説明

筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材及びそれを用いた筒状濾過槽並びに雨水処理装置

【課題】施工手間の削減と施工コストの低減を期し得る雨水処理装置を提供する。
【解決手段】雨水排水路2から流入した被処理雨水3を筒状濾過槽6で濾過し、濾過された処理雨水9を地下浸透層12で地下浸透させ、余剰の処理雨水9を雨水貯留槽11に流入させる。筒状濾過槽6は、有底の外筒体20内に内筒体23を立設してなり、両者間をなす流入空間30に流入した被処理雨水3を内筒体23内に流入させる。流入した被処理雨水3を濾材7で濾過処理し、処理雨水9を、流出管10を介して筒状濾過外に排出する。内筒体23は、筒体76の上部に、施工現場に応じた上下長さを有する継足し筒29を連結して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾材が収容される内筒体を有底の外筒体内に立設状態に納設してなる筒状濾過槽を構成するための筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材に関するものであり、又、これを用いる筒状濾過槽に関するものである。更に、該筒状濾過槽を用いて構成された雨水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
降雨による道路排水や家屋の屋根等に降り注いだ雨水は、側溝等の雨水排水路を通じて河川等に放流されたり下水道に排出されているが、かかる放流や排出の前に汚濁物質を濾過して雨水を浄化するように構成された雨水濾過装置の一例として、特許文献1が開示する筒状雨水濾過器が提案されている。
【0003】
該筒状雨水濾過器aは図29に示すように、有底の外筒体b内に内筒体cを立設してなり、該外筒体bは、下端dが底板eで閉塞され且つ上端fが蓋体gで開閉可能に閉蓋されるものであり、又該内筒体cは、該外筒体bよりも高さが低く形成され下端に連通部hが形成されてなり該底板e上に同心状に立設されるものであった。そして該内筒体cの上部jに、前記外筒体bを貫通して設けられた流出管kが連結されると共に、前記外筒体bに、該流出管kよりも高い位置で流入管mが連結されてなり、前記内筒体cの内部nには、着脱自在な下部フィルター板pと上部フィルター板qとで区画された空間rに濾材sが収容されてなるものであった。そして、前記流入管mから外筒体bと内筒体cとの間の流入空間vに流入した雨水は、前記連通部hから内筒体c内に流入して前記濾材sを下方から上方へ通過する間に流入雨水中の有害物質が吸着除去され、前記流出管kから外部に排出されるようになされていた。又、集中豪雨等によって前記流入管mから流入する排水の量が増加し、外筒体bと内筒体cとの間に溜まった排水の水位が上昇して内筒体cの上端tを越えると、流入管mから流入した排水の一部は、直接、流出管kから排出されるものであった。
【0004】
このように該筒状雨水濾過器aは、外筒体b内に内筒体cを立設した構成を有するため、道路に沿って構築された側溝に対する前記流入管mの連結部uの地中内での深さに応じて該外筒体bと該内筒体cの高さを所要に設定すれば、該側溝を流下する雨水中の汚濁物質を濾過できる所要高さの筒状雨水濾過器aを構成できる利点があった。
【0005】
ところで側溝の深さは、側溝に流入する雨水の流入量を考慮して設定されるものであるため、前記筒状雨水濾過器aの必要な高さは、その施工場所に応じて異なるものであり一定していない。そのため、雨水濾過の要となる濾材収容構造部を含む所要高さの筒状雨水濾過器aの全体を、施工場所に応じて個別的に設計製作せざるを得ず、施工性が悪く施工コストの上昇を招く問題があった。
【0006】
又、前記筒状雨水濾過器aは、前記流入管mから流入する雨水の量が多い場合には、排水の一部が直接、流出管kから排出される構成であったため、濾過処理されない雨水が流出管から排出されてしまう不具合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3148921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、
(1) 筒状濾過槽を構築する際の施工手間の削減や施工コストの低減を期し得る筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材、及びそれを用いた筒状濾過槽、並びに雨水処理装置の提供を課題とするものである。
【0009】
(2) 又本発明は、雨水排水路からの被処理雨水を効率的に濾過できて、濾過処理された綺麗な処理雨水のみを筒状濾過槽外に排出させることのできる雨水処理装置の提供を課題とするものである。より具体的には、処理雨水をそのまま河川に流すときには河川の汚濁防止に寄与でき、該処理雨水を雨水貯留槽に貯留するときにはこれを中水として利用でき、更に、該処理雨水を地下浸透層で地下浸透させるときには、該処理雨水が綺麗であることから地下浸透層を目詰まりさせにくく、長期間に亘って地下浸透機能を維持でき、加えて、綺麗な処理雨水を地下浸透させることで地下水を汚染することがなく、これらによって地下水の涵養を長期間に亘って良好に行なうことのできる雨水処理装置の提供を課題とするものである。
【0010】
(3) 又本発明は、処理雨水を、地下浸透を優先させて雨水貯留槽に一時的に貯留させることができ、これによって、河川への急激な雨水流出を抑制できる雨水処理装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明に係る筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材(以下、濾過槽本体部材という)は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体と、該外筒体内に立設状態に納設され且つ上端が開放された内筒体との間をなす流入空間に、雨水排水路からの被処理雨水が流入し、この被処理雨水が、該内筒体の下部側に設けられた取水部から該内筒体内に導入されるようになされると共に、該内筒体内で濾過処理された処理雨水が、該内筒体の側壁部に連結され且つ前記外筒体の側壁部を貫通する流出管を通して排出されるようになされた筒状濾過槽を構成するための濾過槽本体部材であって、前記内筒体の下側部分を構成するものであり、上端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられていることを特徴とするものである。
【0012】
又、本発明に係る濾過槽本体部材は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体と、該外筒体内に立設状態に納設され且つ上端が開放された内筒体との間をなす流入空間に、雨水排水路からの被処理雨水が流入し、この被処理雨水が、該内筒体の下部側に設けられた取水部から該内筒体内に導入されるようになされると共に、該内筒体内で濾過処理された処理雨水が、該内筒体の側壁部に連結され且つ前記外筒体の側壁部を貫通する流出管を通して排出されるようになされた筒状濾過槽を構成するための濾過槽本体部材であって、前記内筒体の下側部分を構成するものであり、上端が開放された筒体の内部の下端側に設けられている濾材支持部に、該筒体の下部側に設けられた前記取水部から該筒体内に導入される被処理雨水を濾過する濾材が載置されるものとなされ、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
前記濾過槽本体部材は、前記筒体が円筒状を呈したものとし、前記上部連結管部は、外側に拡大する水平な段差部を介して円筒部が一連に設けられてなる拡大連結管部とし、前記継足し筒は、円形パイプを所要長さに切断して形成された円筒状を呈したものとし、その下部分が前記拡大連結管部に挿入される如く構成するのがよい。
【0014】
本発明に係る筒状濾過槽は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体と、該外筒体内に立設状態に納設され且つ上端が開放された内筒体との間をなす流入空間に、雨水の排水路からの被処理雨水が流入し、この被処理雨水が、該内筒体の下部側に設けられた取水部から該内筒体内に導入されるようになされると共に、該内筒体内で濾過処理された処理雨水が、該内筒体の側壁部に連結され且つ前記外筒体の側壁部を貫通する流出管を通して排出されるようになされた筒状濾過槽である。そして、前記内筒体は、上端が開放され且つ前記内筒体の下側部分を構成する筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結してなることを特徴とするものである。
【0015】
前記筒状濾過槽は、前記取水部を形成するための台座装置を具えたものとし、該台座装置は、前記外筒体の底面で所要間隔を置いて立設された支柱ボルトの夫々を、前記内筒体の下端を支持する支持片に設けられた透孔に挿通させると共に該支持片を、該支柱ボルトに螺合されたナットによって上下から挾持してなり、前記ナットの螺合位置を変更することによって該支持片の高さ調整を行い得るようになされており、又、前記ナットと前記筒体の内周面又は外周面との当接による係合によって前記内筒体の水平方向での移動が阻止される如く構成するのがよい。
【0016】
又、前記筒状濾過槽において、前記外筒体の底面を、その中央部に向けて傾斜した傾斜面とし、該底面上に沈殿した沈殿物が該底面の中央部に向けて移動するようになすと共に、前記濾材支持部を網状板として構成し、該網状板の網目を通して、沈殿物吸引用の吸管の下端部分を下方に挿入して該吸管の吸引作用によって前記傾斜面上の沈殿物を吸引排除するようになすのがよい。
