管接合部の接合
管接合部の接合方法及び接合管組立品について記載する。管接合部、例えば、管及び連結管は、形状記憶ポリマーキーを使用して形成される機械的な干渉結合により接合される。一方の管接合部の第1キー溝にキーを挿入し、第1キー溝を第2管接合部の第2キー溝と位置合わせするように管を嵌合し、両方のキー溝を少なくとも部分的に満たすように形状記憶ポリマーを活性化することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管接合部の接合方法、及び管接合部の接合に使用される材料、特に形状記憶ポリマーに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
簡単に言えば、一態様では、本開示は、第1管接合部及び第2管接合部を接合する方法を提供する。第1管接合部は、第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含み、第2管接合部は、第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む。この方法は、第1管接合部を第2管接合部に挿入する工程と、第1キー溝及び第2キー溝を位置合わせする工程と、第1転移温度を有する第1形状記憶ポリマーを含む第1キーを第1キー溝と第2キー溝との間に配置する工程であって、キーが長さと長さに垂直な断面とを有する工程と、第1キーを第1転移温度を超えて加熱する工程と、第1形状記憶ポリマーが第1キー溝及び第2キー溝の両方の部分を満たすように第1キーの長さを減少させかつ断面を膨張させ、第1管接合部と第2管接合部との間に機械的な干渉結合を形成する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、第1形状記憶ポリマーを第1転移温度未満に冷却する工程を更に含む。
【0003】
いくつかの実施形態では、この方法は、第3管接合部の外表面に対する凹部である第4キー溝を含む第3管接合部を、第3管接合部の内表面に対する凹部である第3キー溝を有する第2管接合部に挿入する工程と、第3キー溝及び第4キー溝を位置合わせする工程と、第2転移温度を有する第2形状記憶ポリマーを含む第2キーを第3キー溝と第4キー溝との間に配置する工程と、第2キーを第2転移温度を超えて加熱する工程と、第2形状記憶ポリマーが第3キー溝及び第4キー溝の両方の部分を実質的に満たすように第2キーの長さを減少させかつ断面を膨張させる工程と、を更に含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、第1キーは、第1管接合部を第2管接合部に挿入する前に第1管接合部の第1キー溝内に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、第1キーは、第1管接合部を第2管接合部に挿入する前に第2管接合部の第2キー溝内に埋め込まれる。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1キー溝は第1円周溝を含み、第2キー溝は第2円周溝を含み、第1キーは弧状部を含む。いくつかの実施形態では、第1キー溝は複数の第1凹部を含み、第2キー溝は複数の第2凹部を含み、第1キーは複数の弧状部を含み、各弧状部は形状記憶ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1又は第2キー溝は複数の第1凹部を含み、他方のキー溝は第2凹部を含み、第1キー溝及び第2キー溝を位置合わせする工程は、2つ以上の第1凹部を第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成する工程を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1キーは複数の弧状部を含み、各弧状部は形状記憶ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1キーを第1キー溝と第2キー溝との間に配置する工程は、少なくとも1つの弧状部を2つ以上の対になった第1及び第2凹部間に配置する工程を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、第2管接合部は、第2管接合部の内表面から突出する止め具を更に含む。いくつかの実施形態では、第1管接合部を第2管接合部に挿入する工程は、第1管接合部が止め具に接触するまで第1管接合部を挿入する工程を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、この方法は、第1キーを第1形状記憶ポリマーの第1転移温度を超えて再加熱する工程と、第1管接合部を第2管接合部に対して再配置する工程と、第1管接合部と第2管接合部との間に機械的な干渉結合を再形成する工程と、を更に含む。いくつかの実施形態では、この方法は、第1キーを第1形状記憶ポリマーの第1転移温度を超えて再加熱する工程と、第1管接合部を第2管接合部から取り外す工程と、を更に含む。
【0009】
別の態様では、本開示は、本開示のいずれかの方法に従って作製された接合管組立品を提供する。
【0010】
更に別の態様では、本開示は、第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含む第1管接合部と、第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む第2管接合部と、第1形状記憶ポリマーを含む第1キーとを含む、接合管組立品を提供する。第1管接合部の少なくとも一部は、第1キー溝及び第2キー溝を位置合わせするように第2管接合部の内側に配置され、第1キーは、第1キー溝と第2キー溝との間に位置し、第1キー溝及び第2キー溝を少なくとも部分的に満たす。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1キーは、第1キーの長さに相当する第1キー溝及び第2キー溝の両方の部分を実質的に満たす。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1キー溝は第1円周溝を含み、第2キー溝は第2円周溝を含み、第1キーは弧状部を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2キー溝の少なくとも一方は、弓状の断面を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2キー溝の少なくとも一方は、三角形、矩形、及び台形からなる群から選択される断面を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1キー溝は複数の第1凹部を含み、第2キー溝は複数の第2凹部を含み、第1キーは複数の弧状部を含み、各弧状部は形状記憶ポリマーを含む。第1キー溝及び第2キー溝は、第1凹部の少なくとも一部を第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされる。形状記憶ポリマーを含む弧状部は、対になった第1及び第2凹部間に位置し、対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1又は第2キー溝は複数の第1凹部を含み、他方のキー溝は第2凹部を含む。第1キー溝及び第2キー溝は、2つ以上の第1凹部を第2凹部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされる。形状記憶ポリマーは、対になった第1及び第2凹部間に位置し、対になった第1及び第2凹部の少なくとも一部を少なくとも部分的に満たす。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1又は第2キー溝は複数の第1凹部を含み、他方のキー溝は第2凹部を含み、第1キーは複数の弧状部を含み、各弧状部は形状記憶ポリマーを含む。第1キー溝及び第2キー溝は、2つ以上の第1凹部を第2凹部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされる。形状記憶ポリマーを含む弧状部は、対になった第1及び第2凹部間に位置し、対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1管接合部は、第2管接合部の内表面から突出する止め具に接触している。
【0017】
上記の本開示の概要は、本発明のそれぞれの実施形態を説明することを目的としたものではない。また、本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、以下の説明に記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、その説明から、また「特許請求の範囲」から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本開示のいくつかの実施形態に従って、キー溝を有する第1及び第2管接合部を示す。
【0019】
【図1A】図1の管接合部の断面図。
【0020】
【図2】図1の第2管接合部に挿入された図1の第1管接合部を示す。
【0021】
【図2A】位置合わせされたキー溝及びキーを含む図2の管接合部の断面図。
【0022】
【図2B】キーを含む位置合わせされたキー溝の断面図。
【0023】
【図3】活性化時のキーの寸法変化を示す図2Aの断面図。
【0024】
【図3A】活性化時のキーの寸法変化を示す図2Bの断面図。
【0025】
【図4】本開示のいくつかの実施形態に従って、複数の凹部を含むキー溝を有する第1及び第2管接合部を示す。
【0026】
【図5】図4の第2管接合部に挿入された図4の第1管接合部を示す。
【0027】
【図5A】活性化後の複数の弧状部を含むキーを含む、位置合わせされたキー溝の断面図。
【0028】
【図6A】本開示のいくつかの実施形態に従って、キー溝及び封止材を有する第1及び第2管接合部の断面を示す。
【0029】
【図6B】キー及び封止材を含む、図6Aの第2管接合部に挿入された図6Aの第1管接合部の断面を示す。
【0030】
【図7】本開示のいくつかの実施形態に従って、キーを使用して90°L字継ぎ手に接合された管の断面を示す。
【0031】
【図8】本開示のいくつかの実施形態に従って、キー溝及び止め具を有する第1及び第2管接合部の断面を示す。
【0032】
【図9】キーを含む、図8の第2管接合部に挿入された図8の第1管接合部の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
一般に、管接合部、例えば、管、管継ぎ手、及び管連結具は、様々な手段により接合されている。ある場合には、管接合部はねじ付きであり、管は一方の接合部を他方にねじ込むことにより互いに機械的に連結される。ねじ付き管を使用すると、管接合部間を可逆的に接続することができる。すなわち、接合部のねじを外すだけで管接合部間の接合部を「分断」でき、管接合部を簡単に再接合することができる。
【0034】
別に、より永久的な接合手段には、圧着、並びにはんだ及び接着剤を使用して管接合部を接合することが挙げられる。これらの方法は、管接合部の嵌合に、より優れた可撓性をもたらし、より漏れにくい継ぎ目を形成する傾向があるが、管接合部間の継ぎ目は容易に元に戻せない。例えば、管接合部を共に溶接すると、修復又は差し替えするには、一般に継ぎ目の周囲の接合部を切除し、除去部分を補うために管接合部を挿入し、新たな管接合部を再溶接する必要がある。同様に、接着剤は、一般に硬化して永久的な結合を形成し、修正が必要な場合は、接着剤から形成された接合部を除去して管接合部全体を交換する必要がある。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示は、管接合部間の接合部を形成するのに有用な材料及び方法を提供する。一般に、本開示は、形状記憶ポリマーを使用して管接合部を接合することに関する。本明細書で使用するとき、用語「管」は、任意の断面を有する任意の管状物品を意味し、これには直円柱が挙げられるが、これに限定されない。本明細書で使用するとき、用語「管接合部」は、管、並びに継ぎ手及び連結具、例えば、L字継ぎ手(45°又は90°L字継ぎ手など)、T字連結部、Y字連結部、十字継ぎ手、キャップ、径違い継ぎ手、エキスパンダーなどを含む。
【0036】
形状記憶ポリマー(「SMP」)及び形状記憶金属又は合金(「SMA」)などの形状記憶材料は、有用な種類の材料である。一般に、形状記憶材料は、元の変形していない形状を保有し、可逆変形した形状を有するように加工可能な材料である。この変形した形状は、形状記憶ポリマーが活性化されない限り変形した形状を維持するという点で、準安定的である。材料に応じて、形状記憶材料は、熱、光、及び電磁気にさらすなどの様々な手段により活性化され得る。通常、形状記憶材料は、材料を転移温度(Ttrans)を超えて加熱することにより活性化される。活性化されると、変形した形状は不安定化し、形状記憶ポリマーはその元の変形していない寸法に戻る傾向がある。
【0037】
分子レベルでは、SMPは、ネットポイント(netpoint)により連結されたセグメント鎖を含むポリマー網状組織である。ネットポイントは、共有結合、ポリマー鎖のもつれ、又はSMPの特定のポリマーブロック若しくは官能基の分子間相互作用により形成され得る。SMPは、所定の融点(Tm)又はガラス転移温度(Tg)を有する。したがって、SMPはガラス状又は結晶質であり得、また熱硬化性又は熱可塑性物質のいずれかであり得る。以降は、融点(Tm)又はガラス転移温度(Tg)を転移温度又はTtransと呼ぶものとする。SMPは、多くの場合に数百%に至る、高いひずみ能力という利点を有する。
【0038】
ある場合には、SPMの物理的なネットポイントを可逆的に形成できる。これらのネットポイントには、分子間相互作用及び鎖のもつれが挙げられる。可逆的に形成可能なネットポイントを有するSMPは、多くの場合に、ネットポイントが解消される温度(Tperm)を有する。Tpermは、Ttransより高く、ポリマーが溶融流動可能になる温度を意味する。ネットポイントとして共有結合を有するSMPは、一般にいずれの温度でも溶融流動できず、一般にTpermを有しない。
【0039】
SMPの永久的形状は、ネットポイント又は架橋が最初のキャスティング又はモールディングで形成された際に確立される。SMPが化学的に架橋されている場合、これらの化学的架橋は、多くの場合に重合混合物に多機能モノマーを含めることにより、ポリマーを最初に硬化する際に形成され得る。あるいは、化学的架橋は、例えば、紫外線又は電子線などの放射線により、最初の重合後に形成され得る。SMPが物理的に架橋されており、Tpermを有する場合、ネットポイントは、通常、ポリマーをTpermを超えて加熱し、SMPを所望の永久的形状に形成した後、Tperm未満に冷却して物理的ネットポイントを生じさせることにより、形成される。
【0040】
SMPは、永久的形状から一時的に変形した形状に変形され得る。この工程は、多くの場合に、ポリマーをそのTtransより高くそのTperm(存在する場合)より低い温度に加熱して、試料を変形した後、この変形をSMPが冷却する間、保持することにより、行われる。また、場合により、ポリマーをそのTtransよりも低い温度で変形させ、その一時的な形状を維持してもよい。その後、材料をTtransを超えて加熱することにより、元の形状が回復される。
【0041】
