説明

管内面検査方法、及び管内面検査装置

【課題】管内面のきずの検出精度が高く、かつ、手間とコストがかからない管内面検査方法、及び管内検査装置を提供する。
【解決手段】環状照明3を鋼管2の端面21に対向させて環状照明3の中心軸32と鋼管2の管軸22とを略一致させ、照明光を鋼管2の内面23に向けて出射し、かつ、カメラ4を鋼管2の端面21に対向させてカメラ4の光軸と鋼管2の管軸22とを略一致させ、端面21及び内面23を撮像する。撮像した画像から、内面画像を抽出し、内面画像を径方向に複数の環状領域に分割する。分割した環状領域毎に濃度の基準範囲を設け、濃度が該基準範囲から外れた画素群をきず候補画素群として抽出する。きず候補画素群を含む所定の画素領域の画素の濃度から環状領域毎に定めた所定の濃度を減算し、濃度を減算された画素領域を管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換し、変換した画素領域からきずの有無を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管内面検査方法、及び管内面検査装置に関する。特に、管内面のきずの検出精度の良い管内面検査方法、及び管内検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鋼管の外側から内面に照明光を出射し、内面のきずを目視検査することが一般的である。
しかしながら、照明の位置によって内面の周方向に明るい領域と暗い領域ができる。また、周方向の明るさの変動が少ないように照明を配置しても、鋼管の管軸方向で明るさに大きな変動が生じる。
このように、明るさに大きな変動が生じると、きずの位置によってはきずが見難くなり、きずを見落とす虞がある。
また、鋼管の径が小さい場合や、きずが管軸方向の奥の方にある場合には、きずを斜めから見るので、きずを正面から見た場合と見え方が異なり、きずであるか否かの判別が難しい場合がある。
また、内面には汚れ等もあり、きずの検出精度は検査員の能力に大きく依存している。
従って、検査員の能力や鋼管の径等によっては、きずの検出精度に変動が生じ、きずを見逃す虞がある。
【0003】
また、鋼板の表面に線状レーザ光を照射し、遅延積分型撮像手段によって鋼板の表面を撮像し、光切断画像を出力することにより、鋼板の表面のきずを検出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、鋼管の径が小さい場合には、鋼管内に撮像手段を入れられないので、この方法によってきずを検出することは難しい。また、きずの凹凸が小さい場合や、きずと周囲との色の濃淡差が小さい場合には、この方法によってきずを検出することが難しい。
また、渦流探傷又は漏洩磁束探傷と画像による探傷とを組み合わせて表面のきずを検出する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、渦流探傷又は漏洩磁束探傷と画像による探傷との両方を行わなければならず、手間とコストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−91514号公報
【特許文献2】特開2009−8659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決するためになされたものであり、管内面のきずの検出精度が高く、かつ、手間とコストがかからない管内面検査方法、及び管内検査装置を提供することを課題とする。
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、下記の(1)乃至(4)の知見を得た。
(1)環状照明を管の端面に対向させ、環状照明の中心軸と管の管軸とを略一致させることにより、管の内面の周方向の明るさの変動を少なくすることができる。
(2)撮像手段で管の内面を管軸方向から撮像すると、その内面画像は、環状照明に近い位置ほど内面の濃度が低く、環状照明から遠い位置ほど濃度が高くなり、管軸方向に濃度の変動が生じる。そこで、内面画像を、径方向に複数の環状領域に分割し、環状領域毎にきず候補を判別する濃度の基準範囲を設けることにより、管軸方向での濃度の変動がきず候補の検出精度に与える影響を小さくできる。
(3)きず候補を含む環状領域を、管の径方向から見た場合の環状領域に変換することにより、きずの正確な形状が分かるので、きずの検出精度がよくなる。
(4)管の内面画像を構成するすべての環状領域を、管の径方向から見た場合の環状領域に変換しようとすると、データの処理量が多くなるので、コストと手間がかかる。そこで、きず候補を含む環状領域だけを管の径方向から見た場合の環状領域に変換することによりコストと手間を低減できる。
【0007】
