説明

筒状体内面の部分電気めっき方法とその装置

【課題】 筒状体内面の部分電気めっき作業の能率を高める。
【解決手段】 マスキング材22は、縦に配置し、上方に電極棒25を突出する。筒状体1は、縦に配置し、下側部分をマスキング材22に嵌め込んで閉鎖すると共に、上側部分内に電極棒25を配置する。筒状体の上側部分は、マスキング材22を底とする容器状にする。筒状体1の上側部分は、めっき液7を注入し、上側部分の内面と上側部分内の電極棒25をめっき液7に浸す。筒状体1の下側部分の内面は、マスキング材22で覆ってめっき液を接触させない。電源33の陽極から電極棒25、筒状体1の上側部分内のめっき液7、筒状体1の上側部分の内面と外面を経て電源33の陰極に通電する。筒状体1は、上側部分の内面のみにめっき被膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状体の内面に部分的に電気めっきを施す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状体、例えば金属製の筒状部品の内面に部分電気めっきを施す場合、筒状部品の内面の非めっき部にめっきレジストのインクや塗料のマスキング剤を塗布する作業は、筒状部品内での部分塗布作業であり、手間が掛かる。特に、筒状部品の内径が数mmで小さいときには、マスキング剤の塗布作業は、小径の孔内での作業であり、多くの手間が掛かる。そこで、筒状部品内にゴム栓のようなマスキング材を嵌め込むことが考えられた。
【0003】
特許文献1の技術は、小径のパイプの内周面に部分電気めっきを施すに当たり、パイプの一端側の小内径部のみにめっきを施し、パイプの他端側の大内径部にはめっきを施さない。パイプは、光ファイバーを光通信パッケージに導入する金属円管であり、小内径部側がセラミック製のパッケージの側面に貫通して固定されている。
【0004】
めっき処理時に、パイプは、大内径部にマスキング材を嵌め込む。マスキング材は、円筒形状であり、外周側がゴム材で、内周側がめっき液に濡れ易い金属材であり、中心孔が空気逃し孔である。マスキング材を大内径部に嵌めたパイプは、めっき液に浸し、小内径部の内周面のみに電気めっきを施す。めっき液に浸した際、パイプの小内径部内の空気は、パイプの小内径部内に流れ込むめっき液の圧力によりマスキング材の空気逃し孔を通って外部に追い出される。パイプの小内径部は、内周面の全面にめっき液が接触し、めっき被膜が形成される。パイプの大内径部は、内周面の全面がマスキング材で覆われてめっき液が接触せず、めっき被膜が形成されない。めっき終了後、マスキング材は、パイプの大内径部から抜き出す。
【0005】
【特許文献1】特開2000−328287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[背景技術の課題]
特許文献1は、パイプをめっき液に浸して通電する態様について、詳述していないが、次のように推察される。
パッケージに小内径部側が固定されたパイプは、大内径部にマスキング材を嵌めた状態で、めっき槽に入れ、パッケージを下側にマスキング材を上側にしてパイプを縦に配置し、パッケージとパイプの小内径部をめっき槽内のめっき液に浸し、めっき液中の電極に電源の陽極を接続し、パイプの外周面に電源の陰極を接続し、パイプの小内径部を内周面から外周面に通電する。
【0007】
特許文献1の技術は、パッケージ付のパイプにマスキング材を嵌め込む手間、そのパイプをめっき槽内の所定位置に縦に配置する手間と、めっき槽内に配置したパイプの外周面に電極を接続する手間が掛かる。内面部分電気めっき作業は、能率が高くない。
【0008】
[課題を解決するための着想]
筒状体の内面に部分電気めっきを施す専用のめっき技術を開発し、内面部分電気めっきの作業能率を高めることにした。
【0009】
