説明

管体への接続金具取付用治具

【課題】 配管施工現場において三層管の端部に接続金具挿入の操作性が良好でかつ携帯しやすい接続金具取付用治具を提供する。
【解決手段】 治具基台1上に、管体を治具基台1の長さ方向に沿ってかつ管体をねじ棒の締め付け力により上方から押さえつけて固定保持する管体保持部材10と、タケノコ溝部を有する中空の接続金具40を前記管体の端部に圧入する接続金具圧入部材20とが対向状態に配置されている。管体保持部材10は、管体受け部11と、該管体受け部11上に載置された管体を上方から押さえつける管体押さえ部12と、該管体押さえ部12を上下移動させるねじ棒からなる操作杆13とを備えている。前記接続金具圧入部材20は、前記接続金具保持部22と、該接続金具保持部22を管体に対して進退自在とする圧入杆21とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水、給湯、冷温水配管などの各種配管に用いられる管体への接続金具取付用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
給水、給湯、冷温水配管などの各種配管の所要箇所において、樹脂管からなる管体が中空の接続金具を介して、所定の機器あるいは別の管体に接続される。接続金具は種々あるが、そのひとつにいわゆるタケノコ溝を有する接続金具がある。
【0003】
このような接続金具は、管体端部へ圧入されるもので、その圧入のために用いられる接続金具取付用治具として、例えば、治具本体に管体を固定し、治具本体の下方に設けられた操作レバーや後退制御レバー、ロックレバーを操作することにより、圧入操作杆先端の接続金具ホルダーに保持された接続金具を管体の開口端部から管体内に圧入するものとした治具が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2582712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記接続金具取付用治具における管体の固定保持は、管体を一対の固定パイプ掴着用半片によって左右両側方から掴着して水平状態とし、該掴着状態を一方の掴着半片のハンドル片をロックレバーが押さえつけることによりなされているものである。
【0006】
そして、該ロックレバーは、基端部の回転軸部を中心として回転し、先端側中間部がハンドル片を抑えつけるようになされたものであるから、掴着力を強くするためには、ハンドル片に対する押圧力を強くすれば良いのだが、ロックレバーの回転は作業者の手で行われるので、ロックレバーの押圧力を強くすればするほどロックレバーの操作が行い難くなる。
【0007】
ところで、最近は配管の管体としてアルミニウム等の軽金属製中間層の内外面側に合成樹脂製内層及び外層が形成されてなるいわゆる三層管が用いられることがある。
【0008】
該三層管は、軽金属製中間層を有しない通常の樹脂管に較べて、材質的に端部を拡径し難いので、その端部に接続金具を挿入するにはより大きな力を必要とするものである。
【0009】
従って、管体の固定保持がより一層強固にされていないと、接続用金具の圧入ができなくなってしまうことになるが、上記のような接続金具取付用治具において固定保持力を高めようとすると、操作性が悪くならざるを得ない。
【0010】
また、上記のような接続金具取付用治具は、前記操作レバー、ハンドル片、ロックレバー等が治具本体の下方に突出する構成のものであるから、全体として嵩張るので携帯にもいささか不便である。
【0011】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、配管施工現場において三層管の端部に接続金具を挿入する際の操作性が良好でかつ携帯しやすい接続金具取付用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明の管体への接続金具取付用治具は、下記[1]〜[9]の構成を有する。
【0013】
[1]治具基台上に、管体を治具基台の長さ方向に沿ってかつ管体をねじ棒の締め付け力により上方から押さえつけて固定保持する管体保持部材と、タケノコ溝部を有する中空の接続金具を前記管体の端部に圧入する接続金具圧入部材とが対向状態に配置されていることを特徴とする管体への接続金具取付用治具。
【0014】
[2] 前記管体保持部材は、起立姿勢位置と治具基台上面に向かって傾斜する傾斜姿勢位置とのいずれかに任意に変更できるものと構成されている前項1に記載の管体への接続金具取付用治具。
【0015】
