説明

管内検査装置

【課題】埋設管の隙間に挿入されたカメラヘッドの押し込み方向への進行ガイドをスムーズに行うことができ、長距離押し込み型ハードケーブル(押し込みケーブル)の押し込み操作による管内検査を円滑に効率よく実施できる。
【解決手段】カメラヘッド14の径方向に対して湾曲した形状をなし、その外周面が円弧状の凸面に形成されたスキッド51をカメラヘッド14に取着して、電纜管入線済み管路となる埋設管5の内部を調査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押し込み型ハードケーブルを電纜管入線済み管路内に挿入して電纜管入線済み管路の内部を調査する長距離押し込み型ハードケーブルカメラシステムに適用して好適な管内検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一定の剛性をもつ、押し込み型ハードケーブルまたは押し込みロッドと称される押し込みケーブルを電纜管入線済み管路内に挿入して電纜管入線済み管路の内部を調査する長距離押し込み型ハードケーブルカメラシステムにおいては、押し込みケーブルの先端にカメラヘッドを接着固定して設ける防水構造であった。
【0003】
この種、長距離押し込み型ハードケーブルカメラシステムにおいては、電纜管入線済み埋設管路内において、電纜管と埋設管の隙間にカメラヘッドを押し込み操作する際、カメラヘッドにスキッド(skid)またはアダプタ(adapter)と称されるガイド部材を取り付け、カメラヘッドがスムーズに隙間内を進行するようにしている。
【0004】
このガイド部材を取り付けたカメラ技術として、ケーブルと接触する板面の1点と管路内壁と接触可能な周辺部の2点との3点による点接触が可能なロッド挿入治具が存在した(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−218444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したガイド機構は、3点支持であることから、カメラヘッドを管路内の隙間に押し込み操作した際、3点のいずれかで引っ掛かりが生じると前進が阻害され、その都度、ケーブルの押し込み操作と引き抜き操作を繰り返し行わなければならないことから、押し込み操作の作業性に問題があった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、押し込みケーブルの押し込み操作性の向上が図れる管内検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、検査対象となる管体内に挿入される押し込みケーブルと、この押し込みケーブルの先端に同軸上に取付けられ前記管体内を撮像する筒形のカメラヘッドとを備えた管内検査装置であって、前記押し込みケーブルの先端に取付けられたカメラヘッドには前記カメラヘッドの径方向両側に軸方向に沿って開放する一対の取付け溝を有する取付け金具を取付け、前記取付け金具の一対の取付け溝には前記押し込みケーブルの径方向に対して湾曲した一対のガイド部材が取付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カメラヘッドの径方向両側に軸方向に沿って開放する一対の取付け溝を有する取付け金具を取付け、この取付け金具の一対の取付け溝に、押し込みケーブルの径方向に対して湾曲した一対のガイド部材を取付け、管内をガイド部材の湾曲面が摺動してカメラヘッドを押し込み方向に案内する構成としたことにより、押し込みケーブルの押し込み操作を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る管内検査装置の全体の構成を示す図。
【図2】上記管内検査装置に用いられるコネクタ金具のかしめ用スペースを示す図。
【図3】上記コネクタ金具のかしめ状態を示す断面図。
【図4】上記コネクタ金具の先端面に形成されるコネクタ接続面を示す平面図。
【図5】上記コネクタ金具のかしめに使用するかしめ治具の構成例を示す正面図。
【図6】上記かしめ治具の構成例を示す側断面図。
【図7】上記コネクタ金具を押し込み型ハードケーブル(押し込みロッド)の先端に取り付けた状態を示す側面図。
【図8】上記押し込み型ハードケーブル(押し込みロッド)の構造を示す断面図。
【図9】上記カメラヘッドのコネクタ接続部の構成を示す斜視図。
【図10】上記カメラヘッドのトップ方向アジャスト構造を示す斜視図。
【図11】上記実施形態に用いられるスキッド(ガイド部材)の取付構造を示す斜視図。
【図12】上記スキッドの取付構造を示す図11のx−x線に沿う断面図。
【図13】上記カメラヘッドにスキッドを取り付けた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
本発明の実施形態に係る管内検査装置の構成を図1に示している。
【0013】