めっき方法は、被めっき材の筒状体内に嵌め込むマスキング材を縦に配置し、マスキング材の上端から上方に電極棒を突出する。筒状体は、縦に配置し、下側部分をマスキング材に嵌め込んで閉鎖すると共に、上側部分内に電極棒を配置する。筒状体の上側部分は、マスキング材が底になって容器状になる。筒状体の嵌め込み後、筒状体の上側部分は、上端開口からめっき液を注入し、上側部分の内面と上側部分内の電極棒をめっき液に浸す。筒状体の下側部分の内面は、マスキング材で覆われていてめっき液が接触しない。めっき液の注入後、電源の陽極から電極棒、筒状体の上側部分内のめっき液、筒状体の上側部分の内面と外面を経て電源の陰極に通電する。すると、筒状体は、上側部分の内面にめっき被膜が形成される。下側部分の内面には、めっき被膜が形成されない。めっき被膜の形成後、筒状体は、マスキング材から抜き取る。
【0010】
めっき装置は、筒状体配置部材とマスキング材設立部材を上下位置に設ける。上側の筒状体配置部材は、被めっき材の筒状体を上から下に差し込む差込孔を上下方向に貫通する。下側のマスキング材設立部材は、筒状体内に嵌め込むマスキング材を上方に突出して設立する。マスキング材は、電極棒を上下方向に貫通する。電極棒は、上側部分をマスキング材の上に、下側部分をマスキング材の下に突出する。電極棒の上側部分は、筒状体配置部材の差込孔内に配置する。電極棒の下側部分は、電源の陽極に接続する。電源の陰極は、電気導体の筒状体配置部材に接続する。筒状体配置部材の差込孔、マスキング材と電極棒は、筒状体を装填する筒状体装填機構を構成する。
【0011】
筒状体の内面に部分電気めっきを施すときには、筒状体を筒状体配置部材の差込孔に上から下に差し込む。すると、筒状体は、縦に配置されると共に、筒状体配置部材に電気的に接続する。一方、筒状体の下側部分は、内部にマスキング材が嵌め込まれて閉鎖すると共に、筒状体の上側部分は、内部に電極棒が挿入され、マスキング材が底になって容器状になる。
【0012】
筒状体の差し込み後、筒状体は、容器状の上側部分に上端開口からめっき液を注入する。すると、筒状体の上側部分の内面と上側部分内の電極棒がめっき液に浸る。筒状体の下側部分の内面は、マスキング材で覆われていてめっき液が接触しない。
【0013】
めっき液の注入後、電源の陽極から電極棒の下側部分、筒状体の上側部分内のめっき液、筒状体の上側部分の内面と外面、及び、筒状体配置部材を経て電源の陰極に通電する。すると、筒状体は、上側部分の内面にめっき被膜が形成される。下側部分の内面には、めっき被膜が形成されない。
めっき被膜の形成後、筒状体は、差込孔とマスキング材から抜き出す。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1)被めっき材の筒状体内に嵌め込むマスキング材は、縦に配置し、上端から上方に電極棒を突出し、
筒状体は、縦に配置し、下側部分をマスキング材に嵌め込んで閉鎖すると共に、上側部分内に電極棒を配置し、筒状体の上側部分を、マスキング材を底とする容器状にし、
筒状体の嵌め込み後、筒状体の上側部分は、上端開口からめっき液を注入し、上側部分の内面と上側部分内の電極棒をめっき液に浸し、筒状体の下側部分の内面は、マスキング材で覆ってめっき液を接触させず、
めっき液の注入後、電源の陽極から電極棒、筒状体の上側部分内のめっき液、筒状体の上側部分の内面と外面を経て電源の陰極に通電し、
筒状体は、下側部分の内面にはめっき被膜を形成せずに、上側部分の内面にめっき被膜を形成することを特徴とする筒状体内面の部分電気めっき方法。
【0015】
2)筒状体配置部材とマスキング材設立部材は、上下位置に設け、
上側の筒状体配置部材は、被めっき材の筒状体を上から下に差し込む差込孔を上下方向に貫通し、差込孔に筒状体を差し込むと、筒状体を縦に配置して筒状体配置部材に電気的に接続する構成にし、
下側のマスキング材設立部材は、筒状体内に嵌め込むマスキング材を上方に突出して設立し、マスキング材に電極棒を上下方向に貫通し、マスキング材の上に突出した電極棒の上側部分を筒状体配置部材の差込孔内に配置し、
筒状体を差込孔に差し込むと、筒状体の下側部分がマスキング材に嵌め込まれて閉鎖すると共に、筒状体の上側部分が、内部に電極棒が挿入され、マスキング材を底とする容器状になって、めっき液注入可能になる構成にし、
差込孔、マスキング材と電極棒で、筒状体を装填する筒状体装填機構を構成し、
電源の陽極から、マスキング材の下に突出した電極棒の下側部分、筒状体の上側部分に注入されためっき液、筒状体の上側部分の内面と外面、及び、筒状体配置部材を経て電源の陰極に通電する通電回路を設けたことを特徴とする筒状体内面の部分電気めっき装置。
