説明

管理システム

【課題】入場している利用者の数を、いわゆる「共連れ」や「すれ違い」等が生じることを考慮して管理することが可能な管理システムを提供する。
【解決手段】外部機器の制御に用いる管理対象領域内の利用者数を管理する管理システムであって、利用者による管理対象領域に対する入場及び退場に係る認証を行い、入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、前記管理対象領域に対する利用者の入退場を可能に制御し、入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、1増加又は減少させる処理を実行することで計数した管理対象領域内の利用者数を管理し、前記制御により入退場が可能になった前記管理対象領域に対し、複数の利用者が入退場したと推定される一定条件を満たすか否かを判定し、肯定的な判定を行った場合に、前記処理の実行を抑止し、又は管理する利用者の数を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場の管理システムに関し、特に、入退場の管理対象領域内の利用者の数を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人の入場及び退場を制限するための扉の解錠を、例えば、ICカード等による認証に基づいて管理する管理システムが知られている。
このような管理システムでは、扉の解錠権限を有する当該システムの利用者が所持するICカード等の識別情報を予め記憶しておき、扉の解錠が必要な利用者のICカード等から読み取った識別情報と照合することで認証を行い、一致する識別情報が記憶されている場合に扉の解錠を行う。
【0003】
また、この認証結果に基づいて入場している利用者の数を管理し、この利用者の数を利用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、入場している利用者の数が所定以下になったときに、情報機器の利用を制限し、利用者数が少ない環境での情報機器の不正利用を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−213330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記管理システムを運用した場合には、いわゆる「共連れ」や「すれ違い」、つまり1人の利用者が認証を受けて扉が解錠されたことに乗じて、1以上の他の利用者が入退場を行うといったことが、生じ得る。この「共連れ」等が発生した場合、認証を受けた利用者の入退室は把握できるものの、この利用者の入退室に乗じて入退室を行った者の数は把握することができない。
【0006】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、入場している利用者の数をいわゆる「共連れ」や「すれ違い」等が生じることを考慮して管理するための管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る管理システムは、外部機器の制御に用いる管理対象領域内の利用者数を管理する管理システムであって、利用者による管理対象領域に対する入場及び退場に係る認証を行う認証手段と、前記認証手段により入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、前記管理対象領域に対する利用者の入退場を可能に制御する入退場制御手段と、前記認証手段により入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、1増加又は減少させる処理を実行することで計数した管理対象領域内の利用者数を管理する管理手段と、前記入退場制御手段の前記制御により入退場が可能になった前記管理対象領域に対し、複数の利用者が入退場したと推定される一定条件を満たすか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記一定条件を満たすと判定した場合に、前記管理手段による前記処理の実行を抑止し、又は前記管理手段が管理する利用者の数を調整する計数制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上述の構成を備える本発明に係る管理システムは、ある利用者が認証を受けて入退場が可能になった管理対象領域に対し、他の利用者が認証を受けることなく入退場(いわゆる、「共連れ」や、「すれ違い」等)した場合に、上記一定条件を満たすときには、管理対象領域内の利用者数を計数する処理を抑止し、又は管理する利用者の数を調整するので、管理対象領域内の利用者数を、他の利用者の入退場による増減を考慮して管理できるようになる。
【0009】
また、前記一定条件は、前記認証手段による認証の時刻が既定の時間帯に含まれることであり、前記計数制御手段は、前記判定手段が前記一定条件を満たすと判定した場合に、前記抑止を行うこととしてもよい。
例えば、管理対象領域内で仕事をしていた利用者は、昼休みの時間帯になると昼食等の用事のために管理対象領域から一旦退場し、その用事が済むと、昼休みの時間帯が終わるまでに再び管理対象領域に入場する可能性が高いため、昼休みの時間帯の前後での利用者数は大きく変化しないと推定される。
【0010】
従って、例えば、既定の時間帯を、昼休みの時間帯とした場合に、本発明に係る管理システムは、管理対象領域内の利用者数を計数する処理を抑止するので、この時間帯が開始する前に管理していた利用者数が正確である場合に、この時間帯に、いわゆる「共連れ」が「すれ違い」等の入退場が多く発生したとしても、この時間帯が終了したときにも、管理している利用者数の正確性を保つことができる。
【0011】
また、前記入退場制御手段は、前記認証手段により入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、管理対象領域に設けられた扉を解錠し、開扉及び閉扉を検出した後に施錠するものであり、前記一定条件は、前記入退場制御手段により検出された開扉から閉扉までの時間が既定時間以上であったことであり、前記計数制御手段は、前記判定手段が前記一定条件を満たすと判定した場合に、前記管理手段が管理する前記1増加又は減少させる処理後の利用者の数を、当該処理前の利用者の数に戻すよう前記調整を行うこととしてもよい。
【0012】
これにより、例えば、既定時間を、1人の利用者が認証を受けて解錠された扉を開け、入場又は退場し、扉を閉めるまでの時間より長く設定した場合に、本発明に係る管理システムは、認証を受けて入場又は退場する利用者と共に、他の利用者が認証を受けることなく入退場(いわゆる、「共連れ」や、「すれ違い」等)することで、開扉から閉扉までの時間が、上記既定時間より長かったときは、利用者数を1増加又は減少させる処理後の利用者数を、この処理前の利用者数に戻す。
【0013】
従って、いわゆる「共連れ」や「すれ違い」等が発生した場合において、認証を受けて入場又は退場する利用者と同じ方向に移動する利用者の数よりも、逆方向に移動する利用者の数のほうが多いときには、より正確に管理対象領域内の利用者数を管理できる。なお、ここでの「同じ方向」、「逆方向」とは、認証を受けた利用者が入場する場合には、入場する方向が同じ方向であり、退場する方向が逆方向であり、認証を受けた利用者が退場する場合には退場する方向が同じ方向であり、入場する方向が逆方向である。
【0014】
また、前記管理システムは、更に現在時刻が既定の時刻と一致した場合に、前記管理手段が管理している利用者の数を所定値に設定する設定手段を備えることとしてもよい。
これにより、本発明に係る管理システムは、既定の時刻になると、管理している利用者数を所定値に設定するので、例えば、所定値を0とし、既定の時刻を、管理対象領域に利用者が存在しなくなる時刻(例えば、深夜0時)とすることで、管理している利用者数と、実際に管理対象領域に存在する利用者の数とに相違が生じても、リセットすることが可能になる。
【0015】
