説明

筐体支持脚

【課題】筐体支持脚の周辺に水がたまり、切断面である固定部材の端面がさびていた。
【解決手段】表面及び裏面が防錆処理された金属製の筐体支持脚1であって、前記設備機器に当接する受け部2と、設置面である基礎5に当接し、両端が切断面で形成されている固定部4と、を有し、固定部4は、基礎5に当接する凸部8を備えるとともに、前記両端の切断面が基礎5と隙間を有するように構成されているので、切断面7が雨水の滞留する基礎面と凸部によって一定に距離を保てるため水切れがよくなって乾燥しやすくなるため切断面のさびの進行を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムなどの設備機器を設置するための筺体支持脚に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体支持脚は燃料電池システムなどの設備機器の筐体の最下部に設けてあり、筐体とは強固に一体に固定されている。筺体支持脚は、設備機器が上に載せられて、設備機器をコンクリートなどの地面である設置面から浮かして支持し、雨水などが設備機器本体に流入するのを防止するとともに転倒を防ぐための支えの役目を果たしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図3は、特許文献1に記載された従来の筐体指示脚の構造を示すものである。
【0004】
図3(a)および図3(a)のA−A断面を示す図3(b)に示すように、筐体支持脚101は板金をプレス加工で断面を略矩形に加工し、受け部101aで筐体105を受け、固定部101bで設置面である基礎104に固定されて重量に耐えるような構造になっている。材料の板金は雨水などによって錆びないように両面102は防錆処理(メッキ処理)された鋼板が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−155284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成の筐体支持脚101の板金材料は両面102が防錆処理されているメッキ処理鋼板が使用されるが、筐体支持脚101は防錆処理を施した板金をプレス加工で打ち抜いて略矩形に曲げ加工されるので端面103には防錆処理がなされていない。このために基礎104と接触する部分の固定部101bの端面103は基礎104に滞留した雨水に長時間さらされ、端面103錆びが進行するという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、基礎104と接触する板金の切断面103と雨水との接触時間を軽減し、端面103の錆びの進行を防ぐ固定部材101を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、
設備機器を設置面に設置するための、表面及び裏面が防錆処理された金属製の筐体支持脚であって、
前記設備機器に当接する受け部と、
前記設置面に当接し、両端が切断面で形成されている固定部と、
を有し、
前記固定部は、設置面に当接する凸部を有しているとともに、前記両端の切断面が設置面と隙間を有するように構成されている。
【0009】
上記構成により、切断面が雨水の滞留する設置面と凸部の高さによって一定に距離を保てるため、水切れがよくなって端面が乾燥しやすいので防錆処理の施されていない端面の
さびの進行を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の筐体支持脚は、塗装などの後処理をすることなく、両端の切断面が長時間雨水にさらされることがなくなり切断面のさびの進行を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における筐体支持脚の構成を示す正面図、(b)本発明の実施の形態1における筐体支持脚の構成を示す正面図のA−A断面図
【図2】本発明の実施の形態2における筐体支持脚の構成を示す正面図
【図3】(a)従来の筐体支持脚の構成を示す正面図、(b)従来の筐体支持脚の構成を示す正面図のB−B断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、
設備機器を設置面に設置するための、表面及び裏面が防錆処理された金属製の筐体支持脚であって、
前記設備機器に当接する受け部と、
前記設置面に当接し、両端が切断面で形成されている固定部と、
を有し、
前記固定部は、設置面に当接する凸部を有しているとともに、前記両端の切断面が設置面と隙間を有するように構成されている筺体支持脚である。
【0013】
上記構成により、切断面が雨水の滞留する基礎面と凸部によって一定に距離を保つことができ、水切れがよくなって乾燥しやすくなるため、切断面のさびの進行を防ぐことができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記凹部は、前記固定部に複数形成されている、筐体支持脚である。
【0015】
この構成により、設置面との接触面積が少なくすることができ、筐体支持脚と設置面との隙間に滞留した雨水の排出と通風で雨水の蒸発を促進させることとなり、端面が乾燥しやすく、端面のさびの進行を防ぐことができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素のみを抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している。
【0017】
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態における筐体支持脚の正面を示すものである。図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図を示している。
【0018】
図1(a)および(b)において、筐体支持脚1は受け部2に設備機器3、たとえば燃料電池システムを上載しており、設備機器3に強固に固定されている。固定部4は設備機器3が設置される設置面である基礎5と凸部8で当接し、設備機器3を安定して支えている。
【0019】
基礎5は地面に穴を掘り、コンクリートを流し込んで上面6を水平に保って固めてあり
、設備機器3の重量に長期間耐えられるよう構成されている。
【0020】
筐体支持脚1は、板金の両面を防錆処理(たとえばメッキ処理)したメッキ処理鋼板をプレス加工されているので、両端の切断面7は、防錆処理がなされておらず長時間雨水と接触しているとさびが発生するので好ましくない。
【0021】
固定部4には基礎5の上面6に向かって凸部8が設けてあり、上面6と当接しているので固定部4の切断面7は上面6と凸部8の高さ分だけ隙間を設けることができるので上面6に滞留した雨水に切断面7が長時間接することを防ぐことができる。
【0022】
また、雨水がなくなった後、基礎5に含まれた水分が蒸発する時も切断面7に湿気がとどまることを防ぐことができるのでさびの発生を防ぐことに有効である。
【0023】
次に図1(a)および(b)を用いて筐体支持脚1の作用を説明する。
【0024】
固定部4には基礎5の上面6に向かって凸部8が設けてあり上面6と当接しているので固定部4の切断面7は上面6と凸部8の高さ分だけ隙間を設けることができるので上面6に滞留した雨水に切断面7が浸漬することを防ぐことができる。
【0025】
以上のように、本実施の形態においては、筐体支持脚1周囲の基礎上の雨水を防錆処理の施されていない端面からすばやく排出、乾燥し端面の錆びの進行を防ぐ。
【0026】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における筐体支持脚の正面図である。図2において、筐体支持脚1は、固定部4に凸部8が複数個形成されている。
【0027】
複数の凸部8と凸部8の中間の空間9は、基礎5と距離を保てるので基礎5の上面6と筐体支持脚1の接触境界面10に毛細管現象で入り込んだ雨水の排出を良くするとともに空気の流れることが可能となり基礎5にしみこんだ水分の蒸発を促進するので切断面7における錆びの進行を防ぐことに有効である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のように、本発明にかかる筐体支持脚は、防錆処理の施されていない端面(表面処理鋼板の切断面)が基礎表面に滞留した雨水に長時間接触することなくなり錆びの進行を防ぐことが可能となるので、塗装処理なども不要となり、燃料電池システム、給湯タンク、エアコンの室外機など、様々な設備機器の支持脚として適用できる。
【符号の説明】
【0029】
1 筐体支持脚
2 受け部
3 設備機器
4 固定部
5 基礎(設置面)
7 切断面
8 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器を設置面に設置するための、表面及び裏面が防錆処理された金属製の筐体支持脚であって、
前記設備機器に当接する受け部と、
前記設置面に当接し、両端が切断面で形成されている固定部と、
を有し、
前記固定部は、設置面に当接する凸部を備えるとともに、前記両端の切断面が設置面と隙間を有するように構成されている、
筐体支持脚。
【請求項2】
前記凸部は、前記固定部に複数形成されている、
請求項1に記載の筐体支持脚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−98002(P2012−98002A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248073(P2010−248073)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】