説明

答弁サポートシステム及び答弁サポートプログラム

【課題】 質問に対して、より的確で円滑な答弁を行えるようにするための答弁サポートシステム及び答弁サポートプログラムを提供する。
【解決手段】 編集者端末20が、検索者端末40から状況表示端末30を介してカードファイル(回答案ファイル)を受信した場合に、回答案ファイル毎に編集データ記憶部21に記録し、編集者端末20に表示される表示ウィンドウに表示される選択エリアに回答案に関するカードを出力する。そして、選択エリアに表示された回答案の中で選択されたカードを編集エリアに出力する。そして、編集エリアに出力されたカードの表示位置に基づいて決定された順番により、回答案を1つのファイルに一体化した答弁案ファイルを生成する。そして、編集者端末20は、この答弁案ファイルを、状況表示端末30を介して役員用端末50に送信し、答弁案を役員用端末50に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質疑応答の際に、質問に対する答弁者による答弁を支援するための答弁サポートシステム及び答弁サポートプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、多様な場面で質疑応答が行なわれており、例えば、株主総会では、会社の経営方針に対する株主の承認を得るために、通常、株主からの質疑応答の時間を設ける。つまり、会社の取締役等の経営者側と株主側との間で問答が行われる。会社側では、株主からの質問に的確かつ迅速に答弁するために、想定される質問に対する回答を予め準備した想定問答集を作成しておき、株主総会ではこの想定問答集に基づいて答弁を行う場合もある。
【0003】
このような株主総会において株主からの質問に的確かつ迅速に答弁するためのシステムが多数開発されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されているシステムでは、想定問答データをデータベース化した想定問答データベースから、操作者の対話処理によりカードレコードを選択する。そして、このカードレコードを会場に設置されたディスプレイに表示することにより、会場に設置されたディスプレイを見て答弁する答弁者・司会者を支援する。
【特許文献1】特開2002−304513号公報(第3−5頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、議事進行や株主質問によっては、用意した想定問答集に含まれない質問がされることもあり、このような場合、用意した想定問答集で対処しきれない場合が生じる。上記のようなシステムは、予め内容が固定された想定問答の検索結果を答弁者に提示するものであるため、用意した想定問答集に含まれない質問がされた場合、株主からの質問に対する答弁を十分にサポートできない場合がある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、質問に対して、より的確で円滑な答弁を行えるようにするための答弁サポートシステム及び答弁サポートプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、検索者端末から受信した回答案を含むカードファイルを記録する編集データ記憶手段と、検索者端末、答弁者端末とにネットワークを介して接続され、選択エリア及び編集エリアを表示する編集者端末とを備え、答弁者による答弁をサポートするものであって、前記編集者端末が、前記検索者端末から、回答案を含むカードファイルを受信した場合に、カードファイル毎に前記編集データ記憶手段に記録し、前記選択エリアに前記回答案を出力する選択表示手段と、前記選択エリアに表示された回答案の中で選択されたカードファイルについて、その回答案を編集エリアに出力する編集表示手段と、前記編集エリアに出力された回答案の表示位置に基づいて決定された順番により、前記回答案を1つのファイルに一体化した答弁案ファイルを生成する答弁案ファイル生成手段と、前記答弁案ファイルを答弁者端末に表示させる答弁表示手段とを備える。これによれば、検索者端末から提供された回答案を含むカードファイルに基づいてそれぞれ編集した回答案を一体化して答弁案を作成し、この答弁案を答弁者に提示できる。従って、質問に対して、用意された回答案を用いて、答弁案を編集し、これを迅速に答弁者に提示することができる。このため、答弁者は、的確かつ円滑に答弁することが可能となる。
【0007】
さらに、本発明によれば、前記編集者端末が、前記編集エリアに出力された回答案を部分的に特定する手段をさらに備え、前記答弁案ファイル生成手段は、前記回答案において前記特定された部分を抽出し、この部分を1つのファイルに一体化して答弁案ファイルを生成する。これによれば、編集エリアに出力された回答案のうち必要な部分を抽出し、これらを組み合わせて答弁案を作成できる。従って、複数の回答案の中から必要な部分を抽出し、これらを組み合わせて適切な答弁案を答弁者に提示できる。
【0008】
さらに、本発明によれば、前記編集者端末には、さらに操作エリアが表示され、前記編集者端末は、前記回答案を一体化した答弁案を前記操作エリアに出力する手段と、前記答弁案に対して編集操作を行うための手段をさらに備える。これによれば、編集者端末に表示された操作エリアに答弁案を出力し、この操作エリア上で、答弁案に対して編集操作を行うことができる。従って、答弁案の編集操作を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、質問に対して、より的確で円滑な答弁を行えるようにサポートすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図10を用いて説明する。本実施形態では、株主総会における答弁をサポートするための答弁サポートシステム及び答弁サポートプログラムとして説明する。
【0011】
図1に示すように、編集者端末20、状況表示端末30、検索者端末40及び答弁者端末としての役員用端末50が、ネットワーク60を介してそれぞれ接続されている。
