説明

筒状ラベル付き角型容器、及び筒状ラベル連続体

【課題】 本発明は、ラベルを分断し易くしつつ、落下などの衝撃によるラベルの破断を防止できる筒状ラベル付き角型容器を提供することを課題とする。
【解決手段】
隣合うパネル面5の接続角部が面取され、この角部にパネル面5よりも幅狭のコーナー面6が形成されている胴部22を有する角型容器2と、この胴部22に装着されている熱収縮性筒状ラベル3と、を備え、筒状ラベル3にラベル分断用の易開裂線7が形成されている筒状ラベル付き角型容器であって、筒状ラベル3の易開裂線7が、一のパネル面5’の両側に位置する各コーナー面6,6に対応する領域にそれぞれ形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル分断用ミシン目などの易開裂線が少なくとも2本形成されている筒状ラベル付き角型容器、及び筒状ラベル連続体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料容器などの種々の容器にラベルが装着されたラベル付き容器が広く用いられている。それらの中で、水平断面が略四角形状などの多角形状の合成樹脂製の角型容器に、熱収縮性筒状ラベルが装着された筒状ラベル付き角型容器がある。具体的には、この種の容器は、例えば、特開2002−196677に示すように、4つのパネル面の接続角部が面取され、この角部にパネル面よりも幅狭のコーナー面が4つ形成されている胴部を有する角型容器に、筒状ラベルが熱収縮により装着されており、ラベルの装着態様に応じて、フルシュリンクタイプ、セミフルシュリンクタイプ、ハーフシュリンクタイプのものが知られている。かかる筒状ラベルには、同公報の図1に示すように、リサイクル時にラベルを分断するため、角型容器のコーナー面に対応する領域に1本のミシン目が長手(上下)方向に形成されている。
しかしながら、ミシン目が1本だけでは、ラベルを分断し難いという問題点がある。
そこで、2本のミシン目が長手方向に形成されている筒状ラベルも知られている。
【0003】
しかしながら、角型容器のコーナー面は比較的幅が狭く、従って、この種の角型容器に装着される筒状ラベルについて、1つのコーナー面に対応する領域に2本のミシン目を形成することは作製上困難である。また、1つのコーナー面に対応する領域に2本のミシン目を形成したとしても、2本のミシン目の間隔が狭くならざるを得ず、このミシン目の間を摘んでラベルを分断することは難しい。特に、非常に小径の首部にまで装着するフルシュリンクタイプのものにあっては、ラベルの上縁部が大きく収縮するため、2本のミシン目の間隔は実質的に殆ど無くなってしまう。
この点、2本のミシン目のうち1本をコーナー面に対応する領域に、他の1本をパネル面に対応する領域に形成することも考えられる。しかしながら、角型容器のパネル面は比較的撓みやすく、このパネル面に対応する領域にミシン目が形成されていると、落下などによって容器に衝撃が加わることにより、ミシン目からラベルが破断する虞がある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−196677 [0002]〜[0004]、図1及び図4〜図6など
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、ラベルを分断し易くしつつ、落下などの衝撃によるラベルの破断を防止できる筒状ラベル付き角型容器、及び筒状ラベル連続体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、隣合うパネル面の接続角部が面取され、この角部にパネル面よりも幅狭のコーナー面が形成されている胴部を有する角型容器と、この胴部に装着されている熱収縮性筒状ラベルと、を備え、筒状ラベルにラベル分断用の易開裂線が形成されている筒状ラベル付き角型容器であって、筒状ラベルの易開裂線が、一のパネル面の両側に位置する各コーナー面に対応する領域にそれぞれ形成されている筒状ラベル付き角型容器を提供する。
【0007】
