筐体の放音構造及び電子機器
【課題】筐体を載置場所に載置した場合であっても、音を遮断することなく、音量を確保できるようにする。
【解決手段】放音構造は、載置場所に載置される第1筐体1と、第1筐体1内に収容されたスピーカ61と、第1筐体1の載置面1cに設けられた凹部1dと、凹部1d内に設けられ、スピーカ61の出力音を第1筐体1内から凹部1d内に出す放音孔1eと、凹部1dの縁に設けられ、凹部1dから第1筐体1の載置面1d外に音を導く導音部と、を備える。
【解決手段】放音構造は、載置場所に載置される第1筐体1と、第1筐体1内に収容されたスピーカ61と、第1筐体1の載置面1cに設けられた凹部1dと、凹部1d内に設けられ、スピーカ61の出力音を第1筐体1内から凹部1d内に出す放音孔1eと、凹部1dの縁に設けられ、凹部1dから第1筐体1の載置面1d外に音を導く導音部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の放音構造及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の携帯電話では、表示部筐体の内部にスピーカが設けられ、そのスピーカの放音孔が表示部筐体の背面に設けられている。特許文献1に記載の携帯電話では、表示部筐体が操作部筐体に折り畳み可能とされているので、操作部筐体を机等の載置場所に載置して、表示部筐体を起こし上げれば、放音孔が載置場所に塞がられず、音量低下を招かない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−158565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、スピーカの設置箇所が制限されることによって、スピーカを操作部筐体の内部に設け、そのスピーカの放音孔を操作部筐体の背面に設けなければならないことがある。その場合、操作部筐体を載置場所に載置すると、放音孔が載置場所によって塞がれてしまい、音が遮断されて、音量低下を招く。
【0005】
そこで、本発明の課題は、筐体を載置場所に載置した場合であっても、音を遮断することなく、音量を確保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る筐体の放音構造は、
載置場所に載置される筐体と、
前記筐体内に収容されたスピーカと、
前記筐体の載置面に設けられた凹部と、
前記凹部内に設けられた前記スピーカの放音孔と、
前記凹部の縁に設けられ、前記凹部から前記筐体の載置面外に音を導く導音部と、
前記筐体の載置面の反対側である前記筐体の裏面に重ねられた第2筐体と、
前記第2筐体に連結されたヒンジケースと、
前記筐体の端部に設けられた一対の突出部と、
前記ヒンジケースの内部に配置され、前記筐体と前記第2筐体とを、前記第2筐体が、前記筐体の長手方向に平行な回転軸の周りにも、前記筐体の短手方向に平行な回転軸の周りにも回転できるように連結する2軸ヒンジユニットと、
前記筐体の長手方向端面と前記一対の突出部とによって画されて成る空間と接する、前記筐体の裏面の縁に形成された窪みと、を備え、
前記ヒンジケースが、前記筐体の端部との間に隙間を置いて前記一対の突出部の間に配置され、
前記導音部が、前記凹部から前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間に音を導き、その隙間に導かれた音がその隙間によって前記筐体の裏面側に導かれ、
前記第2筐体を、前記筐体の長手方向に平行な回転軸の周りに回転した状態において、前記窪みが、前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間によって前記筐体の裏面側に導かれた音を、その隙間の外に導くことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る電子機器は、本発明の第1の観点に係る筐体の放音構造を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明よれば、筐体を載置場所に載置した場合であっても、音が遮断されず、音量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成を示すもので、携帯電話の折り畳み状態を示した斜視図である。
【図2】図1の携帯電話を縦方向に開放した状態を示した斜視図である。
【図3】図1の携帯電話を横方向に開放した状態を示した斜視図である。
【図4】図1の携帯電話のムービースタイル状態を示した斜視図である。
【図5】図1の折り畳み状態でのヒンジユニットを示した図である。
【図6】図1の折り畳み状態での配線の仕方を示した図である。
【図7】図5のヒンジユニットと図6の配線を組み合わせた拡大斜視図である。
【図8】図7のヒンジユニットの折り畳み状態に対応した斜視図である。
【図9】図1の折り畳み状態の携帯電話を他端側から見た拡大図である。
【図10】図2の縦方向開放状態での画面とカメラの方向を示した図である。
【図11】図10と反対側から見た図である。
【図12】図2の縦方向開放状態での携帯電話を載置場所に載置した状態を示した斜視図である。
【図13】図8のヒンジユニットの縦方向開放状態に対応した図である。
【図14】図3の横方向開放状態でのブックスタイルを示した図である。
【図15】図8のヒンジユニットのブックスタイルに対応した図である。
【図16】図4のムービースタイルでの画面とカメラの方向を示した図である。
【図17】図16の上方向から見た平面図である。
【図18】図16のムービースタイルでの反対側から見た持ち方を示した図である。
【図19】図8のヒンジユニットのムービースタイルに対応した図である。
【図20】図1の折り畳み状態の携帯電話を斜め下から見た図面である。
【図21】図1の折り畳み状態の携帯電話を斜め下から見た図面である。
【図22】図1の携帯電話の下面側を拡大して示した図面である。
【図23】図1の携帯電話の第1筐体の長手方向に垂直な面の断面図である。
【図24】図1の折り畳み状態の携帯電話を斜め上から見た図面である。
【図25】図3の横方向開放状態でのブックスタイルの携帯電話を斜め上から見た図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
(実施形態)
図1から図4は本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成として携帯電話を示したもので、1は第1筐体、2は第2筐体、3はヒンジケース、4は操作部、5は表示部、6はアンテナ、7は入力部(撮影部)、8は照明部である。
【0012】
携帯電話は、図示のように、第1筐体1と第2筐体2とヒンジケース3は後述する2軸ヒンジユニット10を介して結合されている。第1筐体1には操作部4が設けられ、第2筐体2には表示部5及びアンテナ6が設けられ、ヒンジケース3には入力部としての撮影部7及び照明部8が設けられている。
【0013】
図5及び図8はヒンジケース3の内部に組み込まれる2軸ヒンジユニット10を示したもので、11は第1回転軸、12は第2回転軸、13はヒンジケース3のフレーム、21は第1取付部材、22は第2取付部材である。
【0014】
2軸ヒンジユニット10は、図示のように、左右一対の第1回転軸11と、右側の第2回転軸12と、中央のヒンジケース3のフレーム13と、第1回転軸11の各々に設けた左右一対の第1取付部材21と、第2回転軸12に設けた第2取付部材22とから構成される。
【0015】
すなわち、第1回転軸11は、軸線を左右方向に向けた中空状のもので、フレーム13の左右両側面にネジ止め固定したブラケット14の下部に軸受部材を介して各々回転自在に一体化されている。この第1回転軸11には、その軸線に対し直交方向に延びて第1筐体1の内部にネジ止め固定されるアーム状の第1取付部材21が各々圧入嵌合して一体化されている。この第1取付部材21の回転角度は、第1回転軸11の軸受部材との係合構造により約180度等に制限される。なお、図示左側の第1回転軸11は、90度等の所定角度に対応するクリック感が得られる軸受部材15を介してフレーム13に組み付けられている。
【0016】
