説明

筋肉及び骨障害治療用薬を含有する口腔内極性及び非極性噴霧剤又はカプセル剤

効果の早期開始をもたらす口腔粘膜を通る速やかな吸収のための生物活性化合物を提供する極性及び非極性溶媒を用いた口腔内エアゾール噴霧剤又はカプセル剤を今や開発した。本発明の口腔内組成物は、製剤I:水性極性溶媒、活性化合物、及び任意選択による香味剤;製剤II:水性極性溶媒、活性化合物、及び任意選択による香味剤、及び噴射剤;製剤III:非極性溶媒、活性化合物、及び任意選択による香味剤;並びに製剤IV:非極性溶媒、活性化合物、任意選択による香味剤、及び噴射剤を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、1997年10月1日に出願されたPCT/US97/17899の米国国際段階指定の一部継続である2000年3月29日に出願された第09/537,118号の一部継続であり、その開示を参照により全部取り入れる。
【0002】
発明の背景
ある種の生物活性化合物は、粘膜を通る方が胃又は腸を通るなどの他の投与経路を通るより良好に吸収される。しかしながら、これらの後者の経路によるそのような投与に好適な製剤は、自身の問題を有する。例えば、生物活性化合物は、噴射剤や溶媒などの他の組成物成分と適合しなければならない。そのような製剤が多数提案されている。例えば、Dvorskyらによる米国特許第4,689,233号は、ポリエーテルアルコールの混合物に溶解した抗冠状動脈薬(anti-coronary drug)であるニフェジピン投与用の軟ゼラチンカプセル剤を記載し、Jonesらの米国特許第4,755,389号は、ニフェジピンを含有する硬ゼラチン咀嚼カプセル剤を記載している。薬物の溶液又は分散液を含有する咀嚼ゼラチンカプセル剤は、Borkanらの米国特許第4,935,243号、Aoudaらによる米国特許第4,919,919号に記載され、Klokkers-Bethkeによる米国特許第5,370,862号は、ニトログリセリン、エタノール、及びその他の成分を含有する口腔粘膜投与用のニトログリセリン噴霧剤を記載する。経口投与されるポンプ式噴霧剤は、Cholchaによる米国特許第5,186,925号に記載されている。炭化水素噴射剤及び粘膜表面への投与用薬物を含有するエアゾール組成物は、Suによる英国特許第2,082,457号、Silsonらによる米国特許第3,155,574号、Wangらによる米国特許第5,011,678号、及びParnellによる米国特許第5,128,132号に記載されている。これらの参照は、投与される膜を通るのではなく吸入による溶液の生物利用可能性を論じていることは注目すべきである。
【0003】
発明の概要
効果の早期開始をもたらす口腔粘膜を通る速やかな吸収のための生物活性化合物を提供する極性又は非極性溶媒を用いた口腔内エアゾール噴霧剤又は軟バイトゼラチンカプセル剤(soft bite gelatin capsules)を開発した。
【0004】
薬理学的に許容できる非極性溶媒に可溶な薬理活性化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔内エアゾール噴霧組成物は、全組成物の重量%で、薬学的に許容できる噴射剤を5−80%、非極性溶媒を19〜85%、活性化合物を0.05〜50%含有し、全組成物の0.01〜10重量%の香味剤をさらに含有することが好適である。組成物は、噴射剤を10〜70%、非極性溶媒を25〜89.9%、活性化合物を0.01〜40%、香味剤を1〜8%含有することが好ましく;噴射剤を20〜70%、非極性溶媒を25〜74.75%、活性化合物を0.25〜35%、香味剤を2〜7.5%含有することが最も好適である。
【0005】
