時に、コンピューター計画装置35はユーザーが例えば、直腸のような以前に影響を受けた構造物中にその線量が侵入しないという制約により、以前に要請したすべてに基づいて、もう1つの新計画を再計算するであろう。この代案において、標的又は構造物全体よりはむしろ、問題の「ホットスポット」のみが主として調整により影響を受ける。問題の等線量曲線162をドラッグする概念上の影響は、等線量曲線162、162’が患者中を湾曲する方法を変えることである。
【0098】
「通常の」最適化過程はユーザーが規定した制約の限界内で放射線ビームの方向及び/又は強度を最適化することに注意されたい。それに代わり、メタ最適化過程は取り込まれた処置計画のものに一致する目標を達成するために制約自体を双方向性に調整することができる。メタ最適化はそれらが満足されるのにちょうど十分に強力であることを確保するように前記の制約の強度を平衡させることができる。更に、最大及び/又は最少線量値164、165の入力に応じて(図9)、ソフトウエア36は前記のもののような望ましくない付随的線量の変化を防止するためにユーザーにより等線量曲線操作を制約することができる。
【0099】
まだ図4に関して、線量をドラッグすると、出発ドラッグ点191と停止ドラッグ点192間にライン190を数学的に形成する。コンピューター計画装置35のソフトウエア36のアルゴリズムは、コンピューターにより問題のその特定の等線量曲線162’がドラッグすることにより形成されたライン190を横切らないことを確保するように試みる。すなわち、ライン190に沿って設立される制約は、望ましくない線量レベルが所望の線量レベルより大きい場合は、ユーザーの選択したラインに沿った線量を所望の線量レベルを超えない値のレベルに制約するように実行することができ、そして望ましくない線量レベルが所望の線量レベルより低い場合は、ユーザーの選択したラインに沿った線量を、所望の線量レベル以上のレベル値に制約するように実行することができる。
【0100】
望ましくない線量が出発ドラッグ点191と終結ドラッグ点192の間にある場合には、この目的はまた、出発ドラッグ点191から終点192までライン190上の線量を平均することにより達成することができる。次に、ライン190がライン190上の平均線量より高い線量をもつ点上で出発するときにはアルゴリズムは線量を揚げ、そして平均がより高い時は線量を低く駆動する。例えば、線量の半島が器官中に突き出している場合は、出発点191は例えば、70Gyの等線量曲線162’にあるかも知れない。ライン190は70Gyの停止点192で終結する例えば、80Gyのもう1つのの等線量曲線162”を横切るその等線量曲線162をドラッグすることにより形成することができる。ライン上の平均が73Gyである場合は、平均線量は出発点において、より高いと考えられるので、アルゴリズムはユーザーがそのライン上の線量を押し下げたいと望むと推定すると考えられる。
【0101】
もう1つの例において、ユーザーは「線量をドラッグする」の代案を使用して健康な組織構造物の一部から「ホットスポット」を押し出すことを所望する。ユーザーはスクリーンポインター163を伴う位置決め装置で等線量曲線162を結合することにより線量をドラッグし、等線量曲線162を「ホットスポット」を横切り、その上をドラッグする。この過程は等高線図の等高線をグラブし、そして等高線図上に描かれた山の頂上の上に等高線をドラッグすることに類似する、すなわちユーザーはピークの曲線のちょうど外側のいずこかに位置決め装置を配置し、ピークを横切ってドラッグし、そしてピークの反対側上に再配置された等高線を解放する。
【0102】
ソフトウエア36の関連アルゴリズムは、2点191、192間のそのライン190上の何も、ユーザーが最初にドラッグを開始した時に認められたものより高い線量レベルを受けないようにライン190上の制約を確立することができる。理想的には、この例に説明されるように、アルゴリズムは山のピークを除去すると考えられる。しかし、ピークが非常に幅広い場合は、ユーザーの行動はライン190上、そしてそのいずれかの側上に新規の谷を刻むことができるのみである。その場合は、ユーザーは追加の試みを実施するか又は例えば、前記の巨大スライダーコントロール法のような代わりの方法を考慮するかいずれかを実行することができる。それに対応して、ユーザーが近位の領域中の放射線量を増加するために等線量曲線を広げる(extend)ことを所望する場合は、ソフトウエア36の関連アルゴリズムは、出発ドラッグ点と終結ドラッグ点の間に形成されるライン上の何も出発ドラッグ点の線量より低い線量を受けないような制約を確立することができる。
【0103】
恐らく図3及び6でもっとも適切に示されるように、ソフトウエア36は(1)ユーザーの所望の線量レベルを有する画像スライス161上の等線量曲線162” の一部分193又は他の等線量の代表値をユーザーに「選択」又は「マーク」させ、そして(2)ユーザーに、選択される位置193から、好ましくは、等線量曲線162”の近位の又は隣接した画像スライス161上の第2の選択される位置までのユーザーの所望の経路194(点線として表わされた)上を、提案される等線量曲線を「描く」又は「彫る」ためにユーザー入力装置を操作又は「ドラッグ」させる、アルゴリズムを包含することができる。ユーザーに所望される経路194を形成するための入力装置を選択し、ユーザーの操作に応答して、ソフトウエア36はユーザーが所望する経路194にほぼ隣接して等線量曲線162を再配置し、それにより等線量曲線162”を再構築し、従って新規の放射線ビーム配列を形成する。前記の等線量曲線操作によるように、入力装置の解放が好ましくは、調整された等線量曲線が追加された制約を形成する新規の計画を出力するようにアルゴリズムに命令する。
【0104】
ソフトウエア36は望ましくない付随の線量変動を防止するために等線量曲線の操作の前記の2種の方法を制約するための提案を包含することができる。ユーザーは標的の腫瘍体積又は構造物体積に対する最大及び最少放射線量値164、165(図9)のいずれか又は双方を入力することができる。ユーザーによる最大及び/又は最少線量値164、165の入力に応答して、ソフトウエア36は外側のユーザーが提供した線量制約から偏る放射線量をもたらすと考えられる等線量曲線162”の移動を妨げる。
【0105】
恐らく図7でもっとも適切に示されるように、ソフトウエア36は、高い放射線異常又はホットスポット(図示されている)、低い放射線異常を関数的に(functionally)「消去する」ために又はより巨大な最大線量の減少を実施するために、等線量曲線162”’をユーザーに「選択」又は「マーク」させる、ツールを提供するアルゴリズムを包含することができる。等線量曲線162”のユーザーの選択に応答する高い放射線異常に対しては、ソフトウエア36は等線量曲線162”’の外側の放射線量値にほぼ等しい、等線量曲線162”’内の放射線量値を構成することができる。低い放射線異常に対しては、ソフトウエア36は等線量曲線162”’の外側の放射線量値にほぼ等しい等線量曲線162”’内の放射線量値を構成することができる。いずれかの状況において、等線量曲線162”’内の線量の移動は概念的に等線量曲線162”’を消去する。
【0106】
等線量曲線操作の前記の2形態によるように、入力装置の解放は好ましくは、アルゴリズムに、等線量曲線162”’の値の変化が追加される制約を形成する新計画を出力するように命令する。更に、等線量曲線操作の前記の2形態によるように、ソフトウエア36はまた、望ましくない付随の線量変化を防止するために等線量曲線操作のこの方法を制約するための提案を包含することができる。ユーザーは標的の腫瘍体積又は構造物体積に対する最大及び最少放射線量値164、165(図9)のいずれか又は双方を入力することができる。ユーザーによる最大及び/又は最少放射線量値164、165の入力に応答して、ソフトウエア36はユーザーが提供した線量の制約の外側から逸れる放射線量をもたらすと考えられる選択される等線量曲線162”’内の線量のどんな変化をも防止することができる。
【0107】
恐らく図3及び8にもっとも適切に示されるように、ソフトウエア36は図8に示されるような前以て決定された放射線量レベルを超えて受ける腫瘍体積又は構造物体積の率を減少/増加し、腫瘍体積又は構造物体積又はそれらの間の中間の組み合わせ物の与えられる率に対する過剰線量レベルを減少/増加するいずれかのために、DVH曲線175’をユーザーに「グラブ」又は「ドラッグ」させるアルゴリズムを包含することができる。好ましくは位置決め装置の形態の入力装置を利用して、ユーザーは前以て決定された放射線量レベル198を超えて受けることを許された標的の腫瘍体積(又は隣接の構造物体積)の率197を示す選択される位置196に位置付けられるDVH曲線175’の一部を選択することができる。もう1つの部位へのユーザーの所望される経路上の入力装置によるDVH曲線175’の選択される部分196のユーザーによるドラッグに応答して、ソフトウエア36は前以て決定される放射線量レベルを超えて受けることを許された標的の腫瘍体積(又は隣接の構造物体積)の率197を変更して、それにより前以て決定される放射線量レベルを超えて受けることを許された標的の腫瘍体積(又は隣接の構造物体積)の
ユーザーの所望する率199を有する新規の放射線ビーム配列を形成する。
【0108】
前記の等線量曲線の操作/消去によるように、入力装置の解放は好ましくは、調整されたDVH曲線175’が追加された制約を形成する新計画を出力するようにアルゴリズムに命令する。更に、等線量曲線の操作/消去によるように、ソフトウエア36はまた、望ましくない付随の線量変化を防止するためにユーザーによるこのタイプのDVH曲線の操作を制約するための提案を包含することができる。ユーザーは標的の腫瘍体積又は構造物体積に対する最少及び最大放射線量値のいずれか又は双方を入力することができる。ユーザーによる最大及び/又は最少線量値164、165(図9)の入力に応答して、ソフトウエア36はユーザーが提供した線量の制約の外側から逸れる放射線量をもたらすと考えられる線量のどんな変化も防止することができる。
【0109】
本発明の1態様において、再度図3に関して、ユーザーは等線量曲線162のドラッグによりプロンプトされる変更の部分的消去又は解放(unroll)を許すスライドコントロール155を提供される。前記のように、ユーザーが問題の等線量曲線162をドラッグし、次にそれを解放すると、ユーザーは等線量曲線の「等高線図」に放射線処置計画の新規の図をスキャンウインドー160中に再描写させる(「チェックポイント」)。従って、ユーザーは「提案される」変更の効果を決定するために必要な情報を提示される。概念的には、ユーザーは妥協物はどんなものであろうか又はそのどんな変化が何を伴うであろうかの知識を伴わずに、ユーザーが放射線処置計画の変更を要請した。にも拘わらず、ユーザーは概括的に何が付随的に変化したかそして提案される修正が付随的変化にいかに影響を与えたかを認識する必要がある。従って、ユーザーは、ユーザーが、提案される修正から区分的に「後退する」ためにスライダー155のハンドル157をスライドさせることができるスライドコントロール154(部分的に戻すスライダー)を与えられる。他の方法は本発明の範囲内にあるが、スライダー155の機能は好ましくは、下記に、より詳細に説明されるように計画最適化ソフトウエア36により利用される収集ポイントの線量値の間の線形内挿(ビーム強度の線形内挿に対応する)により達成される。
【0110】
部分的取り消しスライダー155は基本的にユーザーが実施した最後の調整を自動的に総括する(encapsulaate)バックスペース装置に等しい。更に、好ましい態様において、部分的取り消しスライダー155は、問題の等線量曲線162の解放時に一番右側の位置のそのハンドル157により実行せず、スキャンウインドー160がそれに対応して修正された計画を表示する。ユーザーがスライダーハンドル157を左側の端までスライドさせると、アルゴリズムは修正を完全に取り消す。ハンドル157を右側に戻してスライドさせると、ユーザーがハンドル157を前後にスライドさせる時に、ユーザーが完全に又は区分的に修正の効果を現在時で認識することができるように、修正を完全に再構築する。ユーザーは有利には、妥協の程度をより容易に理解することができる。ユーザーは調整及び調整の結果の前に計画の構成(configuration)を観察するための任意の中間ポイントを選択することができる。
【0111】
例えば、ユーザーはGUI150のスキャンウインドー160中の等線量曲線162の重なる画像161を考察し、過剰な線量が直腸のような健康な器官の構造物に送達されていることを決定する。ユーザーはスクリーンポインター163と連絡した位置決め装置の協力を得て、問題の等線量曲線162をグラブし、それに対応して直腸から線量をずっと押し出す。この例においては、調整が付随領域に望ましい結果に満たない結果をもたらしたことを想定されたい。調整の結果に不満なユーザーは次に、部分的取り消しスライダー155のハンドル157を前後に移動させ、各区分毎にスクリーン上で変化する等線量曲線162を吟味することにより調整を試みる。ユーザーが部分的取り消しスライダー155のハンドル157を移動して、等線量曲線162を直腸中に「流動性に」出し入れさせる時に、ユーザーは最善の可能な妥協案に対応する等線量曲線の位置を選択する。部分的取り消しスライダー155のハンドル157の解放時に、アルゴリズムはアプデートされた処置計画を提供する。次にユーザーは結果の吟味を継続し、対応して他の変更を実施する。
【0112】
本発明の態様において、コンピューター計画装置35はフルエンスマップを内挿する能力を提供する。この能力はユーザーに複数の参照計画のシナリオの間の全領域のオプションを検討する柔軟性を提供する。例えば、本発明の1態様において、部分的取り消しアルゴリズムは前記のように、ユーザーに変更の部分的取り消しを早急に実施させる効果を有する動的スライドコントロール155を実行する。そのもっとも簡単な形態において、変化の関数の部分的取り消しは例えば、前以て調整される計画と後に調整される計画間の概念的に「中間」である計画シナリオに等しい、平均処置計画の作成を許す。付随するアルゴリズムは線量を平均し(線量マトリックス間の内挿)、そして問題の線量が誘導されるフルエンスパターンを平均する(ビーム強度プロファイル間の内挿)ことができる。アルゴリズムが特定のセットの制約に限定される限り、アルゴリズムは応答可能にこの操作を実施することができ、そして前以て調整される処置計画と後で調整される処置計画の間の連続物内で選択される処置計画を形成するであろう。本発明の種々の態様において、コンピューター計画装置35は所望の一時的な性能に基づいて制約に対する異なるレベルのこのような限定を提供する。
【0113】
本発明の好ましい態様において、コンピューター計画システム35は「チェックポイント」間に内挿する能力を提供する。いくつかの処置計画システムはその後の比較のため、そして引き返し追跡を許すために、アプデートされたバージョンの形態の処置計画の複数の反復物を保存又は一時的に保存する手段を提供する。ユーザーは、ユーザーに単一連続物上の末端点として任意の2計画(「チェックポイント」)を確立させ、それによりユーザーに種々の不確実な確率を探索する際の高い速度及び自由度を提供する、現在時の制御を提供される。図3に関して、GUI表示150はボタン158、ドロップダウンメニュー(図示されていない)又は計画リストへのアクセスを許す類似の装置、及びボタン158’、ドロップダウンメニュー(図示されていない)又はリストに現在の計画を追加することを許す類似の装置を包含することができる。チェックポイント関数の間の内挿はユーザーに幾らかの変更を実施させ、もう1つのバージョンとして修正計画を保存させ、そして次に後にこれらのバージョン間で又は以前のバージョン間の連続物内で、又は現在の表示計画により基本的に前後にスライドするために任意の先行バージョンを思い出させて、より不確定なバージョンまでも更に開発させることができる。
【0114】
概念的に、チェックポイント関数の間の内挿は評価/最適化の収集ポイントの線量値の間の線形内挿を関数的に利用することができる多レベルの取り消しである。しかしこの関数はこのシステムのツールを使用して作成される計画の先行バージョンのみの比較に限定はされない。2個のチェックポイントの間の内挿は最初に、異なるプラットホーム上で作成される第1及び第2のチェックポイントに対する放射線量分布を表わす対応する各組のポイントにおける放射線量の値を決定することにより達成することができる。他の方法は本発明の範囲内にあるが、この関数は好ましくは、第1及び第2のチェックポイントに対する放射線量分布を表わすポイントの組に対する放射線量の値の間に適用される線形内挿を使用して実施されることに注意されたい。
【0115】
計画最適化ソフトウエア36は中間の(又は最終的)提案される放射線処置計画を放射線ビーム強度の離散化により送達可能な別々の放射線処置計画に変換して、例えば、等角放射線治療の送達装置のような前以て選択される送達装置39と適合性の対応する放射線ビーム強度構成物中に放射線ビーム配列を形成することができる。次にソフトウエア36は自動的にグラフ上に送達可能な別々の放射線処置計画をユーザーに表示することができる。これは、放射線量分布中の各ポイントにおいて、又は放射線量分布を表わす収集され
たそれらの組における放射線量の値により制約される最適化目的関数を提供することにより達成することができる。
【0116】
現代のコンピューターハードウエア上の上記に引用された現在時の双方向性の計画の調整を許すためには、それぞれの最適化アルゴリズムを処理するコンピューターがしばしば最適化する目的関数は、それが能力の有意な減少を伴わずに早急な(一時的)最適化と適合性であるように規定又は再表示することができる。本発明の好ましい態様において、コンピューター計画装置35は目的の貢献物の単調の一次導関数により最適化を提供することができる。コンピューター計画装置35は最適化を実施するために要する時間の有意な短縮を達成するために、目的関数に対する各貢献物がその一次導関数において単調であるように目標を再構築するアルゴリズムを提供することができる。各目的関数を最適化するよりむしろ、コンピューターがしばしば最適化しなければならない目的関数上に注意を集中することにより、コンピューター処理時間の有意な短縮を最少の計算努力により達成することができる。しかし、最適化されるすべての目的関数にアルゴリズムを適用することは本発明の範囲内にあることに注意されたい。
【0117】
計画評価ポイントの選択は一時的最適化を提供するもう1つの方法である。放射線処置計画の種々の反復の評価のための収集ポイントを選択することは一時的性能を有意に増加することができる。この収集は完全にランダムでも又は特定の関連領域に隣接して収集される確率を増加するためにバイアスを伴うランダムのいずれかであることができる。本発明の好ましい態様において、コンピューター計画装置35は、処置線量をシミュレートするために患者内の計画評価ポイントの典型的な数より少数を特定することにより速度及び双方向性を増加するために、最少の計画評価ポイントの自動的選択のためのアルゴリズムを提供する。これらの計画評価ポイントはソフトウエア36が重要な線量特徴物を「知る」ように十分に分布される。性能はこのような計画評価ポイントの数に反比例であるので、アルゴリズムはその基準を満たす最少の可能な群を特定することができ、ここで取引(trade−off)は性能を制約し、精度を指令する計画評価ポイントの数である。
【0118】
例えば、その線量が目的関数を計算するために使用される腫瘍の1,000個の異なる部分を有する可能性があり、そして患者全体に広がった50,000個の他のポイントが存在するかも知れない。アルゴリズムが50,000個のポイントを選択する場合は、処置計画の非常に正確な描写を提供すると考えられるが、計算は許容できない長さの時間を要するであろう。アルゴリズムが5ポイントのみを選択する場合は、結果は処置計画の非常に不正確な描写であろう。しかし、アルゴリズムが500個のポイントを選択すれば、精度はこれらのポイントが戦略的に位置付けされる場所に左右されるであろう。従って、それぞれのアルゴリズムは患者に送達される線量をまだ十分に規定する最少数のポイントを有するように、適当な位置における可能な最少数のポイントを選択することができる。
【0119】
以前に説明されたように、先行の放射線処置計画の放射線量分布又はビーム配列をランダムに収集することにより、複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の構造物体積の収集ポイントを得ることができる。この放射線処置計画は取り込まれた計画又は、提案された放射線処置計画の事前の(prior)反復物のいずれかであることができる。計画最適化ソフトウエア36は標的の腫瘍体積の収集ポイント及び構造物体積の収集ポイントそれぞれにおける放射線量値を決定する。次に標的の腫瘍体積の各収集ポイント及び構造物体積の各収集ポイントに対する目的関数に1項を追加することにより、最適化目的関数を構築又は修正することができる。各項は先行放射線処置計画の放射線ビーム配列に対応する目的関数に極値(最少又は最大制約値)を提供する。
【0120】
収集ポイントを使用して開発された放射線処置計画の完全性を確保するために、ソフトウエア36は全体の放射線量分布よりむしろ計画の最適化に利用されたものとは別に、そ
して区別された計画評価のために利用することができる、ランダムに収集されたポイントを別に提供することができることに注意されたい。すなわち、ソフトウエア36は計画評価のために利用されたものと異なる複数の各計画最適化収集ポイントにおける放射線量の値により制約される目的関数を構築することができる。従って、ユーザーはソフトウエア36により利用される数学的模型を単に評価するよりむしろ、提案された処置計画を評価している。
【0121】
選択的再計算の使用により一時的効率を更に増加することができる。例えば、提案される放射線処置計画の反復物の評価を実施するために、ユーザーは概括的に例えば、図3に示した画像161のような二次元の画像スライスを提供される。従って、ソフトウエア36は、現在表示されていないものも含めて、各画像スライスに対する各計画評価の収集ポイントの放射線量の値を再計算するよりむしろ、現在表示された画像161に関連する計画評価の収集ポイントの放射線量の値を再計算することが必要なだけである。
【0122】
各標的又は構造物に対する放射線量の最小値及び最大値を決定し、表示するために共役勾配アルゴリズムの使用により、一時的効率を更にまだ増加することができる。例えば、ソフトウエア36は標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積それぞれに対し、最高の放射線量値を有する小さい1組の収集ポイント(例えば、5個の収集ポイント)及び最低の放射線量値を有する小さい1組の収集ポイントを特定することができる。ソフトウエア36は最大の放射線量値を有する小さい各組に対して勾配上昇アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対して放射線量最大値166を決定し、表示することができる(図10)。それに対応して、ソフトウエア36は最小の放射線量値を有する小さい組に対して勾配下降アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対して放射線量最小値167を決定し、表示することができる。すべての収集ポイント又は全放射線量分布よりむしろ、小さい組の収集ポイントを利用することは標的及び構造物に対する最小及び最大放射線量値を計算するために要する時間を著しく短縮する。
【0123】
本発明の態様において、アルゴリズムはまた、2種の異なるセットの計画評価収集を実施することができる:第1のセットは目的とされる関数、すなわちフィードバックに貢献するものにおいて評価されるポイントと一致する。第2のセットはDVH曲線及び他の統計値を構築するために使用されるポイントと一致する。アルゴリズムはそれがDVH曲線及び他の統計値を計算するより更に頻繁に、目的関数を評価する。従って、アルゴリズムは後者の群に対してより多くのポイントを使用することができる。従って、アルゴリズムはそれが目的関数を再計算する必要がある時に、ポイントのより小さいサブセットを使用することにより一時的効率を達成する。
【0124】
「急速IMRT送達効率改善」スライドコントロール156又は他の適当なツール(図3)を追加して、最適化過程を支配してそれにより他の貢献物の効果を最少にすることができる更なるコスト貢献物を追加することにより、解決を制約するために使用することができる更なる制約を提供することができる。すなわち、放射線処置計画の効率を制御する方法として、放射線ビームフィールドセグメント数に比例する制約及び平均放射線ビーム減衰(強度調整放射線治療システムのため)に比例する制約を目的関数に追加することができる。この制約の組み合わせは、ユーザーに線量測定の質(計画が線量分布に関連する臨床的目標をいかに十分に満たすか)及び送達効率(送達速度)の間の取引を制御させる。
【0125】
例えば、本発明の好ましい態様において、線量測定コスト(線量分布の質に伴うコスト)が最大許容可能レベルより下である場合は、総コストは送達コストの構成成分を含まない、例えば、総コスト=線量測定コストである。しかし線量測定コストが最大許容可能レベルより上である場合は、総コストは送達コストにより制約され得る、例えば、
総コスト=線量測定コスト+LS*(送達コスト−許容可能レベル)
(ここでLSは大きい正の数であり、そして送達コストは送達の一時的効率に関連する)。送達装置39に対する複雑性が総セグメント数よりむしろ総モニターユニットに基づく場合(MIMiCに対する事例のような)は、「送達コスト」は以下:
【0126】
【数2】
【0127】
[ここでNumPencilBeamsは標的の腫瘍体積を照射するペンシルビーム数であり、そしてRelativeIntensityは0〜1の範囲内にあり、そこで、1は完全な透過を表わす]
のように定義することができる。効率的な計画に対して、コリメーターのリーフは大部分の時間に対して開放されている。非効率的な計画に対してRelativeIntensityは相対的強度は0に近い。
【0128】
再度図2A、2B及び2Cに関して、計画システム30における次の段階はしばしば「装置適合段階(Instrument Fitting Step)108」として説明される。放射線ビームの位置及びビームの重量の生成される最適化セット又は放射線ビームセグメントに対するビーム強度を送達装置39の送達能に適合させる。言い換えると、処置計画の微調整完了時に、スライドコントロール154のような種々のスライドコントロール装置を使用し、そしてスクリーンポインター163等を使用する等線量曲線162をドラッグすることにより、次の主要な段階は、選択される送達装置39のタイプに独特な適当な変換を実施し、そして患者を処置するために選択される送達装置39に適合させた放射線処置計画を送達することである。別個の段階として示されているが、本発明の好ましい態様において、「装置適合段階108」は好ましくは、「計画最適化段階107」と機能的に組み合わされていることに注意されたい。
【0129】
ソフトウエア36は選択される装置39に応じて多数の異なる出力を提供する。コンピューター計画装置35は、ユーザーに結果を立証させ、そしてユーザーに放射線処置計画を「試験点火させる」多数の更なる他のデータ及びグラフを提供して、試験装置37に計画された線量を送達することができる。これは有利には、ユーザーに、処置計画の結果がコンピューター計画装置35及びユーザーがそれらにそうであることを期待するものと適合することを確認する能力を提供する。本発明の好ましい態様において、GUI表示150はボタン(図示されていない)、ドロップダウンメニュー(図示されていない)又はユーザーに放射線処置計画を承認させる類似の装置を含むことができる。典型的には、放射線処置計画の承認を完了するためにはユーザーはセキュリティのプロトコールに応答する、例えば、パスワードを入力しなければならないことに注意されたい。次にコンピューター計画装置35は自動的に、選択される送達装置39に地域の通信網33により接続を実施することができ、特定の患者と関連した特定の放射線処置計画を送達する。そのもっとも基本的な形態において、開発のこの段階における放射線処置計画は、複数の異なる方向からどの程度、そしてどのくらいの期間、放射線を送達するべきかにつき送達装置39に命令する。
【0130】
開発された計画は選択された送達装置39と適合性であるか又は必ずしも適合性ではないかも知れない。種々の送達装置39の種々の計画の送達機序はしばしば、ビームのフルエンスが特別の別々の値を採ることを必要とし、他方、種々の態様の最適化物(optimezers)は別々の又は連続的な空間のいずれかで作動することができる。計画最適
化が連続的空間で開発される態様に対しては、例えば、「モードフォールド」離散化法及び「推察された谷」の離散化法又は当業者に知られたその他の離散化法のような種々の方法を、このような最適化計画を送達可能な別々のものに変換するための機序として別々に又は組み合わせて使用することができる。例えば、典型的な多葉コリメーターをとおる強度調節処置フィールドの送達を簡素化しそして/又は加速するために、最適な処置のフルエンスマップを決定する際にしばしば限定数の別々の強度レベルを使用する。最近は多数のシステムがこれらのレベル(例えば、10%段階で0〜100%)の簡単なセットを提供する。しかし使用される実際のレベルは処置の簡略性及び速度双方に対して劇的な効果をもつことができる。同様に、1処置計画に対する最適なレベルは典型的にはもう1つのものに対するものと異なる。
【0131】
本発明の1態様において、コンピューター計画装置35はまた、任意の放射線ビーム強度値をもつことを特徴とする先行放射線処置計画から、別々の放射線ビーム強度値の固定されたセットを有する最適化放射線処置計画を開発するために利用することができる最適化目的関数を提供することができる。目的関数は、先行放射線処置計画及び先行放射線処置計画から誘導された複数のその後の放射線処置計画を反復評価して、別々の放射線ビーム強度の組み合わせを決定することができる。この決定から、コンピューター計画装置35のソフトウエア36は先行放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に合致する臨床的特性を有する最適化放射線処置計画を提供することができる。コンピューター計画装置35は最適化目的関数により評価することができる多数の放射線処置計画の記録を維持することができる。最適化目的関数は、それが、評価された放射線処置計画から、先行放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に合致するために要請される別々の放射線ビーム強度の組み合わせを推測することができるように構築される。
【0132】
本発明のもう1つの態様において、コンピューター計画装置35は与えられる処置領域(field)に対して理想的なフルエンスレベルの早急な算定を提供するために、「モードフォールド」の離散化アルゴリズムを含む。アルゴリズムはフルエンスの分布確率においてそれらを特定することによりフルエンスの離散化に対する最適レベルを特定する。1態様において、アルゴリズムは、Nレベルがlog2Nレベルの組み合わせを使用して達成されるように、別々のレベルがこれらのレベルのサブセットの組み合わせに分解可能であるにちがいないという推定下に実施する。アルゴリズムは種々の分解能においてフルエンスのデータから推定される確率分布から目立つモードを選択することにより作業する。確率算定者は、前以て決定された定数より少ないモードが存在するまで算定された分布を前進的に平滑化することにより試料のウインドーを拡大することにより作業する。これらのモードはフルエンスがいかに十分に網羅されるか(モードのサイズ)及びその折り込まれた分布とのそれらの相関関係(モードが折り込みにより強化される場合はより高く、それらが広がる場合はより低い)に関して算定される。
【0133】
