説明

管理システム、ゲーム装置、管理装置およびプログラム

【課題】クレジット管理の安全性の確保と認証に必要な構成や手続の簡素化とを両立する。
【解決手段】管理装置30は、識別情報UID_INと生体情報BID_INとを利用した第1認証の結果を取得する第1認証部321と、識別情報PID_INを利用した第2認証の結果を取得する第2認証部322と、双方の認証が肯定された場合に識別情報UID_INと識別情報PID_INとを関連付けて管理記憶部342に記憶させる管理部324とを具備する。ゲーム装置26は、使用クレジット数CBを記憶する貯留部542と、識別情報PID_INの入力を受付ける受付部562と、識別情報PID_INが認証済情報Aとして管理記憶部342に記憶されているか否かを管理部324に照会する照会部62と、照会の結果が肯定である場合に、記憶装置14の保有クレジット数CAと貯留部542の使用クレジット数CBとの間のクレジットの移行を許可する許可部64とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置にて使用されるクレジットを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が保有するクレジットの総数(保有クレジット数)と利用者の識別情報とを対応付けて記憶するデータベースをゲーム装置におけるクレジットの管理に利用する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、利用者のICカードからゲーム装置に識別情報を転送し、この識別情報に対応してデータベースに記憶された保有クレジット数を、利用者からの指示に応じて増減させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−29513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術のもとでは、識別情報をゲーム装置に転送することで保有クレジット数の増減が許可されるから、クレジット管理の安全性を充分に確保することが困難であるという問題がある。例えば、他人のICカードを拾得した第三者がICカードの識別情報をゲーム装置に読取らせれば、正規の利用者の保有クレジット数を利用してゲームを実行することが可能である。
【0005】
生体情報を利用した認証をゲームの実行時に実施する構成も想定されるが、生体情報を取得する機器(例えば指紋センサや静脈センサ)を多数のゲーム装置の各々に設置する必要があるため、費用の観点から現実的ではない。また、クレジットの増減(預入や引出)のたびに生体認証のための煩雑な作業(例えば静脈センサに手をかざす動作)が必要となるから、利用者の利便性が損なわれるという問題もある。以上の事情を考慮して、本発明は、クレジット管理の安全性の確保と認証に必要な構成や手続の簡素化との両立を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0007】
本発明の管理システム(100)は、管理装置(30)と複数のゲーム装置(26)とを含み、管理装置(30)は、第1識別情報(UID_IN)を受付ける受付部(362)と、利用者の生体的な特徴を示す生体情報(BID_IN)を生成する生成部(364)と、第1識別情報(UID_IN)と生体情報(BID_IN)とを利用した第1認証の結果を取得する第1認証部(321)と、第2識別情報(PID_IN,RID)を取得する取得部(366)と、第2識別情報(PID_IN,RID)を利用した第2認証の結果を取得する第2認証部(322)と、第1認証および第2認証の双方の結果が肯定である場合に第1識別情報(UID_IN)と第2識別情報(PID_IN,RID)とを関連付けて認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶させる管理部(324)とを具備し、複数のゲーム装置(26)の各々は、当該ゲーム装置(26)でのクレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数(CB)を記憶する貯留部(542)と、確認用識別情報(PID_IN,RID)を取得する端末側取得部(562)と、確認用識別情報(PID_IN,RID)に一致する第2識別情報(PID_IN,RID)が認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶されているか否かを管理部(324)に照会する照会部(62)と、照会の結果が肯定である場合に、貯留部(542)に記憶された第1クレジット数(CB)と第1識別情報(UID)に対応付けて記憶装置(14)に記憶された第2クレジット数(CA)との一方から他方に対するクレジットの移行を許可する許可部(64)とを具備する。
【0008】
以上の構成においては、ゲーム装置(26)の端末側取得部(562)が取得した確認用識別情報(PID_IN,RID)が認証済情報(A)として管理装置(30)の管理記憶部(342)に記憶されているか否かに応じてクレジット移行の許否が決定される。したがって、生体情報(BID_IN)を利用した第1認証をゲーム装置(26)にて実施する必要はない。他方、ゲーム装置(26)でのクレジット移行が許可されるには(第2識別情報(PID_IN,RID)と第1識別情報(UID_IN)とを関連付けて管理記憶部(342)に記憶するためには)、管理装置(30)での第1認証(生体認証)が必要であるから、クレジット管理の安全性は確保される。すなわち、クレジット管理の安全性の確保と認証に必要な構成や手続の簡素化とを両立することが可能である。
【0009】
「クレジット」とは、ゲームで使用(消費または付与)される価値の数量(仮想的な貨幣)を意味し、典型的には、遊技媒体に対する交換価値を有する数値(遊技価値)に相当する。例えば、遊技媒体の投入やゲーム中のイベントでの獲得によりクレジットは増加し、ゲームの開始時の消費や遊技媒体の払出やゲーム中のイベントでの使用によりクレジットは減少する。「遊技媒体」とは、ゲームに関して価値を有する総ての要素を包括する概念である。具体的には、利用者がゲームに参加するために必要な媒体や、ゲームの結果に応じた特典として利用者に付与される媒体が遊技媒体に相当する。例えば、メダル(コイン)やトークン(代用硬貨(token coin))や硬貨やチケット等の有体物が遊技媒体に該当する。
【0010】
受付部(362)は、第1識別情報(UID_IN)を取得する総ての手段を包含する。例えば、第1識別情報(UID_IN)を電気的または磁気的に記録する記録媒体から第1識別情報(UID_IN)を読取る読取器や、読取面に印刷された第1識別情報(UID_IN)を光学的に読取る読取器、利用者が操作して第1識別情報(UID_IN)を入力する入力機器が受付部(362)の概念に包含される。
【0011】
第2識別情報(PID_IN,RID)の典型例は、利用者から直接的に受付けた識別情報(例えば、ゲーム装置(26)に適用されるセーブデータの識別に利用されるゲームカードの識別情報(PID_IN))や、利用者から受付けた識別情報(PID_IN)に対応して管理される識別情報(RID)である。すなわち、本発明の「取得部」は、利用者から第2識別情報(PID_IN)を受付ける受付部(366)のほか、利用者から受付けた識別情報(PID_IN)に対応する第2識別情報(RID)を取得する要素(例えば、両者の対応を管理するサーバ装置から第2識別情報(RID)を取得する要素)も包含する概念である。「第2識別情報(PID_IN,RID)を受付ける受付部(366)」は、第2識別情報(PID_IN,RID)を受付ける総ての手段を包含する概念であり、例えば、第2識別情報(PID_IN,RID)を直接的に入力する要素(例えば入力機器や読取器)のほか、事前に登録された第2識別情報(PID_IN,RID)の有効/無効を利用者に選択させる要素も包含する概念である。「端末側取得部」も同様に、利用者から確認用識別情報(PID_IN)を受付ける受付部(562)のほか、利用者から受付けた識別情報(PID_IN)に対応する確認用識別情報(RID)を取得する要素(例えば両者の対応を管理するサーバ装置から確認用識別情報(RID)を取得する要素)を包含する。
【0012】
第1認証の結果を取得する第1認証部(321)は、外部で実行された第1認証の結果を取得する手段と、自身が第1認証を実行して結果を取得する手段との双方を包含する概念である。第2認証部(322)についても同様に、第2認証を実行する主体が第2認証部(322)であるのか他の要素であるのかは不問である。
【0013】
「第2クレジット数(CA)と第1クレジット数(CB)との一方から他方に対するクレジットの移行」には、第1クレジット数(CB)から第2クレジット数(CA)に対する片方向のクレジットの移行(預入)と、第2クレジット数(CA)から第1クレジット数(CB)に対する片方向のクレジットの移行(引出)と、第1クレジット数(CB)と第2クレジット数(CA)との間の双方向のクレジットの移行との3種類の態様が含まれる。したがって、片方向のクレジットの移行のみを許可部(64)が許可する構成も本発明の範囲に包含される。また、移行されるクレジットは、第1クレジット数(CB)または第2クレジット数(CA)の全部でも一部でもよい。
【0014】
本発明の好適な態様において、管理部(324)は、相異なる複数の第2識別情報(PID_IN,RID)と第1識別情報(UID_IN)とを関連付けて認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶させる。以上の態様においては、複数の第2識別情報(PID_IN,RID)が第1識別情報(UID_IN)に関連付けられるから、管理装置(30)にて第1認証を受けた利用者は、複数の第2識別情報(PID_IN,RID)をゲーム装置(26)にて使用することが可能である。例えば、ゲーム装置(26)が提供するゲームの種類毎に相異なる第2識別情報(PID_IN,RID)が利用者に付与された環境において、利用者は、相異なる種類のゲーム毎に個別に第1認証を受けることなく、当該ゲームに対応する第2識別情報(PID_IN,RID)を利用してゲームを実行することが可能となる。
【0015】
本発明の好適な態様において、複数のゲーム装置(26)の各々は、確認用識別情報(PID_IN,RID)を利用した端末側認証の結果を取得する端末側認証部(524)を具備し、照会部(62)は、端末側認証の結果が肯定である場合に、確認用識別情報(PID_IN,RID)に一致する第2識別情報(PID_IN,RID)が認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶されているか否かを管理部(324)に照会する。以上の態様においては、端末側取得部(562)が取得した確認用識別情報(PID_IN,RID)を利用した端末側認証の結果が肯定である場合に照会部(62)による照会が実行されるから、確認用識別情報(PID_IN,RID)の適否(端末側認証の結果)に関わらず照会部(62)による照会を実行する構成と比較して、管理部(324)の処理の負荷が軽減されるという利点がある。さらに好適な態様において、複数のゲーム装置(26)の各々は、パスワード(PWD_IN)の入力を受付けるパスワード受付部(564)を具備し、端末側認証部(524)は、確認用識別情報(PID_IN,RID)とパスワード(PWD_IN)とを利用した端末側認証の結果を取得する。以上の態様によれば、端末側認証にパスワード(PWD_IN)が必要となるから、確認用識別情報(PID_IN,RID)を知得した第三者(例えば、確認用識別情報(PID_IN,RID)を記録した記録媒体の拾得者)によるクレジットの移行を防止できるという利点がある。パスワード(PWD_IN)は、例えば文字や数字の配列である。なお、端末側認証部(524)は、前述の第1認証部(321)や第2認証部(322)と同様に、外部で実行された端末側認証の結果を取得する手段と、自身が端末側認証を実行して結果を取得する手段との双方を包含する概念である。