また、前記管理システムは、更にユーザへの通知を行う通知手段を備え、前記設定手段は、前記通知手段による通知から既定時間以内にユーザからの応答を受け付けない場合に、前記所定数をゼロとして前記設定を行うこととしてもよい。
これにより、本発明に係る管理システムは、ユーザへの通知を行い、その通知から既定時間以内にユーザからの応答を受け付けない場合に、管理している利用者数をゼロに設定するので、ユーザが管理対象領域内に存在しないことを確認した上で、管理している利用者数をゼロにリセットできる。
【0016】
また、前記管理システムは、更に前記認証手段により入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、1増加又は減少させる処理を実行することで計数した管理対象領域内の利用者の数を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された利用者の数と、前記管理手段が管理する利用者の数との差が既定値以上になった場合に、前記管理手段が管理する利用者の数を所定値に設定する設定手段を備えることとしてもよい。
【0017】
入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、1増加又は減少させる処理を実行することで計数した管理対象領域内の利用者の数と、管理している利用者の数との差が比較的大きくなった場合には、管理している利用者の数と、実際に管理対象領域に存在する利用者の数との差も比較的大きくなっていると推定される。
例えば、「すれ違い」はほとんど発生せずに、「共連れ」が多く発生した場合には、管理対象領域内の利用者数を計数する処理を抑止し、又は管理する利用者の数を調整することで、管理している利用者の数の変化が抑制されてしまうためである。
【0018】
本発明に係る管理システムは、入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、1増加又は減少させる処理を実行することで計数した管理対象領域内の利用者の数と、管理している利用者の数との差が既定値以上になった場合に、その管理している利用者の数を所定値に設定するので、管理している利用者の数と、実際に管理対象領域に存在する利用者の数との差が比較的大きくなっている場合に、この管理している利用者の数をリセットできる。
【0019】
また、前記管理システムは、更にユーザへの通知を行う通知手段を備え、前記設定手段は、前記通知手段による通知から既定時間以内にユーザから利用者の数を含む応答を受け付けた場合に、前記所定値を当該応答に含まれる利用者の数として、前記設定を行うこととしてもよい。
これにより、本発明に係る管理システムは、管理している利用者数を、ユーザから受け付けた応答に含まれる利用者数に設定するので、ユーザが実際に管理対象領域に存在する利用者の数を応答に含めることで、正確な利用者の数に、管理している利用者数をリセットできる。
【0020】
また、前記管理システムは、更に前記判定手段が前記一定条件を満たすと判定した場合に、前記既定の時間帯を経過した後に、前記管理手段が管理する利用者の数を、既定値に設定する設定手段を備えることとしてもよい。
例えば、出社時間帯には、多くの利用者が管理対象領域に入場し、退社時間帯には、多くの利用者が、管理対象領域から退場するため、これらの時間帯には、いわゆる「共連れ」が「すれ違い」等の入退場が多く発生すると推定される。
【0021】
本発明に係る管理システムは、既定の時間帯を経過した後に、管理している利用者数を既定値に設定するので、例えば、既定の時間帯を、出社時間帯とした場合には、既定値を出社予定の社員数とし、また、例えば、既定の時間帯を退社時間帯とした場合には、既定値を残業予定の社員数とすることで、これらの時間帯にいわゆる「共連れ」が「すれ違い」等の入退場が多く発生したとしても、この時間帯が終了したときに、より正確に利用者数を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】入退室管理システム1000のシステム構成図である。
【図2】GU100Aの主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図3】入退室管理サーバ200の主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】物理情報テーブル10、部屋情報テーブル20、カード情報テーブル30、及び在室情報テーブル40のデータ構成及び内容例を示す図である。
【図5】無効時間帯情報テーブル50及び制御情報テーブル60のデータ構成及び内容例を示す図である。
【図6】履歴情報テーブル70及び無効イベント情報テーブル80のデータ構成及び内容例を示す図である。
【図7】入退室管理サーバ200による制御処理を示すフローチャートである。
【図8】入退室管理サーバ200による認証情報受信時処理を示すフローチャートである。
【図9】入退室管理サーバ200によるイベント情報受信時処理を示すフローチャートである。
【図10】入退室管理サーバ200による日替時刻での更新処理を示すフローチャートである。
【図11】入退室管理サーバ200による所定差異発生時の更新処理を示すフローチャートである。
【図12】変形例に係る入退室管理サーバによる無効時間帯終了時刻での更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る管理システムの一実施形態としての入退室管理システムを例に、図面を参照しながら説明する。
≪実施の形態≫
<構成>
まず、実施の形態に係る入退室管理システム1000の構成について説明する。
【0024】
<入退室管理システム>
図1は、入退室管理システム1000のシステム構成図である。
同図に示す通り、入退室管理システム1000は、「第1執務室」及び「第2執務室」の2つの部屋への入退室を管理すると共に、各部屋に入室している者の人数を管理し、その人数を、空調機器等の制御に利用するシステムである。
【0025】
入退室管理システム1000は、カードリーダ1A〜1Dと、電気錠2A、2Bと、開閉センサ3A、3Bと、空調機器4A、4Bと、GU(Gate Unit)100A、100Bと、入退室管理サーバ200と、管理端末300A、300Bとから構成されている。
カードリーダ1A、1B、電気錠2A、開閉センサ3A、及び空調機器4Aは、GU100Aと接続されており、カードリーダ1C、1D、電気錠2B、開閉センサ3B、及び空調機器4Bは、GU100Bと接続されており、各GU(100A、100B)及び各管理端末(300A、300B)は、LAN(Local Area Network)5を介して入退室管理サーバ200と接続されている。
【0026】
ここで、カードリーダ1A、1Bは、第1執務室に対し入退室するための扉(不図示)の近傍に設置され、カードリーダ1C、1Dは、第2執務室に対し入退室するための扉(不図示)の近傍に設置されている。各カードリーダ(1A〜1D)はそれぞれ、各部屋に対し入退室する者が所持するICカードに記録されているそのICカードの識別情報(以下、「カードID」という)を読み出し、読み出したカードID、及び予め記憶しているそのカードリーダの識別情報(以下、「CRID」という)を接続するGU(100A又は100B)に送信する機能を有する。なお、以下では、カードリーダ1A〜1DそれぞれのCRIDは「CR001」〜「CR004」であるものとする。
【0027】
電気錠2A及び開閉センサ3Aは、第1執務室に入退室するための扉に取り付けられており、電気錠2B及び開閉センサ3Bは、第2執務室に入退室するための扉に取り付けられている。各電気錠(2A、2B)はそれぞれ、接続するGU(100A又は100B)からの指示に応じて、その扉を解錠又は施錠する機能を有し、各開閉センサ(3A、3B)はそれぞれ、開扉を検出した際、及び閉扉を検出した際に、その旨の信号を接続するGU(100A又は100B)に送出する機能を有する。
【0028】