本発明の1態様において、コンピューター計画装置35はまた、「推定される谷」の離散化を利用するアルゴリズムを提供することができる。別々の強度レベルが前以て規定される場合は、コンピューター計画装置35は、推定される勾配に基づいて、最適値から、隣接した別々のポイントへの距離を調整する発見的(heuristic)方法を提供するアルゴリズムを含むことができる。ソフトウエア36は最適値へのアプローチを要約する方向ベクトルを提供することができる。ソフトウエア36が共役勾配のアプローチを利用する態様において、方向のベクトルは移動される最後の方向でなければならない。ソフトウエア36が降下法を利用する場合は、方向ベクトルは現下の試験ポイントから最終の最適ポイントでなければならない。推定される谷の離散化に対しては、統計的に基づいた推定は、この方向が目的関数中の浅い谷に沿っており、従って最小の勾配の方向であることである。ポイントPにおけるコストは好ましくは、以下:
【0134】
【数3】
【0135】
[ここで:Cp=ポイントPで評価される目的関数;Co=最少コスト;O=連続空間における最適ポイント;そして
【数4】
=最適化物からの勾配単位ベクトル;a=Gベクトルに沿った勾配;そしてb=直交ベクトルに沿った勾配;そしてそこで「a」及び「b」勾配は2個の試行ポイントを評価し、解くことにより計算される]
のような模型で表わされる。
【0136】
この関数は、最適なコストであるものとしてのコスト、プラス現行のポイントから最適なポイントへのラインの大きさにより割られた、現行のポイントから最適なポイントへのラインとの勾配の単位ベクトルの外積である項により倍率を掛けられた(scaled)、現行ポイントから最適なポイントへの距離の大きさ、掛けるaベクトルの和、プラスaベクトル及びbベクトル間の差を模型で表わす。これらのポイントのコストは最終的アルゴリズムの指定との比較のために保存することができ、従って良好な最初の候補のポイントの選択は性能を改善する。アルゴリズムはもっとも近位の別々のポイント及び、反転されたディメンションが、ポイントが反転するために移動しなければならない距離に基づいて選択される、第2に近い別々のレベルに反転されるディメンションの少なくとも1/4〜3/4以下を伴うポイントを使用することができる。
【0137】
再度図2A、2B及び2Cに関して、次の段階は「線量シミュレーション段階109」である。この段階は、それが本発明のコンピューター計画装置35の最適化動力(engine)を使用して計画最適化中又はその後のいずれかに実施されることを除き、段階105と機能的に同様な段階である。患者に対する放射線量は送達装置39に対する制御情報に基づいてシミュレートされる。コンピューター計画装置35は送達装置39及びユーザーの双方に多数の出力を提供する。従って前記のように「ヒト」はすべての結果を検討することが必要なので、コンピューター計画装置35は患者を伴わずにそして、コンピューターが最適化した放射線処置計画がユーザーの期待と一致するかどうか決定し、そして送達装置39の出力が放射線処置計画と適合することを確認するための試験装置37に送達される線量の測定を実施するために、ユーザーに処置計画を「試験点火」させる更なるグラフ及びデータを提供することができる。
【0138】
「決定段階110」と特定される図2A、2B及び2C中の決定ボックスに関して、ユーザーは、コンピューターによる最適化放射線処置計画が期待を満たすかどうか決定する。その場合は、ユーザーは「出力処理及び送達段階111」に移動する。計画又は決定が受容できない、望ましくない又は更に単に改善の必要があると決定される場合は、ユーザーは段階107〜109に復帰し(ループ・バック)、更なる修正、吟味又は分析、線量指令を変更する又は等線量曲線162を移動することに関しては「計画最適化段階107」;ビームのコンピューター最適化に関しては「装置適合段階108」そしてレビューのシミュレーション実施に関しては再度「線量シミュレーション段階109」を実施する。このループはユーザーが計画を受容できると決定するまで継続することができる。
【0139】
「出力処理及び送達段階111」は医師に、シミュレートされた放射線量の情報をレビューさせ、そして最終的患者への送達のための放射線計画を承認させる。このようなレビュー及び承認後に、特定の放射線送達症例に対する送達装置を制御するためのデータをコンピューター読み取り可能な媒体に保存するか又は、直接にそして/又は地域通信網33を介して間接的に移送する。移送されるデータは、計画が、どのくらいの放射線をそしてどの方向から送達すべきかを供給する、特定の患者に対する処置計画として特定される。データはまた、例えば、送達装置29に付随した多葉コリメーター中の部材のタイミング及び移動の指令、放射線源の構成情報及び通常の患者の情報を含むことができる。本発明の好ましい態様において、ユーザーは付随のアルゴリズムを始動させるためにボタン又はドロップダウンメニューからのメニューの項を「クリック」することを要するのみである。典型的な状況において、医師又は技術者が放射線処置計画を承認して、パスワードを入力し、それが順次、自動的に送達装置39への通信網の接続の設立を誘発させるであろう。
【0140】
前記のように、図2Aは本発明のコンピューター計画装置35を利用して放射線処置計画を作成する方法を表わし、そこで装置は2モードで作動し、第1は図2Bの「計画微調整」モードであり、そして前記の段階のサブセットを利用する第2の「自立」モードは図2Cに示される。図2Cに関して、「自立」モードは腫瘍の画像を獲得し、そして最初のビーム位置を確立する段階99〜101を含んでなり、次に、概括的に例えば、CORVUS(R)計画システムのような先行システム計画の、本発明のコンピューター計画装置35中のその計画の表示物への変換に対してのみ必要な、段階102〜106を飛び越え、そして次に計画の最適化のための段階107、段階108の装置適合ビーム最適化、段階109のレビューのための線量シミュレーション、段階110の計画の受容までの反復ループ決定そして最後に「出力処理及び送達段階111」に直接飛ぶ。
【0141】
本発明の態様はグラフィックユーザーインターフェイスを含む。主として図3に関して、コンピューター計画装置35のようなコンピューターシステム又は装置は、それをとおして操作システム及び適用ソフトウエアが機能的に表示され、アクセスされるグラフィック・ユーザーインターフェイス(GUI)をもつことができる。GUI150のようなGUIはコンピューター適用プログラム、文書及び、アイコン及びメニューのようなグラフにより表示されるGUI物体としてのデータファイルを表わすことができる。GUI物体はシステム及び適用機能(functions)を制御し、起動するためにユーザーにより操作されることができる。ユーザーはマウス、タッチスクリーン又はその他の入力装置(図示されていない)のような位置決め装置によりGUI物体を操作することができる。マウスは表面上を移動する時に、対応する方向に例えば、表示スクリーンポインター163のような表示スクリーンポインターを移動する入力装置である。マウスは典型的にはポインターにより位置決めされているGUI物体を選択し、そしてGUI物体の付随機能を起動するために押す(「クリックする」)ことができる多数のボタンを有する。GUI操作システム及びアプリケーションはまた、「ポイントアンドクリック」システムと呼ばれる。
【0142】
GUI物体は例えばドロップダウンメニュー151のようなユーザーが選択可能なインターフェイス、チェックボックス152、テキスト入力フィールド153、ボタン158及びスライドコントロール154(解放するとGUI物体の付随機能にアプデートを誘発するマウス又は他の位置決め装置でドラッグすることができる水平又は垂直のハンドル又はバー157を含むことができる)を含むことができる。GUI150はまた、スキャンウインドー160中に表示されるスキャン画像161のような腫瘍又は腫瘍スライスの少なくとも1枚のグラフ画像の形態でGUI物体を表示することができる。GUI150はまた、同時に腫瘍の軌跡に対して相関的にプロットされた等線量の変化を表わす等線量曲線162のような他のグラフ画像を表示することができる。GUI150はまた、分析ウインドー170中のグラフ表示タブの形態の少なくとも1種のGUI物体、 アプリケーションソフトにより入力又は出力される計算又は他の統計値を表示することができる。
【0143】
前記のように、本発明の好ましい態様は、例えば、ドロップダウンメニュー1511及び選択ボタン158のようなユーザーに選択可能な複数のインターフェイス;等線量曲線162を含む線量重複物を伴うCTスキャン画像161のような少なくとも1個のスキャンウインドー160;及び典型的にはスライド1枚毎に基づいてユーザーが腫瘍物質であ
ると推定するものの輪郭をユーザーに描かせることができるスクリーン表示ポインターの形態の「手動ツール」を表示する。ツールは典型的にはスクリーンポインター163と類似のマウスタイプのポインターとして表示される。GUI150はまた、ユーザーにその上でただ「クリック」させることができる自動化された体積構造物のセレクター(図示されていない)を含むことができ、そこで、それは腫瘍の境界を自動的に部位認識し、そして腫瘍が非常に詳細に識別される調整を自動的に実施すると考えられる。更に、GUI150は標的又は構造物を選択するための例えば、ドロップダウンメニュー151、151’又はチェックボックス152、152’のようなユーザーが選択可能なインターフェイス;テキスト入力フィールド153、153’(例えば、線量目標、線量限界);種々のパラメーターの重要性を調整するためのスライドコントロール154、154’、154”’、計画の間に内挿する又はソフトウエアの性能を調整するためのスライドコントロール155、156;及び種々の統計値を提供する分析ウインドー170の選択タブ171を含むことができる。
【0144】
本発明の1態様において、GUIウインドー表示150の一部は文脈依存性である。インターフェイスは選択可能な構成成分を伴う少なくとも1つのドロップダウンメニュー151を含む。具体的に示す目的のための、そして図3に関して、「標的」選択180は標的の組織器官のタイプに基づいて異なる健康な組織器官の選択に専用される。その特定の標的の選択は特定の標的に関する関連入力又は調整を許すであろう。代わりの態様において、その代わりに一連のタブ又はチェックボックス(図示されていない)を使用することができる。好ましい態様には「標的」の選択180のためのドロップダウンメニュー151及び健康な組織の「構造物」選択181のためのドロップダウンメニュー151’が含まれる。
【0145】
例えば、「標的」の腫瘍が前立腺癌によるものである場合は、処置計画に関係する問題の健康な組織の「構造物」は典型的には直腸及び膀胱を含むと考えられる。ユーザーは問題の健康な各器官を選択するために構造物のドロップダウンメニュー151により構造物の選択181を特定し、アクセスすると考えられる。テキスト入力フィールド153’と関連した制御は選択される健康な器官それぞれに対する「線量限界」を調整する能力を提供すると思われ、すなわちユーザーがリストから膀胱を選択する場合は、その表示された制御は膀胱に適用され、ユーザーがリストから直腸を選択する場合は同一の制御が直腸に適用される。
【0146】
本発明の1態様において、GUI150はまた1回の[クリック」が関連アルゴリズムを始動させるであろう、例えば、選択ボタン158のような選択ボタンを含む。少なくとも1個のボタン、ボタン158は、ボタン158の選択が編集可能な保存された計画を示すスクリーン上のリストを作成するチェックポイント作成(checkpointing)に関する。もう1つのボタン158’は典型的には関連制約パラメーターと一緒に計画を保存するためのアルゴリズムを始動する。しかし、選択ボタン158、158’に関する機能はその代わり、ドロップダウンメニュー151に類似のドロップダウンメニューに関連付けられる又は指定されることができ、そしてその逆又は事象を開始する他のGUI法も可能である。
【0147】
前記のようにGUI150はスキャン又は他の画像161を表示するウインドー160を含む。スキャン161は概括的に「解剖学ツール段階101」及び「計画最適化段階107」期間中もっとも頻繁に利用される。スキャン161は全体で又はスライス毎のいずれかで三次元画像の二次元表示を提供する。本発明のコンピューター計画装置35は等線量曲線162の形態の計画放射線ビーム強度のような現行の又は選択される計画パラメーターを表示し、反映するアルゴリズムを含有する。あるいはまた、等線量曲線162を使用して個々のスライス上の線量を表示する代わりに、ユーザーは透明色彩の薄塗りの形態にあるように、例えば、より多い線量が存在する時は赤色が強く、そして少ない線量が存在する時は青色が強いように、表示を選択することができる。
【0148】
本発明の1態様において、恐らく図3及び4においてもっとも適当に示されるように、典型的にはマウスポインター又はクロスヘアの形態のスクリーン表示位置決め装置163は入力装置(図示されていない)に応答性である。この装置は前記の幾つかの特徴物を支持する。1態様において、ユーザーはそれらの位置を操作するためにグラフ上のライン又は曲線を「グラブ」することにより線量又は構造的制限を入力する方法として、DVH曲線175を操作する能力を提供されることができる。本発明の好ましい態様において、ユーザーはまた、ユーザーが等線量曲線にそうあるように所望する場所で等線量曲線をグラブし、ドラッグするために位置決め装置の使用により例えば、等線量曲線162、162’のような等線量曲線自体を操作する能力を提供される。例えば、等線量曲線162’のような等線量曲線の画像上でドラッグすることは、出発ドラッグ点191と停止ドラッグ点192間のライン190上に絶対的制約を確立することにより線量をドラッグする。ユーザーが等線量曲線162’上で位置決め装置の「グラブ」を解放すると、その行動がソフトウエア36のアルゴリズムに、ドラッグされるライン190が追加された制約を形成する新計画を出力するように命令する。位置決め装置はまた、ドロップダウンメニュー項目151を選択する、ボタン158上を「クリックする」、チェックボックス152を選択する、又はスライドコントロール154、155もしくは156のハンドル157をグラブするような、より基礎的なGUI機能のために種々のすることができる。代わりの態様において、GUI150はスキャンウインドー160上の任意の与えられる点における線量を示すための画面上線量インジケーターを提供する。断層撮影スキャン161上に重ねた等線量曲線上又はそれに隣接して位置決め装置163を配置することは、腫瘍構造物中の特定のポイントの線量値の表示をもたらす。画像上をマウス処理すると連続的にアプデートされた線量測定をもたらすであろう。もう1つの態様において、画面上線量値はクロスヘアカーサーが移動する時にそれに隣接して即座に表示される。更にもう1つの代わりの態様において、GUI150はユーザーが標的又は構造物を確立又は特定し、そしてそれらを選択される等線量曲線162に制約する直接的線量描写を提供する。この態様において別の制御装置(図示されていない)が典型的には線量−描写モードを確立するために使用される。
【0149】
チェックボックスはコンピューターシステム/装置中に簡単な情報を入力するための簡単なツールである。本発明の1態様において、コンピューター計画装置35中への所望の入力が単に最適化過程中への1項の選択可能な包含である場合は、チェックボックス152を利用することができる。例えば、チェックボックス152は標的として前立腺を、又は健康な組織構造物として直腸を選択するために使用することができる。
【0150】
テキスト入力フィールドはコンピューターシステム/装置のアルゴリズム中に数値データを入力するための簡単なツールである。本発明の1態様において、他の指令パラメーターもまた可能であるが、テキスト入力フィールド153は標的の目標線量及び健康な構造物の線量限界の入力に利用できる。
【0151】
スライダー制御装置もまた、コンピューターシステム/装置のアルゴリズム中に別々の及び別々ではない調整可能なパラメーター双方を入力するための簡単なツールである。本発明の好ましい態様において、スライダー制御装置154、155、156は種々の調整可能なパラメーターの入力に好ましい方法である。少なくとも1つの標的に対してユーザーは「標的の線量」に対応してテキスト入力フィールド153中に所望の線量レベルを明記するであろう。これはドロップダウンメニュー151により選択される少なくとも1つの標的それぞれに対してテキスト入力フィールド151中に数値の入力物を入力することにより実施することができる。例えば、ユーザーは前立腺に対して目標線量フィールド157中に数値67.25を入力するであろう。それに対応して、GUI150は放射線処置計画のコンピューターの計算中に使用のための限界を構成するために少なくとも1の、しかし典型的には2以上のスライドコントロール154、154”を表示する。基本的には好ましい構成(configuration)において、スライドコントロール154、154’が図3に示されるように、選択される標的の均一性及び等角性を制約するために提供される。
【0152】
例えば、幾つかの標的の腫瘍に対してユーザーは標的の腫瘍中にあまり大量の線量が侵入することを回避するために最大線量レベルを制約することを所望すると考えられる。他の状況においては、ユーザーは線量レベルをあまり心配しないかも知れず、従って、最適な計画を提供するためにアルゴリズムが決定するだけの高い線量をコンピューターに入力させるかも知れない。他の状況においては、ユーザーはすべての標的が少なくともXレベルの線量を得ることを心配するかも知れない。更に他の状況においては、ユーザーはすべての標的がXレベルとYレベルの間の線量を得ることを心配するかも知れない。更に、例えば、スライドコントロール154’のようなスライドコントロールはまた、「重要性」のような構造物の制約を指示するために有効である。
【0153】
更に例えば、図3の「標的の均一性」のスライドコントロール154”を使用する際に、ユーザーは標的の前立腺腫瘍に対してテキスト入力フィールド153中に50Gyの目標線量を入力する。次にコンピューター計画装置35は腫瘍中のすべての部分に50Gyを示す計画を開発し、表示する。しかし、腫瘍の形状により、計画は腫瘍の中央のいずれかの部分に80Gyが送達される結果をもたらす。ユーザーは線量が過剰であると決定する。ユーザーは「ホットスポット」を許さないようにアルゴリズムに対して影響入力として機能する「標的の均一性」のスライドコントロール154”を選択する。マウス、ポインター又は同等物を使用してユーザーは「標的の均一性」のスライドコントロール154”の制御「ハンドル」157上を「クリック」し、そしてハンドル157をスライドさせる。好ましい態様において、ユーザーはハンドル157を右側にスライドさせるであろう。ユーザーが装置(マウスのボタン)を解放するまで何も起らないと思われ、従ってハンドル157は新位置にある。装置(マウスのボタン)を解放する効果は、改正された又は新規の処置計画の再計算及び表示をもたらす。この特定の制御装置を走行させると、腫瘍内部の線量の変動を更にそれ以上に有効に限定する。スクリーン160上に描かれた80Gyスポット又は80Gy等線量曲線162が残る場合は、スライドハンドル157の位置の更なる増加が機能的に、スクリーン160からの80Gyのスポット又は等線量曲線162の消失をもたらすにちがいない。
【0154】
本発明の1態様において、スライドコントロール155は「部分的取り消し」機能と一緒に使用され、それは、制御装置が解放される時に調整が実施され、そして内挿制約パラメーターを無効にしながら、フルエンス又は線量を直接内挿するための動的な調整がもたらされる。本発明の1態様において、スライドコントロール155と同様なスライドコントロールはまた、「チェックポイント」(以前に保存された放射線処置計画)間を内挿する時に前記の方法で機能する。
【0155】
本発明の態様において、スクリーンの小部分の分析ウインドー170は選択タブの表示に専用される。選択タブ171(図3、4及び5A〜G)は計画を算定する時にユーザーにより利用される種々の計画最適化出力の表示のために利用される。これらのタブには:Isodoses 200(図5A);Structures 201(図5B);Measure 202(図5C);Win/Level 203(図5D);DVH曲線206(図5E);及びStats 207(図5F〜5G):のような関連出力情報が含まれる。代わりの態様において画面の小部分は機能的に等しいタブ171の出力を実行する1組のツールに専用することができる。図5Aに関して、分析ウインドー170中のIsodoseタブ200はGUI150のスキャンウインドー160の断層撮影タイプのスキャン161中に描かれる等線量曲線162の色彩及び線量レベルを表示する。図5Bに関してStructuresタブ201はボタン、チェックボックス及び、画面上の構造物に対する外観の鋳型を提供する表示ボックスを表示する。図5Cに関して、Measureタブ202はGUI150のスキャンウインドー160のスキャン161上の点における画像の値及び線量を収集するためのツールを提供する。図5Dに関して、WinLevelタブ203は画像161の明度及びコントラストに対する制御装置204、205を含む。図5Eに関して、DVHタブ206は種々のDVHを表示する。図5Fに関して、Statsタブ207は各構造物に対して計画された実際の最小、最大及び平均線量を表示する。図5Gに関して、Statsタブ207はまた、「Delivery(送達)」インジケーター209が選択された時の放射線値及び複雑性を示す送達の構成の総括を表示する。
【0156】
本発明の態様は完全に機能的なシステムに関連して説明されてきたが、当業者は、本発明の機序及び/又はそのアスペクトはプロセッサー、複数のプロセッサー、等の上での実行のための種々の形態の指令の、コンピューターで読み取り可能な媒体の形態で分配されることができ、そして実際に分配を実行するために使用される媒体を担持する特定のタイプの信号に拘わらず、本発明が等しく適用されることを認識するであろうことに注目することは重要である。コンピューターで読み取り可能な媒体には:不揮発性、読み取り専門のメモリー(ROM)のようなハードコードタイプの媒体又は消去可能な、電気的にプログラム可能な読み取り専門のメモリー(EEROM)、フロッピーディスクのような記録可能タイプの媒体、ハードディクドライブ及びCD−ROM並びにデジタル及びアナログ通信網のような通信タイプの媒体:が含まれる。
【0157】
図面及び明細書中に、幾つかの代わりの態様と一緒に本発明の典型的な好ましい態様が開示されてき、そして特別の用語が使用されているが、その用語は説明の意味においてのみ使用され、そして限定の目的のためには使用されない。本発明はこれらの示された態様に特に関連してかなり詳細に説明されてきた。しかし、前記の明細に説明されたような本発明の精神及び範囲内には種々の修正及び変更を実施することができることは明白であろう。例えば、システム30のような種々の構成部品間のデータの通信は地域通信網33上で達成されるが、該データは他の手段により容易に「手動で運搬し」又は送達することができる。更に例えば、GUIの種々の構成部品は互換性であり、例えば、チェックボックスはドロップダウンメニューと置き換え可能であり、そして逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の1態様に従う放射線獲得、計画及び送達システムの部分的スキーム図である。
【図2A−C】本発明の1態様に従う放射線計画システムのフロー図である。
【図3】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスの平面図である。
【図4】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイス内のスキャン表示ウインドーの平面図である。
【図5A−G】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスのリザルトウインドー(results window)内に包含される選択可能なタブのサブセットの平面図である。
【図6】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスの平面図である。
【図7】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスの平面図である。
【図8】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスの平面図である。
【図9】本発明の1態様に従う最大及び/又は最小線量値のユーザーインプットを提供するグラフィカルユーザーインターフェイス内のウインドーの平面図である。
【図10】本発明の1態様に従う勾配下降アルゴリズム及び勾配上昇アルゴリズムの計算結果を表示するグラフィカルユーザーインターフェイス内のウインドーの平面図である。
【関連出願】
【0001】
本出願はその全体が引用により取り込まれている、「等角放射線治療のための計画システム、方法及び装置」と題する2003年10月7日出願の米国特許仮出願第60/518,020号の35U.S.C.§119(e)下の特典を請求する。
【技術分野】
【0002】
本発明は概括的に放射線治療、そしてより特には腫瘍の等角放射線治療、そして特には放射線治療処置の計画システム、方法及び等角放射線治療のための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現代の腫瘍の放射線治療は2つの目標:腫瘍の照射並びに腫瘍の近位に存在する健康な組織及び器官に対する損傷の回避を有する。大部分の腫瘍は十分な放射線量が腫瘍体積に送達される場合は完全に照射されることができることが知られているが、腫瘍を囲む健康な組織又は腫瘍に近位に位置する他の健康な身体器官に対する損傷により、必要な有効放射線量の使用から合併症が起る可能性がある。等角放射線治療の目標は、周囲の健康な組織又は隣接する健康な器官に対する放射線量を最少にしながら、腫瘍の外面により区画される腫瘍体積のみに送達される放射線量を制約することである。
【0004】
等角放射線治療は伝統的に、一連の技術により取り組まれてき、典型的には腫瘍を処置するために使用される放射線ビーム源として線形粒子加速装置(LINAC)を使用する。線形粒子加速装置は典型的には、患者の周囲を回転し、処置される腫瘍の方向に放射線ビームを向ける放射線ビーム源を有する。放射線ビームのビーム強度は前以て決定された一定のビーム強度である。放射線ビームの経路中に個別に出入り移動することができる多葉又はフィンガー突起物を有する多葉コリメーターをプログラムして、それが腫瘍を通過する時に放射線ビーム、又はLINACの回転性ガントリー上に固定された放射線ビーム源の回転期間中に腫瘍の「ビームの視点」により認められる腫瘍の空間的輪郭を追跡することができる。多葉コリメーターの多葉は放射線ビームの進行経路の方向にある腫瘍体積により提示される腫瘍の形状の輪郭を形成し、そしてそれにより腫瘍体積に対するビームの特定の放射方向に応じて放射線ビームに提示される腫瘍の空間的輪郭の外側に位置する組織への放射線の透過を阻止する。
【0005】
等角放射線治療に対するもう1つのアプローチは線形粒子加速装置のガントリーが回転するに従って別の組のコリメータージョーが標的体積を追跡すると同時に、固定した患者を横切るスリットの領域を走査することができる独立に制御されるコリメータージョーの使用を伴う。更なるアプローチは、スリットを患者を横切って走査するLINACのための付属品の使用であり、そこでスリット全体の放射線ビームの強度がスリットが走査されている時に修正される。
【0006】
等角放射線治療処置に対する更なるアプローチはそのエネルギーを変更することができる高エネルギー陽子の細いペンシルビームの使用であった。陽子のビーム源が固定されたガントリーの各方向に最良の可能な放射線量分布を送達するように、ビームが腫瘍の標的体積上を走査する。
【0007】
等角放射線治療のこのような先行技術の方法に伴う主要な問題は、腫瘍体積が凹面の境界又は表面をもつ場合、放射線ビームの空間的構成(configuration)又は輪郭を変更することは一部の時間で成功するのみであることである。とりわけ、腫瘍のとぐろ巻き又は外面が放射線処置ビームの経路に対する平行面において再入性又は凹面であ
る時は、腫瘍の厚さが放射線ビームの経路に沿って変動し、そして健康な組織又は器官が腫瘍の凹面の外面により形成される凹面内に配置される可能性がある。
【0008】
凹面の境界を有する腫瘍を処置することができるためには、腫瘍の表面を横切る放射線ビームの強度を変化させ、並びに放射線ビームに提示される腫瘍の形状に適応するようにビームの外部形態を変化させることが必要である。各放射線ビームセグメントのビーム強度は放射線ビームが通過する腫瘍の部分の厚さに関連したビーム強度をもつように調節することができなければならない。例えば、放射線ビームが腫瘍の厚い部分を通過する場合は、放射線ビームが腫瘍の薄い部分を通過する時よりビーム強度は高くなければならない。
【0009】
ビーム強度の調節を高エネルギー陽子の走査ペンシルビームの使用により達成することができる専用の走査ビーム治療機が開発された。この装置のビーム強度はビームを発生するその電子銃の電力を増加することにより調節される。銃が固定されたガントリー及び患者が横たわるテーブルを移動することにより銃が腫瘍の周囲を誘導される時に、電力の増加はコンピューター制御下で指令される。その効果は、電子銃が腫瘍上を移動するに従って、ブラシ上の絵の具の量(電子銃に適用される電力量)により変動される絵の具の厚さ又は強度(放射線ビームの強度)により標的を前進的に「塗ること」の1つである。直接的なビームエネルギーの調節を利用するこのような専用の走査ビーム治療機は高価で、それらの使用及び操作に極めて時間がかかり、処置ビームのコンピューター制御に対する懸念によりそれらを重大な患者の負担と関連付けさせたと考えられる。
【0010】
複数の放射線ビームセグメントを利用することにより組織体積中の腫瘍の厚さに従い、組織体積を横切る放射線ビームのビーム強度を空間的に調節する、等角放射線治療のための他の方法及び装置が開発された。このような方法及び装置はビームが患者に侵入する前に放射線ビーム内に配置されたラック中の減衰リーフ又はシャッターを利用する。腫瘍はシャッターにより選択的に区分された各スライスにおいて放射線に暴露される。
【0011】
以上の方法及び装置は放射線に暴露される構造物の部分を最少にするようにデザインされた。しかし、周囲の構造物に対する暴露は完全に防止することはできないので、周囲の構造物に送達される放射線の量を最少にしながら、腫瘍体積を照射するために最適化される処置計画が望まれる。処置計画を最適化するための既存の方法及び装置は処置計画の医師の評価をシミュレートする評価関数に基づいて可能な計画を評価するためにコンピューターを使用する。
【0012】
既存の方法及び装置は腫瘍及び周囲の組織又は構造物双方の種々の部分の放射線のコストに寄与する目的コスト関数(objective cost function)に基づき最適化処置計画を確立するコンピューターによる方法を利用する。1つのこのようなコンピューターによる方法は疑似アニーリングとして当該技術分野で知られている。既存の疑似アニーリング法は周囲の構造物の過剰照射に比較して腫瘍体積の過少照射のコストを考慮するコスト関数を利用する。しかし、既存の方法に使用されるコスト機能は概括的に全体としての構造物体積を考慮せず、単に構造物内の別々のポイントに関するコストに依存し、そして更に、概括的に、変化する周囲の構造物の種類の相対的重要性を考慮しない。例えば、特定の構造物の種類はそれらの機能において豊富であり、構造物体積の実質的な部分はそれらの機能を維持しながら完全に照射されることができる。他の構造物の種類はいずれかの構造物が完全に照射される場合にそれらの機能を喪失する。従って、構造物のどの部分も致死的線量に暴露されない限り、より感受性の構造物体積は控えめの放射線量を受けることができる。
【0013】
処置計画の最適化に使用される既存のコスト関数は伝統的に異なる種類の構造物と関連