物理的に架橋した好適なSMPの例には、直鎖ブロックコポリマー、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが挙げられるが、これに限定されない。多元ブロックコポリマーもSMPとして機能することができ、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、及びポリ(1,4−ブタジエン)のコポリマー、ポリ(テトラヒドロフラン)及びポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)のABA型三元ブロックコポリマー、多面体オリゴマシルセスキオキサン(POSS)修飾ポリノルボルネン、並びにPE/ナイロン−6グラフトコポリマーなどが挙げられる。
【0042】
更なる形状記憶ポリマーの例としては、ポリウレタン、ポリノルボルネン、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、トランス−ポリイソプレン、ポリメチルメタクリレート、架橋ポリエチレン、架橋ポリイソプレン、架橋ポリシクロオクテン、無機−有機ハイブリッドポリマー、ポリエチレン及びスチレンブタジエンコポリマーとのコポリマーブレンド、ウレタンブタジエンコポリマー、PMMA、ポリカプロラクトン又はオリゴカプロラクトンコポリマー、PLLA又はPL/D LAコポリマー、PLLA PGAコポリマー、並びに光架橋性ポリマー、例えば、アゾ色素、双性イオン性物質、及び「Shape Memory Materials」(Otsuka and Wayman、Cambridge University Press 1998)に述べられるもののような他の調光物質が挙げられる。好適な化学架橋形状記憶ポリマーの例としては、これらに限定されるものではないが、HDPE、LDPE、PEのコポリマー、及びポリ酢酸ビニルが挙げられる。
【0043】
更なる好適な形状記憶ポリマーとしては、国際公開第03/084489号;米国特許第5,506,300号(Wardら);同第5,145,935号(Hayashi)、同第5,665,822号(Bitlerら)、及びGorden、「Applications of Shape Memory Polyurethanes」、Proceedings of the First International Conference on Shape Memory and Superelastic Technologies,SMST International Committee,pp.115〜19(1994);米国特許第6,160,084号(Langer)、同第6,388,043号(Langer)、Kimら、「Polyurethanes having shape memory effect」、Polymer 37(26):5781〜93(1996);Liら、「Crystallinity and morphology of segmented polyurethanes with different soft−segment length」、J Applied Polymer 62:631〜38(1996);Takahashiら、「Structure and properties of shape−memory polyurethane block polymers、」J.Applied Polymer Science 60:1061〜69(1996);Tobushi H.ら、「Thermomechanical properties of shape memory polymers of polyurethane series and their applications」、J Physique IV(Colloque C1)6:377〜84(1996)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。その他のSMPは、米国特許第5,155,199号(Hayashi)、同第7,173,096号(Matherら)、同第4,436,858号(Klosiewicz)、日本特許第07126125号、同第2959775号、米国特許出願公開第2005/244353号(Lendleinら)、及び同第2007/009465号(Lendleinら)に記載されている。アクリルSMPは、米国特許出願公開第2006/041089号(Matherら)、C.M.Yakachiら、Advanced Functional Materials、18(2008)、2428〜2435、及びD.L.Safranskiら、Polymer 49(2008)4446〜4455に開示されている。アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)ポリマー、ポリカーボネート、及びポリエチレンテレフタレートの形状記憶特性は、Husseinら、「New Technologies for Active Disassembly:Using the Shape Memory Effect in Engineering Polymers」、Int.J.Product Development、6:431〜449(2008)に開示されている。
【0044】
市販の熱可塑性SMPには、SMP Technologiesから「DiARY」の商品名で入手可能なMM型、MP型、MS型、及びMB(微粒子粉末)型シリーズを含むポリウレタン;Composite Technology Development,Inc.から入手可能な弾性記憶複合材料(「EMC」);及びCornerstone Research Group(「CRG」)から「VERIFLEX」の商品名で入手可能なものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
広範囲の転移温度を有する形状記憶ポリマーは既知であり、これらの用途に使用するのに好適である。ただし、いくつかの実施形態では、転移温度に好ましい範囲が存在することがある。例えば、いくつかの実施形態では、使用温度により形状記憶ポリマーの望ましい転移温度が求められることがある。例えば、いくつかの実施形態では、Ttransは、100℃以上であり、いくつかの実施形態では、110℃以上、又は更には120℃以上である。いくつかの実施形態では、Ttransは、180℃以下であり、いくつかの実施形態では、160℃以下、又は更には150℃以下である。いくつかの実施形態では、Ttransは、100〜180℃であり、例えば、110〜160℃、又は更には120〜150℃である。
【0046】
一般に、本開示の管接合方法は、形状記憶ポリマーの温度を上昇させることで誘発可能な寸法変化を利用する。いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーがその一時的に変形した形状である間に、管接合部を共に乾式嵌合(dry fit)することができる。形状記憶ポリマーをその転移温度を超えて加熱することで生じる寸法変化により、形状記憶ポリマーの永久的な変形していない寸法での形状は管接合部の幾何学的形状に適合し、管接合部間に機械的な干渉結合が形成される。一般に、形状記憶ポリマーの寸法及び管接合部の幾何学的形状は、形状記憶ポリマーをその転移温度を超えて再加熱しない場合に、形状記憶ポリマーの剪断によってしか管接合部を分離できないように選択される。
【0047】
本開示に従って、接合した管接合部及び管接合方法の代表的な実施形態を図1〜3に示す。図3及び3Aを参照すると、キー130は、第1管110を第2管120に接合するために使用される。図1及び1Aを参照すると、第1管110は、第1管110の外表面114に対する凹部である第1キー溝112を含む。第1キー溝112が外表面114に対する凹部であれば、第1キー溝112の断面形状は特に限定されない。例えば、図1Aに示されるように、第1キー溝112は、外表面114にその最大幅を有し、キー溝が第1管110の中心方向に延びるにつれてその最小幅へ先細りする、ほぼ三角形の断面を有する。
【0048】
第2管120は、第2管120の内表面123に対する凹部である第2キー溝122を含む。第2キー溝122が内表面123に対する凹部であれば、第2キー溝122の断面形状は特に限定されない。例えば、図1Aに示されるように、第2キー溝122は、内表面123にその最大幅を有し、キー溝が第2管120の中心から外側に延びるにつれてその最小幅へ先細りする、弓状の断面を有する。
【0049】
図2、2A、及び2Bを参照すると、第1管110は、第1キー溝112及び第2キー溝122が実質的に位置合わせされるように第2管120に挿入される。形状記憶ポリマーを含むキー130は、第1キー溝112と第2キー溝122との間に形成された空洞に配置される。この時点では、キー130は、その一時的に変形又は可逆変形した形状をしており、第2キー溝122内に完全に埋め込まれる。
【0050】
図3及び3Aを参照すると、形状記憶ポリマーを例えばその転移温度を超えて加熱することで活性化するとき、キー130はその永久的又は変形していない形状に戻る傾向がある。この場合、キー130の断面寸法は膨張し、キーの長さは減少する。形状記憶ポリマーがその変形していない形状に戻る能力は、第1及び第2キー溝の寸法により抑制される。一般に、活性化されると、キーは、第1キー溝及び第2キー溝の両方の少なくとも一部を満たす。いくつかの実施形態では、キー130は、減少したキーの長さにわたって第1キー溝112及び第2キー溝122の深さを満たす。
【0051】
形状記憶ポリマーが転移温度未満に冷却すると、形状記憶ポリマーは第1キー溝112及び第2キー溝122の両方の少なくとも一部を満たすため、第1管110を第2管120に接合する機械的な干渉接合部が形成される。第1管110を第2管120から分離するには、キー130を剪断する必要がある。したがって、接合部の強度は、キーの形状(例えば、断面積及び剪断方向に垂直な長さ)及び物理的特性(例えば、剪断弾性率及び剪断強度)により影響される。
【0052】
いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーは、第1キー溝及び第2キー溝の一方又は両方の深さを完全に満たすことができる。いくつかの実施形態では、例えば、表面のでこぼこ及び取り込まれた空気などの欠陥により、形状記憶ポリマーがキー溝を完全に満たすことが阻止又は妨害される場合、形状記憶ポリマーはキー溝の深さを「実質的に満たす」。いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーは、第1キー溝及び第2キー溝の一方又は両方の深さを部分的にのみ満たすことができる。一般に、形状記憶ポリマーが第1及び第2キー溝を満たす範囲は、キー溝の形状及び寸法と、活性化前後両方のキーの形状及び寸法とに依存する。
【0053】
形状記憶ポリマーキーは、任意の様々な手段を用いて活性化、すなわちその転移温度を超えて加熱され得る。例えば、溶接作業と同様に、管に炎をあててもよい。ただし、いくつかの実施形態では、裸火の使用は望ましくないことがある。形状記憶ポリマーの転移温度が比較的低いことから、いくつかの実施形態では、管接合部に高温ガスなどの高温流体をあてることによりキーを活性化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ホットエアガンを使用して管を加熱し、結果として形状記憶ポリマーキーをその転移温度を超えて加熱してもよい。一般に、熱源を取り除くと、キーはその転移温度未満に冷却する。ただし、いくつかの実施形態では、管接合部に低温空気又は水などの低温流体を適用することで冷却を促進することが望ましいことがある。
【0054】
一般に、形状記憶ポリマー製の外部スリーブにより接合された管は、形状記憶ポリマーを曲げるか又はねじって変形させることで分離することができる。対照的に、位置合わせしたキー溝を満たすことで、キーは管相互間に機械的な干渉結合を形成する。形状記憶ポリマーは両方のキー溝を満たすため、管はキーの剪断によってしか分離できず、非常に強力な接合部が形成される。
【0055】
三角形及び弓状のキー溝に加えて、他のキー溝の形状も使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、断面が矩形のキー溝を使用してもよい。いくつかの実施形態では、断面が台形のキー溝を使用してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、キー溝は管の全周に延びていてもよい。ただし、キー溝は、キーをキー溝内に配置できれば、任意の長さであってよい。キーの挿入並びに第1キー溝及び第2キー溝の位置合わせを容易にするために、いくつかの実施形態では、接合する管接合部の少なくとも一方(いくつかの実施形態では、両方)の全周にキー溝が延びていることが好ましいことがある。更に、キー溝を位置合わせすれば、乾式嵌合段階では管接合部を互いに対して回転することができる。その後、管接合部を所望のように配向したら、形状記憶ポリマーをその転移温度を超えて加熱し、キーの断面を膨張させ、機械的な干渉結合を形成して、2つの管接合部を接合することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、例えば、管接合部をねじることが望ましくない恐れがある場合、複数の個々の形状記憶弧状部を含むキーと共に、複数の凹部を含むキー溝を使用してもよい。例えば、図4及び5を参照すると、第1管210は、第1凹部212a、212b、及び212cなどの、その周囲に配置された複数の第1凹部で構成されるキー溝を含む。同様に、第2管220は、第2凹部222a、222b、及び222cなどの、対応する複数の第2凹部で構成されるキー溝を含む。
【0058】
図5及び5Aを参照すると、第1管210を第2管220に挿入するとき、1つの第1凹部212aが1つの第2凹部222aと位置合わせされ、その間に形状記憶ポリマーの弧状部230aが配置される。同様に、形状記憶ポリマーの弧状部230bは、第2の位置合わせした対の第1凹部212bと第2凹部222bとの間に配置され、弧状部230cは、第3の位置合わせした対の第1凹部212cと第2凹部222cとの間に配置される。いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーの弧状部は、それぞれの位置合わせした対の凹部間に存在していなくてもよい。
【0059】
図5Aを参照すると、形状記憶ポリマーの弧状部を活性化(例えば、その転移温度を超えて加熱)するとき、形状記憶ポリマーの弧状部は、断面が膨張し、位置合わせした対の第1及び第2凹部を満たす。形状記憶ポリマーが冷却すると、第1管及び第2管は、位置合わせした対の凹部での形状記憶弧状部の締まり嵌めにより接合される。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1管接合部の第1キー溝を形成する複数の凹部は、第2管接合部の単一の共通第2キー溝と位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態では、単一のキーが、第2キー溝内に埋め込まれる。次に、第1及び第2管接合部は、第1キー溝の2つ以上の凹部が第2キー溝と位置合わせされ、キーが位置合わせした凹部と第2キー溝との間に配置されるように、位置合わせすることができる。キーをその転移温度を超えて加熱すると、キーは膨張し、第1キー溝の2つ以上の凹部と第2キー溝の対応する部分とを満たし、管接合部間に干渉結合を形成する。あるいは、いくつかの実施形態では、キーを形成する複数の弧状部を、第1キー溝を形成する複数の凹部内に配置してもよい。次に、弧状部をその転移温度を超えて加熱すると、弧状部は膨張し、第1キー溝の2つ以上の凹部と第2キー溝の対応する部分とを満たし、管接合部間に干渉結合を形成する。
