説明

管の規格を表示する器具

【課題】管の規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を、簡単な操作で表示することのできる器具を提供する。
【解決手段】表示板1と、これに対してスライド可能に外装された外装体2と、で構成する。表示板1の第1面11に、配管用の管の規格表を固定する。表示板1の第2面に、フランジの規格表を固定する。外装体2は、表示板1の第1面11を覆う第1の板と、表示板1の第2面を覆う第2の板を有する。外装体2の第1および第2の板は、白地に黒で印刷が施され、複数の窓部を設けた紙を、各透明な板に接着したものである。表示板1に対して外装体2をスライドさせることで、管の規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値が、外装体2の第1の板の各窓部に同時に表示され、フランジの規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値が、外装体2の第2の板の各窓部に同時に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管の規格表(複数の呼び径と各呼び径に対応する寸法等の数値が記された表)の一つの呼び径に対応する全ての数値を表示できる器具に関する。
【背景技術】
【0002】
配管作業においては、現場で修理のために、使用する管やフランジの選定を行うことがあるが、その場合に従来は、分厚い機械設計便覧等を持ち込んで、それに記載されている規格表から呼び径に対応する寸法等の数値を読み取っていた。この読み取る作業は煩雑であり、規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を簡単な操作で表示することのできる器具が求められていたが、これまでにそのような器具は提案されていない。
例えば、下記の特許文献1で提案されている配管設計の完全自動化方法において、JIS規格のデータをコンピュータに記憶させて、これを設計に使用することが行われているだけである。
【特許文献1】特開昭58−225472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、管の規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を、簡単な操作で表示することのできる器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の「管の規格を表示する器具」は下記の構成(1) または(2) を特徴とする。
(1) 管の規格表(複数の呼び径と各呼び径に対応する寸法等の数値が記された表)が所定の面に固定されている表示板と、この表示板に対してスライド可能に外装された外装体と、からなり、外装体は、表示板の前記面を覆う板を有し、この板は、表示板の前記面に固定されている規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に露出させる窓部を有する。
【0005】
(2) 配管用の管の規格表(複数の呼び径と各呼び径に対応する寸法等の数値が記された表)が、第1面に固定され、第1面の反対面である第2面にフランジの規格表が固定されている表示板と、この表示板に対してスライド可能に外装された外装体と、からなり、外装体は、表示板の第1面を覆う第1の板と表示板の第2面を覆う第2の板を有し、第1の板は、表示板の第1面に固定されている規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に露出させる窓部を有し、第2の板は、表示板の第2面に固定されている規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に露出させる窓部を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の器具によれば、表示板に対して外装体をスライドさせるという簡単な操作で、管の規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に表示することができる。
特に前記構成(2) の器具では、外装体の各面で、管についての表示とフランジについての表示がなされるため、管とフランジの両方の選定に一つの器具で対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態の「管の規格を表示する器具」を示す斜視図である。
図1に示すように、この器具は、表示板1と、これに対してスライド可能に外装された外装体2とからなる。表示板1は、長方形の板からなり、長手方向の寸法X1は163mm、短手方向の寸法Y1は60mmであり、厚さは1mmである。
【0008】
外装体2は、外形寸法がX2=100mm、Y2=70mm、厚さt=2.5mmであり、内側断面寸法(表示板1が入る部分の断面寸法)は、64mm×1.5mmである。この外装体2は、厚さ0.5mmで100mm×70mmの二枚の板(第1の板および第2の板)と、厚さ1.5mmで3mm×100mmの二つの間隙材を用い、間隙材を二枚の板の間のY方向両端に置いて接着することにより作製されている。