したこのような変動するコストを考慮しなかった。処置計画が最適化された後に、医師は所望の処置目的とのコンプライアンスにつき、各コンピューターにより計算された処置計画を評価しなければならない。コンピューターにより計算された処置計画が処置目的とうまく合致しない場合には、腫瘍体積及び周囲の構造物双方に対する医師の処置目的に合致する処置計画がコンピューター計算により形成されることができるまで、最適化過程を繰り返す。更に、既存の方法及び装置は伝統的に、所望の線量分布を確立する際に、累積線量体積ヒストグラム(CDVH)又は線量体積ヒストグラム(DVH)曲線と関連するなじみの分体積(partial volume)データを医師に利用させなかった。
【0014】
患者における構造物体積の放射線を最少にしながら、腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するための方法及び装置は本出願物と同時指定され、引用により本明細書に取り込まれている「放射線量測定のための計画方法及び装置」と題する特許文献1に開示されている(特許文献1参照)。該方法及び装置はCDVH又はDVHにより代表することができる所望の分体積のデータの比較に基づく反復的コスト関数を使用する。
【0015】
患者における構造物体積の放射線を最少にしながら、腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するためのもう1つの方法及び装置は「放射線量測定のための計画方法及び装置」と題する特許文献2に開示されている(特許文献2参照)。
【0016】
多数の前記のシステムは伝統的な未来計画方法に取って代わる。未来計画においてはユーザーはビームの方向及びそれらの強度を特定することにより出発し、そしてコンピューターが線量計算値を決定し、得られるものをユーザーに示し、そして次に目標が満たされる程度に基づいてユーザーが溯ってビームパラメーターを変更する。前記のシステムは溯る計画を利用する。溯る計画システムにおいては、専門家/ユーザーは彼らが達成することを所望する目標により出発し、腫瘍がどのくらいの線量を得ることをユーザーが所望するか、そしてどの程度まで他の健康な組織を保存したいかにつき、患者に対する指令(prescription)を特定する。次にコンピューターが種々の処置計画パラメーターすべて、すなわちビームが異なる方向から適用される時のビームの方向及び対応する強度を計算する。基本的には、溯る計画においては、ユーザーは臨床的目標により出発し、コンピューターにビームの強度を決定させるが、他方、未来計画システムにおいてはユーザーはビームの見取り図(layouts)により出発し、基本的に目標に対する計画の有効性を算定し、そのようにしてそれらを反復する。
【0017】
前記のシステムにおいては、ユーザーはコンピューター断層撮影(CT)スキャン又は磁気共鳴映像法(MRI)スキャンから出発する。例えば、CTスキャンからユーザーはユーザーが保存することを所望するものから、ユーザーが処置されることを所望するものを分離することにより組織を典型的にはスライス1枚毎に解剖学的に特定する。ユーザーは例えば、1つの物体を腫瘍として、もう1つを前立腺として、もう1つを膀胱として、等、特定することができる。CTスキャンは患者の身体の一組の連続的スライスを提供するので、ユーザーは概括的に、位置決め装置又はマウスを使用して、各数枚のスライスの、医師が処置を所望する領域の周囲をドラッグするであろう。この過程は時間の浪費である可能性がある。CTスキャン又は腫瘍を検査するためにユーザーが選択したどんな他の画像においても腫瘍が非常に明確に識別されている場合に、ユーザーが自動化手段を使用して、ユーザーに腫瘍又は標的上でただ「クリック」させることができ、腫瘍の境界の位置を自動的に決定させて、マークさせることができることは有利であると考えられる。
【0018】
DVH曲線は、ユーザーがこのようなDVH曲線に関して目標を特定する指令(prescription)として、そしてフィードバック機構として使用されてきた。DVH
曲線は個々の構造物が受けている線量の総量を表わす。例えば、ユーザーがいかに腫瘍又は標的が処置される必要があると考えるかの表示として、ユーザーが標的の80%に送達される特定の最低線量レベルそしてまた、標的の90%に送達される特定の最低線量レベルを標的が受ける望みを明記することができる。次にコンピューターは処置計画を展開する。コンピューターが実際に、患者をいかに処置するかを決定後、DVHはその処置をまとめるためそして、ユーザーによる考察のための機構である。例えば、ユーザーが特定の曲線を要請し、次にコンピューターが誘導された処置計画における実際の曲線を表示する。この方法におけるDVH曲線の使用は、医師による計画評価のためにこのような情報を表わす、知られた、一般的な方法である。
【0019】
DVH指示を規定するために、ユーザーは典型的にはグラフによる描写により出発してスクリーン上のグラフ上の点をドラッグするか又はテキストのフィールドボックス中に数時を入力する。いずれにしても、ユーザーはDVH曲線を規定する。結果は本質的に願望のリスト−ユーザーがこの種のDVH曲線を達成することができるという希望である。ユーザーが提案されるDVH曲線を完了した後、先行システムは更なるユーザーの入力と独立した最適化過程に侵入する。この過程は典型的には少なくとも10分を要する。計算の結果は、すべてが達成可能であってもそうでなくても、異なるすべての「願望」の処置のための実際的計画への回帰である。しかし、コンピューターにより処理される計画の容積測定の統計値を表わすDVH曲線は操作可能ではない。統計値に対する容積測定の直接的操作を提供することは有利であると考えられる。
【0020】
DVH曲線は計画の線量測定の特性を総括する1方法である。溯る計画最適化後に、ユーザーは典型的には最適化計画の実際のDVH曲線を検討する。ユーザーは実際に達成されたDVH曲線をDVH指示と比較して、開発された処置計画が満足であったかどうか決定することができる。満足であるものは、(1)十分な線量が十分な腫瘍に到達しているかどうか、(2)大量過ぎる線量が腫瘍の幾つかの部分に到達しているかどうかそして/又は(3)どのくらいの線量が腫瘍として特定されない健康な構造物に到達しているか、の疑問である可能性がある。表わすことができるすべての組織(標的及び構造物)はDVH曲線上に個別に総括される。例えば、腫瘍が前立腺中に位置付けされた場合は、ユーザーは典型的には前立腺に対するグラフ上に単一曲線を、膀胱に対するグラフ上にもう1本の曲線、等を提供されるであろう。
【0021】
結果を更に詳細にみるためにCTスライスを実際に観察することにより、DVH曲線中に総括された同一の結論を導くことができる。CTスキャンのスライスは典型的には各スライスの別々の部分に適用される種々のレベルの線量を示すオーバーレイを有する。すなわち、ユーザーは問題の任意の特定の器官に適用された線量レベルに基づいて結論を導くことができる。商品名CORVUS(R)下で本出願の指定者である、NOMOS Corporationにより販売された計画システムにおいて、個々のスライス中の線量はCTスキャンスライス上に引かれた等線量曲線の使用により描かれる。等線量曲線は視覚的には、特定の線量レベル、例えば、50Gy(特定の曲線の内側のすべてが少なくとも50Gyを受けると考えられる)を表わす、異なる、通常着色された線の等高線のようである。
【0022】
与えられる処置計画に基づく決定に関与する時間量を減少させることは有利であると考えられる。ユーザーがある計画を最善であると考えられることを見いだす前に任意の特定の患者は決定される2又は3件の異なる処置計画を有すると考えられる。これらのシステムが、ユーザーが認識するのにより容易な計画最適化過程内で起っていることに対してより直感的な直接的制御をユーザーに提供すれば更に有利であると考えられる。
【0023】
伝統的にはDVH曲線は計画評価手段の1形態としてのみ使用された、しかし幾つかの
以前のシステムは前以てDVH曲線を引くことを伴い−ユーザーは最初に所望の目標を決定しなければならない。コンピューターシステムがユーザーの要求を即座に表示し、そしてそれに対応して計画システムが達成することができることを表示することは有利であると考えられる。異なる目標間で妥協しなければならない場合は、ユーザーにそれらを動的な双方向的方法で表示し、そしてユーザーに目標を動的に編集させ、ユーザーが指示を特定すると考えられる項目を変更させることは、計画システムに対し有利であると考えられる。更に、動的な制約の平衡化、すなわち患者における線量の少なくとも1つの表示を観察しながら、線量測定目標を調整するための現在時のシステムを提供することは有利であると考えられる。
【0024】
放射線処置計画は種々の、しばしば手動により独占的な目標を平衡させることを伴う。これらの目標が表示された後、処置計画システムは、それらを最適に平衡させるためにはそれらの相対的優先性が何であるかを知らなければならない。多数の現代の処置計画システムは、ユーザーに目標を明白に優先させることを要求し、それは困難で、不正確で、そして時間のかかる過程である可能性がある。例えば、「完全な世界」においては、ユーザーは前立腺の標的全体が50Gyを受けそして、それに対応して、1ミリメートル離れて位置する直腸は全く線量を受けないことを要求することができる。この作業は実質的に物理的に不可能である。従って、問題はこれら2つの目標を平衡し、どちらの目標が他方の目標より重要であるかを決定することになる。処置計画は以前は、ユーザーに事前に優先性を特定することを要求してきた。幾つかのシステムにおいては、DVH曲線に侵入する時にユーザーが実施している作業の一部は非常に高いレベルで標的に線量を照射すること及び、危機にある器官(OAR(organ at risk))を救うことの間に優先性を構成することである。このような優先性を開発することは処置計画者にとり困難で、時間のかかる仕事である可能性がある。従って、ユーザーに実行される優先性決定の必要を最少にすることは有利であると考えられる。
【0025】
本出願者は、ユーザーに実行される優先性決定の必要を排除することができる2種の特徴物が存在することを認めた:第1に、コンピューターシステムとの相互応答中に、アルゴリズムがユーザーの最後のインプットをもっとも重要な要求であると有効に考えることができる。第2に、ユーザーは所望される程度まで前のインプットを解除するように選択することができること、例えば、ユーザーがその場合、優先性において構造物から線量を除去又は最小化することを決定する場合、該行動がもっとも重要な要求である。次にユーザーはその優先化の結果を理解して、それを部分的に解除することによりその重要性において後退することができる。この二重の優先化の考えは双方向性過程において絶対的である。しかし、コンピューターシステム及び関連アルゴリズムはこれらの異なる目標の関係の理解を要する。ユーザーが古い目標の上に新規の目標を重ねる時に、システムはこれらの目標をいかにして平衡させなければならないかを知る必要がある。自動的な制約の評価、すなわち、このような優先性の直接的入力よりむしろ、順次、ユーザーの行動及び計画調整の形態のユーザーの入力の系列から優先化を推測させる双方向性のレベルを提供することは有利であると考えられ;そこで最終的結果は、このような優先性の考えをユーザーの経験から排除することである。
【0026】
先行計画システムは概括的にユーザーに、2つの方法:送達パラメーター(例えば、ビームの方向及びサイズ)を変える又は体積線量の目標を変えること、の片方において、患者の処置計画を調整することを要求する。従って、断層撮影スキャン上の等線量プロット上の等線量曲線の現在時の直接的操作を提供することは有利であると考えられる。更に、不可能な可能性のある理想化された指示の間接的指定よりも送達可能なDVH曲線の直接的操作を許す計画システムを提供することは有利であると考えられる。
【0027】
放射線治療計画はある程度はまだ、平衡と妥協の技術である。特定の変化が必要とする
ものを犠牲にするものの発見時に計画の変更を実施することを所望するユーザーの補助をするために、部分的「変更の取り消し関数」を提供することは有利であると考えられる。それに対応して、最適な平衡を早急に選択するために、ユーザーに完全に又は一部、変更を動的に取り消し、そして取引を探索させることにより、ユーザーに現在時の制御を提供することは有利であると考えられる。
【0028】
放射線治療処置計画を開発することはこれらの取引及びその他の可能性の探索であるので、幾つかの処置計画システムはその後に比較のためそして「逆追跡」を許すために、計画の幾つかの反復を保存するための手段を提供することに利点を示した。従って、ユーザーにこれらの計画の「チェックポイント」のいずれか2個を単一の連続体上の終結ポイントとして確立させることにより現在時の制御をユーザーに提供することは有利であると考えられ、そして、チェックポイントの間を内挿する手段をユーザーに提供して、更なる比較又は実行のための新バージョンを誘導することは更に有利であると考えられる。
【0029】
他のシステムともっとも有効に同時使用するために、本発明のもののような柔軟な調整の可能な新システムが、もう1つのシステムにより形成されるものと同一の処置計画を作成すると考えられるそれ自体の構築物(formulation)中に処置目標を自動的に作成することができることが望ましいと考えられる。この特徴は新規のシステムを「前進させ」そして、他のシステムにより形成される処置計画を調整させると考えられる。従って、適当な処置目標及びそれらの対応する重要性を発展させるアルゴリズムを実行する最適化指令適合機能をもつシステムを提供することは有利であると考えられる。
【0030】
現代のコンピューターハードウエア上の現在時の双方向性の計画調整を許すためには、コンピューターがしばしば最適化する目的関数が、能力の著しい減退を伴わずに、早急な最適化と適合性の方法で更新されなければならない。1つの方法は目的関数に対する各貢献物(contributor)がその一次導関数において単調であるように目標を再構築することである。目標原因物の単調の一次導関数による最適化は基本的に影響関数又はコスト関数中の項(terms)を表わし、そしてそれは特定のコンピューターシステムに計算を早急に実施させるこれらの関数の数学的クラスを提供する。各目的貢献物は線量の関数に関して構築される。その関数の導関数が単調であり、そのため導関数が常に増加する、減少する又は変化しないのいずれかであり、増加して出発し、次に減少することは決してないことを明記することにより、異なる群の最適化を可能にすることができる。従って、目的貢献物の単調な一次導関数による最適化を利用するシステムを提供することは有利であると考えられる。
【0031】
目的関数を計算することは、処置計画の重要なアスペクトすべてを捕捉しようと試みるために多数の場所の患者のCT又は他の画像を有効に収集することにより実施することができる。速度及び双方向性は処置線量をシミュレートするための患者内のより少数のポイントを特定する試料収集法の使用により改善させることができる。これらのポイントはソフトウエアがすべての重要な線量特徴物を「認識」するように十分に分布されなければならないが、性能(performance)はこのようなポイントの数に反比例するので、その基準を満たす最少の可能な群を特定することが望まれる。従って、最少の計画評価点の自動的選択のためのアルゴリズムを有するコンピューターシステムを提供することは有利であると考えられる。
【0032】
「フルエンス」マップは、放射線が送達装置の特定の位置をとおしていかに送達されているかの空間的マップである。計画送達機構はしばしば、ビームのフルエンスが特定の別々の値を担い、他方最適化物(optimizers)が別々の又は連続的いずれかの空間で働く(work)ことができることを要する。従って、最適化計画を送達可能な別々の計画に変換するための装置を提供することは有利であると考えられる。
【0033】
異なる放射線送達装置はそれらが実際に送達することができるものに対して異なる制約を有するであろう。例えば、あるものはただ数ミリメートルの直径の小ビームを調整することができ、そしてある物はより大きい、1センチメートル以上の直径であるものを調整しなければならないかも知れない。もう1つの制約はフルエンスマップ内の変動の程度である。例えば、計画マップはビームの中央で100%のビームが通過しておりそして、特定の部分においては50%のみのビームが通過していることを必要とするかも知れない。モードフォールドの離散化法(discretization)は装置の最善の使用を実施するためのフルエンスマップのデザイン法である。歴史的にフルエンスマップは10%段階のような特定のレベルをもつように制約されており、すなわち送達装置が1地点では50%の透明性をもつが、52%の透明性をもつことはできない。これらの制約はユーザーが開発することができる処置計画を限定する。モードフォールドの離散化法はある患者に対して与えられる処置計画を算定し、そして別々のレベルの数に限定される場合は、それはこれらのレベルのいずれが最適値であるかを決定する。例えば、最適レベルは10%、20%、30%、40%及び50%ではなく、その代りに、13%、14%、15%、80%及び90%であることができる。その基礎的形態におけるモードフォールド離散化法はフルエンスマップ中の所望の透過性(transmission)(線量レベル)すべてのヒストグラムを採り(そこで各ポイントは1組の放射線レベルを表わす)、ピークのレベルでグラフを分割し、右側を左側上に滑らせ、そして重複ポイントを付加する。アルゴリズムが送達装置により制約される数に対応する特定数のピークを達成するまでその過程が反復する。使用される実際のレベルは処置の簡略性及び速度の双方に対して著明な効果をもつことができ、そして1つの処置計画に対する最適レベルは典型的にはもう1つに対するものと異なるために、任意の与えられる処置領域に対する理想的フルエンスレベルを早急に算定する「モードフォールド」離散化のアルゴリズムを提供することは有利であると考えられる。
【0034】
従って、当該技術分野は:使用するのに簡単で、経済的で;患者の安全性に対して高い安全性因子であると考えられるものを有し;単純な制約並びに標的の腫瘍体積及び多数の構造物のタイプ双方における目的を考慮する、医師の矛盾する、変わりやすい処置の目的を満たすようにそれらに調整された早急な最適化物を使用して、最適な処置計画をコンピューターで計算し;そして等線量曲線図、関連するDVH曲線、他の統計値及び、ユーザーに各標的の腫瘍体積及び組織構造物のタイプに対する所望の線量分布を確立させる手段を表示するグラフィック・ユーザーインターフェイス(GUT)を利用する、腫瘍の処置のための等角放射線治療のためのシステム、方法及び装置を追求してきた。
【特許文献1】米国特許第6,038,285号明細書
【特許文献2】米国特許第6,393,096号明細書
【発明の開示】
【0035】
以上を考慮すると、本発明の態様は有利には、患者における非標的の構造物体積の放射線を最少にしながら、腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適な放射線ビーム配列を決定するためのシステムを提供する。本発明の態様は有利には、計画システムが達成することができるものと同時にユーザーの要請を即座に表示することができ、そして目標をユーザーに動的に編集させそしてユーザーが指示を特定すると考えられる項目を変更させることができるコンピューターの計画装置を提供する。本発明の態様は有利には、断層撮影スキャン上の等線量プロット上で等線量曲線の現在時の直接的操作及び入力装置を使用して線量測定統計値の直接的操作を提供し、そしてユーザーに順次、等線量曲線及び線量測定統計値の双方に調整させる個々の制約、好ましくは、一度に1制約を調整する能力を提供する。
【0036】
本発明の態様は有利には、先行計画の放射線ビーム構成に対応する極値を有する最適化
目的関数を構築することにより任意の/外部の先行放射線処置計画の一致(plan matching)を提供する。本発明の態様は有利には、動的な制約の平衡化、すなわち患者における線量の少なくとも1つの表示を観察しながら線量の目標を調整するための現在時システム、及び自動的制約の評価、すなわちこのような優先性の直接的入力よりむしろ、順次、ユーザーの行動及び計画調整の形態のユーザーの入力のシークエンスから優先順位を推定させる双方向性のレベル、を提供することができるコンピューター計画装置を含む。本発明の態様は有利には、ユーザーに完全に又は部分的に変更を動的に取り消させ、そして処置計画のバージョンの間そして異なるシステム上で開発された処置計画の間に最適な平衡を早急に選択するために、処置計画の間の取引を探索させることによりユーザーに現在時の制御を提供する。本発明の態様は有利には、最少の計画評価ポイントの自動的選択のためのアルゴリズムを含むソフトウエアを提供する。本発明の態様は有利には、最適な計画を送達可能な別々の計画に変換するためのソフトウエアを提供する。
【0037】
本発明の態様は患者における非標的の構造物体積の放射線を最少にしながら、腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適な放射線ビーム配列を決定するためのシステムを提供する。例えば、本発明の1態様において、システムは、その中にデータ及び計画最適化ソフトウエアを保存するためのメモリーを有する処置計画最適化コンピューター;及び計画最適化ソフトウエアの機能を制御するためのユーザーアクセスを提供するために処置計画最適化コンピューターと連絡する入力装置:を含むコンピューターの計画装置を含む。処置計画最適化コンピューターと連絡する、好ましくは通信網をとおる画像収集装置は腫瘍の標的体積及び非標的の構造物体積の少なくとも二次元の画像スライスをコンピューター計画装置に提供する。処置計画最適化コンピューターのメモリー中に保存される計画最適化ソフトウエアは提案される放射線ビーム配列をコンピューターにより得て、複数の制約に基づいて提案される放射線ビーム配列を反復してコンピューターにより最適化して、最適化放射線ビーム配列を形成する。計画最適化ソフトウエアは各提案される放射線ビーム配列に対する画像スライス、グラフィック・物体及び放射線量分布のグラフ表示を表示するためのグラフィック・ユーザーインターフェイスを含むことができる。ソフトウエアはグラフィック・ユーザーインターフェイス上に表示される放射線量分布の表示を操作するために入力装置からの入力を受け取るようになっている。通信網をとおる処置計画最適化コンピューターと連絡した等角放射線治療の送達装置は患者に最適化放射線ビーム配列を適用することができる。
【0038】
放射線量分布のグラフ表示は複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態にあることができる。等線量プロットの等線量曲線は、標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積に対する放射線量を変更して、最適化放射線ビーム配列を形成するためにユーザーにより直接操作可能である。放射線量分布のグラフ表示はまた、集合的に「DVH」又は「DVH曲線」と呼ばれる「累積線量体積ヒストグラム」又は「線量体積ヒストグラム」の形態あるいは、問題の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する線量−体積統計値の他の形態にあることができる。DVHプロット又は曲線は放射線量を変更するためにユーザーにより直接操作可能であり、それにより最適化放射線ビーム配列を形成する。
【0039】
計画最適化ソフトウエアは、コンピューター計画装置と関連したもののようなコンピューターにより実行される時に、コンピューターに種々の機能及び操作を実施させて最適化放射線処置計画を開発させる1組の指令(instruction)を含んでなる。ソフトウエアは標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフ表示し、そして画像スライス上の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフにより表示する。放射線量は第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態にあることができる。等線量プロットの等線量曲線は標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量を変更して、第2の放射線ビーム配列を形成するためにユーザーにより操作可能である。
【0040】
例えば、ソフトウエアは好ましくは、マウス又はタッチスクリーンのような位置決め装置の形態にある入力装置とインターフェイスして、ユーザーに等線量曲線を隣接する標的又は構造物体積から又はそれらの中に「グラブ」そして「ドラッグ」させることができる。更に例えば、ソフトウエアはまた、選択される等線量曲線に対する所望の位置を示す経路をユーザーに「落とさせる」又は「彫らせる」ことができる。種々の制約を受けるソフトウエアは、所望の経路をもつ選択される等線量曲線に従うように試みる。更に、ソフトウエアはユーザーに「消去」されるべき等線量曲線を選択させることができる。機能的には、種々の制約を受けるソフトウエアは、等線量曲線の外側の放射線量の値に等しい又はその近位の選択される等線量曲線内に放射線量を構成する。
【0041】
放射線量はまた、第1の放射線ビーム配列に従って、好ましくは、DVHプロット又は曲線の形態の種々の線量−体積統計値の形態にあることができる。DVH曲線は標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量を変更して、第2の放射線ビーム配列を形成するためにユーザーにより操作可能である。例えば、ソフトウエアは入力装置とインターフェイスして、ユーザーにDVH曲線を「グラブ」しそして「ドラッグ」させ、それにより、前以て決定された放射線量レベルあるいは標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積の選択された率だけ超えることができる放射線量レベルを超えて受けることを許される標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積の率のいずれかを変更することができる。
【0042】
ユーザーは、ユーザーが望ましくない付随の線量の変動を気づかずに誘発することを防止するために等線量曲線の操作及びDVH曲線操作を制約するために利用することができる、問題の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の最大及び/又は最小放射線量を入力することができる。ユーザーはまた、線量測定の質を維持することと、等線量曲線及び、所望される効率閾値より上の放射線送達効率を維持するためのユーザーによるDVH曲線の操作を制約するために使用することができる放射線送達装置に対する放射線送達効率を維持することの間の所望される平衡を提供することができる。
【0043】
本発明の種々の態様において、計画最適化ソフトウエアは:外部で作成された放射線処置計画を取り入れ;その計画の放射線ビーム構成に対応する極値を有する最適化目的関数を構築し;そして該関数を適用して外部で作成された放射線処置計画の線量分布とほぼ同様な線量分布を有する放射線処置計画を形成することができる。
【0044】
そのためにはソフトウエアは最初に、バイアスを伴い又は伴わずに、該計画の放射線量分布をランダムに収集することにより複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントを形成することができる。次にソフトウエアはこれらのポイントにおける線量の値(第1の値)を使用して、各収集ポイントに対する目的関数に対して1項を付加することにより(ここで各項は目的関数に対する極値を提供する)最適化目的関数を形成することができる。標的の腫瘍体積の収集ポイントに関連する項は、第2の放射線処置計画の標的の腫瘍体積の収集ポイントのいずれかにおける放射線量の第2の値が放射線量のそれぞれの第1の値と実質的に異なるか又は実質的に望ましくなく異なる時に、目的関数が放射線量にペナルティーを課す(penalizes)ように選択される。あるいはまた、ソフトウエアは目的関数の制約の少なくとも1つを反復調整することにより最適化目的関数を形成することができる。
【0045】
本発明の種々の態様において、計画最適化ソフトウエアは、しばしば「チェックポイント」と呼ばれる1対の放射線処置計画から、最適化放射線ビーム配列を決定することができる。ソフトウエアは単一の連続体上のエンドポイントとして2個のチェックポイントを確立し、そしてユーザー制御入力装置のユーザーの操作に応答して、2個のチェックポイント間を内挿して、中間の提案される放射線処置計画を形成し、表示することができる。
本発明の好ましい態様において、内挿は線形で、そして各計画の放射線分布における各対応ポイントにおける2個のチェックポイントの放射線量の値の間で実施される。本発明の態様に従って形成される他の計画と同様にこの中間の計画は、前以て選択された等角放射線治療の送達装置と適合性の対応する複数の放射線ビーム強度の構成値中への複数の放射線ビーム強度の離散化により送達可能な別々の放射線処置計画に容易に変換することができる。
【0046】
本発明の態様はまた、患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するための方法を含む。例えば、本発明の1態様において、方法は標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフにより表示することを含む。該方法はまた:画像スライス上で、そして第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフにより表示し;そして第2の放射線処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し、表示するために入力又は位置決め装置により、少なくとも1つの、等線量プロットの表示された等線量曲線を操作すること、を含む。関連した方法は:第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフにより表示し;そして第2の放射線処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し、表示するために、位置決め装置により、少なくとも1つの表示された線量体積ヒストグラムのプロットを操作すること、を含む。
【0047】
本発明の態様において、二次元の放射線量分布の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画への双方向性の(interactive)調整を容易にする方法を提供する。例えば、方法は:標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフに表示し、そして標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量分布を画像スライス上にそして、第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態で同時にグラフに表示することを含むことができる。標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積のいずれか又は双方の放射線量分布を変更して、第2の処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成することができる。実施を確実にするために、有利には、第2の処置計画を分析するための十分な情報をユーザーに提供するために、表示された画像スライス上に表示された二次元の線量分布のみを再計算し、表示することが必要である。
【0048】
前記のもののような収集ポイントを利用する関連した方法は:複数の収集ポイントに対する放射線量の値に従って線量−体積統計値を規定する、複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する放射線量をグラフに表示し;そして標的の腫瘍体積及び非標的の構造物のいずれか又は双方における放射線量分布を変更して、第2の放射線ビーム配列を形成することを含む。各収集ポイントにおける放射線量の値が再計算され、そして標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する線量−体積統計値が収集ポイントに対する放射線量の再計算値に従って表示される。