【0061】
一般に、キーの長さは、所望の機械的な干渉結合の強度を提供するように選択される。ただし、キーの長さ、及びキーの長さに対するキー溝の長さにかかわらず、活性化時にキーの長さが減少することにより、形状記憶ポリマーで満たされないキー溝の部分が生じる。したがって、キー自体は、キー溝の全長にわたって流体密封圧力封止を提供しない。
【0062】
いくつかの実施形態では、1つ以上の封止材をキーと組み合わせて使用してもよい。封止材は必ずしも管相互の結合に寄与する必要はないため、このような封止材の選択、配置、及び材料にはかなりの柔軟性がある。任意の既知の封止材(例えばOリングなど)を使用することができる。
【0063】
例えば、図6A及び6Bを参照すると、第1管310は、第1キー溝312及び第2キー溝322が実質的に位置合わせされるように第2管320に挿入される。形状記憶ポリマーを含むキー330は、第1キー溝312と第2キー溝322との間に形成された空洞に配置される。図示されるように、Oリング390は、第2管320の溝395に部分的に埋め込まれている。管接合部を接合すると、Oリング390は、第1管310と第2管320との間に配置され、封止(例えば流体密封封止)を形成する。一般に、Oリングは、第1管の平滑な外表面に押し付けられ、流体密封封止を形成する。いくつかの実施形態では、必要に応じて複数のOリング又は他の封止材を使用し、所望の封止を達成して漏れを防止してもよい。
【0064】
図6Bを参照すると、形状記憶ポリマーを例えばその転移温度を超えて加熱することで活性化するとき、キー330の長さは減少し、キーの長さに垂直な断面寸法は増加する。したがって、キー330は、第1管と第2管との間に機械的な干渉結合を提供し、一方でOリング390は、独自に所望の封止を提供する。
【0065】
上記の実施形態は2本の管の接合について記載したが、その方法、材料、及び概念は他の管接合部にも同様に適用される。例えば、いくつかの実施形態では、管接合部の一方が、継ぎ手又は連結具、例えば、L字継ぎ手(45°又は90°L字継ぎ手など)、T字連結部、Y字連結部、十字継ぎ手、キャップ、径違い継ぎ手、エキスパンダーなどであってもよい。例えば、図7を参照すると、90°L字継ぎ手400が第1管410に接続されている。第1キー溝412は、第1管410の外表面に対する凹部である。第1管410は、90°L字継ぎ手400の第1末端部401に挿入されている。第1キー溝412は、L字継ぎ手400の第1末端部401の内表面に対する凹部である第2キー溝422と位置合わせされている。第1キー430は、第1キー溝412と第2キー溝422との間に形成された空洞に配置されている。活性化されると、形状記憶ポリマーは、断面が膨張し、第1キー溝412及び第2キー溝422を実質的に満たし、第1管410を機械的な干渉結合でL字継ぎ手400の第1末端部401に接合する。同様に、第2管接合部を90°L字継ぎ手400の第2末端部403に接合することができる。すなわち、第2管接合部は、第2管接合部のキー溝がL字継ぎ手400の第3キー溝423と位置合わせされるように、第2末端部403に挿入され得る。次に、形状記憶ポリマーキーを使用して、L字継ぎ手400と第2管との間に機械的な干渉結合を形成することができる。また、図示されていないが、L字継ぎ手の一方又は両方の末端部は、封止材(例えばOリング)を含んでいてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1及び第2管接合部のキー溝の位置合わせは、止め具の使用により容易に行うことができる。図8及び9を参照すると、第1管510は、外表面514に対する凹部であり、第1管510の第1末端部501からL1の距離に配置された、第1キー溝512を含む。
【0067】
連結管520は、連結管520の内表面523に対する凹部である第2キー溝522を含む。連結管520は、内表面523から連結管520の中心方向に突出する止め具560も含む。止め具560は、第2キー溝522からL2の距離に配置されている。いくつかの実施形態では、止め具は円周環であってもよい。いくつかの実施形態では、止め具は1つ以上の別個の要素(例えば、杭)を含んでいてもよい。
【0068】
図9を参照すると、第1管510が連結管520に挿入されている。距離L1及びL2は、第1管510の第1末端部501が止め具560に接触すると、第1管510を連結管520にそれ以上挿入できなくなり、第1キー溝512及び第2キー溝522が実質的に位置合わせされるように、選択され得る。活性化されると、キー530は、両方のキー溝を実質的に満たし、第1管と連結管との間に機械的な干渉結合を形成する。図8及び9の実施形態は管及び連結管について記載しているが、任意の2つの管接合部を使用してもよい。更に、例えば封止材(例えばOリング)など、様々な実施形態の他の機能を含むことができる。
【0069】
止め具の使用は、管組立品の形成方法を容易にすることもできる。例えば、止め具と第2キー溝との距離が既知である(例えば、統一又は測定されている)場合、配管工は、第1管接合部上で対応する第1キー溝を形成すべき位置を、迅速かつ容易に見つけることができる。その後、パイプカッターなどの一般的な工具を使用して、第1キー溝をその場で適所に形成することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示のキーは、迅速で便利な管接合部の接合方法をもたらす。いくつかの実施形態では、方法は可逆的である。一般に、第1管接合部は、第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含むのに対し、第2管接合部は、第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む。これらのキー溝は、例えば、キャスティング及びモールディング(すなわち、元の管接合部のキャスティング又はモールディング時にキー溝を形成する)、又は機械加工(例えば、管接合部の形成後に管接合部にキー溝を研削又は彫刻する)などの任意の既知の手段で形成され得る。
【0071】
一般に、キー溝の形状及び寸法は特に限定されない。いくつかの実施形態では、特に管壁の寸法を決めた後でキー溝を形成する場合、キー溝の最大深さは、管の壁厚、及びキー溝領域の管の最小許容残存厚により制限される。いくつかの実施形態では、キー溝の寸法は、所望の接合部強度を提供するように、キーの一時的(すなわち、可逆変形した)寸法及び永久的(すなわち、変形していない)寸法の両方と共に、選択され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、キー溝は、管の一面に対する凹部であり、反対面に対する凸部であってもよい。例えば、図1Aを参照すると、第1キー溝112は、管110の外表面114に対する凹部であり、内表面に対する凸部である。すなわち、第1キー溝112は、管110の中心方向に突出しており、管を通過する流動経路を部分的に妨害する(図5Aの第1凹部212a、212b、及び212cも参照されたい)。同様に、第2キー溝122は、管120の内表面123に対する凹部であり、反対の外表面に対する凸部である。すなわち、第2キー溝122は、第2管120の中心から外側に突出している(図5Aの第2凹部222a、222b、及び222cも参照されたい)。
【0073】
いくつかの実施形態では、反対面については平坦のままである、一方又は両方のキー溝を有することが望ましいことがある。例えば、図6aに示されるように、第1キー溝312は、第1管310の外表面に対する凹部であるが、管310の中心方向には突出していない(図7の第1キー溝412及び図8の第1キー溝512も参照されたい)。したがって、図1の第1キー溝112とは異なり、図6aの第1キー溝312は、第1管310を通過する流体の流れを妨害しない。図示されていないが、いくつかの実施形態では、第2キー溝も第2管接合部の外表面から突出しないように形成され得る。ただし、このような突出は流れを妨害しないし、キー溝領域の管厚がより厚くなることから、第2管接合部の外表面から突出した第2キー溝を有することが望ましいことがある。
【0074】
一般に、第1管接合部が第2管接合部に挿入され、第1キー溝及び第2キー溝が位置合わせされる。形状記憶ポリマーを含むキーが、第1キー溝と第2キー溝との間に配置される。いくつかの実施形態では、第1及び第2管接合部の少なくとも一方のキー溝の深さ及び幅は、キーがそのキー溝からごくわずかしか突出しないか又は全く突出しないようにキー溝内に埋め込まれるのに十分である。一般に、キーがキー溝からいくらかでも突出していると、第1管接合部の第2管接合部への挿入を妨害することがある。したがって、いくつかの実施形態では、キーは、第1管接合部を第2管接合部に挿入する前にキー溝に完全に埋め込まれる。
【0075】
管接合部が所望どおりに位置合わせされたら、例えば形状記憶ポリマーをその転移温度を超えて加熱することにより、キーを活性化することができる。活性化前に、管接合部を調整、又は更には分離することもできる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の方法により、隣接する管、継ぎ手、又は連結具間に何らかの永久的接続を形成する前に、パイプラインを共に「乾式嵌合」することができる。
【0076】
活性化されると、キーは、その永久的な変形していない寸法に戻る傾向がある。すなわち、キーは、減少したキーの長さに相当する第1キー溝及び第2キー溝の両方の部分を少なくとも部分的に満たすように、長さが減少し、長さに垂直な断面が膨張する。キーは、最初はごくわずかしか突出しないか又は全く突出しないようにキー溝内に配置されているが、加熱されると、断面寸法が両方のキー溝の深さを少なくとも部分的に満たす(いくつかの実施形態では、実質的に満たす)のに十分膨張する。十分に膨張して両方のキー溝の深さを満たすために、いくつかの実施形態では、長さが大きく減少する、例えば、長さが少なくとも10%減少することが必要である。
【0077】
一般に、本開示の方法は、例えば、2本の管、管及び連結具、又は管及び継ぎ手などの、隣接する管接合部間に機械的な接合部を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の方法は、第1管接合部と第2管接合部との間に機械的な干渉結合を形成するようにキーを冷却する工程を更に含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、形成された接合部は可逆的である。例えば、いくつかの実施形態では、キーを形状記憶ポリマーの転移温度を超えて再加熱することができる。次に、第1管接合部を第2管接合部に対して再配置してもよい。キーを再冷却すると、第1管接合部と第2管接合部との間に機械的な干渉結合が再形成され得る。したがって、従来の管接合方法、例えば、接着剤及びはんだでは、多くの場合に接着剤又ははんだによる接合部を切除し、隙間を補うために新たな接合部を嵌め込むことが求められるが、これらとは異なり、管接合部を最小限の労力及び修正で調整することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示の方法及び材料は、管網を修復する便利な手段をも提供する。例えば、いくつかの実施形態では、特定の管接合部を定位置に維持しているキーを再加熱し、その管接合部を取り外すことができる。次に、新たな同じ又は異なる管接合部を適切なキーと共に挿入することができる。その後、新たなキーの形状記憶ポリマーを活性化することで、得られた機械的な締まり嵌めにより、新たな管接合部を定位置にしっかり固定することができる。
【0080】
【実施例】
【0081】
実施例1.触媒原液を作製するために、窒素下でオーブン乾燥した500mLフラスコにWCl6(2.00g、0.005mol、Sigma−Aldrich(St.Louis,Missouri))及びトルエン約100mL(無水、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO))を投入した。この混合物を窒素でパージしながら1時間攪拌した。ノニルフェノール(1.1g,0.005mol,Sigma−Aldrich)を注射器で加え、溶液を窒素パージ下で4時間攪拌した。次に、注射器を使用して、2,4−ペンタンジオン(0.77g、0.008mol、Acros Organics)を加え、溶液を窒素パージ下で17時間攪拌した。無水ジシクロペンタジエン(250mL、1.84mol、TCI Americaから入手、エチリデンノルボルネン含有量4%)を添加した。フラスコを60℃の油浴に配置し、溶液を1.5時間真空吸引して、トルエン及び他の揮発性物質(一部のジシクロペンタジエンなど)を除去した。この時点で、追加のジシクロペンタジエンを加えて溶液の総重量を最大250gに戻し、2,4−ペンタンジオンの追加充填分(0.77g、0.008mol、Acros Organics)を加えた。
【0082】
この触媒原液を以下のように使用して、反応性混合物Aを作製した。オーブン乾燥した125mL三角フラスコを隔膜で塞ぎ、窒素でパージした。注射器を使用して、5−エチリデン−2−ノルボルネン(9.1mL、Acros Organics)、トリクロロ酢酸エチル(0.08mL、Aldrich Chemical)、及び上記の触媒原液2.8mLを加えた。
【0083】
反応性混合物Bを以下のように調製した。IRGANOX 1010フェノール酸化防止剤(0.22g、Ciba Specialty Chemical Corp(Tarrytown,NY))をオーブン乾燥した125mL三角フラスコの中に入れた後、これを隔膜で塞ぎ、窒素でパージした。エチリデンノルボルネン(8.3mL)及びSANTICIZER 261aフタル酸可塑剤(2.4mL、Ferro Corp.)を加え、IRGANOX 1010が溶解するまで混合物を攪拌した。次に、10vol %のジエチルアルミニウムクロリド(Sigma−Aldrich(St.Louis,MO))のジシクロペンタジエン溶液を1.0mL加えた。
【0084】
反応性混合物A及びBを混合し、円弧形状の形状記憶ポリマーを形成した。反応性混合物A(11mL)を注射器に充填した。別の注射器に反応性混合物B(11mL)を充填した。注射器を注射器ポンプに装填し、静的ミキサーに接続した。30秒未満の間に、2つの溶液を内径4.8mm(0.19インチ)の可撓性プラスチックチューブに注入した。試料は硬化するにつれて発熱し、その後、得られた形状記憶ポリマーをチューブから取り出した。
【0085】
次に棒状のポリマーを長さ10.2cm(4インチ)の断片に切断した。これらの断片を120℃の炉内で加熱し、直径が2.3mm(0.09インチ)に減少するまで手で伸ばし、冷却すると、断片はこの伸びた形状を維持した。次に、これらの棒を直径2.4cm(0.96インチ)の銅管継ぎ手に3回巻き付けてコイルにし、コイルの末端部を共に固定した。その後、このコイルを70℃の炉内で10分間加熱した。冷却後、コイルは、管継ぎ手から取り外されてもそのコイル形状を維持した。次に、このコイルを約270°の弧状に切断し、やすりをかけてその厚さを2.0mm(0.08インチ)まで減らし、キーを形成した。
【0086】