上記筒状ラベル付き角型容器は、一のパネル面の両側に位置する各コーナー面に対応する領域に、ラベル分断用の易開裂線がそれぞれ形成されているので、この2本の易開裂線の間隔は十分に確保されている。従って、2本の易開裂線の間に於ける筒状ラベルの上縁部を摘んで引き裂くことにより、ラベルを容易に分断することができる。
また、これら易開裂線は、コーナー面に対応する領域に設けられているので、容器に衝撃が加わってもラベルが不用意に破断し難く、ラベル強度を低下させる原因とならない。
【0008】
また、本発明の第2の手段は、可撓性フィルムからなる筒状体を扁平状に折り畳むことにより、向かい合う2本の折り目が長手方向に形成されている筒状ラベル連続体であって、2本の折り目のうち少なくとも何れか一方の折り目の近傍位置に、ラベル分断用の易開裂線が長手方向に形成されており、さらに、この一方の折り目から筒状体の周方向へ90度回転した位置の近傍に、ラベル分断用の易開裂線が長手方向に形成されている筒状ラベル連続体を提供する。
【0009】
一般に、扁平状の筒状ラベル連続体は、容器に嵌挿する前に、2本の折り目を重ね合わせるようにして折り直しが行われ、これによって折り目から筒状体の周方向に90度回転した位置に、再折り目が2本それぞれ形成される。この折り直しを行うことにより、折り目と再折り目において折れ曲がり易くなり、容器に嵌挿する際に、筒状ラベルを四角形状に開口させることができる。
そして、本発明の筒状ラベル連続体は、一方の折り目の近傍位置に、ラベル分断用の易開裂線が長手方向に形成され、この折り目から筒状体の周方向へ90度回転した位置の近傍にラベル分断用の易開裂線が長手方向に形成されているので、上記のように折り直しを行った際、折り目と再折り目の近傍に、それぞれ易開裂線が位置することとなる。かかる筒状ラベルを四角形状に開口させ、折り目と再折り目の間の各辺中央部が、4つのパネル面間にコーナー面の形成された容器胴部の該各パネル面に面するように、筒状ラベルを嵌挿し熱収縮させることにより、一のパネル面の両側に位置する両コーナー面の対応領域に、易開裂線がそれぞれ配置された筒状ラベル付き角型容器を製造することができる。
【0010】
また、本発明の第3の手段は、可撓性フィルムからなる筒状体を扁平状に折り畳むことにより、向かい合う2本の折り目が長手方向に形成されている筒状ラベル連続体であって、2本の折り目のうち少なくとも何れか一方の折り目を基準として、又は一方の折り目から筒状体の周方向へ90度の回転した位置を基準として、筒状体の周方向両側へ45度回転したそれぞれの位置又はその近傍に、ラベル分断用の易開裂線が長手方向にそれぞれ形成されている筒状ラベル連続体を提供する。
【0011】
かかる本発明の筒状ラベル連続体は、一方の折り目を基準として、又は一方の折り目から筒状体の周方向へ90度の回転した位置を基準として、筒状体の周方向両側へ45度回転したそれぞれの位置又はその近傍に、ラベル分断用の易開裂線が長手方向に形成されているので、上記のように折り直しを行った際、折り目と再折り目の中央部近傍に、それぞれ易開裂線が位置することとなる。かかる筒状ラベルを四角形状に開口させ、折り目と再折り目の間の各辺中央部が上記容器胴部の各コーナー面に面するように、筒状ラベルを嵌挿し熱収縮させることにより、一のパネル面の両側に位置するコーナー面の対応領域に、易開裂線がそれぞれ配置された筒状ラベル付き角型容器を製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の筒状ラベル付き角型容器は、筒状ラベルの上縁部(又は下縁部)を掴み、2本の易開裂線に沿ってラベルを分断することができる。従って、容器やラベルのリサイクル容易な筒状ラベル付き角型容器を提供できる。また、易開裂線は、角型容器のコーナー面の対応領域に設けられいるので、容器に衝撃などが加わっても易開裂線から不用意にラベルが破断する虞がない。