各空調機器(4A、4B)はそれぞれ、接続するGU(100A又は100B)からの指示に応じて、空調を開始又は停止する機能を有する。
各GU(100A、100B)はそれぞれ、各カードリーダから受信したカードID及びCRIDと、そのGUの識別情報(以下、「GUID」という)とを入退室管理サーバ200に送信し、入退室管理サーバ200から受信した認証結果に応じて、カードIDを受信したカードリーダが設置されている扉の解錠指示をその扉の施解錠を行う電気錠に対して行い、またその後に、施錠指示をその電気錠に対して行う機能を有する。なお、以下では、各GUが入退室管理サーバ200に送信するカードID、CRID、及びGUIDをまとめて「認証情報」ともいう。なお、以下では、GU100A、100BそれぞれのGUIDは「GU001」、「GU002」であるものとする。
【0029】
また、各GUはそれぞれ、入退室管理サーバ200から認証結果を受信した際や、接続する開閉センサ(3A又は3B)から開扉又は閉扉を検出した旨の信号を受信した際に、後述するイベント情報を生成し、入退室管理サーバ200に送信する機能を有する。以下では、認証や、ユーザによる開扉、閉扉といった事象のことを「イベント」ともいう。
また、各GUはそれぞれ、入退室管理サーバ200からの指示に応じて、接続する空調機器(4A又は4B)を制御する機能を有する。
【0030】
入退室管理サーバ200は、特に、各GU(100A、100B)から受信したカードIDに基づいて認証を行う機能と、各部屋に入室している利用者の数を管理する機能を有する。各部屋に入室している利用者の数の管理方法については後述する。
また、入退室管理サーバ200は、自サーバが管理している、各部屋における入室している利用者の数等を各管理端末(300A、300B)に通知する機能を有し、その通知に対する各管理端末から応答に基づいて、管理している利用者の数等を更新する機能を有する。
【0031】
各管理端末(300A、300B)はそれぞれ、第1執務室、第2執務室に設置されており、入退室管理サーバ200からの通知に基づいて、入退室管理サーバ200が管理している利用者の数等を表示し、自端末が設置されている部屋に入室している利用者からの実際に入室している利用者の数(以下、「実在室者数」ともいう)等の入力を受け付け、受け付けた実在室者数等を、その通知に対する応答として入退室管理サーバ200に送信する機能を有する。
【0032】
以下、各GU(100A、100B)及び入退室管理サーバ200の構成について、更に詳しく説明するが、GU100A及び100Bそれぞれの構成は同様であるため、以下では、GU100Aを例に説明する。
<GU>
まず、GU100Aの構成について説明する。
【0033】
図2は、GU100Aの主要部の機能構成を示すブロック図である。
GU100Aは、同図に示す通り、通信部110、ID受信部120、開閉信号受信部130、計時部140、制御部150を備える。GU100Aは、図示しないメモリ及びプロセッサを含んでおり、制御部150の機能は、プロセッサがメモリ上のプログラムを実行することにより実現される。
【0034】
ここで、通信部110は、LAN5を介して、入退室管理サーバ200とデータの送受信を行う機能を有し、ID受信部120は、接続する各カードリーダ(この例では、1A、1B)から送信されたカードID及びGUIDを受信し、制御部150に伝達する機能を有する。
開閉信号受信部130は、接続する開閉センサ(この例では、3A)により開扉又は閉扉を検出した旨の信号を受信し、制御部150に伝達する機能を有し、計時部140は、いわゆる時計であり、現在の日時を計時する機能を有する。
【0035】
制御部150は、認証情報送信部151、錠制御部152、イベント情報生成部153、及び空調制御部154を含んで構成される。
ここで、認証情報送信部151は、ID受信部120から伝達されたカードID及びGUIDと、予め記憶されている自装置(この例では、100A)のGUIDとからなる認証情報を、通信部110を介して入退室管理サーバ200に送信する機能を有する。
【0036】
錠制御部152は、通信部110を介して入退室管理サーバ200から受信した、認証情報送信部151が送信した認証情報に基づく認証の結果に応じて、接続する電子錠(この例では2A)に解錠指示を行い、利用者による開扉の後、閉扉された際、あるいは、解錠指示後、所定時間(例えば、20秒)を経過しても、開扉されない場合に、その電気錠に対して、その扉の施錠指示を行う機能を有する。なお、利用者による開扉及び閉扉は、開閉信号受信部130から伝達された信号に基づき検出する。
【0037】
イベント情報生成部153は、通信部110を介して入退室管理サーバ200から認証結果等を受信した際や、開閉信号受信部130から開扉又は閉扉を検出した旨の信号が伝達された際にイベント情報を生成し、通信部110を介して入退室管理サーバ200に送信する機能を有する。
ここで、イベント情報は、計時部140から取得したそのイベントが発生した日時と、そのイベントに係るカードリーダのCRIDと、そのイベントの識別情報であるイベントコードと、そのイベントの内容を示す情報を含むものである。なお、入退室管理サーバ200から認証結果等を受信した際に生成するイベント情報には、更に認証に係るカードIDを含む。
【0038】
空調制御部154は、通信部110を介して入退室管理サーバ200から受信した指示に基づいて、接続する空調機器(この例では、4A)による空調の開始又は停止を制御する機能を有する。
<入退室管理サーバ>
次に、入退室管理サーバ200の構成について説明する。
【0039】
図3は、入退室管理サーバ200の主要部の機能構成を示すブロック図である。
入退室管理サーバ200は、同図に示す通り、通信部210、計時部220、記憶部230、及び制御部240を備える。入退室管理サーバ200は、図示しないメモリ及びプロセッサを含んでおり、制御部240の機能は、プロセッサがメモリ上のプログラムを実行することにより実現される。
【0040】
ここで、通信部210は、LAN5を介して、GU100A、100B及び管理端末300A、300Bとデータの送受信を行う機能を有し、計時部220は、いわゆる時計であり、現在の日時を計時する機能を有する。
記憶部230は、物理情報テーブル10、部屋情報テーブル20、カード情報テーブル30、在室情報テーブル40、無効時間帯情報テーブル50、制御情報テーブル60、履歴情報テーブル70、及び無効イベント情報テーブル80を記憶するためのメモリ領域である。
【0041】
各テーブルの内容については、後に詳細に説明するが、カード情報テーブル30は、各部屋に対する入退室権限を有する者が所持するICカードのカードIDを含むデータを登録したテーブルであり(図4(c)参照)、在室情報テーブル40は、部屋毎に、在室している人の識別情報(以下、「在室利用者ID」という)、認証を受けて入室した利用者の数(以下、単に「在室数」という)、その数を一定条件下で是正した数(以下、「是正在室数」という)等を対応付けたデータを登録したテーブルである(図4(d)参照)。
【0042】
また、制御情報テーブル60は、部屋毎に、是正在室数等に応じて行う、空調機器等の制御の内容等を登録したテーブルであり(図5(b)参照)、履歴情報テーブル70は、発生したイベントの履歴を登録したテーブルである(図6(a)参照)。
制御部240は、認証部241、履歴情報更新部242、在室情報更新部243、指示部244、及び通知部245を含んで構成される。
【0043】
ここで、認証部241は、通信部210を介して受信した認証情報と、記憶部230のカード情報テーブル30とに基づいて、扉を解錠するか否かを判定(認証)し、認証結果等を、通信部210を介して、受信した認証情報の送信元であるGU(100A又は100B)に送信する機能を有する。
履歴情報更新部242は、通信部210を介してGU100から受信したイベント情報に基づく情報(以下、「履歴情報」という)を生成し、記憶部230の履歴情報テーブル70に登録する機能を有する。
【0044】