その後、このキーを銅管連結管の内側のキー溝に挿入した。連結管は、内径が22.4mm(0.88インチ)であり、連結管のキー溝は、キーがキー溝内にあるとき、キーが継ぎ手の内腔を妨害しないように十分深かった。外径22.1mm(0.87インチ)の銅管の断片の、一方の末端部から6.4mm(0.25インチ)の全周に管カッターで刻み目を付けた。次に、やすりを使用して、この最初の刻み目を深さ0.30mm(0.012インチ)、幅1.8mm(0.07インチ)のキー溝に広げた。その後、この管を連結管に挿入し、管のキー溝が連結管内のキー溝に隣接するように置き、キーをキー溝間に配置した。組立品を150℃の炉内で5分間加熱した。冷却後、管は連結管内にしっかり取り付けられており、管を連結管から手で取り外すことはできなかった。
【0087】
嵌合を外すために、管/連結管組立品を150℃の炉内で5分間再加熱した。まだ熱いうちに、管を連結管から手でうまく引き離した。キーを取り外して、長さが短くなり、厚さが3.8mm(0.15インチ)に増加していることを確認した。
【0088】
実施例2.実施例1に記載の直径2.3mm(0.09インチ)の伸びた形状の形状記憶ポリマーの棒状断片を、外径1.6cm(0.62インチ)の銅管に2回巻き付けてコイルにし、コイルの末端部を共に固定した。次に、このコイルを、見た目が柔らかくなり、管の周囲にしっかり締まるまで、ヒートガンで緩やかに加熱した。冷却後、コイルは、管継ぎ手から取り外されてもコイル形状を維持した。次に、このコイルをそれぞれ約270°の2つのキーに切断した。
【0089】
内径16.5mm(0.65インチ)の「StreamTech 2」銅連結管(Mueller Industriesから入手)を、2つの外側のOリング封止材をその溝から取り外すことにより改造したが、2つの内側のOリング封止材は定位置のままその溝に残した。次に、形状記憶ポリマーキーを連結管の2つの最も外側の溝(すなわち、キー溝)に挿入した。ポリマーキーの内側にやすりをかけて、継ぎ手の内腔に突出するポリマーをいずれも除去した。
【0090】
2つの外径15.7mm(0.62インチ)の銅管の断片に、一方の末端部から23mm(0.9インチ)の全周に管カッターで刻み目を付けた。次に、やすりを使用して、これらの最初の刻み目を深さ約0.30mm(0.012インチ)、幅1.8mm(0.07インチ)のキー溝に広げた。その後、管を銅連結管の各末端部に挿入した。管のキー溝が連結管内の外側の溝(キー溝)に隣接するように置き、キーをキー溝間に配置した。この組立品をヒートガンで45秒間加熱した。冷却後、管は連結管内にしっかり取り付けられており、手で取り外すことはできなかった。
【0091】
管組立品の末端部をそれぞれ再循環水浴に接続し、水を送って銅管組立品に通した。水温を25℃から80℃に上昇させ、その後、80℃で30分間維持した。管組立品からの水漏れはなかった。
【0092】
実施例3.直径6mm(0.25インチ)、長さ30.5cm(12インチ)のABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー)の棒(Plastics International(Eden Prairie,MN)から入手)を140℃の炉内で加熱した。次に、棒を手で伸ばし、冷却させて、直径が3〜4mm(0.12〜0.16インチ)に減少した伸びた棒を得た。この伸びた棒を外径22.1mm(0.87インチ)の銅管に2回巻き付けてコイルにし、コイルの末端部を共に固定した。次に、このコイルを、見た目が柔らかくなり、管の周囲にしっかり締まるまで、ヒートガンで緩やかに加熱した。冷却後、コイルは、管継ぎ手から取り外してもコイル形状を維持した。次に、このコイルを約270°の弧状に切断し、キーを形成した。
【0093】
このABS形状記憶ポリマーキーを、実施例1で使用した管連結管のキー溝に挿入した。ポリマーキーの内側にやすりをかけて、キー溝から継ぎ手の内腔に突出するポリマーをいずれも除去した。管のキー溝が連結管のキー溝の位置に合うように実施例1の管を連結管に挿入し、ABS形状記憶ポリマーキーを2つのキー溝間に配置した。この組立品をヒートガンで90秒間加熱した。冷却後、管は連結管内にしっかり取り付けられており、手で取り外すことはできなかった。
【0094】
嵌合を外すために、管/連結管組立品をヒートガンで60秒間再加熱した。まだ熱いうちに、管を連結管から手でうまく引き離した。形状記憶ポリマーキーを取り外して、長さが30%を超えて短くなっていることを確認した。
【0095】
本発明の様々な改変及び変更が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者には明らかとなるであろう。
【技術分野】
【0001】
本開示は、管接合部の接合方法、及び管接合部の接合に使用される材料、特に形状記憶ポリマーに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
簡単に言えば、一態様では、本開示は、第1管接合部及び第2管接合部を接合する方法を提供する。第1管接合部は、第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含み、第2管接合部は、第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む。この方法は、第1管接合部を第2管接合部に挿入する工程と、第1キー溝及び第2キー溝を位置合わせする工程と、第1転移温度を有する第1形状記憶ポリマーを含む第1キーを第1キー溝と第2キー溝との間に配置する工程であって、キーが長さと長さに垂直な断面とを有する工程と、第1キーを第1転移温度を超えて加熱する工程と、第1形状記憶ポリマーが第1キー溝及び第2キー溝の両方の部分を満たすように第1キーの長さを減少させかつ断面を膨張させ、第1管接合部と第2管接合部との間に機械的な干渉結合を形成する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、第1形状記憶ポリマーを第1転移温度未満に冷却する工程を更に含む。
【0003】
いくつかの実施形態では、この方法は、第3管接合部の外表面に対する凹部である第4キー溝を含む第3管接合部を、第3管接合部の内表面に対する凹部である第3キー溝を有する第2管接合部に挿入する工程と、第3キー溝及び第4キー溝を位置合わせする工程と、第2転移温度を有する第2形状記憶ポリマーを含む第2キーを第3キー溝と第4キー溝との間に配置する工程と、第2キーを第2転移温度を超えて加熱する工程と、第2形状記憶ポリマーが第3キー溝及び第4キー溝の両方の部分を実質的に満たすように第2キーの長さを減少させかつ断面を膨張させる工程と、を更に含む。
【0004】
いくつかの実施形態では、第1キーは、第1管接合部を第2管接合部に挿入する前に第1管接合部の第1キー溝内に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、第1キーは、第1管接合部を第2管接合部に挿入する前に第2管接合部の第2キー溝内に埋め込まれる。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1キー溝は第1円周溝を含み、第2キー溝は第2円周溝を含み、第1キーは弧状部を含む。いくつかの実施形態では、第1キー溝は複数の第1凹部を含み、第2キー溝は複数の第2凹部を含み、第1キーは複数の弧状部を含み、各弧状部は形状記憶ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1又は第2キー溝は複数の第1凹部を含み、他方のキー溝は第2凹部を含み、第1キー溝及び第2キー溝を位置合わせする工程は、2つ以上の第1凹部を第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成する工程を含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1キーは複数の弧状部を含み、各弧状部は形状記憶ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第1キーを第1キー溝と第2キー溝との間に配置する工程は、少なくとも1つの弧状部を2つ以上の対になった第1及び第2凹部間に配置する工程を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、第2管接合部は、第2管接合部の内表面から突出する止め具を更に含む。いくつかの実施形態では、第1管接合部を第2管接合部に挿入する工程は、第1管接合部が止め具に接触するまで第1管接合部を挿入する工程を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、この方法は、第1キーを第1形状記憶ポリマーの第1転移温度を超えて再加熱する工程と、第1管接合部を第2管接合部に対して再配置する工程と、第1管接合部と第2管接合部との間に機械的な干渉結合を再形成する工程と、を更に含む。いくつかの実施形態では、この方法は、第1キーを第1形状記憶ポリマーの第1転移温度を超えて再加熱する工程と、第1管接合部を第2管接合部から取り外す工程と、を更に含む。
【0009】
別の態様では、本開示は、本開示のいずれかの方法に従って作製された接合管組立品を提供する。
【0010】
更に別の態様では、本開示は、第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含む第1管接合部と、第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む第2管接合部と、第1形状記憶ポリマーを含む第1キーとを含む、接合管組立品を提供する。第1管接合部の少なくとも一部は、第1キー溝及び第2キー溝を位置合わせするように第2管接合部の内側に配置され、第1キーは、第1キー溝と第2キー溝との間に位置し、第1キー溝及び第2キー溝を少なくとも部分的に満たす。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1キーは、第1キーの長さに相当する第1キー溝及び第2キー溝の両方の部分を実質的に満たす。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1キー溝は第1円周溝を含み、第2キー溝は第2円周溝を含み、第1キーは弧状部を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2キー溝の少なくとも一方は、弓状の断面を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2キー溝の少なくとも一方は、三角形、矩形、及び台形からなる群から選択される断面を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1キー溝は複数の第1凹部を含み、第2キー溝は複数の第2凹部を含み、第1キーは複数の弧状部を含み、各弧状部は形状記憶ポリマーを含む。第1キー溝及び第2キー溝は、第1凹部の少なくとも一部を第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされる。形状記憶ポリマーを含む弧状部は、対になった第1及び第2凹部間に位置し、対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1又は第2キー溝は複数の第1凹部を含み、他方のキー溝は第2凹部を含む。第1キー溝及び第2キー溝は、2つ以上の第1凹部を第2凹部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされる。形状記憶ポリマーは、対になった第1及び第2凹部間に位置し、対になった第1及び第2凹部の少なくとも一部を少なくとも部分的に満たす。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1又は第2キー溝は複数の第1凹部を含み、他方のキー溝は第2凹部を含み、第1キーは複数の弧状部を含み、各弧状部は形状記憶ポリマーを含む。第1キー溝及び第2キー溝は、2つ以上の第1凹部を第2凹部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされる。形状記憶ポリマーを含む弧状部は、対になった第1及び第2凹部間に位置し、対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1管接合部は、第2管接合部の内表面から突出する止め具に接触している。
【0017】
上記の本開示の概要は、本発明のそれぞれの実施形態を説明することを目的としたものではない。また、本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、以下の説明に記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、その説明から、また「特許請求の範囲」から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本開示のいくつかの実施形態に従って、キー溝を有する第1及び第2管接合部を示す。
【0019】
【図1A】図1の管接合部の断面図。
【0020】
【図2】図1の第2管接合部に挿入された図1の第1管接合部を示す。
【0021】
【図2A】位置合わせされたキー溝及びキーを含む図2の管接合部の断面図。
【0022】
【図2B】キーを含む位置合わせされたキー溝の断面図。
【0023】
【図3】活性化時のキーの寸法変化を示す図2Aの断面図。
【0024】
【図3A】活性化時のキーの寸法変化を示す図2Bの断面図。
【0025】
【図4】本開示のいくつかの実施形態に従って、複数の凹部を含むキー溝を有する第1及び第2管接合部を示す。
【0026】
【図5】図4の第2管接合部に挿入された図4の第1管接合部を示す。
【0027】
【図5A】活性化後の複数の弧状部を含むキーを含む、位置合わせされたキー溝の断面図。
【0028】
【図6A】本開示のいくつかの実施形態に従って、キー溝及び封止材を有する第1及び第2管接合部の断面を示す。
【0029】
【図6B】キー及び封止材を含む、図6Aの第2管接合部に挿入された図6Aの第1管接合部の断面を示す。
【0030】
【図7】本開示のいくつかの実施形態に従って、キーを使用して90°L字継ぎ手に接合された管の断面を示す。
【0031】
【図8】本開示のいくつかの実施形態に従って、キー溝及び止め具を有する第1及び第2管接合部の断面を示す。
【0032】
【図9】キーを含む、図8の第2管接合部に挿入された図8の第1管接合部の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
一般に、管接合部、例えば、管、管継ぎ手、及び管連結具は、様々な手段により接合されている。ある場合には、管接合部はねじ付きであり、管は一方の接合部を他方にねじ込むことにより互いに機械的に連結される。ねじ付き管を使用すると、管接合部間を可逆的に接続することができる。すなわち、接合部のねじを外すだけで管接合部間の接合部を「分断」でき、管接合部を簡単に再接合することができる。
【0034】