【0016】
本発明の好適な態様において、管理装置(30)は、パスワード(PWD_IN)の入力を受付けるパスワード受付部(368)を具備し、第2認証部(322)は、第2識別情報(PID_IN,RID)とパスワード(PWD_IN)とを利用した第2認証の結果を取得する。以上の態様においては、管理装置(30)での第2認証にパスワード(PWD_IN)が必要となるから、第2識別情報(PID_IN,RID)のみを第2認証に利用する構成と比較して認証の確実性を高めることが可能である。
【0017】
本発明の好適な態様において、管理部(324)は、所定の条件の成立を契機として管理記憶部(342)の認証済情報(A)を無効とする。以上の態様においては、所定の条件の成立を契機として認証済情報(A)が無効となるから、認証済情報(A)の長期間にわたり有効に維持される構成と比較してクレジット管理の安全性を高めることが可能である。例えば、所定の条件が成立することで認証済情報(A)が無効化されれば、第2識別情報(PID_IN,RID)を知得した第三者がクレジット移行を実行する(正規の利用者になりすます)ことが防止される。
【0018】
なお、「認証済情報を無効とする」とは、認証済情報(A)を参照できない状態とすることを意味する。例えば、認証済情報(A)の消去が認証済情報(A)の無効化の典型例であるが、認証済情報(A)の無効化のための具体的な処理は任意である。例えば、認証済情報(A)に付加されたフラグを有効から無効に変化させる処理も認証済情報(A)の無効化の概念に包含される。もっとも、管理部(324)による処理(例えばフラグの設定)の負荷を軽減するという観点からすると、認証済情報(A)を消去する構成が格別に好適である。
【0019】
なお、認証済情報(A)を無効化する契機となる条件は任意であるが、例えば、所定の時刻の到来を契機として管理部(324)が認証済情報(A)を無効とする構成や、認証済情報(A)毎に設定された有効期間の満了を契機として認証済情報(A)を無効とする構成が採用され得る。前者の構成によれば、後者の構成と比較して管理部(324)の負荷が軽減されるという利点がある。他方、後者の構成によれば、認証済情報(A)毎に有効期間が設定されるから、例えば認証済情報(A)の生成の時刻に関わらず所定の時間にわたって認証済情報(A)を有効とすることが可能である。
【0020】
本発明の好適な態様において、複数のゲーム装置(26)の各々は、第1クレジット数(CB)から第2クレジット数(CA)に対するクレジットの移行(預入)を指示する預入操作部(582)と、第2クレジット数(CA)から第1クレジット数(CB)に対するクレジットの移行(引出)を指示する引出操作部(584)との少なくとも一方を含む操作部(58)を具備し、操作部(58)は、許可部(64)がクレジットの移行を許可した場合に操作可能となる。以上の態様においては、クレジットの移行が許可された場合に操作部(58)が操作可能となるから、許可部(64)がクレジットの移行を許可しない場合には利用者からの操作を受付ける処理が不要である。したがって、ゲーム装置(26)の処理の負荷が軽減されるという利点がある。なお、操作部の操作の可否を制御する方法としては、操作部に対する操作の受付の有効/無効を制御する方法や、タッチパネル機能付の表示装置で操作を受付ける構成のもとで画面上の操作部の表示(有効)/非表示(無効)を制御する方法が例示される。
【0021】
本発明の好適な態様において、管理部(324)は、生体情報(BID_IN,BID)を認証済情報(A)に含ませて管理記憶部(342)に記憶させ、クレジットの移行がゲーム装置(26)から指示された場合に、第1識別情報(UID)と生体情報(BID)と第2クレジット数(CA)とを対応付けて記憶する記憶装置(14)を管理するサーバ装置(12)に対し、認証済情報(A)の第1識別情報(UID_IN)と生体情報(BID_IN,BID)とを送信する。以上の態様においては、クレジットの移行が指示された場合に管理装置(30)からサーバ装置(12)に第1識別情報(UID_IN)と生体情報(BID_IN,BID)とが送信されるから、クレジットの移行に際してサーバ装置(12)にて第1識別情報(UID_IN)と生体情報(BID_IN,BID)とを利用した認証を実行することが可能である。したがって、管理装置(30)からサーバ装置(12)に第1識別情報(UID_IN)のみを送信してクレジットを移行する構成と比較して、クレジット管理の安全性を高めることが可能である。また、管理部(324)からサーバ装置(12)に対して第1識別情報(UID_IN)と生体情報(BID_IN,BID)とが送信されるから、例えば第1識別情報(UID_IN)と生体情報(BID_IN)とを利用した認証を要件として遊技媒体(例えばメダル)の払出や預入を実行する装置(例えばメダル処理装置(16))に関するサーバ装置(12)の処理と、管理装置(30)に対するサーバ装置(12)の処理とを共通化することが可能である。したがって、サーバ装置(12)がクレジットを管理するシステムに管理装置(30)を容易に導入できるという利点がある。
【0022】
他の態様において、管理部(324)は、特定情報(α)を認証済情報(A)に含ませて管理記憶部(342)に記憶させ、クレジットの移行がゲーム装置(26)から指示された場合に、第1識別情報(UID)と特定情報(α)と第2クレジット数(CA)とを対応付けて記憶する記憶装置(14)を管理するサーバ装置(12)に対し、認証済情報(A)の第1識別情報(UID_IN)と特定情報(α)とを送信する。以上の態様においては、クレジットの移行が指示された場合に管理装置(30)からサーバ装置(12)に第1識別情報(UID_IN)と特定情報(α)とが送信されるから、クレジットの移行に際してサーバ装置(12)にて第1識別情報(UID_IN)と特定情報(α)とを利用した認証を実行することが可能である。したがって、管理装置(30)からサーバ装置(12)に第1識別情報(UID_IN)のみを送信してクレジットを移行する構成と比較して、クレジット管理の安全性を高めることが可能である。特定情報(α)の典型例は、任意の方法で採用されるワンタイムパスワードである。なお、特定情報(α)を生成する主体は任意である。例えば、サーバ装置(12)が生成した特定情報(α)が管理部(324)に通知されて認証済情報(A)に含められる構成や、管理部(324)が生成した特定情報(α)がサーバ装置(12)に通知されて第1識別情報(UID)および第2クレジット数(CA)とともに記憶装置(14)に記憶される構成が採用され得る。
【0023】
本発明は、前述の各態様に係る管理システム(100)に利用されるゲーム装置(26)としても特定される。本発明に係るゲーム装置(26)は、管理装置(30)に入力された第1識別情報(UID_IN)および生体情報(BID_IN)を利用した第1認証の結果と、管理装置(30)が取得した第2識別情報(PID_IN,RID)を利用した第2認証の結果とが肯定である場合に、第1識別情報(UID_IN)と第2識別情報(PID_IN,RID)とを関連付けて認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶する管理部(324)を具備する管理装置(30)と通信するゲーム装置(26)であって、当該ゲーム装置(26)でのクレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数(CB)を記憶する貯留部(542)と、確認用識別情報(PID_IN,RID)を取得する端末側取得部(562)と、確認用識別情報(PID_IN,RID)に一致する第2識別情報(PID_IN,RID)が認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶されているか否かを管理部(324)に照会する照会部(62)と、照会の結果が肯定である場合に、貯留部(542)に記憶された第1クレジット数(CB)と第1識別情報(UID)に対応付けて記憶装置(14)に記憶された第2クレジット数(CA)との一方から他方に対するクレジットの移行を許可する許可部(64)とを具備する。以上のゲーム装置(26)によれば、本発明の管理システム(100)と同様の効果が実現される。
【0024】
また、本発明は、前述の各態様に係る管理システム(100)に利用される管理装置(30)としても特定される。本発明に係る管理装置(30)は、第1識別情報(UID_IN)を受付ける受付部(362)と、利用者の生体的な特徴を示す生体情報(BID_IN)を生成する生成部(364)と、第1識別情報(UID_IN)と生体情報(BID_IN)とを利用した第1認証の結果を取得する第1認証部(321)と、第2識別情報(PID_IN,RID)を取得する取得部(366)と、第2識別情報(PID_IN,RID)を利用した第2認証の結果を取得する第2認証部(322)と、第1認証および第2認証の双方の結果が肯定である場合に第1識別情報(UID_IN)と第2識別情報(PID_IN,RID)とを関連付けて認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶させる管理部(324)とを具備し、管理部(324)は、確認用識別情報(PID_IN,RID)に一致する第2識別情報(PID_IN,RID)が認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶されているか否かの判定の結果を当該ゲーム装置(26)に通知し、判定の結果が肯定である場合に、当該ゲーム装置(26)でのクレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数(CB)を記憶する貯留部(542)を具備するゲーム装置(26)と、第1識別情報(UID)に対応付けて第2クレジット数(CA)を記憶する記憶装置(14)との間で、ゲーム装置(26)から送信されるクレジットの移行の要求に応じて、第1クレジット数(CB)と第2クレジット数(CA)との一方から他方に対するクレジットの移行を仲介する。以上の管理装置(30)によれば、本発明の管理システム(100)と同様の効果が実現される。
【0025】