薬理学的に許容できる極性溶媒に可溶な薬理活性化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔内極性エアゾール噴霧組成物は、噴射剤により駆動されるエアゾールの形態で投与可能でもある。この場合、組成物は、全組成物の重量%で、水性極性溶媒を10〜97%、活性化合物を0.1〜25%含有し、全組成物の0.05〜10重量%の香味剤及び2〜10重量%の噴射剤をさらに含有することが好適である。組成物は、極性溶媒を20〜97%、活性化合物を0.1〜15%、香味剤を0.1〜5%、及び噴射剤を2〜5%含有することが好ましく;極性溶媒を25〜97%、活性化合物を0.2〜25%、香味剤を0.1〜2.5%、及び噴射剤を2〜4%含有することが最も好適である。
【0006】
薬理学的に許容できる非極性溶媒に可溶である薬理活性化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔内ポンプ式噴霧組成物、すなわち、無噴射剤組成物は、全組成物の重量%で、非極性溶媒を30〜99.69%、活性化合物を0.005〜55%含有し、香味剤を0.1〜10%さらに含有することが好適である。
【0007】
薬理学的に許容できる極性溶媒に可溶な薬理活性化合物の経粘膜投与用の本発明の口腔内極性ポンプ式噴霧組成物、すなわち、無噴射剤組成物は、全組成物の重量%で、水性極性溶媒を30〜99.69%、活性化合物を0.001〜60%含有し、全組成物の0.1〜10重量%の香味剤をさらに含有することが好適である。組成物は、極性溶媒を37〜98.58%、活性化合物を0.005〜55%、香味剤を0.5〜8%含有することが好ましく;極性溶媒を60.9〜97.06%、活性化合物を0.01〜40%、香味剤を0.75〜7.5%含有することが最も好適である。
【0008】
薬理学的に許容できる非極性溶媒に少なくとも一部可溶であり、該非極性溶媒に対して充填組成物を充填させる薬理活性化合物の経粘膜投与用の本発明の軟バイトゼラチンカプセル剤は、全組成物の重量%で、非極性溶媒を4〜99.99%、乳化剤を0〜20%、活性化合物を0.01〜80%含有し、もし、上記充填組成物が水を10%未満含有するなら、組成物の0.01〜10重量%の香味剤をさらに含有することが好適である。軟バイトゼラチンカプセルは、非極性溶媒を21.5〜99.975%、乳化剤を0〜15%、活性化合物を0.025〜70%、香味剤を1〜8%含有することが好ましく;非極性溶媒を28.5〜97.9%、乳化剤を0〜10%、活性化合物を0.1〜65.0%、香味剤を2〜6%含有することが最も好適である。
【0009】
充填組成物を充填している薬理学的に許容できる極性溶媒に少なくとも一部可溶であり、該非極性溶媒に対して充填組成物を充填させる薬理活性化合物の経粘膜投与用の本発明の軟バイト極性ゼラチンカプセル剤は、全組成物の重量%で、極性溶媒を25〜99.89%、乳化剤を0〜20%、活性化合物を0.01〜65%含有し、もし、上記組成物が水を10%未満含有するなら、組成物の0.01〜10重量%の香味剤をさらに含有することが好適である。軟バイトゼラチンカプセルは、極性溶媒を37〜99.95%、乳化剤を0〜15%、活性化合物を0.025〜55%、香味剤を1〜8%含有することが好ましく;極性溶媒を44〜96.925%、乳化剤を0〜10%、活性化合物を0.075〜50%、香味剤を2〜6%含有することが最も好適である。
【0010】
本発明の目的は、活性化合物を含有する噴霧剤の微細滴又はバイトカプセル剤からの該活性化合物の溶液若しくはペーストのいずれかで粘膜を被覆することである。
【0011】
本発明の目的は、同じものが必要な哺乳動物(好ましくはヒト)の口腔粘膜に噴霧剤又はバイトカプセル剤によって所定量の生物活性化合物をこの方法により又は軟ゼラチンカプセル剤から投与することでもある。
【0012】
さらなる目的は、非極性又は極性エアゾール噴霧製剤の組成物を含有する密封エアゾール噴霧容器、及び該容器から所定量の上記組成物を放出するのに好適な計量バルブである。
【0013】
エアゾールバルブ作動後において噴射剤が蒸発するとき、溶媒及び活性化合物を含有する細滴の霧が形成される。
【0014】
噴射剤は非フレオン材であり、好ましくは直鎖状又は分枝状立体配置のC3〜8炭化水素である。噴射剤は、実質的に非水性でなければならない。噴射剤は、予想される通常の使用法の下では、バルブが作動されたときに容器から溶媒を排出するのに十分な圧力であるが容器又はバルブの密封を破損させるほど過剰ではない圧力を形成するように、エアゾール容器中に圧力を形成する。