また、本発明の筒状ラベル連続体は、ラベル装着時に折り返し作業を行うことにより、ラベル分断容易で且つ不用意に破断を生じない上記筒状ラベル付き角型容器を簡易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1に於いて、1は、隣合うパネル面5の接続角部が面取され且つこの接続角部に幅狭のコーナー面6がそれぞれ形成されている胴部22を有する角型容器2と、この容器胴部に熱収縮により装着されている筒状ラベル3と、を備える筒状ラベル付き角型容器を示す。
【0014】
具体的には、角型容器2は、例えば、図2に示すように、底面部21、これに続く中空四角状の胴部22、この胴部22から次第に細くなる肩部23が形成され、更に、この肩部23の上方に伸びる首部24が形成され、この首部24に注出口を開閉するネジキャップ25が取り付けられている。容器胴部22の水平断面形状は、略正方形などの略四角形に形成されている。具体的には、容器胴部22は、主として4つのパネル面5を直交方向に組み合わせた基本態様からなり、隣合うパネル面5の接続部分に生じる直角部を面取するように、隣合うパネル面5の間にコーナー面6が形成されている。このコーナー面6は、パネル面5よりも幅(胴部22の周方向に於ける長さ)が狭く、パネル面5に対して45度の角度を以て一体的に形成されている。かかるパネル面5及びコーナー面6は、肩部23にまで形成されている。尚、図中、51は、パネル面5に形成されたリブであり、内側に向けて突設されている。このリブ51は、リブ51に囲まれた部分と共に、容器の内圧変化に対応可能となっている。
容器2の材質は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができるが、特に、可撓性のある容器に本発明を適用することが効果的である。可撓性のある容器としては、一般にはポリエチレンテレフタレート製容器などの比較的薄肉の合成樹脂製容器などが例示される。
【0015】
次に、筒状ラベル3は、可撓性のある柔軟なラベル基材の両側端部を重ね合わせ、センターシール部31が形成された筒状体32からなる。
筒状ラベル3は、熱収縮性を有するフィルムで形成されていれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂フィルム、発泡樹脂シートなどからから選ばれる熱収縮性フィルム、若しくはこれらの積層フィルム、又はこれら熱収縮性フィルムと他の機能性フィルムとの積層フィルムなどが例示される。フィルムは、幅方向(筒状ラベルとした場合に周方向)に大きく熱収縮するものが用いられ、加えて、縦方向(幅方向と直交する方向)にも僅かに熱収縮するものを用いることもできる。図1に示す態様のものは、容器2の首部24の上端にまで装着するフルシュリンクタイプであることから、筒状ラベル3は、周方向に於ける熱収縮率(90℃の温水中に10秒間浸漬)が、例えば50%以上、好ましくは60%以上のものが好ましい。また、縦方向の熱収縮率は、0〜10%、好ましくは0〜6%程度のものが用いられる。尚、特に図示しないが、筒状ラベル3の裏面又は表面には、商品名などを表示するための意匠印刷が施されている。
【0016】
さらに、筒状ラベル3には、2本のラベル分断用のミシン目7,7(易開裂線)が長手方向に形成されている。各ミシン目7,7は筒状ラベル3の上下縁部に至るまで形成されている。この2本のミシン目7,7のうち一方のミシン目7は、センターシール部31の近傍位置に略平行に形成されている。他方のミシン目7は、一方のミシン目7をコーナー面6に対応する領域に位置させた状態で筒状ラベル3を容器2に装着した際、このコーナー面6と一のパネル面5’を挟んだコーナー面6に対応する領域に位置するように形成されている。従って、2本のミシン目7,7は、一のパネル面5’の両側に位置する各コーナー面6,6に対応する領域にそれぞれ形成されていると共に、該2本のミシン目7,7の間にセンターシール部31が配置されている。
【0017】
2本のミシン目7,7は、上記のようにコーナー面6の対応領域の範囲内にそれぞれ形成されていれば良いが、中でも2本のミシン目7,7の何れもが一のパネル面5’寄りに形成されていることが好ましい。