別に、より永久的な接合手段には、圧着、並びにはんだ及び接着剤を使用して管接合部を接合することが挙げられる。これらの方法は、管接合部の嵌合に、より優れた可撓性をもたらし、より漏れにくい継ぎ目を形成する傾向があるが、管接合部間の継ぎ目は容易に元に戻せない。例えば、管接合部を共に溶接すると、修復又は差し替えするには、一般に継ぎ目の周囲の接合部を切除し、除去部分を補うために管接合部を挿入し、新たな管接合部を再溶接する必要がある。同様に、接着剤は、一般に硬化して永久的な結合を形成し、修正が必要な場合は、接着剤から形成された接合部を除去して管接合部全体を交換する必要がある。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示は、管接合部間の接合部を形成するのに有用な材料及び方法を提供する。一般に、本開示は、形状記憶ポリマーを使用して管接合部を接合することに関する。本明細書で使用するとき、用語「管」は、任意の断面を有する任意の管状物品を意味し、これには直円柱が挙げられるが、これに限定されない。本明細書で使用するとき、用語「管接合部」は、管、並びに継ぎ手及び連結具、例えば、L字継ぎ手(45°又は90°L字継ぎ手など)、T字連結部、Y字連結部、十字継ぎ手、キャップ、径違い継ぎ手、エキスパンダーなどを含む。
【0036】
形状記憶ポリマー(「SMP」)及び形状記憶金属又は合金(「SMA」)などの形状記憶材料は、有用な種類の材料である。一般に、形状記憶材料は、元の変形していない形状を保有し、可逆変形した形状を有するように加工可能な材料である。この変形した形状は、形状記憶ポリマーが活性化されない限り変形した形状を維持するという点で、準安定的である。材料に応じて、形状記憶材料は、熱、光、及び電磁気にさらすなどの様々な手段により活性化され得る。通常、形状記憶材料は、材料を転移温度(Ttrans)を超えて加熱することにより活性化される。活性化されると、変形した形状は不安定化し、形状記憶ポリマーはその元の変形していない寸法に戻る傾向がある。
【0037】
分子レベルでは、SMPは、ネットポイント(netpoint)により連結されたセグメント鎖を含むポリマー網状組織である。ネットポイントは、共有結合、ポリマー鎖のもつれ、又はSMPの特定のポリマーブロック若しくは官能基の分子間相互作用により形成され得る。SMPは、所定の融点(Tm)又はガラス転移温度(Tg)を有する。したがって、SMPはガラス状又は結晶質であり得、また熱硬化性又は熱可塑性物質のいずれかであり得る。以降は、融点(Tm)又はガラス転移温度(Tg)を転移温度又はTtransと呼ぶものとする。SMPは、多くの場合に数百%に至る、高いひずみ能力という利点を有する。
【0038】
ある場合には、SPMの物理的なネットポイントを可逆的に形成できる。これらのネットポイントには、分子間相互作用及び鎖のもつれが挙げられる。可逆的に形成可能なネットポイントを有するSMPは、多くの場合に、ネットポイントが解消される温度(Tperm)を有する。Tpermは、Ttransより高く、ポリマーが溶融流動可能になる温度を意味する。ネットポイントとして共有結合を有するSMPは、一般にいずれの温度でも溶融流動できず、一般にTpermを有しない。
【0039】
SMPの永久的形状は、ネットポイント又は架橋が最初のキャスティング又はモールディングで形成された際に確立される。SMPが化学的に架橋されている場合、これらの化学的架橋は、多くの場合に重合混合物に多機能モノマーを含めることにより、ポリマーを最初に硬化する際に形成され得る。あるいは、化学的架橋は、例えば、紫外線又は電子線などの放射線により、最初の重合後に形成され得る。SMPが物理的に架橋されており、Tpermを有する場合、ネットポイントは、通常、ポリマーをTpermを超えて加熱し、SMPを所望の永久的形状に形成した後、Tperm未満に冷却して物理的ネットポイントを生じさせることにより、形成される。
【0040】
SMPは、永久的形状から一時的に変形した形状に変形され得る。この工程は、多くの場合に、ポリマーをそのTtransより高くそのTperm(存在する場合)より低い温度に加熱して、試料を変形した後、この変形をSMPが冷却する間、保持することにより、行われる。また、場合により、ポリマーをそのTtransよりも低い温度で変形させ、その一時的な形状を維持してもよい。その後、材料をTtransを超えて加熱することにより、元の形状が回復される。
【0041】
物理的に架橋した好適なSMPの例には、直鎖ブロックコポリマー、例えば、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが挙げられるが、これに限定されない。多元ブロックコポリマーもSMPとして機能することができ、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、及びポリ(1,4−ブタジエン)のコポリマー、ポリ(テトラヒドロフラン)及びポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)のABA型三元ブロックコポリマー、多面体オリゴマシルセスキオキサン(POSS)修飾ポリノルボルネン、並びにPE/ナイロン−6グラフトコポリマーなどが挙げられる。
【0042】
更なる形状記憶ポリマーの例としては、ポリウレタン、ポリノルボルネン、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、トランス−ポリイソプレン、ポリメチルメタクリレート、架橋ポリエチレン、架橋ポリイソプレン、架橋ポリシクロオクテン、無機−有機ハイブリッドポリマー、ポリエチレン及びスチレンブタジエンコポリマーとのコポリマーブレンド、ウレタンブタジエンコポリマー、PMMA、ポリカプロラクトン又はオリゴカプロラクトンコポリマー、PLLA又はPL/D LAコポリマー、PLLA PGAコポリマー、並びに光架橋性ポリマー、例えば、アゾ色素、双性イオン性物質、及び「Shape Memory Materials」(Otsuka and Wayman、Cambridge University Press 1998)に述べられるもののような他の調光物質が挙げられる。好適な化学架橋形状記憶ポリマーの例としては、これらに限定されるものではないが、HDPE、LDPE、PEのコポリマー、及びポリ酢酸ビニルが挙げられる。
【0043】
更なる好適な形状記憶ポリマーとしては、国際公開第03/084489号;米国特許第5,506,300号(Wardら);同第5,145,935号(Hayashi)、同第5,665,822号(Bitlerら)、及びGorden、「Applications of Shape Memory Polyurethanes」、Proceedings of the First International Conference on Shape Memory and Superelastic Technologies,SMST International Committee,pp.115〜19(1994);米国特許第6,160,084号(Langer)、同第6,388,043号(Langer)、Kimら、「Polyurethanes having shape memory effect」、Polymer 37(26):5781〜93(1996);Liら、「Crystallinity and morphology of segmented polyurethanes with different soft−segment length」、J Applied Polymer 62:631〜38(1996);Takahashiら、「Structure and properties of shape−memory polyurethane block polymers、」J.Applied Polymer Science 60:1061〜69(1996);Tobushi H.ら、「Thermomechanical properties of shape memory polymers of polyurethane series and their applications」、J Physique IV(Colloque C1)6:377〜84(1996)に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。その他のSMPは、米国特許第5,155,199号(Hayashi)、同第7,173,096号(Matherら)、同第4,436,858号(Klosiewicz)、日本特許第07126125号、同第2959775号、米国特許出願公開第2005/244353号(Lendleinら)、及び同第2007/009465号(Lendleinら)に記載されている。アクリルSMPは、米国特許出願公開第2006/041089号(Matherら)、C.M.Yakachiら、Advanced Functional Materials、18(2008)、2428〜2435、及びD.L.Safranskiら、Polymer 49(2008)4446〜4455に開示されている。アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)ポリマー、ポリカーボネート、及びポリエチレンテレフタレートの形状記憶特性は、Husseinら、「New Technologies for Active Disassembly:Using the Shape Memory Effect in Engineering Polymers」、Int.J.Product Development、6:431〜449(2008)に開示されている。
【0044】
市販の熱可塑性SMPには、SMP Technologiesから「DiARY」の商品名で入手可能なMM型、MP型、MS型、及びMB(微粒子粉末)型シリーズを含むポリウレタン;Composite Technology Development,Inc.から入手可能な弾性記憶複合材料(「EMC」);及びCornerstone Research Group(「CRG」)から「VERIFLEX」の商品名で入手可能なものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0045】
広範囲の転移温度を有する形状記憶ポリマーは既知であり、これらの用途に使用するのに好適である。ただし、いくつかの実施形態では、転移温度に好ましい範囲が存在することがある。例えば、いくつかの実施形態では、使用温度により形状記憶ポリマーの望ましい転移温度が求められることがある。例えば、いくつかの実施形態では、Ttransは、100℃以上であり、いくつかの実施形態では、110℃以上、又は更には120℃以上である。いくつかの実施形態では、Ttransは、180℃以下であり、いくつかの実施形態では、160℃以下、又は更には150℃以下である。いくつかの実施形態では、Ttransは、100〜180℃であり、例えば、110〜160℃、又は更には120〜150℃である。
【0046】
一般に、本開示の管接合方法は、形状記憶ポリマーの温度を上昇させることで誘発可能な寸法変化を利用する。いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーがその一時的に変形した形状である間に、管接合部を共に乾式嵌合(dry fit)することができる。形状記憶ポリマーをその転移温度を超えて加熱することで生じる寸法変化により、形状記憶ポリマーの永久的な変形していない寸法での形状は管接合部の幾何学的形状に適合し、管接合部間に機械的な干渉結合が形成される。一般に、形状記憶ポリマーの寸法及び管接合部の幾何学的形状は、形状記憶ポリマーをその転移温度を超えて再加熱しない場合に、形状記憶ポリマーの剪断によってしか管接合部を分離できないように選択される。
【0047】
本開示に従って、接合した管接合部及び管接合方法の代表的な実施形態を図1〜3に示す。図3及び3Aを参照すると、キー130は、第1管110を第2管120に接合するために使用される。図1及び1Aを参照すると、第1管110は、第1管110の外表面114に対する凹部である第1キー溝112を含む。第1キー溝112が外表面114に対する凹部であれば、第1キー溝112の断面形状は特に限定されない。例えば、図1Aに示されるように、第1キー溝112は、外表面114にその最大幅を有し、キー溝が第1管110の中心方向に延びるにつれてその最小幅へ先細りする、ほぼ三角形の断面を有する。
【0048】
第2管120は、第2管120の内表面123に対する凹部である第2キー溝122を含む。第2キー溝122が内表面123に対する凹部であれば、第2キー溝122の断面形状は特に限定されない。例えば、図1Aに示されるように、第2キー溝122は、内表面123にその最大幅を有し、キー溝が第2管120の中心から外側に延びるにつれてその最小幅へ先細りする、弓状の断面を有する。
【0049】
図2、2A、及び2Bを参照すると、第1管110は、第1キー溝112及び第2キー溝122が実質的に位置合わせされるように第2管120に挿入される。形状記憶ポリマーを含むキー130は、第1キー溝112と第2キー溝122との間に形成された空洞に配置される。この時点では、キー130は、その一時的に変形又は可逆変形した形状をしており、第2キー溝122内に完全に埋め込まれる。
【0050】
図3及び3Aを参照すると、形状記憶ポリマーを例えばその転移温度を超えて加熱することで活性化するとき、キー130はその永久的又は変形していない形状に戻る傾向がある。この場合、キー130の断面寸法は膨張し、キーの長さは減少する。形状記憶ポリマーがその変形していない形状に戻る能力は、第1及び第2キー溝の寸法により抑制される。一般に、活性化されると、キーは、第1キー溝及び第2キー溝の両方の少なくとも一部を満たす。いくつかの実施形態では、キー130は、減少したキーの長さにわたって第1キー溝112及び第2キー溝122の深さを満たす。
【0051】
形状記憶ポリマーが転移温度未満に冷却すると、形状記憶ポリマーは第1キー溝112及び第2キー溝122の両方の少なくとも一部を満たすため、第1管110を第2管120に接合する機械的な干渉接合部が形成される。第1管110を第2管120から分離するには、キー130を剪断する必要がある。したがって、接合部の強度は、キーの形状(例えば、断面積及び剪断方向に垂直な長さ)及び物理的特性(例えば、剪断弾性率及び剪断強度)により影響される。
【0052】
いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーは、第1キー溝及び第2キー溝の一方又は両方の深さを完全に満たすことができる。いくつかの実施形態では、例えば、表面のでこぼこ及び取り込まれた空気などの欠陥により、形状記憶ポリマーがキー溝を完全に満たすことが阻止又は妨害される場合、形状記憶ポリマーはキー溝の深さを「実質的に満たす」。いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーは、第1キー溝及び第2キー溝の一方又は両方の深さを部分的にのみ満たすことができる。一般に、形状記憶ポリマーが第1及び第2キー溝を満たす範囲は、キー溝の形状及び寸法と、活性化前後両方のキーの形状及び寸法とに依存する。
【0053】
形状記憶ポリマーキーは、任意の様々な手段を用いて活性化、すなわちその転移温度を超えて加熱され得る。例えば、溶接作業と同様に、管に炎をあててもよい。ただし、いくつかの実施形態では、裸火の使用は望ましくないことがある。形状記憶ポリマーの転移温度が比較的低いことから、いくつかの実施形態では、管接合部に高温ガスなどの高温流体をあてることによりキーを活性化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ホットエアガンを使用して管を加熱し、結果として形状記憶ポリマーキーをその転移温度を超えて加熱してもよい。一般に、熱源を取り除くと、キーはその転移温度未満に冷却する。ただし、いくつかの実施形態では、管接合部に低温空気又は水などの低温流体を適用することで冷却を促進することが望ましいことがある。