本発明の実施形態に係る管内検査装置は、図1に示すように、ケーブルドラム11に巻装された、後述する一定の曲げ剛性をもつ、押し込み型ハードケーブルまたは押し込みロッドまたはカメラケーブルと称される押し込みケーブル12と、ケーブルドラム11から繰り出される押し込みケーブル12の先端部に設けられたカメラヘッドコネクタ13と、カメラヘッドコネクタ13に接続されたカメラヘッド14とを具備して構成されている。押し込みケーブル12とカメラヘッドコネクタ13とカメラヘッド14はそれぞれ同軸上に一体結合されたロッド形状で検査作業員により埋設管5内に挿入され引き抜かれる。カメラヘッド14には、カメラヘッド14が埋設管5と埋設管5内に入線済みの電纜管7との隙間を円滑に滑動して進行するように、後述するスキッド(skid)またはアダプタ(adapter)と称されるガイド部材51が必要に応じて取り付けられる。
【0014】
ケーブルドラム11は、検査対象管となる埋設管5内へのケーブル挿通口4となる、例えばマンホールまたはハンドホール等が近傍位置に存在する作業帯内に、アジァスタボルト11aにより固定された状態で設置される。ケーブルドラム11の繰り出し/巻き取り部には、押し込みケーブル12の繰り出し量を計測するケーブル長センサ11bが設けられ、ケーブルドラム11に巻装された押し込みケーブル12の基端側から導出されたドラム−機器間接続ケーブル11cにはモニタ付のカメラ制御器6が接続される。カメラ制御器6には制御器−管口モニタ間接続ケーブル11dを介して管口用モニタ6aが接続されるとともに電源ケーブル6b,ACアダプタケーブル6c、接地用アース線11e等が接続される。
【0015】
ケーブルドラム11には一定の曲げ剛性並びに許容曲げ半径等が規定された所定長(例えば250m)の後述する押し込みケーブル12が巻装され、必要量に応じてケーブルドラム11から繰り出される。このケーブル繰り出し量がケーブル長センサ11bにより計測され、その計測値がドラム−機器間接続ケーブル11cを介してカメラ制御器6に入力される。また、制御器−管口モニタ間接続ケーブル11dを介して管口用モニタ6aに出力される。
【0016】
押し込みケーブル12は、例えば電纜管7が入線済みの埋設管5の管路内に挿入されるもので、外皮が滑沢性を有する樹脂(例えば高密度ポリエチレン)により構成され、一定の曲げ剛性(例えば42N)および許容曲げ半径(例えば600mm以下)が規定されている。この押し込みケーブル12の構造については図8を参照して後述する。
【0017】
カメラヘッドコネクタ13は、図2および図3に示す筒状のコネクタ金具21により構成される。このコネクタ金具21は、筒状のステンレス鋼を用いた水中形防水構造であり、ケーブルドラム11から繰り出された押し込みケーブル12の先端部にかしめ固定されるもので、押し込みケーブル12に対して強固な引っ張り力に耐える、後述するかしめ構造で押し込みケーブル12に被着される。なお、筒状のカメラヘッドコネクタ13に嵌挿された押し込みケーブル12とカメラヘッドコネクタ13内壁との間(A1)には、シリコン塗布による防水加工が施される。
【0018】
上記コネクタ金具21のかしめ用スペースを図2に示し、同コネクタ金具21のかしめ状態を図3に示している。ここでは、コネクタ金具21の外周面の軸方向及び周方向の複数個所(各6箇所)を径方向内方にかしめてコネクタ金具21を押し込みケーブル12に取付け固定し、コネクタ金具21の先端部にカメラヘッド14をコネクタ接続リングの螺合結合により取付ける構造としている。
【0019】
コネクタ金具21は、押し込みケーブル12の押し込み方向に対して、先端側に、コネクタ筐体部21aを構成し、後端側に、かしめ用筐体部21bを構成している。筒状のコネクタ筐体部21aには、同筐体部内に、押し込みケーブル12のコアケーブルとなる芯線(信号ケーブル)に配線された同心円を描くリング形状の複数のコネクタ接触片(図4に示す符号22a,22b,22c参照)を前面に露出して形成した円形のコネクタ基板22が配線ブロック23で仕切られて設けられ、筐体の外周部に、コネクタナット(カメラヘッド接続リング)24、ストッパーリング25、防水用Oリング26等が設けられている。コネクタ基板22の前面(表面)には、図4に示すように、同電極に接触する同心円状の複数のコネクタ接触片22a,22b,22cが後述する図9に示すカメラヘッド14のコネクタ電極T1,T2,T3に対応して設けられている。コネクタ基板22の後面(裏面)には、図3に示すようにコネクタ筐体部21aにおいて押し込みケーブル12の高剛性外皮および絶縁外皮が剥離され芯線(コアケーブル)の各導電線が例えば半田付けにより配線接続されている。
【0020】