役員用端末50は、株主総会において答弁を行う役員が使用するコンピュータ端末である。役員用端末50は、ディスプレイ等の出力手段及び通信手段等を備える。そして、役員用端末50は、ネットワークを介して受信したデータを表示する機能等を有する。この役員用端末50には、株主総会において株主からされた質問に対して、後述する編集者端末20により編集された答弁案ファイルの内容が表示される。そして、株主総会においては、役員は、役員用端末50に表示された答弁案ファイルの内容を参照して答弁を行う。
【0012】
検索者端末40は、株主総会において株主からされた質問に対して、予め用意した想定問答集を検索する検索者が使用するコンピュータ端末である。検索者端末40は、図示しない制御手段(CPU)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスク等)の他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。そして、検索者端末40は、データの検索機能や、ネットワークを介してデータを送信する機能等を有する。この検索者端末40の記憶手段には、想定問答データ記憶部41が含まれる。この想定問答データ記憶部41には、予め準備された想定問答集、すなわち株主総会における予想される質問と、これに対する回答とを含んで構成される想定問答データが記録されている。なお、本実施形態では、総務部、企画部、法務部等のように企業の部署毎に検索者端末40が設定され、各検索者端末40には、それぞれ予め準備した想定問答についての想定問答データが記録されている。従って、各検索者がそれぞれ用いる検索者端末40に、それぞれ想定問答データ記憶部41が設けられ、これらの想定問答データ記憶部41に同様の想定問答データが記録されている。株主総会において、検索者は、株主からされた質問について、この検索者端末40を用いて想定問答データの検索を行う。そして、検索者端末40は、検索された想定問答データによる回答案ファイルを、状況表示端末30を介して編集者端末20に送信する。
【0013】
編集者端末20は、検索者端末40から状況表示端末30を介して受信した回答案ファイルに基づいて答弁案を編集する編集者が使用するコンピュータ端末である。編集者端末
20は、図示しない制御手段(CPU)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスク等)の他、入力手段、出力手段、通信手段等を有する。この編集者端末20においては、入力手段及び出力手段としてタッチパネルを備えている。編集者端末20は、ネットワークを介したデータの送信・受信機能や、受信したデータの編集機能等を有する。編集者端末20は、後述する処理を行うための答弁サポートプログラムを実行することにより、選択表示手段、編集表示手段、答弁案ファイル生成手段、答弁表示手段等として機能する。選択表示手段は、検索者端末40から、状況表示端末30を介して回答案を含むカードファイルを受信した場合に、カードファイル毎にデータを編集データ記憶部21に記録し、後述するように選択エリア71にカード85を出力する(図7参照)。編集表示手段は、選択エリア71に表示されたカード85の中で選択されたカード85を編集エリア73に出力する。答弁案ファイル生成手段は、編集エリア73に出力されたカード85の表示位置に基づいて決定された順番により、カード85の回答案を1つのファイルに一体化した答弁案ファイルを生成する。答弁表示手段は、生成した答弁案ファイルを役員用端末50に送信し、役員用端末50に答弁案を表示させる。
【0014】
この編集者端末20の記憶手段には、回答案ファイルに基づいて編集される答弁案についての編集データが記録される。つまり、この編集者端末20の記憶手段には、編集データ記憶手段としての編集データ記憶部21が含まれる。
【0015】
編集データ記憶部21には、図2に示すように、検索者端末40から受信した回答案ファイルに基づく編集データ210が記録される。この編集データ210は、所轄部情報、想定質問、回答、ステータス、上部隠蔽範囲、下部隠蔽範囲及び表示位置に関するデータ領域を含んで構成されている。所轄部情報、想定質問及び回答に関するデータは、検索者端末40から受信した回答案ファイルに基づいて記録される。ステータス、上部隠蔽範囲、下部隠蔽範囲及び表示位置に関するデータは、答弁案の編集に従って記録される。
【0016】
所轄部情報データ領域には、回答案ファイルを担当した部署(所轄部)を特定するための所轄部識別情報に関するデータが記録される。想定質問データ領域には、想定質問番号及び想定質問に関するデータが記録される。回答データ領域には、この想定質問に対する回答に関するデータが記録される。ステータスデータ領域には、答弁案の編集における、この編集データのステータスに関するデータが記録される。具体的には、「未選択」、「廃棄」、「編集」のいずれかが記録される。「未選択」は、編集者によってカードファイルが選択されていない場合に記録される。この場合、後述するように、カード85が選択エリア71に表示される(図7参照)。「廃棄」は、カード85が廃棄された場合に記録される。この場合、廃棄表示87が削除エリア72に表示される。「編集」は、カードファイルが編集対象として選択された場合に記録される。この場合、カード85が編集エリア73に表示される(図7参照)。
【0017】
上部隠蔽範囲データ領域には、この編集データ210によるカード85の上部隠蔽範囲に関するデータが記録される。下部隠蔽範囲データ領域には、このカード85の下部隠蔽範囲に関するデータが記録される。表示位置データ領域には、編集エリア73における、このカード85の表示位置に関するデータが記録される。
【0018】