本発明は、本発明者らが得た上記の知見に基づき完成されたものである。すなわち、環状照明を管のいずれか一方の端面に対向させると共に該環状照明の中心軸と該管の管軸とを略一致させ、該環状照明の照明光を該管の内面に向けて出射し、かつ、撮像手段を該いずれか一方の端面に対向させると共に該撮像手段の光軸と該管の管軸とを略一致させ、該管の端面及び内面を該撮像手段で撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップで撮像した画像から、前記いずれか一方の端面の内周縁に該当する位置からいずれか他方の端面の内周縁に該当する位置までの内面画像を抽出し、該内面画像を径方向に複数の環状領域に分割する分割ステップと、前記分割ステップによって分割した前記環状領域毎に濃度の基準範囲を設け、濃度が該基準範囲から外れた画素群をきず候補画素群として抽出する1次判別ステップと、前記1次判別ステップにより抽出した前記きず候補画素群を含む所定の画素領域の画素の濃度から前記環状領域毎に定めた所定の濃度を減算し、濃度を減算された該画素領域を管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換し、変換した画素領域からきずの有無を判別する2次判別ステップとを備えたことを特徴とする管内面検査方法を提供する。
【0008】
ここで、環状照明とは、光源が環状に形成された、あるいは、複数の光源が環状に配置された照明を意味する。具体的には、例えば、LEDや電球等の複数の光源が環状に配置された照明や、環状の蛍光灯等の照明を例示できる。
上記の分割ステップにおいて、環状領域の分割数は、内面画像の濃度の変動幅に拘わらずに一定の数に決めておいてもよいし、また、内面画像の濃度の変動幅が大きい場合には分割数を多くし、小さい場合には少なくするようにしてもよい。
1次判別ステップにおける環状領域毎の濃度の基準範囲は、例えば、それぞれの環状領域の濃度の代表値に基づいて決めればよい。代表値としては、最高濃度、最低濃度及び平均濃度等があげられる。
2次判別ステップにおける減算する濃度は、それぞれの環状領域の濃度の代表値に基づいて決めればよい。代表値としては、最高濃度、最低濃度及び平均濃度等があげられる。具体的には、例えば、減算する濃度は、それぞれの環状領域の平均濃度としてもよい。また、減算する濃度は、その画素領域が属する環状領域の平均濃度とせずに、その環状領域の最低濃度としてもよい。
そして、それぞれの環状領域毎に定めた濃度を減算するとき、減算される画素領域が複数の環状領域に跨っている場合には、減算される画素領域全体に亘って同一の濃度を減算するのでなく、減算される画素領域を構成する各画素が属しているそれぞれの環状領域毎に定めた濃度を減算する。
【0009】
本発明によれば、環状照明の中心軸と管の管軸とを略一致させるので、内面画像の濃度の周方向の変動を少なくすることができる。
また、きず候補画素群を抽出する濃度の基準範囲を定め、基準範囲から外れた画素群をきず候補画素群とするので、抽出する基準が一定になりきずの見逃しを少なくすることができる。
上記のように環状照明の中心軸と管の管軸とを略一致させても、撮像した内面画像は、環状照明に近い位置ほど内面の濃度が低く、環状照明から遠い位置ほど濃度が高くなるように、管軸方向に濃度の変動が生じる。そこで、本発明では、内面画像を径方向に複数の環状領域に分割し、環状領域毎にきず候補画素群の濃度の基準範囲を定める。例えば、環状照明に近い位置の環状領域では基準範囲の濃度を低くし、環状照明から遠い位置の環状領域では基準範囲の濃度を高くする。このように、濃度の管軸方向の変動に応じて環状領域毎のきず候補画素群の濃度の基準範囲を定めることにより、管の内面における管軸方向の位置による明るさの変動に拘わらずに、きず候補画素群の抽出を同等の精度で行うことができる。
【0010】
第2判別ステップにおいて、環状領域毎に定めた濃度を減算するが、例えば、環状領域毎の平均濃度を減算すれば、減算された後のそれぞれの環状領域の濃度を同等の濃度レベルにすることができる。それぞれの環状領域の濃度レベルが同等になることによりきずの見え方が同等になり、環状領域間でのきずの検出精度のバラツキを小さくすることができる。特に、管軸方向に延びて複数の環状領域に跨っているきず候補画素群は、管軸方向での濃度のバラツキが小さくなるので、見易くなり検出精度がよくなる。
そして、第2判別ステップにおいて、きず候補画素群を含んだ画素領域を管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換するので、きずの正確な形状が分かり、きず候補画素群とされた画素群からきずを精度良く検出することができる。このことにより、きずでないものをきずと判別する誤りを少なくすることができる。
特に、第2判別ステップにおけるきずの有無の判別を人が行うようにすれば、きず画素領域が領域内での濃度差を維持したまま管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換され、目視の場合と同様の状態になるので、きずの検出精度が良くなる。
【0011】
本発明で、第2判別ステップを行わずに、第1判別ステップだけできずを検出するようにすると、きずでないものをきずと判別する虞が高くなり、きずの検出精度が悪くなる。