【0049】
本発明のもう1つの態様において、提案される放射線処置計画の反復物の早急な再計算及び表示は1組の収集ポイント(ランダムに又はバイアスを伴ってランダムに)を選択し、そして各収集ポイントにおける放射線量の値により制約される最適化目的関数を適用して第2の放射線ビーム配列を形成することにより提供される。関連方法は計画最適化のための第1組の収集ポイント及び、計画の評価のための、第1組とは別の第2組を選択することを含む。計画最適化の収集ポイントにおける放射線量の値により制約される最適化目的関数は、計画評価の収集ポイントがその第2の放射線処置計画の早急な表示を提供する第2の放射線処置計画の早急な決定をもたらす。
【0050】
本発明の態様はまた、患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための任意の放射線ビーム強度値を有することを特徴とする、放射線処置計画からの固定された1組の別々の放射線ビーム強度値を有する最適化放射線処置計画を形成する方法を含む。例えば、本発明の1態様において、方法は候補の放射線処置計画を反復して評価するために候補の放射線処置計画及び最適化目的関数を提供することを含む。それに対応して、該方法は任意の前以て選択される臨床的目標を満足し、そして任意の放射線ビーム強度値を有する最適化放射線ビーム配列(ここで最適化ビーム配列は先行の放射線処置計画を規定する)を形成するために候補の放射線処置計画を反復して評価することを含む。候補の放射線処置計画の最適化期間中に評価される少なくとも2件の放射線処置計画の反復物を利用して、先行の放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に適合するために必要な別々の放射線ビーム強度の組み合わせを推測することができる。
【0051】
本発明の1態様において、提案される放射線処置計画に対する放射線量分布の早急な計算及び表示は:第1の放射線量分布をランダムに収集することにより放射線ビーム配列に対する複数の収集ポイントを形成し;各複数の収集ポイントにおける放射線量値を決定し;そして各標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対して、最高値を有する複数の収集ポイントの第1組及び最低値を有する複数の収集ポイントの第2組を特定することにより提供される。次に、各第1組に勾配上昇アルゴリズムを適用して標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量の最大値を決定し、そして表示し、並びに各第2組に勾配下降アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量の最低値を決定し、そして表示することができる。
【0052】
本発明の態様は有利には:使用するのに簡単で、経済的であり;患者の安全性に対して高い安全性因子であると考えられるものを有し;簡単な制約並びに標的の腫瘍体積及び複数の構造物のタイプ双方における目的を考慮する、医師の矛盾する、変わりやすい処置目的を満たすようにそれらに調整された早急な最適化物を使用して最適な処置計画を計算し;そして等線量曲線図、付随するDVH曲線、他の統計値及び、各標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積のタイプに対する所望の線量分布をユーザーに確立させる手段を表示するグラフィック・ユーザーインターフェイス(GUI)を利用する、腫瘍の処置のためのシステム、方法及び装置を提供する。
【0053】
本発明の特徴物及び利点並びにその他が明白になるであろう方法をより詳細に理解することができるように、付記の図面中に具体的に示され、そして本明細書の一部を形成する本発明の態様を参照することにより、以上に簡単に要約された本発明のより特定の説明を得ることができる。しかし、それは他の有効な態様をも同様に包含することができるので、図面は本発明の種々の態様を具体的に示すのみであり、従って本発明の範囲を限定すると考えるべきではないことに注意しなければならない。
【0054】
今度は本発明の態様を具体的に示す付記の図面を参照して、本発明が以下により詳細に説明されよう。しかし、本発明は多数の異なる形態で具体化することができ、本明細書に示される具体化される態様に限定するものと理解するべきではない。むしろ、これらの態様はこの開示が詳細でそして完全であり、そして当業者に本発明の範囲を完全に伝えるであろうように提供される。全体をとおして類似の番号は類似の要素を表わし、使用されるプライム表記法は代わりの態様における類似の要素を表わす。
【0055】
例えば、線形粒子加速装置(LINAC)のような現代の放射線処置装置は異なる入射経路に沿って標的体積に接近する種々の弧線に沿った多数の経路を形成することにより腫
瘍部位を照射し、そこで各弧線は一般に処置体積のアイソセンターと呼ばれる標的体積の中心点の方向に向けられる。処置ビームの各通過はその弧線内を通過する腫瘍及び周囲の構造物の部分を照射するであろう。このような多数のビームの通過を利用することにより処置領域の特定の部分がビームの弧線の幾つかのみにより照射され、他方処置領域の他の部分は各ビームの弧線により照射され、それによりアイソセンターにおいて最大の線量濃度を発生させる。
【0056】
恐らく図1〜3に関してもっとも適切に表わされる本発明の態様は有利には、最適な放射線ビーム配列を決定するための放射線処置計画システム30又は患者における構造物体積の放射線を最少にしながら腫瘍の標的体積に放射線を適用するための計画;最適な計画の種々の反復を決定し、表示するための装置;及びシステムを実行する方法:を提供する。図1に関して、本発明の最適化法は、画像収集装置31;放射線送達装置39;通常のコンピューター又は1組のコンピューターを含むコンピューター計画装置35;及び本発明の最適化法を利用する計画最適化ソフトウエア36;及び試験装置37:を使用して実施することができる。以上のすべての構成部品は通常の地域通信網を介してインターフェイスすることができる。
【0057】
本発明の計画最適化ソフトウエア36は処置領域の周囲の最適なビーム位置及び/又は別に強度マップ又はフルエンスプロファイル又は双方として知られているビーム重量又はビーム強度の最適なアレーを包含すると理解しなければならない最適化処置計画又はビーム配列を計算する。最適なビーム配列は最初に、提案されるビーム重量をコンピューターにより反復して増加し、そしてビーム重量の反復的変化が提案される線量にさらされている組織又は構造物体積に許容できない暴露をもたらさないであろうことを確実にするためのコスト関数を取り込むことにより達成される。次にユーザーは追加される性能のために更なる反復の実行を誘起することができる。
【0058】
より具体的には、本発明の態様は有利には、標的及び多数の周囲の構造物のタイプ双方に対する多数の処置パラメーターを考慮する改善された最適化放射線処置計画システム30を包含する。システム30は、提案される放射線ビーム配列をコンピューター上で得;そして少なくとも1つの制約タイプに反復的に基づいて、提案される放射線ビーム配列をコンピューターにより変更する(ここで該制約タイプはコスト関数及び偏導関数を実行する)ための:少なくとも1基のコンピューター上に常設された計画最適化ソフトウエア36を包含する。システム30はまた、腫瘍の標的体積の少なくとも二次元のスキャン又は画像161(図3)を提供するための計画最適化ソフトウエア36とインターフェイスするための、例えば、コンピューター化断層撮影(CT)装置又は磁気共鳴撮影(MRI)装置のような画像収集装置31(図1)を包含する。システム30はまた、画像161を表示し、そしてユーザーインターフェイスのオプションを提供するためのグラフィックユーザーインターフェイス150(図3)を包含する。システム30は更に、本発明の最適化法に従って放射線量を送達するための、例えば、多葉コリメーターを有するLINAC又は放射線ビームを操作するための当業者に知られた他の装置のような放射線送達装置39(図1)を包含する。ソフトウエア36は当業者により知られ、理解されるように、ハードウエアの機能を制御し、そしてその操作を指令する、命令される操作のセットに対する特別のセットを提供するミクロコード、プログラム、ルーティン及び記号言語の形態にあることができることに注意されたい。
【0059】
図2A〜Cは本発明のシステム30を取り入れている放射線処置計画を作成する方法を表わし、そこで図2Aは一般的全体のフロー図を表わす。システム30は2モードで実行することができる:第1は、システム30が外部で作成された先行計画を受け取り、計画をシミュレートするために最適化パラメーターを調整し、そして次に反復操作を許す図2Bの「計画微調整」モードである。第2のモードは図2Cに表わされ、「自立(stan
d−alone)」モードであり、段階のサブセット(段階99〜101及び図2Bの「計画微調整」モードの107〜111)を含む。第1のモード又は「計画微調整」モードは本発明の種々の態様の実行のための背景を提供するために図2A及び2Bに関して説明されるであろう。この背景は説明の目的のために提供され、本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。
【0060】
先行の放射線処置計画を形成する第1段階は典型的に「画像獲得段階99」と呼ばれる。この段階において、最初に画像を好ましくは、解剖学的精度を伴って表示される組織の「スライス」を表わす画像161を作成する通常のCTスキャン実施又はMRI法により得る。次にユーザーは画像161をコンピューター計画システム35(図1)に直接、又はコンピューター計画システム35によりアクセスできるデータベースのいずれかに移送する。これは典型的には地域のネットワーク33を介して実施される(図1)が、手動のデータ移送を含む他の方法を使用することができる。
【0061】
次の段階は概括的に「登録処理段階100」と呼ばれる。これは本発明に従う等角放射線治療により処置されるべき患者の部分の通常の軸方向のスライスの1組の画像161を整列させる処理段階である。完全なCT又はMRI研究を構成する「スライス」の系列は有効な三次元のデータセットとしての可視化を許すための患者の特定の部分の三次元描写を表わす。形成されるデータはインプットデータを収集し、既知の幾何学構造の共通のマークを決定し、そして正確に整列されるようにデータを歪ませること(warping)により達成される。形成される解像度はそれが利用される既知の患者の固定装置に基づいて幾何学的に正確であるように構成される。画像161がフィルムからスキャンされた場合は、画像中に包含される参照灰色バーに基づいて灰色の縮尺(scale)画像の正規化を実施される。当業者により知られ、理解されるように、通常の二次元画像の歪曲法は解像度調整に必要とされるような収集及びフィルターとともに利用される。イメージスライススペーシングをコンピューター計画装置35のオペレーターにより入力され、既知の患者の固定装置の幾何学構造により確認される(verified)。
【0062】
次の段階は概括的に「解剖学ツール段階101」と呼ばれる。ユーザーは放射線計画に重要な構造物の三次元体積を特定し、それにより概括的に画像上で各スライスに基づいて解剖学的構造物を特定する。概括的にユーザーは各数枚のスキャンスライスにおいて、医師が処置を所望する領域上をドローするための例えば、ライトペン、トラックボール、タッチスクリーン、タッチパッド、キーボード又はマウスのような入力装置(図示されてはいない)を使用するであろう。本発明の1態様において、腫瘍が例えば、断層撮影スキャンの画像161上で十分に識別される場合は、コンピューター計画装置35(図1)の計画最適化ソフトウエア36がその代りに腫瘍の境界を選択するための自動化ツール及び付随のアルゴリズムを提供することができる。自動化ツールはユーザーにツール上でただ「クリック」させることができ、ソフトウエア36が自動的に腫瘍の境界の位置を決定するであろう。
【0063】
方法の次の段階は一般に「ビーム位置決め段階102」と呼ばれる。コンピューター計画装置35が対応するビーム位置により最初の処置計画を決定する。「ビーム位置決め段階102」は通常「指令パネル段階103」の前に置かれる。
【0064】
「指令パネル段階103」は医師に、先行段階で利用される放射線治療処置の所望の目標を計画装置35中に入力させ、それが順次、その後の「計画最適化段階107」中で利用される。
【0065】
再度、図2A及び2Bに関して、本発明の方法の次の段階は「試験装置適合段階104」である。放射線ビームの位置及びビーム重量の形成される最適化組み合わせ物又は放射線ビームのセグメントに対するビーム強度は送達装置39(図1)の送達能に適合される。「出力因子(OF)」の調整、送達装置39の多葉コリメーターのリーフの移動の時間調整及び送達装置39の操作限界内に送達することができる処置計画を表わす送達装置39のための制御情報に到達するための同時移動の限界を考慮するために反復処理を利用することができる。
【0066】
実行される場合に、「線量シミュレーション段階105」において、患者に対する放射線量を例えば、送達装置39(図1)のための制御情報に基づいてシミュレートする。この段階で使用することができるアルゴリズムは当業者により知られ、理解されるように、「三次元修正経路距離法」に基づく。
【0067】
図2A及び2Bに関して、計画法における次の段階は「計画変換段階106」である。本発明のシステム30は現代の処置計画実施法から幾つかの重要な出発法を包含することができる。例えば、ユーザーは同一患者に対し複数の非常に異なる処置計画の間を内挿することができる。処置計画の1つは以前に特定されたCORVUS(R)システムにより作成することができ、もう1つの計画は異なる開発法を有する異なるシステムにより作成することができる。他のシステムともっとも有効に相互運用するためにはコンピューター計画装置35は一般に、もう1つのシステムにより作成されるものと実質的に同一の処置計画を作成するであろうそれ自体の構築物中に処置目標を自動的に作成することができなければならない。これがコンピューター計画装置35に、他のシステムにより作成される種々の処置計画を「前進させ」、そして調整させる。適当な処置目標及びそれらの対応する重要性を拡大する(develop)アルゴリズムが提供される。
【0068】
本発明の「計画微調整」の態様において、コンピューター計画装置35は以後に説明される更なる制約と一緒に多数の選択される収集計画評価ポイントを表わすこの実行に独特な目的関数の貢献物(contributor)又は「ポイントの制約」を提供する。これらのポイントは標的及び周囲の構造物全体に自動的に分布される。例えば、コンピューター計画装置35の計画適合部分がある計画を取り込む時に、それは標的の境界、標的の内部、危険にさらされる器官(OAR)の境界及び後に説明されるDmaxポイントのうちの選択される部位中に計画評価ポイントを拡大することができる。分布は概括的にランダムな収集により実施される。しかしランダムな収集は例えば、標的の腫瘍体積の外側境界に隣接するもののような特定の関連度をもつ領域に収集確率を増加するように偏らせることができる。
【0069】
標的の腫瘍体積の収集ポイント及び構造物体積の収集ポイントは、もう1つのシステムにより作成される処置計画の放射線量分布又はビーム配列をランダムに収集することにより得ることができる。計画最適化ソフトウエア36は標的の腫瘍体積の収集ポイント及び構造物体積の収集ポイントおのおのにおける放射線量値を決定する。次に、標的の腫瘍体積の各収集ポイント及び構造物体積の各収集ポイントに対する目的関数に1項を付加することにより最適化目的関数を構築又は修正することができる。各項は、先行放射線処置計画の放射線ビーム配列に対応する目的関数に極値(最大又は最少制約値)を提供する。
【0070】
標的の腫瘍体積の収集ポイント又は構造物体積の収集ポイントと関連する各項は、提案される放射線処置計画に対して、対応するそれぞれの収集ポイントのいずれかにおける放射線量の値が先行放射線処置計画の放射線ビーム配列に対する放射線量のそれぞれの値と実質的に異なる時に放射線量にペナルティーを課す。本発明のもう1つの態様において、標的の腫瘍体積の収集ポイント又は構造物体積の収集ポイントと関連する各項は、提案される放射線処置計画に対して、対応するそれぞれの収集ポイントのいずれかにおける放射線量の値が先行放射線処置計画の放射線ビーム配列に対する放射線量のそれぞれの値と、実質的に、望ましくなく異なる時に放射線量にペナルティーを課す。同様に、本発明の1
態様において、標的の腫瘍体積の線量−体積統計値又は構造物体積の収集ポイントと関連する各項は、提案される放射線処置計画に対応するそれぞれの収集ポイントのいずれかにおける放射線量の値が放射線量のそれぞれの値と実質的に望ましくなく異なる時に、対応する線量−体積統計値にペナルティーを課す。
【0071】
これらの計画評価ポイントを分布後に、コンピューター計画装置35は、異なる位置に適用することができる異なるタイプのコスト貢献物により実験して、取り込まれたものと同様な処置計画を作成することができる。概して、更なる制約を伴わない場合は、取り込まれた処置計画も同様に異なるポイントを分析し、異なるコスト貢献物を使用しているので、コンピューター計画装置35は本発明の1態様に従う処置計画を、取り込まれた処置計画に適合させることに完全には成功しないと考えられる。従って、後記されるポイントの制約は、それを、取り込まれた計画と実質的に類似させるために自動的に(ユーザーにより運転されずに)処置計画を変更し、微調整するための1つの他のツールをコンピューター計画装置35に提供する。
【0072】
「計画変換段階106」の最終結果はコンピューター計画装置35が以前の計画を本発明の態様に従う最適化動力(engine)により使用のために適当にフォーマット化された計画に変形又は変換することである。これは:第1に、取り込まれた放射線処置計画を形成するために使用される最初の臨床目標を表わす放射線ビーム配列(放射線量分布)を決定し;そして先行放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に適合する臨床的貢献物を有する放射線処置計画を開発するために使用することができる最適化目的関数を形成すること、により達成することができる。
【0073】
「計画最適化段階107」中で図2A、2B及び2Cに関して、放射線計画最適化は該目標が線量の指令を達成するための最適送達シナリオ(放射線ビーム及び/又は強度のセット)を決定することである、逆行する問題の特定の事例である。この段階は「微調整」(図2B)及び「自立」モード(図2C)双方に適用できる。図2Bに関して前記の「微調整」モードにおいてはユーザーはその計画システムのための最適な計画を作成するために例えば、CORVUS(R)計画システムのようなもう1つの計画システムを走行する。次にその計画を、最適化目的関数の極値が第1の放射線量分布、そして従って、取り込まれた処置計画の最初の臨床目標とほぼ同様な放射線量分布に対応するように、少なくとも1制約を反復調整することにより形成することができる最適化目的関数を利用して現在時の編集のために変換するか又は取り込む。次にユーザーは取り込まれた計画を「微調整」するために本発明の態様に従ってコンピューター計画装置35を走行させることができる。
【0074】
次に、以下に説明されるような計画システムツールをその計画を微調整するために適用することができる。これらの新ツールはユーザーにコンピューター計画装置の更に特定の要請を実施する能力を与えることができ、従って線量分布に対して微細な粒子の、そしてより流動性の制御を提供することができる。取り込まれた計画は外部の計画システムのコスト関数において最適であったかも知れない。しかし、臨床医は外部のシステムのコスト関数に具現されたものと僅かに異なる目標をもつ可能性があるので、臨床医は最適化計画に対する修正を所望するかも知れない。新ツールは臨床医にそれが最初に誘導された方法に拘わらず、計画を微調整することができる利点を提供する。
【0075】
図2Cの「自立」の態様に関して、コンピューター計画装置35はユーザーが最初の又はアプデートされた目標の情報を入力する時に、双方向性計画の段階に本質的に直接侵入する。コンピューター計画装置35は比較的早急に(双方向的時間の枠内で)、双方ともユーザーにより直接に、グラフ上で操作されることができる、開発又は修正中の実際の処置計画から、等線量曲線162(図3)及び、集合的に「DVH」又は「DVH曲線」1
75(図3)と呼ばれる累積線量体積ヒストグラム又は線量体積ヒストグラムを表示することができる。
【0076】
座している代わりに、有利には本発明の態様に従って、恐らく指令を書き込む5〜10分間を消費し、作成される計画最適化のために恐らく10分間待機し、そして次に結果を評価し、そしてその過程を繰り返すことにより、ユーザーはおのおのの提案される放射線ビーム配列に対して放射線量分布のグラフ表示を表示することができる、より流動的なプラットホームを提供される。例えば、ユーザーは前立腺を50Gyで照射することを決定して、そのように入力する。次に50Gyの線量を前立腺の周囲にスクリーン上で表示するであろう。次にユーザーは結果を検討し、OARが余りに大量の線量を受けていることを決定する。ユーザーは問題のOARから過剰な線量を結果的に追い出すその特定のOARに対して調整を実施することができる。次にユーザーは結果を再度検討し、適切な調整を実施することができる。ユーザーは有利には、放射線処置計画を開発する時にこれらの反復物の展開を見守る能力を提供され、従って計画に対する非常に詳細な、微細調整された調整を可能にする。
【0077】
更に特には、恐らく図3にもっとも適切に示されるように、放射線処置計画の最適化を補助するために、本発明の態様は有利には、ユーザーにGUI150のスキャンウインドー160中に表示されるCTスキャン又は他の断層撮影タイプのスキャン画像161上に等線量プロット162を提供する。本発明の態様はまた有利には、ユーザーにDVH曲線175を提供する。ユーザーはGUI150及び、GUI150上に表示される情報のデータ入力及び操作のためのアルゴリズムを包含するソフトウエア36を提供される。GUI150は例えば、ドロップダウンメニュー151、151’、チェックボックス152、152’、例えば、標的の「目標線量」153又は構造物の「線量限界」153’のようなテキストフィールドボックス、標的の「均一性」又は構造物の「重要性」のようなパラメーターそれぞれに対するスライドコントロール154、154’、及び入力装置の使用により画像161及び/又はDVH曲線175中に表示される等線量曲線162を操作することができるスクリーンポインター162のような双方向性ツールを表示することができる。
【0078】
本発明の1態様において、所望の目標の入力は、コンピューター計画装置35のグラフィックユーザーインターフェイス(GUI)150の少なくとも1つのドロップダウンメニュー151、151’、チェックボックス152、152’、テキスト入力フィールド153、153’中への入力により実施することができる。目標の達成はまた、例えば、分析ウインドー170(図3)に示されたもののような、指令されるDVHの作成及び調整により開始することができる。指令されるDVHはユーザーが装置35中に目標を入力する時に構成することができる。本発明の好ましい態様において、達成可能な放射線処置計画を表示する付随DVH曲線175は種々のドロップダウンメニュー151、151’、チェックボックス入力152、152’、テキスト入力フィールド153、153’、等線量曲線162の個別の又は集合的操作及び、DVH曲線175それら自体の直接の操作(位置決め装置の使用による)により調整することができることに注意されたい。
【0079】
例えば、標的及び構造物に対して、ユーザーは(1)テキストボックス153中に標的の線量目標値(例えば、67.24Gy);及び(2)テキストボックス153’中に構造物の線量限界(例えば、68Gy):のような目標を表わす数字を入力することができる。標的及び構造物双方に対してGUI150は、ユーザーに、テキストボックス153、153’中への数字の入力により表わされるものと同様な結果を確立するために、スライドコントロール154、154’の長さに沿ってバー157を「ドラッグ」させる機能をもつ小型のグラフ又はスライドバー157を表示することができる。
【0080】
コンピューター計画装置35は、一緒に等線量曲線又は曲線162の直接的操作及び矛盾する目標の動的平衡のための背景を提供する、簡単な制約及びそれらに調整された早急な最適化物を適用することができる。理想的には目的関数貢献物又は制約は連続的であり、そして単調であり、区分的に線形であるコスト関数を実行する一次導関数を有する。コンピューター計画装置35は放射線処置計画を「評点」Sに変換することができ、それはそれらの指定される優先性又は重量を掛けた個々のコスト貢献物の値の和に等しく、そこで
【0081】
【数1】
【0082】
[式中、Cxはコスト貢献物であり、nはn番目の貢献物を表わし、そしてWxはn番目のコスト貢献物に指定される優先性又は重量である]
である。これらのコスト貢献物又は影響関数は、順次放射線ビームの重量又は線量の関数である制約の形態を採ることができる。好ましい態様において、以下に説明される処置計画の「評点」Sは、順次、それらに限定はされないが少なくとも1又は複数の以下の制約:
1.標的の境界、
2.標的の内部/標的のカバー、
3.危険にされた器官(OAR)の境界、
4.Dmaxポイント:各ビームのDmaxポイントに配置された及び
5.ドラグアップ/ダウンポイント:これらのポイントはユーザーにより引かれる線に沿って横たわる、
6.ポイントの制約(計画適合態様のみ)、
からなるコスト貢献物の関数である。
【0083】
各制約タイプは、それぞれの制約に対する問題のそれぞれのポイントが位置付けられる領域及び患者内の問題の領域により破壊される(broken down)。これらの制約タイプはそれぞれ、コスト関数及び分導関数(特定のビームフルエンスに対する)を実行しなければならない。制約の効果の詳細は以下に説明される。ビーム重量が放射線処置計画を有効に説明し、そしてコスト関数が、任意の個々のコスト貢献物又は制約が放射線ビーム重量のサブセットの関数であることができる評点を作成することにより放射線処置計画を評価する。更に、制約を伴うボクセル(voxels)(制約ボクセル)のみが最適化の反復期間中にコストを払いながら(while costing)、照射される。
【0084】
本発明の好ましい態様において、まだ図3に関して、コンピューター計画装置35は動的な制約の平衡化、すなわち例えば、CTスキャン又は他の断層撮影タイプのスキャン上の等線量プロット162又はGUI150のスキャンウインドー160に表示される画像161のような患者における線量の少なくとも1つの表示において観察しながら線量の目標を調整するための現在時の方法を提供することができる。この態様において、ソフトウエア36は、例えば、ドロップダウンメニュー151、151’、チェックボックス152、152’、テキストフィールドボックス153、153’、スライドコントロール154、154’並びに、画像161中に表示されるDVH曲線175及び等線量曲線162を操作するために配置されるスクリーンポインター163のような、ユーザー双方向性ツールの使用による放射線処置計画の動的な操作のためのアルゴリズムを包含する。
【0085】
放射線処置計画の種々の反復物の評価は一般に患者中の計画評価ポイントの収集を必要とする。この収集は完全にランダムに又は、有利には、より少ない計画評価ポイントを利
用してより多くの情報を提供することができる標的の腫瘍体積の外側境界に隣接する収集確率を増加するためにバイアスを伴ってランダムにのいずれかであることができる。計画評価に信頼性を付加するために、選択される計画評価ポイントは好ましくは、放射線処置計画の種々の反復を実施し、表示するためのコンピューター計画システム35(図1)の計画最適化ソフトウエア36により利用される同一のランダムに選択されるポイントではない。
【0086】
前記の制約は放射線処置計画の開発及び評価を効率的に実施するために適用できる数学的構築物を提供することができる。更に、コンピューター計画装置35のソフトウエア36は、このような制約が関数として計画の評価Sにペナルティーを課すか又は計画を余り魅力的でなくさせるように構成される、当業者に知られたその他と方法と一緒に、前記の制約を提供することができる。
【0087】
前記に特定された最初の2件の制約は標的の境界及び標的の内部/標的のカバーである。標的の境界は腫瘍の形態を表わす。ソフトウエア36のアルゴリズムは標的の境界に沿った計画収集ポイントを検討することによりこの制約を実行する。実際の境界の内側又は外側のいずれかに境界を構成する計画はユーザーに、より望ましい計画を作成するであろう。この影響関数の視覚的表示は基本的に、区分的に線形の逆さノッチの形態を採り、当業者により、指令線量の方向にそれらの関連ボクセルを駆動するウエルを作成するものと説明される。更に、全体的計画に対する境界の正確な選択の重量又は重要性を調整するために、スライドコントロール154又は調整制御の他の形態が提供される。
【0088】
標的が少なくとも最少の線量を与えられることを確保するために標的の内部の制約が提供される。この制約は、標的のボクセル内の線量が目標線量より下である計画にペナルティーを課し、従って線量を上昇させることを試みる。別の制約であるか又は標的の内部の制約と組み合わせることができる標的のカバーの制約もまた、標的全体が最少の線量を受けそして均一であることを確保するために提供される。しかしこの制約は、標的のボクセル内の線量が目標線量を越える計画にペナルティーを課し、従って線量を低下させることを試みる。好ましい態様において、これらの制約の重要性を調整するために、スライドコントロール154又は他の形態の調整制御に類似のスライドコントロール154”が提供される。
【0089】
OARの境界の制約は健康な器官が過剰線量の放射線、すなわち線量限界の線量を越えて暴露されないことを確保するために提供される。制約はOARのボクセルにおける過剰線量にペナルティーを課す。好ましい態様において、この制約の重要性を調整するためにスライダーコントロール154’又は他の形態の調整制御が提供される。
【0090】
Dmaxポイントの制約はその特定のビームの結果として線量が最高である各ビームに沿ったポイントを表わす。Dmaxポイントの制約は標的中に存在しない線量を制御するために提供される。好ましい態様において、標的中に入る任意のポイントを無視し、そしてOAR内に入る「OAR境界」ボクセルに任意のポイントを付加するソフトウエア36のアルゴリズムが提供される。
【0091】
ドラッグアップ/ダウンポイントの制約はユーザーにより引かれる線に沿った1組のポイントにより規定される。好ましい態様において、線量を閾値の上又は下のいずれかに−線量がライン上の平均線量より高いポイント上でラインが出発するときは閾値より上に、又は平均がより高いときは閾値より下に駆動するためのソフトウエア36のアルゴリズムが提供される。メタ最適化は、それらが満足されるのにちょうど十分に強いことを確実にするようにこれらの制約の強度を平衡させることができる。
【0092】