在室情報更新部243は、認証部241による認証結果や、各部屋に対し複数の利用者が入退室した、つまり、いわゆる「共連れ」、「すれ違い」等が発生したと推定される一定条件に基づいて、在室情報テーブル40を更新する機能を有する。
在室情報更新部243は、特に、いわゆる「共連れ」、「すれ違い」等の入退室が発生したと推定される場合に、その入退室により生じ得る入室している利用者の数の増減を考慮した数に、在室情報テーブル40の是正在室数を更新する。
【0045】
在室情報更新部243の処理内容に関しては、後に詳細に説明する(図6〜8参照)。
指示部244は、記憶部230の在室情報テーブル40に登録されている是正在室数と、制御情報テーブル60とに基づいて、空調機器等の制御が必要か否かを判定し、判定結果に応じて、その制御を行うべきGU(100A又は100B)に、その制御の内容を含む指示を行う機能を有する。
【0046】
通知部245は、記憶部230の在室情報テーブル40に登録されている是正在室数等を、通信部210を介して、その是正在室数等に対応する部屋に設置されている管理端末(300A、300B)に通知する機能を有する。
<データ>
次に、入退室管理サーバ200において使用されるデータについて説明する。
【0047】
<物理情報テーブル>
以下、入退室管理サーバ200が使用する物理情報テーブル10について説明する。
図4(a)は、物理情報テーブル10のデータ構成及び内容例を示す図である。
物理情報テーブル10は、同図に示すように、カードリーダ毎に、CRNo.11、GUID12、CRID13を対応付けて構成される情報である。物理情報テーブル10は、在室情報更新部243が在室情報テーブル40を更新する際や、履歴情報更新部242が履歴情報を生成する際に参照される。なお、以下では、対応するCRNo.と、GUIDと、CRIDとからなる情報を、レコードと表現する。
【0048】
ここで、CRNo.11は、管理上、そのカードリーダに一意に割り当てられた番号であり、この例では、各カードリーダに、1から連番となる数字が割り当てられている。
GUID12は、そのカードリーダと接続するGUの識別情報であり、CRID13は、そのカードリーダの識別情報である。
同図は、例えば、CRNo.が「1」であるカードリーダが接続するGUのGUIDは「GU001」(つまり、GU100A)であり、そのカードリーダのCRIDは「CR001」(つまり、カードリーダ1A)であることを示している。
【0049】
また、物理情報テーブル10の生成は、入退室管理システム1000の運用開始時に、入退室管理サーバ200における操作部(不図示)を介して、システム管理者等により行われる。
また、新たなレコードの登録、登録済みのレコードの更新及び削除は、入退室を管理する部屋の数が増減したためにカードリーダの数が増減した場合等に、システム管理者等により上述の操作部を介して行われる。
【0050】
<部屋情報テーブル>
以下、部屋情報テーブル20について説明する。
図4(b)は、部屋情報テーブル20のデータ構成及び内容例を示す図である。
部屋情報テーブル20は、同図に示すように、部屋毎に、部屋ID21、部屋名称22、入室CRNo.23、退室CRNo.24、端末No.25及び日替時刻26を対応付けて構成される情報である。部屋情報テーブル20は、在室情報更新部243が、在室情報テーブル40を更新する際等や、通知部245が、各管理端末(300A、300B)に是正在室数等を通知する際に参照される。なお、以下では、対応する部屋IDと、部屋名称と、入室CRNo.と、退室CRNo.と、端末No.と、日替時刻とからなる情報を、レコードと表現する。
【0051】
ここで、部屋ID21は、対応する部屋の識別情報であり、部屋名称22は、その部屋の名称であり、例えば、システム管理者等が、各レコードがどの部屋の情報であるかを一見して把握するために用いられる。
また、入室CRNo.23及び退室CRNo.24は、その部屋の外側(入室用)及び内側(退室用)に設置されているカードリーダに割り当てられた番号であり、物理情報テーブル10のいずれかのCRNo.と一致するものである。
【0052】
また、端末No.25は、その部屋に設置されている管理端末に一意に割り当てられた番号であり、ここでは、管理端末300Aに「1」が、管理端末300Bに「2」が割り当てられた場合の例を示している。
日替時刻26は、在室情報更新部243が、在室情報テーブル40に登録されている在室数や是正在室数等をリセットする時刻を示す情報である。このリセットは、在室数と是正在室数との間に生じ得るずれに対応するために行われる。この例では、各部屋に入場している利用者が存在しない可能性が高い時刻を登録している。
【0053】
同図は、例えば、部屋IDが「R001」である部屋の部屋名称は「第1執務室」であり、その部屋の入室CRNo.は「1」(つまり、カードリーダ1A)であり、退室CRNo.は「2」(つまり、カードリーダ1B)であり、端末No.は「1」(つまり、管理端末300A)であり、日替時刻は「2:00:00」であることを示している。
部屋情報テーブル20の生成は、入退室管理システム1000の運用開始時に、入退室管理サーバ200における操作部(不図示)を介して、システム管理者等により行われる。
【0054】
また、新たなレコードの登録、登録済みのレコードの削除は、入退室を管理する部屋の数が増減した場合等に、システム管理者等により上述の操作部を介して行われる。
また、登録済みのレコードの更新は、特に、日替時刻に変更が生じた場合等に、システム管理者等により上述の操作部を介して行われる。
<カード情報テーブル>
以下、カード情報テーブル30について説明する。
【0055】
図4(c)は、カード情報テーブル30のデータ構成及び内容例を示す図である。
カード情報テーブル30は、同図に示すように、各部屋に対する入退室権限を有する本入退場管理システムの利用者毎に、カードID31、利用者ID32、利用者名33を対応付けて構成される情報である。カード情報テーブル30は、認証部241が認証を行う際や、履歴情報更新部242が履歴情報を生成する際に参照される。なお、以下では、対応するカードIDと、利用者IDと、利用者名とからなる情報を、レコードと表現する。
【0056】
ここで、カードID31は、対応する利用者が所持するICカードに記録されているそのICカードの識別情報であり、利用者ID32は、その利用者に割り当てられた識別情報であり、利用者名33は、その利用者の氏名であり、例えば、システム管理者等が、各レコードがどの利用者の情報であるかを一見して把握するために用いられる。
同図は、例えば、カードIDが「2y3B9・・・t948C7」であるICカードの利用者の利用者IDは「U001」であり、利用者名は「A上一郎」であることを示している。
【0057】
なお、カード情報テーブル30の生成は、入退室管理システム1000の運用開始時に、入退室管理サーバ200における操作部(不図示)を介して、システム管理者等により行われる。また、新たなレコードの登録、登録済みのレコードの更新及び削除は、入退室管理システム1000の利用者が増減した場合等に、システム管理者等により上述の操作部を介して行われる。
【0058】
<在室情報テーブル>
以下、在室情報テーブル40について説明する。
図4(d)は、在室情報テーブル40のデータ構成及び内容例を示す図である。
在室情報テーブル40は、同図に示すように、部屋毎に、部屋ID41、在室利用者ID42、在室数43、是正在室数44、変化45を対応付けて構成される情報である。
【0059】
在室情報テーブル40は、指示部244が空調機器等の制御が必要か否かを判定する際や、通知部245が、各管理端末(300A、300B)に是正在室数等を通知する際に参照され、在室情報更新部243により、参照及び更新される。なお、以下では、対応する部屋ID、在室利用者ID、在室数、是正在室数、変化からなる情報を、レコードと表現する。
【0060】
ここで、部屋ID41は、その部屋の識別情報であり、部屋情報テーブル20のいずれかの部屋IDと一致するものである。また、在室利用者ID42は、その部屋に認証を受けて入室した利用者の識別情報であり、カード情報テーブル30のいずれかの利用者IDと一致するものである。