【0015】
非極性溶媒は、非極性炭化水素であり、好ましくは直鎖状又は分枝状立体配置のC7〜18炭化水素、脂肪酸エステル、及びミグリオール(myglyol)などのトリグリセリドである。溶媒は活性化合物を溶解し、かつ、噴射剤、すなわち、溶媒と混和性でなければならず、噴射剤は、0〜40℃の温度で1〜3atmの間の圧力範囲で単相を形成しなければならない。
【0016】
本発明の極性及び非極性エアゾール噴霧組成物は、密封加圧容器から投与される。作動後毎に空気を容器中に入れることが可能であるポンプ式噴霧剤とは異なり、本発明のエアゾール容器は製造時に密封される。容器の中味は計量バルブの作動によって放出され、これにより各作動で大気ガスが入ってくることはできない。そのような容器は市販されている。
【0017】
さらなる目的は、ポンプ式噴霧製剤の組成物を含有するポンプ式噴霧容器、及び該容器から所定量の上記組成物を放出するのに好適な計量バルブである。
【0018】
さらなる目的は、先に示した組成物を含有する軟ゼラチンバイトカプセル剤である。製剤は、活性化合物を含有する粘稠溶液又はペーストの形態であることができる。溶液が好ましいが、活性化合物が選択した溶媒に可溶でない又は一部のみ可溶である場合にはペースト充填物も用いることができる。水を用いてペースト組成物の一部を形成する場合、該組成物の10%を超えてはならない。(本明細書中のパーセントは、別に指摘しない限り、すべて重量によるものとする)。
【0019】
極性又は非極性溶媒は、ゼラチン外層及び活性化合物と相溶性であるように選択される。溶媒は、活性化合物を溶解することが好ましい。しかしながら、活性化合物が可溶でないあるいはほんのわずかに可溶である他の成分を用いることができ、ペースト充填物を形成する。
【0020】
軟ゼラチンカプセル剤は、当該技術分野で周知である。例えば、そのようなカプセル剤の教示のためにBorkanらによる米国特許第4,935,243号を参照のこと。本発明のカプセル剤は、噛んでその中の低粘稠溶液又はペーストを放出させ、次いで口腔内粘膜を活性化合物で被覆することを意図している。丸飲みするか、噛んでから丸飲みする典型的なカプセル剤によって活性化合物が胃に送達されると、最大血中濃度が達成される前又は化合物が大きな初回通過効果を受ける前に有意な遅延時間が生ずることとなる。本発明のバイトカプセル剤の使用では、口腔粘膜を通る化合物の吸収が増大しており、かつ、初回通過効果の見込みが全くないゆえに遅延時間がほとんどなくなり、生理学的効果の開始が早まることとなる。本発明の軟ゼラチンカプセル剤の外層は、例えば、ゼラチンを50〜75%、グリセリンを20〜30%、着色剤を0.5〜1.5%、水を5〜10%、ソルビトールを2〜10%含有する。
【0021】
活性化合物は、生物活性ペプチド、中枢神経系活性アミン、スルホニル尿素、抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、睡眠導入薬、抗喘息薬、気管支拡張薬、制吐薬、ヒスタミンH−2受容体アンタゴニスト、バルビツール薬、プロスタグランジン、及び栄養補助食品(neutraceuticals)を含むことができる。
【0022】
活性化合物は、抗ヒスタミン、アルカロイド、ホルモン、ベンゾジアゼピン、及び麻薬性鎮痛薬も含有することができる。これらの活性化合物は、非極性ポンプ式噴霧製剤及び用途に特に好適であるが、それらに限定するものではない。
【0023】
活性化合物は、抗筋肉けいれん剤、抗けいれん剤、骨吸収阻害剤、平滑筋収縮剤、カルシウム吸収促進剤、筋肉弛緩剤、又はそれらの混合物も含有することができる。
【0024】
好ましい実施形態の説明
好ましい本発明の活性化合物は、イオン化された塩の形態であるか、薬学的に許容できる塩の遊離塩基としてである(但し、エアゾール又はポンプ式噴霧組成物では、それらは噴霧溶媒に可溶である)。これらの化合物は、有用な濃度で本発明の非極性溶媒に可溶であるか、有用な濃度でペーストとして調製することができる。口腔粘膜を通る化合物の吸収は増大するので、これらの濃度は、これらの化合物に対する標準的な容認されている用量未満であることができる。本発明のこの態様は、大きな(40〜99.99%)初回通過効果があるときに特に重要である。
