説明

管状器官の治療装置

【課題】縮径状態のステントグラフトが搭載されるデリバリシャフトの先端部をシェイピングすることができる管状器官の治療装置を提供すること。
【解決手段】デリバリシャフト10の先端部10aに縮径状態のステントグラフト20が搭載されてなる管状器官の治療装置であって、デリバリシャフト10の少なくとも先端部10aは、金属材料からなる塑性変形性の芯材11と、この芯材11の表面を被覆する軟質樹脂からなる被覆層12とにより構成されていることを特徴とする。また、デリバリシャフト10の先端部10aに搭載されたステントグラフト20を縮径状態で保持する手段として、ステントグラフト20を覆う軟質カバー30を有していることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管状器官の治療装置に関し、更に詳しくは、人体の管状器官にステントを挿入するための管状器官の治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、血管など人体の管状器官における治療のため、それらの患部にカバードステント(ステントグラフト)を挿入して配置することが行われている。
例えば、血管(真腔)の狭窄部にステントグラフトを配置して管腔を維持したり、動脈瘤が存在する部位にステントグラフトを留置して瘤内への血流を遮断することにより当該動脈瘤の破裂を防止したりする治療方法が知られている。
【0003】
管状器官にステントグラフトを挿入して配置する場合の例として、自己拡張型のステントグラフトを縮径状態でシースなどの筒状カバーに収容し、この筒状カバーを管状器官内に挿入した後、筒状カバーを引き抜いて、ステントを管状器官内に放出する。
然るに、ステントを放出するために筒状カバーを引き抜くときには、ステントの拡張力が摩擦となって抵抗が生じるために大きな力を必要とし、筒状カバーや保持具(デリバリシャフト)には大きな負荷がかかっている。このように引き抜く作業は大きな力を要するために、摩擦抵抗による位置ズレなどの影響を受けやすく、留置位置や方向などの精度に悪影響が生じやすいという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するため、本発明者らは、折り返しカバーの内層の内側に、縮径状態のステントを有する管状器官の治療具であって、折り返しカバーは、筒状チューブを折り返した、内層および外層を有する構造で、縮径状態のステントは、その先端部が折り返しカバーの折り返し部側に配置され、かつ縮径状態のステントは、折り返しカバーの折り返し部と折り返しカバーの内層の端部との間に配置されている管状器官の治療具を提案している(特許文献1参照)。
【0005】
図5は、特許文献1に記載の治療具の一実施形態を模式的に示す説明図であり、同図に示す治療具121は、保持具124(デリバリシャフト)の先端部124a(縮径部)において、筒状チューブを折り返してなる折り返しカバー122の内層122aの内側に、縮径状態のステント123が搭載されてなる。
折り返しカバー122は、筒状チューブを1回折り返すことにより形成され、内層122aと外層122bとが折り返し部122dで繋がっている二重構造のカバーであって、外層122bの基端部122eには、リング125が接続されている。
保持具124の先端部124aに縮径状態で搭載されたステント123は、その先端部123aが折り返しカバー122の折り返し部122d側に、その後端部123bが内層122aの基端部122c側に配置されている。
この治療具121において、外層122bの基端部122eに接続されているリング125を、矢印128の方向(折り返し部の反対方向)に引っ張ることにより、ステント123の外側に配置されている折り返しカバー122は、その内層122aが捲られるようにしてステント123から取り去られ、これにより、ステント123は、その先端部123a側より次第に拡張することができる。
【0006】
ところで、最近における大動脈に対するステントグラフト治療法として、正中切開よりのアプローチで、患部(動脈瘤)の近傍の大動脈を切開し、そこからステントグラフトを挿入するオープンステントグラフト術が行われている。オープンステントグラフト術は、近位側吻合を直視下で行うことができるなどの点で有用な治療法とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4494144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、オープンステントグラフト術による治療法において、特許文献1に記載の管状器官の治療装置には下記のような問題がある。
【0009】
屈曲している大動脈に対してステントグラフトを展開・留置させるときには、屈曲形状に沿った状態(形状)で、ステントグラフトを展開(留置)させることが肝要である。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された治療具のような従来公知の管状器官の治療装置において、デリバリシャフトの先端部(図5における保持具124の先端部124a)の形状は直線状であり、そこに搭載される縮径状態のステントグラフトも直線状となる。