また、第1判別ステップを行わずに、第2判別ステップだけを行おうとすると、管の内面の全ての領域の内面画像を、管の径方向から見た場合の内面画像に変換しなければならず、データの処理量が多くなるので、コストと手間がかかる。
従って、本発明のように、第1判別ステップと第2判別ステップとを組み合わせて行うことにより、コストと手間をかけずにきずの検出精度を良くすることができる。
【0012】
また、前記課題を解決するため、本発明は、管のいずれか一方の端面と対向し、照明光を該管の内面に向けて出射する環状照明と、前記いずれか一方の端面と対向し、前記管の端面及び内面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した前記管の画像からきず候補画素群を抽出し表示するきず候補表示手段とを備え、前記環状照明は、その中心軸が前記管の管軸と略一致するように配置され、前記撮像手段は、その光軸が前記管の管軸と略一致するように配置され、前記きず候補表示手段は、前記撮像手段が撮像した前記管の端面及び内面の画像から、前記いずれか一方の端面の内周縁に該当する位置からいずれか他方の端面の内周縁に該当する位置までの内面画像を抽出し、該内面画像を径方向に複数の環状領域に分割し、該環状領域毎に濃度の基準範囲を設け、濃度が該基準範囲から外れた画素群をきず候補画素群として抽出し、該きず候補画素群を含む所定の画素領域の画素の濃度から該環状領域毎に定めた所定の濃度を減算し、濃度を減算された該画素領域を管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換して表示することを特徴とする管内面検査装置を提供する。
【0013】
好ましくは、管内面検査装置は、前記いずれか一方の端面と当接可能であり、かつ、該いずれか一方の端面に当接したときに、前記環状照明から該管の内面に向けて出射された照明光を通過させる当接板と、前記撮像手段、前記環状照明及び前記当接板が取り付けられた固定枠とを備え、前記撮像手段と前記当接板とは、該撮像手段の光軸と該当接板とが垂直になるように前記固定枠に固定され、前記環状照明は、前記撮像手段と前記当接板との間を該撮像手段の光軸と平行に移動可能なように取り付けられる。
【0014】
当接板が、環状照明から管の内面に出射された照明光を通過させるので、管の端面を当接板に当接させた状態で、管の端面と内面とを撮像することができる。
ここで、当接板は、例えば、ガラスや樹脂等の透明な素材からなる板や、網目構造を有した金属や樹脂等からなる板である。また、管の内径よりも大きく、かつ、管の外径よりも小さい径の孔を有した板であって、孔の周囲に管の端面を当接させるようにしたものでもよい。
【0015】
管の内面を撮像するにあたっては、管の内面が管軸方向全長に亘って明るく照らされることが望ましい。そのために、環状照明は、照明光を内面の管軸方向全長に亘って照らすことができる位置であって、かつ、出来るだけ管の端面に近い位置が好ましい。
一方、管軸方向に延びた内面を撮像するには被写界深度を深くしなければならないので、撮像手段は、レンズの倍率を考慮して撮像出来る距離の範囲内で当接板から離れた位置が好ましい。
このように、環状照明の好ましい位置と、撮像手段の好ましい位置とは独立した関係なので、環状照明と撮像手段とが一体として位置が決まる構成であると、それぞれの適切な位置を得ることができないので、きずの検出が難しくなる。
そこで、上記の好ましい管内面検査装置のように、環状照明が撮像手段とは別個に移動できるようにすることにより、撮像条件を最適にすることができる。また、環状照明が、撮像手段の光軸と平行に移動するので、環状照明を移動させても内面画像の濃度の周方向での均一性を維持することができる。
【0016】
固定枠を用いることにより、管の内径や長さが同一である複数の管の内面検査を行う場合、管の端面に当接板を当接させれば撮像手段と当接板との間の距離、及び環状照明と当接板との間の距離が一定なので、管の検査を順次行っても撮像条件の調整に手間がかからない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、手間とコストをかけずに管内面のきずの検出精度が高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本実施形態に係る管内面検査方法に用いる管内面検査装置の一例を説明する構成図である。
【図2】図2は、内面画像の抽出方法を説明する図である。図2(a)は、鋼管の端面と内面との撮像画像であり、図2(b)は、図2(a)の撮像画像を二値化した撮像画像であり、図2(c)は撮像画像から抽出した手前側端面の外周縁及び内周縁と、奥側端面の内周縁の模式図である。
【図3】図3は、内面画像の濃度分布を測定する方法を説明する図である。図3(a)は、鋼管の中心位置を示す図であり、図3(b)は、濃度分布を測定する測定線を示す図である。
【図4】図4は、平均濃度の変動範囲を分割する方法を説明する図である。
【図5】図5は、内面画像は複数の環状領域に分割する方法を示す図である。