さらに本発明は、コンピュータをゲーム装置(26)や管理装置(30)として機能させるプログラムとしても特定される。本発明の第1の態様に係るプログラムは、管理装置(30)に入力された第1識別情報(UID_IN)および生体情報(BID_IN)を利用した第1認証の結果と、管理装置(30)が取得した第2識別情報(PID_IN,RID)を利用した第2認証の結果とが肯定である場合に、第1識別情報(UID_IN)と第2識別情報(PID_IN,RID)とを関連付けて認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶する管理部(324)を具備する管理装置(30)と通信するコンピュータをゲーム装置(26)として機能させるプログラムであって、当該ゲーム装置(26)でのクレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数(CB)を記憶する貯留部(542)と、確認用識別情報(PID_IN,RID)を取得する端末側取得部(562)と、確認用識別情報(PID_IN,RID)に一致する第2識別情報(PID_IN,RID)が認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶されているか否かを管理部(324)に照会する照会部(62)と、照会の結果が肯定である場合に、貯留部(542)に記憶された第1クレジット数(CB)と第1識別情報(UID)に対応付けて記憶装置(14)に記憶された第2クレジット数(CA)との一方から他方に対するクレジットの移行を許可する許可部(64)としてコンピュータを機能させる。以上のプログラムによれば、本発明のゲーム装置(26)と同様の効果が実現される。
【0026】
また、本発明の第2の態様に係るプログラムは、第1識別情報(UID_IN)を受付ける受付部(362)と、利用者の生体的な特徴を示す生体情報(BID_IN)を生成する生成部(364)と、第1識別情報(UID_IN)と生体情報(BID_IN)とを利用した第1認証の結果を取得する第1認証部(321)と、第2識別情報(PID_IN,RID)を取得する取得部(366)と、第2識別情報(PID_IN,RID)を利用した第2認証の結果を取得する第2認証部(322)と、第1認証および第2認証の双方の結果が肯定である場合に第1識別情報(UID_IN)と第2識別情報(PID_IN,RID)とを関連付けて認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶させる管理部(324)としてコンピュータを機能させるプログラムであって、管理部(324)は、確認用識別情報(PID_IN,RID)に一致する第2識別情報(PID_IN,RID)が認証済情報(A)として管理記憶部(342)に記憶されているか否かの判定の結果を当該ゲーム装置(26)に通知し、判定の結果が肯定である場合に、当該ゲーム装置(26)でのクレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数(CB)を記憶する貯留部(542)を具備するゲーム装置(26)と、第1識別情報(UID)に対応付けて第2クレジット数(CA)を記憶する記憶装置(14)との間で、ゲーム装置(26)から送信されるクレジットの移行の要求に応じて、第1クレジット数(CB)と第2クレジット数(CA)との一方から他方に対するクレジットの移行を仲介する。以上のプログラムによれば、本発明の管理装置(30)と同様の効果が実現される。
【0027】
以上に例示した各態様のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態でサーバ装置から提供されてコンピュータにインストールされる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る管理システムのブロック図である。
【図2】第1システムの記憶装置が記憶するデータの模式図である。
【図3】メダルの払出および預入のための動作のフローチャートである。
【図4】第2システムの記憶装置が記憶するデータの模式図である。
【図5】管理装置およびゲーム装置のブロック図である。
【図6】クレジット移行に使用される操作画面の模式図である。
【図7】第1認証および第2認証の動作のフローチャートである。
【図8】ゲーム時の動作のフローチャートである。
【図9】ゲーム時の動作のフローチャートである。
【図10】第2実施形態における認証済情報の模式図である。
【図11】第2実施形態の動作のフローチャートである。
【図12】第3実施形態の動作のフローチャートである。
【図13】第3実施形態における認証済情報の模式図である。
【図14】変形例に係る認証済情報の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<A:第1実施形態>
<A−1:第1実施形態の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る管理システム100のブロック図である。管理システム100は、例えばゲームセンターなどの遊技施設に構築されたコンピュータネットワークシステムである。図1に示すように、管理システム100は、第1システム10と第2システム20と管理装置30とを含んで構成される。
【0030】
第1システム10は、ゲームに使用されるメダルの管理(預入および払出)に利用されるシステムである。第1システム10によるメダルの管理を利用しようとする利用者は、事前に登録(以下「第1登録」という)を受ける必要がある。第1登録を受けた利用者には識別情報UID(user ID)が付与される。識別情報UIDは、例えば、利用者に発行されたICカード等の可搬型の記録媒体(以下「管理カード」という)に記憶される。
【0031】
図1に示すように、第1システム10は、第1サーバ装置12と記憶装置14とメダル処理装置16とを具備する。第1サーバ装置12とメダル処理装置16とは通信網18を介して相互に通信する。通信網18は、例えば遊技施設内に構築されたLAN(local area network)である。ただし、第1システム10の一部は遊技施設の外部に設置され得る。第1システム10の一部が遊技施設の外部に設置される構成では、通信網18の一部は、例えばインターネットを利用したWAN(wide area network)やVPN(virtual private network)で実現される。
【0032】
記憶装置14は、第1登録毎にレコードR1が設定されたデータベースである。図2に示すように、各レコードR1は、第1登録を受けた利用者の識別情報UID(正規の管理カードに記憶された識別情報UID)および生体情報BIDと、その利用者が保有するクレジットの総量(以下では「保有クレジット数」という)CAとを含んで構成される。生体情報BIDは、利用者の生体的な特徴を示す情報である。具体的には、手(掌や指)の静脈パターンを示す生体情報BIDが記憶装置14に記憶される。なお、識別情報UIDを各々に対応付けて生体情報BIDと保有クレジット数CAとを別個の記憶装置に格納した構成も採用される。第1サーバ装置12は、記憶装置14に格納されたデータの管理(読出や書込)を実行する。なお、図1にて別体の要素として図示された第1サーバ装置12と記憶装置14とは一体の装置としても構成され得る。
【0033】
図1のメダル処理装置16は、メダルの預入や払出のために利用者が操作する端末装置であり、制御部162と受付部164と生成部166とを含んで構成される。なお、メダルの預入と払出とを別個の装置が実行する構成も採用され得る。制御部162は、メダルの預入や払出に必要な各種の処理を実行する。
【0034】
受付部164は、利用者による識別情報UID_INの入力を受付ける。例えば管理カードに格納された識別情報UIDを識別情報UID_INとして読取る公知の読取器が受付部164として採用される。第1登録を正規に受けた利用者が入力する識別情報UID_INは記憶装置14に記憶された識別情報UIDに合致する。
【0035】
生成部166は、利用者の生体的な特徴を示す生体情報BID_INを生成する。例えば、利用者の手(掌や指)の静脈パターンを検出して生体情報BID_INを生成する公知の静脈センサが生成部166として採用される。第1登録を正規に受けた利用者の生体情報BID_INは記憶装置14の生体情報BIDに合致する。
【0036】
図3は、メダル処理装置16を利用したメダルの預入および払出に関する動作のフローチャートである。メダル処理装置16に対する所定の操作を契機として図3の処理が開始される。メダル処理装置16によるメダルの預入または払出を希望する利用者は、識別情報UID_INを受付部164に入力する(SA10)とともに生体情報BID_INを生成部166に生成させる(SA11)。制御部162は、利用者が入力した識別情報UID_INと生体情報BID_INとを含む認証要求を第1サーバ装置12に送信する(SA12)。
【0037】
認証要求を受信すると(SB10)、第1サーバ装置12は、その認証要求に含まれる識別情報UID_INと生体情報BID_INとを利用した認証(生体認証)を実行する(SB11)。具体的には、第1サーバ装置12は、識別情報UID_INと生体情報BID_INとの組合せが記憶装置14に格納されているか否か(識別情報UID_INに符合する識別情報UIDと生体情報BID_INに符合する生体情報BIDとが1個のレコードR1内に対応付けて記憶装置14に格納されているか否か)を判定する。第1サーバ装置12は、認証結果をメダル処理装置16に送信する(SB12)。メダル処理装置16の制御部162は認証結果を受信する(SA13)。
【0038】
制御部162は、認証結果が否定である場合には認証の失敗を利用者に通知して処理を終了し、認証結果が肯定である場合(SA14:YES)にはメダルの払出および預入を許可する。例えば、利用者が所望の枚数(以下では「引出数」という)NOUTを指定してメダルの払出を要求すると(SA15)、制御部162は、識別情報UID_INと生体情報BID_INと引出数NOUTとを含む引出要求を第1サーバ装置12に送信する(SA16)。引出要求を受信すると(SB13)、第1サーバ装置12は、識別情報UID_INに対応して記憶装置14に記憶された保有クレジット数CAから引出数NOUTを減算し(SB14)、保有クレジット数CAの更新の完了を意味する引出通知をメダル処理装置16に送信する(SB15)。引出通知を受信した制御部162は、引出数NOUTに相当する枚数のメダルを払出機(ホッパ)から払出す(SA17)。
【0039】
他方、利用者がメダル処理装置16の投入口(図示略)にメダルを投入してメダルの預入を指示すると、投入口に投入されたメダルの枚数(以下では「預入数」という)NINを計数器(図示略)が計数する(SA18)。制御部162は、識別情報UID_INと生体情報BID_INと預入数NINとを含む預入要求を第1サーバ装置12に送信する(SA19)。預入要求を受信した第1サーバ装置12は(SB16)、識別情報UID_INに対応して記憶装置14に記憶された保有クレジット数CAに預入数NINを加算し(SB17)、保有クレジット数CAの更新の完了を意味する預入通知をメダル処理装置16に送信する(SB18)。制御部162は、預入通知を受信する(SA20)。第1システム10を利用したメダルの払出および預入の手順は以上の通りである。
【0040】
図1の第2システム20は、利用者がゲームを実行するためのシステムであり、第2サーバ装置22と記憶装置24と複数のゲーム装置26とを具備する。複数のゲーム装置26は、相異なるゲームを提供する2種以上のゲーム装置26を含む。第2サーバ装置22と各ゲーム装置26とは通信網28を介して相互に通信する。通信網28は、通信網18と同様に、例えば遊技施設内に構築されたLANである。ただし、第2システム20の一部は遊技施設の外部に設置され得る。第2システム20の一部が遊技施設の外部に設置される構成では、通信網28の一部は、例えばインターネットを利用したWANやVPNで実現される。通信網18や通信網28の内部の通信経路にはゲートウェイやルータ等の通信機器が適宜に配置される。