ここに、デリバリシャフト(保持具124)は、樹脂などの弾性材料により構成されているため、デリバリシャフトの先端部に搭載されているステントグラフトに対して曲げ荷重を負荷しても、先端部およびステントグラフトの弾性により、直ちに直線状に復元されてしまう。
【0011】
このため、特許文献1に記載の治療装置を用いて、屈曲している大動脈に対してステントグラフトを挿入する場合に、デリバリシャフトの先端部に搭載されたステントグラフトを大動脈の屈曲形状に沿った形状に保持することができず、このステントグラフトは直線状を維持したままで送達・展開(拡張)・留置される。
【0012】
そして、屈曲している大動脈に対して直線状のステントグラフトを挿入する場合には、展開した後のステントグラフトを大動脈の内壁に十分に密着させることができず、内壁との間隙に血液が流れてしまう、いわゆる「エンドリーク」を生じるため管腔を維持すること(ステント内への血流を確保して狭窄部位を拡張すること)が困難となる。
また、直線状のステントグラフト(特に端部)を、屈曲した病変部の目的部位に対して正確に位置させることは困難であり、この結果、管腔を維持することができなかったり、動脈瘤への血流を遮断できなかったり、ステントの留置位置の近傍から分岐する有用な管腔を閉塞したりするおそれがある。更に、直線状のステントグラフトが大動脈内でキンクして血流を確保することができなくなるおそれもある。
【0013】
このため、管状器官(大動脈)の屈曲形状に沿った状態で縮径状態のステントグラフトを展開させ、管状器官の屈曲形状に沿った形状でステントグラフトを留置することができる治療装置の提供が望まれていた。
【0014】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、縮径状態のステントが搭載されるデリバリシャフトの先端部を塑性変形(シェイピング)することができる管状器官の治療装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、屈曲している管状器官の形状に沿った状態で縮径状態のステントを展開(拡張)し、管状器官の形状に沿った形状でステントを留置することができる管状器官の治療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明の管状器官の治療装置は、デリバリシャフトの先端部に縮径状態のステントが搭載されてなる管状器官の治療装置であって、
前記デリバリシャフトの少なくとも先端部は、金属材料からなる塑性変形性の芯材と、この芯材の表面を被覆する軟質樹脂からなる被覆層とにより構成されていることを特徴とする。
本発明の治療装置を構成する「ステント」には、ステントグラフトのようなカバードステントが含まれる。
【0016】
このような構成の治療装置によれば、デリバリシャフトの少なくとも先端部が金属材料からなる塑性変形性の芯材を有しているので、デリバリシャフトの先端部を所望の形状に塑性変形(シェイピング)することができる。これにより、デリバリシャフトの先端部に搭載されている縮径状態のステントを管状器官の形状に沿った形状に変形させることができる。また、金属材料からなる芯材は剛性を有するので、デリバリシャフトの先端部とともに変形したステントは、目的部位に挿入する際にも、その形状を維持することができる。この結果、管状器官の屈曲形状に沿った状態で縮径状態のステントを展開し、管状器官の屈曲形状に沿った形状でステントを留置することができる。展開(拡張)後のステントは、管状器官の内壁に対する密着性が良好で、かつ、目的部位に対して正確に留置されるので、所期の治療効果(管腔の維持や動脈瘤内への血流の遮断)を確実に奏することができる。
【0017】
(2)上記(1)の治療装置を構成するデリバリシャフトは、その略全長にわたり、前記芯材と、前記被覆層とにより構成されていることが好ましい。
デリバリシャフトの全長にわたり芯材を有していること(先端部以外にも芯材が存在すること)により、デリバリシャフトとしての剛性を十分に確保することができる。
【0018】
(3)本発明の治療装置において、前記デリバリシャフトの先端部に搭載された前記ステントを縮径状態で保持する手段を有していることが好ましい。
【0019】
(4)上記(3)の治療装置を構成する「ステントを縮径状態で保持する手段」が、当該ステントを覆う軟質カバーであることが好ましい。
縮径状態のステントを軟質カバーで覆うことにより、ステントを確実に保持することができるとともに、カバーが軟質であることにより、硬質の筒状体(シース)などと比較して、デリバリシャフトの先端部の形状変化に容易に追従することができる。
【0020】
(5)上記(4)の治療装置を構成する「軟質カバー」は、筒状のチューブ材料を内側に折り返すことにより形成された内層と外層とを有し、
前記縮径状態のステントは、その先端部が前記軟質カバーの折り返し部側に位置し、前記軟質カバーの折り返し部と内層の基端部との間に配置されていることが好ましい。
このような構成の治療装置によれば、外層の基端部を基端方向(折り返し部とは反対方向)に引っ張ることにより、ステントの外周から内層がめくれるように翻転しながら軟質カバーが引き抜かれていく。このため、軟質カバーを引き抜く力は、内層の外面と外層の内面との間の摩擦抵抗によるもので、縮径状態のステントの拡張力の影響は受けない。従って、ステントの拡張力が強い場合であっても、確実に展開・留置することができる。