そして、第2回転軸12は、軸線を前後方向に向けた中空状のもので、フレーム13の図示右側面のブラケット14の上部に一体に形成した突出部16に軸受部材を介して回転自在に一体化されている。この第2回転軸12には、その軸線に対し直交方向に延びて第2筐体2の内部にネジ止め固定されるアーム状の第2取付部材22が圧入嵌合して一体化されている。この第2取付部材22の回転角度は、第2回転軸12の外周に形成された溝12aに突出部16に設けられた係合片16aが係合することで制限される。
【0017】
図6は第1配線31及び第2配線32を示し、図7は2軸ヒンジユニット10と第1配線31及び第2配線32を組み合わせた図である。
【0018】
すなわち、第1配線31は、第1筐体1内の基板に接続されるコネクタ31aを一端に備えてヒンジケース3内の基板に接続されるコネクタ31cを他端に備えるもので、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通されている。
【0019】
そして、第2配線32は、第1筐体1内の基板に接続されるコネクタ32aを一端に備えて第2筐体2内の基板に接続されるコネクタ32bを他端に備えるもので、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通されている。
【0020】
また、第1筐体1内の基板に接続される端子33aを一端に備えて第2筐体2内の基板に接続される端子33bを他端に備えるアンテナ線33も、第2配線32と同様に、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通されている。
【0021】
図9は図1の折り畳み状態の携帯電話を他端側から見て拡大したもので、ヒンジケース3は下ケース34及び上ケース35から構成されていて、上ケース35より幅狭の下ケース34は第1筐体1の端部に形成した凹所1aに位置している。この下ケース34と第1筐体1の凹所1aの両側に位置する突出部1bとの間に第1回転軸11が貫通して、これにより、ヒンジケース3は第1筐体1に対し第1回転軸11を中心に縦方向に開閉可能である。
【0022】
また、図示のように、折り畳み状態において、上ケース35は第2筐体2の延長上に位置している。この上ケース35と第2筐体2との一側部の間に第2回転軸12が貫通して、これにより、第2筐体2はヒンジケース3に対し一側部の第2回転軸12を中心に横方向に開閉可能である。
【0023】
そして、下ケース34の上部左右には、上ケース35の開放部を閉じる第2の突出部34aが形成されており、この突出部34aの下面にゴム等の柔らかい材質の緩衝材によるバンパー23が設けられている。
【0024】
さらに、下ケース34の突出部34aと上ケース35の側面との間に、ロック解除ボタン24が組み付けられている。このロック解除ボタン24のスライド操作により、ヒンジケース3の端面から突出する方向にバネで付勢されて、第2筐体2の端面に形成された凹部(不図示)に係合するロック爪(不図示)を後退させてロックが解除される。
【0025】
先ず、図1及び図9は第1筐体1上に第1筐体2及びヒンジケース3の上ケース35を重ねて折り畳んだ状態を示したもので、図8はその折り畳み状態に対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、フレーム13から第1取付部材21及び第2取付部材22は同一方向に平行に向いている。
【0026】
次に、図2及び図10から図12は第1筐体1に対し第2筐体2及びヒンジケース3を、第1回転軸11を中心に縦方向に開放した通常オープンスタイルを示したもので、図10及び図11において、矢印Aで示す方向は撮影部7の向きを示し、矢印Bで示す方向は表示部5の画面の向きを示している。そして、図13はその通常オープンスタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、フレーム13に対し第1取付部材21と第2取付部材22が互いに反対方向に向いている。
【0027】
以上の通常オープンスタイルにおいて、第1筐体1に対し第2筐体2及びヒンジケース3を、第1回転軸11を中心に縦方向に開く際に、バンパー23は、第1筐体1の突出部1bの背面に当接して衝撃を緩衝する。
このように、通常オープンスタイルで緩衝するバンパー23は、デザイン性を考慮し、折り畳み状態においてヒンジケース3の内側面に設けられて外観から見えない位置に配置されている。
【0028】
次に、図3及び図14は第1筐体1及びヒンジケース3に対し第2筐体2を、第2回転軸12を中心に横方向に開放して表示部5を横長としたブックスタイルを示したもので、図15はそのブックスタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、折り畳み状態時におけるフレーム13及び第1取付部材21に対し第2取付部材22が一側方に向いている。
【0029】
次に、図4及び図16から図18は第1筐体1に対し第2筐体2及びヒンジケース3を、第1回転軸11を中心に90度回転して表示部5を横長としたムービースタイルを示したもので、図16及び図17において、矢印Aで示す方向は撮影部7の向きを示し、矢印Bで示す方向は表示部5の画面の向きを示している。そして、図19はそのムービースタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、折り畳み状態時におけるフレーム13及び第2取付部材22に対し第1取付部材21が直角方向に向いている。
【0030】
そして、ムービースタイル時においては、図16から図18に示すように、第1筐体1の上面でヒンジケース3に近い部分に設けたシャッターキー41及びズームキー42と、同じく第1筐体1の内側面で操作部4の上側に並んだサブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49が使用される。
【0031】
なお、サブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49の上に沿った部分には、その旨印刷表示されている。
【0032】
また、第1筐体1の内側面で操作部4の前後には上下方向に沿ってバンパー51・52が設けられている。このバンパー51・52は、第1筐体1に対し第2筐体2及びヒンジケース3を折り畳む際の衝撃を緩衝するもので、さらに、第1筐体1を構成する下ケース及び上ケースを合体固定するネジを隠すネジ隠しも兼用する。
【0033】
以上のムービースタイルにおいて、図18に仮想線で示したように、親指をバンパー51に沿わせて、ズームキー42に人差し指を、さらにシャッターキー41に中指をそれぞれ沿わせて右手で持つことができ、すなわち、右手で持ち易いグリップ感を具備したムービースタイルを実現できる。この場合、ヒンジケース3に近い側のバンパー51の表面には、親指に対し滑り止めとして機能するシボ加工が施されている。
【0034】
なお、第1筐体1のホワイトバランスキー48の上方に離間した部分にマイク穴53が設けられている。また、第2筐体2の表示部5と反対側の前面部の上部には左右一対のマイク穴54が設けられている。
【0035】
次に、以上のムービースタイル時において、撮影部7を有するヒンジケース3に対し表示部5を有する第2筐体2を、上部の第2回転軸12を中心に向こう側に回転すると、表示部5を下から見上げる斜め角度のハイアングルでムービー撮影時のファインダーとして見ることができる。また、第2筐体2を手前側に若干回転すると、表示部5を上から見下ろす斜め角度のローアングルでファインダーとして見ることができる。
【0036】
そして、第2筐体2をヒンジケース3に対し上部の第2回転軸12を中心に手前側に回転すると、図12に示すように、規制プレート17の下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の大径部19bの切り欠き部19cに入り込む。これにより、第1回転軸11の回転が規制される。
【0037】
以上において、ブックスタイル時には、図3及び図14に示したように、サブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49の上に沿った部分に設けられる印刷表示は第2筐体2により覆われて見辛くなっている。このため、その表示部5の下部に沿ってサブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49に対応した表示がなされる。
