説明

管枕支承板

【課題】傾斜地や凸凹の多い地面のほか、ぬかるみやすい地面でも安定した設置ができ、管枕の正確なレベル出しをできるようにする。
【解決手段】地面上に設置され、その上に配管用の管枕11を載置する管枕支承板1において、管枕11を支持する天壁2の周囲に下方へ向けて外枠3を設け、下面開口型の中空構造とし、前記天壁2の裏面に、前記外枠3の下部へ向けてリブ4を設ける。また、前記天壁2に、その表面と裏面とに貫通する貫穴5を設ける。土や砂利が露出する地面上に設置したとき、リブ4が地面に食い込むので、傾斜地や凸凹の多い地面でも、滑りやぐらつきが防止される。また、貫穴5を介して、地面との間の水や空気を外部に抜くことができるため、ぬかるみ等で浮き上がりが生じることがなく、安定性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ケーブル保護管等の配管に際して、地面上に設置し、その上に管枕を載せて支持する管枕支承板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、ケーブル保護管等の管を受架する管枕として、下記特許文献1に記載されたようなものが知られている。この管枕は、管の外周に沿う円弧部を有するブロック状のものであり、複数本並列に配設される管の位置関係を規制する。
【0003】
このような管枕を、配管予定経路に沿って掘削した溝内で、その底部に敷いた砂の地面上に、管の長さ方向に間隔をおいて支持し、管の荷重による砂へのめり込みを防いで高さ方向のレベルを正確に設定をするため、管枕支承板が使用されることがある。このような管枕支承板には、通常、平板状のコンクリート板又は木板が使用される。
【0004】
また、ポリエチレン等の樹脂製の管枕支承板として、下記特許文献2に記載されたようなものが知られている。この管枕支承板は、平板の上面及び下面に、積重ね状態でのずれを防止する突条又は凹溝を設けたものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−220648号公報
【特許文献2】特開2001−280545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンクリート製の管枕支承板は、重いため施工性が悪く、また、傾斜地で使用すると滑りが生じるおそれがあり、木製の管枕支承板は、強度が一定しないという問題がある。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の管枕支承板もまた、地面に接する面の大部分が平坦であることから、傾斜地では滑りやすく、凸凹の多い地面やぬかるみになりやすい地面には設置しにくいという問題がある。
【0008】
そこで、この発明は、傾斜地や凸凹の多い地面のほか、ぬかるみやすい地面でも安定した設置ができ、管枕の正確なレベル設定をできるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明は、地面上に設置され、その上に配管用の管枕を載置する管枕支承板において、管枕を支持する天壁の周囲に下方へ向けて外枠を設け、下面開口型の中空構造とし、前記天壁の裏面に、前記外枠の下部へ向けてリブ又は突起を設けたのである。
【0010】
また、この管枕支承板において、前記天壁に、その表面と裏面とに貫通する貫穴を設けたのである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る管枕支承板では、土や砂から成る地面上に設置したとき、リブ又は突起が地面に食い込むので、傾斜地や凸凹の多い地面でも、滑りやぐらつきが防止され、安定した設置が可能となり、管枕の正確なレベル設定ができる。
【0012】
また、天壁に設けた貫穴を介して、地面との間の水や空気を外部に抜くことができるため、ぬかるみ等で浮き上がりが生じることがなく、安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施形態に係る長尺型の管枕支承板の使用状態を示す斜視図
【図2】同上の長尺型の管枕支承板と管枕を示す表面側からの斜視図
【図3】同上の裏面側からの斜視図
【図4】同上の長尺型と短尺型の管枕支承板を連結した使用状態を示す斜視図
【図5】同上の短尺型の管枕支承板を示す表面側からの斜視図
【図6】同上の裏面側からの斜視図
【図7】同上の管枕支承板の連結部を示す表面側からの斜視図
【図8】同上の突起を有する管枕支承板を示す裏面側からの斜視図