具体的には、2本のミシン目7,7の形成位置としては、図3(a)に示すように、他のパネル面5”と両コーナー面6,6との間に形成される外側鈍角部22a,22aに沿った位置に、2本のミシン目7,7がそれぞれ形成された態様のもの、同図(b)のように、両コーナー面6,6の中央部22bに沿った位置に、2本のミシン目7,7がそれぞれ形成されたもの、同図(c)のように、一のパネル面5’と両コーナー面6,6との間に形成される内側鈍角部22c,22cに沿った位置に、2本のミシン目7,7がそれぞれ形成された態様のもの、同図(d)のように、外側鈍角部22aとコーナー面6の中央部22bとの間に対応した位置に、2本のミシン目7,7が形成された態様のもの、同図(e)のように、コーナー面6の中央部22bと内側鈍角部22cとの間に対応した位置に、2本のミシン目7,7が形成された態様のもの、その他、特に図示しないが、これらから選ばれる適宜位置に2本のミシン目7,7がそれぞれ形成された態様などが例示される。但し、図3(a)〜(e)では、ミシン目7の位置関係を判りやすく図示するため、一のコーナー面6の対応領域に形成されたセンターシール部31は不図示としている。
【0018】
これらの中でも、2本のミシン目7,7の間隔が比較的狭くなり、ラベル分断を比較的容易に行えることから、コーナー面6の中央部22bと内側鈍角部22cとの間に対応した位置に、2本のミシン目7,7がそれぞれ形成されていることが好ましい。さらに、運搬保管の際などにミシン目形成部分から擦り切れ破断を防止するために、内側鈍角部22cに対応した位置を除いたコーナー面6の中央部22bと内側鈍角部22cとの間に対応した位置に、2本のミシン目7,7がそれぞれ形成されていることがより好ましい。また、上記2本のミシン目7,7間に於いてラベル3を分断するため、該2本のミシン目7,7の間にセンターシール部31が位置しているものが好ましい。
ミシン目7は、ミシン針で穿設したような穴部と非穴部が断続的に連なった線からなる。この穴部と非穴部の間隔は、ラベル3の強度と分断容易性を比較考慮して設計され、例えば、比較的縦方向に裂け易いポリスチレン系樹脂フィルムにてラベルが構成されている場合には、穴部:非穴部は、概ね0.5:3.5〜0.7:2.1程度の長さ比で形成することが好ましい。尚、穴部の長さは、約0.5〜2mm程度に形成される。
尚、一のパネル面5’を挟む両側のコーナー面6,6に、少なくともミシン目7,7がそれぞれ形成されていれば、これに加えて、他のコーナー面6の対応領域にミシン目7が形成されていてもよい。
【0019】
ここで、容器2に装着する前の筒状ラベル3に於ける上記2本のミシン目7,7は、容器2のパネル面5やコーナー面6の幅などに応じて適宜設計されるものである。例えば、パネル面5の幅を「X」、コーナー面6の幅を「Y」とすれば、2本のミシン目7,7の周方向に於ける間隔Wが次の関係式を満たすように、2本のミシン目7,7をそれぞれ形成すればよい。
{X/(4X+4Y)}×筒状ラベルの円周長さ≦2本のミシン目の間隔W≦{(X+2Y)/(4X+4Y)}×筒状ラベルの円周長さ。
【0020】
上記筒状ラベル付き角型容器1は、一のパネル面5’の両側に位置する各コーナー面6,6に対応する領域に、ラベル分断用のミシン目7,7がそれぞれ形成されている。従って、ミシン目7,7の形成間隔が広く、図1に示すように、容器首部24にまで筒状ラベル3が装着されても、2本のミシン目7,7の間を手で摘むことができる。よって、この部分を摘んで筒状ラベル3を引き剥がすことにより、ミシン目7,7に略沿ってラベル3を容易に分断することができる。
また、これらミシン目7は、パネル面5に対応する領域に形成されていないので、落下衝撃などが容器に加わっても、ミシン目7を起点としてラベル3が破断し難く、1本のミシン目がコーナー面に形成されている従来の筒状ラベルと同様の強度を有する。
【0021】
次に、上記筒状ラベル3の製法及び装着方法などについて説明する。
一般に、筒状ラベル3は、長尺状の基材原反の両側端部を接着してセンターシール部が形成された筒状ラベル連続体を所定長さに切断することによって得られ、この筒状ラベル3を、そのセンターシール部31が角型容器2のコーナー面6に対面するように嵌挿し、これを熱収縮させることによって筒状ラベル付き角型容器1が製造される。