かしめ用筐体部21bには、軸方向に一定の間隔でかしめ用スペース(6箇所)21sが設けられ、この各かしめ用スペース21sの周方向の複数個所(6箇所)に、それぞれ、筐体(金具)を変形させた、かしめ固定部21pが設けられる。このかしめ固定部21pによるかしめ固定は、例えば図5および図6に示すかしめ治具30を用いることにより、かしめ作業を効率よく高い精度で行うことができる。図5および図6に示すかしめ治具30は、コネクタ金具21の外周面に対応させた半円筒状をなし、周方向にかしめ螺子32を径方向内方に向け螺合した一対のパイプガイド31a,31bと、パイプガイド31a,31b相互を結合する結合部材33とを具備して構成される。かしめ作業は、コネクタ金具21(かしめ用筐体部21b)の外周面に一対のパイプガイド31a,31bを被せ、パイプガイド31a,31b相互を結合部材33で結合して、かしめ治具30をコネクタ金具21(かしめ用筐体部21b)の外周面に被嵌し、かしめ螺子32を径方向内方に締め付けて、かしめ螺子32の先端をコネクタ金具21(かしめ用筐体部21b)の外周面に押し当て、コネクタ金具21(かしめ用筐体部21b)の押し当て部を変形させて押し込みケーブル12の外皮に食い込ませることにより行う。この例では、かしめ螺子32の操作孔32hに操作棒を緩挿して、かしめ用筐体部21bに当接させた後、所定回数、径方向内方に締め付けを行うことで、適度な食い込み量のかしめが可能となる。このかしめ作業を3本のかしめ螺子32の締め付けで行った後、かしめ治具30をコネクタ金具21の周方向に60°回動させて、3本のかしめ螺子32の締め付けを繰り返し行う(1)〜(2)。これにより、コネクタ金具21には、図7に示すように、かしめ用筐体部21bに、外周面の軸方向及び周方向に一定の間隔で6×6=36個のかしめ部21pが形成される。すなわち、一定間隔の36個のかしめで、外部に露出する外皮が滑沢性を有した押し込みケーブル12の外皮にコネクタ金具21がかしめ固定される。このかしめ固定により、実機においては、絶縁外皮に高密度ポリエチレン(HD−PE)を用いた滑沢性を有する12mm径の押し込みケーブル12に対して6×550N=3300Nの引張り強度を実現した。
【0021】
押し込みケーブル12の先端部にかしめ固定された、カメラヘッドコネクタ13を構成するコネクタ金具21には、その外周部と、周方向に回転自在に設けられたカメラヘッド接続リング24に、それぞれ、カメラヘッド取付・取り外し用のレンチ(図10に示す符号WR参照)に係合する係合溝u1,u2が設けられている。このレンチ(WR)を用いて、押し込みケーブル12の押し込み方向に対し、常にカメラヘッド14のトップ方向(撮像面の天上方向)を周方向に位置調整したカメラヘッド14の取着が可能となる。このカメラヘッド14の周方向の位置調整については図9および図10を参照して後述する。
【0022】
また、押し込みケーブル12の先端部に押し込みケーブル12とほぼ同径の筒状のカメラヘッドコネクタ13を被嵌し、カメラヘッドコネクタ13を押し込みケーブル12にかしめ固定して、このカメラヘッドコネクタ13にカメラヘッド14を取着するロッド構造としたことにより、カメラヘッド14の筒状筐体の径を押し込みケーブル12の径とほぼ同等とすることで押し込みケーブル12とカメラヘッド14とが同心上に一体化されたロッド形状とすることができ、これによりカメラヘッド14の埋設管5に対する押し込み操作性並びに引き抜き操作性を著しく向上させることができる。
【0023】
カメラヘッドコネクタ13を構成するコネクタ金具21がかしめ固定された押し込みケーブル12は、図8に示すように、束線された複数の信号線121,122,123が、編組シールド124を介してケーブル外皮125に被覆され、ケーブル外皮125が高剛性外皮126に被覆され、さらにこの高剛性外皮126が絶縁外皮127に被覆された被覆構造としている。軸心側にある複数の信号線121,122,123は、例えば映像伝送用の同軸ケーブル(Z=50Ω)と電源ケーブルおよび信号ケーブル(軟銅線)が押さえ巻きテープ(ポリエステルテープ)で束線(押さえ巻き)され、編組シールド124に被覆されてコアケーブルを構成している。編組シールド124に被覆されたケーブル外皮125は、編組シールドされた信号線121,122,123を高剛性外皮126の被覆加工における熱の影響から保護するための芯線(ケーブル)保護用の被覆層であり、例えば200℃の高温に耐えるフッ素樹脂(ETFE)により形成している。このケーブル保護用の被覆層となるケーブル外皮125を介在して高剛性外皮126が被覆される。この高剛性外皮126は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)により構成され、CFRP単体で曲げ剛性42N、許容曲げ半径600mm以下のFRPロッドを構成している。CFRP構成の高剛性外皮126に、外装用の外皮として滑沢性を有する高密度ポリエチレン(HD−PE)を用いた絶縁外皮127が被覆される。因みに、信号線121,122,123を内装した編組シールド124に被覆されたケーブル外皮125(コアケーブル)の仕上がり外径は4.7mm、ケーブル外皮125に被覆された高剛性外皮(CFRP)126の仕上がり外径は10mm、高剛性外皮(CFRP)126に被覆された、外周面が外部露出する絶縁外皮(HD−PE)127の仕上がり外径(すなわち押し込みケーブル12の径)は12mmである。このような押し込みケーブル(ロッド)構造としたことで、当該押し込みケーブル12と同等の特性およびコアケーブルを有した既知の押し込みケーブルに対して単位長当たりの重量を大幅に軽量化できた。実測では既知ケーブルの[200g/m]に対して[147.2g/m]とすることができた。この押し込みケーブル12の軽量化により、カメラヘッド14の埋設管5に対する押し込み操作性並びに引き抜き操作性をより向上させることができる。因みに現在使用している既知ケーブルは、信号線を内在したステンレスパイプと同パイプを被覆したガラス繊維外皮(GFRP)と同外皮を被覆した高剛性外皮(CFRP)と同外皮を被覆した絶縁外皮(AAS樹脂)とにより構成されている。