【0017】
本発明に係る雨水処理装置は、雨水排水路と、筒状濾過槽とを具えており、該雨水排水路から流入した被処理雨水が筒状濾過槽外に、重力の作用で自然流下により排出されるように構成された雨水処理装置であって、前記筒状濾過槽は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体内に、上端が開放された内筒体が立設状態に納設され、該外筒体と該内筒体との間に流入空間が形成されており、該内筒体は、前記外筒体の底面で立設されており、該内筒体の下部側に、該流入空間に連通する取水部が設けられており、又、該内筒体内には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されている。そして、前記内筒体の側壁部には、前記外筒体の側壁部を貫通する流出管の上流開口端が前記濾材の上側に位置させて連結されている。そして、前記雨水排水路の側壁部と前記外筒体の側壁部とは流入管で連結されており、該流入管の下流端は、その管底が、前記流出管の管底よりも上に位置されており、前記内筒体の上端は、前記流入管から流入した被処理雨水が越流しない高さに設定され、或いは、該内筒体の上端が閉蓋可能となされている。又、前記内筒体は、その下側部分をなす筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材を具えており、該濾過槽本体部材の上部に継ぎ足される継足し筒とを具えており、該濾過槽本体部材は、上端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係る雨水処理装置の他の態様は、雨水排水路と、筒状濾過槽と、雨水を地下浸透させる地下浸透層とを具えており、前記雨水排水路から流入した被処理雨水が筒状濾過槽外に、重力の作用で自然流下により排出されるように構成された雨水処理装置であって、前記筒状濾過槽は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体内に、上端が開放された内筒体が立設状態に納設され、該外筒体と該内筒体との間に流入空間が形成されており、該内筒体は、前記外筒体の底面で立設されており、該内筒体の下部側に、該流入空間に連通する取水部が設けられており、又、該内筒体内には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されてい。そして、前記内筒体の側壁部には、前記外筒体の側壁部を貫通する流出管の上流開口端が前記濾材の上側に位置させて連結されており、又、前記雨水排水路の側壁部と前記外筒体の側壁部とは流入管で連結されており、該流入管の下流端の管底は、前記流出管の上流端の管底よりも上に位置されており、前記内筒体の上端は、前記流入管から流入した被処理雨水が越流しない高さに設定され、或いは、該内筒体の上端が閉蓋可能となされている。又、前記内筒体は、その下側部分をなす筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材を具えており、該濾過槽本体部材は、上端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられており、又、前記流出管の前記地下浸透層に存する部分には、該地下浸透層に前記処理雨水を排出する流出孔が分散状態に設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る雨水処理装置のその他の態様は、雨水排水路と、筒状濾過槽と、雨水を地下浸透させる地下浸透層と、雨水貯留槽とを具えており、前記雨水排水路から流入した被処理雨水が、該雨水貯留槽に、重力の作用で自然流下により流入されるように構成された雨水処理装置であって、前記筒状濾過槽は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体内に、上端が開放された内筒体が立設状態に納設され、該外筒体と該内筒体との間に流入空間が形成されており、該内筒体は、前記外筒体の底面で立設されており、該内筒体の下部側に、該流入空間に連通する取水部が設けられており、又、該内筒体内には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されている。そして、前記内筒体の側壁部には、前記外筒体の側壁部を貫通する流出管の上流開口端が前記濾材の上側に位置させて連結されており、又、前記雨水排水路の側壁部と前記外筒体の側壁部とは流入管で連結されており、該流入管の下流端の管底は、前記流出管の上流端の管底よりも上に位置されており、前記内筒体の上端は、前記流入管から流入した被処理雨水が越流しない高さに設定され、或いは、該内筒体の上端が閉蓋可能となされている。又、前記内筒体は、その下側部分をなす筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材とを具えており、該濾過槽本体部材は、上端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体を内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられている。又、前記流出管は、前記地下浸透層を横断しており、該横断部分には、該地下浸透層に前記処理雨水を排出させる流出孔が分散状態に設けられており、該流出管の下流部が前記雨水貯留槽の上部に連結されており、又、該雨水貯留槽には、貯留水を排出するための排出部が設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
前記の各雨水処理装置において、前記外筒体は、基礎上に載置された底版部材上で、上下端が開放した所要高さの筒状ブロックを、外筒体の必要な高さを考慮して所要段数積重して構成するとよい。
【0021】
前記の各雨水処理装置において、前記流入管を前記雨水排水路の側壁部の下端側に連結するのがよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る濾過槽本体部材は、筒状濾過槽を構成する内筒体の下側部分を構成するものであり、上端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされている。又、該筒体の側壁部には、前記流出管を連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連結するための上部連結管部が設けられている。
【0023】
かかることから、筒状濾過槽を構成する内筒体を構成するに際しては、一定の上下長さを有し且つ構造の規格された濾過槽本体部材を、施工現場の如何によらず共通して用いることができる。そして施工現場において、前記筒体の上部分に、構築すべき筒状濾過槽の高さに応じて所要長さに設定した継足し筒を連結しさえすれば、該継足し筒の長さに応じて、所要長さの内筒体を簡易且つコスト低減を図って構成できることになる。
【0024】
このように本発明によるときは、濾過槽本体部材を、施工現場の如何によらず共通して用いることができるため、従来のように、施工現場に応じて筒状濾過槽の全体を個別に設計製作しなければならないといった不経済がなく、筒状濾過槽を構成する際の施工能率の向上と施工コストの低減を期し得ることとなる。
【0025】
(2) 特に、前記濾過槽本体部材を構成する前記筒体の上部分に、拡大連結管部としての上部連結管部を設ける共に、前記継足し筒を、直線状のパイプを所要長さに切断して構成し、該継足し筒の下端部を該拡大連結管部に挿入する構成を採用するときは、内筒体を、より一層簡易に且つコスト低減を図って構成できることになる。
【0026】
(3) 本発明に係る雨水処理装置において、前記構成の濾過槽本体部材を用いてなる内筒体を、有底の外筒体内に立設状態に納設するに際し、該外筒体の底面に設けた台座装置を用いて該内筒体の下端を該底面から所要に浮き上げ、これによって、該内筒体内への取水部を構成する場合は、該台座装置による高さ調整により、内筒体内に被処理雨水を円滑に流入させるために必要な大きさの取水部を簡易且つ確実に構成できることとなる。
【0027】
加えて、該台座装置を用いて内筒体を浮き上げて取水部を構成するときは、該内筒体の側壁部の下端部分に欠切部や開口部を設けて取水部を構成する場合とは異なり、内筒体に特別な加工を施す必要がない。かかることから、内筒体の製造コストの低減を期し得ると共に、かかる欠切部や開口部を設けることに伴う内筒体の強度低下を招く恐れもない。
【0028】
(4) 又、前記台座装置を用いて前記取水部を形成する構成を採用するときは、前記内筒体の下端の浮き上げ高さを所要に設定するのが容易であるため、前記筒体の側部連結部に対する前記流出管の連結を容易化し得る。又、前記外筒体の下側に所要大きさの泥溜め部を形成するのも容易である。加えて、該台座装置によって、前記内筒体の水平方向での移動も阻止できる。
【0029】
(5) 前記外筒体の底面を、その中央部分に向けて下方に傾斜した傾斜面として構成すると共に、前記濾材支持部を網状板として構成し、該網状板の網目を通して吸管の下端部分を下方に挿入可能とするときは、前記流入空間で沈殿した沈殿物を該中央部分に寄せることができ、かかる沈殿物を、該吸管により効率よく吸引して排除できることになる。かかることから、筒状濾過槽の維持管理の容易化を達成できることになる。
【0030】