【0009】
図2は表示板1の第1面(図1の上面)を示す平面図であり、図3は表示板1の第2面(第1面の反対面)を示す平面図である。
図2に示すように、表示板1の第1面11には、配管用の管の規格表3が固定されている。この実施形態では、規格表3を裏面に接着層が形成された紙31に印刷し、この紙31を第1面11に貼ることで、第1面11に規格表3を固定している。
【0010】
規格表3には、第1行3aに「呼び径B」、第2行3bに「呼び径A」、第3行3cに「バルブ外径」、第4行3dに「90°エルボの中心から端面までの距離」、第5行3eに「45°エルボの中心から端面までの距離」、第6行3fに「SGP(配管用炭素鋼鋼管)の肉厚」、第7行3gに「SGPの重量」、第8行3hに「SCh(圧力配管用炭素鋼鋼管)40の肉厚」、第9行3iに「SCh40の重量」、第10行3jに「SCh80の肉厚」、第11行3kに「SCh80の重量」、第12行3lに「SCh160の肉厚」、第13行3mに「SCh160の重量」、第14行3nに「パイプ内の容量(パイプを取り替えた場合にタンクに補給する油の量)」の各数値が記載されている。
【0011】
規格表3において、「呼び径A」3bと「バルブ外径」3cの数値は、「呼び径B」3aが「1/8」〜「20」の範囲で、対応する「呼び径B」3aと同じ列に記載されている。「90°エルボの中心から端面までの距離」3dと「45°エルボの中心から端面までの距離」3eの各数値は、「呼び径B」3aが「1/2」〜「20」の範囲で、対応する「呼び径B」3aと同じ列に記載されている。
【0012】
「SGPの肉厚」3f、「SCh40の肉厚」3h、「SCh80の肉厚」3jの各数値は、「呼び径B」3aが「1/8」〜「20」の範囲で、対応する「呼び径B」3aより右側に二つずれた列に記載されている。「SCh160の肉厚」3lの数値は、「呼び径B」3aが「1/2」〜「20」の範囲で、対応する「呼び径B」3aより右側に二つずれた列に記載されている。
【0013】
「SGPの重量」3g、「SCh40の重量」3i、「SCh80の重量」3kの各数値は、「呼び径B」3aが「1/8」〜「20」の範囲で、対応する「呼び径B」3aと同じ列に記載されている。「SCh160の重量」3mの数値は、「呼び径B」3aが「1/2」〜「20」の範囲で、対応する「呼び径B」3aと同じ列に記載されている。
「パイプ内の容量」3nの数値は、「呼び径B」3aが「1」〜「20」の範囲で、対応する「呼び径B」3aより右側に二つずれた列に記載されている。
【0014】
図3に示すように、表示板1の第2面12には、フランジの規格表4が固定されている。この実施形態では、規格表4を裏面に接着層が形成された紙41に印刷し、この紙41を第2面12に貼ることで、第2面12に規格表4を固定している。
規格表4には、第1行4aに「サイズ(呼び径A)」、第2行4bに「呼び圧力が10Kの場合の外径(a)」、第3行4cに「呼び圧力が10Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」、第4行4dに「呼び圧力が10Kの場合の厚み」、第5行4eに「呼び圧力が10Kの場合のボルトの大きさ(M値)」、第6行4fに「呼び圧力が10Kの場合のボルトの穴数」の各数値が記載されている。
【0015】
また、第7行4gに「呼び圧力が10Kの場合のボルトの長さ」、第8行4hに「呼び圧力が20Kの場合の外径(a)」、第9行4iに「呼び圧力が20Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」、第10行4jに「呼び圧力が20Kの場合の厚み」、第11行4kに「呼び圧力が20Kの場合のボルトの大きさ(M値)」の各数値が記載されている。また、第12行4lに「呼び圧力が20Kの場合のボルトの穴数」、第13行4mに「呼び圧力が20Kの場合のボルトの長さ」、第14行4nに「油圧角フランジのOリングの内径」の各数値が記載されている。
【0016】
規格表4において、「呼び圧力が10Kの場合の外径(a)」4b、「呼び圧力が10Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」4cの各数値は、「サイズ(呼び径A)」4aが「10」〜「600」の範囲で、対応する「サイズ(呼び径A)」4aより右側に3列ずれた列に記載されている。すなわち、「サイズ(呼び径A)」4aが「600」の場合、「呼び圧力が10Kの場合の外径(a)」4bは「795」であり、「呼び圧力が10Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」4cは「730」である。
【0017】
