説明

筒状包材の破断ユニット

【課題】分離用ミシン目で破断された筒状包材が型くずれし難い筒状包材の破断ユニットを提供する。
【解決手段】シート状に折り畳まれた状態の筒状包材Pを円筒状に整形するマンドレル23と、筒状包材Pの破断端を把持する包材クランパ24と、マンドレル23に嵌挿された筒状包材Pを、マンドレル23の外周面に押さえ付けて保持する上側包材ホルダ25及び下側包材ホルダ26とを備えており、筒状包材Pの破断端を把持している包材クランパ24を引き下げて、一升瓶Bに筒状包材Pを嵌挿した後、上側包材ホルダ25及び下側包材ホルダ26によって、筒状包材Pにおける分離用ミシン目Mの前後をマンドレル23の上側固定部23a及び下側可動部23bの外周面にそれぞれ押し付けて保持した状態で、包材クランパ24と下側包材ホルダ26とを、同期をとりながら引き下げると、一升瓶Bに嵌挿された長尺の筒状包材Pが分離用ミシン目Mで破断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一定間隔毎に形成されている分離用ミシン目で筒状包材を破断する筒状包材の破断ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、一升瓶に充填された清酒等を、和紙や不織布等からなる筒状包材を用いて包装する包装装置としては、所定位置に搬送されてきた一升瓶に長尺の筒状包材を被せ、この筒状包材を所定長に切断した後、切断された筒状包材の下端部を折り畳んで接着すると共に、切断された筒状包材の上端部を掴んで回転させることによって絞った後、その絞られた筒状包材の上端部を下方側に折り返して、一升瓶の首部分にワイヤーテープ等を用いて結束するようにしたものがあり、こういった包装装置では、図7(a)、(b)に示すように、マンドレル51に嵌挿されることで所定形状に開口された筒状包材Pを送出しながら、筒状包材Pの切断端をクランパ52によって把持して引き下げることにより、一升瓶Bに筒状包材Pを被せた後、筒状包材Pをサークルカッタ53によって切断するようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−40422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような包装装置では、一升瓶Bに被せた筒状包材Pを、サークルカッタ53を用いて所定長に切断しているが、サークルカッタを搭載すると、包装装置自体の構造が複雑になり、装置の製造コストも高くなるので、分離用ミシン目を一定間隔毎に予め筒状包材に形成しておき、または、筒状包材Pの送出途中で、一定間隔毎に分離用ミシン目を形成しながら、この筒状包材を一升瓶に被せた後、分離用ミシン目で筒状包材を破断することが考えられる。
【0005】
上述した包装装置では、筒状包材Pを送出しながら、筒状包材Pの切断端をクランパ52によって把持して引き下げることにより、一升瓶Bに筒状包材Pを被せるようになっているので、分離用ミシン目が形成された筒状包材を使用する場合も、筒状包材を送出しながら、筒状包材の破断端を把持したクランパを引き下げることにより、一升瓶に筒状包材を被せた後、筒状包材の送出を停止した状態で、筒状包材の破断端を把持しているクランパをさらに引き下げることにより、分離用ミシン目で筒状包材を破断させることが考えられるが、このように、筒状包材の破断端を下方側に引っ張ることによって、筒状包材を分離用ミシン目で破断させるようにすると、破断するときの反動によって、破断された筒状包材に型くずれが発生し、筒状包材の上端部が下方側に位置ずれしてしまうので、一升瓶に被せられた筒状包材の上端部を掴みにくくなり、その後に行われる筒状包材の上端部の絞り工程に支障が生じるおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、分離用ミシン目で破断された筒状包材が型くずれし難い筒状包材の破断ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、一定間隔毎に分離用ミシン目が形成された長尺の筒状包材を、前記分離用ミシン目で順次破断する筒状包材の破断ユニットであって、前記筒状包材の破断端を把持した状態で、包材送出方向の下流側に移動させることによって、前記筒状包材を、その破断端に最も近い前記分離用ミシンで破断する把持手段と、前記把持手段によって前記筒状包材を前記分離用ミシンで破断する際、破断しようとしている前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を支える支え手段とを備えていることを特徴とする筒状包材の破断ユニットを提供するものである。