(6) 本発明に係る雨水処理装置は、前記構成を有する濾過槽本体部材を用いて構成された内筒体を外筒体内に立設状態に納設してなる前記筒状濾過槽を用いて構成されている。そして、前記内筒体の上端は、前記流入管から流入された被処理雨水が越流しない高さに設定され、或いは、該内筒体の上端が閉蓋可能となされている。かかることから、前記流入空間の被処理雨水が該内筒体内に流入するのを防止でき、従って、雨水排水路からの被処理雨水を該筒状濾過槽で効率的に濾過処理できることになる。
【0031】
このように濾過処理された処理雨水は綺麗であるため、該処理雨水をそのまま河川に流すときには、雨水排水路を流下する雨水を直接河川に流す場合に比し河川の汚濁防止に寄与できる。又、該処理雨水を雨水貯留槽に貯留することにより、これを中水として利用できることになる。
【0032】
更に、該処理雨水を地下浸透層で地下浸透させるときには、該処理雨水が綺麗であることから地下浸透層を目詰まりさせにくく、長期間に亘って地下浸透機能を維持できることになる。加えて、綺麗な処理雨水を地下浸透させることで、地下水を汚染することなく地下水の涵養を図ることができる。
【0033】
特に、前記流入管の上流端側部分を前記雨水排水路の側壁部の下端側に連結するときは、該雨水排水路を流れる水の殆どを有効活用して地下浸透させ得ることとなって好ましい。
【0034】
又、前記地下浸透層における地下浸透量を越えた余剰の処理雨水を雨水貯留槽に流入させるときは、豪雨時等の非常時においては、地下浸透を優先してそれを超える分を雨水貯留槽に貯留できる。そのため、処理雨水を直接的に雨水貯留槽に流入させる場合に比し、雨水貯留槽への処理雨水の流入量を減少させることができ、従って、雨水貯留槽を大型に構成しなくても河川への流出抑制を図り得ることとなる。更に、平常時において、地下浸透しきれない余剰の処理雨水が生じた場合は、これを雨水貯水槽に貯留して中水として活用できる。
【0035】
このように本発明に係る雨水処理装置によるときは、平常時においては、地下水の涵養を図ることができ、処理雨水を中水として活用することもでき、非常時においては、河川への急激な雨水流出を抑制して河川の氾濫防止に寄与できるのであり、該雨水処理装置は、平常時にも非常時にも有効活用できる実用性の高いものである。
【0036】
(7) 本発明に係る雨水処理装置の筒状濾過槽を構築する前記外筒体を、複数個の筒状ブロックを積重して構成するときは、前記内筒体を、濾過槽本体部材の上部連結管部に継足し筒の下部分を連通状態に連結して構成することと相俟って、施工現場に適合する所要高さの筒状濾過槽を、前記筒状ブロックの積重段数を所要に設定し且つ前記継足し筒の長さを所要に設定することにより、組み立て方式で簡易に構成できることになる。これにより、筒状濾過槽構築の施工性の向上と施工コストの低減を期し得ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る雨水処理装置を示す斜視図である。
【図2】その断面図である。
【図3】雨水排水路の側壁部に流入管を連結した状態を示す断面図である。
【図4】筒状濾過槽の構成をその作用と共に示す断面図である。
【図5】筒状濾過槽を構成する外筒体の構成を示す分解斜視図である。
【図6】内筒体の下側部分を構成する濾過槽本体部材を示す斜視図である。
【図7】濾過槽本体部材を構成する筒体と濾材支持部材を示す斜視図である。
【図8】内筒体を台座装置で支持した状態を示す断面図である。
【図9】内筒体の構成を、収容される濾材と共に示す分解斜視図である。
【図10】濾過槽本体部材の筒体の側壁部に流出管を連結した状態を示す断面図である。
【図11】台座装置を構成する構成部材を示す分解斜視図である。
【図12】内筒体に収容した濾材の浮上りを防止する浮上り防止部材を内筒体に固定する固定構造を説明する斜視図である。
【図13】その固定状態を示す断面図である。
【図14】地下浸透層の構成を説明する断面図である。
【図15】雨水貯留槽の構成を説明する断面図である。
【図16】雨水貯留槽の他の態様を示す断面図である。
【図17】雨水処理装置の他の実施例を示す断面図である。
【図18】雨水処理装置を構成する筒状濾過槽の他の実施例を示す断面図である。
【図19】雨水処理装置を構成する雨水排水路の他の態様と筒状濾過槽の他の実施例を示す断面図である。
【図20】内筒体の他の実施例を示す断面図である。
【図21】筒体と継足し筒とを連結する他の態様を示す断面図である。
【図22】濾過槽本体部材を構成する筒体の他の態様を示す斜視図である。
【図23】濾過槽本体部材を構成する筒体のその他の態様を示す斜視図である。
【図24】内筒体の上端開放部を蓋版で閉蓋した状態を示す断面図である。
【図25】内筒体を台座装置で支持する他の態様を示す断面図である。
【図26】内筒体に対する流出管の他の連結態様を示す断面図である。
【図27】雨水処理装置の他の実施例を示す断面図である。
【図28】雨水処理装置のその他の実施例を示す断面図である。
【図29】従来の筒状雨水濾過器の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0038】
図1〜2において本発明に係る雨水処理装置1は、雨水排水路2を流下する被処理雨水3を流入管5を介して筒状濾過槽6内に流入させた後、該被処理雨水3を濾材7で濾過処理し、濾過処理された処理雨水9を流出管10を介して、筒状濾過槽6外に、重力の作用で自然流下により排出(本実施例においては雨水貯留槽11に排出)させるように構成されている。そして該流出管10は、地下浸透層12を横断する如くなされ、該地下浸透層12に存する管部分13に流出孔15が分散状態に設けられており、前記処理雨水9が該流出孔15から該地下浸透層12に排出されるように構成されている。又、地下浸透量を超えた余剰の処理雨水9は雨水貯留槽11に流入して一時貯留されるようになされ、該雨水貯留槽11には、貯留水16を排出するための排出部17が設けられている。
【0039】
以下、前記筒状濾過槽6の構成をより具体的に説明する。該筒状濾過槽6は、図2〜4に示すように、有底で上端開放部19が閉蓋可能となされた外筒体20と、該外筒体20内に、上下方向の軸線を略合致させて立設状態に納設された、上下端21,22が開放された内筒体23とを具えている。該内筒体23は、本実施例においては下端22も開放されており、その下側部分25を構成する濾過槽本体部材26を有する。そして、前記外筒体20と前記内筒体23との間をなす流入空間30に、例えば側溝2aとしての雨水排水路2からの被処理雨水(道路や道路外の地表の降雨水だけではなく建物の屋根面の降雨水等)3が、該雨水排水路2の側壁部31と該外筒体20の側壁部32とを連結する前記流入管(例えば円形パイプからなり、内径は例えば150mm)5を介して流入し、該被処理雨水3が、該内筒体23の下部側に設けられた取水部33から該内筒体23内に導入されるようになされている。そして、該内筒体23内に収容されている前記濾材7で濾過処理された処理雨水9が、該内筒体23の側壁部36に連結され且つ前記外筒体20の側壁部31を貫通する前記流出管(例えば円形パイプからなり、内径は例えば150mm)10を介して筒状濾過槽6外に排出されるようになされている。
【0040】
前記外筒体20は本実施例においては図1〜2、図4〜5に示すように、上端側37が円錐状に縮径し且つ上端が開放された組立式のコンクリート製外筒体として構成されており、基礎40上に載置される底版部材41と、該底版部材41上に載置される、高さの大なる、上下端が開放された円筒状部材42と、該円筒状部材42上に載置される円錐状部材43と、該円錐状部材43上に載置される高さの低い円形リング部材45と、該円形リング部材45上に載置されるリング状蓋受部材46と、該リング状蓋受部材46の上端開放部を覆う蓋版(例えば鉄蓋)49とを具えている。
【0041】
前記底版部材41は、図4〜5に示すように、水平な下面50で基礎40上に載置される円板状を呈し、その上面部51の外周縁部分には係合突条52が周設されている。又前記円筒状部材42は、上下端が開放された同径の円筒状を呈しており、その下端部53の外周縁部分には、前記係合突条52と嵌合し得る係合条溝55が周設されると共に、その上端部56の外周縁部分には係合突条57が周設されている。又、該円筒状部材42の周壁部59の対向側60a,60bの一方60aの上端寄り部位には、前記流入管5の下流端部分61を挿入させるための流入管挿入孔62が設けられている。そして、該対向側の他方60bの上下略中央部位には、前記流出管10を挿通させる流出管挿通孔63が設けられている。又、前記リング状蓋受部材46は、その水平な下面65が前記円形リング部材45の上面66に載置されると共に、その上部には、前記蓋版49の周縁部分67を嵌め入れる嵌合凹部69が周設されている。そして、該リング状蓋受部材46の台座片70が前記円形リング部材45に、所要の角度ピッチでボルト固定されることにより、該リング状蓋受部材46が該円形リング部材45にボルト固定されている。
【0042】
ここで、前記部材について主要部の寸法を例示すれば、該筒状濾過槽6の高さは1500〜3000mmに、例えば2100mm程度に設定されている。又、外筒体20の前記円筒状部材42の内径は例えば900mm程度に設定され、この場合、内筒体23の内径は300〜600mmに、例えば500mm程度に設定されている。又、前記円筒状部材42は、その外径が1050mm程度でその高さが1460mm程度に設定されている。又、前記流入管5及び前記流出管10の内径は共に、前記のように150mm程度に設定されており、前記流入管挿入孔62の内径は200mm程度、流出管挿通孔63の内径は200mm程度に設定されている。又前記円錐状部材43は、その下端71の内径が900mm程度、外径が1050mm程度に設定されており、その上端72の内径が600mm程度、その外径が820mm程度に設定され、その高さが315mm程度に設定されている。又前記円形リング部材45は、その内径が600mm程度、その外径が820mm程度で、その高さが120mm程度に設定されている。