在室数43は、その部屋に認証部241による認証を受けて入室している利用者の数を示す情報であり、対応する在室利用者IDに登録されている利用者IDの数と一致するものである。また、是正在室数44は、認証を受けることなくその部屋に対する入退室(いわゆる「共連れ」、「すれ違い」等)が行われたと推定される場合に、その入退室による利用者の数の増減を考慮して算出された利用者の数を示す情報である。
【0061】
変化45は、対応する是正在室数が更新された際の更新前後の是正在室数の変化が、増加及び減少のいずれであるかを示す情報である。
同図は、例えば、部屋IDが「R001」である部屋(つまり、第1執務室)の在室利用者IDは「U001、U002、U003…」(つまり、A上一郎、B藤二郎、C村三郎…)であり、在室数は「5」であり、是正在室数は「2」であり、変化は「減少」であることを示している。
【0062】
なお、在室情報テーブル40の生成は、入退室管理システム1000の運用開始時に、入退室管理サーバ200における操作部(不図示)を介して、システム管理者等により行われる。また、新たなレコードの登録及び登録済みのレコードの削除は、入退室を管理する部屋の数が増減した場合等に、システム管理者等により上述の操作部を介して行われる。
【0063】
<無効時間帯情報テーブル>
以下、無効時間帯情報テーブル50について説明する。
図5(a)は、無効時間帯情報テーブル50のデータ構成及び内容例を示す図である。
無効時間帯情報テーブル50は、同図に示すように、部屋毎に、部屋ID51、無効時間帯名称52、無効時間帯53を対応付けて構成される情報である。
【0064】
無効時間帯情報テーブル50は、在室情報更新部243が在室情報テーブル40を更新するか否かを判定する際に参照される。なお、以下では、対応する部屋ID、無効時間帯名称、無効時間帯からなる情報を、レコードと表現する。
ここで、部屋ID51は、その部屋の識別情報であり、部屋情報テーブル20のいずれかの部屋IDと一致するものであり、無効時間帯名称52は、対応する部屋における無効時間帯の名称であり、例えば、システム管理者等が、どの部屋のどの無効時間帯の情報であるかを一見して把握するために用いられる。また、無効時間帯53は、いわゆる「共連れ」、「すれ違い」等の入退室が発生する可能性が高い時間帯を示す情報であり、この時間帯に認証を受けた利用者の入退室が生じても、在室情報更新部243は、在室情報テーブル40を更新しない。この例に示す時間帯は、昼食をとるために各部屋から退室した利用者は、昼食を取り終えて、この時間帯内に再び入室する可能性が高いため、この時間帯の前後で、入室している利用者の数は大きく変化しないと推定できるためである。
【0065】
同図は、例えば、部屋IDが「R001」である部屋(第1執務室)の無効時間帯は「11:45〜12:45」であり、その無効時間帯名称は、「第1執務室 昼食時間帯」であることを示している。
なお、無効時間帯情報テーブル50の生成は、入退室管理システム1000の運用開始時に、入退室管理サーバ200における操作部(不図示)を介して、システム管理者等により行われる。また、新たなレコードの登録及び登録済みのレコードの削除は、入退室を管理する部屋の数が増減した場合や、新たに、いわゆる「共連れ」、「すれ違い」等の入退室が発生する可能性が高い時間帯が生じるようになった場合等に、システム管理者等により上述の操作部を介して行われる。
【0066】
また、登録済みのレコードの更新は、特に、無効時間帯について、いわゆる「共連れ」、「すれ違い」等の入退室が発生する可能性が高い時間帯に変更が生じた場合等に、システム管理者等により上述の操作部を介して行われる。
<制御情報テーブル>
以下、制御情報テーブル60について説明する。
【0067】
図5(b)は、制御情報テーブル60のデータ構成及び内容例を示す図である。
制御情報テーブル60は、同図に示すように、部屋毎に、部屋ID61、人数62、変化63、遅延時間64、指示先65、制御内容66を対応付けて構成される情報である。
制御情報テーブル60は、指示部244が、外部機器等を制御するか否かを判定する際に参照される。なお、以下では、対応する部屋ID、人数、変化、遅延時間、指示先、制御内容からなる情報を、レコードと表現する。
【0068】
ここで、部屋ID61は、その部屋の識別情報であり、部屋情報テーブル20のいずれかの部屋IDと一致するものであり、人数62及び変化63は、対応する制御内容を実行する際の条件を示す情報であり、人数62は、対応する制御内容を実行する際の是正在室数を示す情報であり、変化63は、対応する人数に至る前後の是正在室数の値の変化(増加又減少)を示す情報である。
【0069】
遅延時間64は、対応する制御内容を実行するとの判定がなされてから、実際に実行するまでの時間を示す情報であり、指示先65は、対応する制御内容の指示先となるGU(100A又は100B)のGUIDを示す情報である。なお、GUに指示し制御を行わせるのではなく、入退室管理サーバ200自身が制御を行う場合を「−」で示している。
制御内容66は、対応する人数、変化に示される条件を満たしたときに実行される空調機器等に対する制御内容を示す情報である。
【0070】
同図は、例えば、部屋IDが「R001」である部屋(第1執務室)の人数(是正在室数)の変化が「減少」であり、人数が「0」である場合に行う制御内容は「警戒設定」であり、遅延時間は「0:01:00」(つまり、1分)であり、指示先は「−」(つまり、入退室管理サーバ200自身)であることを示している。なお、「警戒設定」とは、各GUを介して、各カードリーダからカードIDを受信しても認証しない状態に設定することをいう。
【0071】
また、同図は、例えば、部屋IDが「R001」である部屋(第1執務室)の人数(是正在室数)の変化が「増加」であり、人数が「5」である場合に行う制御内容は「空調ON」であり、遅延時間は「0:00:00」(つまり、即時)であり、指示先は「GU001」(つまり、GU100A)であることを示している。
なお、制御情報テーブル60の生成は、入退室管理システム1000の運用開始時に、入退室管理サーバ200における操作部(不図示)を介して、システム管理者等により行われる。また、新たなレコードの登録、登録済みのレコードの更新及び削除は、入退室を管理する部屋の数が増減した場合や制御対象となる機器が増減した場合等に、システム管理者等により上述の操作部を介して行われる。
【0072】
<履歴情報テーブル>
以下、履歴情報テーブル70について説明する。
図6(a)は、履歴情報テーブル70のデータ構成及び内容例を示す図である。
履歴情報テーブル70は、同図に示すように、イベント毎に、日時71、CRNo.72、イベントコード73、利用者ID74、内容75を対応付けて構成される情報である。
【0073】
履歴情報テーブル70は、在室情報更新部243が、在室情報テーブル40を更新するか否かを判定するために参照され、履歴情報更新部242が履歴情報を生成した際に更新される。なお、以下では、対応する日時、CRNo.、イベントコード、利用者ID、内容からなる情報を、レコードと表現し、履歴情報更新部242が生成する履歴情報は、1レコード分のデータに相当する。
【0074】
ここで、日時71は、そのイベントが生じた日時を示す情報であり、CRNo.72は、そのイベントに係るカードリーダに割り当てられた番号であり、物理情報テーブル10のいずれかのCRNo.と一致するものであり、イベントコード73は、対応するイベントの識別情報である。なお、以下では、イベントコードが「0001」であるイベントは「認証」であり、イベントコードが「1001」であるイベントは「開扉」であり、イベントコードが、「1002」であるイベントは「閉扉」であるものとして説明する。
【0075】
利用者ID74は、対応するイベントが認証である場合における、認証を受けた利用者の識別情報であり、カード情報テーブル30のいずれかの利用者IDと一致するものである。なお、この例では、対応するイベントが認証以外である場合には、利用者IDとして「−」を表示している。また、内容75は、対応するイベントの内容を示す情報である。