【0021】
(6)上記(3)〜(5)の治療装置を構成するデリバリシャフトには、前記ステントの後端が当接する段差部および/または拡径部が形成されていることが好ましい。
これにより、「ステントを縮径状態で保持する手段」を基端方向に移動させたときに、これに追従してステントが基端方向に移動することを確実に防止することができる。
【0022】
(7)本発明の治療装置を構成するデリバリシャフトに少なくとも1つのルーメンが形成されていることが好ましい。
【0023】
(8)上記(7)の治療装置において、前記デリバリシャフトを構成する芯材が筒状であり、この芯材の内孔によりルーメンが形成されていることが好ましい。
【0024】
(9)上記(7)の治療装置において、前記デリバリシャフトを構成する被覆層の内部にルーメンが形成されていることが好ましい。
デリバリシャフトにルーメンが形成されていることにより、ガイドワイヤ、細径のカテーテル、バルーンなどの挿通路を確保することができる。
【0025】
(10)本発明の治療装置は、オープンステントグラフト術に使用されることが好ましい。オープンステントグラフト術では、管状器官の切開部位から患部までの距離(ステントの送達距離)が比較的短いので、デリバリシャフトの先端部およびステントを屈曲形状としたまま、ステントを容易に送達することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の管状器官の治療装置によれば、デリバリシャフトの先端部を塑性変形(シェイピング)することができるので、屈曲している管状器官の形状に沿った状態で縮径状態のステントを送達し、展開(拡張)し、管状器官の形状に沿った形状でステントを留置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の治療装置の一実施形態を模式的に示す説明図であり、図1Aは縦断面図、図1Bは、図1AのI−I断面図(横断面図)である。
【図2】図1に示した治療装置を用いてステントグラフトを留置する方法を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の治療装置の他の実施形態を模式的に示す説明図であり、図3Aは縦断面図、図3Bは、図3Aの III−III 断面図(横断面図)である。
【図4】本発明の治療装置の更に他の実施形態を模式的に示す説明図であり、図4Aは縦断面図、図4Bは、図4AのIV−IV断面図(横断面図)である。
【図5】従来の管状器官の治療具の一実施形態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態の管状器官の治療装置100は、大動脈に対するオープンステントグラフト術に使用される治療装置である。
この治療装置100は、デリバリシャフト10と、このデリバリシャフト10の先端部10aに縮径状態で搭載されているステントグラフト20と、このステントグラフト20を縮径状態で保持する(デリバリシャフト10の先端部10aに固定する)ために、このステントグラフト20を覆う軟質カバー30とを備え;デリバリシャフト10は、先端部10aと、この先端部10aより外径の大きい拡径部10bと、この拡径部10bと外径が同じ又は小さいが、先端部10aより外径の大きい中間部10cと、中間部10と外径が同じ又は大きい把持部(グリップ)10dとからなり、その略全長にわたり、金属材料からなる塑性変形性の芯材11と、この芯材11の表面を被覆する軟質樹脂からなる被覆層12とにより構成され;軟質カバー30は、筒状のチューブ材料を内側に折り返すことにより形成された内層30aと外層30bの二重構造を有し;縮径状態のステントグラフト20は、その先端部20aが軟質カバー30の折り返し部30d側に位置し、その後端部20bが拡径部10bに当接され、軟質カバー30の折り返し部30dと内層30aの基端部30cとの間に配置されている治療装置である。
【0029】
本実施形態の治療装置100を構成するデリバリシャフト10は、その先端部10aに搭載した縮径状態のステントグラフト20を目的部位(患部)まで送達し、展開(拡張)させて留置するための手段である。
デリバリシャフト10は、先端部10aと、拡径部10bと、中間部10cと、把持部10dとからなる。
【0030】
本実施形態の治療装置100は、これを構成するデリバリシャフト10が、その略全長にわたり、金属材料からなる塑性変形性の芯材11と、この芯材11の表面を被覆する軟質樹脂からなる被覆層12とにより構成されている点に特徴を有する。
【0031】
デリバリシャフト10の芯材11は、金属材料からなる中実の線材(ロッド)であり、塑性変形性を有する。
芯材11を構成する金属材料としては、ステンレス、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、ニッケルクロム合金、クロムモリブデン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、タンタル合金、ジルコニウム合金、金、白金、銅、金銀パラジウム合金などの金属および合金を挙げることができ、これらのうち、安定性、曲げ性、強度、加工や入手の容易さ、医療用途での実績などの観点からステンレスが好ましい。