【図6】図6は、きず候補画素群を含んだ画素領域を内面画像から選定する方法を説明する図である。図6(a)は、きず候補画素群を含んだ画素領域を選定する4点をプロットした状態を示す図であり、図6(c)は、きず候補画素群を含んだ画素領域を線で囲んだ状態を示す図である。
【図7】図7は、きず画素領域から画素領域毎に定めた所定の濃度を減算する状態を示す図である。図7(a)は、所定の濃度を減算される前の内面画像であり、図7(b)は、減算する濃度を示す図であり、図7(c)は、所定の濃度を減算された後の内面画像である。
【図8】図8は、きず画素領域を扇形から矩形に変換方法を説明する図である。図8(a)は、変換前の座標を示す図であり、図8(b)は、変換後の座標を示す図である。
【図9】図9は、管軸方向の長さの変換方法を説明する図である。図9(a)は、内面を撮像している状態を示す模式図であり、図9(b)は、図9(a)の模式図でのLとR’の関係を示す図であり、図9(c)は、図9(a)の模式図でのLとr’の関係を示す図であり、図9(d)は、変換後の座標を示す図である。
【図10】図10は、きず候補画素群を有する画素領域を、管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換する各段階の写真である。図10(a)は、濃度を減算された後の画素領域であり、図10(b)は、矩形に変換された後の画素領域であり、図10(c)は、管軸方向の長さを変換された後の画素領域である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の実施形態に係る管内面検査方法について説明する。
図1は、本実施形態に係る管内面検査方法に用いる管内面検査装置の一例を説明する構成図である。
管内面検査装置1は、鋼管2に照明光を出射する環状照明3と、鋼管2を撮像するカメラ(撮像手段)4と、きず候補画素群を表示するきず候補表示手段5とを備えている。
環状照明3は、環状照明3の中心軸32と鋼管2の管軸22とが略一致するように鋼管2の端面21に対向して配置されている。
環状照明3は、例えば、環状に成形された合成樹脂などの基材に複数のLED31が周方向に等間隔に取り付けられた構成である。LED31は、環状照明3の中心軸側に向いており、環状照明3の中心軸32に対して傾斜して照明光を出射する。
カメラ4は、カメラ4の光軸41と鋼管2の管軸22とが略一致するように、鋼管2の端面21に対向して配置されている。
カメラ4は、例えば、CCDカメラであり、撮像した画像データをきず候補表示手段5に送信する。
きず候補表示手段5は、パーソナルコンピュータ(以下、適宜PCという)51と、PC51にインストールされてきず候補画素群を検出し、きず候補画素群を含む画素領域をPC51のモニターに表示するためのプログラムとを備える。
管内面検査装置1は、好ましくは、鋼管2の端面21に当接する当接板6と、当接板6等が取り付けられる固定枠7とを備えている。固定枠7には、環状照明3、カメラ4及び当接板6が取り付けられている。
以下に、管内面検査装置1が、当接板6と、固定枠7とを備えている場合を例として説明する。
当接板6は、例えば、透明な樹脂からなっている。
固定枠7は、カメラ4を取り付けられるカメラ取付板71と、カメラ取付板71と当接板6とを連結する複数本の平行なガイド棒73を具備している。ガイド棒73は、カメラ取付板71に対して垂直になるように構成されている。
当接板6は、ガイド棒73に垂直に固定されている。
カメラ取付板71は、中心部分にカメラ4を取り付けられる孔を具備している。
カメラ取付板71は、ガイド棒73に沿って移動できるような構成になっている。具体的には、例えば、カメラ取付板71は、複数のガイド棒73を貫通させる複数の貫通孔を具備しており、貫通したガイド棒73をねじによって固定されている。カメラ取付板71をガイド棒73に沿って移動することによりカメラ取付板71と当接板6との距離を変えることができ、これにより、カメラ4と当接板6との距離を変えることができる。
【0020】
環状照明3は、複数のガイド棒73を貫通させる複数の貫通孔を具備しており、貫通孔にガイド棒73を貫通させることによって固定枠7に取り付けられている。
環状照明3は、その中心軸32がガイド棒73と平行になるように形成されており、ガイド棒73と平行に移動することができる。
カメラ4は、その光軸41が環状照明3の中心軸32と略一致するようにカメラ取付板71に取り付けられている。
【0021】
当接板6が、環状照明3から鋼管2の内面23に出射された照明光を通過させるので、鋼管2の端面21を当接板6に当接させた状態で、鋼管2の端面21と内面23とを撮像することができる。
環状照明3がカメラ4とは別個に移動できるようにすることにより、撮像条件を最適にすることができる。また、環状照明3が、カメラ4の光軸と平行に移動するので、環状照明3を移動させても内面画像の濃度の周方向での均一性を維持することができる。
固定枠7を用いることにより、鋼管2の内径や長さが同一である複数の鋼管2の内面検査を行う場合、鋼管2の端面21に当接板6を当接させればカメラ4と当接板6との間の距離、及び環状照明3と当接板6との間の距離が一定なので、鋼管2の検査を順次行っても撮像条件の調整に手間がかからない。