【0008】
また、上記の課題を解決するため、請求項2にかかる発明は、一定間隔毎に分離用ミシン目が形成された長尺の筒状包材を、前記分離用ミシン目で順次破断する筒状包材の破断ユニットであって、前記筒状包材が嵌挿された状態で、包材送出方向に進退可能に支持された内部可動体と、前記筒状包材の破断端に最も近い前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、前記内部可動体に押し付けて保持する押え手段とを備え、前記筒状包材の破断端に最も近い前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、前記内部可動体に押し付けて保持している前記押え手段を、包材送出方向の下流側に移動させることによって、前記筒状包材を、その破断端に最も近い前記分離用ミシンで破断するようにしたことを特徴とする筒状包材の破断ユニットを提供するものである。
【0009】
また、上記の課題を解決するため、請求項3にかかる発明は、一定間隔毎に分離用ミシン目が形成された長尺の筒状包材を、前記分離用ミシン目で順次破断する筒状包材の破断ユニットであって、前記筒状包材が嵌挿された状態で、包材送出方向に進退可能に支持された内部可動体と、前記内部可動体に嵌挿された前記筒状包材の破断端を把持する把持手段と、前記筒状包材の破断端に最も近い前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、前記内部可動体に押し付けて保持する押え手段とを備え、前記筒状包材の破断端を把持している前記把持手段と、前記筒状包材の破断端に最も近い前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、前記内部可動体に押し付けて保持している前記押え手段とを、同期をとりながら、包材送出方向の下流側に移動させることによって、前記筒状包材を、その破断端に最も近い前記分離用ミシンで破断するようにしたことを特徴とする筒状包材の破断ユニットを提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、請求項1にかかる発明の筒状包材の破断ユニットでは、把持手段によって筒状包材を分離用ミシンで破断する際、分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を支え手段によって支えるようになっているので、把持手段によって筒状包材を破断するときの反動の影響を受けにくく、破断された筒状包材が型くずれし難くなるという効果が得られる。
【0011】
また、請求項2にかかる発明の筒状包材の破断ユニットでは、筒状包材の破断端に最も近い分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、内部可動体に押し付けて保持している押え手段を、包材送出方向の下流側に移動させることで、筒状包材を分離用ミシン目で破断するようになっているので、筒状包材を破断するときの反動が少なく、破断された筒状包材が型くずれし難くなるという効果が得られる。
【0012】
また、請求項3にかかる発明の筒状包材の破断ユニットでは、筒状包材を分離用ミシン目で破断する際、筒状包材の破断端を把持している把持手段と、筒状包材の破断端に最も近い分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、内部可動体に押し付けて保持している押え手段とを、同期をとりながら、包材送出方向の下流側に移動させるようになっているので、筒状包材を破断するときの反動が少なく、破断された筒状包材が型くずれし難くなるという効果が得られる。特に、破断された筒状包材の両端部が共に保持されているので、筒状包材が縮むこともない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、清酒等が充填された一升瓶Bを、和紙や不織布等からなる筒状包材Pを用いて包装する包装装置1を示している。この包装装置1は、容器供給コンベア10によって、一升瓶Bが順次供給される容器供給部αと、容器供給部αから順次搬送されてくる一升瓶Bを、胴部に貼着されたラベルが所定方向を向くように、その姿勢を矯正する姿勢矯正部βと、姿勢矯正部βから順次搬送されてくる、姿勢が矯正された一升瓶Bに筒状包材Pを嵌挿する包材嵌挿部γと、包材嵌挿部γから順次搬送されてくる一升瓶Bに嵌挿された筒状包材Pの下部を折り畳んで接着する包材折畳部δと、包材折畳部δから順次搬送されてくる、一升瓶Bに嵌挿された筒状包材Pの上端部を絞る包材絞り部εと、包材絞り部εから順次搬送されてくる一升瓶Bの絞られた筒状包材Pの上端部を下方側に折り返して、一升瓶Bの首部分にワイヤーテープを用いて結束する結束部ζとを備えており、姿勢矯正部β〜結束部ζといった各処理部への一升瓶Bの搬送は、図2に示す容器搬送ユニット11によって、同時に行われるようになっている。