状況表示端末30は、総会管理者が、検索者端末40から編集者端末20に送信される回答案ファイル及び編集者端末20から役員用端末50に送信される答弁案ファイルの送信状況をモニタリングするためのコンピュータ端末である。状況表示端末30は、図示しない制御手段(CPU)、記憶手段(RAM、ROM、ハードディスク等)の他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。そして、状況表示端末30は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有し、回答案ファイルや答弁案ファイルの送信状況をモニタリングする
状況表示機能を有する。
【0019】
次に、上記のような答弁サポートシステムを用いて、株主総会における答弁をサポートする場合の処理手順を図3〜図10を用いて説明する。ここでは、株主総会会場において役員が受けた質問は、編集者、各部署の検索者に即時に配信される。この場合、総会管理者は、答弁を行う役員を決定し、状況表示端末30を用いて、この役員の氏名を役員用端末50に表示させる。これにより、答弁を行う役員は、質問の内容の確認など答弁の準備を行う。一方、質問内容を聞いた各部署の検索者は、検索者端末40を用いて、想定問答データ記憶部41の中から適切な想定問答を検索する。また、適切な想定問答がない場合には、必要に応じて、その場で回答を作成する。そして、回答案ファイルを、状況表示端末30を介して編集者端末20に送信する。このようにして、編集者端末20には、各検索者端末40から回答案ファイルが送信されてくる。そして、編集者が編集者端末20を用いて編集を行う。
【0020】
次に、編集者端末20に表示される画面の概要について、図5、図6を用いて説明する。
この編集者端末20のタッチパネルには、図5に示す表示ウィンドウ70が出力される。この表示ウィンドウ70には、選択エリア71、削除エリア72、編集エリア73及び手書操作エリア74の一部又は全部を表示することができる。編集者は、後述するように、選択エリア71、削除エリア72、編集エリア73及び手書操作エリア74を用いて編集を行う。
【0021】
図6に示すように、表示ウィンドウ70には、編集者は、選択エリア71、削除エリア72、編集エリア73及び手書操作エリア74の中から必要な表示対象エリアを選択できるように、表示ウィンドウ70を左右に切り換えられるようになっている。図6の上図では、選択エリア71及び削除エリア72と編集エリア73とが表示対象となっている。この状態で、タッチパネル上で手書操作エリア表示ボタン78に触れると、図6の下図のように、表示対象エリアが左側のエリアとなり、編集エリア73と手書操作エリア74とが表示対象となる。この状態で、均等表示ボタン76に触れると、図6の上図のように、表示対象エリアが右側のエリアとなり、選択エリア71及び削除エリア72と編集エリア73とが均等に表示される。
【0022】
(選択処理)
次に、カードの選択処理について図3を用いて説明する。この処理は、図6の上図のように、表示ウィンドウ70における表示対象を選択エリア71及び削除エリア72と編集エリア73として行う。このように表示対象を選択エリア71及び削除エリア72と編集エリア73とした場合の表示ウィンドウ70を図7に示す。
【0023】
図7に示すように、表示ウィンドウ70の下部には、選択エリア拡大ボタン75、均等表示ボタン76、編集エリア拡大ボタン77及び手書操作エリア表示ボタン78からなる表示領域切替ボタン群と、送信ボタン80と、全削除ボタン81と、クリアボタン82とが設けられている。
【0024】
選択エリア拡大ボタン75は、図7に示すように、選択エリア71及び削除エリア72と編集エリア73とが表示対象となった状態で、選択エリア71及び削除エリア72の領域を広げて表示するためのボタンである。均等表示ボタン76は、選択エリア71及び削除エリア72と編集エリア73とを均等に表示するためのボタンである(図8参照)。編集エリア拡大ボタン77は、選択エリア71及び削除エリア72と編集エリア73とが表示対象となった状態で、編集エリア73を広げて表示するためのボタンである。手書操作エリア表示ボタン78は、編集エリア73と手書操作エリア74とを表示対象とするため
のボタンである。送信ボタン80は、編集した答弁案ファイルを、状況表示端末30を介して役員用端末50に送信するためのボタンである。全削除ボタン81は、選択エリア71のすべてのカード85について廃棄指示をし、削除エリア72における廃棄表示87の表示対象とするためのボタンである。なお、削除エリア72は、編集データ210を消去する前の仮置きのエリアである。削除エリア72の廃棄表示87は、選択エリア71に戻して、カード85の表示対象とすることが可能である。クリアボタン82は、削除エリア72に廃棄表示87を表示している編集データ210を完全に消去するためのボタンである。
【0025】
次に、図3を用いて、選択処理を説明する。編集者端末20は、検索者端末40からカードファイル(回答案ファイル)を受信すると、このカードファイルのデータについて編集データ210を生成し、編集データ記憶部21に記録する(ステップS1−1)。検索者端末40から受信したカードファイルには、所轄部情報、想定質問及び回答に関するデータ(カードデータ)が含まれる。
【0026】
そして、編集者端末20は、このカードデータに基づいて、カードを選択エリア71に表示する(ステップS1−2)。これにより、図7に示すように、選択エリア71に、カード85が表示される。そして、編集者端末20は、このカード85について指示入力を待つ(ステップS1−3)。
【0027】
カード85には、廃棄指示ボタン86が付加されている。タッチパネル上で廃棄指示ボタン86に触れると、編集者端末20は、このカード85についての廃棄指示の入力を認識する。一方、タッチパネル上で選択エリア71のカード85の本体に触れると、編集者端末20は、このカード85についての選択指示の入力を認識する。
【0028】