「呼び圧力が10Kの場合の厚み」4d、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの大きさ(M値)」4e、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの穴数」4f、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの長さ」4gの各数値は、「サイズ(呼び径A)」4aが「10」〜「600」の範囲で、対応する「サイズ(呼び径A)」4aより右側に6列ずれた列に記載されている。すなわち、「サイズ(呼び径A)」4aが「600」の場合、「呼び圧力が10Kの場合の厚み」4dは「32」であり、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの大きさ(M値)」4eは「30」であり、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの穴数」4fは「24」であり、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの長さ」4gは「110」である。
【0018】
「呼び圧力が20Kの場合の外径(a)」4hと「呼び圧力が20Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」4iの各数値は、「サイズ(呼び径A)」4aが「10」〜「600」の範囲で、対応する「サイズ(呼び径A)」4aと同じ列に配置されている。すなわち、「サイズ(呼び径A)」4aが「600」の場合、「呼び圧力が20Kの場合の外径(a)」4hは「845」であり、「呼び圧力が20Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」4iは「770」である。
【0019】
「呼び圧力が20Kの場合の厚み」4j、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの大きさ(M値)」4k、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの穴数」4l、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの長さ」4mの各数値は、「サイズ(呼び径A)」4aが「10」〜「600」の範囲で、対応する「サイズ(呼び径A)」4aより右側に2列ずれた列に記載されている。すなわち、「サイズ(呼び径A)」4aが「600」の場合、「呼び圧力が20Kの場合の厚み」4jは「46」であり、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの大きさ(M値)」4kは「36」であり、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの穴数」4lは「24」であり、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの長さ」4mは「140」である。
【0020】
「油圧角フランジのOリングの内径」4nの数値は、「サイズ(呼び径A)」4aが「10」〜「125」の範囲で、対応する「サイズ(呼び径A)」4aより右側に6列ずれた列に記載されている。すなわち、「サイズ(呼び径A)」4aが「125」の場合、「油圧角フランジのOリングの内径」4nは「145」である。
外装体2は、表示板1の第1面11を覆う第1の板と、表示板1の第2面12を覆う第2の板を有する。図4は、外装体2の第1の板21の表面(図1で見えている面)を示す平面図であり、図5は、外装体2の第2の板の表面を示す平面図である。
【0021】
図4に示すように、外装体2の第1の板21は、白地に黒で印刷が施され、複数の窓部21A,21f〜21nを設けた紙5を、透明な板に接着したものである。
窓部21Aは、表示板1の第1面11に固定された規格表3の一つの同じ列に記載された「呼び径B」3a、「呼び径A」3b、「バルブ外径」3c、「90°エルボの中心から端面までの距離」3d、「45°エルボの中心から端面までの距離」3eを同時に露出できるように縦長に形成されている。窓部21Aの、規格表3の「呼び径B」3aに相当する位置の左側に「配管呼径→」と記載され、右側に「インチ」と記載されている。窓部21Aの、規格表3の「呼び径A」3bに相当する位置の右側に「A」と記載されている。
【0022】
窓部21Aの、規格表3の「バルブ外径」3cに相当する位置の左側に「バルブ外径→」と記載され、右側に「mm」と記載されている。窓部21Aの、規格表3の「90°エルボの中心から端面までの距離」3dに相当する位置の左側に「90°エルボ→」と記載され、右側に「mm」と記載されている。窓部21Aの、規格表3の「45°エルボの中心から端面までの距離」3eに相当する位置の左側に「45°エルボ→」と記載され、右側に「mm」と記載されている。
【0023】
窓部21fは、規格表3の窓部21Aに露出される列より2列右側の「SGPの肉厚」3fを露出できる位置に形成されている。窓部21fの右側に「←SGP肉厚(mm)」と記載されている。窓部21gは、規格表3の窓部21Aに露出される列と同じ列の「SGPの重量」3gを露出できる位置に形成されている。窓部21gの左側に「SGP重量(kg/m)→」と記載されている。