【0032】
芯材11の有する「塑性変形性」とは、これを樹脂被覆してなるデリバリシャフト10の先端部10aを手指などの力で変形させたときに、変形後の形状を維持することができる性質をいい、この先端部10aとともに変形するステントグラフト20の復元力(直線状に戻ろうとする弾性力)に対しても、変形後の形状を維持することが要求される。
【0033】
このような塑性変形性を有する芯材11を樹脂被覆してデリバリシャフト10を構成することにより、デリバリシャフト10の先端部10aを所望の形状に塑性変形(シェイピング)することができる。これにより、縮径状態のステントグラフト20を、デリバリシャフト10の先端部10aとともに、大動脈の屈曲形状に沿った形状に変形させる(縮径状態のステントに対して、留置されたときの形状を予め付与しておく)ことができる。
また、金属材料からなる芯材11は剛性を有するので、デリバリシャフト10の先端部10a(芯材11)とともに変形したステントグラフト20は、目的部位に挿入する際にも、その屈曲形状を維持することができる。
この結果、大動脈の屈曲形状に沿った状態で縮径状態のステントグラフト20を展開し、この屈曲形状に沿った形状でステントグラフト20を留置することができる。
そして、展開(拡張)後のステントグラフト20は、大動脈の内壁に対する密着性が良好で、かつ、目的部位(患部)に対して正確に留置されるので、所期の治療効果(管腔の維持や動脈瘤内への血流の遮断)を確実に奏することができる。
【0034】
また、デリバリシャフト10の略全長にわたって芯材11が設けられていることにより、デリバリシャフトとしての剛性を十分に確保することができ、芯材11を有していない従来のシャフトと比較して操作性の向上を図ることができる。
【0035】
本実施形態の治療装置100を構成するデリバリシャフト10において、芯材11の表面は、両端部を含む全領域において軟質樹脂(被覆層12)によって被覆されている。
芯材11が軟質樹脂により被覆されることにより、芯材11が露出して血管内壁に直接接触することが回避されるので、血管内壁の損傷、及び金属材料と組織・体液との接触による腐食やアレルギーといった好ましくない事象を確実に防止することができる。
【0036】
被覆層12を構成する「軟質樹脂」の硬度としては、デュロメーター硬さ(タイプD)で40〜60であることが好ましく、更に好ましくは45〜55とされる。
被覆層12を構成する樹脂の硬度が過大である場合には、デリバリシャフト10の先端部10aをシェイピングすることが困難となったり、血管内壁と接触したときの当該内壁の損傷の防止効果を十分に発揮することができなかったりする。
本発明において、被覆層12を構成する「軟質樹脂」には、ゴム(エラストマー)も含まれるものとする。
【0037】
被覆層12を構成する軟質樹脂としては、芯材11によりデリバリシャフト10に付与される塑性変形性を損なわない樹脂材料またはゴム材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、PTFEなどのフッ素系樹脂、軟質塩化ビニル、ポリウレタン、カプトンなどを挙げることができ、これらのうち、化学的に安定で耐久性に優れ、組織反応が少なく、柔軟で、表面の摩擦抵抗が少ないこと、及び熱等による加工が容易である等の点でポリオレフィン、フッ素系樹脂が好ましい。
なお、被覆層12の一部に硬質樹脂が含有されていてもよく、金属が併用されていてもよい。ここに、金属が併用される態様としては、金属ブレードを有する被覆層を挙げることができる。
【0038】
デリバリシャフト10の全長としては、通常300〜900mmとされ、好ましくは400〜800mm、更に好ましくは450〜600mm、好適な一例を示せば570mmである。
【0039】
デリバリシャフト10の先端部10aの長さは、搭載されるステントグラフト20の長さに応じて適宜設定され、通常20〜200mmとされ、好ましくは25〜150mm、更に好ましくは30〜120mmとされる。
先端部10aの外径は、通常1.0〜8.0mmとされ、好ましくは1.5〜6.0mm、好適な一例を示せば2.6mmである。
【0040】
デリバリシャフト10を構成する芯材11の外径は、通常0.5〜3mmとされ、好ましくは1〜2mm、好適な一例を示せば1.6mmである。
また、先端部10a(芯材11および被覆層12)の外径に対する芯材11の外径の比率は、0.05〜0.95であることが好ましく、更に好ましくは0.3〜0.8とされ、好適な一例を示せば0.6(=1.6mm/2.6mm)である。
この比率が過小である場合には、芯材11の外径が相対的に過小となり、先端部10aをシェイピングすることが困難となる。一方、この比率が過大である場合には、芯材11の外径が相対的に過大となり、芯材11を十分に被覆することができず、デリバリシャフト10が血管内壁と接触したときの内壁損傷の防止効果を十分に発揮することができない。
【0041】
デリバリシャフト10の拡径部10bは、目的部位に送達させたステントグラフト20が、軟質カバー30を引き抜く際に基端方向に移動することを防止するためのストッパーとして作用する。