【0024】
この外部に露出したHD−PEによる絶縁外皮127は、その表面がすべすべした滑面を形成していることから、ケーブルの繰り出し側先端にカメラヘッドを接着固定することが困難であり、また、締め付けによる固定構造とした場合は、締め付け強度の高い固定部材が必要となることから、カメラヘッド全体の構造が大型かつ重量化する。そこでこの発明の実施形態では、上述したようにHD−PEで構成された絶縁外皮127に、カメラヘッドをかしめ固定手段を用いて取着する構造とした。
【0025】
上記した構造の押し込みケーブル12のカメラヘッドコネクタ13に嵌挿された部分は、図2に示すコネクタ金具21のコネクタ筐体部21aにおいて、図3に示すように、コアケーブル(121〜124)の外周に被覆された高剛性外皮(CFRP)126と絶縁外皮(HD−PE)127が剥離され、コアケーブルの各導電線がコネクタ基板22の裏面にコネクタ配線され、表面のコネクタ接触片22a,22b,22cに導電接続される。
【0026】
押し込みケーブル12の先端部分に取着されたカメラヘッド14は、ケーブルドラム11から繰り出されて埋設管5内に案内される方向に応じてカメラヘッド14の撮像面のトップ方向を押し込みケーブル12に対して周方向に調整する必要がある。例えば、ケーブルドラム11から繰り出されて埋設管5内に案内される押し込みケーブル12が繰り出し方向と同方向に案内される場合と、繰り出し方向とは反対の方向(ケーブル引き戻し方向)に案内される場合とではカメラヘッド14のトップ方向(撮像面の天上方向)が逆になり、モニタ画面における画面の上下と整合しない状態になる。この整合を保つためには、検査作業の開始にあたってカメラヘッド14のトップ方向の調整作業が必要になり、この調整を可能にする機構が必要となる。
【0027】
カメラヘッド14は、図10に示すように、押し込みケーブル12とほぼ同径の筒形に構成され、軸方向の一端(前端)を撮像面部とし、他端(後端)を取付面部として密閉された筒形筐体を構成している。撮像面部には、図13(c)に示すように、撮像レンズ14aの周囲に、複数の照明用発光素子14Lを設けている。取付面部には、図9に示すように、嵌合筒14bで囲まれたコネクタ接合面14cに、カメラヘッドコネクタ13に設けられたコネクタ基板22のコネクタ接触片22a,22b,22cに対応して、径方向に位置を違えたコネクタ電極T1,T2,T3が設けられている。この同心円状のコネクタ接触片22a,22b,22cと径方向に位置を違えたコネクタ電極T1,T2,T3とにより、カメラヘッドコネクタ13に対してカメラヘッド14を接続状態を維持した状態で任意に回動可能にしている。嵌合筒14bの外周面には、カメラヘッドコネクタ13を構成するコネクタ金具21に設けられたカメラヘッド接続リング24の内周面に螺刻された螺刻部に螺合する螺刻部14dが螺刻されている。またカメラヘッド14の外筐には、カメラヘッド14の上面(撮像面の天上方向)に、カメラヘッド14の周方向の回転位置を識別するための位置認識マークが設けられている。ここでは、筒状のカメラヘッド14の外筐に、図10に示すように、撮像面の天上方向を示すトップマーク14Mが刻設されている。
【0028】
押し込みケーブル12の先端部にかしめ固定された、カメラヘッドコネクタ13を構成するコネクタ金具21には、図7に示すように、コネクタ金具21(コネクタ筐体部21a)の外周部と、周方向に回転自在に設けられたカメラヘッド接続リング24のそれぞれに、カメラヘッド14を取着するためのレンチに係合する係合溝u1,u2が設けられている。
【0029】
カメラヘッド14をカメラヘッドコネクタ13を介して押し込みケーブル12に取着する際は、カメラヘッド14の嵌合筒14bをコネクタ金具21に設けられたカメラヘッド接続リング24内に嵌め込み、カメラヘッド取付・取り外し用のレンチWRを係合溝u1,u2に係合して、レンチWRによりコネクタ金具21に対しカメラヘッド接続リング24を締め付け方向に回転させることにより、カメラヘッド14がカメラヘッドコネクタ13に一体に取着される。この際、押し込みケーブル12の繰り出し方向に応じて、カメラヘッド14のトップマーク14Mが埋設管5内において上向きとなるようにカメラヘッド14をカメラヘッドコネクタ13に取着する。
【0030】
カメラヘッドコネクタ13を介して押し込みケーブル12に一体に取着されたカメラヘッド14を電纜管入線済みの埋設管5内に挿入して、埋設管5の内部を調査する場合、カメラヘッド14が埋設管5と埋設管5内に入線済みの電纜管7との隙間を円滑に滑動して進行するように、カメラヘッド14にスキッド(skid)またはアダプタ(adapter)と称されるガイド部材51が必要に応じて取り付けられる。このガイド部材をここではスキッドと呼称する。このスキッドの構造を図11乃至図13に示している。