【0041】
第2システム20(各ゲーム装置26)を利用しようとする利用者は事前に登録(以下「第2登録」という)を受けることが可能である。第2登録を受けた利用者には識別情報PID(player ID)が付与される。識別情報PIDは、例えば利用者に発行されたICカード等の可搬型の記録媒体(以下「ゲームカード」という)に記憶される。
【0042】
記憶装置24は、第2登録毎にレコードR2が設定されたデータベースである。図4に示すように、各レコードR2は、第2登録を受けた利用者の識別情報PID(正規のゲームカードに記憶された識別情報PID)およびパスワードPWDと、その利用者のゲームデータ(セーブデータ)DGとを含んで構成される。ゲームデータDGは、利用者が過去に実行したゲームの進行の状況などゲームに関する各種の情報を含んで構成される。なお、識別情報PIDやパスワードPWDを記憶する記憶装置24とは別個の記憶装置にゲームデータDGを記憶した構成も採用される。第2サーバ装置22は、記憶装置24に格納されたデータの管理(読出や書込)を実行する。なお、図1にて別体の要素として図示された第2サーバ装置22と記憶装置24とは一体の装置としても構成され得る。
【0043】
図5は、管理装置30およびゲーム装置26のブロック図である。図5では1個のゲーム装置26のみを代表的に図示したが、他のゲーム装置26も同様の構成である。また、管理装置30と各ゲーム装置26との間に介在する通信網28が図5では省略されている。
【0044】
ゲーム装置26は、演算処理装置(CPU)52と記憶装置54と入力受付部56と操作部58とを含んで構成されるコンピュータシステムである。演算処理装置52は、記憶装置54に記憶されたプログラムの実行で複数の機能(ゲーム処理部522,端末側認証部524,照会部62,許可部64,制御部66)を実現する。
【0045】
入力受付部56は、利用者からの入力を受付ける要素であり、受付部562と受付部564とを含んで構成される。受付部562は、利用者による識別情報PID_INの入力を受付ける。例えばゲームカードに格納された識別情報PIDを識別情報PID_INとして読取る公知の読取器が受付部562として採用される。受付部564は、利用者によるパスワードPWD_INの入力を受付ける。例えば受付部564は、利用者が操作する複数の操作子(テンキー)で構成される。なお、タッチパネル機能付の表示装置が表示する操作子(テンキー)を受付部564として採用することも可能である。
【0046】
ゲームデータDGを適用してゲームを実行しようとする利用者は、識別情報PID_INとパスワードPWD_INとを利用した端末側認証を受ける必要がある。端末側認証は、利用者が第2登録を受けているか否かの判定である。すなわち、端末側認証は、識別情報PID_INとパスワードPWD_INとの組合せが記憶装置24に格納されているか否か(識別情報PID_INに符合する識別情報PIDとパスワードPWD_INに符合するパスワードPWDとが1個のレコードR2内に対応付けて記憶装置24に格納されているか否か)を判定する処理に相当する。
【0047】
図5の端末側認証部524は、端末側認証の結果を取得する。端末側認証の結果が肯定である場合(端末側認証が成功した場合)、記憶装置24に格納された複数のゲームデータDGのうち識別情報PID_INとパスワードPWD_INとに対応するゲームデータDGが第2サーバ装置22からゲーム装置26に送信される。ゲーム処理部522は、記憶装置24から取得したゲームデータDGを適用して各種のゲーム処理(利用者にゲームを実行させるための処理)を実行する。したがって、利用者は、自身が過去にゲームを実行したときの状況からゲームを再開することが可能である。
【0048】
記憶装置54は、演算処理装置52が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。具体的には、使用クレジット数CBを記憶する記憶領域(以下「貯留部」という)542が記憶装置54に設定される。使用クレジット数CBは、ゲーム装置26におけるゲームの開始や進行(例えばイベントの発生)とともに増減するクレジットの数量を意味する。例えば、ゲームの開始に必要な所定数のクレジットが消費されると使用クレジット数CBが減少し、ゲームの進行(例えばイベントのクリア)でクレジットを獲得すると使用クレジット数CBが増加する。半導体記録媒体や磁気記録媒体などの公知の記録媒体(または複数種の記録媒体の組合せ)が記憶装置54として任意に採用される。
【0049】
利用者は、ゲーム装置26に対するメダルの投入で使用クレジット数CBを増加させ得る。さらに、第1登録および第2登録の双方を受けた利用者は、第1システム10で管理される保有クレジット数CAとゲーム装置26の貯留部542に記憶された使用クレジットCBとの間でクレジットを移行すること(以下では「クレジット移行」という)が可能である。クレジット移行には、保有クレジット数CAから使用クレジット数CBにクレジットを移行してゲーム装置26でのゲームに利用する処理(引出)と、メダルの投入やゲームでの獲得で発生したクレジットを使用クレジット数CBから保有クレジット数CAに移行する処理(預入)とがある。すなわち、実際のメダルを利用者が取扱うことなくクレジット移行を実行することが可能である。
【0050】
図1の管理装置30は、クレジット移行を希望する利用者が第1登録および第2登録を受けた本人であるか否かを認証(本人認証)したうえで各ゲーム装置26でのクレジット移行を管理する。すなわち、管理装置30は、保有クレジット数CAを管理する第1システム10と、使用クレジット数CBが利用される各ゲーム装置26を管理する第2システム20との統合を実現する。
【0051】
図1に示すように、管理装置30は、遊技施設内に設置されて第1システム10と第2システム20とに接続される。具体的には、管理装置30は、専用線を介して第1システム10の第1サーバ装置12に接続されて第1サーバ装置12と通信する。なお、管理装置30が通信網18を介して第1サーバ装置12に接続された構成も採用される。また、管理装置30は、第2システム20の通信網28に接続されて第2サーバ装置22および各ゲーム装置26と通信する。
【0052】
図5に示すように、管理装置30は、演算処理装置32と記憶装置34と入力受付部36とを含んで構成されるコンピュータシステムである。演算処理装置32は、記憶装置34に記憶されたプログラムの実行で複数の機能(第1認証部321,第2認証部322,管理部324)を実現する。記憶装置34は、演算処理装置32が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体などの公知の記録媒体(または複数種の記録媒体の組合せ)が記憶装置34として任意に採用される。
【0053】
入力受付部36は、利用者からの入力を受付ける要素であり、受付部362と生成部364と受付部366と受付部368とを含んで構成される。受付部362は、利用者による識別情報UID_INの入力を受付ける。例えば、受付部362は、受付部564と同様に、利用者が操作する複数の操作子(テンキー)で構成される。なお、タッチパネル機能付の表示装置が表示する操作子(テンキー)を受付部362として採用することも可能である。生成部364は、利用者の生体的な特徴を示す生体情報BID_INを生成する。メダル処理装置16の生成部166と同様に、手(掌や指)の静脈パターンを検出して生体情報BID_INを生成する静脈センサが生成部364として採用される。
【0054】
受付部366は、利用者による識別情報PID_INの入力を受付ける。ゲーム装置26の受付部562と同様に、例えばゲームカードの識別情報PIDを識別情報PID_INとして読取る読取器が受付部366として採用される。受付部368は、利用者によるパスワードPWD_INの入力を受付ける。例えば、受付部368は、受付部564と同様に、利用者が操作する複数の操作子(テンキー)で構成される。なお、タッチパネル機能付の表示装置が表示する操作子(テンキー)を受付部368として採用することも可能である。
【0055】
第1認証部321は、受付部362に入力された識別情報UID_INと生成部364が生成した生体情報BID_INとを利用した認証(以下「第1認証」という)の結果を取得する。第1認証は、第1登録の有無を判定する処理である。すなわち、第1認証は、識別情報UID_INおよび生体情報BID_INとの組合せが記憶装置14に格納されているか否か(識別情報UID_INに符合する識別情報UIDと生体情報BID_INに符合する生体情報BIDとが1個のレコードR1内に対応付けて記憶装置14に格納されているか否か)を判定する処理に相当する。
【0056】
他方、第2認証部322は、受付部366に入力された識別情報PID_INと受付部368に入力されたパスワードPWD_INとを利用した認証(以下「第2認証」という)の結果を取得する。第2認証は、第2登録の有無を判定する処理である。すなわち、第2認証は、識別情報PID_INおよびパスワードPWD_INとの組合せが記憶装置24に格納されているか否か(識別情報PID_INに符合する識別情報PIDとパスワードPWD_INに符合するパスワードPWDとが1個のレコードR2内に対応付けて記憶装置24に格納されているか否か)を判定する処理に相当する。
【0057】
管理部324は、第1認証および第2認証の双方の結果が肯定である場合(すなわち、利用者が第1登録および第2登録を受けていることが確認された場合)に認証済情報Aを生成して記憶装置34の所定の記憶領域(以下「管理記憶部」という)342に記憶させる。認証済情報Aは、図5に示すように、受付部362に入力された識別情報UID_IN(UID)と、受付部366に入力された識別情報PID_IN(PID)と、生成部364が生成した生体情報BID_IN(BID)とを関連付けたレコード(データ列)である。相異なる利用者に対応する複数の認証済情報Aが順次に生成されて管理記憶部342に格納される。
【0058】
管理記憶部342に記憶された認証済情報Aは、所定の時刻の到来を契機として消去される。例えば、遊技施設の開店前や閉店後の所定の時刻が到来すると、管理部324は、管理記憶部342に記憶されている複数の認証済情報A(すなわち、直近の開店時に生成された認証済情報A)を消去する。
【0059】
各ゲーム装置26の照会部62は、実際にゲーム装置26でゲームを実行しようとする利用者について第1認証および第2認証が肯定されているか否かを確認する。具体的には、照会部62は、ゲーム装置26の受付部562に入力された識別情報PID_INが認証済情報Aとして管理装置30の管理記憶部342に記憶されているか否か(すなわち、識別情報PID_INをゲーム装置26に入力した利用者について第1認証と第2認証とが肯定されたか否か)を管理装置30の管理部324に照会する。照会部62による照会は、端末側認証部524による認証の結果が肯定である場合に実行される。許可部64は、管理部324に対する照会の結果が肯定である場合にクレジット移行を許可し、照会の結果が否定である場合にはクレジット移行を禁止する。
【0060】