[3] 前記管体保持部材は、管体受け部と、該管体受け部上に載置された管体を上方から押さえつける管体押さえ部と、該管体押さえ部を上下移動させるねじ棒からなる操作杆とを備えている前項1又は前項2に記載の管体への接続金具取付用治具。
【0016】
[4] 前記管体保持部材の操作杆は、操作用六角ナット状部と操作用ビット挿入口とを備えている前項3に記載の管体への接続金具取付用治具。
【0017】
[5] 前記管体保持部材の操作杆は、少なくとも片手で握り持つことのできる長さ分が上方に向かって突出している前項3又は前項4に記載の管体への接続金具取付用治具。
【0018】
[6] 前記接続金具圧入部材は、接続金具保持部と、管体に対して進退自在な圧入杆とを備えている前項1ないし前項5のいずれかに記載の管体への接続金具取付用治具。
【0019】
[7] 前記接続金具保持部は、接続金具の端部開口内に嵌り込む断面非真円形凸部を備えている前項6に記載の管体への接続金具取付用治具。
【0020】
[8] 前記接続金具保持部材の圧入杆は、ねじ棒からなり、操作用六角ナット状部と操作用ビット挿入口とを備えている前項6又は前項7に記載の管体への接続金具取付用治具。
【0021】
[9] 治具基台は、底面に平坦部を備えかつ片手で把持できる大きさに形成されると共に、治具基台上面と管体との間に手指を挿入できる隙間が設けられている前項1ないし前項8のいずれかに記載の管体への接続金具取付用治具。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0023】
[1]の発明では、管体がねじ棒の締め付け力により上方から押さえつけられて固定保持されているので、接続金具の圧入時に管体が後退することなく、接続金具の圧入がスムーズに行える。
【0024】
また、管体保持部材と接続金具圧入部材とが治具本体の一側に突出するだけであるので、全体として嵩張りが小さく携帯に便利である。
【0025】
[2]の発明では、管体保持部材が、起立姿勢位置と治具基台上面に向かって傾斜する傾斜姿勢位置とのいずれかに任意に変更できるものと構成されているので、管体保持部材に傾斜姿勢位置を取らせることにより、コンパクトな折り畳み状態を実現できる。
【0026】
[3]の発明では、管体受け部上に載置された管体を上方から押さえつける管体押さえ部を、ねじ棒からなる操作杆が上下動させるものとなされているので、管体が確実に固定保持され、接続金具の圧入時に管体が後退することなく、接続金具の圧入がスムーズに行える。
【0027】
[4]の発明では、管体保持部材の操作杆が、操作用六角ナット状部と操作用ビット挿入口とを備えているので、モンキーレンチあるいはインパクトドライバーのどちらででも操作杆を操作でき、便利である。
【0028】
[5]の発明では、管体保持部材の操作杆が、少なくとも片手で握り持つことのできる長さ分が上方に向かって突出しているので、該突出した操作杆を握り持つことによって接続金具圧入部材の操作杆の操作が行いやすくなる。
【0029】
[6]の発明では、接続金具圧入部材が、接続金具保持部と、管体に対して進退自在な圧入杆とを備えているので、接続金具を保持しながら管体へのその圧入をスムーズに行える。
【0030】
[7]の発明では、接続金具保持部が、接続金具の端部開口内に嵌り込む断面非真円形凸部を備えているので、操作杆を操作すると接続金具も操作杆の回転に合わせて回転するので、接続金具の管体端部への圧入も行いやすい。
【0031】
[8]の発明では、接続金具保持部の圧入杆が、操作用六角ナット状部と操作用ビット挿入口とを備えているので、モンキーレンチあるいはインパクトドライバーのどちらででも操作杆を操作でき、便利である。
[9]の発明では、治具基台が底面に平坦部を備えているので、治具基台を平坦な作業台等に安定良く強く押さえつけることができ、モンキーレンチでの操作が行いやすい。
【0032】
また、治具基台が片手で把持できる大きさに形成されると共に、治具基台上面と圧入杆との間に手指を挿入できる隙間が設けられているので、インパクトドライバーを使用する場合に、治具基台上面と管体との間に手指を挿入して片手で治具基台を把持して、インパクトドライバーを操作者の側方から操作用ビット挿入口に差し込むような操作が行いやすく、操作性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の接続金具取付用治具の一実施形態の全体斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】管体保持部材の折り畳み状態の全体斜視図である。
【図4】接続金具を接続金具取付用治具に装着する前の、接続金具、管体及び接続金具取付用治具の分離状態を示す斜視図である。