【0031】
スキッド51は、図11乃至図13に示すように、一対のスキッド取付金具55a,55bと、このスキッド取付金具55a,55bに取り付けられる一対のスキッド片51a,51bとにより構成されている。一対のスキッド片51a,51bは合成樹脂により構成されている。なお、図12は図11のx−x線に沿う断面図であり、図13において(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は前面図である。
【0032】
一対のスキッド片51a,51bはそれぞれカメラヘッドコネクタ13とカメラヘッド14に跨る取付筒部に取付けられた状態において、カメラヘッドコネクタ13(カメラヘッド14)の径方向に対して湾曲した形状をなし、その外周面が円弧状の凸面に形成されている。一対のスキッド取付金具55a,55bは取付筒部径方向に拡がる鍔部(br)を有し、この鍔部(br)の間にスキッド片狭持面を構成する取付け溝(d)を形成している。このスキッド取付金具55a,55bの取付け溝(d)に、スキッド片51a,51bの取付部(cc)を挟み込み、一対のスキッド取付金具55a,55bを互いに近接する方向にドライバ(DR)で螺子締め加工するより、スキッド片51a,51bの各取付部(cc)がそれぞれ取付け溝(d)に狭持され、図13(a)および図13(b)に示すように、スキッド51がカメラヘッド14に固定される。因みに図中のaの寸法は略130mm、bの寸法は略70mm、cの寸法は略16mmである。このスキッド51を取着したカメラヘッド14が電纜管7入線済みの埋設管5内に押し込まれた状態を図13(c)に示している。スキッド51の湾曲度合(曲率半径)は、検査対象となる管体(埋設管5)の内周面の湾曲度合(曲率半径)とほぼ同じに設定されている。電纜管7には電源ケーブルが配設されている。カメラヘッド14には、撮像レンズ14aの周囲に、検査対象となる管内の前方を照明する計8個の白色LED素子が設けられている。
【0033】
上記したスキッド構造は、カメラヘッド14の径方向両側に軸方向に沿って開放する一対の取付け溝を有する一対のスキッド取付金具55a,55bを取付け、この一対のスキッド取付金具55a,55bの一対の取付け溝(d)に、押し込みケーブル12(カメラヘッド14)の径方向に対して湾曲した一対のスキッド片51a,51bを取付け、埋設管5内をスキッド片51a,51bの湾曲面が摺動してカメラヘッド14をケーブル押し込み方向に案内する構造としていることから、ケーブル押し込み時におけるスキッド51の引っ掛かりを抑制して押し込みケーブルの押し込み操作を円滑に行うことができる。
【0034】
上記した一対のスキッド片51a,51bは、カメラヘッド14の径方向に対して湾曲した湾曲面を面内方向と面外方向に向きを違えて一対のスキッド取付金具55a,55bに取付可能である。すなわち上記したスキッド51は、図12(a)に示す形状に対して、スキッド片51a,51bの片方を裏返す(径方向に対して湾曲した湾曲面の向きを逆向きにする)ことで図12(b)に示す波形の形状に変化し(平面形状は若干変形する)、スキッド片51a,51bの双方を裏返すことで逆方向に湾曲した形状とすることができる。これら3種の形状の中から管内の隙間に合わせた適当な寸法形状にスキッド51を組み立てることで、寸法の異なる複数形状のスキッドを用意することなく押し込み操作による管内検査を円滑に効率よく実施できる。
【0035】
このように、カメラヘッド14の径方向に対して湾曲した形状をなし、その外周面が円弧状の凸面に形成されたスキッド51をカメラヘッド14に取着して、電纜管入線済み管路となる埋設管5の内部を調査することにより、スキッド51が径方向に対して湾曲した(埋設管5の内径に沿う)湾曲面を有することから、埋設管5の隙間に挿入されたカメラヘッド14の押し込み方向への進行ガイドをスムーズに行うことができ、長距離押し込み型ハードケーブル(押し込みケーブル12)の押し込み操作による管内検査を円滑に効率よく実施できる。また、カメラヘッド14がケーブルドラム11に着脱可能に設けられていることから、システムの取り扱いが容易であり、カメラヘッド14の損傷、破損を回避した安全性の高い管内検査システムを提供できるとともに、同システムの設定並びに移動作業を簡易に行うことができる。
【0036】