【0016】
3)上記のめっき装置において、
筒状体装填機構は、多数にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
被めっき材の筒状体は、縦にして下側部分をマスキング材に嵌め込み、上側部分にめっき液を注入し、通電する。すると、筒状体は、上側部分の内面にめっき被膜が形成される。筒状体内面の部分電気めっき作業が能率よく行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
[被めっき材の筒状体(図1、図2)]
被めっき材の筒状体1は、図1に示すように、上端と下端の間に中心孔が貫通した円筒形状の金属部品である。この金属部品1は、外径と内径がそれぞれ均一であり、小径の円筒体である。筒状体1の内径は、実施例では、数mmである。筒状体1の材質は、鋼であり、実施例では、ステンレス鋼である。
【0019】
この筒状体1は、図2に示すように、上側部分の内周面に金属めっきの被膜6を形成する。めっき被膜6は、そのめっきと同じ材質の金属線と接合する。めっき被膜6と金属線の材質は、実施例では、金Auである。
【0020】
[めっきの方法と装置(図3〜図7)]
筒状体内面の部分電気めっき装置は、図3〜図5に示すように、基板11の上に支柱12を設立し、支柱12の上に板状のマスキング材設立部材13を水平に取り付けている。マスキング材設立部材13の上には、支柱14を設立し、支柱14の上に板状の筒状体配置部材15を水平に取り付けている。筒状体配置部材15、マスキング材設立部材13と基板11は、上下位置に配置している。筒状体配置部材15と基板11は、電気導体の金属板である。この両金属板15、11は、電気的に絶縁している。
【0021】
筒状体配置部材15は、円形状の差込孔16を上下方向に貫通し、多数の差込孔16を前後左右に等間隔に配列している。差込孔16は、上端の開口縁を面取りして円錐面17にし、上端の開口部を上に行くほど大径にしている。この差込孔16は、被めっき材の筒状体1を上から下に差し込む。筒状体1は、差込孔16に差し込むと、縦に配置されると共に、その上側部分の外面が、差込孔16の内周面に接触して筒状体配置部材15に電気的に接続する構成にしている。
【0022】
マスキング材設立部材13は、上側の大径部と下側の小径部からなる設立孔21を上下方向に貫通し、多数の設立孔21を前後左右に等間隔に配列している。差込孔16と設立孔21は、上下位置に同心状に配列している。設立孔21は、上側大径部に円筒形状のマスキング材22を上から差し入れ、内部の段部上にマスキング材22を立てて配置している。なお、マスキング材22は、弾性に富んだOリングを敷いている。このマスキング材22は、設立用の大径下端部を設立孔21の上側大径部に挿入し、被めっき材の筒状体1内に嵌め込む弾性のある小径上側部を上方に突出し、小径上側部の上端を差込孔16の下端開口に差し入れている。
【0023】
マスキング材設立部材13の上には、押え板23を重ねて固定している。押え板23は、上側の小径部と下側の大径部からなる抜止孔24を上下方向に貫通し、多数の抜止孔24を前後左右に等間隔に配置している。抜止孔24と設立孔21は、上下位置に同心状に配列している。抜止孔24には、マスキング材22の大径下端部上側の段部を貫通し、マスキング材22に抜け止めを施している。マスキング材22は、マスキング材設立部材13の上に上方に突出して差込孔16と同心状に設立されている。このマスキング材22は、めっき液に耐性のある電気不導体の弾性合成樹脂製である。実施例では、ナイロン樹脂製である。マスキング材設立部材13と押え板23は、電気不導体の硬質合成樹脂板である。
【0024】
マスキング材22は、中心孔に電極棒25を貫通し、電極棒25で中心孔を閉鎖している。電極棒25は、マスキング材22の上に突出した上側部分を差込孔16に同心状に貫通し、マスキング材22の下に突出した下側部分を設立孔21の下側小径部に同心状に貫通している。この電極棒25は、金属めっきを被覆した金属丸棒である。その金属めっきは、実施例では、白金Ptである。
【0025】