【0014】
前記容器搬送ユニット11は、図2に示すように、6本の一升瓶Bを同時にグリップする6組のグリッパ11a、11bを備えており、これら6組のグリッパ11a、11bを用いて、以下のようにして一升瓶Bの搬送を行うようになっている。まず、同図(a)に示すように、6組のグリッパ11a、11bが容器供給部α〜包材絞り部ε間の6本の一升瓶Bにそれぞれ対応する位置に移動した後、グリッパ11a、11bが退避した結束部ζに位置している包装完了後の一升瓶Bが搬出される。続いて、同図(b)に示すように、6組のグリッパ11a、11bが容器供給部α〜包材絞り部ε間の6本の一升瓶Bを同時にグリップした後、同図(c)に示すように、結束部ζ側に移動することで、6本の一升瓶Bが同時に移送され、容器供給部αに新たな一升瓶Bが供給される。そして、同図(d)に示すように、6組のグリッパ11a、11bが一升瓶のグリップを解除した後、容器供給部α側に移動することで、同図(a)の初期状態に戻り、以降は、これら一連の動作を繰り返すことになる。
【0015】
前記姿勢矯正部βは、図1に示すように、前記容器供給部αから搬送されてくる一升瓶Bを載置する、モータ13によって回転駆動される回転テーブル12と、一升瓶Bの胴部に貼着されたラベルを検出するラベルセンサ(図示せず)とを備えており、ラベルセンサによって検出されたラベルが、容器供給部α側を向くように、モータ13による回転テーブル12の回転動作が制御されるようになっている。
【0016】
前記包材嵌挿部γは、図1に示すように、包材ロールRから繰り出された、シート状に折り畳まれた状態の筒状包材Pに一定間隔毎に分離用ミシン目を形成するミシン目形成ユニット21と、このミシン目形成ユニット21によって、分離用ミシン目が形成された長尺の筒状包材Pを、姿勢矯正部βから搬送されてきた一升瓶Bに嵌挿した後、分離用ミシン目で破断する包材嵌挿破断ユニット22とを備えている。
【0017】
前記包材嵌挿破断ユニット22は、図3に示すように、シート状に折り畳まれた状態の筒状包材Pを円筒状に整形するマンドレル23と、このマンドレル23によって円筒状に整形された後、分離用ミシン目で破断された筒状包材Pの破断端を把持する一対の包材クランパ24と、マンドレル23に嵌挿された筒状包材Pを、マンドレル23の外周面にそれぞれ押さえ付けて保持する一対の上側包材ホルダ25及び一対の下側包材ホルダ26とを備えており、マンドレル23は、筒状包材Pが嵌挿された状態で、姿勢矯正部βから搬送されてきた一升瓶Bの直上に支持されている。
【0018】
前記マンドレル23は、図4に示すように、所定の高さ位置に固定設置される上側固定部23aと、コイルばね23cによって上側に付勢された状態で、上側固定部23aに昇降可能に支持された下側可動部23bとを備えており、前記上側包材ホルダ25は、筒状包材Pをマンドレル23の上側固定部23aの外周面に押さえ付けて保持することができるように、所定の高さ位置に固定設置されているが、前記下側包材ホルダ26は、筒状包材Pをマンドレル23の下側可動部23bの外周面に押さえ付けて保持した状態で、下側可動部23bと共に引き下げることができるように、コイルばね26aによって上方に付勢された状態で、昇降可能に支持されている。
【0019】
以上のように構成された包材嵌挿破断ユニット22では、まず、図3に示すように、マンドレル23の下端部付近で、筒状包材Pの破断端を把持している一対の包材クランパ24を引き下げると、図5(a)に示すように、姿勢矯正部βから搬送されてきた一升瓶Bに筒状包材Pが嵌挿される。このとき、筒状包材Pの破断端に最も近い分離用ミシン目Mが上側包材ホルダ25と下側包材ホルダ26との間に位置することになる。
【0020】
ここで、同図(b)に示すように、上側包材ホルダ25及び下側包材ホルダ26によって、筒状包材Pにおける分離用ミシン目Mの前後をマンドレル23の上側固定部23a及び下側可動部23bの外周面にそれぞれ押し付けて保持した後、包材クランパ24と下側包材ホルダ26とを、同期をとりながら、所定のストローク(例えば、15mm)だけさらに引き下げると、同図(c)に示すように、一升瓶Bに嵌挿された長尺の筒状包材Pが分離用ミシン目Mで破断され、所定長の筒状包材Pが一升瓶Bに嵌挿された状態となる。
【0021】