【0038】
また、折り畳み状態では、図8に示したように、2軸ヒンジユニット10のフレーム13から第1取付部材21及び第2取付部材22が同一方向に平行に向いており、第1筐体1と第2筐体2に対するネジ止め部が上下に位置するため、初期の重ねた際の両筐体1・2のズレを、組立工程の最後にチューニング(あるいはリペア)しやすいように工夫がなされている。
【0039】
この携帯電話は、縦開き・横開き両用型(ダブルオープン型)のものである。即ち、ヒンジケース3が2軸ヒンジユニット10の第1回転軸11を介して第1筐体1の長手方向端部に連結されているとともに、ヒンジケース3が2軸ヒンジユニット10の第2回転軸12を介して第2筐体2の長手方向端部に連結されている。ヒンジケース3は、2軸ヒンジユニット10の第1回転軸11によって、第1筐体1に対して、第1筐体1の長手方向端部において左右方向に伸びた軸線の周りに回転可能に設けられている。第2筐体2は、2軸ヒンジユニット10の第2回転軸12によって、ヒンジケース3に対して、ヒンジケース3の右側部において第2筐体2の長手方向に延びた軸線の周りに回転可能に設けられている。
【0040】
筐体の放音構造について説明する。
図20、図21は、携帯電話を閉じた状態の下面側を示した斜視図である。図22は、第1筐体1の下面1dを示した斜視図である。図23は、第1筐体1の長手方向に垂直な面の断面図である。
【0041】
図20〜図23に示すように、第1筐体1の長手方向一端部には、二股に分かれた左右一対の突出部1bが設けられている。これら突出部1bの突出する向きは、第1筐体1の下面1dに平行な向きであって第1筐体1の長手方向一端部から第1筐体1の長手方向に延長する向きである。これら突出部1bの先端は、丸めた状態に設けられている。
【0042】
これら突出部1bは左右に間隔をおいて配設され、空間としての凹所1aがこれら突出部1bの間に形成されている。この凹所1aは、第1筐体1の長手方向一端面1fと一対の突出部1bとによって画されて成る。
【0043】
図3に示すように、第2筐体2の表示部5が設けられた面であってヒンジケース3側の縁部分には、凸部2aが形成されている。第1筐体1の上面1gであって凹所1a側の縁部分には、窪み1hが形成されている。携帯電話を閉じた状態では、凸部2aが窪み1hに挿入される。
【0044】
一方、図20〜図23に示すように、第1筐体1の下面1dには、矩形状の凹部1cが形成されている。なお、第1筐体1の上面1gは、操作部4が設けられた面であり、第1筐体1の下面1dは、操作部4が設けられた面の反対面である。
【0045】
凹部1c内には放音孔1eが形成されている。具体的には、放音孔1eは凹部1cの底に形成されて、第1筐体1の内側まで貫通している。第1筐体1の内側であって放音孔1eに対向する位置には、スピーカ61が取り付けられている。
【0046】
凹部1cが第1筐体1の下面1dの凹所1a側の縁まで延設されている。そのため、第1筐体1の下面1dが載置場所に当接した場合、凹部1cの凹所1a側の縁部分には、載置場所に密着しない導音部1jが形成される。凹部1cと凹所1aが導音部1jを介して通じ、凹部1cと凹部1aの間に区切りが無い。
一方、凹部1cの左右両側の部分及び凹所1aの反対側の部分が第1筐体1の下面1dの縁まで延設されておらず、凹部1cの左右両側及び凹所1aの反対側が第1筐体1の下面1dによって囲まれている。そのため、凹部1cの左右両側の縁及び凹所1aの反対側の縁には、第1筐体1の下面1dと凹部1cの底との間の段差が有る。
【0047】
凹所1a内に配置された下ケース34は、凹所1aの左右両側の壁面に、つまり凹所1aの左右両側の突出部1bに当接している。一方、下ケース34は、第1筐体1の長手方向一端面1fから離れている。そのため、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間には第1の隙間が形成され、その第1の隙間が第1筐体1の下面1dから上面1gまで通じている。
【0048】
携帯電話を閉じた状態では、下ケース34の突出部34aと第1筐体1の突出部1bが上下に対向し、これら突出部1b,34aの間に第2の隙間が形成されている。また、携帯電話を閉じた状態では、下ケース34の下部が突出部1bの下面よりも僅かに下に突出しており、下ケース34の下面34b(撮影部7及び照明部8が設けられた面の反対面)と突出部1bの下面との間に段差が生じている。
【0049】
図24は、スピーカ61から出力された音の伝播する様子を矢印で示したものである。携帯電話を閉じた状態で第1筐体1の下面1dを載置場所に向けて、第1筐体1を載置場所に載置すると、第1筐体1の下面1dが載置場所に当接する。
【0050】
そうすると、第1筐体1の下面1dが載置場所に接触し、第1筐体1の下面1dが載置面となる。スピーカ61から出力された音が放音孔1eを通じて凹部1cに放音されるが、音が凹部1c内にこもることがない。凹部1cが第1筐体1の下面1dの凹所1a側の縁まで延設され、凹部1cと凹所1aが導音部1jによって連なっているためである。従って、放音孔1eから凹部1c内に放音された音は、導音部1jによって、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれる。なお、携帯電話を閉じた状態では、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間は、第2筐体2に形成された凸部2aによって部分的に塞がれるが、完全には塞がれない。
【0051】
突出部1bの先端部が丸められているので、突出部1bと載置場所との間には第3の隙間が形成される。そのため、導音部1jによって第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれた音は、突出部1bと載置場所との間の第3の隙間を通って矢印Cのように伝播する。従って、音が、第3の隙間からその外に導かれる。
【0052】
また、導音部1jによって第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれた音は、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間を通って第1筐体1の上面1g側に導かれる。第1筐体1の上面1g側に導かれた音は、矢印D、Eのように、下ケース34の突出部34aと第1筐体1の上面1gとの間の第2の隙間を通って第2の隙間の外に導かれる。
【0053】
第2回転軸12を中心にして第2筐体2をヒンジケース3に対して横方向に回転して、携帯電話をブックスタイルにすると、凸部2aが窪み1hから外れる。図25は、ブックスタイルにおける音の伝播する様子を矢印で示したものである。スピーカ61から凹部1cに放音された音は、導音部1jによって、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれる。導音部1jによって第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれた音は、矢印Fのように、突出部1bと載置場所との間の第3の隙間を通って第3の隙間の外に導かれる。また、導音部1jによって第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれた音は、矢印G、H、Jのように、下ケース34と第1筐体1の端面1fとの間の第1の隙間を通って第1筐体1の上面1g側に導かれる。特に、凹所1aの縁部分に窪み1hが形成されているから、音が矢印G、H、Jのように拡がる。そのため、表示部5に向き合って表示部5を見ているユーザにとっては正面から音が聞こえる。
【0054】
図12に示すように、第1回転軸12を中心にして第2筐体2及びヒンジケース3を第1筐体1に対して縦方向に回転して、携帯電話を通常オープンスタイルにする。この際、ヒンジケース3の上ケース35が突出部1bの上側から突出部1bの下側へ回り込み、ヒンジケース3の上ケース35が第1筐体1の下面1dから下方に突き出ている。そのため、第1筐体1の下面1dを載置場所Kに向けて、第1筐体1を載置場所Kに載置すると、上ケース35が載置場所Kに当たり、第1筐体1の下面1dが載置場所Kから浮いた状態になり、第1筐体1の下面1dと載置場所Kとの間に隙間が形成される。この状態でスピーカ61から音が出力されると、音が第1筐体1の左右両側に伝播する。