また、上記実施形態は、検査対象となる管体内に挿入される押し込みケーブルと、この押し込みケーブルの先端に取付けられ前記管体内を撮像するカメラヘッドとの取付け構造であって、前記押し込みケーブルの先端部に筒状のコネクタ金具の後端部を被着し、このコネクタ金具の外周面の軸方向及び周方向の複数個所を径方向内方にかしめて前記コネクタ金具を前記押し込みケーブルに取付け固定し、前記コネクタ金具の先端部に前記カメラヘッドを取付けた管内検査装置におけるカメラヘッドの取付け構造を実現している。このカメラヘッドの取付け構造において、前記コネクタ金具は、前記押し込みケーブルの軸方向に対して等間隔で離間した複数の軸方向箇所を、各軸方向箇所において周方向に等間隔で離間した複数の周方向箇所でかしめられる。また、上記実施形態は、検査対象となる管体内に挿入される押し込みケーブルと、この押し込みケーブルの先端に取付けられ前記管体内を撮像するカメラヘッドとの取付け方法であって、前記押し込みケーブルの先端部に筒状のコネクタ金具の後端部を被着する工程と、前記コネクタ金具の外周面の軸方向及び周方向の複数個所を径方向内方にかしめて前記コネクタ金具を前記押し込みケーブルに取付け固定する工程と、前記コネクタ金具の先端部に前記カメラヘッドを取付ける工程とを具備したカメラヘッドの取付け方法を実現している。このカメラヘッドの取付け方法において、前記かしめは、前記コネクタ金具の外周面に対応させた半円筒状をなし、周方向にかしめ螺子を前記径方向内方に向け螺合した一対のパイプガイドと、前記パイプガイド相互を結合する結合部材とを具備したかしめ治具を用意し、前記コネクタ金具の外周面に前記一対のパイプガイドを被せ、前記パイプガイド相互を前記結合部材で結合して前記かしめ治具を前記コネクタ金具の外周面に被嵌し、前記かしめ螺子を前記径方向内方に締め付けて前記かしめ螺子の先端を前記コネクタ金具の外周面に押し当て、前記コネクタ金具の前記押し当て部を変形させて前記押し込みケーブルの外皮に食い込ませることにより行っている。
【0037】
このカメラヘッドの取付け構造および取付け方法によれば、滑沢性を有する押し込みケーブルの先端にカメラヘッドコネクタ金具をかしめ固定した構造により、カメラヘッドの小型軽量化並びに押し込み型ハードケーブルの押し込み操作性の向上が図れる。またカメラヘッドを押し込みケーブルに対して着脱自在なコネクタ接続構造としたことにより、カメラヘッドの損傷を回避した安全性の高い管内検査装置を提供することができる。
【0038】
また、上記実施形態は、検査対象となる管体内に挿入される押し込みケーブルと、この押し込みケーブルの先端に取付けられ前記管体内を撮像するカメラヘッドとの取付け構造であって、前記押し込みケーブルの先端部に筒状のコネクタ金具の後端部を取付け固定し、このコネクタ金具の先端部に前記カメラヘッドを前記コネクタ金具の周方向に対する回転角度の位置決め調整可能に取付けるとともに、前記カメラヘッドにはこのカメラヘッドのトップ方向に対して周方向の回転位置を識別するための位置認識マークを設けたことを特徴とする管内検査装置におけるカメラヘッドの取付け構造を実現している。このカメラヘッドの取付け構造において、前記位置認識マークは前記カメラヘッドの撮像面の天上方向に位置する外筐面に設けられている。前記コネクタ金具のカメラヘッド取付面は同心円状の複数のコネクタ接触片を前記カメラヘッド取付面に露出したコネクタ基板を具備し、前記カメラヘッドは撮像面と反対側のコネクタ接続面に前記複数のコネクタ接触片に対応して径方向に位置を違えた複数のコネクタ電極を具備して、前記周方向に位置決め調整された任意の調整位置で前記複数のコネクタ接触片がこのコネクタ接触片に対応する前記コネクタ電極に接触している。前記カメラヘッドは前記押し込みケーブルの径とほぼ同径の筒形密閉構造をなし、検査対象となる管内の前方を照明する複数個のLED素子が撮像レンズの周囲に内装されている。前記カメラヘッドは前記コネクタ接続面の周囲に嵌合筒を有し、前記コネクタ金具は前記カメラヘッド取付面の周囲に回転自在なカメラヘッド接続リングを有して、前記嵌合筒がカメラヘッド接続リングの内周面に螺嵌されることにより、前記カメラヘッドと前記コネクタ金具と前記押し込みケーブルが同心上に一体化されたロッドを構成している。
【0039】
このカメラヘッドの取付け構造によれば、カメラヘッドの周方向への回動位置調整が容易に行える、カメラヘッドを押し込みケーブルに対して着脱自在なコネクタ接続構造としたことにより、カメラヘッドの周方向への回動位置調整を容易に可能にしたカメラヘッドとカメラヘッドコネクタと押し込みケーブルを同軸上に一体結合したロッド形状の長距離押し込み型ハードケーブルカメラを実現できる。
【0040】
また、上記実施形態は、検査対象となる管体内に挿入される押し込みケーブルと、この押し込みケーブルの先端に取付けられ前記管体内を撮像するカメラヘッドとを備えた管内検査装置であって、前記押し込みケーブルは前記カメラヘッドに接続される複数の信号線を有し、前記複数の信号線は編組シールドを介して耐熱性樹脂によって形成されたケーブル外皮によって被覆され、前記ケーブル外皮は高剛性樹脂によって形成された高剛性外皮によって被覆されていて、この高剛性外皮は滑沢性を有する絶縁外皮によって被覆されている管内検査装置を実現している。この管内検査装置において、前記信号線を前記編組シールドを介して被覆した前記ケーブル外皮はフッ素樹脂(ETFE)によって形成され、前記ケーブル外皮を被覆した高剛性外皮を形成する前記高剛性外皮は炭素繊維強化樹脂(CFRP)によって形成され、前記絶縁外皮は高密度ポリエチレン(HD−PE)によって形成されている。前記押し込みケーブルは、ケーブルドラムに巻装され、繰り出し方向先端に前記カメラヘッドを取着するカメラヘッドコネクタが一体に設けられている。前記カメラヘッドコネクタは前記押し込みケーブルの先端部分が嵌挿される、前記カメラヘッドとほぼ同径の筒状部を有するコネクタ金具により構成され、前記筒状部に嵌挿された前記押し込みケーブルに対し前記筒状部が前記筒状部の外周面の軸方向及び周方向の複数個所で径方向内方にかしめられて前記コネクタ金具が前記押し込みケーブルにかしめ固定されている。前記カメラヘッドを取着した前記カメラヘッドコネクタと前記カメラヘッドコネクタがかしめ固定された前記押し込みケーブルとを同軸上に一体結合して押し込みロッドを構成している。前記カメラヘッドは前記押し込みケーブルに対して前記押し込みケーブルの周方向に位置調整可能に前記カメラヘッドコネクタにコネクタ接続されている。前記前記高剛性外皮は曲げ剛性42N、許容曲げ半径600mm以下のFRPロッドを構成している。