【図5】接続金具が管体に圧入される前の同接続金具取付用治具の使用状態の斜視図である。
【図6】接続金具が管体に圧入された後の同接続金具取付用治具の使用状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に係る接続金具取付用治具の一実施形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0035】
この実施形態の接続金具取付用治具Aは、治具基台1の長さ方向の両端部に、管体保持部材10と、タケノコ溝部を有する中空の接続金具40を前記管体Pの端部に圧入する接続金具圧入部材20とが対向状態に配置されている。
【0036】
治具基台1は、平板部1aの下方に一対の脚部1b、1bが垂下されてなる断面チャンネル状であって、各脚部1bの下面が平坦面に形成されている。したがって、治具基台1は、作業台等の平坦面に安定良く載置することができる。
【0037】
前記管体保持部材10は、管体受け部11と、該管体受け部11上に載置された管体Pを上方から押さえつける管体押さえ部12と、該管体押さえ部12を上下移動させるねじ棒からなる操作杆13とを備え、管体押さえ部12と操作杆13とは、治具基台1端部に立設された門形状の管体押さえ部支持枠14に装備され、管体受け部11は、治具基台1上に固定されている。
【0038】
管体押さえ部支持枠14は、図1に示すように、天板14bから垂下された両脚部14a、14aの下端部が治具基台1の端部を跨いだ状態で治具基台1に立設され、天板上面にねじ棒からなる操作杆13に螺合する雌ねじ部(図示省略)を有する六角ナット状部17が固着されている。
【0039】
この管体押さえ部支持枠14は、その両脚部14a、14a及び治具基台1の両脚部1b,1bを貫通するネジ2とピン3とによりその起立姿勢位置が保持されている。図3に示すように、ピン3を抜くとネジ2を回転軸として治具基台の天板1aに向かって傾斜する傾斜姿勢位置に変更することができる。あるいはその反対方向へ傾斜、倒伏させることも可能である。
【0040】
管体受け部11は、金属塊からなり、治具基台の天板1a上面に固定用ねじ31,31により固定され、その上面に管体Pの断面真円形の下半部が嵌り込む内径を有する断面半円形状の凹部11aを備えている。
【0041】
管体押さえ部12は、下面に管体Pの断面真円形の上半部が嵌り込む内径を有する断面半円形状の凹部15aを備えた金属塊からなる押さえ金15と、該押さえ金15を保持すると共に操作杆13に連結された押さえ金保持部16とからなり、管体受け部の凹部11aに載置された管体Pを上方から押さえつけるものとなされている。
【0042】
押さえ金保持部16は、図2に示すように断面コ字状に形成されており、その天板16aから貫通した操作杆13の先端が回転可能となるように天板16aと押さえ金15との間に隙間S1が設けられている。図中、34は押さえ金固定用ねじである。
【0043】
操作杆13は、図に示すようにねじ棒からなり、管体押さえ部支持枠の天板14b上面に固着された六角ナット状部17の雌ねじ部(図示省略)に螺合し、管体押さえ部支持枠天板14a及び押さえ金保持部天板16aを貫通して、その先端部が押さえ金保持部天板14aと押さえ金15との間の隙間S1に突出し、突出した先端部にCリング32が嵌着されて押さえ金保持部12から抜脱しないものとなされている。
【0044】
操作杆13のねじ部の長さは、押さえ金15が管体Pを押さえつける位置と、管体Pから遠ざかって管体Pを管体受け部11から取り外すことのできる位置との間を移動できる長さがあれば十分であるが、後述するねじ棒上端部を含めて片手で握り持つことが容易になるような長さ分が管体押さえ部支持枠14から上方に向かって突出している。
【0045】
操作杆13の上端は、図1に示すように、インパクトドライバーのビットが挿入できる断面正方形の操作用ビット挿入口18aを備えたインパクトドライバー用操作部18が設けられると共に、その下方にはモンキーレンチ用の操作用六角ナット状部19が設けられている。
【0046】
なお、管体押さえ部支持枠脚部14aの一側面には、図1に示すように、その先端がピン3に繋げられたピン紛失防止用チェーン33が付設されている。
【0047】
前記接続金具圧入部材20は、管体Pに対して進退自在な圧入杆21と、圧入杆21の先端に突設された接続金具保持部22とを備えている。
【0048】
圧入杆21は、ねじ棒からなり、治具基台1の上面に立設された圧入杆支持脚23の雌ねじ部(図示省略)に螺合して、管体Pの開口に向かって進退自在に移動できるものとなされている。