このように廃棄指示又は選択指示の入力を認識した場合(ステップS1−3においてYESの場合)、編集者端末20は、編集データ記憶部21に、このカード85についての編集データ210のステータスを記録する(ステップS1−4)。具体的には、編集指示が入力された場合、ステータスとして「編集」を記録する。この場合、編集者端末20は、編集エリア73において指が離された位置を認識し、この位置に基づいて、このカード85の位置情報を取得し、編集データ210に記録する。一方、廃棄指示が入力された場合、ステータスとして「廃棄」を記録する。
【0029】
そして、編集指示が入力された場合(ステップS1−5において「編集」の場合)、編集者端末20は、このカード85を編集エリア73に表示する(ステップS1−6)。具体的には、編集者端末20は、編集データ210のステータスが「編集」の場合、この編集データ210に基づいてカード85を編集エリア73に表示する。
【0030】
一方、廃棄指示が入力された場合、(ステップS1−5において「廃棄」の場合)、編集者端末20は、このカード85の廃棄表示87を削除エリア72に表示する(ステップS1−7)。具体的には、編集者端末20は、編集データ210のステータスが「廃棄」の場合、この編集データ210の想定質問データ領域に記録された想定質問番号に基づいて、想定質問番号の表示を含む廃棄表示87を削除エリア72に表示する。
【0031】
(カード編集処理)
このようにして図8に示すように編集エリア73に並べられたカード85については、後述する処理により、利用するテキスト部分を取捨選択したり、カード85を並べ替えたりすることができる。この操作を行う場合、編集者は、編集エリア73での操作を行いやすいように、均等表示ボタン76、編集エリア拡大ボタン77又は手書操作エリア表示ボタン78を選択する。この場合、編集者端末20は、編集者の指示に応じて表示ウィンド
ウ70内の表示内容の変更を行う。
【0032】
次に、カードの編集処理について図9を用いて説明する。ここでは、検索者端末40から受信したカードファイル(回答案ファイル)において、利用するテキスト部分の取捨選択や、カードの順序入れ替えによって、答弁案を作成するための構造設計を行う。この構造設計には、上部隠蔽処理、下部隠蔽処理及びカード順序入れ替え処理があり、各処理を行うために、編集エリア73に表示されたカード85は、3つのパートから構成される。具体的には、図9に示すように、編集エリア73に表示されるカード85の領域は、上部隠蔽操作エリア90、移動操作エリア91及び下部隠蔽操作エリア92に分けられる。以下、上部隠蔽処理、下部隠蔽処理、順序入れ替え処理の順に説明する。
【0033】
<上部隠蔽処理>
カード85の上部のテキストを不要と判断し、削除する場合には、編集者は、上部隠蔽操作エリア90に触れ、そのまま削除したい行数分、カード85上で指を下方向に移動させる。この場合、編集者端末20は、指の移動量(タッチ移動量)に基づいて、上部フレーム93を移動させる(ステップS3−1)。そして、編集者端末20は、上部フレーム93により特定される上部隠蔽範囲を記録し、上部隠蔽範囲を色分けして表示する(ステップS3−2)。具体的には、編集者端末20は、操作を行ったカード85に対応する編集データ210の上部隠蔽範囲データエリアに上部隠蔽範囲の行数を記録する。そして、この編集データ210に基づいて、編集者端末20は、上部隠蔽範囲95を識別できるように、色分けして表示する。また、上部隠蔽操作エリア90内の上部隠蔽範囲95に、上部フレーム93を先端とする下向きの矢印を表示する。
【0034】
なお、上部隠蔽操作エリア90内に触れたまま、カード85上で指を上方向に移動させると、編集者端末20は、タッチ移動量に基づいて上部フレーム93を戻す。この場合、隠蔽されていた上部隠蔽範囲の行数を再計算し、編集データ210に記録された上部隠蔽範囲を更新する。
【0035】
<下部隠蔽処理>
一方、カード85の下部のテキストを不要と判断し、カード85の下部を削除する場合、編集者は、下部隠蔽操作エリア92に触れ、そのまま削除したい行数分、カード85上で指を上方向に移動させる。この場合、編集者端末20は、タッチ移動量に基づいて、下部フレーム94を移動させる(ステップS4−1)。そして、編集者端末20は、下部フレーム94により特定される下部隠蔽範囲を記録し、下部隠蔽範囲を色分けして表示する(ステップS4−2)。この場合も、編集者端末20は、操作を行ったカード85に対応する編集データ210の下部隠蔽範囲データエリアに下部隠蔽範囲の行数を記録する。そして、この編集データ210に基づいて、編集者端末20は、下部隠蔽範囲96を識別できるように、色分けして表示する。また、下部隠蔽操作エリア92内の下部隠蔽範囲96に、下部フレーム94を先端とする上向きの矢印を表示する。
【0036】
なお、下部隠蔽操作エリア92内に触れたまま、カード85上で指を下方向に移動させると、編集者端末20は、タッチ移動量に基づいて下部フレーム94を戻す。この場合、隠蔽されていた下部隠蔽範囲の行数を再計算し、編集データ210に記録された下部隠蔽範囲を更新する。
【0037】
上記のようにして上部隠蔽範囲95及び下部隠蔽範囲96が決定されたカード85については、後述する処理において、上部隠蔽範囲95及び下部隠蔽範囲96に含まれていない部分のテキストデータを用いて編集が行われる。
【0038】
<順序入れ替え処理>
次に、編集エリア73内でカード85の順序を入れ替える場合について説明する。カード85の順序を入れ替える場合、編集者は、移動操作エリア91に触れ、そのままカード85の移動を行う。これにより、編集者端末20は、タッチ移動量に基づいて、カード85全体を移動する(ステップS5−1)。具体的には、編集者が編集エリア73内のカード85の移動操作エリア91に触れ、その状態のままカードの移動を行う。そして、編集者が画面上から指を離すと、編集者端末20は、このカード85の移動先のエリアを特定する(ステップS5−2)。具体的には、編集エリア73内での移動と、編集エリア73外への移動(選択エリア71への移動)とがある。
【0039】