【0055】
以上、実施形態の携帯電話によれば、操作部4を有する第1筐体1と表示部5を有する第2筐体2とを重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて縦方向に開放させる第1回転軸11と、同様に横方向に開放させる第2回転軸12とを、撮影部7とともにヒンジケース3に収納した筐体構造で、第1筐体1と第2筐体2を縦方向に開放させた場合は、ヒンジケース3が第2筐体1とともに移動し、また、横方向に開放させた場合には、ヒンジケース3が第1筐体1とともに移動する構成としたことで、ムービースタイルにして、表示部5の画面を横長で見ながら撮影部7でムービー撮影することができる。
【0056】
さらに、ムービースタイル時において、撮影部7を有するヒンジケース3に対し表示部5を有する第2筐体2を、中央部の第2回転軸12を中心に回転して、ムービー撮影時のファインダーとしての表示部5を下から見上げる斜め角度のハイアングルとしたり、表示部5を上から見下ろす斜め角度のローアングルとすることもできる。
【0057】
また、2軸ヒンジユニット10は、第1回転軸11及び第2回転軸12がヒンジケース3のフレーム13に組み付けられ、第1回転軸11に一体の第1取付部材21が第1筐体1に組み付けられて、第2回転軸12に一体の第2取付部材22が第2筐体2に組み付けられる構成なので、強度的に優れている。
【0058】
そして、第1筐体1内に一端を固定されてヒンジケース3内に他端が固定される第1配線31を第1回転軸11の中空部内に通して、第1筐体1内に一端を固定されて第2筐体2内に他端が固定される第2配線32を第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通すことで、3つの筐体内の配線をすることができる。
【0059】
また、凹部1cが第1筐体1の下面1dの縁部分まで延設されているから、第1筐体2の下面1dを載置場所に面接触させても、スピーカ61の出力音が低減することなく外部に伝播し、音量を確保することができる。
【0060】
また、放音孔1eが第1筐体1の側面に形成されていないので、第1筐体1の側面のデザイン性が向上するとともに、操作ボタン、コネクタ等の設置スペースを第1筐体1の側面に確保することができる。
【0061】
(他の変形例)
なお、以上の実施形態においては、携帯電話としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、PDA、ノートパソコン、ウェアラブルパソコン、電卓、電子辞書などで、カメラを有するもの全ての機器に用いることができる。
また、ヒンジケースの入力部は撮影部以外にタッチキー、指紋認証部、その他の入力装置であってもよい。
また、筐体の形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
また、携帯電話は、いわゆるスライド型のように2つの筐体がスライド機構によって連結されたものでもよいし、いわゆる折り畳み型やリボルバー型のように一軸ヒンジユニットによって2つの筐体が連結されたものでもよいし、いわゆる回転二軸ヒンジ型のように二軸ヒンジユニットによって2つの筐体が連結されたものでもよい。また、いわゆるサイクロイド型であってもよいし、いわゆるストレート型であってもよい。
なお、折り畳み型の場合、例えば、ヒンジケース3と第2筐体2が一体に組み付けられてヒンジケース3と第2筐体2が固定され、軸線を左右方向に向けた回転軸が突出部1bと下ケース34との間を貫通し、突出部1bがその回転軸を中心にして下ケース34に対して回転可能に設けられている。そのため、携帯電話を図3のようにブックスタイルにすることができないが、図2のようにオープン状態にすることができる。
【0062】
上記の実施例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0063】
(付記1)
載置場所に載置される筐体と、
前記筐体内に収容されたスピーカと、
前記筐体の載置面に設けられた凹部と、
前記凹部内に設けられた前記スピーカの放音孔と、
前記凹部の縁に設けられ、前記凹部から前記筐体の載置面外に音を導く導音部と、を備えることを特徴とする筐体の放音構造。
【0064】
(付記2)
前記筐体の載置面の反対側である前記筐体の裏面に重ねられた第2筐体と、
前記第2筐体に連結されたヒンジケースと、
前記筐体の端部に二股に分かれた状態に設けられ、前記ヒンジケースに回転可能に連結された一対の突出部と、を更に備え、
前記ヒンジケースが、前記筐体の端部との間に隙間を置いて前記一対の突出部の間に配置され、
前記導音部が、前記凹部から前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間に音を導き、その隙間に導かれた音がその隙間によって前記筐体の裏面側に導かれることを特徴とする付記1に記載の筐体の放音構造。
【0065】
(付記3)
前記ヒンジケースに設けられ、前記筐体の裏面側で前記突出部に対向した第2突出部を更に備え、
前記突出部と前記第2突出部との間に第2隙間が形成され、前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間によって前記筐体の裏面側に導かれた音が前記第2隙間によって前記突出部と前記第2突出部との間の外に導かれることを特徴とする付記2に記載の筐体の放音構造。
【0066】
(付記4)
前記筐体の載置面を載置場所に載せた場合に、前記突出部と前記載置場所との間に第3隙間が形成され、前記導音部によって前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間に導かれた音が前記第3隙間によって前記突出部と前記載置場所との間の外に導かれることを特徴とする付記2又は3に記載の筐体の放音構造。
【0067】
(付記5)
前記第2筐体が前記ヒンジケースとともに前記筐体の裏面に重なった状態から回転させた場合に、前記ヒンジケースが前記筐体の載置面よりも突き出ることを特徴とする付記2から4の何れか一つに記載の筐体の放音構造。
【0068】
(付記6)
付記1から5の何れか一つに記載の筐体の放音構造を備えることを特徴とする電子機器。
【符号の説明】
【0069】
1 第1筐体
1a 凹所
1b 突出部
1c 下面(載置面)
1d 凹部
1f 端面
1g 上面(裏面)
1j 導音部
2 第2筐体
3 ヒンジケース
34a 突出部(第2突出部)
61 スピーカ
K 載置場所
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の放音構造及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の携帯電話では、表示部筐体の内部にスピーカが設けられ、そのスピーカの放音孔が表示部筐体の背面に設けられている。特許文献1に記載の携帯電話では、表示部筐体が操作部筐体に折り畳み可能とされているので、操作部筐体を机等の載置場所に載置して、表示部筐体を起こし上げれば、放音孔が載置場所に塞がられず、音量低下を招かない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−158565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、スピーカの設置箇所が制限されることによって、スピーカを操作部筐体の内部に設け、そのスピーカの放音孔を操作部筐体の背面に設けなければならないことがある。その場合、操作部筐体を載置場所に載置すると、放音孔が載置場所によって塞がれてしまい、音が遮断されて、音量低下を招く。
【0005】
そこで、本発明の課題は、筐体を載置場所に載置した場合であっても、音を遮断することなく、音量を確保できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る筐体の放音構造は、
載置場所に載置される筐体と、