【0043】
前記濾過槽本体部材26は、図4、図6〜8に示すように、上下端73,75が開放された円筒状の筒体(例えば塩化ビニール製)76を具え、該筒体76の下端側77の内部74には、前記濾材7が収容されてなる濾材袋79を載置するための濾材支持部80を構成する濾材支持部材81(図6〜7)が設けられる。該濾材支持部材81を該筒体76に固定するために、該筒体76の下端側77には、周方向に90度の角度を置いて同一高さで、外のボルト挿通孔82,82,82,82が貫設されている。該筒体76の上下長さは、本実施例においては1130mm程度に設定されている。
【0044】
前記濾材支持部材81は、図6〜7に示すように、円形リング状部材83の内側に格子状部材85を設けてなる円形の網状板86として構成されており、例えばステンレス製である。該格子状部材85は、該円形リング状部材83を構成する線材87と同径である縦の直線状線材89,89と横の直線状線材90,90とを格子状に接合してなり、該格子状部材85の端部91が、該円形リング状部材83の内周面92にスポット溶接されている。そして、該円形リング状部材83の中央に位置する正方形状の格子目(網目)93の一辺長さは例えば150mm程度に設定されている。又、前記円形リング状部材83の下面95には、90度の角度を置いて固定片96,96,96,96が垂設されており、各固定片96には、前記外のボルト挿通孔82と位置合わせして内のボルト挿通孔97が設けられている。
【0045】
かかる構成の網状板86からなる濾材支持部材81を前記筒体76に固定するに際しては、図6、図8に示すように、該濾材支持部材81を前記筒体76内の下端側77に、前記固定片96を下向きにして且つ前記内外のボルト挿通孔97,82の孔心を合致させた状態で、頭部付きの固定ボルト99のネジ軸100を、前記外のボルト挿通孔82の外側から内側に向けて挿通させる。そして、前記内のボルト挿通孔97を挿通したネジ軸100にナット101を螺合し締め付けることにより、前記濾材支持部材81を、4本の固定ボルト99,99,99,99を用いて該筒体76に固定でき、これにより、該筒体76の下端側に、上面部102がフラットである前記濾材支持部80を構成できることになる。
【0046】
又筒体76の上部分103には、本実施例においては、図4、図6、図9に示すように、継足し筒104の下部分105を連通状態に連結するための上部連結管部106が設けられている。そして該上部連結管部106は、本実施例においては、外側に拡大する水平な段差部107を介して円筒部が一連に設けられてなる拡大連結管部106aとして構成されている。該拡大連結管部106aに、円筒状を呈する前記継足し筒(例えば塩化ビニール製)104の下部分105が図4に示すように挿入される。該下部分105が該拡大連結管部106aに挿入された状態で、該継足し筒104の内周面107と該筒体76の内周面109は面一状態に連なり、これによって、該筒体76の上部分103が該継足し筒104の下部分105に連通状態に連結される。
【0047】
又、前記筒体76の側壁部110には、図4、図6、図9〜10に示すように、前記拡大連結管部106aの稍下側に位置させて側部連結部111が設けられている。該側部連結部111は本実施例においては図4、図6、図10に示すように、円形管からなる前記流出管10の上流側部分10aを構成する連結管(例えば塩化ビニール製)112であり、該側壁部110に設けた円形の前記流出管挿通孔63に連通状態に設けられている。より具体的には、図10に示すように、該連結管112の基端側の端面115を該円形孔113の外周縁部116に密接させ、該端面115を該外周縁部116に溶着して構成されている。
【0048】
このようにして、前記筒体76の下端側77に濾材支持部80を設けると共に、該筒体76の側壁部110に側部連結部111を設けることによって、前記濾過槽本体部材26を構成できる。かかる構成の濾過槽本体部材26は、台座装置117を用いて支持される。
【0049】
該台座装置117は例えば図4〜5、図8〜9、図11に示すように、両切りの支柱ボルト119aからなる支柱部材119の4本を用いて構成されている。各支柱ボルト119aは、前記底版部材41の上面部51に埋設したインサート121に下端部分122が螺合されて垂直に立設される。該立設状態の支柱ボルト119aの上端部分123には、前記筒体76の下端75を下方から支持する支持部126を具えた支持片127が固定されている。該支持片127は本実施例においては、円板状の座金を以て構成されており、該座金の挿通孔129に前記支柱ボルト119aの上端部分123を挿通せしめ、該上端部分123に螺合された上下のナット131,132を締め付けることによって、該支持片127を該支柱ボルト119aの所要高さ部位に固定できる。なお、該挿通孔129は、座金等の支持片127の縁部で開放した切欠開口を以て構成することもできる。該支持片127の前記外筒体20の底面133からの高さは、前記内筒体23の下端125の浮き上げ高さを考慮して例えば15〜20cm程度に設定される。この浮き上げ高さは、前記流入空間30に流入した被処理雨水3を前記内筒体23内に円滑に導入させるに必要な取水部33の大きさを確保できるように所要に調整される。又該浮き上げ高さは、前記外筒体20の底面133における沈殿物の堆積量を考慮して、前記外筒体20の下側に所要大きさの泥溜め部135を確保できるように所要に高さ調整される。更には、前記連結管112の軸線L1が前記流出管挿通孔63の孔心L2と略合致するように所要に高さ調整される。
【0050】
図8は、4本の支柱ボルト119aの上端部分に螺合された上のナット131の各外側面132が前記筒体76の内周面109に当接乃至近接した状態で該筒体76の下端125が前記支持片127で下方から支持された状態を示している。この支持状態で、図10に示すように、前記連結管112の軸線L1が前記流出管挿通孔63の孔心L2と略合致しており、図4、図8(A)に示すように、該筒体76の下部側に、隣り合う支柱ボルト119a,119a間の空間部分128と該筒体76の下端75(内筒体2の下端22)とで、所望大きさの前記取水部33(図4、図8)が設けられている。又、前記外側面132と前記内周面109との当接による係合によって、前記内筒体23は、その水平方向での移動が阻止されて、所要高さで支持されることになる。これによって、図4に示すように、前記外筒体20内の所定位置に内筒体23が所要に位置決めされて立設状態とされてなる所望の筒状濾過槽6を構成できることとなる。
【0051】
筒体76がこのように支持された状態で、図4、図10に示すように、前記連結管112に、前記流出管10の中間部分10bを構成するジョイント管(例えば塩化ビニール製)136が連結される。該ジョイント管136は図10に示すように、円筒部137の両端部分に内外のソケット部139,140が連設されてなり、前記流出管挿通孔63を通して前記外筒体20内に挿入された内のソケット部139に前記連結管112の円筒状の先端部分141を挿入し、必要に応じて接着等の手段で固定する。該ジョイント管136の外周面142と該流出管挿通孔63の内周面143との間の隙間145は、例えばモルタル146で間詰めされる。この状態で、例えば図10に示すように、外のソケット部140が前記外筒体20の側壁部31の外方に突出状態となる。そのため、前記流出管10の下流部分を構成する下流管10cの一端部分147を該外のソケット部140に挿入する作業を容易に行なうことができる。この挿入部分は、必要に応じて接着される。これによって図4、図10に示すように、前記流出管10を前記筒体76の内部に連通状態に連結できる。この連結状態で、前記連結管112の内周面149と前記ジョイント管136の内周面150と前記下流管10cの内周面151は面一状態に連なる。
【0052】
このようにして筒体76に流出管10を連結した後に、或いは該連結に先立って、図4に示すように、前記継足し筒104の円筒状の下部分105が円筒状の前記拡大連結管部106a(上部連結管部106)に挿入される。該下部分105は、必要に応じて、該拡大連結管部106aに接着等の手段で固定される。該継足し筒104の上下長さは、前記筒状濾過槽6の高さに応じて設定されるものであり、前記外筒体20内に立設状態に納設される前記内筒体23の上端21の必要高さを考慮して設定される。
【0053】
このように内筒体23は、濾過槽本体部材26を構成する前記筒体76の上部連結管部106に継足し筒104を連結する構成を採用するため、どのような施工現場においても、規格化された濾過槽本体部材26を共通に用いることができ、施工現場の掘削深さに応じて所要長さに設定した継足し筒104の下部分105を前記筒体76の上部連結管部106に連結するだけで、上下所要長さを有する内筒体23を簡易に然も製造コストの低減を図って構成できることになる。特に本実施例においては、継足し筒104の製造の容易化を図るため、直線状のパイプを所要長さに切断して継足し筒104を構成することとしている。かかることから、雨水処理装置1を構成するに際し、施工の容易化と施工コストの低減を期し得ることとなる。