同図は、例えば、イベントが発生した日時は「2009/12/1 8:45:25」であり、イベントコードは「0001」であり、イベントの内容は、「認証成功」であり、認証に係る利用者IDは「U001」(つまり、A上一郎)であり、認証に用いられたカードIDを読み取ったカードリーダのCRNo.は「1」であることを示している。
【0076】
また、同図は、例えば、イベントが発生した日時は「2009/12/1 8:45:27」であり、イベントコードは「1001」であり、イベントの内容は、「開扉」であり、このイベントに係る扉を解錠するために行われた認証に係るカードリーダのCRNo.は「1」であることを示している。
なお、履歴情報テーブル70の生成及び登録済みのデータの削除は、入退室管理システム1000の運用開始時に、入退室管理サーバ200における操作部(不図示)を介して、システム管理者等により行われる。また、新たなレコードの登録は、履歴情報更新部242が履歴情報を生成した際に行われ、登録済みのレコードの更新は、原則として行われない。
【0077】
<無効イベント情報テーブル>
以下、無効イベント情報テーブル80について説明する。
図6(b)は、無効イベント情報テーブル80のデータ構成及び内容例を示す図である。
無効イベント情報テーブル80は、同図に示すように、開始イベントコード81、終了イベントコード82、時間83、対象イベントコード84を対応付けて構成される情報である。
【0078】
無効イベント情報テーブル80は、在室情報更新部243が、在室情報テーブル40を更新するか否かを判定するために参照される。なお、以下では、対応する開始イベントコード、終了イベントコード、時間、対象イベントコードからなる情報を、レコードと表現する。
ここで、開始イベントコード81、終了イベントコード82、及び時間83は、対応する対象イベントコード84が示すイベントに基づいて、在室情報テーブル40の是正在室数について行った更新を無効にする条件を示す情報であり、開始イベントコード81及び終了イベントコード82は、対応する対象イベントコード84が示すイベントの後に生じたイベントの識別情報であり、対応する対象イベントコード84が示すイベントに係るカードリーダと同一のカードリーダに係るイベントの識別情報を示す。また、時間83は、対応する開始イベントコードが示すイベントの発生時間から、対応する終了イベントコードが示すイベントの発生時間までの経過時間を示す情報である。また、対象イベントコード84は、是正在室数の更新を無効にすべきイベントのイベントコードを示す情報である。
【0079】
同図は、例えば、開始イベントコードは「1001」(つまり、開扉)であり、終了イベントコードは「1002」(つまり、閉扉)であり、対応する開始イベントコードが示すイベントの発生時間から、対応する終了イベントコードが示すイベントの発生時間までの時間が「0:01:00」(つまり、1分)以上である場合に、対象イベントコードが「0001」であるイベント(つまり、認証)に基づいて行われた是正在室数の更新を無効にすることを示している。
【0080】
<動作>
次に、上記構成を備え、上記データを取り扱う入退室管理サーバ200の動作を説明する。
<制御処理>
図7は、入退室管理サーバ200による制御処理を示すフローチャートである。
【0081】
なお、以下説明する制御処理は、繰り返し実行されるものとする。
まず、入退室管理サーバ200における制御部240は、通信部210を介して、いずれかのGU(100A又は100B)からデータを受信したか否かを判定し(ステップS1)、データを受信した場合には(ステップS1:YES)、受信したデータの種類が、認証情報及びイベント情報のいずれであるかを判定する(ステップS2)。
【0082】
制御部240は、受信したデータが、認証情報である場合には(ステップS2:認証情報)、後述する認証情報受信時処理(図8参照)を実行し(ステップS10)、受信したデータが、イベント情報である場合には(ステップS2:イベント情報)、後述するイベント情報受信時処理(図9参照)を実行する(ステップS20)。
ステップS10又はS20の処理の実行を完了し、又はステップS1でデータを受信していない場合には(ステップS1:NO)、制御部240の在室情報更新部243は、現在時刻が、部屋情報テーブル20のいずれかのレコードに含まれる日替時刻と一致するか否かを判定する(ステップS4)。例えば、図4(b)に示す部屋情報テーブル20の例では、現在時刻が、2:00:00又は1:00:00と一致する場合には、肯定的な判定(ステップS4:YES)を行い、それ以外の時刻である場合には、否定的な判定(ステップS4:NO)を行う。
【0083】
現在時刻が、日替時刻と一致する場合には(ステップS4:YES)、制御部240は、後述する日替時刻での更新処理(図10参照)を実行する(ステップS40)。
ステップS40の処理の実行を完了し、又はステップS4で現在時刻が日替時刻と一致しない場合には(ステップS4:NO)、在室情報更新部243は、在室情報テーブル40のいずれかのレコードに含まれる在室数と是正在室数との差の絶対値が所定値(例えば、10とする)以上であるか否かを判定する(ステップS5)。例えば、図4(d)に示す在室情報テーブル40の例では、部屋IDが「R001」であるレコードに含まれる在室数(5)と是正在室数(2)の差(3)は10未満であるが、部屋IDが「R002」であるレコードに含まれる在室数(15)と是正在室数(5)の差(10)は10以上であるので肯定的な判定(ステップS5:YES)を行う。
【0084】
いずれかのレコードに含まれる在室数と是正在室数との差の絶対値が所定値以上である場合には(ステップS5:YES)、制御部240は、後述する所定差異発生時の更新処理(図11参照)を実行する(ステップS50)。
ステップS50の処理の実行を完了し、又はいずれのレコードに含まれる在室数と是正在室数との差の絶対値も所定値未満である場合には(ステップS5:NO)、制御部240の指示部244は、外部機器等を制御するか否かを判定する(ステップS6)。
【0085】
より詳細には、在室情報テーブル40の各レコードに含まれる部屋ID、是正在室数、及び変化を取得し、取得した部屋ID、是正在室数、及び変化と一致する部屋ID、人数、及び変化を含む制御情報テーブル60のレコードが存在するか否かを判定する。
なお、後述する図9のステップS26、図10のステップS44、S45、図11のステップS53、S55の処理により、在室情報テーブル40の変化が「−」に更新される場合があるが、「−」である場合には、取得した部屋ID及び是正在室数に一致する部屋ID及び人数を含む制御情報テーブル60のレコードが存在するか否かを判定する。
【0086】
例えば、図4(d)に示す在室情報テーブル40の例では、部屋IDが「R001」であるレコードの是正在室数は「2」で、変化は「減少」であり、これらと一致する部屋ID、人数及び変化を含む制御情報テーブル60のレコードが存在するので、肯定的な判定を行う。なお、部屋IDが「R002」であるレコードの是正在室数は「5」で、変化は「増加」であり、これらと一致する部屋ID、人数及び変化を含む制御情報テーブル60のレコードも存在するので、肯定的な判定を行うことになる。
【0087】
この判定で否定的な判定を行った場合には、外部機器等を制御しない旨の判定を行い(ステップS6:NO)、制御部240は、制御処理を終了する。また、上記判定で、肯定的な判定を行った場合には、外部機器等を制御する旨の判定を行い(ステップS6:YES)、上記判定に係るレコードの遅延時間、指示先、及び制御内容を取得し、取得した遅延時間が示す時間後に、取得した制御内容を実行する旨の指示を、通信部210を介して、取得した指示先(自サーバ、GU100A、又はGU100B)に送信し(ステップS7)、制御部240は、制御処理を終了する。
【0088】