本発明の好ましい態様において、コンピューター計画装置35は自動的制約評価を提供することができる。処置計画は種々の明白な目標をしばしば手動により平衡させることからなる。一旦これらの目標が表示されると、処置計画装置35はそれらを最適に平衡させるために何がそれらの相対的な優先性であるかを知らなければならない。前記のように、多数の処置計画システムはユーザーに、困難で、不正確で、そして恐らく時間のかかる過程である可能性がある、目標を明白に優先順位決定することを要求する。概念的には、コンピューター計画装置35及び関連アルゴリズムは処置計画により総括される(encapsulated)異なる目標の相関関係及び、ユーザーが古い目標の上に新目標を重ねる時に、これらの目標がいかに平衡させられるべきかの理解を要求される。本発明の態様は有利には、自動的制約の評価、すなわち、ユーザーが決定した優先性の直接の入力によるよりむしろ、ユーザーの行動及び計画調整物の形態の一連のユーザーの入力から優先順位決定を推測させる双方向性のレベルを提供することができる。コンピューター計画装置35のソフトウエア36は特定の目標に与えられる内部の「重要性」を決定する数値に推測される優先性を翻訳することができる。自動的制約の評価は、ユーザーが新目標を追加し、調整を実施する度に、アルゴリズムが新目標に対して特定レベルの重要性を指定し、目標のもう1つの群、例えば、50件の目標をそれら自体の別のレベルの重要性に維持し、そしてユーザーに対して均一な方法でこれらの重要性を計算する方法である。好ましい態様において、各検索試行において別々の最適化を実施する簡単な検索法はこの自動的翻訳を提供する。
【0093】
本発明の1態様において、図3に関して、優先順位決定の実際の実行は例えば、スライドコントロール154のようなスライダーコントロールの使用及び/又は等線量曲線162又はDVH曲線175のいずれかにより表わされる線量を直接に操作する(「ドラッグする」)ためにスクリーンポインター163を操作する通常の位置決め装置(図示されていない)の使用から得ることができる。例えば、ユーザーの観点から、感受性の組織を救うスライドコントロール154’を使用して、構造物中のゼロ線量の絶対的目標構成の同等物としてソフトウエア36により見なすことができる構造物から線量を取り去ることができる。しかし、ソフトウエア36の境界内では、新目標の追加は実際に、一連の評価されたコスト貢献物からなる総コスト関数に新項を追加し、そして/又は他の重量を変更することに等しい。更に、本発明の1態様に従うと、線量をドラッグすること(等線量曲線162又はDVH曲線175)は総コスト関数に新項を追加し;そして例えば、スライダーコントロール154を制御し、器官から線量を押し出すことは既存の項の1つを変更する。
【0094】
本発明の好ましい態様において、図3に関して、目標の調整は双方向性の計画線量の修正:その場合、出力が等線量曲線162及びDVH曲線175に対する変更であると考えられる、等線量曲線162(しばしば等線量「等高線」と呼ばれる)の直接の操作及びDVH曲線175の直接の操作により達成することができる。本発明の1態様において、標的の大体のDVH及びOARのDVHの横軸−切片(abscissa−intercept)及び/又はOARの推定最大線量が動的にアプデートされる。本発明のもう1つの態様において、それらは休止期間中にそれらをアプデートすることを試みる優先性の低いスレッド(thread)により全詳細にスナップされる(snapped)。
【0095】
本発明の好ましい態様において、図3、4、6、7及び8に関して、腫瘍体積又は隣接する構造物体積から線量を押し出すためにユーザーに提供される少なくとも5個の主要な選択が存在する。第1の選択は影響を受けた(affected)腫瘍体積又は組織構造物に対する巨大な調整を提供する。例えば、ユーザーは線量により影響を受けた組織構造物、例えば、直腸全体をタブ又は選択することができる。構造物はドロップダウン151’から選択することができる。ユーザーは付随のスライダーコントロール154’を調整して影響を受けた構造物中の線量を減少するか又は関連するテキストボックス153’中に減少された線量値を入力することができる。しかし、調整は影響を受ける構造物の任意の特定の部分中の線量を変化させるかも知れず又は変化させないかも知れないが、何であれ、影響を受ける構造物の「もっとも重要な部分」又は最大線量を受けている構造物の部分上に焦点をあてると考えられる。もっとも重要な部分がまた、ユーザーに心配な部分である場合は、調整は有効であるに違いない。問題の領域が影響を受ける構造物のもっとも重要な部分ではない場合は、調整は、それが構造物内の問題の点に影響を与える時又はその前に影響を受ける構造物のもう1つの部分に影響を与えると考えられる。スライダーコントロール154’を使用する代わりに、ユーザーは以下に説明されるCT上の等線量曲線プロット162又はGUI150のスキャンウインドー160の他の断層撮影タイプのスキャン161を吟味することができる。
【0096】
残るユーザーの選択はより柔軟であり、応答においてより局在的である傾向がある。図3及び4に関して、ユーザーは影響を受ける構造物、例えば、直腸上に重ねられた又は描かれた等線量曲線162を含むスキャンウインドー160を含んでなるGUI150を吟味することができる。前記のように、等線量曲線162は標的又は構造物の一部に共通に送達される線量に対応する。GUI150は例えば、CTのスライス161上のこれらの等線量曲線162の直接の操作を提供する。ユーザーは通常の位置決め装置(図示されていない)又はスクリーンポインター163により表わすことができる、当業者により知られ、理解される他の適当な入力装置の使用により等線量曲線162を操作する能力を提供されることができる。ソフトウエア36はユーザーに、選択される部位に等線量曲線162を「グラブ」又は「ドラッグ」させるアルゴリズムを包含する。しかし放射線は単独の変更を実施させるだけではない。ユーザーが問題の等線量曲線162上で位置決め装置の「グラブ」を解放すると、それに対応して他のパラメーターが変化するであろう。この解放は、調整される等線量曲線162が追加の制約を形成する新計画を出力するようにアルゴリズムに命令する。新等線量曲線の「等高線図」は問題の等線量曲線162をドラッグすることからもたらされる主要なフィードバックを提供する。
【0097】
1つの等線量曲線162の直接の操作はその等線量曲線162又は異なる部位におけるもう1つの等線量曲線162’を膨張させるかも知れない。この可視化により、その場合ユーザーは要求されない偏りによる変化が有害であるかどうか、そしてその場合にはどの程度であるかを決定することができる。図4に関して、偏った線量を表わす等線量曲線162’を選択又は「クリック」して、影響を受ける構造物上又はそれから出てドラッグすることができる。例えば、ユーザーはその等線量曲線162’上でクリックして、直腸からそれをドラッグすることができる。位置決め装置又はマウスボタン(図示されていない)の解放時に、コンピューター計画装置35はユーザーが例えば、直腸のような以前に影響を受けた構造物中にその線量が侵入しないという制約により、以前に要請したすべてに基づいて、もう1つの新計画を再計算するであろう。この代案において、標的又は構造物全体よりはむしろ、問題の「ホットスポット」のみが主として調整により影響を受ける。問題の等線量曲線162をドラッグする概念上の影響は、等線量曲線162、162’が患者中を湾曲する方法を変えることである。
【0098】
「通常の」最適化過程はユーザーが規定した制約の限界内で放射線ビームの方向及び/又は強度を最適化することに注意されたい。それに代わり、メタ最適化過程は取り込まれた処置計画のものに一致する目標を達成するために制約自体を双方向性に調整することができる。メタ最適化はそれらが満足されるのにちょうど十分に強力であることを確保するように前記の制約の強度を平衡させることができる。更に、最大及び/又は最少線量値164、165の入力に応じて(図9)、ソフトウエア36は前記のもののような望ましくない付随的線量の変化を防止するためにユーザーにより等線量曲線操作を制約することができる。
【0099】
まだ図4に関して、線量をドラッグすると、出発ドラッグ点191と停止ドラッグ点192間にライン190を数学的に形成する。コンピューター計画装置35のソフトウエア36のアルゴリズムは、コンピューターにより問題のその特定の等線量曲線162’がドラッグすることにより形成されたライン190を横切らないことを確保するように試みる。すなわち、ライン190に沿って設立される制約は、望ましくない線量レベルが所望の線量レベルより大きい場合は、ユーザーの選択したラインに沿った線量を所望の線量レベルを超えない値のレベルに制約するように実行することができ、そして望ましくない線量レベルが所望の線量レベルより低い場合は、ユーザーの選択したラインに沿った線量を、所望の線量レベル以上のレベル値に制約するように実行することができる。
【0100】
望ましくない線量が出発ドラッグ点191と終結ドラッグ点192の間にある場合には、この目的はまた、出発ドラッグ点191から終点192までライン190上の線量を平均することにより達成することができる。次に、ライン190がライン190上の平均線量より高い線量をもつ点上で出発するときにはアルゴリズムは線量を揚げ、そして平均がより高い時は線量を低く駆動する。例えば、線量の半島が器官中に突き出している場合は、出発点191は例えば、70Gyの等線量曲線162’にあるかも知れない。ライン190は70Gyの停止点192で終結する例えば、80Gyのもう1つのの等線量曲線162”を横切るその等線量曲線162をドラッグすることにより形成することができる。ライン上の平均が73Gyである場合は、平均線量は出発点において、より高いと考えられるので、アルゴリズムはユーザーがそのライン上の線量を押し下げたいと望むと推定すると考えられる。
【0101】
もう1つの例において、ユーザーは「線量をドラッグする」の代案を使用して健康な組織構造物の一部から「ホットスポット」を押し出すことを所望する。ユーザーはスクリーンポインター163を伴う位置決め装置で等線量曲線162を結合することにより線量をドラッグし、等線量曲線162を「ホットスポット」を横切り、その上をドラッグする。この過程は等高線図の等高線をグラブし、そして等高線図上に描かれた山の頂上の上に等高線をドラッグすることに類似する、すなわちユーザーはピークの曲線のちょうど外側のいずこかに位置決め装置を配置し、ピークを横切ってドラッグし、そしてピークの反対側上に再配置された等高線を解放する。
【0102】
ソフトウエア36の関連アルゴリズムは、2点191、192間のそのライン190上の何も、ユーザーが最初にドラッグを開始した時に認められたものより高い線量レベルを受けないようにライン190上の制約を確立することができる。理想的には、この例に説明されるように、アルゴリズムは山のピークを除去すると考えられる。しかし、ピークが非常に幅広い場合は、ユーザーの行動はライン190上、そしてそのいずれかの側上に新規の谷を刻むことができるのみである。その場合は、ユーザーは追加の試みを実施するか又は例えば、前記の巨大スライダーコントロール法のような代わりの方法を考慮するかいずれかを実行することができる。それに対応して、ユーザーが近位の領域中の放射線量を増加するために等線量曲線を広げる(extend)ことを所望する場合は、ソフトウエア36の関連アルゴリズムは、出発ドラッグ点と終結ドラッグ点の間に形成されるライン上の何も出発ドラッグ点の線量より低い線量を受けないような制約を確立することができる。
【0103】
恐らく図3及び6でもっとも適切に示されるように、ソフトウエア36は(1)ユーザーの所望の線量レベルを有する画像スライス161上の等線量曲線162” の一部分193又は他の等線量の代表値をユーザーに「選択」又は「マーク」させ、そして(2)ユーザーに、選択される位置193から、好ましくは、等線量曲線162”の近位の又は隣接した画像スライス161上の第2の選択される位置までのユーザーの所望の経路194(点線として表わされた)上を、提案される等線量曲線を「描く」又は「彫る」ためにユーザー入力装置を操作又は「ドラッグ」させる、アルゴリズムを包含することができる。ユーザーに所望される経路194を形成するための入力装置を選択し、ユーザーの操作に応答して、ソフトウエア36はユーザーが所望する経路194にほぼ隣接して等線量曲線162を再配置し、それにより等線量曲線162”を再構築し、従って新規の放射線ビーム配列を形成する。前記の等線量曲線操作によるように、入力装置の解放が好ましくは、調整された等線量曲線が追加された制約を形成する新規の計画を出力するようにアルゴリズムに命令する。
【0104】
ソフトウエア36は望ましくない付随の線量変動を防止するために等線量曲線の操作の前記の2種の方法を制約するための提案を包含することができる。ユーザーは標的の腫瘍体積又は構造物体積に対する最大及び最少放射線量値164、165(図9)のいずれか又は双方を入力することができる。ユーザーによる最大及び/又は最少線量値164、165の入力に応答して、ソフトウエア36は外側のユーザーが提供した線量制約から偏る放射線量をもたらすと考えられる等線量曲線162”の移動を妨げる。
【0105】
恐らく図7でもっとも適切に示されるように、ソフトウエア36は、高い放射線異常又はホットスポット(図示されている)、低い放射線異常を関数的に(functionally)「消去する」ために又はより巨大な最大線量の減少を実施するために、等線量曲線162”’をユーザーに「選択」又は「マーク」させる、ツールを提供するアルゴリズムを包含することができる。等線量曲線162”のユーザーの選択に応答する高い放射線異常に対しては、ソフトウエア36は等線量曲線162”’の外側の放射線量値にほぼ等しい、等線量曲線162”’内の放射線量値を構成することができる。低い放射線異常に対しては、ソフトウエア36は等線量曲線162”’の外側の放射線量値にほぼ等しい等線量曲線162”’内の放射線量値を構成することができる。いずれかの状況において、等線量曲線162”’内の線量の移動は概念的に等線量曲線162”’を消去する。
【0106】
等線量曲線操作の前記の2形態によるように、入力装置の解放は好ましくは、アルゴリズムに、等線量曲線162”’の値の変化が追加される制約を形成する新計画を出力するように命令する。更に、等線量曲線操作の前記の2形態によるように、ソフトウエア36はまた、望ましくない付随の線量変化を防止するために等線量曲線操作のこの方法を制約するための提案を包含することができる。ユーザーは標的の腫瘍体積又は構造物体積に対する最大及び最少放射線量値164、165(図9)のいずれか又は双方を入力することができる。ユーザーによる最大及び/又は最少放射線量値164、165の入力に応答して、ソフトウエア36はユーザーが提供した線量の制約の外側から逸れる放射線量をもたらすと考えられる選択される等線量曲線162”’内の線量のどんな変化をも防止することができる。
【0107】
恐らく図3及び8にもっとも適切に示されるように、ソフトウエア36は図8に示されるような前以て決定された放射線量レベルを超えて受ける腫瘍体積又は構造物体積の率を減少/増加し、腫瘍体積又は構造物体積又はそれらの間の中間の組み合わせ物の与えられる率に対する過剰線量レベルを減少/増加するいずれかのために、DVH曲線175’をユーザーに「グラブ」又は「ドラッグ」させるアルゴリズムを包含することができる。好ましくは位置決め装置の形態の入力装置を利用して、ユーザーは前以て決定された放射線量レベル198を超えて受けることを許された標的の腫瘍体積(又は隣接の構造物体積)の率197を示す選択される位置196に位置付けられるDVH曲線175’の一部を選択することができる。もう1つの部位へのユーザーの所望される経路上の入力装置によるDVH曲線175’の選択される部分196のユーザーによるドラッグに応答して、ソフトウエア36は前以て決定される放射線量レベルを超えて受けることを許された標的の腫瘍体積(又は隣接の構造物体積)の率197を変更して、それにより前以て決定される放射線量レベルを超えて受けることを許された標的の腫瘍体積(又は隣接の構造物体積)の
ユーザーの所望する率199を有する新規の放射線ビーム配列を形成する。
【0108】
前記の等線量曲線の操作/消去によるように、入力装置の解放は好ましくは、調整されたDVH曲線175’が追加された制約を形成する新計画を出力するようにアルゴリズムに命令する。更に、等線量曲線の操作/消去によるように、ソフトウエア36はまた、望ましくない付随の線量変化を防止するためにユーザーによるこのタイプのDVH曲線の操作を制約するための提案を包含することができる。ユーザーは標的の腫瘍体積又は構造物体積に対する最少及び最大放射線量値のいずれか又は双方を入力することができる。ユーザーによる最大及び/又は最少線量値164、165(図9)の入力に応答して、ソフトウエア36はユーザーが提供した線量の制約の外側から逸れる放射線量をもたらすと考えられる線量のどんな変化も防止することができる。
【0109】
本発明の1態様において、再度図3に関して、ユーザーは等線量曲線162のドラッグによりプロンプトされる変更の部分的消去又は解放(unroll)を許すスライドコントロール155を提供される。前記のように、ユーザーが問題の等線量曲線162をドラッグし、次にそれを解放すると、ユーザーは等線量曲線の「等高線図」に放射線処置計画の新規の図をスキャンウインドー160中に再描写させる(「チェックポイント」)。従って、ユーザーは「提案される」変更の効果を決定するために必要な情報を提示される。概念的には、ユーザーは妥協物はどんなものであろうか又はそのどんな変化が何を伴うであろうかの知識を伴わずに、ユーザーが放射線処置計画の変更を要請した。にも拘わらず、ユーザーは概括的に何が付随的に変化したかそして提案される修正が付随的変化にいかに影響を与えたかを認識する必要がある。従って、ユーザーは、ユーザーが、提案される修正から区分的に「後退する」ためにスライダー155のハンドル157をスライドさせることができるスライドコントロール154(部分的に戻すスライダー)を与えられる。他の方法は本発明の範囲内にあるが、スライダー155の機能は好ましくは、下記に、より詳細に説明されるように計画最適化ソフトウエア36により利用される収集ポイントの線量値の間の線形内挿(ビーム強度の線形内挿に対応する)により達成される。
【0110】
部分的取り消しスライダー155は基本的にユーザーが実施した最後の調整を自動的に総括する(encapsulaate)バックスペース装置に等しい。更に、好ましい態様において、部分的取り消しスライダー155は、問題の等線量曲線162の解放時に一番右側の位置のそのハンドル157により実行せず、スキャンウインドー160がそれに対応して修正された計画を表示する。ユーザーがスライダーハンドル157を左側の端までスライドさせると、アルゴリズムは修正を完全に取り消す。ハンドル157を右側に戻してスライドさせると、ユーザーがハンドル157を前後にスライドさせる時に、ユーザーが完全に又は区分的に修正の効果を現在時で認識することができるように、修正を完全に再構築する。ユーザーは有利には、妥協の程度をより容易に理解することができる。ユーザーは調整及び調整の結果の前に計画の構成(configuration)を観察するための任意の中間ポイントを選択することができる。
【0111】
例えば、ユーザーはGUI150のスキャンウインドー160中の等線量曲線162の重なる画像161を考察し、過剰な線量が直腸のような健康な器官の構造物に送達されていることを決定する。ユーザーはスクリーンポインター163と連絡した位置決め装置の協力を得て、問題の等線量曲線162をグラブし、それに対応して直腸から線量をずっと押し出す。この例においては、調整が付随領域に望ましい結果に満たない結果をもたらしたことを想定されたい。調整の結果に不満なユーザーは次に、部分的取り消しスライダー155のハンドル157を前後に移動させ、各区分毎にスクリーン上で変化する等線量曲線162を吟味することにより調整を試みる。ユーザーが部分的取り消しスライダー155のハンドル157を移動して、等線量曲線162を直腸中に「流動性に」出し入れさせる時に、ユーザーは最善の可能な妥協案に対応する等線量曲線の位置を選択する。部分的取り消しスライダー155のハンドル157の解放時に、アルゴリズムはアプデートされた処置計画を提供する。次にユーザーは結果の吟味を継続し、対応して他の変更を実施する。
【0112】
本発明の態様において、コンピューター計画装置35はフルエンスマップを内挿する能力を提供する。この能力はユーザーに複数の参照計画のシナリオの間の全領域のオプションを検討する柔軟性を提供する。例えば、本発明の1態様において、部分的取り消しアルゴリズムは前記のように、ユーザーに変更の部分的取り消しを早急に実施させる効果を有する動的スライドコントロール155を実行する。そのもっとも簡単な形態において、変化の関数の部分的取り消しは例えば、前以て調整される計画と後に調整される計画間の概念的に「中間」である計画シナリオに等しい、平均処置計画の作成を許す。付随するアルゴリズムは線量を平均し(線量マトリックス間の内挿)、そして問題の線量が誘導されるフルエンスパターンを平均する(ビーム強度プロファイル間の内挿)ことができる。アルゴリズムが特定のセットの制約に限定される限り、アルゴリズムは応答可能にこの操作を実施することができ、そして前以て調整される処置計画と後で調整される処置計画の間の連続物内で選択される処置計画を形成するであろう。本発明の種々の態様において、コンピューター計画装置35は所望の一時的な性能に基づいて制約に対する異なるレベルのこのような限定を提供する。
【0113】
本発明の好ましい態様において、コンピューター計画システム35は「チェックポイント」間に内挿する能力を提供する。いくつかの処置計画システムはその後の比較のため、そして引き返し追跡を許すために、アプデートされたバージョンの形態の処置計画の複数の反復物を保存又は一時的に保存する手段を提供する。ユーザーは、ユーザーに単一連続物上の末端点として任意の2計画(「チェックポイント」)を確立させ、それによりユーザーに種々の不確実な確率を探索する際の高い速度及び自由度を提供する、現在時の制御を提供される。図3に関して、GUI表示150はボタン158、ドロップダウンメニュー(図示されていない)又は計画リストへのアクセスを許す類似の装置、及びボタン158’、ドロップダウンメニュー(図示されていない)又はリストに現在の計画を追加することを許す類似の装置を包含することができる。チェックポイント関数の間の内挿はユーザーに幾らかの変更を実施させ、もう1つのバージョンとして修正計画を保存させ、そして次に後にこれらのバージョン間で又は以前のバージョン間の連続物内で、又は現在の表示計画により基本的に前後にスライドするために任意の先行バージョンを思い出させて、より不確定なバージョンまでも更に開発させることができる。
【0114】
概念的に、チェックポイント関数の間の内挿は評価/最適化の収集ポイントの線量値の間の線形内挿を関数的に利用することができる多レベルの取り消しである。しかしこの関数はこのシステムのツールを使用して作成される計画の先行バージョンのみの比較に限定はされない。2個のチェックポイントの間の内挿は最初に、異なるプラットホーム上で作成される第1及び第2のチェックポイントに対する放射線量分布を表わす対応する各組のポイントにおける放射線量の値を決定することにより達成することができる。他の方法は本発明の範囲内にあるが、この関数は好ましくは、第1及び第2のチェックポイントに対する放射線量分布を表わすポイントの組に対する放射線量の値の間に適用される線形内挿を使用して実施されることに注意されたい。
【0115】
計画最適化ソフトウエア36は中間の(又は最終的)提案される放射線処置計画を放射線ビーム強度の離散化により送達可能な別々の放射線処置計画に変換して、例えば、等角放射線治療の送達装置のような前以て選択される送達装置39と適合性の対応する放射線ビーム強度構成物中に放射線ビーム配列を形成することができる。次にソフトウエア36は自動的にグラフ上に送達可能な別々の放射線処置計画をユーザーに表示することができる。これは、放射線量分布中の各ポイントにおいて、又は放射線量分布を表わす収集され
たそれらの組における放射線量の値により制約される最適化目的関数を提供することにより達成することができる。
【0116】
現代のコンピューターハードウエア上の上記に引用された現在時の双方向性の計画の調整を許すためには、それぞれの最適化アルゴリズムを処理するコンピューターがしばしば最適化する目的関数は、それが能力の有意な減少を伴わずに早急な(一時的)最適化と適合性であるように規定又は再表示することができる。本発明の好ましい態様において、コンピューター計画装置35は目的の貢献物の単調の一次導関数により最適化を提供することができる。コンピューター計画装置35は最適化を実施するために要する時間の有意な短縮を達成するために、目的関数に対する各貢献物がその一次導関数において単調であるように目標を再構築するアルゴリズムを提供することができる。各目的関数を最適化するよりむしろ、コンピューターがしばしば最適化しなければならない目的関数上に注意を集中することにより、コンピューター処理時間の有意な短縮を最少の計算努力により達成することができる。しかし、最適化されるすべての目的関数にアルゴリズムを適用することは本発明の範囲内にあることに注意されたい。
【0117】
計画評価ポイントの選択は一時的最適化を提供するもう1つの方法である。放射線処置計画の種々の反復の評価のための収集ポイントを選択することは一時的性能を有意に増加することができる。この収集は完全にランダムでも又は特定の関連領域に隣接して収集される確率を増加するためにバイアスを伴うランダムのいずれかであることができる。本発明の好ましい態様において、コンピューター計画装置35は、処置線量をシミュレートするために患者内の計画評価ポイントの典型的な数より少数を特定することにより速度及び双方向性を増加するために、最少の計画評価ポイントの自動的選択のためのアルゴリズムを提供する。これらの計画評価ポイントはソフトウエア36が重要な線量特徴物を「知る」ように十分に分布される。性能はこのような計画評価ポイントの数に反比例であるので、アルゴリズムはその基準を満たす最少の可能な群を特定することができ、ここで取引(trade−off)は性能を制約し、精度を指令する計画評価ポイントの数である。
【0118】
例えば、その線量が目的関数を計算するために使用される腫瘍の1,000個の異なる部分を有する可能性があり、そして患者全体に広がった50,000個の他のポイントが存在するかも知れない。アルゴリズムが50,000個のポイントを選択する場合は、処置計画の非常に正確な描写を提供すると考えられるが、計算は許容できない長さの時間を要するであろう。アルゴリズムが5ポイントのみを選択する場合は、結果は処置計画の非常に不正確な描写であろう。しかし、アルゴリズムが500個のポイントを選択すれば、精度はこれらのポイントが戦略的に位置付けされる場所に左右されるであろう。従って、それぞれのアルゴリズムは患者に送達される線量をまだ十分に規定する最少数のポイントを有するように、適当な位置における可能な最少数のポイントを選択することができる。
【0119】
以前に説明されたように、先行の放射線処置計画の放射線量分布又はビーム配列をランダムに収集することにより、複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の構造物体積の収集ポイントを得ることができる。この放射線処置計画は取り込まれた計画又は、提案された放射線処置計画の事前の(prior)反復物のいずれかであることができる。計画最適化ソフトウエア36は標的の腫瘍体積の収集ポイント及び構造物体積の収集ポイントそれぞれにおける放射線量値を決定する。次に標的の腫瘍体積の各収集ポイント及び構造物体積の各収集ポイントに対する目的関数に1項を追加することにより、最適化目的関数を構築又は修正することができる。各項は先行放射線処置計画の放射線ビーム配列に対応する目的関数に極値(最少又は最大制約値)を提供する。
【0120】
収集ポイントを使用して開発された放射線処置計画の完全性を確保するために、ソフトウエア36は全体の放射線量分布よりむしろ計画の最適化に利用されたものとは別に、そ
して区別された計画評価のために利用することができる、ランダムに収集されたポイントを別に提供することができることに注意されたい。すなわち、ソフトウエア36は計画評価のために利用されたものと異なる複数の各計画最適化収集ポイントにおける放射線量の値により制約される目的関数を構築することができる。従って、ユーザーはソフトウエア36により利用される数学的模型を単に評価するよりむしろ、提案された処置計画を評価している。
【0121】
選択的再計算の使用により一時的効率を更に増加することができる。例えば、提案される放射線処置計画の反復物の評価を実施するために、ユーザーは概括的に例えば、図3に示した画像161のような二次元の画像スライスを提供される。従って、ソフトウエア36は、現在表示されていないものも含めて、各画像スライスに対する各計画評価の収集ポイントの放射線量の値を再計算するよりむしろ、現在表示された画像161に関連する計画評価の収集ポイントの放射線量の値を再計算することが必要なだけである。
【0122】
各標的又は構造物に対する放射線量の最小値及び最大値を決定し、表示するために共役勾配アルゴリズムの使用により、一時的効率を更にまだ増加することができる。例えば、ソフトウエア36は標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積それぞれに対し、最高の放射線量値を有する小さい1組の収集ポイント(例えば、5個の収集ポイント)及び最低の放射線量値を有する小さい1組の収集ポイントを特定することができる。ソフトウエア36は最大の放射線量値を有する小さい各組に対して勾配上昇アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対して放射線量最大値166を決定し、表示することができる(図10)。それに対応して、ソフトウエア36は最小の放射線量値を有する小さい組に対して勾配下降アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対して放射線量最小値167を決定し、表示することができる。すべての収集ポイント又は全放射線量分布よりむしろ、小さい組の収集ポイントを利用することは標的及び構造物に対する最小及び最大放射線量値を計算するために要する時間を著しく短縮する。
【0123】
本発明の態様において、アルゴリズムはまた、2種の異なるセットの計画評価収集を実施することができる:第1のセットは目的とされる関数、すなわちフィードバックに貢献するものにおいて評価されるポイントと一致する。第2のセットはDVH曲線及び他の統計値を構築するために使用されるポイントと一致する。アルゴリズムはそれがDVH曲線及び他の統計値を計算するより更に頻繁に、目的関数を評価する。従って、アルゴリズムは後者の群に対してより多くのポイントを使用することができる。従って、アルゴリズムはそれが目的関数を再計算する必要がある時に、ポイントのより小さいサブセットを使用することにより一時的効率を達成する。
【0124】
「急速IMRT送達効率改善」スライドコントロール156又は他の適当なツール(図3)を追加して、最適化過程を支配してそれにより他の貢献物の効果を最少にすることができる更なるコスト貢献物を追加することにより、解決を制約するために使用することができる更なる制約を提供することができる。すなわち、放射線処置計画の効率を制御する方法として、放射線ビームフィールドセグメント数に比例する制約及び平均放射線ビーム減衰(強度調整放射線治療システムのため)に比例する制約を目的関数に追加することができる。この制約の組み合わせは、ユーザーに線量測定の質(計画が線量分布に関連する臨床的目標をいかに十分に満たすか)及び送達効率(送達速度)の間の取引を制御させる。
【0125】
例えば、本発明の好ましい態様において、線量測定コスト(線量分布の質に伴うコスト)が最大許容可能レベルより下である場合は、総コストは送達コストの構成成分を含まない、例えば、総コスト=線量測定コストである。しかし線量測定コストが最大許容可能レベルより上である場合は、総コストは送達コストにより制約され得る、例えば、
総コスト=線量測定コスト+LS*(送達コスト−許容可能レベル)
(ここでLSは大きい正の数であり、そして送達コストは送達の一時的効率に関連する)。送達装置39に対する複雑性が総セグメント数よりむしろ総モニターユニットに基づく場合(MIMiCに対する事例のような)は、「送達コスト」は以下:
【0126】
【数2】
【0127】
[ここでNumPencilBeamsは標的の腫瘍体積を照射するペンシルビーム数であり、そしてRelativeIntensityは0〜1の範囲内にあり、そこで、1は完全な透過を表わす]