【0025】
非極性噴霧剤用の噴射剤として、プロパン、N−ブタン、イソ−ブタン、N−ペンタン、イソ−ペンタン、及びネオ−ペンタン、及びそれらの混合物を用いることができる。単一ガスとしてのN−ブタン及びイソ−ブタンが好ましい噴射剤である。噴射剤は、0.2%以下、典型的には0.1〜0.2%の水の含量を有することが許される。別に指摘しない限り、本明細書中のパーセントはすべて重量によるものとする。活性化合物に有害な混在物の存在を最小限に抑えるため、噴射剤を合成により製造することも好ましい。これらの混在物には、酸化剤、還元剤、ルイス酸又は塩基、及び水が含まれる。水が0.2%の濃度であってもよいことを除き、これらの各々の濃度は0.1%未満とすべきである。
【0026】
カプセル剤用の好適な非極性溶媒及び非極性噴霧剤には、(C〜C24)脂肪酸(C〜C)エステル、C〜C18炭化水素、C〜Cアルカノイルエステル、及び対応する酸のトリグリセリドが含まれる。カプセル充填物がペーストであるとき、上記の低分子量溶媒に代えて他の液体成分を用いることができる。これらには、大豆油、トウモロコシ油、その他の植物油が含まれる。
【0027】
極性カプセル剤又は噴霧剤用の溶媒として、400〜1000Mw(好ましくは400〜600)の低分子量ポリエチレングリコール(PEG)、低分子量(C〜C)モノ及びポリオール、並びにC〜C18直鎖状又は分枝状鎖炭化水素のアルコールを用いることができ、グリセリンも存在することができ、噴霧剤中で、しかしカプセル剤では限定量でのみ、水も用いることができる。
【0028】
ゼラチン外層の製造に用いられるあるグリセリン及び水は、外層硬化中に外層から充填物に移動する。同様に、硬化中に及びカプセル剤の貯蔵期間全体にわたってさえ、充填物から外層への成分の移動がいくらかあるであろう。
【0029】
したがって、本明細書中に示したバルブは、調製された組成物用であり、軽微な変型が起こる本発明の範囲内にある。
【0030】
好ましい香味剤は、合成又は天然のハッカ油、スペアミント油、柑橘類油、果実香味料、甘味料(糖、アスパルテーム、サッカリンなど)、及びそれらの組み合わせである。
【0031】
活性物質には、シクロスポリン、セルモレリン、酢酸オクトレオチド、サケ・カルシトニン、インスリンリスプロ、コハク酸スマトリプタン、クロゼピン、シクロベンザプリン、塩酸デクフェンフルラミン(dexfenfluramine hydrochloride)、グリブリド、ジドブジン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、塩酸オンダンセトロン、ジメンヒドリナート、塩酸シメチジン、ファモチジン、フェニトインナトリウム、フェニトイン、カルボプロストトロメタミン、カルボプロスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イソプロテレノール、硫酸テルブタリン、テルブタリン、テオフィリン、硫酸アルブテロール、及び限定するものではないがカルニチン、ワレリアナ根、エキナセア根などの薬理作用を有する栄養素と言われる栄養補助食品から成る群から選択される活性化合物が含まれる。
【0032】
別の実施形態では、活性化合物は、抗筋肉けいれん剤、抗けいれん剤、骨吸収阻害剤、平滑筋収縮剤、カルシウム吸収促進剤、筋肉弛緩剤、又はそれらの混合物である。
【0033】
一実施形態では、活性化合物は、抗筋肉けいれん剤である。本発明の口腔内噴霧剤での使用のための好適な抗けいれん剤には、限定されないが、バクロフェン、ボツリヌス毒素、カリソプロドール、クロルフェネシン、クロロゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、ジアゼパム、メタキサロン、メトカルバモール、オルフェナドリン、チザニジン、及びそれらの混合物を含む。