【0022】
詳しくは、図4(a)に示すように、基材原反100には、センターシール部31の形成予定部分101の近傍位置であって、後述する再折り目106の形成予定部分の近傍位置に、第1のミシン目7’が長手方向に形成されている。さらに、筒状に形成した際に、この第1のミシン目7’から所定間隔(上記2本のミシン目7,7の間隔W)となるような位置に、第2のミシン目7”が形成されている。
この基材原反100の両側端部を重ね合わせてセンターシールすることにより、筒状体からなる筒状ラベル連続体102が形成される。かかる筒状ラベル連続体102は、図4(b)に示すように、内面同士を重ね合わせるようにして扁平状に折り畳まれることにより、両側に2本の折り目104が向かい合って形成される。
具体的には、筒状ラベル連続体102は、扁平状にした際の幅方向中心部(一の折り目104を基準にして筒状体の周方向に90度回転した位置)が、センターシール部31の内側縁部31aに略一致、又は内側縁部31aと第1のミシン目7’の間に位置するように折り畳まれている。さらに、第2のミシン目7”が折り目104に一致せず、折り目104の近傍位置(例えば折り目104から約2mm前後周方向にずれた位置)となるように折り畳まれている。
従って、扁平状の筒状ラベル連続体102は、第2の折り目7”が一方の折り目104の近傍位置に設けられており、該折り目104から筒状体の周方向に90度回転した位置の近傍に、第1のミシン目7’が設けられた構成となっている。
【0023】
かかる扁平状の筒状ラベル連続体102は、ロール状に巻き取られ、容器に装着するために、ラベラーに装填される。
ラベラー(図示せず)に於いては、図5に示すように、ロールから筒状ラベル連続体102が引き出され、扁平状の連続体102を開口して2本の折り目104,104を重ね合わせるようにして再び扁平状にして、折り直しが行われる。かかる折り直しにより、2本の折り目104から筒状体の周方向に90度回転した位置に、再折り目105が2本それぞれ形成される。尚、この再折り目105の近傍位置(例えば再折り目105から約2mm前後周方向にずれた位置)には、第1のミシン目7’が位置することとなる。
【0024】
次に、折り直された筒状ラベル連続体102は、所定長さで切断されて筒状ラベル3が作製される。そして、容器2に嵌挿する前にこれを開口することにより、図6(a)に示すように、筒状ラベル3は、各折り目104及び再折り目105にて屈曲した略四角状開口部を生じる。この状態で該筒状ラベル3を、同図(b)に示すように、各折り目104と再折り目105の間の4辺中央部が角型容器2の各パネル面5に面するように、容器胴部22に嵌挿することにより、筒状ラベル3の折り目104及び再折り目105が各コーナー面6の略中央部に対面する。最後に、筒状ラベル3を熱収縮させることにより、図1に示すような、一のコーナー面6に対応する領域にセンターシール部31が配置され、且つ一のパネル面5’の両側のコーナー面6に対応する領域にミシン目7,7がそれぞれ配置された筒状ラベル付き角型容器1を製造することができる。
【0025】
次に、上記筒状ラベル連続体の変形例を示す。
図7(a)に示す変形例に係る扁平状の筒状ラベル連続体102は、一方の折り目104の近傍位置にミシン目7が設けられており、該折り目104からセンターシール部31が形成されていない側へ筒状体の周方向に90度回転した位置の近傍に、2本目のミシン目7が形成されているものである。かかる筒状ラベル連続体102から得られる筒状ラベル3を容器2に装着すると、一のコーナー面6の対応領域にミシン目7とセンターシール部31が同時に配置されないが、一のパネル面5の両側のコーナー面6,6の対応領域に、ミシン目7,7がそれぞれ形成された筒状ラベル付き角型容器1が得られる。
図7(b)に示す変形例に係る扁平状の筒状ラベル連続体102は、一方の折り目104の近傍位置にミシン目7が設けられており、該折り目104から筒状体の周方向両側に90度回転した位置の近傍に、ミシン目7,7がそれぞれ形成されている、すなわち、筒状ラベル付き角型容器1とした際に、3つのコーナー面6に対応する領域に、ミシン目7がそれぞれ形成されるものである。