従って、デリバリシャフト10の拡径部10bの外径は、縮径状態のステントグラフト20の径に応じて適宜設定され、通常3〜15mmとされ、好ましくは5〜10mm、好適な一例を示せば8mmである。
なお、デリバリシャフト10の拡径部10bは、先端部10aとの間に段差を形成するが、中間部10cとの間には必ずしも段差が形成されていなくてもよく、中間部10cとほぼ等しい径を有していてもよい。また、デリバリシャフトの拡径部は、テーパー状に形成されて中間部と連続していてもよい。更に、拡径部は、先端部側に張り出した漏斗状になっていてもよい。
【0042】
デリバリシャフト10の中間部10cの長さは、通常200〜600mmとされ、好ましくは250〜550mm、更に好ましくは300〜500mm、好適な一例を示せば350mmである。
中間部10cの外径は、通常2〜10mmとされ、好ましくは3〜8mm、好適な一例を示せば5.0mmである。
【0043】
デリバリシャフト10の把持部10dの長さは、通常50〜200mmとされ、好ましくは60〜180mm、更に好ましくは80〜150mm、好適な一例を示せば100mmである。
把持部10dの外径は、通常3〜30mmとされ、好ましくは5〜15mm、好適な一例を示せば10mmである。
【0044】
本実施形態の治療装置100を構成するステントグラフト20は、デリバリシャフト10の先端部10aに縮径状態で搭載されている。
なお、この実施形態の治療装置を示す図1において、ステントグラフト20を構成するカバー(グラフト)の図示は省略し、金属部分のみ模式的に図示している。図2〜図4においても同様である。
【0045】
ステントグラフト20としては、縮径状態で保持することができる自己拡張型のステントであればどのような構造のものであってもよく、ジグザグ状の線材からなる筒状構造体、1または複数の線材の編物、織物または組物、あるいはこれらを複数組み合わせた筒状の構造体、金属製の板状または筒状の構造体をレーザー加工などで加工した筒状構造体などを例示することができる。
ステントグラフト20を構成する線材および金属製の筒状の構造体の材料としては、ステンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンなど、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などの形状記憶合金などの金属線材などを用いることができ、これらの表面に金、白金などをメッキなどの手段で被覆したものであってもよい。
ステントグラフト20を構成する線材の径は特に限定されないが、0.08〜1mmであることが好ましい。
ステントグラフト20を構成する金属製の筒状の構造体の厚さは特に限定されないが、0.08〜1mmであることが好ましい。
ステントグラフト20を構成する線材および金属性の筒状の構造体の材料が、中空のパイプ状となっていてもよい。また、その内部に金、白金などの放射線の透過しにくい金属が充填されていてもよい。
【0046】
ステントグラフト20を構成する図示しないカバー(グラフト)としては、熱可塑性樹脂を押出し成形、ブロー成形などの成形方法で円筒状に形成したもの、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の繊維の編織物、円筒状に形成した熱可塑性樹脂の不織布、円筒状に形成した可擁性樹脂のシートや多孔質シートなどを用いることができる。
ステントグラフト20を構成するカバーの材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフイン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエテレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化エチレンやポリフッ化プロピレンなどのフッ素樹脂、シリコーン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0047】
この実施形態の治療装置100を構成する軟質カバー30は、デリバリシャフト10の先端部10aに搭載されたステントグラフト20を縮径状態で保持する手段である。
軟質カバー30は、チューブ部材を折り返すことによって形成され、内層30aと外層30bとが折り返し部30dで繋がっている二重構造のカバーである。
軟質カバー30の外層30bにおける基端部30eには、リング45が接続されている。
デリバリシャフト10の先端部10aに搭載された縮径状態のステントグラフト20は、その先端部20aが軟質カバー30の折り返し部30d側に位置し、その後端部20bが内層30aの基端部30c側に位置するように配置されている。
【0048】
軟質カバー30を得るために使用するチューブ部材には、縮径状態のステントグラフト20を挿入して収容することができ、縮径状態で収容されているステントグラフト20によって破れない程度の強度と、折り返すことのできる程度の柔軟性を有していることが要求される。また、軟質カバー30の外層30bの内面と、内層30aの外面との摩擦抵抗が、軟質カバー30の内層30aの内面と、縮径状態のステントグラフト20との摩擦抵抗より十分に小さいことが重要である。