【0041】
この管内検査装置によれば、滑沢性を有する押し込みケーブルの先端にカメラヘッドコネクタ金具をかしめ固定することで、滑沢性を有する軽量化されたハードケーブルを適用した、軽量でかつ押し込み操作性のよい管内検査装置が提供できる。
【0042】
なお、本発明の各構成要素は上記した実施形態の形状、構造等に係わらず本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形、変更可能である。
【符号の説明】
【0043】
11…ケーブルドラム、12…押し込みケーブル、13…カメラヘッドコネクタ、14…カメラヘッド、21…コネクタ金具、21p…かしめ固定部、22…コネクタ基板、24…コネクタナット(カメラヘッド接続リング)、30…かしめ治具、51…スキッド、51a,51b…スキッド片(ガイド部材)、55a,55b…スキッド取付金具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象となる管体内に挿入される押し込みケーブルと、この押し込みケーブルの先端に同軸上に取付けられ前記管体内を撮像する筒形のカメラヘッドとを備えた管内検査装置であって、
前記押し込みケーブルの先端に取付けられたカメラヘッドには前記カメラヘッドの径方向両側に軸方向に沿って開放する一対の取付け溝を有する取付け金具を取付け、前記取付け金具の一対の取付け溝には前記押し込みケーブルの径方向に対して湾曲した一対のガイド部材が取付けられることを特徴とする管内検査装置。
【請求項2】
前記押し込みケーブルと前記カメラヘッドの外形寸法はほぼ同じに設定され、前記一対のガイド部材の厚さ寸法は前記押し込みケーブルと前記カメラヘッドの外形寸法とほぼ同じに設定されていて、
前記一対のガイド部材は、それぞれの側辺部の前記押し込みケーブルの軸方向に沿う中途部が前記取付け溝に着脱可能に挿入固定され、軸方向に沿う両端部分は前記カメラヘッドの外周面に接触する円弧状の凹面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項3】
前記一対のガイド部材は、前記取付け金具に取付けられる取付面を除く外周面が円弧状の凸面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項4】
前記ガイド部材の湾曲度合(曲率半径)は、前記検査対象となる管体の内周面の湾曲度合(曲率半径)とほぼ同じに設定されていることを特徴とする請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項5】
前記押し込みケーブルの先端部に筒状のコネクタ金具の後端部を被着し、このコネクタ金具の外周面の軸方向及び周方向の複数個所を径方向内方にかしめて前記コネクタ金具を前記押し込みケーブルに取付け固定し、前記コネクタ金具の先端部に前記カメラヘッドを取付けて、前記カメラヘッドと前記押し込みケーブルを前記コネクタ金具を挟んで同軸上のロッド形状に構成し、前記カメラヘッドに前記コネクタ金具の一部を含んだ軸方向の領域に前記ガイド部材を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項6】
前記一対のガイド部材は、前記径方向に対して湾曲した湾曲面の湾曲方向を逆向きにして前記取付け金具に取付可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の管内検査装置。
【請求項7】
前記押し込みケーブルの先端部に筒状のコネクタ金具の後端部を被着し、このコネクタ金具の外周面の軸方向及び周方向の複数個所を径方向内方にかしめて前記コネクタ金具を前記押し込みケーブルに取付け固定し、前記コネクタ金具の先端部に前記カメラヘッドを取付けることを特徴とする請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項8】
前記コネクタ金具は、前記押し込みケーブルの軸方向に対して等間隔で離間した複数の軸方向箇所を、各軸方向箇所において周方向に等間隔で離間した複数の周方向箇所でかしめられることを特徴とする請求項7に記載の管内検査装置。
【請求項9】