図7(c)に示す変形例に係る扁平状の筒状ラベル連続体102は、両方の折り目104,104の近傍位置にミシン目7がそれぞれ設けられており、該折り目104から筒状体の周方向両側に90度回転した位置の近傍に、ミシン目7,7がそれぞれ形成されている、すなわち、筒状ラベル付き角型容器1とした際に、4つのコーナー面6に対応する領域に、ミシン目7がそれぞれ形成されるものである。
【0026】
また、図8に示す変形例は、扁平状に折り畳む方法が図4〜図7に示すものと異なる筒状ラベル連続体102を示す。
この変形例に係る筒状ラベル連続体102は、図8に示すように、扁平状にした際の幅方向中心部が、センターシール部31から筒状体の周方向に45度回転した位置となるように折り畳まれている。従って、一の折り目104から周方向に45度回転した位置にセンターシール部31が位置していると共に、該一の折り目104から周方向両側に45度回転したそれぞれの位置(又はその近傍)に、第1のミシン目7’と第2のミシン目7”が設けられた構成となっている。
本変形例に係る扁平状の筒状ラベル連続体102は、上記と同様に、2本の折り目104,104を重ね合わせるようにして再び扁平状にして、折り直しが行われる。かかる折り直しにより、2本の折り目104から筒状体の周方向に90度回転した位置に、再折り目105が2本それぞれ形成される。そして、容器2に嵌挿する前にこれを開口することにより、図9(a)に示すように、筒状ラベル3は、各折り目104及び再折り目105にて屈曲した略四角状開口部を生じる。この状態で該筒状ラベル3を、同図(b)に示すように、各折り目104と再折り目105の間の4辺中央部が角型容器2の各コーナー面6に面するように、容器胴部22に嵌挿し熱収縮させることにより、図1に示すような、一のコーナー面6に対応する領域にセンターシール部31が配置され、且つ一のパネル面5’の両側のコーナー面6に対応する領域にミシン目7,7がそれぞれ配置された筒状ラベル付き角型容器1を製造することができる。
本変形例に係る筒状ラベル連続体102についても、3本以上のミシン目7を形成することも可能である。
【0027】
以上の通り、本発明の各実施形態を例示したが、本発明は上記各例のものに限定されず、本発明の意図する範囲でその構成を適宜変更、付加、置換、削除などすることができる。
例えば、上記各実施形態では、角型容器は、4つのパネル面5及びコーナー面6が略同幅の断面正方形状のものを例示しているが、例えば、コーナー面6を挟んで隣合うパネル面5の幅が異なる断面長方形状などの容器を使用することもできる。
また、上記各実施形態では、パネル面5とコーナー面6との間(境界部分)は、鈍角状に形成されているが、この部分が緩やかな円弧状に形成されていてもよい。さらに、コーナー面6は、平坦状に限られず、僅かに膨らむ又は凹んだ円弧面に形成されていてもよい。
【0028】
さらに、上記実施形態では、ラベル分断性に優れ、形成容易であることから、易開裂線としてミシン目7が用いられているが、易開裂線はミシン目7に限られず、ラベルを厚み方向に切り込んだハーフカット線や、筒状ラベル3の内面に貼着したテアテープなどを易開裂線として用いることも可能である。また、分断起点として、筒状ラベル3の上縁部に、分断起点として、易開裂線に連なる切込み部を形成してもよい。
また、上記各実施形態では、易開裂線(ミシン目7)は、筒状ラベル3の上下縁部にかけて形成されているが、例えば、筒状ラベル3の上縁部から中途部まで形成されているものなどでも構わない。さらに、上記各実施形態では、一のコーナー面6に対応する領域に、1本の易開裂線(ミシン目7)が形成されているが、例えば、一のコーナー面6に対応する領域に、2本以上の易開裂線(ミシン目7)が形成されていてもよい。かかる変形例によれば、一のコーナー面6に対応する領域に、複数本の易開裂線(ミシン目7)が密に存在するため、より確実に易開裂線に従ってラベル3を分断することができる。
【0029】