操作部58は、クレジット移行の方向(預入/引出)と数量とを利用者からの操作に応じて指示する。本実施形態の操作部58は、タッチパネル機能付の表示装置であり、図6(B)の例示のように、預入操作部582と引出操作部584とを含む操作画面を表示する。預入操作部582は、クレジットの預入(使用クレジット数CBから保有クレジット数CAへのクレジット移行)と預入数NINとを利用者からの操作に応じて指示する。引出操作部584は、クレジットの引出(保有クレジット数CAから使用クレジット数CBへのクレジット移行)と引出数NOUTとを利用者からの操作に応じて指示する。図1の制御部66は、操作部58からの指示に応じてクレジット移行を実行する。操作部58による操作の受付と制御部66によるクレジット移行とは、許可部64がクレジット移行を許可した場合に実行され、許可部64がクレジット移行を許可しない場合には実行されない。
【0061】
<A−2:第1実施形態の動作>
(1)認証時の動作
次に、以上に説明した管理システム100の動作を説明する。遊技施設に来店した利用者は、管理装置30に移動して第1認証および第2認証を受ける。図7は、第1認証および第2認証に関する管理システム100の動作を示すフローチャートである。管理装置30に対する所定の操作を契機として図7の処理が開始される。
【0062】
管理装置30の受付部366が識別情報PID_INの入力を受付け(SC10)、受付部368がパスワードPWD_INの入力を受付けると(SC11)、第2認証部322は、識別情報PID_INとパスワードPWD_INとを含む第2認証要求を第2サーバ装置22に送信する(SC12)。第2サーバ装置22は、第2認証要求を受信し(SD10)、第2認証要求内の識別情報PID_INおよびパスワードPWD_INが識別情報PIDおよびパスワードPWDとして記憶装置24に格納されているか否かを判定(第2認証)する(SD11)。そして、第2サーバ装置22は、第2認証の結果(第2認証結果)を管理装置30に送信する(SD12)。
【0063】
第2認証結果を受信すると(SC13)、第2認証部322は、第2認証の結果が肯定であるか否かを判定し(SC14)、結果が否定である場合には、第2認証の失敗を利用者に通知して処理を終了する(図示略)。他方、第2認証の結果が肯定である場合には以下の処理が実行される。
【0064】
受付部362が識別情報UID_INを受付けると(SC15)、第1認証部321は、識別情報UID_INを含む予備認証要求を第1サーバ装置12に送信する(SC16)。予備認証要求を受信すると(SB20)、第1サーバ装置12は、予備認証要求内の識別情報UID_INが識別情報UIDとして記憶装置14に格納されているか否かを判定し(SB21)、予備認証の結果(予備認証結果)を管理装置30に送信する(SB22)。第1サーバ装置12から予備認証結果を受信すると(SC17)、第1認証部321は、予備認証の結果が肯定であるか否かを判定し(SC18)、結果が否定である場合には、予備認証の失敗を利用者に通知して処理を終了する。他方、予備認証の結果が肯定である場合には、以下の手順で第1認証が実行される。
【0065】
生成部364が生体情報BID_INを生成すると(SC19)、第1認証部321は、ステップSC15で受付けた識別情報UID_INと生体情報BID_INとを含む第1認証要求を第1サーバ装置12に送信する(SC20)。なお、静脈パターンの検出の方法や生体情報BID_INの生成の方法が相違する複数の動作モードの何れかを選択的に適用する構成も採用され得る。すなわち、生体情報BIDの生成時(例えば第1登録時)に実際に適用された動作モードを指定するモード情報が識別情報UIDおよび生体情報BIDとともに記憶装置14に格納され、モード情報を含む予備認証結果(SB22)が第1サーバ装置12から管理装置30に送信される。管理装置30の生成部364は、予備認証結果内のモード情報が指定する動作モードで生体情報BID_INを生成する。
【0066】
第1サーバ装置12は、第1認証要求を受信し(SB23)、第1認証要求内の識別情報UID_INと生体情報BID_INとが識別情報UIDおよび生体情報BIDとして記憶装置14に格納されているか否かを判定(第1認証)する(SB24)。そして、第1サーバ装置12は、第1認証の結果(第1認証結果)を管理装置30に送信する(SB25)。
【0067】
第1認証結果を受信すると(SC21)、第1認証部321は、第1認証結果が肯定であるか否かを判定し(SC22)、結果が否定である場合には、第1認証の失敗を利用者に通知して処理を終了する。他方、第1認証の結果が肯定である場合、管理部324は、ステップSC10で入力された識別情報PID_IN(PID)とステップSC15で入力された識別情報UID_IN(UID)とステップSC19で生成された生体情報BID_IN(BID)とを関連付けた認証済情報Aを生成して管理記憶部342に格納する(SC23)。前述のように、管理記憶部342に格納された認証済情報Aは、所定の時刻が到来すると消去される。なお、第1認証の結果が肯定であり、かつ、保有クレジット数CAの残量がある場合に、保有クレジット数CAの残量を表示装置に表示する構成も採用される。
【0068】
(2)ゲーム時の動作
以上の手順で第1認証および第2認証を受けた利用者は、遊技施設内の所望のゲーム装置26に移動し、保有クレジット数CAと使用クレジット数CBとの間のクレジット移行を可能とするために図8および図9の処理をゲーム装置26に実行させる。ゲーム装置26に対する所定の操作を契機として図8の処理が開始される。
【0069】
ゲーム装置26の受付部562が識別情報PID_INの入力を受付け(SE20)、受付部564がパスワードPWD_INの入力を受付けると(SE21)、端末側認証部524は、識別情報PID_INとパスワードPWD_INとを含む端末側認証要求を第2サーバ装置22に送信する(SE22)。第2サーバ装置22は、端末側認証要求を受信し(SD20)、端末側認証要求内の識別情報PID_INおよびパスワードPWD_INが1個のレコードR2の識別情報PIDおよびパスワードPWDとして記憶装置24に格納されているか否かを判定する(SD21)。そして、第2サーバ装置22は、端末側認証の結果(端末側認証結果)をゲーム装置26に送信する(SD22)。
【0070】
端末側認証結果を受信すると(SE23)、端末側認証部524は、端末側認証結果が肯定であるか否かを判定し(SE24)、結果が否定である場合には、端末側認証の失敗を利用者に通知して処理を終了する。他方、端末側認証の結果が肯定である場合、照会部62は、利用者が管理装置30での第1認証および第2認証に成功しているか否かを照会するための照会要求を管理装置30に送信する(SE25)。照会要求には、ステップSE20で入力された識別情報PID_INが含まれる。また、端末側認証の結果が肯定である場合にはゲーム装置26が記憶装置24からゲームデータDGを取得してゲームに適用する(図示略)。
【0071】
照会要求を受信すると(SC30)、管理部324は、管理記憶部342に記憶された各認証済情報Aの識別情報PID_INと照会要求に含まれる識別情報PID_INとを順次に照合し(SC31)、照会要求に含まれる識別情報PID_INを識別情報UID_INおよび生体情報BID_INに関連付ける認証済情報Aが管理記憶部342に記憶されているか否か(すなわち、ゲーム装置26に識別情報PID_INを入力した利用者について管理装置30での第1認証および第2認証が成功しているか否か)を判定する(SC32)。
【0072】
識別情報PID_INを含む認証済情報Aが管理記憶部342に記憶されている場合(SC32:YES)、管理部324は、その認証済情報Aの識別情報UID_INおよび生体情報BID_INを含む残量要求(保有クレジット数CAの確認の要求)を第1サーバ装置12に送信する(SC33)。残量要求を受信すると(SB30)、第1サーバ装置12は、残量要求に含まれる識別情報UID_IN(UID)および生体情報BID_IN(BID)に対応した保有クレジット数CAを記憶装置14から検索し(SB31)、この保有クレジット数CAを含む残量通知を管理装置30に送信する(SB32)。残量通知は管理部324にて受信される(SC34)。他方、識別情報PID_INを含む認証済情報Aが管理記憶部342に記憶されていない場合(SC32:NO)、ステップSC33およびステップSC34の処理は実行されない。
【0073】
管理部324は、照会結果(識別情報PID_INを含む認証済情報Aが管理記憶部342に記憶されているか否か)をゲーム装置26に送信する(SC35)。照会の結果が肯定である場合(識別情報PID_INを含む認証済情報AがステップSC31にて管理記憶部342から検索された場合)、ステップSC34にて受信した残量通知の保有クレジット数CAが照会結果に含められる。
【0074】
照会部62が照会結果を受信すると(SE26)、許可部64は、照会結果が肯定であるか否かを判定する(SE27)。照会結果が肯定である場合(SE27:YES)、クレジット移行を開始するための預入・引出ボタン(コマンドボタンやアイコンなどの指示子)がゲーム装置の表示画面に表示されて操作可能(有効)な状態となる(SE30)。他方、照会結果が否定である場合(SE27:NO)には預入・引出ボタンは表示されない。したがって、利用者はクレジット移行の開始を指示できない。
【0075】
照会結果が肯定である場合に表示された預入・引出ボタンを利用者が操作すると、許可部64は、照会結果に含まれる保有クレジット数CAの表示を含む図6(A)の操作画面を操作部58に表示させる。図6(A)の操作画面では、利用者からの引出の指示を受付け可能な状態で引出操作部584が表示(有効化)される。他方、ゲーム装置26の操作を開始した最初の段階では使用クレジット数CBはゼロである。したがって、図6の部分(A)に示すように、操作画面には使用クレジット数CBとしてゼロが表示され、使用クレジット数CBから保有クレジット数CAに対するクレジット移行を指示する預入操作部582は無効な状態(例えば非表示やグレーアウトで利用者からの操作を受付けない状態)に制御される。
【0076】
以上のように引出操作部584が有効化されると、引出操作部584に対する利用者からの操作に応じて、保有クレジット数CAから使用クレジット数CBに対するクレジット移行(引出)が実行される。管理装置30の管理部324は、使用クレジット数CBを記憶する貯留部542と保有クレジット数CAを記憶する記憶装置14との間で、ゲーム装置26から送信されるクレジット移行の要求(引出要求)に応じて、保有クレジット数CAから使用クレジット数CBに対するクレジット移行を仲介する。
【0077】
まず、クレジットの引出の指示と引出数NOUTの指定とを引出操作部584にて受付けると(SE31)、制御部66は、ステップSE20で入力された識別情報PID_INとステップSE31で指定された引出数NOUTとを含む引出要求を管理装置30に送信する(SE32)。なお、引出数NOUTの指定の方法は任意である。例えば、保有クレジット数CAの範囲内の任意の数量を利用者が引出数NOUTとして指定する方法や、引出操作部584の1回の操作で所定の数量(例えば100枚)の引出数NOUTを指定する方法が採用され得る。また、所定の期間(例えば1日)内の引出数NOUTの合計を所定値(上限値)に制限する構成も好適である。
【0078】