編集エリア73外への移動の場合(ステップS5−2においてYESの場合)、編集者端末20は、移動先のエリアを特定して、このカード85についての編集データ210のステータスを変更する(ステップS5−3)。具体的には、カード85を選択エリア71に移動した場合、編集データ210のステータスを「未選択」に変更する。そして、編集者端末20は、ステータスに基づいて、各カード85を各表示エリアに表示する。選択エリア71への移動操作が行われたカード85は、対応する編集データ210のステータス「未選択」に基づいて、選択エリア71に表示される。
【0040】
なお、選択エリア71に表示されたカード85には廃棄指示ボタン86が付加される。ここで、廃棄指示ボタン86に触れると、廃棄指示が入力される。これにより、編集者端末20は、このカード85についての編集データ210のステータスを「廃棄」に変更する。そして、編集者端末20は、このステータス「廃棄」に基づいて、このカード85についての廃棄表示87を削除エリア72に表示する。なお、これにより、選択エリア71におけるこのカード85は消去される。
【0041】
一方、編集エリア73内での移動の場合(ステップS5−2においてNOの場合)、ステップS5−3の処理はスキップされる。
そして、編集者端末20は、編集エリア73内における各カード85の位置を特定し、カード85の並べ替えを行う(ステップS5−4)。具体的には、編集エリア73外への移動の場合(ステップS5−2においてYESの場合)には、編集エリア73内に残されたカード85の配置に基づいて、各編集データ210の表示位置に関するデータを更新する。一方、編集エリア73内での移動の場合(ステップS5−2においてNOの場合)には、移動されたカード85の移動前後の位置に基づいて、編集エリア73内のカード85の配置を特定し、各編集データ210の表示位置に関するデータを更新する。ここで、各編集データ210の表示位置に関するデータを更新は、編集エリア73内に表示するカード85について、上からの順番を、各カード85の編集データ210の表示位置データエリアに記録することにより行う。そして、編集者端末20は、各編集データ210中の表示位置に基づいてカード85を並べることにより、編集エリア73内のカード85を再配置する。具体的には、編集者端末20は、ステータスが「編集」の編集データ210を、編集データ210中の表示位置に従ってソートし、この順番で、各編集データ210に対応するカード85を編集エリア73に表示する。
【0042】
このようにして、図8示すように、必要なカード85が編集エリア73に表示され、さらに、そのカード85の中で、上部隠蔽範囲95や下部隠蔽範囲96により、答弁案ファイル生成に用いるテキストが特定される。
【0043】
(編集処理)
次に、手書操作エリア74へのテキストの編集処理について説明する。この編集処理は、編集エリア73の各カード85に対して、イベントがあった場合に実行される。このイベントには、編集エリア73にカード85が追加された場合や、上述のカード編集処理が実行された場合がある。そして、この処理では、隠蔽されていない部分を一体化すること
により行う。具体的には、上述のカード編集処理を行った場合に、処理対象となったカード85について、テキストデータを抽出して手書操作エリア74に表示するとともに、これに従って、他のカード85に対応するテキストの位置を変更する。なお、手書操作エリア74は、上述のように、手書操作エリア表示ボタン78を選択することにより表示される。具体的には、手書操作エリア表示ボタン78を選択すると、図10に示すように、表示ウィンドウ70内に、編集エリア73及び手書操作エリア74が表示される。
【0044】
この手書操作エリア74へのテキストの編集処理について、図4に従って説明する。
上述のようにしてカード85についてカード編集処理が行われると、編集者端末20は、編集エリア73のカード85の中から、上記の上部隠蔽処理、下部隠蔽処理及びカード入れ替え処理のいずれかが行われたカードを特定する(ステップS2−1)。
【0045】
そして、このカード85について、編集者端末20は、上部隠蔽範囲及び下部隠蔽範囲を除いてテキストデータを抽出する(ステップS2−2)。具体的には、編集者端末20は、編集データ210に記録された、上部隠蔽範囲及び下部隠蔽範囲の行数に基づいて、この部分のテキストを取り除き、残ったテキストデータを抽出する。
【0046】
そして、編集者端末20は、抽出されたテキストデータを手書操作エリア74に表示する(ステップS2−3)。すなわち、表示ウィンドウ70に手書操作エリア74を表示した場合、このカード85の隠蔽されていない範囲のテキストが表示される。
【0047】
具体的には、編集者端末20は、ステータスが「編集」の各編集データ210について、編集データ210中の表示位置に基づいて、手書操作エリア74内での各テキスト表示98の位置を特定する。ここで、編集者端末20は、表示位置が1つ前のテキスト表示98の次の行から表示されるように、各テキスト表示98の位置を特定する。そして、編集者端末20は、編集データ210中の上部隠蔽範囲及び下部隠蔽範囲に基づいて、隠蔽された部分を取り除いた表示対象の範囲を特定し、手書操作エリア74にテキスト表示98を表示する。これにより、編集エリア73の各カード85について、編集エリア73内での順番と同様の順番で、隠蔽された範囲を除いたテキストが手書操作エリア74に表示される。
【0048】
すなわち、上部隠蔽処理又は下部隠蔽処理が行われた場合には、処理対象のカード85に対応するテキスト表示98が変更されるとともに、このテキスト表示98の行数の変更に伴って、各カード85に対応するテキスト表示98の手書操作エリア74での位置が移動する。また、順序入れ替え処理が行われた場合には、処理対象のカード85の移動に伴って変更された、編集エリア73の各カード85に対応する編集データ210中の表示位置に従って、各カード85に対応するテキスト表示98の手書操作エリア74での位置が移動する。
【0049】