また、筒状ラベル3は、上記のように容器2の首部24の上端まで装着されるフルシュリンクタイプに限られず、肩部23の中途部まで装着されるセミフルシュリンクタイプ、ハーフシュリンクタイプなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)は、筒状ラベル付き角型容器の一実施形態を示す正面図、(b)は、同A−A線で切断した断面図。
【図2】筒状ラベルと角型容器の一実施形態を示す斜視図。
【図3】(a)〜(e)は、ミシン目の形成位置の各例を水平方向で切断した状態を示す一部省略断面図。尚、便宜上、センターシール部は省略している。
【図4】(a)は、基材原反を示す一部省略平面図(尚、センターシールするために接着する部分を薄墨塗りで示している)。(b)は、扁平状にした筒状ラベル連続体を示す一部省略斜視図。
【図5】図4に示す筒状ラベル連続体の折り直し状態を示す一部省略斜視図。
【図6】(a)は、折り直しを行った後に開口させた筒状ラベルを示す斜視図。(b)は、(a)の筒状ラベルを容器に嵌挿した状態を水平方向で切断した状態を示す断面図(尚、便宜上、容器やラベルの厚みは省略している)。
【図7】(a)〜(c)共に、扁平状にした筒状ラベル連続体の各変形例を示す一部省略斜視図。
【図8】扁平状にした筒状ラベル連続体の変形例を示す一部省略斜視図。
【図9】(a)は、図8の筒状ラベルを折り直した後に開口させた状態を示す斜視図。(b)は、(a)の筒状ラベルを容器に嵌挿した状態を水平方向で切断した状態を示す断面図(尚、便宜上、容器やラベルの厚みは省略している)。
【符号の説明】
【0031】
1…筒状ラベル付き角型容器、2…角型容器、21…底面部、22…胴部、22a…外側鈍角部、22b…中央部、22c…内側鈍角部、23…肩部、24…首部、25…ネジキャップ、3…ラベル、31…センターシール部、32…筒状体、5…パネル面、5’…一のパネル面、6…コーナー面、7…ミシン目(易開裂線)、7’…第1のミシン目、7”…第2のミシン目、100…基材原反、102…筒状ラベル連続体、104…折り目、105…再折り目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣合うパネル面の接続角部が面取され、この角部にパネル面よりも幅狭のコーナー面が形成されている胴部を有する角型容器と、前記胴部に装着されている熱収縮性筒状ラベルと、を備え、前記筒状ラベルに、ラベル分断用の易開裂線が形成されている筒状ラベル付き角型容器であって、
前記筒状ラベルの易開裂線が、一のパネル面の両側に位置する各コーナー面に対応する領域にそれぞれ形成されていることを特徴とする筒状ラベル付き角型容器。
【請求項2】
可撓性フィルムからなる筒状体を扁平状に折り畳むことにより、向かい合う2本の折り目が長手方向に形成されている筒状ラベル連続体であって、
前記2本の折り目の少なくとも何れか一方の折り目の近傍位置に、ラベル分断用の易開裂線が長手方向に形成されており、この一方の折り目から筒状体の周方向へ90度回転した位置の近傍に、ラベル分断用の易開裂線が長手方向に形成されていることを特徴とする筒状ラベル連続体。
【請求項3】
可撓性フィルムからなる筒状体を扁平状に折り畳むことにより、周方向で向かい合う2本の折り目が長手方向に形成されている筒状ラベル連続体であって、
前記2本の折り目の少なくとも何れか一方の折り目を基準として、又は一方の折り目から筒状体の周方向へ90度の回転した位置を基準として、筒状体の周方向両側へ45度回転したそれぞれの位置又はその近傍に、ラベル分断用の易開裂線が長手方向にそれぞれ形成されていることを特徴とする筒状ラベル連続体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−56552(P2006−56552A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239616(P2004−239616)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】