【0054】
前記流入空間30内の被処理雨水3は、図4に矢印で示すように、前記取水部33を通してのみ前記内筒体23内に流入するものとなされている。そのために本実施例においては、該内筒体23の上端21の高さを、前記流入空間30内の被処理雨水3が該上端21から該内筒体23内に越流しないように設定している。具体的には、該内筒体23の上端21が、前記側溝2aの計画水位よりも上に位置するように設定している。
【0055】
前記側溝2aは、本実施例においては図1に示すように、門形を呈する側溝ブロック152,152相互を連結して構築されている。該側溝ブロック152は、図1〜3に示すように、対向する一対の側壁153,153の両端上部間を連結梁155,155で一体に連結すると共に両側壁153,153間の下部が全面開放状態となるように形成されている。かかる構成を有する側溝ブロック152を、例えば道路側部の延長方向に沿って掘削された掘削空間部に、その底部に設けた基礎コンクリート154上に相互を連結して敷設して後、連続した前記開放底部156に底部コンクリート157を打設することにより所要の水路勾配を有する側溝底159を形成し、然る後、前記側溝2aと前記掘削空間部との間に土砂を埋め戻す。
【0056】
そして図3に示すように、該側溝2aの側壁153の下端側160には連結挿入孔161が設けられ、該連結挿入孔161に前記流入管5の上流端側部分162が挿入され、該流入管5の外周面163と該連結挿入孔161の内周面165との間の隙間は例えばモルタル146で間詰めされる。これにより、該流入管5が該側壁部31に連結される。又図3〜4に示すように、該流入管5の下流端側部分167が前記外筒体20の側壁部169に設けられた前記流入管挿入孔62に挿入され、該流入管5の外周面170と該流入管挿入孔62の内周面171との間の隙間172は例えばモルタル146で間詰めされる。これにより、該流入管5が側溝2aに連結される。本実施例において、前記流入管5を前記側溝2aの側壁153の下端側160に連結しているのは、降雨量の少ないときにも、側溝2aを流下する被処理雨水3を有効活用して地下浸透させることができるようにするためである。かかる構成を有する側溝2aの深さは、該側溝2aに流入する雨水の量を考慮して所要に設定される。そして前記筒状濾過槽6の高さは、該側溝2aに対する前記流入管5の連結部173の高さを考慮して所要に設定される。
【0057】
前記流入管5は、水勾配を有して配設されており、図4に示すように、その下流端の管底175は、前記流出管10の管底176よりも上に位置されているが、どの程度上に位置させるかは、前記側溝2a(雨水排水路2)から前記流入空間30に流入した被処理雨水3を前記雨水貯留槽11に重力の作用で自然流下により流入させることができる程度に設定される。本発明者の実験によれば、最低でも150mmは必要であることが分かった。図4においては、両管底175,176間の高さの差が410mm程度に設定されている。
【0058】
図4は、前記継足し筒104の下部分105を前記筒体76に連通状態に連結して構成した前記内筒体23の前記濾材支持部80に前記濾材7を載置した状態を示している。該濾材7は例えば、多孔質の発泡ポリプロピレンの細片や、活性炭、その他の公知の濾過素材からなり、図4、図9に示すように、例えばポリエチレンやポリエステル等の合成繊維を素材とするメッシュ状布からなる袋177に収容されている。このようにして濾材7を収容して構成された前記濾材袋79は、所要の変形性を有しており、その上面部179に引っ掛かり部180(図9)が設けられている。そして該濾材袋79は、前記内筒体23内に被処理雨水3が導入されたときに浮力で浮き上がるのを防止するために、浮上り防止部材181で下方向に押え付けられる。
【0059】
該浮上り防止部材181は、図4、図9に示すように、前記濾材袋79を下方向に押える押え板182を有しており、該押え板182は、例えば、複数の通水孔183が設けられたメッシュ状を呈している。そして、該浮上り防止部材181の押え板182がこのようにして濾材袋79を下方向に押えた状態で、前記流出管10の上流開口端184が前記濾材7の上側に位置した状態となされる。このとき、該上流開口端184の全体が開放状態になることの他、該濾材袋79の収容状態の如何によって処理雨水を流出管10に円滑に流入させることができる限り、該上流開口端184の一部分が濾材袋79の上部分で塞がれた状態になってもよい。
【0060】
該浮上り防止部材181は、より具体的には図9、図12に示すように、前記押え板182の対向側185,185で且つ長方形の頂点位置で、上下に長い4本の棒状把手部材186a,186b,186c,186dが立設状態に設けられている。該対向側185,185に位置する2本の棒状把手部材186a,186b、186c,186dの夫々の上端部分は外側に直角に屈曲されて、屈曲係止部187,187,187,187が形成されている。そして、長方形の一方の長辺側に存する両棒状把手部材186a,186cの上端寄り部位相互、他方の長辺側に存する両棒状把手部材186b,186dの上端寄り部位相互が、夫々、持ち手横杆189a,189bで連結されている。該浮上り防止部材181を構成する棒状把手部材186a,186b,186c,186dの長さ及び該持ち手横杆189a,189bの配設高さは前記筒状濾過槽6の高さに応じて設定されるものであり、前記蓋版49を取り外した状態で、前記濾材袋79を下方向に押えた状態にある浮上り防止部材181を、前記持ち手横杆189a,189bを手で握って持ち上げることができる程度に設定されている。
【0061】
そして前記屈曲係止部187,187,187,187は、図12〜13に示すように、前記継足し筒29の上端に設けられた欠切凹部190,190,190,190(図9)の対応のものに嵌め入れられ、その後、半円弧状に屈曲した2個の押え部材191,191が、その下面188が前記屈曲係止部187の、例えば先端頭部187aに当接した状態で、前記円形リング部材45の内周面192に着脱可能にボルト193で固定される。これにより、前記屈曲係止部187が前記欠切凹部190に拘束された状態となり、前記浮上り防止部材181の浮上りが阻止される。従って前記濾材袋79は、前記押え板182によって上から押さえ付けられた状態で、浮力で浮上がることなく定位置に固定される。
【0062】
この状態で、図2、図4に示すように、前記雨水排水路2(側溝2a)からの被処理雨水3が、前記取水部33及び前記筒体76の前記下端75を通して前記内筒体23内に導入され、これが、前記濾材袋79を下方から上方へ通過することにより、該被処理雨水3に含まれている汚濁物質が前記濾材7によって濾過や吸着により除去される。汚濁物質が低減された綺麗な処理雨水9が前記押え板182の前記通水孔183を通して上昇し、その後、前記流出管10を通して排出される。
【0063】
前記濾材袋79は、定期的に新品と交換されることにより、安定した濾過性能を継続して確保できることになる。この濾材袋79の交換に際しては、前記押え部材191,191を前記円形リング部材45から取り外して後、前記浮上り防止部材181の前記持ち手横杆189a,189bを手で握って該浮上り防止部材181を持ち上げる。その後、引き上げ棒材の下端のフック部を前記濾材袋79の上面部179に設けられている前記引っ掛かり部180に引っ掛けて後、該濾材袋79を引き上げる。然る後、該引き上げ棒材の前記フック部を新品の濾材袋79の引っ掛かり部180に引っ掛けた状態で吊り降ろし、前記濾材支持部80に載置し該フック部を引っ掛かり部180から外す。その後、図4に示すように、前記浮上り防止部材181を前記内筒体23内に挿入し、前記屈曲係止部187,187,187,187を、前記欠切凹部190,190,190,190の対応のものに嵌め入れる。然る後、前記と同様にして、前記押え部材191,191を前記円形リング部材45の内周面192にボルト193で着脱可能に固定する。これにより、浮上り防止部材181の前記押え板182が濾材袋79の浮上りを阻止し、該濾材袋79を定位置に固定できる。
【0064】
前記濾材袋79を引き上げた状態で、前記内筒体23の上端21から吸管を投入し該吸管の下端部分を、前記濾材支持部80に設けられている格子目(網目)93(図6)を通して下方に挿入し、前記泥溜め部135(図4、図8)に沈殿している沈殿物を該吸管の吸引作用によって吸引排除する。この場合、例えば図8(A)に一点鎖線で示すように、前記外筒体20の底面133をその中央部分に向けて下方に傾斜した傾斜面として形成する場合は、該吸管の吸引作用によって、外筒体20の底面133の全体に沈殿している沈殿物を該中央部分に移動させ易くなり、沈殿物を効率よく吸引して排除できることになる。前記筒状濾過槽6においては、このように、前記流入空間30に流入した被処理雨水中の汚濁物質を前記底面133に沈殿させることができるため、濾材7の濾過負担を軽減できる。
【0065】
前記地下浸透層12は例えば図1〜2、図14に示すように、10cm程度の厚さを有する敷き砂196上に、透水性を有し且つ土が進入するのを防止し得る不織布製の透水シート197で全体が被覆された砕石層199を設けてなり、該砕石層199の例えば上側部分を横断するように前記流出管10が配設されている。該地下浸透層12の平面視での面積や上下厚さは、該地下浸透層12で流出させるべき処理雨水の量を考慮して所要に設定されるものである。
【0066】