【0022】
次に、上述した管内面検査装置1を用いた管内面検査方法について説明する。
最初に、次の撮像ステップが行われる。
環状照明3を鋼管2のいずれか一方の端面21に対向させると共に環状照明3の中心軸32と鋼管2の管軸22とを略一致させ、環状照明3の照明光を鋼管2の内面に向けて出射し、かつ、カメラ4を該いずれか一方の端面21に対向させると共にカメラ4の光軸41と鋼管2の管軸22とを略一致させ、鋼管2の端面21及び内面をカメラ4で撮像する(撮像ステップ)。
本実施形態では、既に環状照明3が、その中心軸32が鋼管2の管軸22と略一致するように鋼管2の端面21に対向して配置され、カメラ4が、その光軸41が鋼管2の管軸22と略一致するように鋼管2の端面21に対向して配置されているので、撮像ステップは、例えば、次のように行われる。
環状照明3をガイド棒73に沿って移動させ、環状照明3の照明光が、鋼管2の内面全体に出射されるようにする。このとき、例えば、環状照明3から出射された照明光が、鋼管2の端面21の内周縁の位置において、内面への入射角度αが略80°になるようにするとよい。
続いて、カメラ取付板71をガイド棒73に沿ってスライドさせ、カメラ4を撮像位置に移動させる。そして、カメラ4によって、鋼管2の端面21と内面23とを撮像する。
環状照明3の中心軸と鋼管2の管軸とが略一致しているので、内面画像の濃度の周方向の変動を少なくすることができる。
【0023】
次に、撮像ステップで撮像した画像から、カメラ4がある側(以下、手前側という)の鋼管2の端面21の内周縁に該当する位置から、手前側とは反対側(以下、奥側という)の鋼管2の端面21の内周縁に該当する位置までの内面画像を抽出し、抽出した内面画像を径方向に複数の環状領域に分割する(分割ステップ)。
分割ステップは、例えば、次のように行われる。
図2は、内面画像の抽出方法を説明する図である。図2(a)は、鋼管2の端面21と内面23との撮像画像であり、図2(b)は、図2(a)の撮像画像を二値化した撮像画像であり、図2(c)は撮像画像から抽出した手前側端面の外周縁及び内周縁と、奥側端面の内周縁の模式図である。図2(a)、(b)においては、当接板6が網目構造の樹脂板であり、当接板6の網線が画像の中心を通る縦方向及び横方向に映っている。
カメラ4は、撮像した内面画像の画像データをきず候補表示手段5に送る。そして、きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、内面画像(図2(a)参照)に二値化処理等を行い(図2(b)参照)、端面21の外周縁C1と内周縁C2を抽出する。端面21に照明光を出射しているので、端面21の箇所は濃度が低くなる。一方、端面21の外側や内側は、端面21よりも濃度が高くなるので端面21との間に濃度の境界ができる。きず候補表示手段5は、その濃度の境界を外周縁C1及び内周縁C2として抽出する。同様にして、奥側の鋼管2の端面21の内周縁C3を抽出する(図2(c)参照)。
そして、きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、奥側の内周縁C3と手前側の内周縁C2で囲まれた領域を内面画像として抽出する。
【0024】
図3は、内面画像の濃度分布を測定する方法を説明する図である。図3(a)は、鋼管の中心位置を示す図であり、図3(b)は、濃度分布を測定する測定線を示す図である。
きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、手前側の外周縁C1が囲む領域の重心を算出し、算出した重心の位置を管軸の位置G(以下、画像での管軸の位置を、適宜、中心位置という)とする(図3(a)参照)。
続いて、きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、中心位置Gから手前側の内周縁C2までの濃度分布を、中心位置Gから手前側の内周縁C2に向けた直線に沿って測定する。中心位置Gから手前側の内周縁C2に向ける直線は、円周方向に予め設定された角度ピッチで設けられる。本実施形態では、角度ピッチを90°とし、中心位置Gから4方向に延ばした測定線D1、D2、D3、D4上の濃度分布が測定される(図3(b)参照)。
【0025】
続いて、測定線D1、D2、D3、D4における内周縁C2から中心位置Gへの同一距離での平均濃度が算出される。そして、平均濃度の変動範囲が予め設定された一定の濃度幅で分割される。
本実施形態では、濃度が明るさという指標に換算されて、平均濃度の変動範囲が分割される。内面23で最も明るい箇所が明るさ100%となり、撮像した箇所の内で最も暗い箇所が明るさ0%となるように撮像画像の濃度が換算される。そして、明るさ100%を基準として10%毎に内面画像を分割する基準値が4個設けられる。つまり、明るさ90%、80%、70%、60%が基準値とされる。
図4は、平均濃度の変動範囲を分割する方法を説明する図である。
図4の横軸は内周縁C2からの距離を示し、縦軸は明るさを示す。図4には、測定線D1、D2、D3、D4での明るさの平均の分布を示す線が示されている。