【0024】
窓部21hは、規格表3の窓部21Aに露出される列より2列右側の「SCh40の肉厚」3hを露出できる位置に形成されている。窓部21hの右側に「←SCh40肉厚(mm)」と記載されている。窓部21iは、規格表3の窓部21Aに露出される列と同じ列の「SCh40の重量」3iを露出できる位置に形成されている。窓部21iの左側に「SCh40重量(kg/m)→」と記載されている。
【0025】
窓部21jは、規格表3の窓部21Aに露出される列より2列右側の「SCh80の肉厚」3jを露出できる位置に形成されている。窓部21jの右側に「←SCh80肉厚(mm)」と記載されている。窓部21kは、規格表3の窓部21Aに露出される列と同じ列の「SCh80の重量」3kを露出できる位置に形成されている。窓部21kの左側に「SCh80重量(kg/m)→」と記載されている。
【0026】
窓部21lは、規格表3の窓部21Aに露出される列より2列右側の「SCh160の肉厚」3lを露出できる位置に形成されている。窓部21lの右側に「←SCh160肉厚(mm)」と記載されている。窓部21mは、規格表3の窓部21Aに露出される列と同じ列の「SCh160の重量」3mを露出できる位置に形成されている。窓部21mの左側に「SCh160重量(kg/m)→」と記載されている。
【0027】
窓部21nは、規格表3の窓部21Aに露出される列より2列右側の「パイプ内の容量」3nを露出できる位置に形成されている。窓部21nの右側に「←パイプ内の容量(L/m:SGP)」と記載されている。
図5に示すように、外装体2の第1の板22は、白地に黒で印刷が施され、複数の窓部22a,22B〜22E,22nを設けた紙6を、透明な板に接着したものである。
【0028】
窓部22aは、表示板1の第2面12に固定された規格表4の「サイズ(呼び径A)」4aに対応する位置に形成されている。窓部22Aの左側に「フランジサイズ→」と記載され、右側に「A」と記載されている。
窓部22Bは、規格表4の窓部22aに露出される列より3列右側の列に記載された「呼び圧力が10Kの場合の外径(a)」4bと「呼び圧力が10Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」4cを同時に露出できる位置に、縦長に形成されている。
【0029】
窓部22Cは、規格表4の窓部22aに露出される列より6列右側の列に記載された「呼び圧力が10Kの場合の厚み」4d、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの大きさ(M値)」4e、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの穴数」4f、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの長さ」4gを同時に露出できる位置に、縦長に形成されている。
【0030】
窓部22Cの、規格表4の「呼び圧力が10Kの場合の厚み」4dに相当する位置の右側に「←フランジの厚み」と記載されている。窓部22Cの、規格表4の「呼び圧力が10Kの場合のボルトの大きさ(M値)」4eに相当する位置の右側に「←ボルトの大きさM」と記載されている。窓部22Cの、規格表4の「呼び圧力が10Kの場合のボルトの穴数」4fに相当する位置の右側に「←ボルトの穴数」と記載されている。窓部22Cの、規格表4の「呼び圧力が10Kの場合のボルトの長さ」4gに相当する位置の右側に「←ボルトの長さ」と記載されている。
【0031】
また、これらの記載の右側に、窓部22Bの上端から窓部22Cの下端までを囲うように「 ]」が記載され、その右側に「10K」と記載されている。これらの記載により、窓部22Bと22Cに呼び圧力10Kの場合の数値が表示されることが、一目で分かるようになっている。
また、窓部22Bの下にフランジの図が描かれ、このフランジの外径を示す寸法線(a)とボルト穴の中心円の直径を示す寸法線(b)も描かれている。これにより、窓部22Bに表示される数値が、「呼び圧力が10Kの場合の外径(a)」と「呼び圧力が10Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」であることが、一目で分かるようになっている。
【0032】
さらに、「 ]」のすぐ上の左側に「JISフランジ・サイズ表」と記載されている。これにより、こちら側の面がフランジの規格が表示される面であることが、一目で分かるようになっている。
窓部22Dは、規格表4の窓部22aに露出される列と同じ列に記載されている「呼び圧力が20Kの場合の外径(a)」4hと「呼び圧力が20Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」4iを同時に露出できる位置に、縦長に形成されている。窓部22Dの左側には、規格表4の「呼び圧力が20Kの場合の外径(a)」4hに対応する位置に「a→」と記載され、規格表4の「呼び圧力が20Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」4iに対応する位置に「b→」と記載されている。