引出要求を受信すると(SC40)、管理装置30は、この引出要求に含まれる識別情報PID_INに対して認証済情報Aにて関連付けられた識別情報UID_INおよび生体情報BID_INを管理記憶部342から検索する(SC41)。そして、管理部324は、ステップSC41で検索した識別情報UID_INおよび生体情報BID_INと、引出要求に含まれる引出数NOUTとを含む引出要求を第1サーバ装置12に送信する(SC42)。
【0079】
引出要求を受信すると(SB40)、第1サーバ装置12は、この引出要求内の識別情報UID_INおよび生体情報BID_INに対応して記憶装置14に記憶された保有クレジット数CAから引出要求の引出数NOUTを減算し(SB41)、保有クレジット数CAの更新を意味する引出通知を管理装置30に送信する(SB42)。管理装置30の管理部324は、第1サーバ装置12から受信した引出通知をゲーム装置26に送信する(SC43)。引出通知を受信すると(SE33)、ゲーム装置26の制御部66は、ステップSE31で指定された引出数NOUTを貯留部542の使用クレジット数CBに加算する(SE34)。
【0080】
以上に説明したクレジットの引出やゲームでの獲得により使用クレジット数CBに残数がある場合に利用者が預入・引出ボタンを操作すると、許可部64は、図6(B)の例示のように現段階の保有クレジット数CAと使用クレジット数CBとを操作画面に表示し、利用者からのクレジット移行の指示を受付け可能な状態で預入操作部582および引出操作部584の双方を操作部58に表示(有効化)させる。なお、保有クレジット数CAの残数がない場合には、図6(C)の例示のように、保有クレジット数CAとしてゼロが表示されるとともに引出操作部584は無効な状態(例えば非表示やグレーアウトで利用者からの操作を受付けない状態)に制御される。
【0081】
以上のように預入操作部582が有効化されると、預入操作部582に対する利用者からの指示に応じて、使用クレジット数CBから保有クレジット数CAに対するクレジット移行(預入)が実行される。管理装置30の管理部324は、クレジットの引出の場合と同様に、使用クレジット数CBを記憶する貯留部542と保有クレジット数CAを記憶する記憶装置14との間で、ゲーム装置26から送信されるクレジット移行の要求(預入要求)に応じて、使用クレジット数CBから保有クレジット数CAに対するクレジット移行を仲介する。
【0082】
まず、クレジットの預入の指示と預入数NINの指定とを預入操作部582にて受付けると(SE35)、制御部66は、ステップSE20で入力された識別情報PID_INとステップSE35で指定された預入数NINとを含む預入要求を管理装置30に送信する(SE36)。なお、預入数NINの指定の方法は任意である。例えば、使用クレジット数CBの範囲内の任意の数量を利用者が預入数NINとして指定する方法や、預入操作部582の1回の操作で所定の数量(例えば100枚)の預入数NINを指定する方法が採用され得る。
【0083】
預入要求を受信すると(SC44)、管理装置30の管理部324は、ステップSC41およびステップSC42と同様に、預入要求に含まれる識別情報PID_INに認証済情報Aにて関連付けられた識別情報UID_INおよび生体情報BID_INを検索し(SC45)、預入数NINとともに預入要求に含ませて第1サーバ装置12に送信する(SC46)。
【0084】
預入要求を受信すると(SB43)、第1サーバ装置12は、この預入要求内の識別情報UID_INおよび生体情報BID_INに対応して記憶装置14に記憶された保有クレジット数CAに預入要求の預入数NINを加算し(SB44)、保有クレジット数CAの更新を意味する預入通知を管理装置30に送信する(SB45)。預入通知は、管理装置30の管理部324を介してゲーム装置26に転送される(SC47)。預入通知を受信すると(SE37)、ゲーム装置26の制御部66は、ステップSE35で指定された預入数NINを貯留部542の使用クレジット数CBから減算する(SE38)。使用クレジット数CBの全数量が保有クレジット数CAに移行すると使用クレジット数CBはゼロとなる。使用クレジット数CBをゼロに設定することで、利用者は、受付部562(読取器)からゲームカードを排出してゲームを終了させることが可能となる。
【0085】
以上に説明したように、本実施形態においては、ゲーム装置26に入力された識別情報PID_INが認証済情報Aとして管理装置30の管理記憶部342に記憶されているか否かに応じてクレジット移行の許否が決定される。すなわち、ゲーム装置26での第1認証(生体認証)は不要である。したがって、生体情報BIDを生成する機器(例えば静脈センサ)を複数のゲーム装置26の各々に設置する必要はない。他方、ゲーム装置26に対する操作でクレジット移行が許可されるためには(識別情報PID_INを認証済情報Aとして管理記憶部342に記憶するためには)、利用者は管理装置30にて第1認証(生体認証)を受けておく必要があるから、ゲーム装置26での第1認証が不要である構成にも関わらず、クレジット管理の安全性は充分に確保される。すなわち、本実施形態によれば、クレジット管理の安全性の確保と認証に必要な構成や手続の簡素化とを両立することが可能である。
【0086】
また、第2システム20のもとでゲームデータDGの管理に利用される識別情報PIDが、認証済情報Aにて識別情報UID_INに関連付けられてクレジット移行時の認証(第2認証)に流用される。したがって、識別情報PIDとは別の識別情報を第2認証用に各利用者に付与する場合と比較して、管理装置30の導入(クレジット移行の運用)に必要な負荷が軽減されるという利点がある。もっとも、識別情報PIDがゲームデータDGとともに利用される構成は必須ではない。すなわち、識別情報PIDは任意に選定され得る。
【0087】
さらに、本実施形態における認証済情報Aは、識別情報UID_INおよび識別情報PID_INに加えて生体情報BID_INを含むから、管理装置30から第1サーバ装置12に送信される要求(図9のステップSC42の引出要求やステップSC46の預入要求)に識別情報UID_INと生体情報BID_INとを含ませることが可能である。他方、メダル処理装置16でのメダルの払出や預入には生体認証が必要であるため、メダル処理装置16から第1サーバ装置12に送信される要求(図3のステップSA16の引出要求やステップSA19の預入要求)にも識別情報UID_INと生体情報BID_INとが含められる。つまり、管理装置30からの要求およびメダル処理装置16からの要求の何れにも識別情報UID_INと生体情報BID_INとが含まれるから、管理装置30からの要求とメダル処理装置16からの要求とについて第1サーバ装置12での処理を共通化することが可能である。したがって、例えば第1システム10が存在する環境に、第1サーバ装置12の処理を改変することなく管理装置30を導入できる(第2システム20を統合できる)という利点がある。特に、管理装置30が通信網18を介して第1サーバ装置12に接続される構成では、第1サーバ装置12は、管理装置30とメダル処理装置16とを等価に取扱うことが可能である。
【0088】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下に例示する各態様において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0089】
図10は、第2実施形態における認証済情報Aの模式図である。図10に示すように、認証済情報Aは、識別情報PID_INと識別情報UID_INと生体情報BID_INとに加えて認証時刻TAを含んで構成される。認証時刻TAは、第1認証および第2認証が完了した時刻(認証済情報Aが生成される時刻)を指定する情報である。
【0090】
図11は、管理装置30の動作の一部(図7のステップSC20以後の部分)のフローチャートである。図11に示すように、第1サーバ装置12からステップSC21にて受信した第1認証結果が肯定である場合(SC22:YES)、管理装置30の管理部324は、時刻を計時する計時回路(図示略)から現時点の時刻(認証時刻)TAを取得する(SC24)。管理部324は、ステップSC24で取得した認証時刻TAを識別情報PID_INと識別情報UID_INと生体情報BID_INとに関連付けた認証済情報Aを生成して管理記憶部342に格納する(SC25)。
【0091】
管理部324は、管理記憶部342に記憶された複数の認証済情報Aのうち認証時刻TAから所定の時間T0が経過した認証済情報Aを管理記憶部342から消去する。すなわち、第1実施形態では管理記憶部342の全部の認証済情報Aを所定の時刻に一斉に消去したのに対し、第2実施形態においては、認証時刻TAを始点として時間T0にわたる有効期間が認証済情報A毎に設定され、有効期間の満了を契機として各認証済情報Aが個別に消去される。なお、有効期間の時間T0は認証済情報A毎に可変に設定され得る。
【0092】
所定の時刻の到来を契機として各認証済情報Aを消去する第1実施形態では、管理装置30による第1認証および第2認証の時刻が早いほど認証済情報Aの消去までの時間が長いから、例えばゲームカードを紛失して他人に利用される可能性が高まる(すなわち、クレジット管理の安全性の確保が困難となる)。他方、第2実施形態では、認証時刻TAから所定の時間T0が有効期間として認証済情報A毎に個別に設定されるから、認証時刻TAの先後に関わらずクレジット管理の安全性を充分に確保できるという利点がある。もっとも、所定の時刻に認証済情報Aを消去する第1実施形態によれば、認証済情報A毎の有効期間の管理が不要であるから、管理部324による処理の負荷が第2実施形態と比較して軽減されるという利点がある。また、第1実施形態においては認証時刻TAを認証済情報Aに含ませる必要がないから、認証済情報Aのデータ量が削減される(さらには管理記憶部342に必要な容量が削減される)という利点もある。
【0093】
なお、認証済情報A毎に有効期間の満了を契機として認証済情報Aを消去する方法は以上の例示に限定されない。例えば、第1認証および第2認証の完了後に所定の計数値TBを認証済情報Aに含ませて管理記憶部342に格納するとともに計数値TBを順次に減少させ、計数値TBが所定の下限値(例えばゼロ)に到達した認証済情報Aを管理記憶部342から消去する構成も採用される。以上の構成によれば、認証済情報Aの有効期間を計数値TBに応じて認証済情報A毎に個別に設定できるという利点がある。
【0094】
<C:第3実施形態>
図12は、管理装置30および第1サーバ装置12の動作の一部(図7のステップSC20以後の部分)のフローチャートである。図12に示すように、管理装置30からの第1認証要求(SC20,SB23)に応じて第1認証を実行すると(SB24)、第1サーバ装置12は、特定情報αを生成する(SB26)。特定情報αは、第1認証毎に個別に設定される符号である。例えば、第1認証毎に変化するワンタイムパスワードが特定情報αとして好適に採用される。第1サーバ装置12は、第1認証要求内の識別情報UID_INに対応した保有クレジット数CAに特定情報αを対応付けて記憶する(SB27)。さらに、第1サーバ装置12は、第1認証結果に特定情報αを含ませて管理装置30に送信する(SB28)。
【0095】