前記流出管10の該横断する管部分13は、処理雨水を排出させる流出孔15が分散状態に多数設けられてなる有孔管部201とされている。前記流出管10の前記下流管10cは、一連に形成されてもよいのであるが、本実施例においては図14に示すように、該有孔管部201は、独立した一本の有孔管202として構成されている。即ち該流出管10は、該有孔管202とその前後の分割管203,205とに3分割されており、該有孔管202と前の分割管203及び、該有孔管202と後の分割管205は、夫々、ソケット部206に端部分207を挿入して連結されている。
【0067】
そして、前記地下浸透層12から突出状態の突出管部209の下流端部分210(前記流出管10の下流部211)は、図2に示すように、前記雨水貯留槽11の側壁部212の上部213に設けた挿入孔215に挿入状態で固定されており、該雨水貯留槽11には、貯留水を排出するための前記排出部17が設けられている。以下に、該排出部17を例示する。
【0068】
図2においては、貯留槽底部216に凹設したピット217に設置された水中ポンプ219で汲み上げた貯留水を、排水管220を介して、中水として利用可能としたり、河川に放流させるようになされており、該排水管220の端部221が前記排出部17である。中水としての利用には、洗車や散水のための利用、園芸用水、融雪用水、トイレ用水、緊急時の防火用水、生活用水等としての利用を挙げることができる。又、図15においては、該雨水貯留槽11の側壁部212の下部222に開口した排水孔223に連結された排水管225を介して、貯留水が直接河川等に自然流下で放流されるようになされており、該排水管225の端部226が前記排出部17である。特に図15に一点鎖線で示すように、前記側壁部212の中間高さ部位に設けた排水孔227に排水管229を連設して雨水貯留槽11内の貯留水を河川等に放流するように構成した場合は、該排水孔227よりも下側に貯留されている貯留水230を中水として利用できる。
【0069】
又図16に示す雨水貯留槽11は、中水として利用される雨水を貯留しておく中水利用槽231に、中間隔壁部232を介して、河川等に放流される雨水を一時的に貯留する雨水一時貯留槽233を連設した構成を有している。前記突出管部209の下流端部分210が、前記中水利用槽231の側壁部235の上部236に設けた挿入孔237に挿入状態で固定されると共に、前記中間隔壁部232の上端部分に越流開口部239が設けられている。そして、該越流開口部239で越流して前記雨水一時貯留槽233に流入した雨水は、図2に示したと同様にして、貯留槽底部235に凹設したピット236に設置された水中ポンプ(図示せず)で汲み上げられ、排水管を介して河川に放流されるようになされている。この場合は、該排水管の端部が前記排出部17である。或いは図16に示すように、該雨水一時貯留槽233の側壁部212の下部241に開口した排水孔242に連設された排水管243を介して貯留水が自然流下で河川等に放流されるようになされており、該排水管243の端部245が前記排出部17である。そして、前記中水利用槽231内の貯留水246は、中水利用槽底部247に設けたピット249に設置された水中ポンプ250で汲み上げて中水として利用できる。
【0070】
前記流出管10に流入した前記処理雨水9は、前記流出孔15から前記地下浸透層12に流出されるが、該地下浸透層12によって大きな浸透面積を確保できるため、該流出した処理雨水9を該地下浸透層12の周辺地盤に効率的に浸透させることができる。これによって地下水の涵養を図り、地盤沈下の防止や植物への水分補給を達成でき、又、地下水を汲み上げて各種に利用することもできる。そして、前記地下浸透層12で地下浸透する雨水は、前記筒状濾過槽6で濾過処理された綺麗な雨水であるため、該地下浸透層12を目詰まりさせにくい。加えて、前記砕石層199は前記透水シート197で被覆されているため、地下浸透層12の目詰まりを極力抑制しながら処理雨水9の地下浸透を効率的に図ることができる。又、このように綺麗な処理雨水を地下浸透させるため、地下水を汚染することもない。
【0071】
そして、地下浸透できる量を越えた余剰の処理雨水は前記雨水貯留槽11に流入することになるが、該流入水は、前記のように中水として利用可能である。特に豪雨時等の非常時においては、地下浸透を優先してそれを超える分を雨水貯留槽11に貯留できるため、前記処理雨水9を雨水貯留槽11に直接的に流入させる場合に比し、該雨水貯留槽11への処理雨水の流入量を減少させて雨水貯留槽11の負担軽減を達成できる。その結果、豪雨時における河川への雨水流出を効果的に抑制できることとなり、河川の氾濫防止に寄与できる。
【0072】
このように本発明に係る雨水処理装置1によるときは、平常時においては地下水の涵養を図ることができ、非常時においては河川への急激な雨水流出を抑制できるのである。
【実施例2】
【0073】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、特許請求の範囲の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0074】
(1) 図17〜18は、雨水処理装置1の他の態様を示すものであり、前記側溝2aは、前記実施例で示した場合よりも深く形成されると共に、前記継足し筒104の長さも長く形成されている。該側溝2aの深さは、側溝2aに流入する雨水の流入量を考慮して設定されるものである。又本実施例においては、筒状濾過槽6が、車道と歩道との境界部分や、歩道とそれに連なる土地との接続部分等、側溝の構築場所よりも一段高くなった場所に構築される場合が示されており、継足し筒104の長さを長く設定することによって内筒体23の上下長さを大きく設定し、これによって筒状濾過槽6の必要高さに応じている。この場合も、前記実施例で示したと同様の上下長さを有する濾過槽本体部材26を用いて内筒体23の下側部分を構成しており、継足し筒104の長さの設定だけで筒状濾過槽6の高さの増大に応じている。
【0075】
(2) 前記筒状濾過槽6を構成する前記有底の外筒体20は、高さが比較的低いものであればコンクリート製等の一体物として構成することもできるが、例えば図18に示すように、上下端251,252が開放された所要高さのコンクリート製の筒状ブロック253を所要段数積重することによって構成することもできる。この積重は、基礎40上に載置された底版部材41上で行なう。又その積重段数は、必要な外筒体20の高さを考慮して設定する。
【0076】
このように構成するときは、該筒状ブロック253の積重段数を所要に設定すると共に所要長さの継足し筒104を前記筒体76に連結することにより、所要高さの筒状濾過槽6を、組み立て方式で簡易に構成できることとなる。これにより、筒状濾過槽構築の施工性向上と施工コストの低減を期し得ることとなる。
【0077】
そして図18に示すように、所要段にある筒状ブロック253a(例えば下から3段目の筒状ブロック253)に前記流入管挿入孔62を設け、前記流入管5の下流端側部分167を該流入管挿入孔62に挿入して該筒状ブロック253aに固定する。又、所要段数にある筒状ブロック253b(例えば下から2段目の筒状ブロック253)に前記流出管挿通孔63を設け、前記流出管10を該流出管挿通孔63に挿通して前記内筒体23の側壁部36に連結する。該流入管挿入孔62と該流出管挿通孔63は、同一の筒状ブロックに設けられることもある。
【0078】
図4、図18においては、最上段の筒状ブロック253cは上方に向けて小径となる円錐状を呈しているが、図19においては、外筒体20がその全長に亘って同径に構成されている。
【0079】
かかる構成を有する外筒体20は、図4、図19に示すように、上端開放部47が蓋版49で閉蓋される。
【0080】
(3) 前記内筒体23は、前記のように構成された濾過槽本体部材26の上部連結管部106に継足し筒104の下部分105を連通状態に連結して構成されるが、該連結構造は、前記した場合とは逆に、図20に示すように、継足し筒104の下部分105に拡大連結管部106aを設け、該拡大連結管部106aに前記筒体76の上部分255を挿入して構成することもできる。
【0081】
又、該継足し筒104の下部分105を前記上部連結管部106に連結する構成は、前記のように、前記下部分105や前記上部分255を拡大連結管部106aに挿入することの他、該下部分105と該上部連結管部106とをねじ込み方式で連結することもできる。
【0082】
更には図21に示すように、前記筒体76の上部分103と前記継足し筒104の下部分105相互を連結筒275を介して連結することもできる。該連結筒275は、環状部276の上下端に上下のソケット部277,279が連設されており、該下のソケット部279に前記上部分を挿入すると共に該上のソケット部277に前記下部分105を挿入することによって前記継足し筒104の下部分105を筒体76の上部分103に連結できて所要の内筒体23を構成できる。
【0083】
(4) 前記内筒体23の下部側に取水部33を設ける構成は、図22〜23に示すように、該筒体76の側壁部110の下端部分256に欠切部257や開口部259を設け、これらを以て取水部33とすることもある。このように構成する場合、該筒体76の下端(即ち、内筒体23の下端22)が閉蓋されることもある。
【0084】
(5) 前記外筒体20内に内筒体23を立設状態に納設する際、該外筒体20と該内筒体23の軸線を略合致させることの他、両者の軸線が位置ずれする場合もある。
【0085】