【0034】
一実施形態では、活性化合物は抗けいれん剤である。本発明の口腔内噴霧剤での使用のための好適な抗けいれん剤には、限定されないが、アトロピン、バクロフェン、ジシクロミン、ヒヨスチン、プロパテリン、オキシブチニン、S-オキシブチニン、チザニジン、セビメリン、クロルジアゼポキシド、ハイドロクロライド、ジシクロミン、ヒヨスチン、ヒヨスチアミン、グリコピロレート、及びそれらの混合物を含む。
【0035】
一実施形態では、活性化合物は、骨再吸収阻害剤である。本発明の口腔内噴霧剤での使用のための好適な骨再吸収阻害剤には、限定されないが、アレンドロネート、イバンドロネート、ミノドロネート、リセドロネート、エチドロネート、チルドロネート、及びそれらの混合物が含まれる。
【0036】
一実施形態では、活性化合物は、平滑筋収縮剤である。本発明の口腔内噴霧剤での使用のための好適な平滑筋収縮剤には、ヒヨスチン、及びその混合物が含まれるが、限定するものではない。
【0037】
一実施形態では、活性化合物は、カルシウム吸収促進剤である。本発明の口腔内噴霧剤での使用のための好適なカルシウム吸収促進剤には、限定されないが、アルファカルシドール、カルシトリオール、及びその混合物を含む。
【0038】
一実施形態では、活性化合物は、筋肉弛緩剤である。本発明の口腔内噴霧剤での使用のための好適な筋肉弛緩剤には、バクロフェン、カリソプロドール、クロルフェネシン、クロロゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、ジアゼパム、メタキサロン、メトカルバモール、オルフェナドリン、及びそれらの混合物が含まれるが、限定するものではない。
【0039】
本発明の製剤は、活性化合物又はその薬学的に許容できる塩を含有する。「薬学的に許容できる塩」という用語は、有機及び無機の酸又は塩基を含む薬学的に許容できる非毒性酸又は塩基から調製される塩をいう。
【0040】
本発明の活性化合物が酸性であるとき、薬学的に許容できる非毒性塩基から塩を調製することができる。すべての安定な形態の無機塩基から得られる塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウム塩が特に好ましい。薬学的に許容できる有機非毒性塩基由来の塩には、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、並びにアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロリン、N,Nジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、イソプロピルアミン、リシン、メチル−グルコサミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンなどの塩基性イオン交換樹脂の塩が含まれる。
【0041】
本発明の活性化合物が塩基性であるとき、薬学的に許容できる非毒性酸から塩を調製することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。クエン酸、臭化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、及び酒石酸が特に好ましい。
【0042】
本明細書中の治療方法の論述において、活性化合物の参照は、その薬学的に許容できる塩も含むことを意味する。いくつかの製剤を本明細書中に示した一方、それが必要な哺乳動物又はヒトに投与される実際の量は治療する医師によって決められる。
【0043】
例示であって限定することを意図しない以下の実施例を参照して、本発明をさらに明確にする。
【0044】
以下はいくつかの類の実施例である。別に指定しない限り、値はすべて重量パーセントによるものとする。
【実施例】
【0045】
実施例1
ペプチドホルモンを含む生物活性ペプチド
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【0051】
【表7】

