説明

筋力トレーニング用具

【課題】
張力の調整が簡単且つ容易であると共に、トレーニング動作中張力が一定に保持され、しかも、チューブの両端を握ってトレーニングを行う場合のようにチューブの把持に気を使うことのない筋力トレーニング用具を提供する。
【解決手段】把持棒1と伸縮部材2とからなり、前記把持棒1は両端にそれぞれ内外2つのストッパー3a,3bを設け、前記伸縮部材2はベルト状で、適数の張力調整用把持棒挿入孔4を設け、該把持棒挿入孔4を前記ストッパー間の把持棒1に係合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は筋力の強化のためのトレーニング用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、筋力強化のためのトレーニング用具として、ゴム製のチューブが用いられているが、チューブの張力を調整する場合、チューブの握り位置を変えなければならず、またトレーニング動作中、手が滑り握り位置が変わって、張力が変動してしまい、繰り返し動作を一様に行うことは難しかった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】2011年8月25日 高橋書店発行「筋力トレーニング・メソッド」 60〜89頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、張力の調整が簡単且つ容易であると共に、トレーニング動作中張力が一定に保持され、しかも、チューブの両端を握ってトレーニングを行う場合のようにチューブの把持に気を使うことのない筋力トレーニング用具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1記載の発明は、把持棒と伸縮部材とからなり、前記把持棒は両端にそれぞれ内外2つのストッパーを設け、前記伸縮部材はベルト状で、適数の張力調整用把持棒挿入孔を設け、該把持棒挿入孔を前記ストッパー間の把持棒に係合させることを特徴とする筋力トレーニング用具である。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記把持棒挿入孔に補強用鳩目を設けたことを特徴とする筋力トレーニング用具である。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記ストッパーの中外側のストッパーはキャップ状のもので、前記把持棒端部に螺合したことを特徴とする筋力トレーニング用具である。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記ストッパーを移動可能としたことを特徴とする筋力トレーニング用具である。
【0009】
請求項5記載の発明は、把持棒と伸縮部材とからなり、前記把持棒は、両端に内外2つの移動可能のストッパーを設け、前記伸縮部材は紐状のものとし、この紐状の伸縮部材の両端をそれぞれ、前記把持棒の両端に設けた内外2つのストッパー間に掛け、伸縮部材の端部を前記伸縮部材に止具で固定することを特徴とする筋力トレーニング用具である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、伸縮部材の両端は把持棒に取付けられているので、トレーニング動作中張力が一定に保持され、把持棒の両側を握ってトレーニングを行うことが出来る。又把持棒挿入孔への取付け位置を変えることにより張力の調整を容易に行うことが出来る。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、伸縮部材に設けた把持棒挿入孔の強度を強化しトレーニング時における伸縮部材の裂けを防止する効果がある。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、張力調整時の伸縮部材の把持棒への取付を容易に行うことが出来る。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、肩幅やトレーニング時の使用条件に応じた伸縮部材の取付け位置を適正位置に設定することが出来る。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、張力を微細に調整可能の筋力トレーニング用具を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例1の一部截断正面図。
【図2】実施例1で用いた伸縮部材の側面図。
【図3】実施例1の筋力トレーニング用具の使用例をイラストで示したものである。
【図4】本発明の実施例3の要部構成を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の実施例1の一部截断正面図、図2は実施例1で用いられたベルト状の伸縮部材の側面図を示し、1は把持棒、2は伸縮部材である。
【0017】
把持棒1としては、木製のもの、金属棒、金属管等を用い、両端にそれぞれ内外2つのストッパー3a,3bが設けられており、外側のストッパー3aはキャップ状のもので、把持棒1の端部に螺合するように構成されている。また内側のストッパー3bはネジ又はボルト止めするカラー状のもので、取付け位置を変えられるようになっている。
【0018】
ベルト状の伸縮部材2には、等間隔に適数の把持棒挿入孔4が設けられ、各把持棒挿入孔にはそれぞれ補強用の鳩目5が取付けられている。把持棒1への取付けは、外側のストッパー3a,3aを外し、両端の把持棒挿入孔4を把持棒1に係合させ、外側のストッパー3a,3aを把持棒1に螺合して止める。なお、実施例では伸縮部材としてゴム製のものを使用したが、伸縮性のある合成樹脂製でも良いことは勿論である。