【0054】
一般に、形状記憶ポリマー製の外部スリーブにより接合された管は、形状記憶ポリマーを曲げるか又はねじって変形させることで分離することができる。対照的に、位置合わせしたキー溝を満たすことで、キーは管相互間に機械的な干渉結合を形成する。形状記憶ポリマーは両方のキー溝を満たすため、管はキーの剪断によってしか分離できず、非常に強力な接合部が形成される。
【0055】
三角形及び弓状のキー溝に加えて、他のキー溝の形状も使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、断面が矩形のキー溝を使用してもよい。いくつかの実施形態では、断面が台形のキー溝を使用してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、キー溝は管の全周に延びていてもよい。ただし、キー溝は、キーをキー溝内に配置できれば、任意の長さであってよい。キーの挿入並びに第1キー溝及び第2キー溝の位置合わせを容易にするために、いくつかの実施形態では、接合する管接合部の少なくとも一方(いくつかの実施形態では、両方)の全周にキー溝が延びていることが好ましいことがある。更に、キー溝を位置合わせすれば、乾式嵌合段階では管接合部を互いに対して回転することができる。その後、管接合部を所望のように配向したら、形状記憶ポリマーをその転移温度を超えて加熱し、キーの断面を膨張させ、機械的な干渉結合を形成して、2つの管接合部を接合することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、例えば、管接合部をねじることが望ましくない恐れがある場合、複数の個々の形状記憶弧状部を含むキーと共に、複数の凹部を含むキー溝を使用してもよい。例えば、図4及び5を参照すると、第1管210は、第1凹部212a、212b、及び212cなどの、その周囲に配置された複数の第1凹部で構成されるキー溝を含む。同様に、第2管220は、第2凹部222a、222b、及び222cなどの、対応する複数の第2凹部で構成されるキー溝を含む。
【0058】
図5及び5Aを参照すると、第1管210を第2管220に挿入するとき、1つの第1凹部212aが1つの第2凹部222aと位置合わせされ、その間に形状記憶ポリマーの弧状部230aが配置される。同様に、形状記憶ポリマーの弧状部230bは、第2の位置合わせした対の第1凹部212bと第2凹部222bとの間に配置され、弧状部230cは、第3の位置合わせした対の第1凹部212cと第2凹部222cとの間に配置される。いくつかの実施形態では、形状記憶ポリマーの弧状部は、それぞれの位置合わせした対の凹部間に存在していなくてもよい。
【0059】
図5Aを参照すると、形状記憶ポリマーの弧状部を活性化(例えば、その転移温度を超えて加熱)するとき、形状記憶ポリマーの弧状部は、断面が膨張し、位置合わせした対の第1及び第2凹部を満たす。形状記憶ポリマーが冷却すると、第1管及び第2管は、位置合わせした対の凹部での形状記憶弧状部の締まり嵌めにより接合される。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1管接合部の第1キー溝を形成する複数の凹部は、第2管接合部の単一の共通第2キー溝と位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態では、単一のキーが、第2キー溝内に埋め込まれる。次に、第1及び第2管接合部は、第1キー溝の2つ以上の凹部が第2キー溝と位置合わせされ、キーが位置合わせした凹部と第2キー溝との間に配置されるように、位置合わせすることができる。キーをその転移温度を超えて加熱すると、キーは膨張し、第1キー溝の2つ以上の凹部と第2キー溝の対応する部分とを満たし、管接合部間に干渉結合を形成する。あるいは、いくつかの実施形態では、キーを形成する複数の弧状部を、第1キー溝を形成する複数の凹部内に配置してもよい。次に、弧状部をその転移温度を超えて加熱すると、弧状部は膨張し、第1キー溝の2つ以上の凹部と第2キー溝の対応する部分とを満たし、管接合部間に干渉結合を形成する。
【0061】
一般に、キーの長さは、所望の機械的な干渉結合の強度を提供するように選択される。ただし、キーの長さ、及びキーの長さに対するキー溝の長さにかかわらず、活性化時にキーの長さが減少することにより、形状記憶ポリマーで満たされないキー溝の部分が生じる。したがって、キー自体は、キー溝の全長にわたって流体密封圧力封止を提供しない。
【0062】
いくつかの実施形態では、1つ以上の封止材をキーと組み合わせて使用してもよい。封止材は必ずしも管相互の結合に寄与する必要はないため、このような封止材の選択、配置、及び材料にはかなりの柔軟性がある。任意の既知の封止材(例えばOリングなど)を使用することができる。
【0063】
例えば、図6A及び6Bを参照すると、第1管310は、第1キー溝312及び第2キー溝322が実質的に位置合わせされるように第2管320に挿入される。形状記憶ポリマーを含むキー330は、第1キー溝312と第2キー溝322との間に形成された空洞に配置される。図示されるように、Oリング390は、第2管320の溝395に部分的に埋め込まれている。管接合部を接合すると、Oリング390は、第1管310と第2管320との間に配置され、封止(例えば流体密封封止)を形成する。一般に、Oリングは、第1管の平滑な外表面に押し付けられ、流体密封封止を形成する。いくつかの実施形態では、必要に応じて複数のOリング又は他の封止材を使用し、所望の封止を達成して漏れを防止してもよい。
【0064】
図6Bを参照すると、形状記憶ポリマーを例えばその転移温度を超えて加熱することで活性化するとき、キー330の長さは減少し、キーの長さに垂直な断面寸法は増加する。したがって、キー330は、第1管と第2管との間に機械的な干渉結合を提供し、一方でOリング390は、独自に所望の封止を提供する。
【0065】
上記の実施形態は2本の管の接合について記載したが、その方法、材料、及び概念は他の管接合部にも同様に適用される。例えば、いくつかの実施形態では、管接合部の一方が、継ぎ手又は連結具、例えば、L字継ぎ手(45°又は90°L字継ぎ手など)、T字連結部、Y字連結部、十字継ぎ手、キャップ、径違い継ぎ手、エキスパンダーなどであってもよい。例えば、図7を参照すると、90°L字継ぎ手400が第1管410に接続されている。第1キー溝412は、第1管410の外表面に対する凹部である。第1管410は、90°L字継ぎ手400の第1末端部401に挿入されている。第1キー溝412は、L字継ぎ手400の第1末端部401の内表面に対する凹部である第2キー溝422と位置合わせされている。第1キー430は、第1キー溝412と第2キー溝422との間に形成された空洞に配置されている。活性化されると、形状記憶ポリマーは、断面が膨張し、第1キー溝412及び第2キー溝422を実質的に満たし、第1管410を機械的な干渉結合でL字継ぎ手400の第1末端部401に接合する。同様に、第2管接合部を90°L字継ぎ手400の第2末端部403に接合することができる。すなわち、第2管接合部は、第2管接合部のキー溝がL字継ぎ手400の第3キー溝423と位置合わせされるように、第2末端部403に挿入され得る。次に、形状記憶ポリマーキーを使用して、L字継ぎ手400と第2管との間に機械的な干渉結合を形成することができる。また、図示されていないが、L字継ぎ手の一方又は両方の末端部は、封止材(例えばOリング)を含んでいてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1及び第2管接合部のキー溝の位置合わせは、止め具の使用により容易に行うことができる。図8及び9を参照すると、第1管510は、外表面514に対する凹部であり、第1管510の第1末端部501からL1の距離に配置された、第1キー溝512を含む。
【0067】
連結管520は、連結管520の内表面523に対する凹部である第2キー溝522を含む。連結管520は、内表面523から連結管520の中心方向に突出する止め具560も含む。止め具560は、第2キー溝522からL2の距離に配置されている。いくつかの実施形態では、止め具は円周環であってもよい。いくつかの実施形態では、止め具は1つ以上の別個の要素(例えば、杭)を含んでいてもよい。
【0068】
図9を参照すると、第1管510が連結管520に挿入されている。距離L1及びL2は、第1管510の第1末端部501が止め具560に接触すると、第1管510を連結管520にそれ以上挿入できなくなり、第1キー溝512及び第2キー溝522が実質的に位置合わせされるように、選択され得る。活性化されると、キー530は、両方のキー溝を実質的に満たし、第1管と連結管との間に機械的な干渉結合を形成する。図8及び9の実施形態は管及び連結管について記載しているが、任意の2つの管接合部を使用してもよい。更に、例えば封止材(例えばOリング)など、様々な実施形態の他の機能を含むことができる。
【0069】
止め具の使用は、管組立品の形成方法を容易にすることもできる。例えば、止め具と第2キー溝との距離が既知である(例えば、統一又は測定されている)場合、配管工は、第1管接合部上で対応する第1キー溝を形成すべき位置を、迅速かつ容易に見つけることができる。その後、パイプカッターなどの一般的な工具を使用して、第1キー溝をその場で適所に形成することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示のキーは、迅速で便利な管接合部の接合方法をもたらす。いくつかの実施形態では、方法は可逆的である。一般に、第1管接合部は、第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含むのに対し、第2管接合部は、第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む。これらのキー溝は、例えば、キャスティング及びモールディング(すなわち、元の管接合部のキャスティング又はモールディング時にキー溝を形成する)、又は機械加工(例えば、管接合部の形成後に管接合部にキー溝を研削又は彫刻する)などの任意の既知の手段で形成され得る。
【0071】
一般に、キー溝の形状及び寸法は特に限定されない。いくつかの実施形態では、特に管壁の寸法を決めた後でキー溝を形成する場合、キー溝の最大深さは、管の壁厚、及びキー溝領域の管の最小許容残存厚により制限される。いくつかの実施形態では、キー溝の寸法は、所望の接合部強度を提供するように、キーの一時的(すなわち、可逆変形した)寸法及び永久的(すなわち、変形していない)寸法の両方と共に、選択され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、キー溝は、管の一面に対する凹部であり、反対面に対する凸部であってもよい。例えば、図1Aを参照すると、第1キー溝112は、管110の外表面114に対する凹部であり、内表面に対する凸部である。すなわち、第1キー溝112は、管110の中心方向に突出しており、管を通過する流動経路を部分的に妨害する(図5Aの第1凹部212a、212b、及び212cも参照されたい)。同様に、第2キー溝122は、管120の内表面123に対する凹部であり、反対の外表面に対する凸部である。すなわち、第2キー溝122は、第2管120の中心から外側に突出している(図5Aの第2凹部222a、222b、及び222cも参照されたい)。
【0073】
いくつかの実施形態では、反対面については平坦のままである、一方又は両方のキー溝を有することが望ましいことがある。例えば、図6aに示されるように、第1キー溝312は、第1管310の外表面に対する凹部であるが、管310の中心方向には突出していない(図7の第1キー溝412及び図8の第1キー溝512も参照されたい)。したがって、図1の第1キー溝112とは異なり、図6aの第1キー溝312は、第1管310を通過する流体の流れを妨害しない。図示されていないが、いくつかの実施形態では、第2キー溝も第2管接合部の外表面から突出しないように形成され得る。ただし、このような突出は流れを妨害しないし、キー溝領域の管厚がより厚くなることから、第2管接合部の外表面から突出した第2キー溝を有することが望ましいことがある。
【0074】
一般に、第1管接合部が第2管接合部に挿入され、第1キー溝及び第2キー溝が位置合わせされる。形状記憶ポリマーを含むキーが、第1キー溝と第2キー溝との間に配置される。いくつかの実施形態では、第1及び第2管接合部の少なくとも一方のキー溝の深さ及び幅は、キーがそのキー溝からごくわずかしか突出しないか又は全く突出しないようにキー溝内に埋め込まれるのに十分である。一般に、キーがキー溝からいくらかでも突出していると、第1管接合部の第2管接合部への挿入を妨害することがある。したがって、いくつかの実施形態では、キーは、第1管接合部を第2管接合部に挿入する前にキー溝に完全に埋め込まれる。
【0075】
管接合部が所望どおりに位置合わせされたら、例えば形状記憶ポリマーをその転移温度を超えて加熱することにより、キーを活性化することができる。活性化前に、管接合部を調整、又は更には分離することもできる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の方法により、隣接する管、継ぎ手、又は連結具間に何らかの永久的接続を形成する前に、パイプラインを共に「乾式嵌合」することができる。
【0076】
活性化されると、キーは、その永久的な変形していない寸法に戻る傾向がある。すなわち、キーは、減少したキーの長さに相当する第1キー溝及び第2キー溝の両方の部分を少なくとも部分的に満たすように、長さが減少し、長さに垂直な断面が膨張する。キーは、最初はごくわずかしか突出しないか又は全く突出しないようにキー溝内に配置されているが、加熱されると、断面寸法が両方のキー溝の深さを少なくとも部分的に満たす(いくつかの実施形態では、実質的に満たす)のに十分膨張する。十分に膨張して両方のキー溝の深さを満たすために、いくつかの実施形態では、長さが大きく減少する、例えば、長さが少なくとも10%減少することが必要である。
【0077】
一般に、本開示の方法は、例えば、2本の管、管及び連結具、又は管及び継ぎ手などの、隣接する管接合部間に機械的な接合部を提供する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の方法は、第1管接合部と第2管接合部との間に機械的な干渉結合を形成するようにキーを冷却する工程を更に含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、形成された接合部は可逆的である。例えば、いくつかの実施形態では、キーを形状記憶ポリマーの転移温度を超えて再加熱することができる。次に、第1管接合部を第2管接合部に対して再配置してもよい。キーを再冷却すると、第1管接合部と第2管接合部との間に機械的な干渉結合が再形成され得る。したがって、従来の管接合方法、例えば、接着剤及びはんだでは、多くの場合に接着剤又ははんだによる接合部を切除し、隙間を補うために新たな接合部を嵌め込むことが求められるが、これらとは異なり、管接合部を最小限の労力及び修正で調整することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示の方法及び材料は、管網を修復する便利な手段をも提供する。例えば、いくつかの実施形態では、特定の管接合部を定位置に維持しているキーを再加熱し、その管接合部を取り外すことができる。次に、新たな同じ又は異なる管接合部を適切なキーと共に挿入することができる。その後、新たなキーの形状記憶ポリマーを活性化することで、得られた機械的な締まり嵌めにより、新たな管接合部を定位置にしっかり固定することができる。