のように定義することができる。効率的な計画に対して、コリメーターのリーフは大部分の時間に対して開放されている。非効率的な計画に対してRelativeIntensityは相対的強度は0に近い。
【0128】
再度図2A、2B及び2Cに関して、計画システム30における次の段階はしばしば「装置適合段階(Instrument Fitting Step)108」として説明される。放射線ビームの位置及びビームの重量の生成される最適化セット又は放射線ビームセグメントに対するビーム強度を送達装置39の送達能に適合させる。言い換えると、処置計画の微調整完了時に、スライドコントロール154のような種々のスライドコントロール装置を使用し、そしてスクリーンポインター163等を使用する等線量曲線162をドラッグすることにより、次の主要な段階は、選択される送達装置39のタイプに独特な適当な変換を実施し、そして患者を処置するために選択される送達装置39に適合させた放射線処置計画を送達することである。別個の段階として示されているが、本発明の好ましい態様において、「装置適合段階108」は好ましくは、「計画最適化段階107」と機能的に組み合わされていることに注意されたい。
【0129】
ソフトウエア36は選択される装置39に応じて多数の異なる出力を提供する。コンピューター計画装置35は、ユーザーに結果を立証させ、そしてユーザーに放射線処置計画を「試験点火させる」多数の更なる他のデータ及びグラフを提供して、試験装置37に計画された線量を送達することができる。これは有利には、ユーザーに、処置計画の結果がコンピューター計画装置35及びユーザーがそれらにそうであることを期待するものと適合することを確認する能力を提供する。本発明の好ましい態様において、GUI表示150はボタン(図示されていない)、ドロップダウンメニュー(図示されていない)又はユーザーに放射線処置計画を承認させる類似の装置を含むことができる。典型的には、放射線処置計画の承認を完了するためにはユーザーはセキュリティのプロトコールに応答する、例えば、パスワードを入力しなければならないことに注意されたい。次にコンピューター計画装置35は自動的に、選択される送達装置39に地域の通信網33により接続を実施することができ、特定の患者と関連した特定の放射線処置計画を送達する。そのもっとも基本的な形態において、開発のこの段階における放射線処置計画は、複数の異なる方向からどの程度、そしてどのくらいの期間、放射線を送達するべきかにつき送達装置39に命令する。
【0130】
開発された計画は選択された送達装置39と適合性であるか又は必ずしも適合性ではないかも知れない。種々の送達装置39の種々の計画の送達機序はしばしば、ビームのフルエンスが特別の別々の値を採ることを必要とし、他方、種々の態様の最適化物(optimezers)は別々の又は連続的な空間のいずれかで作動することができる。計画最適
化が連続的空間で開発される態様に対しては、例えば、「モードフォールド」離散化法及び「推察された谷」の離散化法又は当業者に知られたその他の離散化法のような種々の方法を、このような最適化計画を送達可能な別々のものに変換するための機序として別々に又は組み合わせて使用することができる。例えば、典型的な多葉コリメーターをとおる強度調節処置フィールドの送達を簡素化しそして/又は加速するために、最適な処置のフルエンスマップを決定する際にしばしば限定数の別々の強度レベルを使用する。最近は多数のシステムがこれらのレベル(例えば、10%段階で0〜100%)の簡単なセットを提供する。しかし使用される実際のレベルは処置の簡略性及び速度双方に対して劇的な効果をもつことができる。同様に、1処置計画に対する最適なレベルは典型的にはもう1つのものに対するものと異なる。
【0131】
本発明の1態様において、コンピューター計画装置35はまた、任意の放射線ビーム強度値をもつことを特徴とする先行放射線処置計画から、別々の放射線ビーム強度値の固定されたセットを有する最適化放射線処置計画を開発するために利用することができる最適化目的関数を提供することができる。目的関数は、先行放射線処置計画及び先行放射線処置計画から誘導された複数のその後の放射線処置計画を反復評価して、別々の放射線ビーム強度の組み合わせを決定することができる。この決定から、コンピューター計画装置35のソフトウエア36は先行放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に合致する臨床的特性を有する最適化放射線処置計画を提供することができる。コンピューター計画装置35は最適化目的関数により評価することができる多数の放射線処置計画の記録を維持することができる。最適化目的関数は、それが、評価された放射線処置計画から、先行放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に合致するために要請される別々の放射線ビーム強度の組み合わせを推測することができるように構築される。
【0132】
本発明のもう1つの態様において、コンピューター計画装置35は与えられる処置領域(field)に対して理想的なフルエンスレベルの早急な算定を提供するために、「モードフォールド」の離散化アルゴリズムを含む。アルゴリズムはフルエンスの分布確率においてそれらを特定することによりフルエンスの離散化に対する最適レベルを特定する。1態様において、アルゴリズムは、Nレベルがlog2Nレベルの組み合わせを使用して達成されるように、別々のレベルがこれらのレベルのサブセットの組み合わせに分解可能であるにちがいないという推定下に実施する。アルゴリズムは種々の分解能においてフルエンスのデータから推定される確率分布から目立つモードを選択することにより作業する。確率算定者は、前以て決定された定数より少ないモードが存在するまで算定された分布を前進的に平滑化することにより試料のウインドーを拡大することにより作業する。これらのモードはフルエンスがいかに十分に網羅されるか(モードのサイズ)及びその折り込まれた分布とのそれらの相関関係(モードが折り込みにより強化される場合はより高く、それらが広がる場合はより低い)に関して算定される。
【0133】
本発明の1態様において、コンピューター計画装置35はまた、「推定される谷」の離散化を利用するアルゴリズムを提供することができる。別々の強度レベルが前以て規定される場合は、コンピューター計画装置35は、推定される勾配に基づいて、最適値から、隣接した別々のポイントへの距離を調整する発見的(heuristic)方法を提供するアルゴリズムを含むことができる。ソフトウエア36は最適値へのアプローチを要約する方向ベクトルを提供することができる。ソフトウエア36が共役勾配のアプローチを利用する態様において、方向のベクトルは移動される最後の方向でなければならない。ソフトウエア36が降下法を利用する場合は、方向ベクトルは現下の試験ポイントから最終の最適ポイントでなければならない。推定される谷の離散化に対しては、統計的に基づいた推定は、この方向が目的関数中の浅い谷に沿っており、従って最小の勾配の方向であることである。ポイントPにおけるコストは好ましくは、以下:
【0134】
【数3】
【0135】
[ここで:Cp=ポイントPで評価される目的関数;Co=最少コスト;O=連続空間における最適ポイント;そして
【数4】
=最適化物からの勾配単位ベクトル;a=Gベクトルに沿った勾配;そしてb=直交ベクトルに沿った勾配;そしてそこで「a」及び「b」勾配は2個の試行ポイントを評価し、解くことにより計算される]
のような模型で表わされる。
【0136】
この関数は、最適なコストであるものとしてのコスト、プラス現行のポイントから最適なポイントへのラインの大きさにより割られた、現行のポイントから最適なポイントへのラインとの勾配の単位ベクトルの外積である項により倍率を掛けられた(scaled)、現行ポイントから最適なポイントへの距離の大きさ、掛けるaベクトルの和、プラスaベクトル及びbベクトル間の差を模型で表わす。これらのポイントのコストは最終的アルゴリズムの指定との比較のために保存することができ、従って良好な最初の候補のポイントの選択は性能を改善する。アルゴリズムはもっとも近位の別々のポイント及び、反転されたディメンションが、ポイントが反転するために移動しなければならない距離に基づいて選択される、第2に近い別々のレベルに反転されるディメンションの少なくとも1/4〜3/4以下を伴うポイントを使用することができる。
【0137】
再度図2A、2B及び2Cに関して、次の段階は「線量シミュレーション段階109」である。この段階は、それが本発明のコンピューター計画装置35の最適化動力(engine)を使用して計画最適化中又はその後のいずれかに実施されることを除き、段階105と機能的に同様な段階である。患者に対する放射線量は送達装置39に対する制御情報に基づいてシミュレートされる。コンピューター計画装置35は送達装置39及びユーザーの双方に多数の出力を提供する。従って前記のように「ヒト」はすべての結果を検討することが必要なので、コンピューター計画装置35は患者を伴わずにそして、コンピューターが最適化した放射線処置計画がユーザーの期待と一致するかどうか決定し、そして送達装置39の出力が放射線処置計画と適合することを確認するための試験装置37に送達される線量の測定を実施するために、ユーザーに処置計画を「試験点火」させる更なるグラフ及びデータを提供することができる。
【0138】
「決定段階110」と特定される図2A、2B及び2C中の決定ボックスに関して、ユーザーは、コンピューターによる最適化放射線処置計画が期待を満たすかどうか決定する。その場合は、ユーザーは「出力処理及び送達段階111」に移動する。計画又は決定が受容できない、望ましくない又は更に単に改善の必要があると決定される場合は、ユーザーは段階107〜109に復帰し(ループ・バック)、更なる修正、吟味又は分析、線量指令を変更する又は等線量曲線162を移動することに関しては「計画最適化段階107」;ビームのコンピューター最適化に関しては「装置適合段階108」そしてレビューのシミュレーション実施に関しては再度「線量シミュレーション段階109」を実施する。このループはユーザーが計画を受容できると決定するまで継続することができる。
【0139】
「出力処理及び送達段階111」は医師に、シミュレートされた放射線量の情報をレビューさせ、そして最終的患者への送達のための放射線計画を承認させる。このようなレビュー及び承認後に、特定の放射線送達症例に対する送達装置を制御するためのデータをコンピューター読み取り可能な媒体に保存するか又は、直接にそして/又は地域通信網33を介して間接的に移送する。移送されるデータは、計画が、どのくらいの放射線をそしてどの方向から送達すべきかを供給する、特定の患者に対する処置計画として特定される。データはまた、例えば、送達装置29に付随した多葉コリメーター中の部材のタイミング及び移動の指令、放射線源の構成情報及び通常の患者の情報を含むことができる。本発明の好ましい態様において、ユーザーは付随のアルゴリズムを始動させるためにボタン又はドロップダウンメニューからのメニューの項を「クリック」することを要するのみである。典型的な状況において、医師又は技術者が放射線処置計画を承認して、パスワードを入力し、それが順次、自動的に送達装置39への通信網の接続の設立を誘発させるであろう。
【0140】
前記のように、図2Aは本発明のコンピューター計画装置35を利用して放射線処置計画を作成する方法を表わし、そこで装置は2モードで作動し、第1は図2Bの「計画微調整」モードであり、そして前記の段階のサブセットを利用する第2の「自立」モードは図2Cに示される。図2Cに関して、「自立」モードは腫瘍の画像を獲得し、そして最初のビーム位置を確立する段階99〜101を含んでなり、次に、概括的に例えば、CORVUS(R)計画システムのような先行システム計画の、本発明のコンピューター計画装置35中のその計画の表示物への変換に対してのみ必要な、段階102〜106を飛び越え、そして次に計画の最適化のための段階107、段階108の装置適合ビーム最適化、段階109のレビューのための線量シミュレーション、段階110の計画の受容までの反復ループ決定そして最後に「出力処理及び送達段階111」に直接飛ぶ。
【0141】
本発明の態様はグラフィックユーザーインターフェイスを含む。主として図3に関して、コンピューター計画装置35のようなコンピューターシステム又は装置は、それをとおして操作システム及び適用ソフトウエアが機能的に表示され、アクセスされるグラフィック・ユーザーインターフェイス(GUI)をもつことができる。GUI150のようなGUIはコンピューター適用プログラム、文書及び、アイコン及びメニューのようなグラフにより表示されるGUI物体としてのデータファイルを表わすことができる。GUI物体はシステム及び適用機能(functions)を制御し、起動するためにユーザーにより操作されることができる。ユーザーはマウス、タッチスクリーン又はその他の入力装置(図示されていない)のような位置決め装置によりGUI物体を操作することができる。マウスは表面上を移動する時に、対応する方向に例えば、表示スクリーンポインター163のような表示スクリーンポインターを移動する入力装置である。マウスは典型的にはポインターにより位置決めされているGUI物体を選択し、そしてGUI物体の付随機能を起動するために押す(「クリックする」)ことができる多数のボタンを有する。GUI操作システム及びアプリケーションはまた、「ポイントアンドクリック」システムと呼ばれる。
【0142】
GUI物体は例えばドロップダウンメニュー151のようなユーザーが選択可能なインターフェイス、チェックボックス152、テキスト入力フィールド153、ボタン158及びスライドコントロール154(解放するとGUI物体の付随機能にアプデートを誘発するマウス又は他の位置決め装置でドラッグすることができる水平又は垂直のハンドル又はバー157を含むことができる)を含むことができる。GUI150はまた、スキャンウインドー160中に表示されるスキャン画像161のような腫瘍又は腫瘍スライスの少なくとも1枚のグラフ画像の形態でGUI物体を表示することができる。GUI150はまた、同時に腫瘍の軌跡に対して相関的にプロットされた等線量の変化を表わす等線量曲線162のような他のグラフ画像を表示することができる。GUI150はまた、分析ウインドー170中のグラフ表示タブの形態の少なくとも1種のGUI物体、 アプリケーションソフトにより入力又は出力される計算又は他の統計値を表示することができる。
【0143】
前記のように、本発明の好ましい態様は、例えば、ドロップダウンメニュー1511及び選択ボタン158のようなユーザーに選択可能な複数のインターフェイス;等線量曲線162を含む線量重複物を伴うCTスキャン画像161のような少なくとも1個のスキャンウインドー160;及び典型的にはスライド1枚毎に基づいてユーザーが腫瘍物質であ
ると推定するものの輪郭をユーザーに描かせることができるスクリーン表示ポインターの形態の「手動ツール」を表示する。ツールは典型的にはスクリーンポインター163と類似のマウスタイプのポインターとして表示される。GUI150はまた、ユーザーにその上でただ「クリック」させることができる自動化された体積構造物のセレクター(図示されていない)を含むことができ、そこで、それは腫瘍の境界を自動的に部位認識し、そして腫瘍が非常に詳細に識別される調整を自動的に実施すると考えられる。更に、GUI150は標的又は構造物を選択するための例えば、ドロップダウンメニュー151、151’又はチェックボックス152、152’のようなユーザーが選択可能なインターフェイス;テキスト入力フィールド153、153’(例えば、線量目標、線量限界);種々のパラメーターの重要性を調整するためのスライドコントロール154、154’、154”’、計画の間に内挿する又はソフトウエアの性能を調整するためのスライドコントロール155、156;及び種々の統計値を提供する分析ウインドー170の選択タブ171を含むことができる。
【0144】
本発明の1態様において、GUIウインドー表示150の一部は文脈依存性である。インターフェイスは選択可能な構成成分を伴う少なくとも1つのドロップダウンメニュー151を含む。具体的に示す目的のための、そして図3に関して、「標的」選択180は標的の組織器官のタイプに基づいて異なる健康な組織器官の選択に専用される。その特定の標的の選択は特定の標的に関する関連入力又は調整を許すであろう。代わりの態様において、その代わりに一連のタブ又はチェックボックス(図示されていない)を使用することができる。好ましい態様には「標的」の選択180のためのドロップダウンメニュー151及び健康な組織の「構造物」選択181のためのドロップダウンメニュー151’が含まれる。
【0145】
例えば、「標的」の腫瘍が前立腺癌によるものである場合は、処置計画に関係する問題の健康な組織の「構造物」は典型的には直腸及び膀胱を含むと考えられる。ユーザーは問題の健康な各器官を選択するために構造物のドロップダウンメニュー151により構造物の選択181を特定し、アクセスすると考えられる。テキスト入力フィールド153’と関連した制御は選択される健康な器官それぞれに対する「線量限界」を調整する能力を提供すると思われ、すなわちユーザーがリストから膀胱を選択する場合は、その表示された制御は膀胱に適用され、ユーザーがリストから直腸を選択する場合は同一の制御が直腸に適用される。
【0146】
本発明の1態様において、GUI150はまた1回の[クリック」が関連アルゴリズムを始動させるであろう、例えば、選択ボタン158のような選択ボタンを含む。少なくとも1個のボタン、ボタン158は、ボタン158の選択が編集可能な保存された計画を示すスクリーン上のリストを作成するチェックポイント作成(checkpointing)に関する。もう1つのボタン158’は典型的には関連制約パラメーターと一緒に計画を保存するためのアルゴリズムを始動する。しかし、選択ボタン158、158’に関する機能はその代わり、ドロップダウンメニュー151に類似のドロップダウンメニューに関連付けられる又は指定されることができ、そしてその逆又は事象を開始する他のGUI法も可能である。
【0147】
前記のようにGUI150はスキャン又は他の画像161を表示するウインドー160を含む。スキャン161は概括的に「解剖学ツール段階101」及び「計画最適化段階107」期間中もっとも頻繁に利用される。スキャン161は全体で又はスライス毎のいずれかで三次元画像の二次元表示を提供する。本発明のコンピューター計画装置35は等線量曲線162の形態の計画放射線ビーム強度のような現行の又は選択される計画パラメーターを表示し、反映するアルゴリズムを含有する。あるいはまた、等線量曲線162を使用して個々のスライス上の線量を表示する代わりに、ユーザーは透明色彩の薄塗りの形態にあるように、例えば、より多い線量が存在する時は赤色が強く、そして少ない線量が存在する時は青色が強いように、表示を選択することができる。
【0148】
本発明の1態様において、恐らく図3及び4においてもっとも適当に示されるように、典型的にはマウスポインター又はクロスヘアの形態のスクリーン表示位置決め装置163は入力装置(図示されていない)に応答性である。この装置は前記の幾つかの特徴物を支持する。1態様において、ユーザーはそれらの位置を操作するためにグラフ上のライン又は曲線を「グラブ」することにより線量又は構造的制限を入力する方法として、DVH曲線175を操作する能力を提供されることができる。本発明の好ましい態様において、ユーザーはまた、ユーザーが等線量曲線にそうあるように所望する場所で等線量曲線をグラブし、ドラッグするために位置決め装置の使用により例えば、等線量曲線162、162’のような等線量曲線自体を操作する能力を提供される。例えば、等線量曲線162’のような等線量曲線の画像上でドラッグすることは、出発ドラッグ点191と停止ドラッグ点192間のライン190上に絶対的制約を確立することにより線量をドラッグする。ユーザーが等線量曲線162’上で位置決め装置の「グラブ」を解放すると、その行動がソフトウエア36のアルゴリズムに、ドラッグされるライン190が追加された制約を形成する新計画を出力するように命令する。位置決め装置はまた、ドロップダウンメニュー項目151を選択する、ボタン158上を「クリックする」、チェックボックス152を選択する、又はスライドコントロール154、155もしくは156のハンドル157をグラブするような、より基礎的なGUI機能のために種々のすることができる。代わりの態様において、GUI150はスキャンウインドー160上の任意の与えられる点における線量を示すための画面上線量インジケーターを提供する。断層撮影スキャン161上に重ねた等線量曲線上又はそれに隣接して位置決め装置163を配置することは、腫瘍構造物中の特定のポイントの線量値の表示をもたらす。画像上をマウス処理すると連続的にアプデートされた線量測定をもたらすであろう。もう1つの態様において、画面上線量値はクロスヘアカーサーが移動する時にそれに隣接して即座に表示される。更にもう1つの代わりの態様において、GUI150はユーザーが標的又は構造物を確立又は特定し、そしてそれらを選択される等線量曲線162に制約する直接的線量描写を提供する。この態様において別の制御装置(図示されていない)が典型的には線量−描写モードを確立するために使用される。
【0149】
チェックボックスはコンピューターシステム/装置中に簡単な情報を入力するための簡単なツールである。本発明の1態様において、コンピューター計画装置35中への所望の入力が単に最適化過程中への1項の選択可能な包含である場合は、チェックボックス152を利用することができる。例えば、チェックボックス152は標的として前立腺を、又は健康な組織構造物として直腸を選択するために使用することができる。
【0150】
テキスト入力フィールドはコンピューターシステム/装置のアルゴリズム中に数値データを入力するための簡単なツールである。本発明の1態様において、他の指令パラメーターもまた可能であるが、テキスト入力フィールド153は標的の目標線量及び健康な構造物の線量限界の入力に利用できる。
【0151】
スライダー制御装置もまた、コンピューターシステム/装置のアルゴリズム中に別々の及び別々ではない調整可能なパラメーター双方を入力するための簡単なツールである。本発明の好ましい態様において、スライダー制御装置154、155、156は種々の調整可能なパラメーターの入力に好ましい方法である。少なくとも1つの標的に対してユーザーは「標的の線量」に対応してテキスト入力フィールド153中に所望の線量レベルを明記するであろう。これはドロップダウンメニュー151により選択される少なくとも1つの標的それぞれに対してテキスト入力フィールド151中に数値の入力物を入力することにより実施することができる。例えば、ユーザーは前立腺に対して目標線量フィールド157中に数値67.25を入力するであろう。それに対応して、GUI150は放射線処置計画のコンピューターの計算中に使用のための限界を構成するために少なくとも1の、しかし典型的には2以上のスライドコントロール154、154”を表示する。基本的には好ましい構成(configuration)において、スライドコントロール154、154’が図3に示されるように、選択される標的の均一性及び等角性を制約するために提供される。
【0152】
例えば、幾つかの標的の腫瘍に対してユーザーは標的の腫瘍中にあまり大量の線量が侵入することを回避するために最大線量レベルを制約することを所望すると考えられる。他の状況においては、ユーザーは線量レベルをあまり心配しないかも知れず、従って、最適な計画を提供するためにアルゴリズムが決定するだけの高い線量をコンピューターに入力させるかも知れない。他の状況においては、ユーザーはすべての標的が少なくともXレベルの線量を得ることを心配するかも知れない。更に他の状況においては、ユーザーはすべての標的がXレベルとYレベルの間の線量を得ることを心配するかも知れない。更に、例えば、スライドコントロール154’のようなスライドコントロールはまた、「重要性」のような構造物の制約を指示するために有効である。
【0153】
更に例えば、図3の「標的の均一性」のスライドコントロール154”を使用する際に、ユーザーは標的の前立腺腫瘍に対してテキスト入力フィールド153中に50Gyの目標線量を入力する。次にコンピューター計画装置35は腫瘍中のすべての部分に50Gyを示す計画を開発し、表示する。しかし、腫瘍の形状により、計画は腫瘍の中央のいずれかの部分に80Gyが送達される結果をもたらす。ユーザーは線量が過剰であると決定する。ユーザーは「ホットスポット」を許さないようにアルゴリズムに対して影響入力として機能する「標的の均一性」のスライドコントロール154”を選択する。マウス、ポインター又は同等物を使用してユーザーは「標的の均一性」のスライドコントロール154”の制御「ハンドル」157上を「クリック」し、そしてハンドル157をスライドさせる。好ましい態様において、ユーザーはハンドル157を右側にスライドさせるであろう。ユーザーが装置(マウスのボタン)を解放するまで何も起らないと思われ、従ってハンドル157は新位置にある。装置(マウスのボタン)を解放する効果は、改正された又は新規の処置計画の再計算及び表示をもたらす。この特定の制御装置を走行させると、腫瘍内部の線量の変動を更にそれ以上に有効に限定する。スクリーン160上に描かれた80Gyスポット又は80Gy等線量曲線162が残る場合は、スライドハンドル157の位置の更なる増加が機能的に、スクリーン160からの80Gyのスポット又は等線量曲線162の消失をもたらすにちがいない。
【0154】
本発明の1態様において、スライドコントロール155は「部分的取り消し」機能と一緒に使用され、それは、制御装置が解放される時に調整が実施され、そして内挿制約パラメーターを無効にしながら、フルエンス又は線量を直接内挿するための動的な調整がもたらされる。本発明の1態様において、スライドコントロール155と同様なスライドコントロールはまた、「チェックポイント」(以前に保存された放射線処置計画)間を内挿する時に前記の方法で機能する。
【0155】
本発明の態様において、スクリーンの小部分の分析ウインドー170は選択タブの表示に専用される。選択タブ171(図3、4及び5A〜G)は計画を算定する時にユーザーにより利用される種々の計画最適化出力の表示のために利用される。これらのタブには:Isodoses 200(図5A);Structures 201(図5B);Measure 202(図5C);Win/Level 203(図5D);DVH曲線206(図5E);及びStats 207(図5F〜5G):のような関連出力情報が含まれる。代わりの態様において画面の小部分は機能的に等しいタブ171の出力を実行する1組のツールに専用することができる。図5Aに関して、分析ウインドー170中のIsodoseタブ200はGUI150のスキャンウインドー160の断層撮影タイプのスキャン161中に描かれる等線量曲線162の色彩及び線量レベルを表示する。図5Bに関してStructuresタブ201はボタン、チェックボックス及び、画面上の構造物に対する外観の鋳型を提供する表示ボックスを表示する。図5Cに関して、Measureタブ202はGUI150のスキャンウインドー160のスキャン161上の点における画像の値及び線量を収集するためのツールを提供する。図5Dに関して、WinLevelタブ203は画像161の明度及びコントラストに対する制御装置204、205を含む。図5Eに関して、DVHタブ206は種々のDVHを表示する。図5Fに関して、Statsタブ207は各構造物に対して計画された実際の最小、最大及び平均線量を表示する。図5Gに関して、Statsタブ207はまた、「Delivery(送達)」インジケーター209が選択された時の放射線値及び複雑性を示す送達の構成の総括を表示する。
【0156】
本発明の態様は完全に機能的なシステムに関連して説明されてきたが、当業者は、本発明の機序及び/又はそのアスペクトはプロセッサー、複数のプロセッサー、等の上での実行のための種々の形態の指令の、コンピューターで読み取り可能な媒体の形態で分配されることができ、そして実際に分配を実行するために使用される媒体を担持する特定のタイプの信号に拘わらず、本発明が等しく適用されることを認識するであろうことに注目することは重要である。コンピューターで読み取り可能な媒体には:不揮発性、読み取り専門のメモリー(ROM)のようなハードコードタイプの媒体又は消去可能な、電気的にプログラム可能な読み取り専門のメモリー(EEROM)、フロッピーディスクのような記録可能タイプの媒体、ハードディクドライブ及びCD−ROM並びにデジタル及びアナログ通信網のような通信タイプの媒体:が含まれる。
【0157】
図面及び明細書中に、幾つかの代わりの態様と一緒に本発明の典型的な好ましい態様が開示されてき、そして特別の用語が使用されているが、その用語は説明の意味においてのみ使用され、そして限定の目的のためには使用されない。本発明はこれらの示された態様に特に関連してかなり詳細に説明されてきた。しかし、前記の明細に説明されたような本発明の精神及び範囲内には種々の修正及び変更を実施することができることは明白であろう。例えば、システム30のような種々の構成部品間のデータの通信は地域通信網33上で達成されるが、該データは他の手段により容易に「手動で運搬し」又は送達することができる。更に例えば、GUIの種々の構成部品は互換性であり、例えば、チェックボックスはドロップダウンメニューと置き換え可能であり、そして逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明の1態様に従う放射線獲得、計画及び送達システムの部分的スキーム図である。
【図2A−C】本発明の1態様に従う放射線計画システムのフロー図である。
【図3】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスの平面図である。
【図4】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイス内のスキャン表示ウインドーの平面図である。
【図5A−G】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスのリザルトウインドー(results window)内に包含される選択可能なタブのサブセットの平面図である。
【図6】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスの平面図である。
【図7】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスの平面図である。
【図8】本発明の1態様に従うグラフィカルユーザーインターフェイスの平面図である。
【図9】本発明の1態様に従う最大及び/又は最小線量値のユーザーインプットを提供するグラフィカルユーザーインターフェイス内のウインドーの平面図である。
【図10】本発明の1態様に従う勾配下降アルゴリズム及び勾配上昇アルゴリズムの計算結果を表示するグラフィカルユーザーインターフェイス内のウインドーの平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを保存するためのメモリー及び計画最適化ソフトウエアを中に有する処置計画最適化コンピューター、並びに計画最適化ソフトウエアの機能を制御するためにユーザーにアクセスを提供するための処置計画最適化コンピューターと連絡する入力装置、を含むコンピューター計画装置;
処置計画最適化コンピューターと連絡する通信網;
腫瘍の標的体積及び非標的の構造物体積の少なくとも二次元の画像スライスを提供するために通信網をとおして処置計画最適化コンピューターと連絡する画像収集装置;
を含んでなり、
ここで処置計画最適化コンピューターのメモリー中に保存される計画最適化ソフトウエアは、提案される放射線ビーム配列をコンピューターにより獲得し、複数の制約に基づいて、提案される放射線ビーム配列を反復的にコンピューターにより最適化して最適化放射線ビーム配列を形成し、計画最適化ソフトウエアは、各々の提案される放射線ビーム配列に対して画像スライス、グラフィック・オブジェクト及び放射線量分布のグラフ表示を表示するためのグラフィックユーザーインターフェイスを含み、ソフトウエアは、グラフィックユーザーインターフェイス上に表示される放射線量分布の表示を操作するために入力装置からの入力を受信するようになっており;そして