このようにして、編集エリア73において、各カード85について、上部隠蔽処理、下部隠蔽処理又は順序入れ替え処理を行うことにより、手書操作エリア74に、これらが編集されたテキストが表示される。
【0050】
(手書処理)
次に、手書操作エリア74における処理について、図10を用いて説明する。上記のようにして手書操作エリア74に表示させたテキスト(答弁案)に対し、コメントの追加や記載内容の訂正等を行う必要がある場合、手書操作エリア74において、手書操作により、コメントの追加や記載内容の訂正等を行う。
【0051】
図10に示すように、手書操作エリア74の下には、手書操作ツール100が表示され
る。手書操作ツール100には、手書開始ボタン101、手書リセットボタン102、マーカボタン103、線ボタン104及び消しゴムボタン105が設けられている。手書開始ボタン101は、手書操作を開始するためのボタンである。手書リセットボタン102は、手書した内容をすべて削除するためのボタンである。マーカボタン103は、マーカを塗ったように表示されるように手書操作エリア74内で手書するためのボタンである。線ボタン104は、手書操作エリア74内で線により手書するためのボタンである。消しゴムボタン105は、手書操作エリア74内で手書したものを消去する操作を行うためのボタンである。
【0052】
手書開始ボタン101に触れると、編集者端末20の画面上で手書補記が可能な手書補記可能状態となる。手書補記可能状態で、線ボタン104を選択し、手書操作エリア74内で画面に触れて画面上で指を移動させると、指の動きに対応して手書補記が行われる。また、手書補記可能状態で、マーカボタン103を選択し、手書操作エリア74内で画面に触れて画面上で指を移動させると、指の動きに対応して、画面上でマーカを塗ったように表示される。そして、手書補記可能状態で、消しゴムボタン105を選択し、手書操作エリア74内で画面に触れて、手書補記した部分をなぞると、手書補記した部分が消去される。また、手書補記可能状態で、手書リセットボタン102に触れると、手書操作エリア74において手書補記された内容がすべて消去される。
【0053】
編集者端末20は、手書操作エリア74における操作に従って、手書補記された情報を編集者端末20内の記憶手段に記録する。
(答弁案ファイルの送信)
そして、編集者が送信ボタン80に触れると、編集者端末20は、手書操作エリア74に表示されているテキストに、手書補記された情報を追加した答弁案を表示する答弁案ファイルを生成し、編集者端末20内の記憶手段に記録する。そして、編集者端末20は、この答弁案ファイルを状況表示端末30に送信する。
【0054】
なお、手書補記の必要がない場合、編集者は、手書補記を行わずに送信ボタン80に触れる。この場合、編集者端末20は、手書操作エリア74に表示されているテキストを1つのファイルにまとめた答弁案ファイルを生成し、編集者端末20内の記憶手段に記録する。そして、編集者端末20は、この答弁案ファイルを状況表示端末30に送信する。
【0055】
また、カード85の記載内容をそのまま用いる場合は、編集者は、選択エリア71内でカード85を選択し、送信ボタン80に触れる。この場合、編集者端末20は、選択されたカード85の記載内容を有する答弁案ファイル生成し、この答弁案ファイルを状況表示端末30に送信する。
【0056】
状況表示端末30は、編集者端末20から送信された答弁案ファイルを受信すると、答弁案ファイルの送信履歴を状況表示端末30内の記憶手段に記録し、この答弁案ファイルによる答弁案を表示する。総会管理者は、この状況表示端末30を用いて、答弁案ファイルの送信状況と、答弁案の内容とを監視する。そして、状況表示端末30は、この答弁案ファイルを各役員の役員用端末50に送信する。
【0057】
この答弁案ファイルを役員用端末50が受信すると、役員用端末50には、この答弁案ファイルによる答弁案が表示される。総会管理者に答弁を指示された役員は、役員用端末50に表示された答弁案を参照して答弁を行う。
【0058】
(送信状況のモニタリング)
総会管理者は、状況表示端末30を用いて、回答案ファイル及び答弁案ファイルの送信状況の監視を行う。
【0059】
具体的には、状況表示端末30は、検索者端末40から回答案ファイルを受信すると、この回答案ファイルを状況表示端末30内の記憶手段に記録し、この回答案ファイルに基づくカード85を状況表示端末30に表示する。そして、状況表示端末30は、この回答案ファイルを編集者端末20に送信する。総会管理者は、状況表示端末30に表示されたカード85により、回答案ファイルの送信状況を監視する。
【0060】
また、状況表示端末30は、編集者端末20から答弁案ファイルを受信すると、この答弁案ファイルを状況表示端末30内の記憶手段に記録し、この答弁案ファイルに基づく答弁案を状況表示端末30に表示する。総会管理者は、状況表示端末30を用いて、答弁案ファイルに対して、さらに、手書補記を行うことができる。具体的には、状況表示端末30の画面上に表示される、編集者端末20に表示される手書操作ツール100と同様のツールを用いて、総会管理者は、必要な場合、さらに、手書補記を行う。そして、総会管理者は、答弁案ファイルの送信要求を入力する。これにより、状況表示端末30は、答弁案ファイルを各役員の役員用端末50に送信する。
【0061】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、編集者端末20が、検索者端末40から状況表示端末30を介してカードファイル(回答案ファイル)を受信した場合に、カードファイル毎に編集データ記憶部21に記録し、選択エリア71にカード85を出力する。そして、選択エリア71に表示された答弁案の中で選択されたカード85を編集エリア73に出力する。そして、編集エリア73に出力されたカード85の表示位置に基づいて決定された順番により、答弁案を1つのファイルに一体化した答弁案ファイルを生成する。そして、編集者端末20は、この答弁案ファイルを、状況表示端末30を介して役員用端末50に送信し、答弁案を役員用端末50に表示させる。これにより、検索者端末40から提供されたカードファイルに基づいてそれぞれ編集した回答案を一体化して答弁案を作成し、この答弁案を迅速に答弁者に提示できる。従って、質問に対して、用意された回答案を用いて答弁案を編集し、これを答弁者に提示できる。このため、答弁者は、予め用意された複数の想定問答を組み合わせて、質問に対して的確かつ円滑に答弁することが可能となる。