【0049】
ここで、この接続金具取付用治具Aが対象とする接続金具40について説明しておくと、この接続金具40は、例えば、図4に示すように、両端が開口した中空のものであっていわゆるタケノコ溝部40aとフランジ部40bと断面正六角形のフランジ部開口40cとを備え、該フランジ部40bの外径より径小の貫通孔41aを有するナット41と組み合わせた管継手として用いられるものである。
【0050】
而して、圧入杆21の先端に設けられた接続金具保持部22は、ねじ棒の先端に設けられた無ねじ部22bとその先端に突設された断面正六角形の外周を有する凸部22aとからなり、無ねじ部22bが接続金具40と組み合わされるナット41を保持し、凸部22bが接続用金具の断面正六角形のフランジ部開口40c内に嵌り込むことにより接続金具40を保持するものとなされている。。
【0051】
圧入杆21の後端部には、インパクトドライバーのビットが挿入できる断面正方形の操作用ビット挿入口24aを備えたインパクトドライバー用操作部24が設けられると共に、その圧入杆支持脚寄りの外周面にはモンキーレンチ用の操作用六角ナット状部25が設けられている。
【0052】
上記構成を有する接続金具取付用治具Aを用いた管体Pに対する接続金具40の取り付け手順について説明すると、先ず、図4に示す分離状態から、接続金具40をナット41に通した状態で接続金具のフランジ開口40cに圧入杆先端の凸部22aを嵌め入れ、ナット41がセットされた接続金具40を圧入杆21に保持させる一方、管体Pに予め締め付けバンド50をセットした後、管体Pを管体受け部11の凹部11aに載置する。この状態では、管体Pの上半部は、凹部11aの上方にある。
【0053】
次いで、管体Pの開口を図5に示すように接続金具40に近接させた状態で、操作杆13を操作して管体押さえ部12を下降させ、管体Pの上半部を押さえ金15の凹部に嵌め合わせて、操作杆13を更に締め付け方向に操作することにより、管体Pを管体受け部11の凹部11aと押さえ金15の凹部との間で強固に押さえつけることができる。
【0054】
治具基台1は、底面に平坦部を備えているので、治具基台1を平坦な作業台等に安定良く強く押さえつけることができ、モンキーレンチを用いる場合あるいはインパクトドライバーを用いる場合のいずれでも、片手で接続金具圧入部材21を上から押さえつけながら安定良く操作杆13を操作することができる。
【0055】
また、いずれの工具を用いても、ねじ棒の締め付け力により管体Pを強固に固定保持することができるので、接続金具40の圧入時に管体Pが後退することなく、接続金具40の管体Pへの圧入がスムーズに行える。
【0056】
上述のように、この実施形態では、ねじ棒からなる操作杆13が管体押さえ部を上下動させることにより、管体Pの締め付け固定・解除を行わせることができるので、管体Pの固定保持はもとより、その操作性にも優れている。
【0057】
そして、管体Pを管体保持部材10に固定保持させた後、モンキーレンチを用いる場合は、治具基台1を作業台等の平坦な所に置いたまま、片手で操作杆13を掴んで下方に強く押しつけながら、モンキーレンチにより操作用六角ナット状部25を操作して圧入杆21を管体Pに向けて前進させ、接続金具40を管体Pに圧入する。
【0058】
あるいは、インパクトドライバーを用いる場合は、治具基台1を平坦面に載置した状態で行っても良いが、治具基台1上面と管体P及び圧入杆21との間の隙間S2に手指を差し入れ、治具本体1を握り持ちながら操作する方が操作性が良い。
【0059】
この圧入は、接続金具保持部の断面六角形状の凸部22aが、接続金具40の端部開口内に嵌り込んで、ねじ棒からなる操作杆21の回転に従って接続金具40が回転しながら管体P内へねじ込まれて行くようになされるので、接続金具40の管体端部への圧入も行いやすい。
【0060】
いずれにせよ、接続金具40の所定量が管体Pに圧入されたら圧入杆21の前進を停止し、押さえ金15による管体Pの押圧状態を解除すると共に管体Pを管体保持部材10から取り出せるように、操作杆13を操作して管体押さえ部12を上方に移動させる。
【0061】
その後、管体Pを圧入杆21から遠ざかるように少し水平方向に移動させると、接続金具40及びナット41が接続金具保持部22から離れ、管体保持部材10から取り出した管体P端部にナット41が組み合わされた接続金具40が管体Pにとどまることになる。
【0062】
その後、締め付けバンド50を接続金具40に対応する所定位置に存するように移動させることにより、接続金具40の管体Pへの取り付けが完了する。
【0063】