前記かしめは、前記コネクタ金具の外周面に対応させた半円筒状をなし、周方向にかしめ螺子を前記径方向内方に向け螺合した一対のパイプガイドと、前記パイプガイド相互を結合する結合部材とを具備したかしめ治具を用意し、前記コネクタ金具の外周面に前記一対のパイプガイドを被せ、前記パイプガイド相互を前記結合部材で結合して前記かしめ治具を前記コネクタ金具の外周面に被嵌し、前記かしめ螺子を前記径方向内方に締め付けて前記かしめ螺子の先端を前記コネクタ金具の外周面に押し当て、前記コネクタ金具の前記押し当て部を変形させて前記押し込みケーブルの外皮に食い込ませることにより行うことを特徴とする請求項7に記載の管内検査装置。
【請求項10】
前記押し込みケーブルの先端部に筒状のコネクタ金具の後端部を取付け固定し、このコネクタ金具の先端部に前記カメラヘッドを前記コネクタ金具の周方向に対する回転角度の位置決め調整可能に取付けるとともに、前記カメラヘッドにはこのカメラヘッドのトップ方向に対して周方向の回転位置を識別するための位置認識マークを設けたことを特徴とする請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項11】
前記位置認識マークは前記カメラヘッドの撮像面の天上方向に位置する外筐面に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の管内検査装置。
【請求項12】
前記コネクタ金具のカメラヘッド取付面は同心円状の複数のコネクタ接触片を前記カメラヘッド取付面に露出したコネクタ基板を具備し、前記カメラヘッドは撮像面と反対側のコネクタ接続面に前記複数のコネクタ接触片に対応して径方向に位置を違えた複数のコネクタ電極を具備して、前記周方向に位置決め調整された任意の調整位置で前記複数のコネクタ接触片がこのコネクタ接触片に対応する前記コネクタ電極に接触していることを特徴とする請求項10に記載の管内検査装置。
【請求項13】
前記カメラヘッドは前記押し込みケーブルの径とほぼ同径の筒形密閉構造をなし、検査対象となる管内の前方を照明する複数個のLED素子が撮像レンズの周囲に内装されていることを特徴とする請求項10に記載の管内検査装置。
【請求項14】
前記カメラヘッドは前記コネクタ接続面の周囲に嵌合筒を有し、前記コネクタ金具は前記カメラヘッド取付面の周囲に回転自在なカメラヘッド接続リングを有して、前記嵌合筒がカメラヘッド接続リングの内周面に螺嵌されることにより、前記カメラヘッドと前記コネクタ金具と前記押し込みケーブルが同心上に一体化されたロッドを構成していることを特徴とする請求項10に記載の管内検査装置。
【請求項15】
前記押し込みケーブルは前記カメラヘッドに接続される複数の信号線を有し、前記複数の信号線は編組シールドを介して耐熱性樹脂によって形成されたケーブル外皮によって被覆され、前記ケーブル外皮は高剛性樹脂によって形成された高剛性外皮によって被覆されていて、この高剛性外皮は滑沢性を有する絶縁外皮によって被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の管内検査装置。
【請求項16】
前記信号線を前記編組シールドを介して被覆した前記ケーブル外皮はフッ素樹脂(ETFE)によって形成され、前記ケーブル外皮を被覆した高剛性外皮を形成する前記高剛性外皮は炭素繊維強化樹脂(CFRP)によって形成され、前記絶縁外皮は高密度ポリエチレン(HD−PE)によって形成されていることを特徴とする請求項15に記載の管内検査装置。
【請求項17】
前記押し込みケーブルは、ケーブルドラムに巻装され、繰り出し方向先端に前記カメラヘッドを取着するカメラヘッドコネクタが一体に設けられていることを特徴とする請求項15に記載の管内検査装置。
【請求項18】
前記カメラヘッドコネクタは前記押し込みケーブルの先端部分が嵌挿される、前記カメラヘッドとほぼ同径の筒状部を有するコネクタ金具により構成され、前記筒状部に嵌挿された前記押し込みケーブルに対し前記筒状部が前記筒状部の外周面の軸方向及び周方向の複数個所で径方向内方にかしめられて前記コネクタ金具が前記押し込みケーブルにかしめ固定されていることを特徴とする請求項17に記載の管内検査装置。
【請求項19】
前記カメラヘッドを取着した前記カメラヘッドコネクタと前記カメラヘッドコネクタがかしめ固定された前記押し込みケーブルとを同軸上に一体結合して押し込みロッドを構成していることを特徴とする請求項18に記載の管内検査装置。
【請求項20】
前記カメラヘッドは前記押し込みケーブルに対して前記押し込みケーブルの周方向に位置調整可能に前記カメラヘッドコネクタにコネクタ接続されていることを特徴とすることを特徴とする請求項18に記載の管内検査装置。
【請求項21】
前記高剛性外皮は曲げ剛性42N、許容曲げ半径600mm以下のFRPロッドを構成していることを特徴とする請求項15または16に記載の管内検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−24732(P2013−24732A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159996(P2011−159996)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】