基板11の上には、2枚の接触金属板31を並列して設立し、2枚の向い合わせた接触金属板31でソケットを構成している。多数のソケット31は、前後左右に等間隔に配列し、設立孔21の下側に配置している。ソケット31には、電極棒25の下側部分を挿入して挟んでいる。電極棒25は、ソケット31を介して基板11に電気的に接続している。基板11は、スイッチ32を介して直流電源33の陽極に接続している。直流電源33の陰極は、筒状体配置部材15に接続している。即ち、直流電源33の陽極からスイッチ32、基板11、ソケット31、電極棒25、筒状体1の上側部分に注入されためっき液、筒状体1の上側部分の内面と外面、及び、筒状体配置部材15を経て直流電源33の陰極に通電する通電回路を設けている。
【0026】
上下位置の筒状体配置部材15とマスキング材設立部材13には、1本の筒状体1を装填するユニット機構、即ち、1個の差込孔16、1本のマスキング材22と1本の電極棒25からなる筒状体装填機構を前後左右に等間隔に多数設けている。
【0027】
このめっき装置を使用してめっき方法を実施する場合、被めっき材の筒状体1は、上側部分の内面にめっきの下地処理を施した後、図6に示すように、縦にして差込孔16に上から下に差し込む。すると、筒状体1は、縦に配置されて保持されると共に、その上側部分の外面が、差込孔16の内周面に接触して筒状体配置部材15に電気的に接続する。一方、筒状体1の下側部分は、内部にマスキング材22の小径上側部が嵌め込まれて閉鎖する。また、同時に、筒状体1の上側部分は、電極棒25が挿入されて同心状に配置され、マスキング材22を底とする容器状になる。
【0028】
各差込孔16に筒状体1を差し込んだ後、縦姿勢に保持された筒状体1は、図7に示すように、上側部分に上端開口からめっき液7を注入する。容器状になった筒状体1の上側部分は、めっき液7で満杯にする。すると、筒状体1の上側部分の内面と上側部分内の電極棒25は、めっき液7に没入し、全面がめっき液7に浸る。筒状体1の下側部分の内面は、マスキング材22で覆われていてめっき液7が接触しない。
【0029】
各筒状体1にめっき液7を注入した後、通電回路のスイッチ32を閉鎖する。すると、通電回路において、直流電流が、電源33の陽極からスイッチ32、基板11、ソケット31、電極棒25、筒状体1の上側部分内のめっき液7、筒状体1の上側部分の内面と外面、及び、筒状体配置部材15を経て電源33の陰極に流れる。
【0030】
めっき通電時間が経過すると、スイッチ32を開放する。通電回路の通電が停止する。筒状体1は、上側部分の内面に電気めっき被膜6が形成される。下側部分の内面には、めっき被膜が形成されない。
【0031】
各筒状体1にめっき被膜6が形成されてスイッチ32を開放した後、各筒状体1は、差込孔16とマスキング材22から上方に抜き出す。各筒状体1をめっき装置から取り外した後、筒状体1は、上側部分内面のめっき被膜6にめっきの後処理を施す。
【0032】
めっき液7は、実施例では、金めっき用である。金めっき液7は、1リットル当り、シアン化第2金カリウムKAu(CN)4が30〜60g含まれ、硫酸濃度が1〜3%であり、温度が20〜40℃である。電流密度は、5〜10A/dm2である。めっき通電時間は、10〜40分である。金めっき被膜6は、厚さが0.5〜5μmである。
【0033】
[変形例]
1)上記の実施形態において、多数の筒状体装填機構16、22、25は、すべてに筒状体1を装填し、筒状体装填機構と同数の筒状体1を一斉にめっきするが、少数の筒状体装填機構のみに筒状体1を装填し、他の筒状体装填機構に筒状体1を装填しない状態で、少数の筒状体1を一斉にめっきする。
2)上記の実施形態において、筒状体装填機構16、22、25は、多数設け、多数の筒状体1を一斉にめっきすることができる構造であるが、筒状体装填機構16、22、25を1つ設け、1本の筒状体1をめっきする構造にする。
3)上記の実施形態において、筒状体1の上側部分は、めっき液7を満杯に注入して、内面の全面にめっき被膜6を形成するが、めっき液7の注入量を減らして、筒状体1の上側部分内面の下側部分のみにめっき被膜を形成する。
4)上記の実施形態において、めっき被膜6の材質は、実施例では、金であるが、銀、ニッケルや銅などの他の金属にする。