前記筐体内に収容されたスピーカと、
前記筐体の載置面に設けられた凹部と、
前記凹部内に設けられた前記スピーカの放音孔と、
前記凹部の縁に設けられ、前記凹部から前記筐体の載置面外に音を導く導音部と、
前記筐体の載置面の反対側である前記筐体の裏面に重ねられた第2筐体と、
前記第2筐体に連結されたヒンジケースと、
前記筐体の端部に設けられた一対の突出部と、
前記ヒンジケースの内部に配置され、前記筐体と前記第2筐体とを、前記第2筐体が、前記筐体の長手方向に平行な回転軸の周りにも、前記筐体の短手方向に平行な回転軸の周りにも回転できるように連結する2軸ヒンジユニットと、
前記筐体の長手方向端面と前記一対の突出部とによって画されて成る空間と接する、前記筐体の裏面の縁に形成された窪みと、を備え、
前記ヒンジケースが、前記筐体の端部との間に隙間を置いて前記一対の突出部の間に配置され、
前記導音部が、前記凹部から前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間に音を導き、その隙間に導かれた音がその隙間によって前記筐体の裏面側に導かれ、
前記第2筐体を、前記筐体の長手方向に平行な回転軸の周りに回転した状態において、前記窪みが、前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間によって前記筐体の裏面側に導かれた音を、その隙間の外に導くことを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の観点に係る電子機器は、本発明の第1の観点に係る筐体の放音構造を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明よれば、筐体を載置場所に載置した場合であっても、音が遮断されず、音量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成を示すもので、携帯電話の折り畳み状態を示した斜視図である。
【図2】図1の携帯電話を縦方向に開放した状態を示した斜視図である。
【図3】図1の携帯電話を横方向に開放した状態を示した斜視図である。
【図4】図1の携帯電話のムービースタイル状態を示した斜視図である。
【図5】図1の折り畳み状態でのヒンジユニットを示した図である。
【図6】図1の折り畳み状態での配線の仕方を示した図である。
【図7】図5のヒンジユニットと図6の配線を組み合わせた拡大斜視図である。
【図8】図7のヒンジユニットの折り畳み状態に対応した斜視図である。
【図9】図1の折り畳み状態の携帯電話を他端側から見た拡大図である。
【図10】図2の縦方向開放状態での画面とカメラの方向を示した図である。
【図11】図10と反対側から見た図である。
【図12】図2の縦方向開放状態での携帯電話を載置場所に載置した状態を示した斜視図である。
【図13】図8のヒンジユニットの縦方向開放状態に対応した図である。
【図14】図3の横方向開放状態でのブックスタイルを示した図である。
【図15】図8のヒンジユニットのブックスタイルに対応した図である。
【図16】図4のムービースタイルでの画面とカメラの方向を示した図である。
【図17】図16の上方向から見た平面図である。
【図18】図16のムービースタイルでの反対側から見た持ち方を示した図である。
【図19】図8のヒンジユニットのムービースタイルに対応した図である。
【図20】図1の折り畳み状態の携帯電話を斜め下から見た図面である。
【図21】図1の折り畳み状態の携帯電話を斜め下から見た図面である。
【図22】図1の携帯電話の下面側を拡大して示した図面である。
【図23】図1の携帯電話の第1筐体の長手方向に垂直な面の断面図である。
【図24】図1の折り畳み状態の携帯電話を斜め上から見た図面である。
【図25】図3の横方向開放状態でのブックスタイルの携帯電話を斜め上から見た図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0011】
(実施形態)
図1から図4は本発明を適用した携帯機器の一実施形態の構成として携帯電話を示したもので、1は第1筐体、2は第2筐体、3はヒンジケース、4は操作部、5は表示部、6はアンテナ、7は入力部(撮影部)、8は照明部である。
【0012】
携帯電話は、図示のように、第1筐体1と第2筐体2とヒンジケース3は後述する2軸ヒンジユニット10を介して結合されている。第1筐体1には操作部4が設けられ、第2筐体2には表示部5及びアンテナ6が設けられ、ヒンジケース3には入力部としての撮影部7及び照明部8が設けられている。
【0013】
図5及び図8はヒンジケース3の内部に組み込まれる2軸ヒンジユニット10を示したもので、11は第1回転軸、12は第2回転軸、13はヒンジケース3のフレーム、21は第1取付部材、22は第2取付部材である。
【0014】
2軸ヒンジユニット10は、図示のように、左右一対の第1回転軸11と、右側の第2回転軸12と、中央のヒンジケース3のフレーム13と、第1回転軸11の各々に設けた左右一対の第1取付部材21と、第2回転軸12に設けた第2取付部材22とから構成される。
【0015】
すなわち、第1回転軸11は、軸線を左右方向に向けた中空状のもので、フレーム13の左右両側面にネジ止め固定したブラケット14の下部に軸受部材を介して各々回転自在に一体化されている。この第1回転軸11には、その軸線に対し直交方向に延びて第1筐体1の内部にネジ止め固定されるアーム状の第1取付部材21が各々圧入嵌合して一体化されている。この第1取付部材21の回転角度は、第1回転軸11の軸受部材との係合構造により約180度等に制限される。なお、図示左側の第1回転軸11は、90度等の所定角度に対応するクリック感が得られる軸受部材15を介してフレーム13に組み付けられている。
【0016】
そして、第2回転軸12は、軸線を前後方向に向けた中空状のもので、フレーム13の図示右側面のブラケット14の上部に一体に形成した突出部16に軸受部材を介して回転自在に一体化されている。この第2回転軸12には、その軸線に対し直交方向に延びて第2筐体2の内部にネジ止め固定されるアーム状の第2取付部材22が圧入嵌合して一体化されている。この第2取付部材22の回転角度は、第2回転軸12の外周に形成された溝12aに突出部16に設けられた係合片16aが係合することで制限される。
【0017】
図6は第1配線31及び第2配線32を示し、図7は2軸ヒンジユニット10と第1配線31及び第2配線32を組み合わせた図である。
【0018】
すなわち、第1配線31は、第1筐体1内の基板に接続されるコネクタ31aを一端に備えてヒンジケース3内の基板に接続されるコネクタ31cを他端に備えるもので、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通されている。
【0019】
そして、第2配線32は、第1筐体1内の基板に接続されるコネクタ32aを一端に備えて第2筐体2内の基板に接続されるコネクタ32bを他端に備えるもので、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通されている。
【0020】
また、第1筐体1内の基板に接続される端子33aを一端に備えて第2筐体2内の基板に接続される端子33bを他端に備えるアンテナ線33も、第2配線32と同様に、図7において右側の第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通されている。
【0021】
図9は図1の折り畳み状態の携帯電話を他端側から見て拡大したもので、ヒンジケース3は下ケース34及び上ケース35から構成されていて、上ケース35より幅狭の下ケース34は第1筐体1の端部に形成した凹所1aに位置している。この下ケース34と第1筐体1の凹所1aの両側に位置する突出部1bとの間に第1回転軸11が貫通して、これにより、ヒンジケース3は第1筐体1に対し第1回転軸11を中心に縦方向に開閉可能である。
【0022】
また、図示のように、折り畳み状態において、上ケース35は第2筐体2の延長上に位置している。この上ケース35と第2筐体2との一側部の間に第2回転軸12が貫通して、これにより、第2筐体2はヒンジケース3に対し一側部の第2回転軸12を中心に横方向に開閉可能である。
【0023】