そして、明るさの平均の分布を示す線が、4個の基準値を示す線と交差する点が求められ、それぞれの交差する点の内周縁C2からの距離が求められる。求められた内周縁C2からの距離が内面画像を分割する位置になる。図4に示す例では、内周縁C2からの距離が、a、b、c、dのところで内面画像は複数の環状領域に分割される。
【0026】
図5は、内面画像を複数の環状領域に分割する方法を示す図である。
きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、測定線D1〜D4上で、内周縁C2から距離a、b、c、dの位置を求める。そして、きず候補表示手段5は、測定線D1〜D4のそれぞれの線で、内周縁C2から距離がaである4箇所を求め、求めた4箇所に最も近い円を最小二乗法で求める。同様にして、内周縁C2から距離がb、c、dの場合の円を最小二乗法で求める。そして、求めた円で内面画を複数の環状領域に分割する。
【0027】
続いて、きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、分割ステップによって分割した環状領域毎に濃度の基準範囲を設け、濃度がその基準範囲から外れた画素群をきず候補画素群として抽出する(1次判別ステップ)。
濃度の基準範囲は、例えば、環状領域毎の濃度の代表値に基づいてきず候補表示手段5が設定するようにすればよい。代表値としては、最高濃度、最低濃度及び平均濃度等があげられる。
本実施形態では、環状領域毎の明るさの平均の−5%から+5%とした。
そして、きず候補表示手段5は、基準範囲を超えた画素群をきず候補画素群として抽出する。
このように、濃度の管軸方向の変動に応じて環状領域毎のきず候補画素群の濃度の基準範囲を定めることにより、鋼管2の内面23における管軸方向の位置による明るさの変動に拘わらずに、きず候補画素群の抽出を同等の精度で行うことができる。
【0028】
続いて、1次判別ステップにより抽出したきず候補画素群を含む所定の画素領域の画素の濃度から環状領域毎に定めた濃度を減算し、濃度を減算された画素領域を管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換し、変換した画素領域からきずの有無を判別する(2次判別ステップ)。
2次判別ステップは、例えば、次のように行われる。
図6は、きず候補画素群を含んだ画素領域を内面画像から選定する方法を説明する図である。図6(a)は、きず候補画素群を含んだ画素領域を選定する4点をプロットした状態を示す図であり、図6(c)は、きず候補画素群を含んだ画素領域を線で囲んだ状態を示す図である。
きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、PC51のモニターに内面画像を表示し、抽出したきず候補画素群をマーキングして表示したり、その位置の座標を表示すること等によってきず候補画素群を識別できるようにする。そして、オペレータは、きず候補画素群を含んだ画素領域(以下、きず画素領域という)を内面画像から選定する。選定は、例えば、オペレータが、きず候補画素群を映されたPC51のモニター上で、きず候補画素群を囲む4点(P1〜P4)をプロットする(図6(a)参照)。きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、中心位置Gから見て4点の内で、周方向に互いに最も離れた2点を選定し(図6(a)の例では、点P1とP2)、中心位置Gから、それぞれの2点を通る直線M1、M2を描く(図6(b)参照)。また、きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、4点が属する環状領域の内で、最も中心位置に近い環状領域の内側の境界線と、最も中心位置から離れた環状領域の外側の境界線とを選定する(図6(b)の例では、境界線M3とM4)。そして、2本の直線M1、M2と、2本の境界線M3、M4に囲まれた領域がきず画素領域とされる。
【0029】
続いて、きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、きず画素領域から環状領域毎に設定された濃度を減算し、濃度を減算されたきず画素領域をPC51のモニターに表示する。減算する濃度は、例えば、環状領域毎の濃度の代表値に基づくように設定しておけばよい。代表値としては、最高濃度、最低濃度及び平均濃度等があげられる。
本実施形態では、内面画像全体から環状領域毎の平均濃度が減算される。
図7は、きず画素領域から環状領域毎に設定された濃度が減算される状態を示す図である。図7(a)は、濃度を減算される前の内面画像であり、図7(b)は、減算する濃度を示す図であり、図7(c)は、設定された濃度が減算された後の内面画像である。