【0080】
【実施例】
【0081】
実施例1.触媒原液を作製するために、窒素下でオーブン乾燥した500mLフラスコにWCl6(2.00g、0.005mol、Sigma−Aldrich(St.Louis,Missouri))及びトルエン約100mL(無水、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO))を投入した。この混合物を窒素でパージしながら1時間攪拌した。ノニルフェノール(1.1g,0.005mol,Sigma−Aldrich)を注射器で加え、溶液を窒素パージ下で4時間攪拌した。次に、注射器を使用して、2,4−ペンタンジオン(0.77g、0.008mol、Acros Organics)を加え、溶液を窒素パージ下で17時間攪拌した。無水ジシクロペンタジエン(250mL、1.84mol、TCI Americaから入手、エチリデンノルボルネン含有量4%)を添加した。フラスコを60℃の油浴に配置し、溶液を1.5時間真空吸引して、トルエン及び他の揮発性物質(一部のジシクロペンタジエンなど)を除去した。この時点で、追加のジシクロペンタジエンを加えて溶液の総重量を最大250gに戻し、2,4−ペンタンジオンの追加充填分(0.77g、0.008mol、Acros Organics)を加えた。
【0082】
この触媒原液を以下のように使用して、反応性混合物Aを作製した。オーブン乾燥した125mL三角フラスコを隔膜で塞ぎ、窒素でパージした。注射器を使用して、5−エチリデン−2−ノルボルネン(9.1mL、Acros Organics)、トリクロロ酢酸エチル(0.08mL、Aldrich Chemical)、及び上記の触媒原液2.8mLを加えた。
【0083】
反応性混合物Bを以下のように調製した。IRGANOX 1010フェノール酸化防止剤(0.22g、Ciba Specialty Chemical Corp(Tarrytown,NY))をオーブン乾燥した125mL三角フラスコの中に入れた後、これを隔膜で塞ぎ、窒素でパージした。エチリデンノルボルネン(8.3mL)及びSANTICIZER 261aフタル酸可塑剤(2.4mL、Ferro Corp.)を加え、IRGANOX 1010が溶解するまで混合物を攪拌した。次に、10vol %のジエチルアルミニウムクロリド(Sigma−Aldrich(St.Louis,MO))のジシクロペンタジエン溶液を1.0mL加えた。
【0084】
反応性混合物A及びBを混合し、円弧形状の形状記憶ポリマーを形成した。反応性混合物A(11mL)を注射器に充填した。別の注射器に反応性混合物B(11mL)を充填した。注射器を注射器ポンプに装填し、静的ミキサーに接続した。30秒未満の間に、2つの溶液を内径4.8mm(0.19インチ)の可撓性プラスチックチューブに注入した。試料は硬化するにつれて発熱し、その後、得られた形状記憶ポリマーをチューブから取り出した。
【0085】
次に棒状のポリマーを長さ10.2cm(4インチ)の断片に切断した。これらの断片を120℃の炉内で加熱し、直径が2.3mm(0.09インチ)に減少するまで手で伸ばし、冷却すると、断片はこの伸びた形状を維持した。次に、これらの棒を直径2.4cm(0.96インチ)の銅管継ぎ手に3回巻き付けてコイルにし、コイルの末端部を共に固定した。その後、このコイルを70℃の炉内で10分間加熱した。冷却後、コイルは、管継ぎ手から取り外されてもそのコイル形状を維持した。次に、このコイルを約270°の弧状に切断し、やすりをかけてその厚さを2.0mm(0.08インチ)まで減らし、キーを形成した。
【0086】
その後、このキーを銅管連結管の内側のキー溝に挿入した。連結管は、内径が22.4mm(0.88インチ)であり、連結管のキー溝は、キーがキー溝内にあるとき、キーが継ぎ手の内腔を妨害しないように十分深かった。外径22.1mm(0.87インチ)の銅管の断片の、一方の末端部から6.4mm(0.25インチ)の全周に管カッターで刻み目を付けた。次に、やすりを使用して、この最初の刻み目を深さ0.30mm(0.012インチ)、幅1.8mm(0.07インチ)のキー溝に広げた。その後、この管を連結管に挿入し、管のキー溝が連結管内のキー溝に隣接するように置き、キーをキー溝間に配置した。組立品を150℃の炉内で5分間加熱した。冷却後、管は連結管内にしっかり取り付けられており、管を連結管から手で取り外すことはできなかった。
【0087】
嵌合を外すために、管/連結管組立品を150℃の炉内で5分間再加熱した。まだ熱いうちに、管を連結管から手でうまく引き離した。キーを取り外して、長さが短くなり、厚さが3.8mm(0.15インチ)に増加していることを確認した。
【0088】
実施例2.実施例1に記載の直径2.3mm(0.09インチ)の伸びた形状の形状記憶ポリマーの棒状断片を、外径1.6cm(0.62インチ)の銅管に2回巻き付けてコイルにし、コイルの末端部を共に固定した。次に、このコイルを、見た目が柔らかくなり、管の周囲にしっかり締まるまで、ヒートガンで緩やかに加熱した。冷却後、コイルは、管継ぎ手から取り外されてもコイル形状を維持した。次に、このコイルをそれぞれ約270°の2つのキーに切断した。
【0089】
内径16.5mm(0.65インチ)の「StreamTech 2」銅連結管(Mueller Industriesから入手)を、2つの外側のOリング封止材をその溝から取り外すことにより改造したが、2つの内側のOリング封止材は定位置のままその溝に残した。次に、形状記憶ポリマーキーを連結管の2つの最も外側の溝(すなわち、キー溝)に挿入した。ポリマーキーの内側にやすりをかけて、継ぎ手の内腔に突出するポリマーをいずれも除去した。
【0090】
2つの外径15.7mm(0.62インチ)の銅管の断片に、一方の末端部から23mm(0.9インチ)の全周に管カッターで刻み目を付けた。次に、やすりを使用して、これらの最初の刻み目を深さ約0.30mm(0.012インチ)、幅1.8mm(0.07インチ)のキー溝に広げた。その後、管を銅連結管の各末端部に挿入した。管のキー溝が連結管内の外側の溝(キー溝)に隣接するように置き、キーをキー溝間に配置した。この組立品をヒートガンで45秒間加熱した。冷却後、管は連結管内にしっかり取り付けられており、手で取り外すことはできなかった。
【0091】
管組立品の末端部をそれぞれ再循環水浴に接続し、水を送って銅管組立品に通した。水温を25℃から80℃に上昇させ、その後、80℃で30分間維持した。管組立品からの水漏れはなかった。
【0092】
実施例3.直径6mm(0.25インチ)、長さ30.5cm(12インチ)のABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー)の棒(Plastics International(Eden Prairie,MN)から入手)を140℃の炉内で加熱した。次に、棒を手で伸ばし、冷却させて、直径が3〜4mm(0.12〜0.16インチ)に減少した伸びた棒を得た。この伸びた棒を外径22.1mm(0.87インチ)の銅管に2回巻き付けてコイルにし、コイルの末端部を共に固定した。次に、このコイルを、見た目が柔らかくなり、管の周囲にしっかり締まるまで、ヒートガンで緩やかに加熱した。冷却後、コイルは、管継ぎ手から取り外してもコイル形状を維持した。次に、このコイルを約270°の弧状に切断し、キーを形成した。
【0093】
このABS形状記憶ポリマーキーを、実施例1で使用した管連結管のキー溝に挿入した。ポリマーキーの内側にやすりをかけて、キー溝から継ぎ手の内腔に突出するポリマーをいずれも除去した。管のキー溝が連結管のキー溝の位置に合うように実施例1の管を連結管に挿入し、ABS形状記憶ポリマーキーを2つのキー溝間に配置した。この組立品をヒートガンで90秒間加熱した。冷却後、管は連結管内にしっかり取り付けられており、手で取り外すことはできなかった。
【0094】
嵌合を外すために、管/連結管組立品をヒートガンで60秒間再加熱した。まだ熱いうちに、管を連結管から手でうまく引き離した。形状記憶ポリマーキーを取り外して、長さが30%を超えて短くなっていることを確認した。
【0095】
本発明の様々な改変及び変更が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者には明らかとなるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含む第1管接合部を、第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む第2管接合部に接合する方法であって、
前記第1管接合部を前記第2管接合部に挿入する工程と、
前記第1キー溝及び前記第2キー溝を位置合わせする工程と、
第1転移温度を有する第1形状記憶ポリマーを含む第1キーを前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に配置する工程であって、前記キーが長さと該長さに垂直な断面とを有する工程と、
前記第1キーを前記第1転移温度を超えて加熱する工程と、
前記第1形状記憶ポリマーが前記第1キー溝及び前記第2キー溝の両方の部分を満たすように前記第1キーの前記長さを減少させかつ前記断面を膨張させ、前記第1管接合部と前記第2管接合部との間に機械的な干渉結合を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1形状記憶ポリマーを前記第1転移温度未満に冷却する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2管接合部が前記第2管接合部の内表面に対する凹部である第3キー溝を有し、前記方法が、
第3管接合部の外表面に対する凹部である第4キー溝を含む第3管接合部を、前記第2管接合部に挿入する工程と、
前記第3キー溝及び前記第4キー溝を位置合わせする工程と、
第2転移温度を有する第2形状記憶ポリマーを含む第2キーを前記第3キー溝と前記第4キー溝との間に配置する工程と、
前記第2キーを前記第2転移温度を超えて加熱する工程と、
前記第2形状記憶ポリマーが前記第3キー溝及び前記第4キー溝の両方の部分を実質的に満たすように前記第2キーの前記長さを減少させかつ前記断面を膨張させる工程と、を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1キーが、前記第1管接合部を前記第2管接合部に挿入する前に、前記第1管接合部の前記第1キー溝内に埋め込まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1キーが、前記第1管接合部を前記第2管接合部に挿入する前に、前記第2管接合部の前記第2キー溝内に埋め込まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1キー溝が第1円周溝を含み、前記第2キー溝が第2円周溝を含み、前記第1キーが弧状部を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1キー溝が複数の第1凹部を含み、前記第2キー溝が複数の第2凹部を含み、前記第1キーが複数の弧状部を含み、各弧状部が形状記憶ポリマーを含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝を位置合わせする工程が、前記第1凹部の少なくとも一部を前記第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成する工程を含み、前記第1転移温度を有する前記第1形状記憶ポリマーを含む前記第1キーを前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に配置する工程が、少なくとも1つの弧状部を2つ以上の対になった第1及び第2凹部間に配置する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1又は第2キー溝が複数の第1凹部を含み、他方のキー溝が第2凹部を含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝を位置合わせする工程が、2つ以上の前記第1凹部を前記第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1キーが複数の弧状部を含み、各弧状部が形状記憶ポリマーを含み、前記第1転移温度を有する前記第1形状記憶ポリマーを含む前記第1キーを前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に配置する工程が、少なくとも1つの弧状部を2つ以上の対になった第1及び第2凹部間に配置する工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1キーを前記第1転移温度を超えて加熱する工程が、前記第2管接合部に高温ガスをあてる工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2管接合部が、該第2管接合部の内表面から突出する止め具を更に含み、前記第1管接合部を前記第2管接合部に挿入する工程が、前記第1管接合部が前記止め具に接触するまで前記第1管接合部を挿入する工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1キーを前記第1形状記憶ポリマーの前記第1転移温度を超えて再加熱する工程と、前記第1管接合部を前記第2管接合部に対して再配置する工程と、前記第1管接合部と前記第2管接合部との間に前記機械的な干渉結合を再形成する工程と、を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1キーを前記第1形状記憶ポリマーの前記第1転移温度を超えて再加熱する工程と、前記第1管接合部を前記第2管接合部から取り外す工程と、を更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法に従って作製された接合管組立品。
【請求項15】
第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含む第1管接合部と、
第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む第2管接合部と、
第1形状記憶ポリマーを含む第1キーと、を含み、
前記第1管接合部の少なくとも一部が、前記第1キー溝を前記第2キー溝と位置合わせするように前記第2管接合部の内側に配置され、前記第1キーが、前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に位置し、前記第1キー溝及び前記第2キー溝を少なくとも部分的に満たす、接合管組立品。
【請求項16】
前記第1キーが、該第1キーの長さに相当する前記第1キー溝及び前記第2キー溝の両方の部分を実質的に満たす、請求項15に記載の接合管組立品。
【請求項17】