そして、下ケース34の上部左右には、上ケース35の開放部を閉じる第2の突出部34aが形成されており、この突出部34aの下面にゴム等の柔らかい材質の緩衝材によるバンパー23が設けられている。
【0024】
さらに、下ケース34の突出部34aと上ケース35の側面との間に、ロック解除ボタン24が組み付けられている。このロック解除ボタン24のスライド操作により、ヒンジケース3の端面から突出する方向にバネで付勢されて、第2筐体2の端面に形成された凹部(不図示)に係合するロック爪(不図示)を後退させてロックが解除される。
【0025】
先ず、図1及び図9は第1筐体1上に第1筐体2及びヒンジケース3の上ケース35を重ねて折り畳んだ状態を示したもので、図8はその折り畳み状態に対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、フレーム13から第1取付部材21及び第2取付部材22は同一方向に平行に向いている。
【0026】
次に、図2及び図10から図12は第1筐体1に対し第2筐体2及びヒンジケース3を、第1回転軸11を中心に縦方向に開放した通常オープンスタイルを示したもので、図10及び図11において、矢印Aで示す方向は撮影部7の向きを示し、矢印Bで示す方向は表示部5の画面の向きを示している。そして、図13はその通常オープンスタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、フレーム13に対し第1取付部材21と第2取付部材22が互いに反対方向に向いている。
【0027】
以上の通常オープンスタイルにおいて、第1筐体1に対し第2筐体2及びヒンジケース3を、第1回転軸11を中心に縦方向に開く際に、バンパー23は、第1筐体1の突出部1bの背面に当接して衝撃を緩衝する。
このように、通常オープンスタイルで緩衝するバンパー23は、デザイン性を考慮し、折り畳み状態においてヒンジケース3の内側面に設けられて外観から見えない位置に配置されている。
【0028】
次に、図3及び図14は第1筐体1及びヒンジケース3に対し第2筐体2を、第2回転軸12を中心に横方向に開放して表示部5を横長としたブックスタイルを示したもので、図15はそのブックスタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、折り畳み状態時におけるフレーム13及び第1取付部材21に対し第2取付部材22が一側方に向いている。
【0029】
次に、図4及び図16から図18は第1筐体1に対し第2筐体2及びヒンジケース3を、第1回転軸11を中心に90度回転して表示部5を横長としたムービースタイルを示したもので、図16及び図17において、矢印Aで示す方向は撮影部7の向きを示し、矢印Bで示す方向は表示部5の画面の向きを示している。そして、図19はそのムービースタイルに対応した2軸ヒンジユニット10を示したものである。すなわち、折り畳み状態時におけるフレーム13及び第2取付部材22に対し第1取付部材21が直角方向に向いている。
【0030】
そして、ムービースタイル時においては、図16から図18に示すように、第1筐体1の上面でヒンジケース3に近い部分に設けたシャッターキー41及びズームキー42と、同じく第1筐体1の内側面で操作部4の上側に並んだサブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49が使用される。
【0031】
なお、サブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49の上に沿った部分には、その旨印刷表示されている。
【0032】
また、第1筐体1の内側面で操作部4の前後には上下方向に沿ってバンパー51・52が設けられている。このバンパー51・52は、第1筐体1に対し第2筐体2及びヒンジケース3を折り畳む際の衝撃を緩衝するもので、さらに、第1筐体1を構成する下ケース及び上ケースを合体固定するネジを隠すネジ隠しも兼用する。
【0033】
以上のムービースタイルにおいて、図18に仮想線で示したように、親指をバンパー51に沿わせて、ズームキー42に人差し指を、さらにシャッターキー41に中指をそれぞれ沿わせて右手で持つことができ、すなわち、右手で持ち易いグリップ感を具備したムービースタイルを実現できる。この場合、ヒンジケース3に近い側のバンパー51の表面には、親指に対し滑り止めとして機能するシボ加工が施されている。
【0034】
なお、第1筐体1のホワイトバランスキー48の上方に離間した部分にマイク穴53が設けられている。また、第2筐体2の表示部5と反対側の前面部の上部には左右一対のマイク穴54が設けられている。
【0035】
次に、以上のムービースタイル時において、撮影部7を有するヒンジケース3に対し表示部5を有する第2筐体2を、上部の第2回転軸12を中心に向こう側に回転すると、表示部5を下から見上げる斜め角度のハイアングルでムービー撮影時のファインダーとして見ることができる。また、第2筐体2を手前側に若干回転すると、表示部5を上から見下ろす斜め角度のローアングルでファインダーとして見ることができる。
【0036】
そして、第2筐体2をヒンジケース3に対し上部の第2回転軸12を中心に手前側に回転すると、図12に示すように、規制プレート17の下端部が第1回転軸11の端部外周のカム19の大径部19bの切り欠き部19cに入り込む。これにより、第1回転軸11の回転が規制される。
【0037】
以上において、ブックスタイル時には、図3及び図14に示したように、サブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49の上に沿った部分に設けられる印刷表示は第2筐体2により覆われて見辛くなっている。このため、その表示部5の下部に沿ってサブメニューキー43、画面表示切替キー44、A−MAT(音声ズーム)ON/OFFキー45、顔ピタON/OFFキー46、逆光補正キー47、ホワイトバランスキー48及び秒撮キー49に対応した表示がなされる。
【0038】
また、折り畳み状態では、図8に示したように、2軸ヒンジユニット10のフレーム13から第1取付部材21及び第2取付部材22が同一方向に平行に向いており、第1筐体1と第2筐体2に対するネジ止め部が上下に位置するため、初期の重ねた際の両筐体1・2のズレを、組立工程の最後にチューニング(あるいはリペア)しやすいように工夫がなされている。
【0039】
この携帯電話は、縦開き・横開き両用型(ダブルオープン型)のものである。即ち、ヒンジケース3が2軸ヒンジユニット10の第1回転軸11を介して第1筐体1の長手方向端部に連結されているとともに、ヒンジケース3が2軸ヒンジユニット10の第2回転軸12を介して第2筐体2の長手方向端部に連結されている。ヒンジケース3は、2軸ヒンジユニット10の第1回転軸11によって、第1筐体1に対して、第1筐体1の長手方向端部において左右方向に伸びた軸線の周りに回転可能に設けられている。第2筐体2は、2軸ヒンジユニット10の第2回転軸12によって、ヒンジケース3に対して、ヒンジケース3の右側部において第2筐体2の長手方向に延びた軸線の周りに回転可能に設けられている。
【0040】
筐体の放音構造について説明する。
図20、図21は、携帯電話を閉じた状態の下面側を示した斜視図である。図22は、第1筐体1の下面1dを示した斜視図である。図23は、第1筐体1の長手方向に垂直な面の断面図である。
【0041】
図20〜図23に示すように、第1筐体1の長手方向一端部には、二股に分かれた左右一対の突出部1bが設けられている。これら突出部1bの突出する向きは、第1筐体1の下面1dに平行な向きであって第1筐体1の長手方向一端部から第1筐体1の長手方向に延長する向きである。これら突出部1bの先端は、丸めた状態に設けられている。
【0042】
これら突出部1bは左右に間隔をおいて配設され、空間としての凹所1aがこれら突出部1bの間に形成されている。この凹所1aは、第1筐体1の長手方向一端面1fと一対の突出部1bとによって画されて成る。
【0043】
図3に示すように、第2筐体2の表示部5が設けられた面であってヒンジケース3側の縁部分には、凸部2aが形成されている。第1筐体1の上面1gであって凹所1a側の縁部分には、窪み1hが形成されている。携帯電話を閉じた状態では、凸部2aが窪み1hに挿入される。