患者に最適化放射線ビーム配列を適用するために通信網をとおして処置計画最適化コンピューターと連絡する等角放射線治療の送達装置;
を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積の放射線を最少にしながら腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適な放射線ビーム配列を決定するためのシステム。
【請求項2】
放射線量分布のグラフ表示が、複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態にあり、そこで等線量プロットの等線量曲線が、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する放射線量を最適化放射線ビーム配列を形成するように変化させるために、ユーザーにより直接操作可能である、請求項1のシステム。
【請求項3】
放射線量分布のグラフ表示が複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態にあり、そこで少なくとも1種の線量体積ヒストグラムのプロットが、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する放射線量を最適化放射線ビーム配列を生じさせるように変化させるためにユーザーにより直接操作可能である、請求項1のシステム。
【請求項4】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフに表示し;そして
第1の放射線ビーム配列に従って、画像スライス上にそして複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態で標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフで表示すること、
を実行させる1組の指令を含んでなり、
ここで等線量プロットの等線量曲線は、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する放射線量を第2の放射線ビーム配列を形成するように変更するために、ユーザーにより操作可能である、
患者における非標的の構造物体積に対する放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するための計画最適化ソフトウエア。
【請求項5】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
位置決め装置とインターフェイスして、表示される第1の放射線ビーム配列を変更し;そして
位置決め装置に対するユーザーの入力に応答して、所望の線量レベルを有する出発−ドラッグ点及び望ましくない線量レベルを有する終結ドラッグ点をつなぐ、ユーザーが選択したラインに沿った制約(constraint)を確立し、そして所望の線量レベルに実質的に等しい終結ドラッグ点における線量レベルを構成し、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項6】
望ましくない線量レベルが所望の線量レベルより大きい時は、ユーザーが選択したラインに沿って確立された制約がユーザーの選択ラインに沿った線量を所望の線量レベルを超えない値のレベルに制約し、そして望ましくない線量レベルが所望の線量レベルより小さい時には、ユーザーが選択したラインに沿って確立された制約がユーザーが選択したラインに沿った線量を所望の線量レベル以上の値のレベルに制約する、請求項5の計画最適化ソフトウエア。
【請求項7】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
位置決め装置とインターフェイスして、表示された第1の放射線ビーム配列を変更し;そして
位置決め装置へのユーザーの入力に応答して、ユーザーに所望される線量レベルを有する等線量曲線の第1の部分を選択し、そして画像スライス上の第1の選択される位置から画像スライス上の第2の選択される位置へのユーザーに所望される経路に沿ったユーザーによる位置決め装置のドラッグに応答して、ユーザーの所望する経路に実質的に隣接して等線量曲線を再位置付けして、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項8】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
位置決め装置とインターフェイスして、表示される放射線ビーム配列を変更し;そして
第1の放射線ビーム配列に従う等線量曲線のユーザーの選択に応答して、等線量曲線内の放射線量の値を等線量曲線の外側の放射線量の値に実質的に等しく構成し、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項9】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスして、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する最少及び最大放射線量の少なくとも1つを受けて極値入力値を規定し、そして
極値入力に応答して、ユーザーによる等線量曲線操作を制約して、望ましくない付随的線量の変動を防止すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項10】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスして、線量測定法の質を維持すること及び放射線送達装置に対する放射線送達効率を維持することの間の、ユーザーに所望される平衡を受けて、効率閾値を規定し;そして
効率閾値に応答して、ユーザーによる等線量曲線の操作を制約して放射線送達効率を効率閾値より上に維持すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項11】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線ビーム配列に従う複数の線量体積のヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフで表示すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなり、
ここで、少なくとも1つの線量体積のヒストグラムのプロットが、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する放射線量を第2の放射線ビーム配列を形成するように、変更するためにユーザーにより直接操作可能である、
患者における非標的の構造物体積に対する放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するための計画最適化ソフトウエア。
【請求項12】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
位置決め装置とインターフェイスして、表示される第1の放射線ビーム配列を変更し、
位置決め装置に対するユーザーの入力に応答して、第1の選択される位置に位置決付けされる線量体積ヒストグラムの一部を選択し、そして前以て決定された放射線量レベルを超えて受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積の第1の百分率を示し;そして
第2の選択される位置へのユーザーの所望される経路に沿った入力装置による線量体積ヒストグラムの選択された部分のユーザーによるドラッグに応答して、前以て決定された放射線量レベルを超えて受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積それぞれの百分率を変更して、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる請求項11の計画最適化ソフトウエア。
【請求項13】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスして、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する最少及び最大放射線量の少なくとも1つを受けて、極値入力値を規定し;そして
極値入力値に応答して、ユーザーによる線量体積ヒストグラム操作を制約して、望ましくない付随的線量の変動を防止すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる請求項11の計画最適化ソフトウエア。
【請求項14】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスして、放射線送達装置に対する放射線送達コストと放射線送達効率の間のユーザーに所望される平衡を受けて、効率閾値を規定し;そして
効率閾値に応答して、ユーザーによる線量体積ヒストグラムの操作を制約して、効率閾値を超える放射線送達効率を維持すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる請求項11の計画最適化ソフトウエア。
【請求項15】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線量分布を規定する第1の放射線ビーム構成(configuration)を有する外部システムにより形成される第1の放射線処置計画を受け;そして
第1の放射線処置計画の第1の放射線ビーム構成に対応する極値を有する最適化目的関数(objective function)を構築して、第1の放射線量分布とほぼ同様な第2の放射線量分布を有する第2の放射線処置計画を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、
患者における非標的の構造物体積へ放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための外部に形成される放射線処置計画からの最適な放射線ビーム配列を決定するための計画最適化ソフトウエア。
【請求項16】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに最適化目的関数を構築させる指令が更に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線処置計画の第1の放射線量分布をランダムに収集することにより複数の標
的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントを形成し;
複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントそれぞれにおける放射線量の第1の値を決定し;そして
各複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び各複数の非標的の構造物体積の収集ポイントに目的関数に対する1項(a term)を加えることにより最適化目的関数を形成すること、
を実施させ、
ここで各項は目的関数に対する極値を提供し、そして標的の腫瘍体積の収集ポイントと関連する項は、第2の放射線処置計画のいずれかの標的の腫瘍体積の収集ポイントにおける放射線量の第2の値が放射線量のそれぞれの第1の値と実質的に異なる時に、目的関数が放射線量にペナルティーを課すように選択される
請求項15の計画最適化ソフトウエア。
【請求項17】
最適化目的関数が複数の制約を含み、そしてコンピューターにより実行される時に、コンピューターに最適化目的関数を構築させる指令が更に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線量分布を決定し;そして
最適化目的関数の極値が第1の放射線量分布とほぼ同様な放射線量分布に対応するように少なくとも1つの複数の制約を反復調整することにより最適化目的関数を形成すること、
を実施させる請求項15の計画最適化ソフトウエア。
【請求項18】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに最適化目的関数を構築させる指令が更に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線処置計画の第1の放射線量分布をランダムに収集することにより複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントを形成し;
収集される放射線量分布を規定する各複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントにおける放射線量の第1の値を決定し;
収集される放射線量分布に応答して、各標的の腫瘍体積及び各非標的の構造物体積に対する線量−体積統計値を決定し;そして
各標的の腫瘍体積の線量−体積統計値及び非標的の構造物体積の線量−体積統計値に対する目的関数に1項を付加することにより最適化目的関数を形成すること、
を実施させ、
ここで、各項は目的関数に極値を提供し、そして標的の腫瘍体積の線量−体積統計値と関連する項が、第2の放射線処置計画のいずれかの標的の腫瘍体積の収集ポイントにおける放射線量の第2の値が放射線量のそれぞれの第1の値と実質的に、望ましくなく異なる時に、目的関数が標的の腫瘍体積に対する線量−体積統計値にペナルティーを課すように選択される
請求項15の計画最適化ソフトウエア。
【請求項19】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
各放射線処置計画がチェックポイントを規定する第1及び第2の放射線処置計画にアクセスし;
単一連続体上のエンドポイントとして2個のチェックポイントを確定し、
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスし;そして
ユーザー制御入力装置のユーザーの操作に応答して、2個のチェックポイント間を内挿して(interpolate)、中間の提案される放射線処置計画を、形成し、表示すること、
を実施させる1組の指令を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための1対の放射線処置計画からの最適化放射線ビーム配列を決定するための計画最適化ソフトウエア。
【請求項20】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに2個のチェックポイント間を
内挿させる指令が更に、コンピューターに以下の操作:
第1のチェックポイントに対する放射線量分布を含んでなる各複数のポイントにおける放射線量の第1の値を決定し;
第2のチェックポイントに対する放射線量分布を含んでなる各複数の対応するポイントにおける放射線量の第2の値を決定し;そして
放射線量の対応する第1及び第2の値の間を線形に内挿すること、
を実施させる請求項19の計画最適化ソフトウエア。
【請求項21】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに更に以下の操作:
前以て選択された等角放射線治療の送達装置と適合性の対応する複数の放射線ビーム強度構成物(settings)への複数の放射線ビーム強度の離散化(discretization)により、中間の提案される放射線処置計画を、送達可能な別々の放射線処置計画に変換し;そして
送達可能な別々の放射線処置計画をグラフに表示すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、
中間の提案される放射線処置計画が、複数の放射線ビーム強度からなる放射線ビーム配列を含む、請求項20の計画最適化ソフトウエア。
【請求項22】
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフで表示し;
画像スライス上の、そして第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフで表示し;そして
位置決め装置により少なくとも1つの等線量プロットの表示される等線量曲線を操作して、第2の放射線処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し、表示すること、の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定する方法。
【請求項23】
少なくとも1つの表示される等線量曲線を操作する段階が:
第1の選択される位置に位置付けされ、そして所望の第1の線量レベルを有する等線量曲線の一部を位置決め装置でグラフ上で選択し;
画像スライス上の第1の選択される位置から望ましくない第2の線量レベルを有する画像スライス上の第2の選択される位置に、等線量曲線の選択される部分を位置決め装置によりグラフ上でドラッグし;そして
第1の選択される位置から第2の選択される位置への第1の線量レベルの移動に応答して、所望の第1の線量レベルに実質的に等しい第2の選択される位置に対する第2の線量レベルを構成し、それにより第2の処置計画を形成すること、
の段階を含んでなる請求項22の方法。
【請求項24】
望ましくない線量レベルが所望される線量レベルより大きい時に、制約が第1の位置と選択される位置の間の線量を、所望される線量レベルを超えない値のレベルに直接制約し、そして望ましくない線量レベルが望ましい線量レベルより低い時に、制約が第1の位置と選択される位置の間の線量を、所望される線量レベル以上の値のレベルに直接制約する、画像スライス上の第1及び第2の選択される位置の間に制約を確立する段階を更に含んでなる、請求項23の方法。
【請求項25】
表示される等線量曲線の少なくとも1つを操作する段階が:
第1の選択される位置に位置付けされ、そしてユーザーの所望の線量レベルを有する等線量曲線の一部を位置決め装置でグラフ上で選択し;
画像スライス上の第1の選択される部分から、等線量曲線により囲まれた画像スライス
の一部を実質的に囲む等線量曲線の別の部分に隣接する画像スライス上の第2の選択される位置へのユーザーに所望される経路を位置決め装置によりグラフ上にマークし;そして
ユーザーの所望される経路のマーク付けに応答して、ユーザーの所望される経路に隣接して制約される所望の線量レベルを有する第2の処置計画を形成すること、
の段階を含んでなる、請求項22の方法。
【請求項26】
表示される等線量曲線の少なくとも1つを操作する段階が:
第1の放射線ビーム配列に従う等線量曲線を位置決め装置でグラフ上に選択し;そして
等線量曲線の選択に応答して、等線量曲線内の放射線量の値を等線量曲線の外側の放射線量の値にほぼ等しい値に矯正し、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、を含んでなる、請求項22の方法。
【請求項27】
第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフで表示し;そして
表示される線量体積ヒストグラムのプロットの少なくとも1つを位置決め装置により操作して、第2の処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し、表示すること、
の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら、標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定する方法。
【請求項28】
少なくとも1つの表示される線量体積ヒストグラムのプロットを操作する段階が:
第1の選択される位置における線量体積ヒストグラムの一部をグラフ上で位置決め装置により選択し、そして前以て選択される放射線量レベルより大量を受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物の第1の百分率を示し;
ユーザーに所望される経路に沿った第1の選択される位置から前以て選択される放射線量レベルより大量を受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物の第2の百分率を示す第2の選択される位置に、線量体積のヒストグラムの選択される部分をグラフ上で位置決め装置によりドラッグし;そして
第1の選択される位置からの第2の選択される位置への線量体積ヒストグラムの選択される部分の移動に応答して、前以て決定される放射線量レベルより大量を受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積の百分率を変更し、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
の段階を含んでなる、請求項27の方法。
【請求項29】
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも二次元の画像を得るためのコンピューター及び画像収集装置を提供し;
画像を表示し、ユーザーインターフェイスオプションを表示するためのグラフィックユーザーインターフェイスを提供し;
画像中に標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積を特定し;
第1の放射線ビーム配列を有する外部システムにより作成される第1の放射線処置計画を受け;そして
第1の放射線処置計画に応答して、第1の放射線処置計画の第1の放射線ビーム構成(configuration)に対応する極値を有する最適化目的関数を構築すること、の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら、標的の腫瘍体積に放射線を適用するために外部に形成された処置計画から最適化放射線処置計画を形成する方法。
【請求項30】
各々最適化放射線処置計画により制御される放射線ビーム送達強度及び複数の放射線ビ
ームフィールドセグメントを有することを特徴とする、最適化放射線処置計画を実行するようになっている等角放射線治療の送達装置を提供し;
最適化放射線処置計画を形成するための複数の制約を有する最適化目的関数を構築し;そして
放射線ビームフィールドセグメント数に比例する制約及び平均放射線ビーム減衰に比例する制約の少なくとも1つを最適化目的関数に付加し、それにより最適化放射線処置計画の効率を調整すること、
の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線処置計画を形成する方法。
【請求項31】
放射線ビームフィールドのセグメント数に比例する制約が、一時的効率が選択される閾値より下に減少する時に値を増加する、請求項30の方法。
【請求項32】
平均放射線ビーム減衰に比例する制約が、放射線処置期間中に送達されることができる無効な放射線の総量を制御する、請求項30の方法。
【請求項33】
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフに表示し;
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量分布を画像スライス上にそして第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態で同時にグラフに表示し;そして
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つの放射線量分布を変更して、第2の処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し;
表示される画像スライス上に表示される二次元の線量分布のみを再計算し;そして
再計算された二次元の線量分布を表示することの段階を含んでなる、
二次元の放射線量分布の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画に対する双方向性の(interactive)調整を容易にする方法。
【請求項34】
第1の放射線ビーム配列に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する第1の放射線量分布を提供し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより第1の放射線ビーム配列に対する複数の収集ポイントを形成し;
各複数の収集ポイントにおける放射線線量の値を決定し;
複数の収集ポイントに対する放射線量の値に従って線量−体積統計値を規定する複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する放射線量をグラフで表示し;
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物の少なくとも1つの放射線量分布を変更して第2の放射線ビーム配列を形成し;、
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値を再計算し;そして
複数の収集ポイントに対する放射線量の再計算値に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する線量−体積統計値を表示すること、
の段階を含んでなる、
線量−体積統計値の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画に対する双方向性計画の調整を容易にする方法。
【請求項35】
第1の放射線ビーム配列に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する第1の放射線量分布を提供し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより第1の放射線ビーム配列のための複数の収集ポイントを形成し;
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値を決定し;
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値により制約される最適化目的関数を提供し;
最適化目的関数を適用して第2の放射線ビーム配列を形成し;
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値を再計算し;そして
複数の収集ポイントに対して再計算された放射線の値に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する放射線量分布を表示すること、
の段階を含んでなる、
放射線処置計画最適化により、提案される放射線処置計画に対する双方向性の計画調整を容易にする方法。
【請求項36】
標的の腫瘍体積が外側の境界を有し、そしてランダムな収集にバイアスを与えて、標的の腫瘍体積の外側の境界に隣接する収集確率を増加させる、請求項35の方法。
【請求項37】
第1の放射線ビーム配列に従って、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する第1の放射線量分布を提供し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより、第1の放射線ビーム配列に対して、各計画最適化の収集ポイントが放射線量の値を有する複数の計画最適化の収集ポイントを形成し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより第1の放射線ビーム配列のための複数の計画評価の収集ポイントを、計画最適化の収集ポイントとは別に形成し;
各複数の最適化計画の収集ポイントにおける放射線量の値を決定し;
各複数の計画評価の収集ポイントにおける放射線量の値を決定し;
各複数の計画最適化の収集ポイントにおける放射線量の値により制約される最適化目的関数を提供し;
複数の計画評価の収集ポイントの値に従って線量−体積統計値を規定する複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する放射線量をグラフで表示し;
最適化目的関数を適用して第2の放射線ビーム配列を形成し;
第2の放射線ビーム配列に対する各複数の計画評価の収集ポイントにおける放射線量の値を再計算し;そして
複数の計画評価の収集ポイントに対して再計算された値に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する線量−体積統計値を表示すること、
の段階を含んでなる、
放射線処置計画最適化及び線量−体積統計値の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画に対する双方向性の計画調整を容易にする方法。
【請求項38】
候補の放射線処置計画及び最適化目的関数を提供して候補の放射線処置計画を反復して評価し;
候補の放射線処置計画を反復して評価して複数の前以て選択される臨床的目標を満足させ、そして先行放射線処置計画を規定する任意の放射線ビーム強度値を有する最適化放射線ビーム配列を形成し;
候補の放射線処置計画の最適化期間中に、評価される少なくとも2件の放射線処置計画の反復物の記録を提供し;そして
反復評価に応答して、評価される少なくとも2件の放射線処置計画から先行放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に適合するために必要な別々の放射線ビーム強度の組み合わせを推測して、それにより最適化放射線処置計画を形成すること、
の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積の放射線を最少にしながら、標的の腫瘍体積に放射線を適用するための任意の放射線ビーム強度値をもつことを特徴とする、放射線処置計画からの固定された1組の別々の放射線ビーム強度値を有する最適化放射線処置計画を形成す
る方法。
【請求項39】
放射線ビーム配列に従って標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量分布を提供し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより放射線ビーム配列に対する複数の収集ポイントを形成し;
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値を決定し;
各標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対して最高値を有する複数の収集ポイントの第1組及び最低値を有する複数の収集ポイントの第2組を特定し;
各第1組に勾配上昇アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量最大値を決定し、表示し;そして
各第2組に勾配下降アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量最小値を決定し、表示すること、
の段階を含んでなる、
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量最小値及び放射線量最大値の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画に対する双方向性の計画調整を容易にする方法。
【請求項1】
データを保存するためのメモリー及び計画最適化ソフトウエアを中に有する処置計画最適化コンピューター、並びに計画最適化ソフトウエアの機能を制御するためにユーザーにアクセスを提供するための処置計画最適化コンピューターと連絡する入力装置、を含むコンピューター計画装置;
処置計画最適化コンピューターと連絡する通信網;
腫瘍の標的体積及び非標的の構造物体積の少なくとも二次元の画像スライスを提供するために通信網をとおして処置計画最適化コンピューターと連絡する画像収集装置;
を含んでなり、