上述の例では、遅延時間「0:05:00」後に、制御内容「空調OFF」を実行する旨の指示を、指示先(GU001、つまり、GU100A)に送信し、また、遅延時間「0:00:00」後(つまり即時)に、制御内容「空調ON」を実行する旨の指示を、指示先(GU002、つまりGU100B)に、送信する。
<認証情報受信時処理>
続いて、上述した制御処理の認証情報受信時処理(図7のステップS10)の詳細な処理内容を説明する。
【0089】
図8は、入退室管理サーバ200による認証情報受信時処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、制御部240の認証部241は、図7のステップS1でいずれかのGU(100A又は100B)から通信部210を介して受信した認証情報と、カード情報テーブル30に基づいて、扉を解錠するか否かに係る認証を行い(図8のステップS11)、認証結果と、計時部220から取得した認証日時と、認証情報に含まれていた各データ(カードID、CRID、GUID)をその認証情報の送信元であるGU(100A又は100B)に送信する(ステップS12)。
【0090】
ここで、認証結果は、受信した認証情報に含まれるカードIDを含むレコードが、カード情報テーブル30に登録されている場合には、認証が成功したことを示す情報であり、受信した認証情報に含まれるカードIDを含むレコードが、カード情報テーブル30に登録されていない場合には、認証が失敗したことを示す情報である。
例えば、いずれかのGUから受信した認証情報に、カードID「1L0e2・・・M7Ub87」が含まれていた場合には、このカードIDと一致するカードIDが、カード情報テーブル30に登録されているので、認証が成功したことを示す認証結果を、その認証情報の送信元であるGUに送信することになる。
【0091】
続いて、認証部241は、上記ステップS11で行った認証が成功したか否かを判定し(ステップS13)、認証が失敗した場合には(ステップS13:NO)、認証情報受信時処理を終了する。
また、認証が成功した場合には(ステップS13:YES)、在室情報更新部243は、物理情報テーブル10から、認証情報に含まれていたCRID及びGUIDを含むレコードのCRNo.を取得し、部屋情報テーブル20から、取得したCRNo.を入室CRNo.と退室CRNo.とのいずれかに含むレコードの部屋IDを取得し、取得した部屋IDを含む無効時間帯情報テーブル50のレコードの無効時間帯に、ステップS12で取得された認証日時(時刻)が含まれているか否かを判定する(ステップS14)。
【0092】
例えば、認証情報に含まれていたCRIDが「CR001」であり、GUIDが「GU001」である場合、部屋ID「R001」を取得する。また、例えば、認証時刻が「12:00:00」である場合、取得した部屋ID「R001」を含む無効時間帯情報テーブル50のレコードの無効時間帯「11:45〜12:45」に、認証時刻が含まれるので、肯定的な判定(ステップS14:YES)を行う。
【0093】
認証日時が、無効時間帯に含まれていない場合には(ステップS14:NO)、在室情報更新部243は、在室情報テーブル40を更新する(ステップS15)。
より詳細には、在室情報更新部243は、認証に係るカードリーダが、入室用のカードリーダであれば、取得した上記部屋IDを含む在室情報テーブル40のレコードに含まれる在室利用者IDに認証情報に含まれていたカードIDに対応する利用者IDを追加し、在室数及び是正在室数それぞれを1つ増加させ、変化を「増加」に設定する。一方、認証に係るカードリーダが、退室用のカードリーダであれば、取得した上記部屋IDを含む在室情報テーブル40のレコードに含まれる在室利用者IDから、認証情報に含まれていたカードIDに対応する利用者IDを削除し、在室数及び是正在室数それぞれを1つ減少させ、変化を「減少」に設定する。
【0094】
なお、認証に係るカードリーダが、入室用のカードリーダであるか、退室用のカードリーダであるかは、上記部屋IDを取得する過程で取得したCRNo.と一致するCRNo.が、部屋情報テーブル20の入室CRNo.と退室CRNo.とのいずれに登録されていたかにより判定する。
また、後述するステップS16の処理等により、在室利用者IDに追加しようとしている利用者IDが既に登録されている場合や、在室利用者IDから削除しようとしている利用者IDが登録されていない場合が生じ得る。このようなケースでは、在室利用者IDの更新は行わない。
【0095】
例えば、上記例(CRIDが「CR001」、GUIDが「GU001」、取得したCrNo.が「1」、取得した部屋IDが「R001」)の場合、取得したCRNo.「1」と一致するCRNo.は、部屋情報テーブル20の入室CRNo.に登録されているので、部屋ID「R001」を含む在室情報テーブル40のレコードに含まれる在室利用者IDに認証情報に含まれていたカードID(上記例では、1L0e2・・・M7Ub87)に対応する利用者ID(U004)を追加し、在室数及び是正在室数それぞれを1つ増加させ(図4(d)の在室情報テーブルの例では、在室数は「6」、是正在室数は「3」になる)、変化を「増加」に設定する。
【0096】
制御部240は、ステップS15の処理を完了すると、認証情報受信時処理を終了する。
一方、ステップS14で、認証日時が、無効時間帯に含まれている場合には(ステップS14:YES)、在室情報更新部243は、在室情報テーブル40の是正在室数及び変化を更新することなく、在室利用者IDと在室数のみを更新する(ステップS16)。
【0097】
より詳細には、在室情報更新部243は、認証に係るカードリーダが、入室用のカードリーダであれば、ステップS14で取得した上記部屋IDを含む在室情報テーブル40のレコードに含まれる在室利用者IDに認証情報に含まれていたカードIDに対応する利用者IDを追加し、在室数を1つ増加させる。一方、認証に係るカードリーダが、退室用のカードリーダであれば、ステップS14で取得した上記部屋IDを含む在室情報テーブル40のレコードに含まれる在室利用者IDから、認証情報に含まれていたカードIDに対応する利用者IDを削除し、在室数を1つ減少させる。
【0098】
ステップS16の処理が完了すると、制御部240は、認証情報受信時処理を終了する。
<イベント情報受信時処理>
続いて、上述した制御処理のイベント情報受信時処理(図7のステップS20)の詳細な処理内容を説明する。
【0099】
図9は、入退室管理サーバ200によるイベント情報受信時処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、履歴情報更新部242は、図7のステップS1でいずれかのGU(100A又は100B)から通信部210を介して受信したイベント情報に基づいて履歴情報を生成し、履歴情報テーブル70に登録する(ステップS21)。
【0100】
より詳細には、受信したイベント情報に含まれるCRIDに対応するCRNo.を物理情報テーブル10から取得し、取得したCRNo.と、受信したイベント情報に含まれる日時、イベントコード、及びイベントの内容とを含む履歴情報を生成し、特に、受信したイベント情報にカードIDが含まれている場合には、そのカードIDに対応する利用者IDをカード情報テーブル30から取得し、取得した利用者IDを含む履歴情報を生成し、履歴情報テーブル70に登録する。
【0101】
在室情報更新部243は、履歴情報更新部242が登録した履歴情報に含まれているイベントコードが、無効イベント情報テーブル80に登録されているレコードの終了イベントコードと一致するか否かを判定する(ステップS22)。
具体的には、履歴情報に含まれているイベントコードが「1002」(つまり、閉扉)である場合には、肯定的な判定(ステップS22:YES)を行い、履歴情報に含まれているイベントコードが「0001」(つまり、認証)又は「1001」(つまり、開扉)である場合には、否定的な判定(ステップS22:NO)を行う。
【0102】
登録した履歴情報に含まれているイベントコードが、終了イベントコードと一致しない場合には(ステップS22:NO)、制御部240は、イベント情報受信時処理を終了する。