【0033】
窓部22Eは、規格表4の窓部22aに露出される列より2列右側の列に記載された「呼び圧力が20Kの場合の厚み」4j、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの大きさ(M値)」4k、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの穴数」4l、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの長さ」4mを同時に露出できる位置に、縦長に形成されている。
【0034】
窓部22Eの右側には、規格表4の「呼び圧力が20Kの場合の厚み」4jに対応する位置に「←フランジの厚み」と記載され、規格表4の「呼び圧力が20Kの場合のボルトの大きさ(M値)」4kに対応する位置に「←ボルトの大きさM」と記載され、規格表4の「呼び圧力が20Kの場合のボルトの穴数」4lに対応する位置に「←ボルトの穴数」と記載され、規格表4の「呼び圧力が20Kの場合のボルトの長さ」4mに対応する位置に「←ボルトの長さ」と記載されている。
【0035】
また、窓部22dの左側の「a」の位置から窓部22Eの下端までを囲うように「 ]」が記載され、その右側に「20K」と記載されている。これらの記載により、窓部22Dと22Eに呼び圧力20Kの場合の数値が表示されることが、一目で分かるようになっている。
窓部22nは、規格表4の窓部22aに露出される列より6列右側の列に記載された「油圧角フランジのOリングの内径」4nが露出できる位置に形成されている。窓部22nの左側に「G」と記載され、右側に「油圧角フランジのOリングの大きさ」と記載されている。
【0036】
この実施形態の器具は、例えば以下のように使用する。
図面に記載された配管の呼び径Bが「4」である場合には、先ず、外装体2の第1の板21側を上に向けて、外装体2を表示板1に対してスライドさせて、窓部21Aの「配管呼径」に「4」が表示される状態とする。図6に示すように、この状態で、窓部21Aの「4」の下には「100」、「114.3」、「152.4」「63.1」と表示される。これらの数値は、呼び径Bが「4」である場合の「呼び径A」、「バルブ外径」、「90°エルボの中心から端面までの距離」、「45°エルボの中心から端面までの距離」に対応している。
【0037】
また、この状態で、窓部21fには「4.5」と表示され、窓部21gには「12.2」と表示され、窓部21hには「6.0」と表示され、窓部21iには「16.1」と表示され、窓部21jには「8.6」と表示され、窓部21kには「22.4」と表示され、窓部21lには「13.5」と表示され、窓部21mには「33.6」と表示され、窓部21nには「8.7」と表示される。これらの数値は、呼び径Bが「4」である場合の「SGPの肉厚」、「SGPの重量」、「SCh40の肉厚」、「SCh40の重量」、「SCh80の肉厚」、「SCh80の重量」、「SCh160の肉厚」、「SCh160の重量」、「パイプ内の容量」に対応している。
【0038】
次に、外装体2の第2の板22側を上に向けて、外装体2を表示板1に対してスライドさせて、窓部22aに「100」が表示される状態とする。図7に示すように、この状態で、窓部22Bには上側から「210」「175」と表示される。これらの数値は、フランジサイズが100Aである場合の「呼び圧力が10Kの場合の外径(a)」と「呼び圧力が10Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」に対応している。
【0039】
また、この状態で、窓部22Cには、上側から「18」「16」「8」「60」と表示される。これらの数値は、フランジサイズが100Aである場合の「呼び圧力が10Kの場合の厚み」、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの大きさ(M値)」、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの穴数」、「呼び圧力が10Kの場合のボルトの長さ」に対応している。
【0040】
窓部22Dには、上側から「225」「185」と表示される。これらの数値は、フランジサイズが100Aである場合の「呼び圧力が20Kの場合の外径(a)」と「呼び圧力が20Kの場合のボルト穴の中心円の直径(b)」に対応している。
窓部22Eには、上側から「22」「20」「8」「70」と表示される。これらの数値は、フランジサイズが100Aである場合の「呼び圧力が20Kの場合の厚み」、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの大きさ(M値)」、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの穴数」、「呼び圧力が20Kの場合のボルトの長さ」に対応している。