最後に、同図(d)に示すように、包材クランパ24による筒状包材Pの破断端のクランプを解除すると共に、上側包材ホルダ25及び下側包材ホルダ26による筒状包材Pの保持を解除した後、図3に示す初期状態に復帰させ、次の包材嵌挿動作に備えることになる。
【0022】
前記包材折畳部δは、図1に示すように、一升瓶Bに嵌挿された筒状包材Pの下端部を折り畳む折畳ユニット31と、この折畳ユニット31によって折り畳まれた筒状包材Pの下端部をヒートシールするシールユニット38とを備えている。
【0023】
前記折畳ユニット31は、図1及び図6に示すように、一升瓶Bの搬送方向に直行する方向にそれぞれ延びるガイドレール32、32に沿って、それぞれ進退するスライダ33、33に立設された開閉ピン34、34と、一升瓶Bの搬送方向に延びるガイドレール35に沿って、進退するスライダ36に立設された往復ピン37とを備えており、図6(a)、(b)に示すように、筒状包材Pの下端部を折り畳む前の初期状態では、2本の開閉ピン34、34は、その上半部が筒状包材Pの下端部の内周面に係合するように、筒状包材Pの内側に配置されているが、往復ピン37は、その上半部が筒状包材Pの下端部の外周面に係合するように、筒状包材Pの外側に配置されている。
【0024】
以上のように構成された折畳ユニット31では、図6(a)、(b)に示すように、2本の開閉ピン34、34が相互に接近した状態から、同図(c)、(d)に示すように、相互に離反することによって、筒状包材Pが扁平状態に引き延ばされるので、続いて、同図(e)、(f)に示すように、往復ピン37を一升瓶Bの搬送方向に移動させて、扁平状態に引き延ばされた筒状包材Pの中央部を押圧し、2本の開閉ピン34、34の離反力と往復ピン37の押圧力とをバランスさせることによって、筒状包材Pのたるみをとりながら、同図(g)、(h)に示すように、開閉ピン34、34を徐々に接近させると、筒状包材Pの下端部が折り畳まれる。なお、扁平状態に引き延ばされた筒状包材Pの中央部を往復ピン37が押圧すると、筒状包材Pの下端縁が上方に移動するので、開閉ピン34、34及び往復ピン37が筒状包材Pの下端部から外れないように、筒状包材Pの中央部を往復ピン37が押圧する際は、開閉ピン34、34及び往復ピン37を僅かに上昇させるようになっている(同図(f)、(h)参照)。
【0025】
前記シールユニット38は、図1に示すように、折り畳みユニット31によって折り畳まれた筒状包材Pにおける開閉ピン34、34及び往復ピン37の上側を把持する一対のクランパ39aと、折り畳まれた筒状包材Pの折り畳み部分を挟み込んでヒートシールする一対のシールバー39bとを有しており、折り畳みユニット31によって折り畳まれた筒状包材Pをクランパ39aが把持した後に、折り畳みユニット31の開閉ピン34、34及び往復ピン37が、降下することで筒状包材Pから引き抜かれ、筒状包材Pにおけるクランパ39aによる把持部分の下側を一対のシールバー39bが挟み込んでヒートシールするようになっている。
【0026】
前記包材絞り部εは、図1に示すように、包材折畳部δから順次搬送されてきた一升瓶Bの直上に設置された絞りチャックユニット41を備えており、この絞りチャックユニット41によって、一升瓶Bに嵌挿された筒状包材Pの上端部を把持して引き上げた後、チャック部を回転させることによって、筒状包材Pの上端部を絞るようになっている。
【0027】
前記結束部ζは、図1に示すように、包材絞り部εから順次搬送されてくる一升瓶Bの絞られた筒状包材Pの上端部を下方側に折り返す折返ユニット42と、この折返ユニット42によって下方側に折り返された筒状包材Pの上端部を、一升瓶Bの首部分にワイヤーテープを用いて結束する結束ユニット43とを備えており、結束ユニット43は、一升瓶Bの口部を保持する口部保持機構と、この口部保持機構によって一升瓶Bの口部を保持した状態で、テープロールTRから繰り出されたワイヤーテープを一升瓶Bの口部に巻き付けた後、そのワイヤーテープの両端を捩る巻付機構とを有している。
【0028】
以上のように、この包装装置1では、包材嵌挿部γにおいて、一升瓶Bに嵌挿された筒状包材Pを分離用ミシン目Mで破断する際、筒状包材Pの破断端を把持している包材クランパ24と、筒状包材の破断端に最も近い分離用ミシン目Mの包材送出方向の下流側の近傍を、マンドレル23の下側可動部23bの外周面に押し付けて保持している一対の下側包材ホルダ26とを、同期をとりながら、引き下げるようになっているので、筒状包材Pを破断するときの反動が少なく、破断された筒状包材Pが型くずれし難くなる。これによって、破断された筒状包材Pの上端部が位置ずれし難くなり、包材絞り部εにおいて、絞りチャックユニット41が、一升瓶Bに嵌挿された筒状包材Pの上端部を確実に把持することができる。