前記第2管接合部が、前記第2管接合部の内表面に対する凹部である第3キー溝を更に含み、前記管組立品が、第3管接合部の外表面に対する凹部である第4キー溝を含む第3管接合部と、第2形状記憶ポリマーを含む第2キーとを更に含み、前記第3管接合部の少なくとも一部が、前記第3キー溝を前記第4キー溝と位置合わせするように前記第2管接合部の内側に配置され、前記第2キーが、前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に位置し、前記第1キー溝及び前記第2キー溝を少なくとも部分的に満たす、請求項15又は16に記載の接合管組立品。
【請求項18】
前記第2キーが、前記第2キーの長さに相当する前記第3円周キー溝及び前記第4キー溝の両方の部分を実質的に満たす、請求項17に記載の接合管組立品。
【請求項19】
前記第1キー溝が第1円周溝を含み、前記第2キー溝が第2円周溝を含み、前記第1キーが弧状部を含む、請求項14〜18のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項20】
前記第1及び第2キー溝の少なくとも一方が弓状の断面を有する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項21】
前記第1及び第2キー溝の少なくとも一方が、三角形、矩形、及び台形からなる群から選択される断面を有する、請求項14〜20のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項22】
前記第1キー溝が複数の第1凹部を含み、前記第2キー溝が複数の第2凹部を含み、前記第1キーが複数の弧状部を含み、各弧状部が形状記憶ポリマーを含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝が、前記第1凹部の少なくとも一部を前記第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされ、前記形状記憶ポリマーを含む前記弧状部が、前記対になった第1及び第2凹部間に位置し、前記対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす、請求項14〜21のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項23】
前記第1又は第2キー溝が複数の第1凹部を含み、他方のキー溝が第2凹部を含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝が、2つ以上の前記第1凹部を前記第2凹部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされ、前記形状記憶ポリマーが、前記対になった第1及び第2凹部間に位置し、前記対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす、請求項14〜21のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項24】
前記第1又は第2キー溝が複数の第1凹部を含み、他方のキー溝が第2凹部を含み、前記第1キーが複数の弧状部を含み、各弧状部が形状記憶ポリマーを含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝が、2つ以上の前記第1凹部を前記第2凹部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされ、前記形状記憶ポリマーを含む前記弧状部が、前記対になった第1及び第2凹部間に位置し、前記対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす、請求項14〜21のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項25】
前記第1管接合部が、前記第2管接合部の内表面から突出する止め具に接触している、請求項14〜24のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項1】
第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含む第1管接合部を、第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む第2管接合部に接合する方法であって、
前記第1管接合部を前記第2管接合部に挿入する工程と、
前記第1キー溝及び前記第2キー溝を位置合わせする工程と、
第1転移温度を有する第1形状記憶ポリマーを含む第1キーを前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に配置する工程であって、前記キーが長さと該長さに垂直な断面とを有する工程と、
前記第1キーを前記第1転移温度を超えて加熱する工程と、
前記第1形状記憶ポリマーが前記第1キー溝及び前記第2キー溝の両方の部分を満たすように前記第1キーの前記長さを減少させかつ前記断面を膨張させ、前記第1管接合部と前記第2管接合部との間に機械的な干渉結合を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1形状記憶ポリマーを前記第1転移温度未満に冷却する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2管接合部が前記第2管接合部の内表面に対する凹部である第3キー溝を有し、前記方法が、
第3管接合部の外表面に対する凹部である第4キー溝を含む第3管接合部を、前記第2管接合部に挿入する工程と、
前記第3キー溝及び前記第4キー溝を位置合わせする工程と、
第2転移温度を有する第2形状記憶ポリマーを含む第2キーを前記第3キー溝と前記第4キー溝との間に配置する工程と、
前記第2キーを前記第2転移温度を超えて加熱する工程と、
前記第2形状記憶ポリマーが前記第3キー溝及び前記第4キー溝の両方の部分を実質的に満たすように前記第2キーの前記長さを減少させかつ前記断面を膨張させる工程と、を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1キーが、前記第1管接合部を前記第2管接合部に挿入する前に、前記第1管接合部の前記第1キー溝内に埋め込まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1キーが、前記第1管接合部を前記第2管接合部に挿入する前に、前記第2管接合部の前記第2キー溝内に埋め込まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1キー溝が第1円周溝を含み、前記第2キー溝が第2円周溝を含み、前記第1キーが弧状部を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1キー溝が複数の第1凹部を含み、前記第2キー溝が複数の第2凹部を含み、前記第1キーが複数の弧状部を含み、各弧状部が形状記憶ポリマーを含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝を位置合わせする工程が、前記第1凹部の少なくとも一部を前記第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成する工程を含み、前記第1転移温度を有する前記第1形状記憶ポリマーを含む前記第1キーを前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に配置する工程が、少なくとも1つの弧状部を2つ以上の対になった第1及び第2凹部間に配置する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1又は第2キー溝が複数の第1凹部を含み、他方のキー溝が第2凹部を含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝を位置合わせする工程が、2つ以上の前記第1凹部を前記第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1キーが複数の弧状部を含み、各弧状部が形状記憶ポリマーを含み、前記第1転移温度を有する前記第1形状記憶ポリマーを含む前記第1キーを前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に配置する工程が、少なくとも1つの弧状部を2つ以上の対になった第1及び第2凹部間に配置する工程を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1キーを前記第1転移温度を超えて加熱する工程が、前記第2管接合部に高温ガスをあてる工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2管接合部が、該第2管接合部の内表面から突出する止め具を更に含み、前記第1管接合部を前記第2管接合部に挿入する工程が、前記第1管接合部が前記止め具に接触するまで前記第1管接合部を挿入する工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1キーを前記第1形状記憶ポリマーの前記第1転移温度を超えて再加熱する工程と、前記第1管接合部を前記第2管接合部に対して再配置する工程と、前記第1管接合部と前記第2管接合部との間に前記機械的な干渉結合を再形成する工程と、を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1キーを前記第1形状記憶ポリマーの前記第1転移温度を超えて再加熱する工程と、前記第1管接合部を前記第2管接合部から取り外す工程と、を更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法に従って作製された接合管組立品。
【請求項15】
第1管接合部の外表面に対する凹部である第1キー溝を含む第1管接合部と、
第2管接合部の内表面に対する凹部である第2キー溝を含む第2管接合部と、
第1形状記憶ポリマーを含む第1キーと、を含み、
前記第1管接合部の少なくとも一部が、前記第1キー溝を前記第2キー溝と位置合わせするように前記第2管接合部の内側に配置され、前記第1キーが、前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に位置し、前記第1キー溝及び前記第2キー溝を少なくとも部分的に満たす、接合管組立品。
【請求項16】
前記第1キーが、該第1キーの長さに相当する前記第1キー溝及び前記第2キー溝の両方の部分を実質的に満たす、請求項15に記載の接合管組立品。
【請求項17】
前記第2管接合部が、前記第2管接合部の内表面に対する凹部である第3キー溝を更に含み、前記管組立品が、第3管接合部の外表面に対する凹部である第4キー溝を含む第3管接合部と、第2形状記憶ポリマーを含む第2キーとを更に含み、前記第3管接合部の少なくとも一部が、前記第3キー溝を前記第4キー溝と位置合わせするように前記第2管接合部の内側に配置され、前記第2キーが、前記第1キー溝と前記第2キー溝との間に位置し、前記第1キー溝及び前記第2キー溝を少なくとも部分的に満たす、請求項15又は16に記載の接合管組立品。
【請求項18】
前記第2キーが、前記第2キーの長さに相当する前記第3円周キー溝及び前記第4キー溝の両方の部分を実質的に満たす、請求項17に記載の接合管組立品。
【請求項19】
前記第1キー溝が第1円周溝を含み、前記第2キー溝が第2円周溝を含み、前記第1キーが弧状部を含む、請求項14〜18のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項20】
前記第1及び第2キー溝の少なくとも一方が弓状の断面を有する、請求項14〜19のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項21】
前記第1及び第2キー溝の少なくとも一方が、三角形、矩形、及び台形からなる群から選択される断面を有する、請求項14〜20のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項22】
前記第1キー溝が複数の第1凹部を含み、前記第2キー溝が複数の第2凹部を含み、前記第1キーが複数の弧状部を含み、各弧状部が形状記憶ポリマーを含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝が、前記第1凹部の少なくとも一部を前記第2凹部の少なくとも一部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされ、前記形状記憶ポリマーを含む前記弧状部が、前記対になった第1及び第2凹部間に位置し、前記対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす、請求項14〜21のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項23】
前記第1又は第2キー溝が複数の第1凹部を含み、他方のキー溝が第2凹部を含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝が、2つ以上の前記第1凹部を前記第2凹部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされ、前記形状記憶ポリマーが、前記対になった第1及び第2凹部間に位置し、前記対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす、請求項14〜21のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項24】
前記第1又は第2キー溝が複数の第1凹部を含み、他方のキー溝が第2凹部を含み、前記第1キーが複数の弧状部を含み、各弧状部が形状記憶ポリマーを含み、前記第1キー溝及び前記第2キー溝が、2つ以上の前記第1凹部を前記第2凹部と位置合わせして、複数の対になった第1及び第2凹部を形成するように位置合わせされ、前記形状記憶ポリマーを含む前記弧状部が、前記対になった第1及び第2凹部間に位置し、前記対になった第1及び第2凹部を少なくとも部分的に満たす、請求項14〜21のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【請求項25】
前記第1管接合部が、前記第2管接合部の内表面から突出する止め具に接触している、請求項14〜24のいずれか一項に記載の接合管組立品。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2013−511010(P2013−511010A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538981(P2012−538981)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/056377
【国際公開番号】WO2011/060167
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/056377
【国際公開番号】WO2011/060167
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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