(6) 前記内筒体23内には、その下部側に設けられた取水部33を通してだけ被処理雨水3が流入するものであり、内筒体23の上端21から内筒体23の内部に被処理雨水3が流入することはない。これは、濾過処理されていない被処理雨水が前記流出管10を介して筒状濾過槽6外に排出されるのを防止するためである。
【0086】
そのために、前記内筒体23の上端21は、前記流入管5からの被処理雨水3が該内筒体23内に越流しない高さに設定されるのであるが、越流の恐れがある場合は、該内筒体23の上端21が、例えば図24に示すように密閉蓋(樹脂製や鋳鉄製等)261で閉蓋される。該密閉蓋261は、下面にパッキン材262が設けられてなり、該密閉蓋261を密閉した状態では、該パッキン材262が内筒体23の上端21に密着した状態となり、内筒体23内に水が入らないようになされる。該蓋版261の上面には把手(図示せず)が設けられている。
【0087】
そして本実施例においては、このように密閉した状態で、該蓋版261の下面263が、前記浮上り防止部材181の把手265の上端266に当接した状態となされる。該蓋版261の固定は、例えば、前記と同様構成の押え部材191を用いて行うことができる。より具体的には、該押え部材191が該蓋版261の上面の周縁部分267を押えた状態で、該押え部材191を前記円形リング状部材83の内周面に着脱可能にボルト固定することにより行なうことができる。
【0088】
このように蓋版261で閉蓋する場合において、前記濾材袋79を交換する際は、前記流入空間30内の水位が前記内筒体23の上端21よりも下がった状態で、前記押え部材191,191を取り外して該蓋版261を除去する。その後、前記と同様にして、前記上端266を握って浮上り防止部材181を持ち上げる。その後の交換要領は前記したところと同様である。
【0089】
(7) 前記外筒体20や前記内筒体23は、横断面が円形状に構成されることの他、楕円形や角形等の多角形状等、非円形状に構成されることもある。又、該内筒体23と該外筒体20の断面形状は異なっていてもよい。又それらの材質は、コンクリート製や、塩化ビニル等の樹脂製、ステンレス製等の金属製とされることもある。又、該有底の外筒体20は、合成樹脂の一体成形品として構成できる他、現場打ち施工によって構成されることもある。
【0090】
(8) 前記内筒体23内に収容された濾材7(濾材袋79)が浮力で浮き上がる恐れがあるときは、前記したように、浮上り防止部材181で上から押えることになるが、該浮上り防止部材181は、濾材7を交換する際に該浮上り防止部材181による押圧を解除できるものである限り前記したものには特定されない。
【0091】
(9) 該内筒体23に収容される前記濾材袋79は、上下複数段に収容されることもある。
【0092】
(10)前記筒体76の内部74に濾材7を収容する構成は、前記のように筒体76に設けた濾材支持部80で濾材7を下方から支持する如く構成することの他、例えば、前記と同様に構成された浮上り防止部材181の下面に濾材7を取り付けて行なうこともできる。その他、濾材7を筒体76の内部に、被処理雨水を濾過できる所要状態で収容できるものであれば、各種の構成を採用できる。
【0093】
(11)前記筒体76の内部74の下端側に設けられる前記濾材支持部80は、前記した網状板として構成することの他、濾材7を下方から安定的に載置状態で支持し得る各種の支持部を具えるものとして構成できる。
【0094】
(12)前記台座装置117において、図25に示すように、前記ナット131の内側面280と前記筒体76の外周面281との当接による係合によって、前記内筒体23がその水平方向での移動が阻止されるように構成されることもある。
【0095】
(13)前記台座装置117は、前記支柱ボルト119aの3本又は2本を、前記底版部材41の上面部120で、周方向に120度又は180度の角度を置いて立設して構成することもできる。なお、該支柱ボルト119aに代えて、ネジ軸部を有さない支柱部材を用いて台座装置117を構成することもできる。
【0096】
高さ調整可能な台座装置117を用いて前記取水部33を構成する場合、該台座装置117は、前記底面133上に間隔を置いて固定された台座片を用いて構成することもでき、該台座片上に前記内筒体23の下端22を載置することによって、該台座片間の空間部分と前記内筒体23の下端22とにより前記取水部33を構成することもできる。
【0097】
(14)前記雨水排水路2は、図1に示すような、門形の側溝ブロック152を順次連結してその底部に底部コンクリート157を打設してなる側溝2aとして構成できることの他、U字溝ブロックを順次連結してなる側溝として構成することもできる。U字溝ブロックを連結する場合は、前記流入管5の上流端側部分をU字溝ブロックの側壁部に連結することの他、U字溝の中間部に配設された枡部に該上流端側部分を連結することもある。更に該雨水排水路2は、例えば図19に示すように、ボックスカルバート275を順次連結して構築された暗渠2bとして構成されることもある。この場合、前記流入管5は、例えば同図に実線や一点鎖線で示すようにボックスカルバート275の側壁254に連結できる。
【0098】
(15)前記流入管5の前記雨水排水路2に対する連結部は、該雨水排水路2からの被処理雨水3を前記流入空間30に所要に流入させ得るものである限り、計画水位よりも下側部位に設定されればよく、前記したように雨水排水路2の側壁部の下端側に連結するものには限られない。例えば、降雨量が多い場合において河川への流出を抑制するために雨水処理装置1が構築される場合は、雨水排水路2の下部よりも上側に位置させて流入管5が連結されることもある。
【0099】
(16)前記内筒体23に対する前記流出管10の連結は、図26に示すように、前記連結管112のストレートな先端部分270を、該流出管10を構成する管体の上流端側に形成したソケット部271に挿入して行なうこともできる。
【0100】
又前記のように、前記連結管112を前記筒体76に連通状態に設けることの他、流出管10の上流端部分を該筒体76の側壁部110に直接的に連結して構成することもできる。
【0101】
(17)前記のように構成された筒状濾過槽6に連結される流入管5は複数本とされることもあり、又、前記流出管10の本数も複数本とされることがある。
【0102】
(18)前記地下浸透層12に存する前記管部分13は、該地下浸透層12の厚さ方向の中間部分を横断するように配設されてもよい。
【0103】
(19)前記濾材7は、前記のようにメッシュ状の袋に収容されることの他、かかる袋に収容されないで用いられることもある。
【0104】
(20)図27に示す雨水処理装置1は、前記流出管10の前記下流管10cの全体が前記地下浸透層12に埋設されると共に下流端27が蓋体272で閉止されており、該流出管10に設けられた流出孔15から排出された処理雨水が該地下浸透層12に浸透するように構成されている。
【0105】
(21)図28に示す雨水処理装置1は、前記流出管10の下流端273が河川に開放するように構成され、処理雨水は、前記のように地下浸透層12に排出されたり、雨水貯留槽11に流入したりすることなく、河川にのみ排出するように構成されている。又、流出管10を地下浸透層12に埋設することなくその下流端部分を雨水貯留槽11に直接的に連結し、前記筒状濾過槽6で濾過処理された処理雨水が該雨水貯留槽11に直接流入するようになし、該流入水を中水として利用可能とすることもできる。
【符号の説明】
【0106】
1 雨水処理装置
2 雨水排水路
3 被処理雨水
5 流入管
6 筒状濾過槽
7 濾材
9 処理雨水
10 流出管
11 雨水貯留槽
12 地下浸透層
15 流出孔
16 貯留水
17 排出部
19 上端開放部
20 外筒体
21 上端
22 下端
23 内筒体
25 下側部分
26 濾過槽本体部材
27 上部
29 継足し筒
30 流入空間
41 底版部材
62 流入管挿入孔
63 流出管挿通孔
73 上端
75 下端
76 筒体
77 下端側
79 濾材袋
80 濾材支持部
81 濾材支持部材
106 上部連結管部
111 側部連結部
117 台座装置
119 支柱部材
127 支持片
135 泥溜め部
139 ソケット部
140 ソケット部
152 側溝ブロック
181 浮上り防止部材
220 排水管
253 筒状ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体と、該外筒体内に立設状態に納設され且つ上端が開放された内筒体との間をなす流入空間に、雨水排水路からの被処理雨水が流入し、この被処理雨水が、該内筒体の下部側に設けられた取水部から該内筒体内に導入されるようになされると共に、該内筒体内で濾過処理された処理雨水が、該内筒体の側壁部に連結され且つ前記外筒体の側壁部を貫通する流出管を通して排出されるようになされた筒状濾過槽を構成するための濾過槽本体部材であって、前記内筒体の下側部分を構成するものであり、
上端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられていることを特徴とする筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材。
【請求項2】
有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体と、該外筒体内に立設状態に納設され且つ上端が開放された内筒体との間をなす流入空間に、雨水排水路からの被処理雨水が流入し、この被処理雨水が、該内筒体の下部側に設けられた取水部から該内筒体内に導入されるようになされると共に、該内筒体内で濾過処理された処理雨水が、該内筒体の側壁部に連結され且つ前記外筒体の側壁部を貫通する流出管を通して排出されるようになされた筒状濾過槽を構成するための濾過槽本体部材であって、前記内筒体の下側部分を構成するものであり、