【0029】
なお、上述した実施形態では、一升瓶を筒状包材によって完全に包み込む包装装置に、本発明の筒状包材の破断ユニットを搭載した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、合成樹脂フィルム等によって形成された筒状ラベルを、PETボトル等の容器の胴部に嵌挿するラベル嵌挿装置に、本発明の筒状包材の破断ユニットを搭載することも可能であり、その場合は、筒状ラベルが分離用ミシン目を介して連続的に繋がった、筒状包材としての長尺のラベル形成基材をマンドレルによって円筒状に整形した後、本発明の破断ユニットによって、分離用ミシン目で破断し、これをPETボトル等の容器の胴部に嵌挿することになる。本発明の破断ユニットは、不織布や伸縮性を有する柔軟なフィルム等によって形成された筒状包材を分離用ミシン目で破断する場合にも、反動が起こりにくく、型くずれし難いため、高速で破断することができるので、この種の筒状包材に対して、特に有効である。
【0030】
また、上述した実施形態では、筒状包材Pを円筒状に整形するマンドレル23を、上側固定部23a及び下側可動部23bに分割し、筒状包材Pを分離用ミシン目Mで破断する際、一対の下側包材ホルダ26によって、筒状包材Pにおける分離用ミシン目Mの包材送出方向の下流側の近傍を、マンドレル23の下側可動部23bの外周面に押し付けて保持した状態で、一対の下側包材ホルダ26を、マンドレル23の下側可動部23bと共に引き下げるようにしているが、これに限定されるものではなく、筒状包材が嵌挿された状態で、包材送出方向に進退可能に支持された内部可動体を、マンドレルの下流側に別途設け、筒状包材における分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、一対の包材ホルダによって、この内部可動体に押し付けて保持した状態で、一対の包材ホルダを、内部可動体と共に引き下げるようにしてもよい。
【0031】
また、包材ホルダや包材クランパは、必ずしも、一対に限定されるものではなく、円筒状に整形された筒状包材を、三方または四方から押さえ付けたり、三箇所以上で把持したりすることも可能であり、マンドレルも円筒状に限定されるものではなく、角ボトルの場合は、角筒状といった具合に、容器(ボトル)形状に応じて、適宜、変更することができる。
【0032】
また、上述した実施形態では、筒状包材Pの破断端を包材クランパ24によって把持すると共に、分離用ミシン目Mの下側近傍を下側包材ホルダ26によってマンドレル23の下側可動部23bに押さえ付けた状態で、包材クランパ24と下側包材ホルダ26とを、同期をとりながら、引き下げることで、筒状包材Pを分離用ミシン目Mで破断するようになっているが、これに限定されるものではなく、筒状包材Pを分離用ミシン目Mで破断するだけであれば、分離用ミシン目Mの下側近傍を下側包材ホルダ26によってマンドレル23の下側可動部23bに押さえ付けた状態で、下側包材ホルダ26だけをを引き下げることで、筒状包材Pを分離用ミシン目Mで破断することも可能であり、この場合も、破断された筒状包材Pの型くずれを防止することができる。
【0033】
また、上述した各実施形態では、破断された筒状包材Pの型くずれを防止するために、分離用ミシン目Mの下側近傍を下側包材ホルダ26によってマンドレル23の下側可動部23bに押さえ付けた状態で、下側包材ホルダ26をマンドレル23の下側可動部23bと共に引き下げるようにしているが、下側包材ホルダ26のように、筒状包材Pを完全に保持するのではなく、分離用ミシン目Mの下側近傍を各種支え手段によって支えながら、筒状包材Pの破断端を把持している包材クランパ24を引き下げることによって、筒状包材Pを分離用ミシン目Mで破断することも可能である。筒状包材Pの分離用ミシン目Mの下側近傍を支える方法としては、筒状包材をフリーローラ等によってマンドレル等の内部受け部材との間に挟み込んだり、マンドレルによって円筒状に整形された筒状包材の外側に、微少な隙間を開けて吸引部材を配置し、この吸引部材によって、全周にわたって、または、部分的に、筒状包材Pを吸着したり、筒状包材Pの外側から空気を吹き付けることで、マンドレル等の内部受け部材に筒状包材を押し付けるようにしたりすることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明にかかる筒状包材の破断ユニットの一実施形態である包材嵌挿破断ユニットが搭載された包装装置を示す側面図である。