【0062】
・ 上記実施形態では、編集者端末20が、編集エリア73に出力されたカード85を部分的に隠蔽する。そして、隠蔽された部分(上部隠蔽範囲95及び下部隠蔽範囲96)を除いた部分(表示範囲97)を抽出し、各カード85の表示範囲97に対応するテキスト表示98を1つのファイルに一体化して答弁案ファイルを生成する。これにより、編集エリア73に出力された回答案のうち必要な部分を抽出し、これらを組み合わせて答弁案を作成できる。従って、複数の回答案の中から必要な部分を抽出し、これらを組み合わせて適切な答弁案を答弁者に提示できる。
【0063】
・ 上記実施形態では、編集者端末20は、生成した答弁案を手書操作エリア74に出力する。そして、編集者端末20は、手書操作ツール100を表示し、編集者は、この手書操作ツール100を用いて、答弁案に対して手書補記による編集操作を行う。これにより、編集者端末20に表示された手書操作エリア74に答弁案を出力し、この手書操作エリア74上で、答弁案に対して手書補記による編集操作を行うことができる。従って、答弁案に対する編集操作を効率的に行うことができる。
【0064】
・ 上記実施形態では、編集者端末20はタッチパネルを備え、編集者による答弁案の編集は、このタッチパネルを用いて行う。このように、キーボード操作を必要としないため、編集者による迅速な編集作業を実現することができる。
【0065】
・ 上記実施形態では、答弁内容の編集作業は、カード85単位で行う。このため、不
要な部分の除去のための操作を行う編集者の指の移動距離を少なくすることができる。また、編集エリア73内でカード85を移動することにより、答弁の内容の順序を容易に変更することができる。
【0066】
・ 上記実施形態では、編集エリア73において、カード85の隠蔽された部分(上部隠蔽範囲95及び下部隠蔽範囲96)を、色分けして表示する。このため、編集者は、隠蔽された部分(上部隠蔽範囲95及び下部隠蔽範囲96)とこれを除いた部分(表示範囲97)の両方を表示ウィンドウ70において視認することができる。
【0067】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、編集データ記憶部21には、検索者端末40から状況表示端末30を介して受信した回答案ファイルに基づく編集データ210が記録される。この編集データ210は、所轄部情報、想定質問、回答、ステータス、上部隠蔽範囲、下部隠蔽範囲及び表示位置に関するデータ領域を含んで構成されている。そして、この上部隠蔽範囲、下部隠蔽範囲を用いて、編集者端末20は、上部隠蔽範囲及び下部隠蔽範囲を除いてテキストデータを抽出する(ステップS2−3)。回答案ファイル中のデータを特定して、その部分を合体して答弁案を生成できれば、回答案ファイルから抽出するテキストデータの特定は、どのような方法で行ってもよい。例えば、所轄部情報、想定質問、回答を表示し、この内、抽出する部分を枠で囲み、この枠内の領域のテキストを抽出してもよい。
【0068】
○ 上記実施形態では、カード85に所轄部情報、想定質問及び回答を表示し、編集者が、不要な部分を隠蔽する操作を行った。これに代えて、所轄部情報及び想定質問に関しては、編集者端末20が特定して、自動的に隠蔽してもよい。この場合、最上位に配置されたカード85については、所轄部情報や想定質問の隠蔽を行わないようにしてもよい。
【0069】
○ 上記実施形態では、編集者端末20において、編集データ210に基づいて手書操作エリア74にテキスト表示98を表示し、これに対して編集者が手書補記を行った。そして、送信ボタン80による送信要求が行われた場合に、手書操作エリア74に表示されたテキストに、手書補記による情報を加えた答弁案ファイルを生成した。これに代えて、編集者端末20において、答弁案ファイルを生成してから、この答弁案ファイルに対して手書補記を行うようにしてもよい。例えば、編集エリア73における各カード85についての編集操作を終了した場合に、編集者がカード85の編集操作が終了した旨の入力を行う。これに応じて編集者端末20が、編集エリア73のカード85に対応する各編集データ210に基づいて、それぞれテキストデータを抽出し、これらを一体化して答弁案ファイルを生成し、編集者端末20内の記憶手段に記録する。そして、この答弁案ファイルを手書操作エリア74に表示し、これに対して手書補記を行ってもよい。
【0070】
○ 上記実施形態では、検索者端末40に記録された想定問答データの中から検索者が選択を行い、選択された想定問答データに基づく回答案ファイルを、そのまま状況表示端末30を介して編集者端末20に送信した。これに代えて、検索された想定問答データに対して、検索者端末40において編集を行い、編集された情報を含んだ回答案ファイルを、状況表示端末30を介して編集者端末20に送信してもよい。この場合、編集者端末20は、これらの編集情報を表示するようにする。例えば、これらの編集情報を追加したカード85を編集者端末20に表示する。検索者端末40における編集は、キーボード入力や、画面上での手書操作による手書補記やマーカ記入により行ってもよい。これにより、予め用意された想定問答データにない情報を検索者が追加できる。従って、検索者が必要な情報を追加等した回答案を、編集者に提供することができる。
【0071】
○ 上記実施形態では、編集者端末20からの答弁案ファイルを、すべての役員用端末50に送信した。これに代えて、答弁を行う役員が使用する役員用端末50を選択し、こ
の役員用端末50のみに答弁案ファイルを送信してもよい。
【0072】