而して、接続金具40にセットされたナット41を介して管体Pを所定の機器又は別の管体に接続するのである。
【0064】
また、使用後の接続金具取付用治具Aは、ピン3を治具基台1及び管体押さえ部支持枠14から抜き取ることによって、上記使用時における管体保持部材10の起立姿勢位置から治具基台の天板1aに向かって傾斜する傾斜姿勢位置に変更したコンパクトな折り畳み状態へと変更することができる。
【0065】
なお、上記実施形態においては、接続金具40のフランジ部開口が断面正六角形状であることに合わせて圧入杆の接続金具保持部の凸部を断面正六角形状とし、圧入杆の回転に伴って接続金具も一緒に回転するものとなされているが、断面形状は正六角形状に限定されるものではない。その他の正多角形状、楕円形状であっても良いし、あるいは接続金具のフランジ部開口が真円形である場合は、それに併せて接続金具保持部の凸部の断面形状が真円形であってもかまわない。この場合は、接続金具が圧入杆の回転に従がわず圧入杆と一緒に回転しないものとなる。
【0066】
また、接続金具は、上記実施形態のようなものに限定されず、タケノコ溝部とフランジ部との間の平坦部のないものや、あるいはナットと組み合わせて使用されるものでなくてもかわまない。
【符号の説明】
【0067】
A・・・接続金具取付用治具
P・・・管体
S2・・・治具基台上面と管体との間の隙間
1・・・治具基台
1a・・・平板部
1b・・・脚部
10・・・管体保持部材
11・・・管体受け部
11a・・・凹部
12・・・管体押さえ部
13・・・操作杆
18a・・・操作用ビット挿入口
19・・・操作用六角ナット状部
20・・・接続金具圧入部材
21・・・圧入杆
22・・・接続金具保持部
22a・・・断面非真円形凸部
24a・・・操作用ビット挿入口
25・・・操作用六角ナット状部
40・・・接続金具
40a・・・タケノコ溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治具基台上に、管体を治具基台の長さ方向に沿ってかつ管体をねじ棒の締め付け力により上方から押さえつけて固定保持する管体保持部材と、タケノコ溝部を有する中空の接続金具を前記管体の端部に圧入する接続金具圧入部材とが対向状態に配置されていることを特徴とする管体への接続金具取付用治具。
【請求項2】
前記管体保持部材は、起立姿勢位置と治具基台上面に向かって傾斜する傾斜姿勢位置とのいずれかに任意に変更できるものと構成されている請求項1に記載の管体への接続金具取付用治具。
【請求項3】
前記管体保持部材は、管体受け部と、該管体受け部上に載置された管体を上方から押さえつける管体押さえ部と、該管体押さえ部を上下移動させるねじ棒からなる操作杆とを備えている請求項1又は請求項2に記載の管体への接続金具取付用治具。
【請求項4】
前記管体保持部材の操作杆は、操作用六角ナット状部と操作用ビット挿入口とを備えている請求項3に記載の管体への接続金具取付用治具。
【請求項5】
前記管体保持部材の操作杆は、少なくとも片手で握り持つことのできる長さ分が上方に向かって突出している請求項3又は請求項4に記載の管体への接続金具取付用治具。
【請求項6】
前記接続金具圧入部材は、前記接続金具保持部と、管体に対して進退自在な圧入杆とを備えている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の管体への接続金具取付用治具。
【請求項7】
前記接続金具保持部は、接続金具の開口内に嵌り込む断面非真円形凸部を備えている請求項6に記載の管体への接続金具取付用治具。
【請求項8】
前記接続金具保持部の圧入杆は、ねじ棒からなり、操作用六角ナット状部と操作用ビット挿入口とを備えている請求項6又は請求項7に記載の管体への接続金具取付用治具。
【請求項9】
治具基台は、底面に平坦部を備えかつ片手で把持できる大きさに形成されると共に、治具基台上面と管体との間に手指を挿入できる隙間が設けられている請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の管体への接続金具取付用治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−99476(P2011−99476A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253098(P2009−253098)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【出願人】(594107103)株式会社ハタノ製作所 (40)
【Fターム(参考)】