環状領域毎の平均濃度が減算されるので、減算された後のそれぞれの環状領域の濃度を同等の濃度レベルにすることができる。減算した場合に、濃度の値が負になる画素のためにきず候補画素群が見難くなるときは、適当な濃度の値を加算すればよい。それぞれの環状領域の濃度レベルが同等になることによりきずの見え方が同等になり、環状領域間でのきずの検出精度のバラツキを小さくすることができる。特に、管軸方向に延びて複数の環状領域に跨っているきず候補画素群は、管軸方向での濃度のバラツキが小さくなるので、見易くなり検出精度がよくなる。
【0030】
次に、きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、濃度を減算されたきず画素領域を管内面の径方向から見た場合のきず画素領域に変換し、PC51のモニターに表示する。この変換は、カメラ4ときず画素領域の位置関係に基づいて幾何学的に行なわれる。変換は、例えば、次のように行われる。
図8は、きず画素領域を扇形から矩形に変換方法を説明する図である。図8(a)は、変換前の座標を示す図であり、図8(b)は、変換後の座標を示す図である。
最初にきず画素領域を扇形から矩形に変換する。例として、図8(a)に示すような頂点K1、K2、K3、K4を有するきず画素領域Kを矩形に変換する方法を説明する。
内面画像の中心位置GをXY座標の原点とする。頂点K1、K2は中心位置Gよりそれぞれ距離r離れており、頂点K3、K4は中心位置Gよりそれぞれ距離R離れている。
そして、中心位置Gと頂点K1を通る直線上に頂点K3があり、中心位置G及び頂点K1を通る直線と、Y軸とが成す角度はθである。同様に、中心位置Gと頂点K2を通る直線上に頂点K4があり、中心位置G及び頂点K2を通る直線と、Y軸とが成す角度はθである。
そして、きず画素領域Kの円弧形状を直線形状にし、頂点K1から頂点K2までの距離と、頂点K3から頂点K4までの距離を同じにした矩形に変換するには、図8に示すように、変換後のそれぞれの頂点の座標を、K1(−R・sinθ,−r)、K2(R・sinθ,−r)、K3(−R・sinθ,−R)、K4(R・sinθ,−R)とすればよい。頂点以外の各画素についても、中心位置Gからの距離と、中心位置Gと結んだ直線がY軸と成す角度から、同様に変換すればよい。
【0031】
続いて、きず候補表示手段5は、インストールされたプログラムに従って、矩形に変換されたきず画素領域の管軸方向の長さを変換し、PC51のモニターに表示する。
内面画像では、管軸方向に同じ長さのきずでも手前側にあるきずは長く見え、奥側にあるきずは短く見えるので、管軸方向の位置に拘わらずに同じ長さに見えるように、矩形に変換されたきず画素領域を変換する。
図9は、管軸方向の長さの変換方法を説明する図である。図9(a)は、内面を撮像している状態を示す模式図であり、図9(b)は、図9(a)の模式図でのLとR’の関係を示す図であり、図9(c)は、図9(a)の模式図でのLとr’の関係を示す図であり、図9(d)は、変換後の座標を示す図である。
線分K01は、きず画素領域Kに対応する内面の領域である(以下、対応内面領域という)。きず画素領域Kと、この図9との対応関係を見ると、きず画素領域Kの中心位置G、点K5、K6に図9の点G’、K5’、K6’が対応する。
管軸からK5’までの距離r’は、内面画像での中心位置Gから頂点K5までの距離rに、実際の寸法と内面画像とでの寸法の比率を掛けたものである。
同様に、管軸からK6’までの距離R’は、内面画像での中心位置Gから頂点K6までの距離Rに、実際の寸法と内面画像とでの寸法の比率を掛けたものである。
実際の寸法と内面画像とでの寸法の比率は、例えば、鋼管2の内径IDと、撮像画像での鋼管2の内径の寸法から算出すればよい。
図中のそれぞれの記号の内容は、次の通りである。
ID:鋼管の内径
L:カメラ4から端面21までの距離
Y:端面21から対応内面領域K01の手前側の端までの距離
Z:端面21から対応内面領域K01の奥側の端までの距離
ここで、LとR’の関係を見ると、図9(b)から、
L:R’=Y:(ID/2−R’)なので、Y=L(ID/2−R’)/R’となる。
また、Lとr’の関係を見ると、図9(c)から、
L:r’=Z:(ID/2−r’)なので、Z=L(ID/2−r’)/r’となる。
そして、きず画素領域Kに対応する対応内面領域K01を鋼管2の内面23の径方向から見た場合の長さQは
Q=Z−Y=L(ID/2−r’)/r’−L(ID/2−R’)/R’となる。
L、ID、r’、R’の値が既知なので算出することができる。
また、きず画素領域Kの管軸方向の長さを、きず画素領域Kを管内面の径方向から見た場合の長さに変換するには、きず画素領域Kの管軸方向の長さに、
(Z−Y)/(R’−r’)を掛ければよい。
従って、矩形に変換されたきず画素領域Kの管軸方向の長さを、管内面の径方向から見た場合の長さに変換するには、頂点KI、K2、K3、K4の座標を次のように変換する。
KI:(−R・sinθ,−r)
K2:(R・sinθ,−r)
K3:(−R・sinθ,−R(Z−Y)/(R’−r’))
K4:(R・sinθ,−R(Z−Y)/(R’−r’))
頂点以外の各画素についても、同様に変換すればよい。