上端が開放された筒体の内部の下端側に設けられている濾材支持部に、該筒体の下部側に設けられた前記取水部から該筒体内に導入される被処理雨水を濾過する濾材が載置されるものとなされ、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下端部を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられていることを特徴とする筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材。
【請求項3】
前記筒体は円筒状を呈しており、前記上部連結管部は、外側に拡大する水平な段差部を介して円筒部が一連に設けられてなる拡大連結管部として構成されており、前記継足し筒は、円形パイプを所要長さに切断して形成された円筒状を呈しており、その下部分が前記拡大連結管部に挿入されることを特徴とする請求項1又は2記載の筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材。
【請求項4】
有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体と、該外筒体内に立設状態に納設され且つ上端が開放された内筒体との間をなす流入空間に、雨水の排水路からの被処理雨水が流入し、この被処理雨水が、該内筒体の下部側に設けられた取水部から該内筒体内に導入されるようになされると共に、該内筒体内で濾過処理された処理雨水が、該内筒体の側壁部に連結され且つ前記外筒体の側壁部を貫通する流出管を通して排出されるようになされた筒状濾過槽であって、
前記内筒体は、上端が開放され且つ前記内筒体の下側部分を構成する筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結してなることを特徴とする筒状濾過槽。
【請求項5】
前記取水部を形成するための台座装置を具えており、該台座装置は、前記外筒体の底面で所要間隔を置いて立設された支柱ボルトの夫々を、前記内筒体の下端を支持する支持片に設けられた挿通孔に挿通させると共に該支持片を、該支柱ボルトに螺合されたナットによって上下から挾持してなり、前記ナットの螺合位置を変更することによって該支持片の高さ調整を行い得るようになされており、又、前記ナットと前記筒体の内周面又は外周面との当接による係合によって前記内筒体の水平方向での移動が阻止されていることを特徴とする請求項4記載の筒状濾過槽。
【請求項6】
前記外筒体の底面を、その中央部に向けて傾斜した傾斜面として構成し、該底面上に沈殿した沈殿物が該底面の中央部に向けて移動するようになすと共に、前記濾材支持部を網状板として構成し、該網状板の網目を通して、沈殿物吸引用の吸管の下端部分を下方に挿入して該吸管の吸引作用によって前記傾斜面上の沈殿物を吸引排除するようになされていることを特徴とする請求項4記載の筒状濾過槽。
【請求項7】
雨水排水路と、筒状濾過槽とを具えており、該雨水排水路から流入した被処理雨水が筒状濾過槽外に、重力の作用で自然流下により排出されるように構成された雨水処理装置であって、
前記筒状濾過槽は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体内に、上端が開放された内筒体が立設状態に納設され、該外筒体と該内筒体との間に流入空間が形成されており、該内筒体は、前記外筒体の底面で立設されており、該内筒体の下部側に、該流入空間に連通する取水部が設けられており、又、該内筒体内には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されており、
前記内筒体の側壁部には、前記外筒体の側壁部を貫通する流出管の上流開口端が前記濾材の上側に位置させて連結されており、又、前記雨水排水路の側壁部と前記外筒体の側壁部とは流入管で連結されており、該流入管の下流端の管底は、前記流出管の上流端の管底よりも上に位置されており、
前記内筒体の上端は、前記流入管から流入された被処理雨水が越流しない高さに設定され、或いは、該内筒体の上端が閉蓋可能となされており、
又、前記内筒体は、その下側部分をなす筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材を具えており、該濾過槽本体部材は、上端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられていることを特徴とする雨水処理装置。
【請求項8】
雨水排水路と、筒状濾過槽と、雨水を地下浸透させる地下浸透層とを具えており、前記雨水排水路から流入した被処理雨水が筒状濾過槽外に、重力の作用で自然流下により排出されるように構成された雨水処理装置であって、
前記筒状濾過槽は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体内に、上端が開放された内筒体が立設状態に納設され、該外筒体と該内筒体との間に流入空間が形成されており、該内筒体は、前記外筒体の底面で立設されており、該内筒体の下部側に、該流入空間に連通する取水部が設けられており、又、該内筒体内には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されており、
前記内筒体の側壁部には、前記外筒体の側壁部を貫通する流出管の上流開口端が前記濾材の上側に位置させて連結されており、又、前記雨水排水路の側壁部と前記外筒体の側壁部とは流入管で連結されており、該流入管の下流端の管底は、前記流出管の上流端の管底よりも上に位置されており、
前記内筒体の上端は、前記流入管から流入された被処理雨水が越流しない高さに設定され、或いは、該内筒体の上端が閉蓋可能となされており、
又、前記内筒体は、その下側部分をなす筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材を具えており、該濾過槽本体部材は、上下端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体の内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられており、
又、前記流出管の前記地下浸透層に存する部分には、該地下浸透層に前記処理雨水を排出させる流出孔が分散状態に設けられていることを特徴とする雨水処理装置。
【請求項9】
雨水排水路と、筒状濾過槽と、雨水を地下浸透させる地下浸透層と、雨水貯留槽とを具えており、前記雨水排水路から流入した被処理雨水が、該雨水貯留槽に、重力の作用で自然流下により流入されるように構成された雨水処理装置であって、
前記筒状濾過槽は、有底で上端開放部が閉蓋可能となされた外筒体内に、上端が開放された内筒体が立設状態に納設され、該外筒体と該内筒体との間に流入空間が形成されており、該内筒体は、前記外筒体の底面で立設されており、該内筒体の下部側に、該流入空間に連通する取水部が設けられており、又、該内筒体内には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されており、
前記内筒体の側壁部には、前記外筒体の側壁部を貫通する流出管の上流開口端が前記濾材の上側に位置させて連結されており、又、前記雨水排水路の側壁部と前記外筒体の側壁部とは流入管で連結されており、該流入管の下流端の管底は、前記流出管の上流端の管底よりも上に位置されており、
前記内筒体の上端は、前記流入管から流入した被処理雨水が越流しない高さに設定され、或いは、該内筒体の上端が閉蓋可能となされており、
又、前記内筒体は、その下側部分をなす筒状濾過槽構成用の濾過槽本体部材を具えており、該濾過槽本体部材は、上端が開放された筒体を具え、該筒体の下部側に前記取水部が設けられると共に、該筒体の内部には、該取水部の上側に位置させて濾材が収容されるものとなされており、又、該筒体の側壁部には、前記流出管を該筒体を内部に連通状態に連結するための側部連結部が設けられており、該筒体の上部分には、前記内筒体の上側部分を構成する継足し筒の下部分を連通状態に連結するための上部連結管部が設けられており、
又、前記流出管は、前記地下浸透層を横断しており、該横断部分には、該地下浸透層に前記処理雨水を排出させる流出孔が分散状態に設けられており、該流出管の下流部が前記雨水貯留槽の上部に連結されており、
又、該雨水貯留槽には、貯留水を排出するための排出部が設けられていることを特徴とする雨水処理装置。
【請求項10】
前記外筒体は、基礎上に載置された底版部材上で、上下端が開放した所要高さの筒状ブロックを、外筒体の必要な高さを考慮して所要段数積重して構成されていることを特徴とする請求項7、8又は9記載の雨水処理装置。
【請求項11】
前記流入管を前記雨水排水路の側壁部の下端側に連結したことを特徴とする請求項7、8、9又は10記載の雨水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−132227(P2012−132227A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285874(P2010−285874)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000137074)株式会社ホクコン (40)
【Fターム(参考)】