【0049】
チューブ部材の厚みは、取り扱い可能で、管状器官に挿入可能で、適度な機械的特性を有するものであれば良く、好ましくはその単層での厚さが5〜1000μm、さらに好ましくは8〜800μm、特に好ましくは10〜500μmの物を用いることができる。
チューブ部材は、円筒状または円筒に近い形状であればよく、例えば、織物などの布、フィルムまたはシート、メッシュを円筒状または円筒に近い形状にしたものを用いることができる。
織物などの布、フィルムまたはシート、メッシュを円筒状または円筒に近い形状にするためには、これらを接着や熱融着などの方法により貼り合わせたり、縫い合わせたりすればよい。
【0050】
チューブ部材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフイン共重合体などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化エチレン、ポリフッ化プロピレンなどのフッ素系樹脂、シリコーン樹脂などの熱可塑性樹脂を挙げることができる。
これらのうち、化学的に安定で耐久性に優れ、組織反応が少なく、柔軟で、表面の摩擦抵抗が小さいことから、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリフッ化エチレンやポリフッ化プロピレンなどのフッ素樹脂、ポリエチレン、エチレン−α−オレフイン共重合体などが好ましい。
チューブ部材は、メッシュもしくは織物か、あるいはエンボス加工のような、表面に凹凸を有する構造であることが好ましい。エンボスの形状としては、格子模様、紋(梨地)模様、台形模様、絹目模様、凹凸状、いずれであってもよい。
【0051】
軟質カバー30の内層30aの内径は、縮径状態のステントグラフト20を収容することができ、展開(拡張)後のステントグラフト20の外径より小さい径である。
軟質カバー30の内層30aの長さは、ステントグラフト20の全体を収容できる長さであり、ステントグラフト20の長さより長いことが好ましい。
【0052】
この実施形態の治療装置100において、外層30bの基端部30eに接続されているリング45を基端方向に引っ張ることにより、軟質カバー30は、その内層30aが捲られるようにしてステントグラフト20から取り去られ、ステントグラフト20は、その先端側より次第に拡張することができる。
【0053】
以下、本実施形態の治療装置を用いたオープンステントグラフト術により、屈曲形状の大動脈の患部に対してステントグラフトを留置する方法について説明する。
【0054】
(1)先ず、ステントグラフト20が搭載されているデリバリシャフト10の先端部10aを、患部を含む大動脈の屈曲形状に沿った形状にシェイピングする。
なお、硬質の筒状体(シース)などと異なり、柔軟性が良好である軟質カバー30は、デリバリシャフト10の先端部10aの形状変化に容易に追従することができる。
【0055】
(2)次に、患部近傍の大動脈を切開し、そこからステントグラフト20を患部に挿入する。図2Aは、デリバリシャフト10の先端部10aに搭載されたステントグラフト20が、大動脈90における患部91に送達された状態を示す。同図に示すように、患部91に送達されたステントグラフト20は、大動脈90の屈曲形状に沿った形状(シェイピングによって付与した形状)を維持している。
【0056】
(3)次に、図2Bに示すように、軟質カバー30の外層30bの基端部30eに接続されているリング45を基端方向に引っ張る。これにより、内層30aが捲られるようにして、軟質カバー30がステントグラフト20から取り去られる(これに伴って折り返し部が基端方向に移動する。)。そして、縮径状態であったステントグラフト20のうち、軟質カバー30が取り去られた部分(同図に示す新たな折り返し部30d’より先端側の部分)は拡張する。
【0057】
(4)図2Cに示すように、リング45を基端方向に更に引っ張ることにより、内層30aが捲られるようにして、軟質カバー30がステントグラフト20から取り去られ、軟質カバー30が取り去られたステントグラフト20の一部(同図に示す新たな折り返し部30d”より先端側の部分)は拡張する。
【0058】
図2A〜図2Cに示したように、軟質カバー30を取り去るために、リング45(外層30b)を基端方向に引っ張っても、内層30aの基端部30cの位置は殆ど変化しない。これは、内層30aの外面と外層30bの内面との摩擦抵抗が、内層30aの内面と縮径状態のステントグラフト20との摩擦抵抗よりも小さいためである。
【0059】
また、リング45(外層30b)を基端方向に引っ張る際には、ステントグラフト20も基端方向の力を受けるが、ステントグラフト20の後端がデリバリシャフト10の拡径部10bに当接されて基端方向への移動が抑止されるので、ステントグラフト20が基端方向に移動すること(位置ずれ)を確実に防止することができる。
【0060】
(5)リング45を基端方向に更に引っ張って、ステントグラフト20を覆っていた軟質カバー30を完全に取り去るとともに、デリバリシャフト10を引き抜くことにより、図2Dに示すように、ステントグラフト20は全長にわたって拡張し、大動脈90における患部91に留置される。