窓部22nには「110」と表示される。この数値はフランジサイズが100Aである場合の「油圧角フランジのOリングの内径」に対応している。
【0041】
以上のように、この実施形態の器具によれば、表示板1に対して外装体2をスライドさせるという簡単な操作で、外装体2の第1の板21の各窓部21A,21f〜21nに、管の規格表3の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に表示することができる。また、外装体2の第2の板22の各窓部22a,22B〜22E,22nに、フランジの規格表4の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に表示することができる。すなわち、この実施形態の器具を用いることで、管とフランジの両方の選定を行うことができる。
また、呼び径の数値を窓部に露出させることで、この呼び径に対応する他の数値が窓部に露出されて、他の呼び径に対応する数値は隠された状態となるため、数値の読み取りが簡単である。
【0042】
なお、この実施形態では、表示板1に対する規格表3,4の固定を、規格表3,4が印刷された紙31,41を表示板1の第1および第2面11,12に貼ることで行っているが、第1および第2面11,12に規格表3,4を直接印刷することで行ってもよい。外装体2の第1および第2の板21,22に対する窓部の形成についても、不透明な材質の板に穴を設けることや、窓部の部分のみが透明になるように直接印刷することで行っても良い。
【0043】
また、この実施形態では、表示板1の両面に各規格表を固定し、外装体2の対応する各面に対応する各窓部を設けることで、管とフランジの両方の選定に対応できるようにしているが、表示板の片面のみに管またはフランジの規格表を固定し、これに対応する外装体の片面に各窓部を設けたものも本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に相当する「管の規格を表示する器具」を示す斜視図である。
【図2】図1の器具を構成する表示板の第1面(図1の上面)を示す平面図である。
【図3】図1の器具を構成する表示板の第2面(第1面の反対面)を示す平面図である。
【図4】図1の器具を構成する外装体の第1の板の表面を示す平面図である。
【図5】図1の器具を構成する外装体の第2の板の表面を示す平面図である。
【図6】図1の器具の使用状態(外装体の第1の板の表面側)を示す平面図である。
【図7】図1の器具の使用状態(外装体の第2の板の表面側)を示す平面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 表示板
2 外装体
11 表示板の第1面
12 表示板の第2面
21 外装体の第1の板
21A,21f〜21n 規格表の数値を露出させる窓部
22 外装体の第2の板
22a,22B〜22E,22n 規格表の数値を露出させる窓部
3 管の規格表
31 管の規格表が印刷された紙
4 フランジの規格表
41 フランジの規格表が印刷された紙
5 第1の板用の窓部を有する紙
6 第2の板用の窓部を有する紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の規格表(複数の呼び径と各呼び径に対応する寸法等の数値が記された表)が所定の面に固定されている表示板と、この表示板に対してスライド可能に外装された外装体と、からなり、
外装体は、表示板の前記面を覆う板を有し、この板は、表示板の前記面に固定されている規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に露出させる窓部を有することを特徴とする管の規格を表示する器具。
【請求項2】
配管用の管の規格表(複数の呼び径と各呼び径に対応する寸法等の数値が記された表)が、第1面に固定され、第1面の反対面である第2面にフランジの規格表が固定されている表示板と、この表示板に対してスライド可能に外装された外装体と、からなり、
外装体は、表示板の第1面を覆う第1の板と表示板の第2面を覆う第2の板を有し、
第1の板は、表示板の第1面に固定されている規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に露出させる窓部を有し、
第2の板は、表示板の第2面に固定されている規格表の一つの呼び径に対応する全ての数値を同時に露出させる窓部を有することを特徴とする管の規格を表示する器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−304701(P2007−304701A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130280(P2006−130280)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000200334)JFEメカニカル株式会社 (48)