【0052】
【表8】


HCl又はNaOHによりpHを7.0〜7.8に調製する。
【0053】
実施例2
CNS活性アミン及びその塩:三環式アミン、GABAアナログ、チアジド、フェノチアジン誘導体、セロトニンアンタゴニスト、及びセロトニン再取込み阻害剤を含むが、限定するものではない
【0054】
【表9】

【0055】
【表10】

【0056】
【表11】

【0057】
【表12】

【0058】
【表13】

【0059】
【表14】

【0060】
【表15】

【0061】
実施例3
スルホニル尿素
【表16】

【0062】
【表17】

【0063】
実施例4
抗生物質抗真菌薬及び抗ウイルス薬
【表18】

【0064】
【表19】

【0065】
【表20】

【0066】
【表21】

【0067】
実施例5
制吐薬
【表22】

【0068】
【表23】

【0069】
【表24】

【0070】
実施例6
ヒスタミンH−2受容体アンタゴニスト
【表25】

【0071】
【数26】

【0072】
【表27】

【0073】
実施例7
バルビツール薬
【表28】

【0074】
【表29】

【0075】
実施例8
プロスタグランジン
【表30】


pHを水酸化ナトリウム及び/又は塩酸で調整する。
【0076】
【表31】

【0077】
実施例9
栄養補助食品
【表32】

【0078】
【表33】

【0079】
【表34】

【0080】
【表35】

【0081】
実施例10
睡眠導入薬(CNS活性アミンも同様)
【表36】

【0082】
実施例11
抗喘息薬−気管支拡張薬
【表37】

【0083】
【表38】

【0084】
【表39】

【0085】
【表40】

【0086】
【表41】

【0087】
実施例12
噴射剤を用いた極性溶媒製剤:
【表42】

【0088】
【表43】

【0089】
【表44】

【0090】
【表45】

【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、哺乳動物系での薬理活性物質の吸収経路及びプロセスを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗筋けいれん剤、筋肉弛緩剤、及びその混合物から成る群から選択され、全組成物の0.001〜60重量パーセントの間の量の活性化合物;及び全組成物の30〜99重量パーセントの間の量の極性溶媒を含有する、薬理活性化合物の経粘膜投与用の無噴射剤口腔内噴霧組成物。
【請求項2】
抗筋けいれん剤、筋肉弛緩剤、及びそれらの混合物から成る群から選択され、全組成物の0.1〜25重量パーセントの間の量の活性化合物;全組成物の10及び97重量パーセントの間の量の極性溶媒;及び直鎖状又は分枝状立体配置のC〜C炭化水素であって、組成物の2及び10重量パーセントの間の量の噴射剤、を含有する、薬理活性化合物の経粘膜投与用の口腔内噴霧組成物。
【請求項3】
抗筋けいれん剤、筋肉弛緩剤、及びその混合物から成る群から選択され、全組成物の0.005〜55重量パーセントの間の量の活性化合物;及び全組成物の30〜99重量パーセントの間の量の非極性溶媒を含有する、薬理活性化合物の経粘膜投与用の無噴射剤口腔内噴霧組成物。
【請求項4】
抗筋けいれん剤、筋肉弛緩剤、及びそれらの混合物から成る群から選択され、全組成物の0.05〜50重量パーセントの間の量の活性化合物;全組成物の19〜85重量パーセントの間の量の非極性溶媒;及び直鎖状又は分枝状立体配置のC〜C炭化水素であって、組成物の5〜80重量パーセントの間の量の噴射剤、を含有する、薬理活性化合物の経粘膜投与用の口腔内噴霧組成物。
【請求項5】
抗筋けいれん剤、筋肉弛緩剤、及びそれらの混合物から成る群から選択され、全組成物の0.01〜40重量パーセントの間の量の活性化合物;全組成物の25〜89重量パーセントの間の量の非極性溶媒;直鎖状又は分枝状立体配置のC〜C炭化水素であって、組成物の10〜70重量パーセントの間の量の噴射剤を含有し、香味剤が全組成物の1〜8重量パーセントの間の量で存在する、薬理活性化合物の経粘膜投与用の口腔内噴霧組成物。
【請求項6】
さらに、全組成物の0.1〜10重量パーセントの間の量の香味剤を含有する請求項1〜4項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記極性溶媒が、400〜1000の間の分子量を有するポリエチレングリコール、C〜Cモノアルコール及びポリアルコール、及び直鎖状又は分枝状立体配置のC〜C18アルコールから成る群から選択される請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項8】
前記噴射剤が、プロパン、N−ブタン、イソ−ブタン、N−ペンタン、イソ−ペンタン、ネオ−ペンタン、及びそれらの混合物から成る群から選択される請求項2、4又は5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記溶媒が、(C〜C24)脂肪酸(C〜C)エステル、直鎖状又は分枝状立体配置のC〜C18炭化水素、C〜Cアルカノイルエステル、及びC〜Cカルボン酸のトリグリセリドから成る群から選択される請求項3〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記活性化合物が、バクロフェン、ボツリヌス毒素、カリソプロドール、クロルフェネシン、クロロゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、ジアゼパム、メタキサロン、メトカルバモール、オルフェナドリン、チザニジンからなる群から選択される抗筋肉けいれん剤、又は、バクロフェン、カリソプロドール、クロルフェネシン、クロロゾキサゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、ジアゼパム、メタキサロン、メトカルバモール、オルフェナドリンからなる群から選択される筋肉弛緩剤である請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
哺乳類の口腔粘膜へ薬剤的活性物質を噴霧することからなる先行するいずれか1項に記載の組成物の使用方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−508052(P2006−508052A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−531574(P2004−531574)
【出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/026858
【国際公開番号】WO2004/019905
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(505073107)ノヴァデル ファーマ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】