【0044】
一方、図20〜図23に示すように、第1筐体1の下面1dには、矩形状の凹部1cが形成されている。なお、第1筐体1の上面1gは、操作部4が設けられた面であり、第1筐体1の下面1dは、操作部4が設けられた面の反対面である。
【0045】
凹部1c内には放音孔1eが形成されている。具体的には、放音孔1eは凹部1cの底に形成されて、第1筐体1の内側まで貫通している。第1筐体1の内側であって放音孔1eに対向する位置には、スピーカ61が取り付けられている。
【0046】
凹部1cが第1筐体1の下面1dの凹所1a側の縁まで延設されている。そのため、第1筐体1の下面1dが載置場所に当接した場合、凹部1cの凹所1a側の縁部分には、載置場所に密着しない導音部1jが形成される。凹部1cと凹所1aが導音部1jを介して通じ、凹部1cと凹部1aの間に区切りが無い。
一方、凹部1cの左右両側の部分及び凹所1aの反対側の部分が第1筐体1の下面1dの縁まで延設されておらず、凹部1cの左右両側及び凹所1aの反対側が第1筐体1の下面1dによって囲まれている。そのため、凹部1cの左右両側の縁及び凹所1aの反対側の縁には、第1筐体1の下面1dと凹部1cの底との間の段差が有る。
【0047】
凹所1a内に配置された下ケース34は、凹所1aの左右両側の壁面に、つまり凹所1aの左右両側の突出部1bに当接している。一方、下ケース34は、第1筐体1の長手方向一端面1fから離れている。そのため、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間には第1の隙間が形成され、その第1の隙間が第1筐体1の下面1dから上面1gまで通じている。
【0048】
携帯電話を閉じた状態では、下ケース34の突出部34aと第1筐体1の突出部1bが上下に対向し、これら突出部1b,34aの間に第2の隙間が形成されている。また、携帯電話を閉じた状態では、下ケース34の下部が突出部1bの下面よりも僅かに下に突出しており、下ケース34の下面34b(撮影部7及び照明部8が設けられた面の反対面)と突出部1bの下面との間に段差が生じている。
【0049】
図24は、スピーカ61から出力された音の伝播する様子を矢印で示したものである。携帯電話を閉じた状態で第1筐体1の下面1dを載置場所に向けて、第1筐体1を載置場所に載置すると、第1筐体1の下面1dが載置場所に当接する。
【0050】
そうすると、第1筐体1の下面1dが載置場所に接触し、第1筐体1の下面1dが載置面となる。スピーカ61から出力された音が放音孔1eを通じて凹部1cに放音されるが、音が凹部1c内にこもることがない。凹部1cが第1筐体1の下面1dの凹所1a側の縁まで延設され、凹部1cと凹所1aが導音部1jによって連なっているためである。従って、放音孔1eから凹部1c内に放音された音は、導音部1jによって、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれる。なお、携帯電話を閉じた状態では、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間は、第2筐体2に形成された凸部2aによって部分的に塞がれるが、完全には塞がれない。
【0051】
突出部1bの先端部が丸められているので、突出部1bと載置場所との間には第3の隙間が形成される。そのため、導音部1jによって第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれた音は、突出部1bと載置場所との間の第3の隙間を通って矢印Cのように伝播する。従って、音が、第3の隙間からその外に導かれる。
【0052】
また、導音部1jによって第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれた音は、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間を通って第1筐体1の上面1g側に導かれる。第1筐体1の上面1g側に導かれた音は、矢印D、Eのように、下ケース34の突出部34aと第1筐体1の上面1gとの間の第2の隙間を通って第2の隙間の外に導かれる。
【0053】
第2回転軸12を中心にして第2筐体2をヒンジケース3に対して横方向に回転して、携帯電話をブックスタイルにすると、凸部2aが窪み1hから外れる。図25は、ブックスタイルにおける音の伝播する様子を矢印で示したものである。スピーカ61から凹部1cに放音された音は、導音部1jによって、第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれる。導音部1jによって第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれた音は、矢印Fのように、突出部1bと載置場所との間の第3の隙間を通って第3の隙間の外に導かれる。また、導音部1jによって第1筐体1の端面1fと下ケース34との間の第1の隙間に導かれた音は、矢印G、H、Jのように、下ケース34と第1筐体1の端面1fとの間の第1の隙間を通って第1筐体1の上面1g側に導かれる。特に、凹所1aの縁部分に窪み1hが形成されているから、音が矢印G、H、Jのように拡がる。そのため、表示部5に向き合って表示部5を見ているユーザにとっては正面から音が聞こえる。
【0054】
図12に示すように、第1回転軸12を中心にして第2筐体2及びヒンジケース3を第1筐体1に対して縦方向に回転して、携帯電話を通常オープンスタイルにする。この際、ヒンジケース3の上ケース35が突出部1bの上側から突出部1bの下側へ回り込み、ヒンジケース3の上ケース35が第1筐体1の下面1dから下方に突き出ている。そのため、第1筐体1の下面1dを載置場所Kに向けて、第1筐体1を載置場所Kに載置すると、上ケース35が載置場所Kに当たり、第1筐体1の下面1dが載置場所Kから浮いた状態になり、第1筐体1の下面1dと載置場所Kとの間に隙間が形成される。この状態でスピーカ61から音が出力されると、音が第1筐体1の左右両側に伝播する。
【0055】
以上、実施形態の携帯電話によれば、操作部4を有する第1筐体1と表示部5を有する第2筐体2とを重ねて折り畳んだ状態から相対的に移動させて縦方向に開放させる第1回転軸11と、同様に横方向に開放させる第2回転軸12とを、撮影部7とともにヒンジケース3に収納した筐体構造で、第1筐体1と第2筐体2を縦方向に開放させた場合は、ヒンジケース3が第2筐体1とともに移動し、また、横方向に開放させた場合には、ヒンジケース3が第1筐体1とともに移動する構成としたことで、ムービースタイルにして、表示部5の画面を横長で見ながら撮影部7でムービー撮影することができる。
【0056】
さらに、ムービースタイル時において、撮影部7を有するヒンジケース3に対し表示部5を有する第2筐体2を、中央部の第2回転軸12を中心に回転して、ムービー撮影時のファインダーとしての表示部5を下から見上げる斜め角度のハイアングルとしたり、表示部5を上から見下ろす斜め角度のローアングルとすることもできる。
【0057】
また、2軸ヒンジユニット10は、第1回転軸11及び第2回転軸12がヒンジケース3のフレーム13に組み付けられ、第1回転軸11に一体の第1取付部材21が第1筐体1に組み付けられて、第2回転軸12に一体の第2取付部材22が第2筐体2に組み付けられる構成なので、強度的に優れている。
【0058】
そして、第1筐体1内に一端を固定されてヒンジケース3内に他端が固定される第1配線31を第1回転軸11の中空部内に通して、第1筐体1内に一端を固定されて第2筐体2内に他端が固定される第2配線32を第1回転軸11の中空部内に通して第2回転軸12の中空部内に通すことで、3つの筐体内の配線をすることができる。
【0059】
また、凹部1cが第1筐体1の下面1dの縁部分まで延設されているから、第1筐体2の下面1dを載置場所に面接触させても、スピーカ61の出力音が低減することなく外部に伝播し、音量を確保することができる。
【0060】
また、放音孔1eが第1筐体1の側面に形成されていないので、第1筐体1の側面のデザイン性が向上するとともに、操作ボタン、コネクタ等の設置スペースを第1筐体1の側面に確保することができる。
【0061】
(他の変形例)