【0061】
本実施形態の治療装置100によれば、デリバリシャフト10の先端部10aをシェイピングすることができるので、屈曲している大動脈の形状に沿った状態で縮径状態のステントグラフト20を送達し、展開(拡張)し、大動脈の形状に沿った形状でステントグラフト20を目的部位に留置することができる。
【0062】
<第2実施形態>
図3に示す本実施形態の管状器官の治療装置200は、大動脈に対するオープンステントグラフト術に使用される治療装置である。
図3において、第1実施形態と同一または対応する構成要素には同一の符号を用いている。
【0063】
本実施形態の治療装置200を構成するデリバリシャフト15は、その先端部15aに搭載した縮径状態のステントグラフト20を目的部位(患部)まで送達し、展開(拡張)させて留置する手段であり、このデリバリシャフト15は、先端部15aと、拡径部15bと、中間部15cと、把持部15dとからなる。
【0064】
本実施形態の治療装置200は、これを構成するデリバリシャフト15が、その全長にわたり、金属材料からなる塑性変形性の筒状芯材16と、この筒状芯材16の表面を被覆する被覆層12とにより構成されている点に特徴を有する。
【0065】
デリバリシャフト15の筒状芯材16は、金属材料からなる中空の筒材(パイプ)であり、塑性変形性を有する。
また、筒状芯材16は、デリバリシャフト15の先端および後端において開口しており、筒状芯材16の内孔により、デリバリシャフト15のルーメンが区画形成されている。 筒状芯材16を構成する金属材料としては、第1実施形態において芯材11を構成するものとして例示した金属および合金を挙げることができる。
【0066】
筒状芯材16の有する「塑性変形性」とは、これを樹脂被覆してなるデリバリシャフト15の先端部15aを手指などの力で変形させたときに、変形後の形状を維持することができる性質をいい、この先端部15aとともに変形するステントグラフト20の復元力に対しても、変形後の形状を維持することが要求される。
【0067】
このような塑性変形性を有する筒状芯材16を樹脂被覆してデリバリシャフト15を構成することにより、デリバリシャフト15の先端部15aを所望の形状に塑性変形(シェイピング)することができる。これにより、デリバリシャフト15の先端部15aとともに、縮径状態のステントグラフト20を、大動脈の屈曲形状に沿った形状に変形させることができる。
また、金属材料からなる筒状芯材16は剛性を有するので、デリバリシャフト15の先端部15aとともに変形したステントグラフト20は、目的部位に挿入する際にも、その屈曲形状を維持することができる。
この結果、大動脈の屈曲形状に沿った状態で縮径状態のステントグラフト20を展開し、この屈曲形状に沿った形状でステントグラフト20を留置することができる。
そして、展開(拡張)後のステントグラフト20は、大動脈の内壁に対する密着性が良好で、かつ、目的部位(患部)に対して正確に留置されるので、所期の治療効果(管腔の維持や動脈瘤内への血流の遮断)を確実に奏することができる。
【0068】
また、デリバリシャフト15の略全長にわたって筒状芯材16が設けられていることにより、デリバリシャフトとしての剛性を十分に確保することができ、筒状芯材16を有していない従来のシャフトと比較して操作性の向上を図ることができる。
【0069】
更に、デリバリシャフト15には、筒状芯材16の内孔を利用したルーメンが形成されているので、ステントグラフト20の送達前後において、このルーメンに、ガイドワイヤ、細径のカテーテル、バルーンなどを挿通することができる。
なお、デリバリシャフト15のルーメン(ガイドワイヤなどの挿通路)として筒状芯材16の内孔を利用する場合には、ガイドワイヤなどの挿通時における金属磨耗粉の発生を防止するなどの観点から、筒状芯材16の内周面を樹脂被覆してもよい。
【0070】
デリバリシャフト15の全長、先端部15aの長さおよび外径、拡径部15bの外径、中間部15cの長さおよび外径、把持部15dの長さおよび外径は、第1実施形態の治療装置を構成するデリバリシャフト10と同様である。
【0071】
デリバリシャフト15を構成する筒状芯材16の外径は、通常0.5〜3mmとされ、好ましくは1〜2mm、好適な一例を示せば1.6mmである。
筒状芯材16の外径が過小である場合には、先端部15aをシェイピングすることが困難となる。一方、筒状芯材16の外径が過大である場合には、軟質樹脂によって筒状芯材16を十分に被覆することができず、デリバリシャフト16が血管内壁と接触したときの内壁損傷の防止効果を十分に発揮することができない。
【0072】
また、筒状芯材16の内径は、通常0.3〜2.4mmとされ、好ましくは0.5〜2mm、好適な一例を示せば1.8mmである。
筒状芯材16の内径が過小である場合には、デリバリシャフトのルーメン(ガイドワイヤなどの挿通路)としての機能を十分に果たすことができない。一方、筒状芯材16の内径が過大である場合には、筒状芯材16の肉厚、延いては筒状芯材16の剛性を確保することができず、シェイピングによる形状を十分に維持することができないことがある。
【0073】
<第3実施形態>