ここで処置計画最適化コンピューターのメモリー中に保存される計画最適化ソフトウエアは、提案される放射線ビーム配列をコンピューターにより獲得し、複数の制約に基づいて、提案される放射線ビーム配列を反復的にコンピューターにより最適化して最適化放射線ビーム配列を形成し、計画最適化ソフトウエアは、各々の提案される放射線ビーム配列に対して画像スライス、グラフィック・オブジェクト及び放射線量分布のグラフ表示を表示するためのグラフィックユーザーインターフェイスを含み、ソフトウエアは、グラフィックユーザーインターフェイス上に表示される放射線量分布の表示を操作するために入力装置からの入力を受信するようになっており;そして
患者に最適化放射線ビーム配列を適用するために通信網をとおして処置計画最適化コンピューターと連絡する等角放射線治療の送達装置;
を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積の放射線を最少にしながら腫瘍の標的体積に放射線を適用するための最適な放射線ビーム配列を決定するためのシステム。
【請求項2】
放射線量分布のグラフ表示が、複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態にあり、そこで等線量プロットの等線量曲線が、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する放射線量を最適化放射線ビーム配列を形成するように変化させるために、ユーザーにより直接操作可能である、請求項1のシステム。
【請求項3】
放射線量分布のグラフ表示が複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態にあり、そこで少なくとも1種の線量体積ヒストグラムのプロットが、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する放射線量を最適化放射線ビーム配列を生じさせるように変化させるためにユーザーにより直接操作可能である、請求項1のシステム。
【請求項4】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフに表示し;そして
第1の放射線ビーム配列に従って、画像スライス上にそして複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態で標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフで表示すること、
を実行させる1組の指令を含んでなり、
ここで等線量プロットの等線量曲線は、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する放射線量を第2の放射線ビーム配列を形成するように変更するために、ユーザーにより操作可能である、
患者における非標的の構造物体積に対する放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するための計画最適化ソフトウエア。
【請求項5】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
位置決め装置とインターフェイスして、表示される第1の放射線ビーム配列を変更し;そして
位置決め装置に対するユーザーの入力に応答して、所望の線量レベルを有する出発−ドラッグ点及び望ましくない線量レベルを有する終結ドラッグ点をつなぐ、ユーザーが選択したラインに沿った制約(constraint)を確立し、そして所望の線量レベルに実質的に等しい終結ドラッグ点における線量レベルを構成し、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項6】
望ましくない線量レベルが所望の線量レベルより大きい時は、ユーザーが選択したラインに沿って確立された制約がユーザーの選択ラインに沿った線量を所望の線量レベルを超えない値のレベルに制約し、そして望ましくない線量レベルが所望の線量レベルより小さい時には、ユーザーが選択したラインに沿って確立された制約がユーザーが選択したラインに沿った線量を所望の線量レベル以上の値のレベルに制約する、請求項5の計画最適化ソフトウエア。
【請求項7】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
位置決め装置とインターフェイスして、表示された第1の放射線ビーム配列を変更し;そして
位置決め装置へのユーザーの入力に応答して、ユーザーに所望される線量レベルを有する等線量曲線の第1の部分を選択し、そして画像スライス上の第1の選択される位置から画像スライス上の第2の選択される位置へのユーザーに所望される経路に沿ったユーザーによる位置決め装置のドラッグに応答して、ユーザーの所望する経路に実質的に隣接して等線量曲線を再位置付けして、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項8】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
位置決め装置とインターフェイスして、表示される放射線ビーム配列を変更し;そして
第1の放射線ビーム配列に従う等線量曲線のユーザーの選択に応答して、等線量曲線内の放射線量の値を等線量曲線の外側の放射線量の値に実質的に等しく構成し、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項9】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスして、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する最少及び最大放射線量の少なくとも1つを受けて極値入力値を規定し、そして
極値入力に応答して、ユーザーによる等線量曲線操作を制約して、望ましくない付随的線量の変動を防止すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項10】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスして、線量測定法の質を維持すること及び放射線送達装置に対する放射線送達効率を維持することの間の、ユーザーに所望される平衡を受けて、効率閾値を規定し;そして
効率閾値に応答して、ユーザーによる等線量曲線の操作を制約して放射線送達効率を効率閾値より上に維持すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、請求項4の計画最適化ソフトウエア。
【請求項11】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線ビーム配列に従う複数の線量体積のヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフで表示すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなり、
ここで、少なくとも1つの線量体積のヒストグラムのプロットが、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する放射線量を第2の放射線ビーム配列を形成するように、変更するためにユーザーにより直接操作可能である、
患者における非標的の構造物体積に対する放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定するための計画最適化ソフトウエア。
【請求項12】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
位置決め装置とインターフェイスして、表示される第1の放射線ビーム配列を変更し、
位置決め装置に対するユーザーの入力に応答して、第1の選択される位置に位置決付けされる線量体積ヒストグラムの一部を選択し、そして前以て決定された放射線量レベルを超えて受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積の第1の百分率を示し;そして
第2の選択される位置へのユーザーの所望される経路に沿った入力装置による線量体積ヒストグラムの選択された部分のユーザーによるドラッグに応答して、前以て決定された放射線量レベルを超えて受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積それぞれの百分率を変更して、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる請求項11の計画最適化ソフトウエア。
【請求項13】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスして、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つに対する最少及び最大放射線量の少なくとも1つを受けて、極値入力値を規定し;そして
極値入力値に応答して、ユーザーによる線量体積ヒストグラム操作を制約して、望ましくない付随的線量の変動を防止すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる請求項11の計画最適化ソフトウエア。
【請求項14】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスして、放射線送達装置に対する放射線送達コストと放射線送達効率の間のユーザーに所望される平衡を受けて、効率閾値を規定し;そして
効率閾値に応答して、ユーザーによる線量体積ヒストグラムの操作を制約して、効率閾値を超える放射線送達効率を維持すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる請求項11の計画最適化ソフトウエア。
【請求項15】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線量分布を規定する第1の放射線ビーム構成(configuration)を有する外部システムにより形成される第1の放射線処置計画を受け;そして
第1の放射線処置計画の第1の放射線ビーム構成に対応する極値を有する最適化目的関数(objective function)を構築して、第1の放射線量分布とほぼ同様な第2の放射線量分布を有する第2の放射線処置計画を形成すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、
患者における非標的の構造物体積へ放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための外部に形成される放射線処置計画からの最適な放射線ビーム配列を決定するための計画最適化ソフトウエア。
【請求項16】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに最適化目的関数を構築させる指令が更に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線処置計画の第1の放射線量分布をランダムに収集することにより複数の標
的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントを形成し;
複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントそれぞれにおける放射線量の第1の値を決定し;そして
各複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び各複数の非標的の構造物体積の収集ポイントに目的関数に対する1項(a term)を加えることにより最適化目的関数を形成すること、
を実施させ、
ここで各項は目的関数に対する極値を提供し、そして標的の腫瘍体積の収集ポイントと関連する項は、第2の放射線処置計画のいずれかの標的の腫瘍体積の収集ポイントにおける放射線量の第2の値が放射線量のそれぞれの第1の値と実質的に異なる時に、目的関数が放射線量にペナルティーを課すように選択される
請求項15の計画最適化ソフトウエア。
【請求項17】
最適化目的関数が複数の制約を含み、そしてコンピューターにより実行される時に、コンピューターに最適化目的関数を構築させる指令が更に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線量分布を決定し;そして
最適化目的関数の極値が第1の放射線量分布とほぼ同様な放射線量分布に対応するように少なくとも1つの複数の制約を反復調整することにより最適化目的関数を形成すること、
を実施させる請求項15の計画最適化ソフトウエア。
【請求項18】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに最適化目的関数を構築させる指令が更に、コンピューターに以下の操作:
第1の放射線処置計画の第1の放射線量分布をランダムに収集することにより複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントを形成し;
収集される放射線量分布を規定する各複数の標的の腫瘍体積の収集ポイント及び複数の非標的の構造物体積の収集ポイントにおける放射線量の第1の値を決定し;
収集される放射線量分布に応答して、各標的の腫瘍体積及び各非標的の構造物体積に対する線量−体積統計値を決定し;そして
各標的の腫瘍体積の線量−体積統計値及び非標的の構造物体積の線量−体積統計値に対する目的関数に1項を付加することにより最適化目的関数を形成すること、
を実施させ、
ここで、各項は目的関数に極値を提供し、そして標的の腫瘍体積の線量−体積統計値と関連する項が、第2の放射線処置計画のいずれかの標的の腫瘍体積の収集ポイントにおける放射線量の第2の値が放射線量のそれぞれの第1の値と実質的に、望ましくなく異なる時に、目的関数が標的の腫瘍体積に対する線量−体積統計値にペナルティーを課すように選択される
請求項15の計画最適化ソフトウエア。
【請求項19】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに以下の操作:
各放射線処置計画がチェックポイントを規定する第1及び第2の放射線処置計画にアクセスし;
単一連続体上のエンドポイントとして2個のチェックポイントを確定し、
ユーザーに制御される入力装置とインターフェイスし;そして
ユーザー制御入力装置のユーザーの操作に応答して、2個のチェックポイント間を内挿して(interpolate)、中間の提案される放射線処置計画を、形成し、表示すること、
を実施させる1組の指令を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための1対の放射線処置計画からの最適化放射線ビーム配列を決定するための計画最適化ソフトウエア。
【請求項20】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに2個のチェックポイント間を
内挿させる指令が更に、コンピューターに以下の操作:
第1のチェックポイントに対する放射線量分布を含んでなる各複数のポイントにおける放射線量の第1の値を決定し;
第2のチェックポイントに対する放射線量分布を含んでなる各複数の対応するポイントにおける放射線量の第2の値を決定し;そして
放射線量の対応する第1及び第2の値の間を線形に内挿すること、
を実施させる請求項19の計画最適化ソフトウエア。
【請求項21】
コンピューターにより実行される時に、コンピューターに更に以下の操作:
前以て選択された等角放射線治療の送達装置と適合性の対応する複数の放射線ビーム強度構成物(settings)への複数の放射線ビーム強度の離散化(discretization)により、中間の提案される放射線処置計画を、送達可能な別々の放射線処置計画に変換し;そして
送達可能な別々の放射線処置計画をグラフに表示すること、
を実施させる1組の指令を更に含んでなる、
中間の提案される放射線処置計画が、複数の放射線ビーム強度からなる放射線ビーム配列を含む、請求項20の計画最適化ソフトウエア。
【請求項22】
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフで表示し;
画像スライス上の、そして第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフで表示し;そして
位置決め装置により少なくとも1つの等線量プロットの表示される等線量曲線を操作して、第2の放射線処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し、表示すること、の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定する方法。
【請求項23】
少なくとも1つの表示される等線量曲線を操作する段階が:
第1の選択される位置に位置付けされ、そして所望の第1の線量レベルを有する等線量曲線の一部を位置決め装置でグラフ上で選択し;
画像スライス上の第1の選択される位置から望ましくない第2の線量レベルを有する画像スライス上の第2の選択される位置に、等線量曲線の選択される部分を位置決め装置によりグラフ上でドラッグし;そして
第1の選択される位置から第2の選択される位置への第1の線量レベルの移動に応答して、所望の第1の線量レベルに実質的に等しい第2の選択される位置に対する第2の線量レベルを構成し、それにより第2の処置計画を形成すること、
の段階を含んでなる請求項22の方法。
【請求項24】
望ましくない線量レベルが所望される線量レベルより大きい時に、制約が第1の位置と選択される位置の間の線量を、所望される線量レベルを超えない値のレベルに直接制約し、そして望ましくない線量レベルが望ましい線量レベルより低い時に、制約が第1の位置と選択される位置の間の線量を、所望される線量レベル以上の値のレベルに直接制約する、画像スライス上の第1及び第2の選択される位置の間に制約を確立する段階を更に含んでなる、請求項23の方法。
【請求項25】
表示される等線量曲線の少なくとも1つを操作する段階が:
第1の選択される位置に位置付けされ、そしてユーザーの所望の線量レベルを有する等線量曲線の一部を位置決め装置でグラフ上で選択し;
画像スライス上の第1の選択される部分から、等線量曲線により囲まれた画像スライス
の一部を実質的に囲む等線量曲線の別の部分に隣接する画像スライス上の第2の選択される位置へのユーザーに所望される経路を位置決め装置によりグラフ上にマークし;そして
ユーザーの所望される経路のマーク付けに応答して、ユーザーの所望される経路に隣接して制約される所望の線量レベルを有する第2の処置計画を形成すること、
の段階を含んでなる、請求項22の方法。
【請求項26】
表示される等線量曲線の少なくとも1つを操作する段階が:
第1の放射線ビーム配列に従う等線量曲線を位置決め装置でグラフ上に選択し;そして
等線量曲線の選択に応答して、等線量曲線内の放射線量の値を等線量曲線の外側の放射線量の値にほぼ等しい値に矯正し、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、を含んでなる、請求項22の方法。
【請求項27】
第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量をグラフで表示し;そして
表示される線量体積ヒストグラムのプロットの少なくとも1つを位置決め装置により操作して、第2の処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し、表示すること、
の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら、標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線ビーム配列を決定する方法。
【請求項28】
少なくとも1つの表示される線量体積ヒストグラムのプロットを操作する段階が:
第1の選択される位置における線量体積ヒストグラムの一部をグラフ上で位置決め装置により選択し、そして前以て選択される放射線量レベルより大量を受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物の第1の百分率を示し;
ユーザーに所望される経路に沿った第1の選択される位置から前以て選択される放射線量レベルより大量を受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物の第2の百分率を示す第2の選択される位置に、線量体積のヒストグラムの選択される部分をグラフ上で位置決め装置によりドラッグし;そして
第1の選択される位置からの第2の選択される位置への線量体積ヒストグラムの選択される部分の移動に応答して、前以て決定される放射線量レベルより大量を受けることを許された標的の腫瘍体積又は非標的の構造物体積の百分率を変更し、それにより第2の放射線ビーム配列を形成すること、
の段階を含んでなる、請求項27の方法。
【請求項29】
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも二次元の画像を得るためのコンピューター及び画像収集装置を提供し;
画像を表示し、ユーザーインターフェイスオプションを表示するためのグラフィックユーザーインターフェイスを提供し;
画像中に標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積を特定し;
第1の放射線ビーム配列を有する外部システムにより作成される第1の放射線処置計画を受け;そして
第1の放射線処置計画に応答して、第1の放射線処置計画の第1の放射線ビーム構成(configuration)に対応する極値を有する最適化目的関数を構築すること、の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら、標的の腫瘍体積に放射線を適用するために外部に形成された処置計画から最適化放射線処置計画を形成する方法。
【請求項30】
各々最適化放射線処置計画により制御される放射線ビーム送達強度及び複数の放射線ビ
ームフィールドセグメントを有することを特徴とする、最適化放射線処置計画を実行するようになっている等角放射線治療の送達装置を提供し;
最適化放射線処置計画を形成するための複数の制約を有する最適化目的関数を構築し;そして
放射線ビームフィールドセグメント数に比例する制約及び平均放射線ビーム減衰に比例する制約の少なくとも1つを最適化目的関数に付加し、それにより最適化放射線処置計画の効率を調整すること、
の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積への放射線を最少にしながら標的の腫瘍体積に放射線を適用するための最適化放射線処置計画を形成する方法。
【請求項31】
放射線ビームフィールドのセグメント数に比例する制約が、一時的効率が選択される閾値より下に減少する時に値を増加する、請求項30の方法。
【請求項32】
平均放射線ビーム減衰に比例する制約が、放射線処置期間中に送達されることができる無効な放射線の総量を制御する、請求項30の方法。
【請求項33】
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の画像スライスをグラフに表示し;
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量分布を画像スライス上にそして第1の処置計画を規定する第1の放射線ビーム配列に従う複数の等線量曲線を含む等線量プロットの形態で同時にグラフに表示し;そして
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積の少なくとも1つの放射線量分布を変更して、第2の処置計画を規定する第2の放射線ビーム配列を形成し;
表示される画像スライス上に表示される二次元の線量分布のみを再計算し;そして
再計算された二次元の線量分布を表示することの段階を含んでなる、
二次元の放射線量分布の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画に対する双方向性の(interactive)調整を容易にする方法。
【請求項34】
第1の放射線ビーム配列に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する第1の放射線量分布を提供し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより第1の放射線ビーム配列に対する複数の収集ポイントを形成し;
各複数の収集ポイントにおける放射線線量の値を決定し;
複数の収集ポイントに対する放射線量の値に従って線量−体積統計値を規定する複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する放射線量をグラフで表示し;
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物の少なくとも1つの放射線量分布を変更して第2の放射線ビーム配列を形成し;、
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値を再計算し;そして
複数の収集ポイントに対する放射線量の再計算値に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する線量−体積統計値を表示すること、
の段階を含んでなる、
線量−体積統計値の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画に対する双方向性計画の調整を容易にする方法。
【請求項35】
第1の放射線ビーム配列に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する第1の放射線量分布を提供し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより第1の放射線ビーム配列のための複数の収集ポイントを形成し;
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値を決定し;
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値により制約される最適化目的関数を提供し;
最適化目的関数を適用して第2の放射線ビーム配列を形成し;
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値を再計算し;そして
複数の収集ポイントに対して再計算された放射線の値に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する放射線量分布を表示すること、
の段階を含んでなる、
放射線処置計画最適化により、提案される放射線処置計画に対する双方向性の計画調整を容易にする方法。
【請求項36】
標的の腫瘍体積が外側の境界を有し、そしてランダムな収集にバイアスを与えて、標的の腫瘍体積の外側の境界に隣接する収集確率を増加させる、請求項35の方法。
【請求項37】
第1の放射線ビーム配列に従って、標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する第1の放射線量分布を提供し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより、第1の放射線ビーム配列に対して、各計画最適化の収集ポイントが放射線量の値を有する複数の計画最適化の収集ポイントを形成し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより第1の放射線ビーム配列のための複数の計画評価の収集ポイントを、計画最適化の収集ポイントとは別に形成し;
各複数の最適化計画の収集ポイントにおける放射線量の値を決定し;
各複数の計画評価の収集ポイントにおける放射線量の値を決定し;
各複数の計画最適化の収集ポイントにおける放射線量の値により制約される最適化目的関数を提供し;
複数の計画評価の収集ポイントの値に従って線量−体積統計値を規定する複数の線量体積ヒストグラムのプロットの形態の標的の腫瘍体積及び非標的の構造物に対する放射線量をグラフで表示し;
最適化目的関数を適用して第2の放射線ビーム配列を形成し;
第2の放射線ビーム配列に対する各複数の計画評価の収集ポイントにおける放射線量の値を再計算し;そして
複数の計画評価の収集ポイントに対して再計算された値に従って標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する線量−体積統計値を表示すること、
の段階を含んでなる、
放射線処置計画最適化及び線量−体積統計値の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画に対する双方向性の計画調整を容易にする方法。
【請求項38】
候補の放射線処置計画及び最適化目的関数を提供して候補の放射線処置計画を反復して評価し;
候補の放射線処置計画を反復して評価して複数の前以て選択される臨床的目標を満足させ、そして先行放射線処置計画を規定する任意の放射線ビーム強度値を有する最適化放射線ビーム配列を形成し;
候補の放射線処置計画の最適化期間中に、評価される少なくとも2件の放射線処置計画の反復物の記録を提供し;そして
反復評価に応答して、評価される少なくとも2件の放射線処置計画から先行放射線処置計画の臨床的放射線送達目標に実質的に適合するために必要な別々の放射線ビーム強度の組み合わせを推測して、それにより最適化放射線処置計画を形成すること、
の段階を含んでなる、
患者における非標的の構造物体積の放射線を最少にしながら、標的の腫瘍体積に放射線を適用するための任意の放射線ビーム強度値をもつことを特徴とする、放射線処置計画からの固定された1組の別々の放射線ビーム強度値を有する最適化放射線処置計画を形成す
る方法。
【請求項39】
放射線ビーム配列に従って標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量分布を提供し;
第1の放射線量分布をランダムに収集することにより放射線ビーム配列に対する複数の収集ポイントを形成し;
各複数の収集ポイントにおける放射線量の値を決定し;
各標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対して最高値を有する複数の収集ポイントの第1組及び最低値を有する複数の収集ポイントの第2組を特定し;
各第1組に勾配上昇アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量最大値を決定し、表示し;そして
各第2組に勾配下降アルゴリズムを適用して、標的の腫瘍体積及び少なくとも1種の非標的の構造物体積に対する放射線量最小値を決定し、表示すること、
の段階を含んでなる、
標的の腫瘍体積及び非標的の構造物体積に対する放射線量最小値及び放射線量最大値の再計算及び表示により、提案される放射線処置計画に対する双方向性の計画調整を容易にする方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−509644(P2007−509644A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534307(P2006−534307)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/032995
【国際公開番号】WO2005/035061
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(505129138)ノモス・コーポレーシヨン (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/032995
【国際公開番号】WO2005/035061
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(505129138)ノモス・コーポレーシヨン (2)
【Fターム(参考)】
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