【0019】
筋力トレーニング時の伸縮部材2の張力は把持棒1と係合させる把持棒挿入孔4を選択して調整する。なお、張力を大きくするため伸縮部材2の端部から内側の位置の把持棒挿入孔4を選択した場合、把持棒1の上方に伸縮部材2が大きく突出して邪魔になるときは、伸縮部材2を折り返して、伸縮部材2の端部側の把持棒挿入孔4を把持棒1に係合させることにより解消することができる。
【0020】
次に上記実施例1の使用例について図3に基づき説明する。
(a)図はアップライトローと称される筋力トレーニングを行う場合を示し、把持棒1を両手で把持すると共に、垂下した伸縮部材2を踏み、把持棒1を水平まで上げる動作を繰り返し行うことにより三角筋や上腕二頭筋を強化鍛錬することが出来る。
【0021】
この筋力トレーニングのバリエーションとして、伸縮部材2を長めに把持棒1に取付け、把持棒1を後手で把持して上昇させる動作を行うことにより、背筋のトレーニングを行うことができる。
【0022】
(b)図は伸縮部材2を背中にかけ、把持棒1を両手で把持してダンベルブッシュの要領で、上、斜め前上方、正面、横、斜め、横等様々な方向にブッシュする動作を行うことにより、ダンベルを用いた場合と同様に腕の筋力の強化鍛錬を行うことが出来る。
【0023】
又、この筋力トレーニングのバリエーションとしてベンチ上に仰向けになり、把持棒1を把持した両手を上下動させればベンチプレスと同様の筋力強化を行うことが出来る。
【0024】
(c)図は長座姿勢になり、伸縮部材2の中央に足を掛け、両手で把持した把持棒1を引く動作を繰り返すことにより腕と脚の筋力トレーニングに役立つ。
【0025】
以上、数例の使用例について説明したが、この使用例のみに限定されるものではない。いずれの場合も、使用者の体力又は身長に応じて、把持棒挿入孔4を選択することにより使用者に適切な筋力トレーニングを行うことが出来る。そしてその際、スポーツ・ジム等で普及されているチューブを両手で把持して筋力トレーニングを行う場合に比し、手の滑りによる張力の変化を来すことがないので、長時間の筋力トレーニングを行うことができ、優れている。
【実施例2】
【0026】
前記実施例1では、内側のストッパー3b,3bを固定し、外側のストッパー3a,3aを螺合して把持棒1に着脱自在に固定するようにしたが、内側のストッパーをボルト又はビス等で止めるカラー状のものとして移動自在に構成する。この構成によると、肩幅又は使用状況に応じて伸縮部材2の取付け位置を任意に変更することが出来るので、使用状況に応じて肩幅又は両手を広げたバーベル支持状態に把持棒1を持つことができるため、使い勝手の良い筋力トレーニング用具を提供することが出来る。
【実施例3】
【0027】
図4は本発明の実施例3の要部構成を示す正面図で、1は把持棒、2’は紐状の伸縮部材である。この実施例ではストッパー6,6を実施例2の場合と同様に、ナット又はビス等で止めるカラー状のものとして把持棒1の端部に移動自在に設け、ストッパー6,6間に伸縮部材2’を一巻きし、端部2a’を伸縮部材2’に止具7で外れないように固定したものである。
【0028】
この実施例3によれば、ストッパー6,6の固定位置を変えることにより、肩幅又は使用状況に応じて変化させることができ、また伸縮部材2’の張力の微細な調整を行い得るので、使用者の希望に合致する筋力トレーニング用具を提供することが出来る。そしてその使用方法は実施例1と同様に行うことができ、実用上使い勝手の良い筋力トレーニング用具を提供することが出来る。
【符号の説明】
【0029】
1 把持棒
2 伸縮部材
3a,3b ストッパー
4 把持棒挿入孔
5 鳩目
6 ストッパー
7 止具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持棒と伸縮部材とからなり、前記把持棒は両端にそれぞれ内外2つのストッパーを設け、前記伸縮部材はベルト状で、適数の張力調整用把持棒挿入孔を設け、該把持棒挿入孔を前記ストッパー間の把持棒に係合させることを特徴とする筋力トレーニング用具。
【請求項2】
前記把持棒挿入孔に補強用鳩目を設けたことを特徴とする請求項1記載の筋力トレーニング用具。
【請求項3】
前記ストッパーの中、外側のストッパーはキャップ状のもので、前記把持棒端部に螺合したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の筋力トレーニング用具。
【請求項4】
前記ストッパーを移動可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の筋力トレーニング用具。
【請求項5】
把持棒と伸縮部材とからなり、前記把持棒は、両端に内外2つの移動可能のストッパーを設け、前記伸縮部材は紐状のものとし、この紐状の伸縮部材の両端をそれぞれ、前記把持棒の両端に設けた内外2つのストッパー間に掛け、前記伸縮部材の端部を伸縮部材に止具で固定することを特徴とする筋力トレーニング用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−102928(P2013−102928A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248451(P2011−248451)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(591116092)株式会社福原鋳物製作所 (23)