図10は、きず画素領域を、管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換する各段階の写真である。図10(a)は、濃度を減算された後のきず画素領域であり、図10(b)は、矩形に変換された後のきず画素領域であり、図10(c)は、管軸方向の長さを変換された後のきず画素領域である。
オペレータは、PC51のモニターに表示された変換後のきず画素領域から、きず候補画素群がきずであるか否かの判別を行う。
このように、きず候補画素群を含んだきず画素領域が領域内での濃度差を維持したまま管内面の径方向から見た場合のきず画素領域に変換され、目視の場合と同様の状態になるので、きずの正確な形状が分かり、きず候補画素群からきずを精度良く検出することができる。このことにより、きずでないものをきずと判別する誤りを少なくすることができる。
なお、PC51のモニターに表示された変換後のきず画素領域から、きず候補画素群がきずであるか否かの判別を、きず候補表示手段5が、きず候補画素群の濃度、長さ、幅、及び形状等に基づいて行うようにしてもよい。
このように、本実施形態の管内面検査方法により、手間とコストをかけずに管内面のきずの検出精度が高くすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1・・・管内面検査装置
2・・・鋼管(管)
21・・・端面
22・・・管軸
23・・・内面
3・・・環状照明
32・・・中心軸
4・・・カメラ(撮像手段)
41・・・光軸
5・・・きず候補表示手段
6・・・当接板
7・・・固定枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状照明を管のいずれか一方の端面に対向させると共に該環状照明の中心軸と該管の管軸とを略一致させ、該環状照明の照明光を該管の内面に向けて出射し、かつ、撮像手段を該いずれか一方の端面に対向させると共に該撮像手段の光軸と該管の管軸とを略一致させ、該管の端面及び内面を該撮像手段で撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで撮像した画像から、前記いずれか一方の端面の内周縁に該当する位置からいずれか他方の端面の内周縁に該当する位置までの内面画像を抽出し、該内面画像を径方向に複数の環状領域に分割する分割ステップと、
前記分割ステップによって分割した前記環状領域毎に濃度の基準範囲を設け、濃度が該基準範囲から外れた画素群をきず候補画素群として抽出する1次判別ステップと、
前記1次判別ステップにより抽出した前記きず候補画素群を含む所定の画素領域の画素の濃度から前記環状領域毎に定めた所定の濃度を減算し、濃度を減算された該画素領域を管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換し、変換した画素領域からきずの有無を判別する2次判別ステップとを備えたことを特徴とする管内面検査方法。
【請求項2】
管のいずれか一方の端面と対向し、照明光を該管の内面に向けて出射する環状照明と、
前記いずれか一方の端面と対向し、前記管の端面及び内面を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した前記管の画像からきず候補画素群を抽出し表示するきず候補表示手段とを備え、
前記環状照明は、その中心軸が前記管の管軸と略一致するように配置され、
前記撮像手段は、その光軸が前記管の管軸と略一致するように配置され、
前記きず候補表示手段は、前記撮像手段が撮像した前記管の端面及び内面の画像から、前記いずれか一方の端面の内周縁に該当する位置からいずれか他方の端面の内周縁に該当する位置までの内面画像を抽出し、該内面画像を径方向に複数の環状領域に分割し、該環状領域毎に濃度の基準範囲を設け、濃度が該基準範囲から外れた画素群をきず候補画素群として抽出し、該きず候補画素群を含む所定の画素領域の画素の濃度から該環状領域毎に定めた所定の濃度を減算し、濃度を減算された該画素領域を管内面の径方向から見た場合の画素領域に変換して表示することを特徴とする管内面検査装置。
【請求項3】
前記いずれか一方の端面と当接可能であり、かつ、該いずれか一方の端面に当接したときに、前記環状照明から該管の内面に向けて出射された照明光を通過させる当接板と、
前記撮像手段、前記環状照明及び前記当接板が取り付けられた固定枠とを備え、
前記撮像手段と前記当接板とは、該撮像手段の光軸と該当接板とが垂直になるように前記固定枠に固定され、
前記環状照明は、前記撮像手段と前記当接板との間を該撮像手段の光軸と平行に移動可能なように取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の管内面検査装置。

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−242233(P2012−242233A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112305(P2011−112305)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【Fターム(参考)】