なお、以上の実施形態においては、携帯電話としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、PDA、ノートパソコン、ウェアラブルパソコン、電卓、電子辞書などで、カメラを有するもの全ての機器に用いることができる。
また、ヒンジケースの入力部は撮影部以外にタッチキー、指紋認証部、その他の入力装置であってもよい。
また、筐体の形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
また、携帯電話は、いわゆるスライド型のように2つの筐体がスライド機構によって連結されたものでもよいし、いわゆる折り畳み型やリボルバー型のように一軸ヒンジユニットによって2つの筐体が連結されたものでもよいし、いわゆる回転二軸ヒンジ型のように二軸ヒンジユニットによって2つの筐体が連結されたものでもよい。また、いわゆるサイクロイド型であってもよいし、いわゆるストレート型であってもよい。
なお、折り畳み型の場合、例えば、ヒンジケース3と第2筐体2が一体に組み付けられてヒンジケース3と第2筐体2が固定され、軸線を左右方向に向けた回転軸が突出部1bと下ケース34との間を貫通し、突出部1bがその回転軸を中心にして下ケース34に対して回転可能に設けられている。そのため、携帯電話を図3のようにブックスタイルにすることができないが、図2のようにオープン状態にすることができる。
【0062】
上記の実施例の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0063】
(付記1)
載置場所に載置される筐体と、
前記筐体内に収容されたスピーカと、
前記筐体の載置面に設けられた凹部と、
前記凹部内に設けられた前記スピーカの放音孔と、
前記凹部の縁に設けられ、前記凹部から前記筐体の載置面外に音を導く導音部と、を備えることを特徴とする筐体の放音構造。
【0064】
(付記2)
前記筐体の載置面の反対側である前記筐体の裏面に重ねられた第2筐体と、
前記第2筐体に連結されたヒンジケースと、
前記筐体の端部に二股に分かれた状態に設けられ、前記ヒンジケースに回転可能に連結された一対の突出部と、を更に備え、
前記ヒンジケースが、前記筐体の端部との間に隙間を置いて前記一対の突出部の間に配置され、
前記導音部が、前記凹部から前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間に音を導き、その隙間に導かれた音がその隙間によって前記筐体の裏面側に導かれることを特徴とする付記1に記載の筐体の放音構造。
【0065】
(付記3)
前記ヒンジケースに設けられ、前記筐体の裏面側で前記突出部に対向した第2突出部を更に備え、
前記突出部と前記第2突出部との間に第2隙間が形成され、前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間によって前記筐体の裏面側に導かれた音が前記第2隙間によって前記突出部と前記第2突出部との間の外に導かれることを特徴とする付記2に記載の筐体の放音構造。
【0066】
(付記4)
前記筐体の載置面を載置場所に載せた場合に、前記突出部と前記載置場所との間に第3隙間が形成され、前記導音部によって前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間に導かれた音が前記第3隙間によって前記突出部と前記載置場所との間の外に導かれることを特徴とする付記2又は3に記載の筐体の放音構造。
【0067】
(付記5)
前記第2筐体が前記ヒンジケースとともに前記筐体の裏面に重なった状態から回転させた場合に、前記ヒンジケースが前記筐体の載置面よりも突き出ることを特徴とする付記2から4の何れか一つに記載の筐体の放音構造。
【0068】
(付記6)
付記1から5の何れか一つに記載の筐体の放音構造を備えることを特徴とする電子機器。
【符号の説明】
【0069】
1 第1筐体
1a 凹所
1b 突出部
1c 下面(載置面)
1d 凹部
1f 端面
1g 上面(裏面)
1j 導音部
2 第2筐体
3 ヒンジケース
34a 突出部(第2突出部)
61 スピーカ
K 載置場所
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置場所に載置される筐体と、
前記筐体内に収容されたスピーカと、
前記筐体の載置面に設けられた凹部と、
前記凹部内に設けられた前記スピーカの放音孔と、
前記凹部の縁に設けられ、前記凹部から前記筐体の載置面外に音を導く導音部と、
前記筐体の載置面の反対側である前記筐体の裏面に重ねられた第2筐体と、
前記第2筐体に連結されたヒンジケースと、
前記筐体の端部に設けられた一対の突出部と、
前記ヒンジケースの内部に配置され、前記筐体と前記第2筐体とを、前記第2筐体が、前記筐体の長手方向に平行な回転軸の周りにも、前記筐体の短手方向に平行な回転軸の周りにも回転できるように連結する2軸ヒンジユニットと、
前記筐体の長手方向端面と前記一対の突出部とによって画されて成る空間と接する、前記筐体の裏面の縁に形成された窪みと、を備え、
前記ヒンジケースが、前記筐体の端部との間に隙間を置いて前記一対の突出部の間に配置され、
前記導音部が、前記凹部から前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間に音を導き、その隙間に導かれた音がその隙間によって前記筐体の裏面側に導かれ、
前記第2筐体を、前記筐体の長手方向に平行な回転軸の周りに回転した状態において、前記窪みが、前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間によって前記筐体の裏面側に導かれた音を、その隙間の外に導くことを特徴とする筐体の放音構造。
【請求項2】
請求項1に記載の筐体の放音構造を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
載置場所に載置される筐体と、
前記筐体内に収容されたスピーカと、
前記筐体の載置面に設けられた凹部と、
前記凹部内に設けられた前記スピーカの放音孔と、
前記凹部の縁に設けられ、前記凹部から前記筐体の載置面外に音を導く導音部と、
前記筐体の載置面の反対側である前記筐体の裏面に重ねられた第2筐体と、
前記第2筐体に連結されたヒンジケースと、
前記筐体の端部に設けられた一対の突出部と、
前記ヒンジケースの内部に配置され、前記筐体と前記第2筐体とを、前記第2筐体が、前記筐体の長手方向に平行な回転軸の周りにも、前記筐体の短手方向に平行な回転軸の周りにも回転できるように連結する2軸ヒンジユニットと、
前記筐体の長手方向端面と前記一対の突出部とによって画されて成る空間と接する、前記筐体の裏面の縁に形成された窪みと、を備え、
前記ヒンジケースが、前記筐体の端部との間に隙間を置いて前記一対の突出部の間に配置され、
前記導音部が、前記凹部から前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間に音を導き、その隙間に導かれた音がその隙間によって前記筐体の裏面側に導かれ、
前記第2筐体を、前記筐体の長手方向に平行な回転軸の周りに回転した状態において、前記窪みが、前記ヒンジケースと前記筐体の端部との間の隙間によって前記筐体の裏面側に導かれた音を、その隙間の外に導くことを特徴とする筐体の放音構造。
【請求項2】
請求項1に記載の筐体の放音構造を備えることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−102528(P2013−102528A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−13725(P2013−13725)
【出願日】平成25年1月28日(2013.1.28)
【分割の表示】特願2009−114244(P2009−114244)の分割
【原出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月28日(2013.1.28)
【分割の表示】特願2009−114244(P2009−114244)の分割
【原出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]