第1サーバ装置12からステップSC21にて受信した第1認証結果が肯定である場合(SC22:YES)、管理装置30の管理部324は、図13に示すように、第1認証結果に含まれる特定情報αを識別情報PID_INと識別情報UID_INとに関連付けた認証済情報Aを生成して管理記憶部342に格納する(SC26)。すなわち、認証済情報Aに生体情報BID_INは含まれない。
【0096】
クレジット移行がゲーム装置26から指示されると、管理装置30の管理部324は、第1実施形態での生体情報BID_INの代わりに特定情報αを引出要求や預入要求に含ませて第1サーバ装置12に送信する。例えば、クレジットの引出が指示された場合、管理部324は、識別情報PID_INに対応する識別情報UID_INと特定情報αとを管理記憶部342から検索し(図9のステップSC41)、識別情報UID_INと特定情報αと引出数NOUTとを含む引出要求を第1サーバ装置12に送信する(SC42)。第1サーバ装置12は、引出要求に含まれる識別情報UID_INおよび特定情報αの組合せに対応する保有クレジット数CAを記憶装置14から検索して引出数NOUTを減算する(SB41)。
【0097】
クレジットの預入が指示された場合も同様に、管理部324は、管理記憶部342から検索した識別情報UID_INおよび特定情報αを預入数NINとともに預入要求に含ませて第1サーバ装置12に送信する(SC45,SC46)。第1サーバ装置12は、預入要求に含まれる識別情報UID_INおよび特定情報αの組合せに対応する保有クレジット数CAに預入数NINを加算する(SB44)。
【0098】
以上の構成においては、クレジット移行時に管理装置30と第1サーバ装置12との間で生体情報BID_INが授受されないから、利用者の個人情報である生体情報BID_INの流出の危険性が低減されるという利点がある。また、生体情報BID_INは、例えば特定情報αと比較してデータ量が大きくなり易いという傾向がある。第3実施形態においては、生体情報BID_INの代わりに特定情報αが認証済情報Aに含められるから、第1実施形態と比較して認証済情報Aのデータ量が削減される(さらには管理記憶部342に必要な容量が削減される)という利点がある。もっとも、生体情報BID_INおよび特定情報αの双方を認証済情報Aに含ませる構成も採用される。なお、有効期間の満了を契機として認証済情報Aを消去する第2実施形態の構成を第3実施形態に適用することも可能である。
【0099】
<D:変形例>
以上の各形態には多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0100】
(1)変形例1
以上の各形態においては1個の識別情報UID_INに対して1個の識別情報PID_INを関連付けた。しかし、例えばゲーム装置26が提供するゲームの種類毎に相異なる識別情報PIDが利用者に付与されるような環境では、図14に示すように、認証済情報Aにおいて1個の識別情報UID_INに複数の識別情報PID_IN(PID_IN1,PID_IN2,PID_IN3,……)を関連付ける構成も採用される。具体的には、図7のステップSC10からステップSC14までの処理が識別情報PID_IN毎に順次に実行され、ステップSC23では、利用者が入力した複数の識別情報PID_INを識別情報UID_INと生体情報BID_INとに対応付けた認証済情報Aが管理記憶部342に格納される。
【0101】
識別情報PID_INを指定した照会要求を図8のステップSC30にて受信すると、管理部324は、照会要求で指定された識別情報PID_INを含む認証済情報Aが管理記憶部342に記憶されているか否かを判定する(SC31,SC32)。以上の構成によれば、相異なる種類の複数のゲーム装置26の各々におけるクレジット移行が管理装置30での1回の操作で可能となるから、識別情報PID_IN毎に(すなわち、相異なる種類のゲーム装置26でゲームを実行するたびに)第1認証と第2認証が必要となる構成(例えば、第1実施形態のように1個の識別情報UID_INに対して1個の識別情報PID_INのみが関連付けられる構成)と比較して、利用者の負担を軽減することが可能である。
【0102】
(2)変形例2
以上の各形態においては、生成部364が生成した生体情報BID_INを認証済情報Aに含ませたが、記憶装置14に記憶された生体情報BIDを管理部324が第1サーバ装置12から取得して認証済情報Aに含ませる構成も採用される。なお、識別情報PID_INをゲーム装置26に入力した利用者について管理装置30にて第1認証および第2認証が完了しているか否かを判定するためには、認証済情報Aにおいて識別情報UID_INと識別情報PID_INとが関連付けられていれば足りる。したがって、認証済情報Aが生体情報BID_INを含む構成(第1実施形態)や認証済情報Aが特定情報αを含む構成(第3実施形態)は適宜に省略され得る。すなわち、認証済情報Aは、識別情報UID_INと識別情報PID_INとを関連付けるデータとして包括され、生体情報BID_INや特定情報αなどの他の情報の有無は不問である。
【0103】
(3)変形例3
以上の各形態においては利用者が操作する複数の操作子(テンキー)を受付部362として例示したが、識別情報UID_INの入力を受付ける方法は任意である。例えば、可搬型の記録媒体(例えば管理カードや携帯通信端末)に記憶された識別情報UIDを識別情報UID_INとして読取る読取器(例えば識別情報UIDを非接触で読取る非接触型読取器)、読取面に印刷された識別情報UID_INを光学的に読取る読取器、利用者が発声した音声から識別情報UID_INを認識する音声認識装置など、識別情報UID_INの入力を受付ける各種の要素が受付部362として採用される。識別情報PID_INの入力を受付ける受付部(366,562)やパスワードPWD_INの入力を受付ける受付部(368,564)についても同様に、受付部362について例示した各種の要素(操作子,非接触型読取器,光学的読取器,音声認識装置)が採用され得る。
【0104】
(4)変形例4
以上の各形態においては、第1認証要求の送信(図7のステップSC20)と第1認証結果の受信(ステップSC21)とを第1認証部321が実行し、第1サーバ装置12が第1認証(ステップSB24)を実行したが、第1認証部321が第1認証を実行する構成も採用され得る。例えば、受付部362に入力された識別情報UID_INに対応する生体情報BIDを第1認証部321が第1サーバ装置12から取得する。第1認証部321は、第1サーバ装置12から取得した生体情報BIDと生成部364が生成した生体情報BID_INとを照合(第1認証)し、照合の結果が肯定である場合に認証済情報Aを生成する。以上の説明から理解されるように、第1認証部321は、識別情報UID_INと生体情報BID_INとを利用した第1認証の結果を取得する要素として包括され、第1認証が実行される場所(例えば管理装置30および第1サーバ装置12の何れで第1認証が実行されるか)は不問である。識別情報PID_INを利用した第2認証についても同様であり、第2サーバ装置22から取得した識別情報PIDおよびパスワードPWDを第2認証部322が識別情報PID_INおよびパスワードPWD_INと照合(第2認証)する構成も採用される。同様に、端末側認証はゲーム装置26の端末側認証部524が実行し得る。
【0105】
また、以上の各形態では、管理装置30の第2認証部322による第2認証に識別情報PID_INおよびパスワードPWD_INの双方を利用したが、第2認証についてパスワードPWD_INの利用は省略され得る。すなわち、識別情報PID_INを含む第2認証要求(パスワードPWD_INは含まない)を図7のステップSC12にて第2認証部322が第2サーバ装置22に送信し、第2認証要求で指定された識別情報PID_INが記憶装置24に格納されているか否かをステップSD11にて第2サーバ装置22が判定(第2認証)する。以上の説明から理解されるように、第2認証部322は、識別情報PID_INを利用した第2認証の結果を取得する要素(第2認証の主体やパスワードPWD_INの利用の有無は不問)として包括される。同様に、同様に、ゲーム装置26における端末側認証についてパスワードPWD_INの利用は省略され得る。したがって、端末側認証部524は、識別情報PIDを利用した端末側認証の結果を取得する要素(端末側認証の結果やパスワードPWD_INの利用の有無は不問)として包括される。
【0106】
(5)変形例5
第1実施形態においては所定の時刻の到来を条件として認証済情報Aを消去し、第2実施形態においては有効期間の満了を条件として認証済情報Aを消去したが、認証済情報Aを消去する条件(契機)は適宜に変更される。例えば、管理装置30の起動や停止を契機として(例えば起動の直後や停止の直前に)管理記憶部342の認証済情報Aを消去する構成や、管理装置30に対する所定の操作(例えば遊技施設の店員による消去ボタンの操作)を契機として認証済情報Aを消去する構成も採用され得る。
【0107】
また、以上の各形態においては認証済情報Aを消去したが、認証済情報Aを無効化する方法(管理部324が参照できない状態に遷移させる方法)は適宜に変更される。例えば、有効/無効を示す情報(以下「状態フラグ」という)を認証済情報Aに付加した構成も好適である。管理部324は、第1認証および第2認証が完了すると状態フラグを有効に設定し、所定の条件の成立(例えば所定の時刻の到来や有効期間の満了)を契機として状態フラグを無効に設定する。ただし、以上の各形態のように認証済情報Aを消去する構成によれば、認証済情報A毎の状態フラグの管理が不要であるから、管理部324の負荷が軽減されるという利点がある。
【0108】
以上の説明から理解されるように、管理部324は、所定の条件の成立(例えば所定の時刻の到来や有効期間の満了)を契機として認証済情報Aを無効とする(例えば認証済情報Aを消去したり状態フラグを無効に設定したりする)要素として包括される。もっとも、クレジット管理の安全性の確保と認証に必要な構成や手続の簡素化との両立という所期の課題の解決にとって認証済情報Aの無効化は必須の要件ではない。
【0109】
(6)変形例6
以上の各形態では、管理装置40での認証時に受付部366が識別情報PID_INの入力(読取器による読取)を受付ける構成を例示したが、第2登録で利用者に事前に付与された識別情報PIDの有効/無効を利用者が指示する構成も採用され得る。例えば、識別情報PID(単数または複数)が第2登録時に識別情報UIDと対応付けられ、管理装置40での第1認証のために識別情報UID_IN(UID)が入力されると、その識別情報UID_INに対応する各識別情報PIDについて利用者から有効/無効が指示される。識別情報PIDの有効化が以上の各形態における識別情報PID_INの入力に相当する。すなわち、本出願における「識別情報の受付」は、識別情報の入力(例えば読取や手入力)のほか、事前に登録された識別情報を利用者が有効化(選択)する操作をも包含する概念である。
【0110】
(7)変形例7
以上の各形態では、ゲームカードに記憶された識別情報PID(PID_IN)を管理システム100内の各処理に使用したが、識別情報PID_IN(PID)に対応付けられた他の識別情報(以下「参照用識別情報」という)RID(reference ID)を、識別情報PID_IN(PID)の代わりに管理システム100内の各処理に使用する構成も採用される。具体的には、利用者に付与された参照用識別情報RIDとゲームカードの識別情報PIDとをサーバ装置(以下「ID管理サーバ装置」という)が対応付けて管理し、管理装置40やゲーム装置26での処理には、前述の各形態での識別情報PID_IN(PID)の代わりに、利用者から受付けた識別情報PID_INに応じてID管理サーバ装置が特定した参照用識別情報RIDが適用される。なお、第2サーバ装置22をID管理サーバ装置として兼用する構成や、ID管理サーバ装置を第2サーバ装置22とは独立して設置した構成が採用され得る。