図4に示す本実施形態の管状器官の治療装置300は、大動脈に対するオープンステントグラフト術に使用される治療装置である。図4において第1実施形態と同一または対応する構成要素には同一の符号を用いている。
【0074】
本実施形態の治療装置300は、デリバリシャフト10を構成する被覆層12の内部に、デリバリシャフト10の先端および後端において開口するルーメン14が形成されていること以外は、第1実施形態に係る治療装置100と同様の構成であり、ステントグラフト20の送達前後において、このルーメン14に、ガイドワイヤ、細径のカテーテル、バルーンなどを挿通することができる。
【0075】
デリバリシャフト10に形成されたルーメン14の内径は、通常0.3〜2.4mmとされ、好ましくは0.5〜2mm、好適な一例を示せば1.8mmである。
ルーメンの内径が過小である場合には、ガイドワイヤなどの挿通路としての機能を十分に果たすことができない。一方、この内径が過大である場合には、ルーメンを取り囲む軟質樹脂の肉厚を十分に確保することができない場合がある。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
例えば、デリバリシャフトの先端部にステントグラフトを縮径状態で保持する手段として、軟質カバーに代えてロープやワイヤなどを使用してもよい。また、そのような保持手段を備えていない治療装置も、本発明の範囲に包含される。
また、デリバリシャフトの先端部と中間部との段差によって、ステントグラフト20の基端方向への移動を防止できるのであれば、先端部と中間部との間に拡径部を有しなくてもよい。
【符号の説明】
【0077】
100 治療装置
10 デリバリシャフト
10a 先端部
10b 拡径部
10c 中間部
10d 把持部
11 芯材
12 被覆層
20 ステントグラフト
20a ステントグラフトの先端部
20b ステントグラフトの後端部
30 軟質カバー
30a 内層
30b 外層
30c 内層の基端部
30d 折り返し部
30e 外層の基端部
45 リング
200 治療装置
15 デリバリシャフト
15a 先端部
15b 拡径部
15c 中間部
15d 把持部
16 筒状芯材
300 治療装置
14 ルーメン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デリバリシャフトの先端部に縮径状態のステントが搭載されてなる管状器官の治療装置であって、
前記デリバリシャフトの少なくとも先端部は、金属材料からなる塑性変形性の芯材と、この芯材の表面を被覆する軟質樹脂からなる被覆層とにより構成されていることを特徴とする管状器官の治療装置。
【請求項2】
前記デリバリシャフトは、その略全長にわたり、前記芯材と、前記被覆層とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の管状器官の治療装置。
【請求項3】
前記デリバリシャフトの先端部に搭載された前記ステントを縮径状態で保持する手段を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の管状器官の治療装置。
【請求項4】
前記ステントを縮径状態で保持する手段が、当該ステントを覆う軟質カバーであることを特徴とする請求項3に記載の管状器官の治療装置。
【請求項5】
前記軟質カバーは、筒状のチューブ材料を内側に折り返すことにより形成された内層と外層とを有し、
前記縮径状態のステントは、その先端部が前記軟質カバーの折り返し部側に位置し、前記軟質カバーの折り返し部と内層の基端部との間に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の管状器官の治療装置。
【請求項6】
前記デリバリシャフトには、前記ステントの後端が当接する段差部および/または拡径部が形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載の管状器官の治療装置。
【請求項7】
前記デリバリシャフトに少なくとも1つのルーメンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の管状器官の治療装置。
【請求項8】
前記デリバリシャフトを構成する芯材が筒状であり、この芯材の内孔によりルーメンが形成されていることを特徴とする請求項7に記載の管状器官の治療装置。
【請求項9】
前記デリバリシャフトを構成する被覆層内にルーメンが形成されていることを特徴とする請求項7に記載の管状器官の治療装置。
【請求項10】
オープンステントグラフト術に使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の管状器官の治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−48778(P2013−48778A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188945(P2011−188945)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(394023241)JUNKEN MEDICAL株式会社 (13)
【Fターム(参考)】