例えば、回答案ファイルが答弁を行うべき役員の識別情報を含み、回答案ファイルに基づいて編集した答弁案ファイルの役員用端末50への送信においては、この回答案ファイルに含まれる役員の識別情報に基づいて、答弁案ファイルを送信する役員用端末50を特定する。なお、編集した答弁案ファイルについて複数の役員が該当する場合には、該当する複数の役員の役員用端末50に答弁案ファイルを送信する。また、編集者等の入力操作により、答弁案ファイルを送信する役員用端末50を選択してもよい。
【0073】
○ 上記実施形態では、検索者端末40からの回答案ファイルを編集者端末20に送信する際に、編集者端末20の選択は行わなかったが、複数の編集者端末20を用意し、送信先の編集者端末20を選択してもよい。例えば、回答案ファイルの所轄部情報に基づいて、送信先の編集者端末20を選択してもよい。また、各検索者端末40について、送信先の編集者端末20をそれぞれ特定してもよい。
【0074】
○ 上記実施形態では、株主総会において答弁を行う場合を想定したが、複数の回答案を組み合わせて一連の答弁案として答弁者に提示する場合であれば、どのような場合に、本発明の答弁サポートシステムを具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態のシステムの概略図。
【図2】編集データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図5】編集者端末の表示ウィンドウに表示される各エリアの説明図。
【図6】編集者端末の表示ウィンドウに表示される各エリアの説明図。
【図7】編集者端末の表示ウィンドウに表示された表示画面の説明図。
【図8】編集者端末の表示ウィンドウに表示された表示画面の説明図。
【図9】編集エリアにおけるカードの操作における処理手順の説明図。
【図10】編集者端末の表示ウィンドウに表示された表示画面の説明図。
【符号の説明】
【0076】
20…編集者端末、21…編集データ記憶手段としての編集データ記憶部、40…検索者端末、50…答弁者端末としての役員用端末、71…選択エリア、73…編集エリア、74…操作エリアとしての手書操作エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索者端末から受信した回答案を含むカードファイルを記録する編集データ記憶手段と、検索者端末、答弁者端末とにネットワークを介して接続され、選択エリア及び編集エリアを表示する編集者端末とを備え、答弁者による答弁をサポートするシステムであって、
前記編集者端末が、
前記検索者端末から、回答案を含むカードファイルを受信した場合に、カードファイル毎に前記編集データ記憶手段に記録し、前記選択エリアに前記回答案を出力する選択表示手段と、
前記選択エリアに表示された回答案の中で選択されたカードファイルについて、その回答案を編集エリアに出力する編集表示手段と、
前記編集エリアに出力された回答案の表示位置に基づいて決定された順番により、前記回答案を1つのファイルに一体化した答弁案ファイルを生成する答弁案ファイル生成手段と、
前記答弁案ファイルを答弁者端末に表示させる答弁表示手段と
を備えることを特徴とする答弁サポートシステム。
【請求項2】
前記編集者端末が、
前記編集エリアに出力された回答案を部分的に特定する手段をさらに備え、
前記答弁案ファイル生成手段は、前記回答案において前記特定された部分を抽出し、この部分を1つのファイルに一体化して答弁案ファイルを生成することを特徴とする請求項1に記載の答弁サポートシステム。
【請求項3】
前記編集者端末には、さらに操作エリアが表示され、
前記編集者端末は、前記回答案を一体化した答弁案を前記操作エリアに出力する手段と、前記答弁案に対して編集操作を行うための手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の答弁サポートシステム。
【請求項4】
検索者端末から受信した回答案を含むカードファイルを記録する編集データ記憶手段と、検索者端末、答弁者端末とにネットワークを介して接続され、選択エリア及び編集エリアを表示する編集者端末とを備え、答弁者による答弁をサポートするためのプログラムであって、
前記編集者端末を、
前記検索者端末から、回答案を含むカードファイルを受信した場合に、カードファイル毎に前記編集データ記憶手段に記録し、前記選択エリアに前記回答案を出力する選択表示手段と、
前記選択エリアに表示された回答案の中で選択されたカードファイルについて、その回答案を編集エリアに出力する編集表示手段と、
前記編集エリアに出力された回答案の表示位置に基づいて決定された順番により、前記回答案を1つのファイルに一体化した答弁案ファイルを生成する答弁案ファイル生成手段と、
前記答弁案ファイルを答弁者端末に表示させる答弁表示手段
として機能させるための答弁サポートプログラム。
【請求項5】
前記編集者端末を、さらに、
前記編集エリアに出力された回答案を部分的に特定する手段として機能させ、
前記答弁案ファイル生成手段は、前記回答案において前記特定された部分を抽出し、この部分を1つのファイルに一体化して答弁案ファイルを生成する手段として機能させることを特徴とする請求項4に記載の答弁サポートプログラム。
【請求項6】
前記編集者端末に、さらに操作エリアを表示し、
前記編集者端末を、さらに、前記回答案を一体化した答弁案を前記操作エリアに出力する手段と、前記答弁案に対して編集操作を行うための手段として機能させることを特徴とする請求項4又は5に記載の答弁サポートプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−236147(P2006−236147A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−51983(P2005−51983)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)