【0111】
管理装置40の第2認証部322は、受付部366が受付けた識別情報PID_INに対応する参照用識別情報RIDをID管理サーバ装置から取得し、参照用識別情報RIDとパスワードPWD_INとを利用した第2認証の結果を取得する。また、管理部324は、識別情報PID_INに対応する参照用識別情報RIDを識別情報UID_IN(UID)や生体情報BID_IN(BID)に関連付けた認証済情報Aを管理記憶部342に格納する。他方、ゲーム装置26では、受付部562が受付けた識別情報PID_INに対応する参照用識別情報RIDがID管理サーバ装置から取得されたうえで、端末側認証部524は、参照用識別情報RIDを利用した端末側認証の結果を取得し、照会部62は、参照用識別情報RIDを含む照会要求を管理装置40に送信する。以上の構成によれば、例えば利用者がゲームカードを紛失した場合でも、新規に発行されたゲームカードを参照用識別情報RIDに対応付けることで、利用者が紛失したゲームカードに対応するゲームデータを、新規なゲームカードの識別情報PIDで特定することが可能である。
【0112】
以上の例示から理解されるように、本発明の「第2識別情報」は、利用者から直接的に受付けた識別情報(PID_IN)に加えて、利用者から受付けた識別情報(PID_IN)に対応して管理された他の識別情報(RID)を含む概念である。したがって、利用者から識別情報PID_INを受付ける受付部366や、識別情報PID_INに対応する参照用識別情報RIDをID管理サーバ装置から取得する管理装置40の要素(第2認証部322や管理部324)は、本発明の第2識別情報(PID_IN,RID)を取得する要素(取得部)として包括される。また、ゲーム装置26においても同様に、利用者から識別情報PID_INを受付ける受付部562や、識別情報PID_INに対応する参照用識別情報RIDをID管理サーバ装置から取得する要素(端末側認証部524や照会部62)は、第2識別情報(PID_IN,RID)を取得する要素(端末側取得部)として包括される。
【0113】
(8)変形例8
生体情報BID(BID_IN)は静脈パターンに限定されない。例えば、指紋や虹彩や音声(声紋)など利用者に固有な特徴量が生体情報BID(BID_IN)として任意に採用される。
【符号の説明】
【0114】
100……管理システム、10……第1システム、12……第1サーバ装置、14……記憶装置、16……メダル処理装置、20……第2システム、22……第2サーバ装置、24……記憶装置、26……ゲーム装置、30……管理装置、32,52……演算処理装置、321……第1認証部、322……第2認証部、324……管理部、34,54……記憶装置、342……管理記憶部、36……入力受付部、542……貯留部、56……入力受付部、58……操作部、582……預入操作部、584……引出操作部、522……ゲーム処理部、524……端末側認証部、62……照会部、64……許可部、66……制御部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置と複数のゲーム装置とを含む管理システムであって、
前記管理装置は、
第1識別情報を受付ける受付部と、
利用者の生体的な特徴を示す生体情報を生成する生成部と、
前記第1識別情報と前記生体情報とを利用した第1認証の結果を取得する第1認証部と、
第2識別情報を取得する取得部と、
前記第2識別情報を利用した第2認証の結果を取得する第2認証部と、
前記第1認証および前記第2認証の双方の結果が肯定である場合に前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて認証済情報として管理記憶部に記憶させる管理部とを具備し、
前記複数のゲーム装置の各々は、
当該ゲーム装置でのクレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数を記憶する貯留部と、
確認用識別情報を取得する端末側取得部と、
前記確認用識別情報に一致する第2識別情報が前記認証済情報として前記管理記憶部に記憶されているか否かを前記管理部に照会する照会部と、
前記照会の結果が肯定である場合に、前記貯留部に記憶された前記第1クレジット数と第1識別情報に対応付けて記憶装置に記憶された第2クレジット数との一方から他方に対するクレジットの移行を許可する許可部とを具備する
管理システム。
【請求項2】
前記管理部は、相異なる複数の前記第2識別情報と前記第1識別情報とを関連付けて前記認証済情報として前記管理記憶部に記憶させる
請求項1の管理システム。
【請求項3】
前記複数のゲーム装置の各々は、
前記確認用識別情報を利用した端末側認証の結果を取得する端末側認証部を具備し、
前記照会部は、前記端末側認証の結果が肯定である場合に、前記確認用識別情報に一致する第2識別情報が前記認証済情報として前記管理記憶部に記憶されているか否かを前記管理部に照会する
請求項1または請求項2の管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、パスワードの入力を受付けるパスワード受付部を具備し、
前記第2認証部は、前記第2識別情報と前記パスワードとを利用した前記第2認証の結果を取得する
請求項1から請求項3の何れかの管理システム。
【請求項5】
前記管理部は、所定の条件の成立を契機として前記管理記憶部の前記認証済情報を無効とする
請求項1から請求項4の何れかの管理システム。
【請求項6】
前記管理部は、所定の時刻の到来を契機として前記認証済情報を無効とする
請求項5の管理システム。
【請求項7】
前記管理部は、前記認証済情報を前記管理記憶部から消去することで当該認証済情報を無効とする
請求項5または請求項6の管理システム。
【請求項8】
前記複数のゲーム装置の各々は、
前記第1クレジット数から前記第2クレジット数に対するクレジットの移行を指示する預入操作部と、前記第2クレジット数から前記第1クレジット数に対するクレジットの移行を指示する引出操作部との少なくとも一方を含む操作部を具備し、
前記操作部は、前記許可部がクレジットの移行を許可した場合に操作可能となる
請求項1から請求項7の何れかの管理システム。
【請求項9】
前記管理部は、
生体情報を前記認証済情報に含ませて前記管理記憶部に記憶させ、
クレジットの移行が前記ゲーム装置から指示された場合に、第1識別情報と生体情報と第2クレジット数とを対応付けて記憶する前記記憶装置を管理するサーバ装置に対し、前記認証済情報の前記第1識別情報と前記生体情報とを送信する
請求項1から請求項8の何れかの管理システム。
【請求項10】
前記管理部は、
特定情報を前記認証済情報に含ませて前記管理記憶部に記憶させ、
クレジットの移行が前記ゲーム装置から指示された場合に、第1識別情報と特定情報と第2クレジット数とを対応付けて記憶する前記記憶装置を管理する前記サーバ装置に対し、前記認証済情報の前記第1識別情報と前記特定情報とを送信する
請求項1から請求項9の何れかの管理システム。
【請求項11】
管理装置に入力された第1識別情報および生体情報を利用した第1認証の結果と、前記管理装置に入力された第2識別情報を利用した第2認証の結果とが肯定である場合に、前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて認証済情報として管理記憶部に記憶する管理部を具備する管理装置と通信するゲーム装置であって、
当該ゲーム装置でのクレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数を記憶する貯留部と、
確認用識別情報を取得する端末側取得部と、
前記確認用識別情報に一致する第2識別情報が前記認証済情報として前記管理記憶部に記憶されているか否かを前記管理部に照会する照会部と、
前記照会の結果が肯定である場合に、前記貯留部に記憶された前記第1クレジット数と第1識別情報に対応付けて記憶装置に記憶された第2クレジット数との一方から他方に対するクレジットの移行を許可する許可部と
を具備するゲーム装置。
【請求項12】
第1識別情報を受付ける受付部と、
利用者の生体的な特徴を示す生体情報を生成する生成部と、
前記第1識別情報と前記生体情報とを利用した第1認証の結果を取得する第1認証部と、
第2識別情報を取得する取得部と、
前記第2識別情報を利用した第2認証の結果を取得する第2認証部と、
前記第1認証および前記第2認証の双方の結果が肯定である場合に前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて認証済情報として管理記憶部に記憶させる管理部と
を具備し、前記管理部は、
ゲーム装置に入力された確認用識別情報に一致する第2識別情報が前記認証済情報として前記管理記憶部に記憶されているか否かの判定の結果を当該ゲーム装置に通知し、
前記判定の結果が肯定である場合に、クレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数を記憶する貯留部を具備する前記ゲーム装置と、第1識別情報に対応付けて第2クレジット数を記憶する記憶装置との間で、前記ゲーム装置から送信されるクレジットの移行の要求に応じて、前記第1クレジット数と前記第2クレジット数との一方から他方に対するクレジットの移行を仲介する
管理装置。
【請求項13】
第1識別情報を受付ける受付部と、
利用者の生体的な特徴を示す生体情報を生成する生成部と、
前記第1識別情報と前記生体情報とを利用した第1認証の結果を取得する第1認証部と、
第2識別情報を取得する取得部と、
前記第2識別情報を利用した第2認証の結果を取得する第2認証部と、
前記第1認証および前記第2認証の双方の結果が肯定である場合に前記第1識別情報と前記第2識別情報とを関連付けて認証済情報として管理記憶部に記憶させる管理部と
としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記管理部は、
ゲーム装置に入力された確認用識別情報に一致する第2識別情報が前記認証済情報として前記管理記憶部に記憶されているか否かの判定の結果を当該ゲーム装置に通知し、
前記判定の結果が肯定である場合に、クレジットの消費または獲得により増減する第1クレジット数を記憶する貯留部を具備する前記ゲーム装置と、第1識別情報に対応付けて第2クレジット数を記憶する記憶装置との間で、前記ゲーム装置から送信されるクレジットの移行の要求に応じて、前記第1クレジット数と前記第2クレジット数との一方から他方に対するクレジットの移行を仲介する
プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−98192(P2011−98192A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185284(P2010−185284)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】