【図9】同上の凹溝を有する管枕支承板を示す表面側からの部分斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示すように、この管枕支承板1は、ケーブル保護管等の管10を複数本並列に配管する際、配管予定経路に沿って掘削した溝内で、その底部に敷いた砂の地面上に、管の長さ方向に間隔をおいて設置し、その上に3本の管10を受架する弧状部12を備えた管枕11を載せて支持する長方形状のものであり、管10の並列方向に長手方向が向けられる。この配管状態では、並列する管10の位置関係が規制される。
【0016】
管枕支承板1の材料には、ポリエチレン等の樹脂が使用され、図2及び図3に示すように、その構造は、管枕11を支持する天壁2の周囲に下方へ向けて外枠3を設けた下面開口型の中空構造となっている。そして、天壁2の裏面には、外枠3の下部へ向けてリブ4が設けられている。
【0017】
リブ4は、外枠3の対向する長辺及び短辺間に亘って格子状に配置され、樹脂を内部全体に充填することなく、空洞部分を設ける肉抜きをして軽量化された管枕支承板1は、リブ4により補強されている。
【0018】
また、天壁2には、その表面と裏面とに貫通する円形の貫穴5がリブ4の位置を避けるように複数個配置されている。
【0019】
そのほか、天壁2の表面には、長手方向に延びる2本の突条6が設けられ、この突条6が天壁2の表面上での管枕11のある程度の自由な動きを許容しつつ、管10の長さ方向への管枕11の一定以上のずれを防止するストッパとなっている。外枠3の両方の短辺部分には、連結用の3個の凹部7が設けられている。
【0020】
上記のような管枕支承板1では、土や砂から成る地面上に設置したとき、リブ4が地面に食い込むので、傾斜地や凸凹の多い地面でも、滑りやぐらつきが防止され、管10を受架する管枕11を安定した状態で支持することが可能となり、管枕11の正確なレベル設定をすることができる。
【0021】
また、天壁2に設けた貫穴5を介して、地面との間の水や空気を外部に抜くことができるため、ぬかるみ等で浮き上がりが生じることがなく、安定性が向上する。
【0022】
また、肉抜きをして、リブ4により補強していることから、強度を損なうことなく軽量化することができ、材料を有効利用して、コストダウンを図ることができる。
【0023】
なお、上記実施形態では、3本の管10を並列に配設する場合を例示したが、例えば、4本以上の管10を並列に配設する場合には、図4に示すように、上記のような長尺型の管枕支承板1に加えて、短尺型の管枕支承板1を使用すればよい。
【0024】
この短尺型の管枕支承板1は、管10を1本のみ受架する管枕11に対応するため、管10の並列方向の寸法が短くなっており、図5及び図6に示すように、突条6に直交する外枠3の一辺には、長尺型の管枕支承板1の凹部7に嵌め込まれる3個の凸部8が設けられ、他辺には、短尺型の管枕支承板1を連結するための凹部7が設けられている。
【0025】
管枕支承板1同士の連結に際しては、図7に示すように、凸部8の両側方へ張り出した頭部を、凹部7の溝状部分に差し込むようにして、凹部7から凸部8を抜け止めする。
【0026】
ところで、上記実施形態では、天壁2の裏面にリブ4を設けたものを例示したが、リブ4に代えて、図8に示すように、複数の柱状の突起9を設け、その高さ寸法が外枠3の縁部と同等となるようにしてもよい。
【0027】
また、天壁2の表面の突条6により管枕11のずれを防止するものを例示したが、突条6に代えて、図9に示すように、天壁2の表面に凹溝13を設け、その内側に管枕11を嵌め込んで、管枕11のずれを防止するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 管枕支承板
2 天壁
3 外枠
4 リブ
5 貫穴
6 突条
7 凹部
8 凸部
9 突起
10 管
11 管枕
12 弧状部
13 凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面上に設置され、その上に配管用の管枕(11)を載置する管枕支承板(1)において、管枕(11)を支持する天壁(2)の周囲に下方へ向けて外枠(3)を設け、下面開口型の中空構造とし、前記天壁(2)の裏面に、前記外枠(3)の下部へ向けてリブ(4)又は突起(9)を設けたことを特徴とする管枕支承板。
【請求項2】
請求項1に記載の管枕支承板(1)において、前記天壁(2)に、その表面と裏面とに貫通する貫穴(5)を設けたことを特徴とする管枕支承板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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