【図2】(a)〜(d)は同上の包装装置に搭載されている容器搬送ユニットによる容器の搬送動作を説明するための動作説明図である。
【図3】同上の包材嵌挿破断ユニットを示す正面図である。
【図4】同上の包材嵌挿破断ユニットに使用されているマンドレルを示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は同上の包材嵌挿破断ユニットによる筒状包材の嵌挿破断動作を説明するための動作説明図である。
【図6】(a)〜(h)は同上の包装装置に搭載されている折畳ユニットによる筒状包材の折畳動作を説明するための動作説明図である。
【図7】(a)、(b)は従来の包装装置における一升瓶への筒状包材の嵌挿動作を説明するための動作説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 包装装置
α 容器供給部
β 姿勢矯正部
γ 包材嵌挿部
δ 包材折畳部
ε 包材絞り部
ζ 結束部
10 容器供給コンベア
11 容器搬送ユニット
11a、11b グリッパ
12 回転テーブル
13 モータ
21 ミシン目形成ユニット
22 包材嵌挿破断ユニット
23 マンドレル
23a 上側固定部
23b 下側可動部
23c コイルばね
24 包材クランパ
25 上側包材ホルダ
26 下側包材ホルダ
26a コイルばね
31 折畳ユニット
32、35 ガイドレール
33、36 スライダ
34 開閉ピン
37 往復ピン
38 シールユニット
39a クランパ
39b シールバー
41 絞りチャックユニット
42 折返ユニット
43 結束ユニット
B 一升瓶
P 筒状包材
M 分離用ミシン目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定間隔毎に分離用ミシン目が形成された長尺の筒状包材を、前記分離用ミシン目で順次破断する筒状包材の破断ユニットであって、
前記筒状包材の破断端を把持した状態で、包材送出方向の下流側に移動させることによって、前記筒状包材を、その破断端に最も近い前記分離用ミシンで破断する把持手段と、
前記把持手段によって前記筒状包材を前記分離用ミシンで破断する際、破断しようとしている前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を支える支え手段とを備えていることを特徴とする筒状包材の破断ユニット。
【請求項2】
一定間隔毎に分離用ミシン目が形成された長尺の筒状包材を、前記分離用ミシン目で順次破断する筒状包材の破断ユニットであって、
前記筒状包材が嵌挿された状態で、包材送出方向に進退可能に支持された内部可動体と、
前記筒状包材の破断端に最も近い前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、前記内部可動体に押し付けて保持する押え手段と
を備え、
前記筒状包材の破断端に最も近い前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、前記内部可動体に押し付けて保持している前記押え手段を、包材送出方向の下流側に移動させることによって、前記筒状包材を、その破断端に最も近い前記分離用ミシンで破断するようにしたことを特徴とする筒状包材の破断ユニット。
【請求項3】
一定間隔毎に分離用ミシン目が形成された長尺の筒状包材を、前記分離用ミシン目で順次破断する筒状包材の破断ユニットであって、
前記筒状包材が嵌挿された状態で、包材送出方向に進退可能に支持された内部可動体と、
前記内部可動体に嵌挿された前記筒状包材の破断端を把持する把持手段と、
前記筒状包材の破断端に最も近い前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、前記内部可動体に押し付けて保持する押え手段と
を備え、
前記筒状包材の破断端を把持している前記把持手段と、前記筒状包材の破断端に最も近い前記分離用ミシン目の包材送出方向の下流側の近傍を、前記内部可動体に押し付けて保持している前記押え手段とを、同期をとりながら、包材送出方向の下流側に移動させることによって、前記筒状包材を、その破断端に最も近い前記分離用ミシンで破断するようにしたことを特徴とする筒状包材の破断ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−56534(P2006−56534A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237862(P2004−237862)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】