5)上記の実施形態において、被めっき材の筒状体1は、小径の小型円筒体であるが、大径の大型円筒体にする。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、機械、装置、機器、道具などの筒状の部品や製品の内面部分電気めっきに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態における被めっき材の筒状体を示し、(a)は平面図、(b)は縦断正面図。
【図2】同筒状体の内面部分電気めっき後の状態を示し、(a)は平面図、(b)は縦断正面図。
【図3】実施形態における筒状体内面の部分電気めっき装置の平面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】図3のB−B線断面図。
【図6】同めっき装置に被めっき材の筒状体を差し込んだ状態を示し、図5と同じ断面図。
【図7】同筒状体にめっき液を入れて通電している状態を示し、図5と同じ断面図。
【符号の説明】
【0036】
1 被めっき材の筒状体、円筒形状の金属部品
6 金属めっきの被膜、めっき被膜、金めっき被膜
7 めっき液、金めっき液
11 基板、金属板
12 支柱
13 マスキング材設立部材
14 支柱
15 筒状体配置部材、金属板
16 差込孔
17 円錐面
21 設立孔
22 マスキング材
23 押え板
24 抜止孔
25 電極棒
31 接触金属板、ソケット
32 スイッチ
33 直流電源
16、22、25 筒状体装填機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被めっき材の筒状体内に嵌め込むマスキング材は、縦に配置し、上端から上方に電極棒を突出し、
筒状体は、縦に配置し、下側部分をマスキング材に嵌め込んで閉鎖すると共に、上側部分内に電極棒を配置し、筒状体の上側部分を、マスキング材を底とする容器状にし、
筒状体の嵌め込み後、筒状体の上側部分は、上端開口からめっき液を注入し、上側部分の内面と上側部分内の電極棒をめっき液に浸し、筒状体の下側部分の内面は、マスキング材で覆ってめっき液を接触させず、
めっき液の注入後、電源の陽極から電極棒、筒状体の上側部分内のめっき液、筒状体の上側部分の内面と外面を経て電源の陰極に通電し、
筒状体は、下側部分の内面にはめっき被膜を形成せずに、上側部分の内面にめっき被膜を形成することを特徴とする筒状体内面の部分電気めっき方法。
【請求項2】
筒状体配置部材とマスキング材設立部材は、上下位置に設け、
上側の筒状体配置部材は、被めっき材の筒状体を上から下に差し込む差込孔を上下方向に貫通し、差込孔に筒状体を差し込むと、筒状体を縦に配置して筒状体配置部材に電気的に接続する構成にし、
下側のマスキング材設立部材は、筒状体内に嵌め込むマスキング材を上方に突出して設立し、マスキング材に電極棒を上下方向に貫通し、マスキング材の上に突出した電極棒の上側部分を筒状体配置部材の差込孔内に配置し、
筒状体を差込孔に差し込むと、筒状体の下側部分がマスキング材に嵌め込まれて閉鎖すると共に、筒状体の上側部分が、内部に電極棒が挿入され、マスキング材を底とする容器状になって、めっき液注入可能になる構成にし、
差込孔、マスキング材と電極棒で、筒状体を装填する筒状体装填機構を構成し、
電源の陽極から、マスキング材の下に突出した電極棒の下側部分、筒状体の上側部分に注入されためっき液、筒状体の上側部分の内面と外面、及び、筒状体配置部材を経て電源の陰極に通電する通電回路を設けたことを特徴とする筒状体内面の部分電気めっき装置。
【請求項3】
筒状体装填機構は、多数にしたことを特徴とする請求項2に記載の筒状体内面の部分電気めっき装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−156685(P2008−156685A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345363(P2006−345363)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(395010794)名古屋メッキ工業株式会社 (14)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】