また、登録した履歴情報に含まれているイベントコードが、終了イベントコードと一致する場合には(ステップS22:YES)、在室情報更新部243は、無効イベント情報テーブル80から、そのイベントコードと一致する終了イベントコードを含むレコードの開始イベントコードを取得し、履歴情報テーブル70から、この取得した開始イベントコード及び履歴情報更新部242が登録した履歴情報に含まれているCRNo.を含む直近に登録された履歴情報(レコード)の日時を取得し(ステップS23)、この取得した日時から、履歴情報更新部242が登録した履歴情報の日時までの時間(開扉時間)を算出する(ステップS24)。
【0103】
より詳細には、無効イベント情報テーブル80から、開始イベントコード「1001」を取得し、例えば、図6(a)に示す履歴情報テーブル70の例では、取得した開始イベントコードと登録した履歴情報に含まれているCRNo.「2」を含む直近に登録された履歴情報(レコード)の日時(2009/12/1 17:30:42)の日時を取得し、この取得した日時から、登録した履歴情報の日時(この例では、2009/12/1 17:31:50)までの開扉時間(00:01:08)を算出する。
【0104】
また、在室情報更新部243は、算出した開扉時間が所定時間(例えば1分)以上であるか否かを判定し(ステップS25)、算出した開扉時間が所定時間未満である場合には(ステップS25:NO)、「共連れ」、「すれ違い」等の入退室が発生したとは推定できないので、イベント情報受信時処理を終了する。
また、算出した開扉時間が所定時間以上である場合には(ステップS25:YES)、「共連れ」、「すれ違い」等の入退室が発生したと推定し、在室情報更新部243は、是正在室数及び変化を更新する(ステップS26)。
【0105】
より詳細には、在室情報更新部243は、ステップS21で登録した履歴情報に含まれるCRNo.に対応する部屋IDを部屋情報テーブル20から取得し、取得した部屋IDに対応する在室情報テーブル40の是正在室数を、対応する変化が「増加」となっている場合には1つ減少させ、対応する変化が「減少」となっている場合には1つ増加させ、対応する変化を「−」に更新する。
【0106】
制御部240は、ステップS26の処理を完了すると、イベント情報受信時処理を終了する。
例えば、上述の例では、ステップS21で登録した履歴情報に含まれるCRNo.「2」に対応する部屋ID「R001」を部屋情報テーブル20から取得し、取得した部屋IDに対応する在室情報テーブル40の是正在室数「2」を、対応する変化が「減少」となっているので、1つ増加させ、「3」とし、対応する変化を「−」に更新する。
【0107】
<日替時刻での更新処理>
続いて、上述した制御処理の日替時刻での更新処理(図7のステップS40)の詳細な処理内容を説明する。
図10は、入退室管理サーバ200による日替時刻での更新処理を示すフローチャートである。
【0108】
通知部245は、部屋情報テーブル20から、上記ステップS4で、現在時刻と一致すると判定した日替時刻を含むレコードの部屋IDを取得し、取得した部屋IDに対応する是正在室数を在室情報テーブル40から取得し、取得した是正在室数が1以上であるか否かを判定する(ステップS41)。
例えば、現在時刻が「2:00:00」である場合、部屋情報テーブル20から対応する部屋ID「R001」を取得する。また、図4(d)に示す在室情報テーブル40の例では、取得した部屋ID「R001」に対応する是正在室数「2」は1以上であるので、肯定的な判定(ステップS41:YES)を行う。
【0109】
是正在室数が0である場合には(ステップS41:NO)、制御部240は、日替時刻での更新処理を終了し、是正在室数が1以上である場合には(ステップS41:YES)、通知部245は、上記取得した部屋IDに対応する在室利用者IDを在室情報テーブル40から取得し、取得した在室利用者IDと対応する利用者名をカード情報テーブル30から取得し、是正在室数と、在室利用者IDと、利用者名とを、部屋IDと対応する部屋の管理端末(300A又は300B)に通信部210を介して通知する(ステップS42)。
【0110】
なお、部屋IDと対応する部屋の管理端末は、部屋IDと対応する部屋情報テーブル20の端末No.が示す管理端末である。
図4(d)に示す在室情報テーブル40の例では、上記取得した部屋ID「R001」と対応する在室利用者ID「U001、U002、U003・・・」を取得し、取得した在室利用者IDと対応する利用者名「A上一郎、B藤二郎、C村三郎・・・」をカード情報テーブル30から取得し、是正在室数「2」と、在室利用者ID「U001、U002、U003・・・」と、利用者名「A上一郎、B藤二郎、C村三郎・・・」とを、部屋IDと対応する部屋の管理端末300Aに通信部210を介して通知する。
【0111】
この通知を受けた管理端末は、通知された是正在室数、在室利用者ID、及び利用者名を図示しない表示部に表示すると共に、図示しないスピーカから所定の音声を出力することで、その管理端末が設置されている部屋に在室している利用者に、実在室者数及び在室利用者IDの入力を促す。利用者からこれらの情報が入力されると、その管理端末は、上記通知に対する応答として、入力された実在室者数及び在室利用者IDを入退室管理サーバ200に送信する。
【0112】
在室情報更新部243は、ステップS42の通知先である管理端末から応答があったか否かを判定し(ステップS43)、応答があった場合には(ステップS43:YES)、その応答に含まれる実在室者数で、ステップS41で取得した部屋IDに対応する在室情報テーブル40の在室数及び是正在室数を更新し、その応答に含まれる在室利用者IDで、ステップS41で取得した部屋IDに対応する在室情報テーブル40の在室利用者IDを更新し、変化を「−」に更新し(ステップS44)、制御部240は、日替時刻での更新処理を終了する。
【0113】
一方、ステップS43で、管理端末300からの応答がなかった場合には(ステップS43:NO)、ステップS42で通知部245が通知してから、所定時間(例えば、10分)経過したか否かを判定し(ステップS45)、経過していない場合には(ステップS45:NO)、再びステップS43から処理を行う。
通知から、所定時間を経過した場合には(ステップS45:YES)、その部屋には誰も入室していないと推定できるので、在室情報更新部243は、ステップS41で取得した部屋IDに対応する在室情報テーブル40の在室数及び是正在室数を0に、在室利用者IDに登録されている全ての利用者IDを削除し、変化を「−」に更新し(ステップS46)、制御部240は、日替時刻での更新処理を終了する。
【0114】
<所定差異発生時の更新処理>
続いて、上述した制御処理の所定差異発生時の更新処理(図7のステップS50)の詳細な処理内容を説明する。
図11は、入退室管理サーバ200による所定差異発生時の更新処理を示すフローチャートである。
【0115】
通知部245は、上記ステップS5で、在室数と是正在室数との差の絶対値が所定値以上であると判定したその在室数と是正在室数を含む在室情報テーブル40のレコードの部屋IDに対応する在室利用者IDを在室情報テーブル40から取得し、取得した在室利用者IDと対応する利用者名をカード情報テーブル30から取得し、ステップS5で取得した是正在室数と、在室利用者IDと、利用者名とを、部屋IDと対応する部屋の管理端末(300A又は300B)に通信部210を介して通知する(ステップS51)。
【0116】
以降のステップS52〜S54の処理は、上述のステップS43〜S45の処理と同様であるため、説明は省略する。
<補足>
以上、本発明に係る管理システムを、実施の形態に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態で示した通りの管理システムに限られないことは勿論である。
【0117】
(1)実施の形態で説明した無効時間帯情報テーブル50は、いわゆる「共連れ」や「すれ違い」等の入退場が生じる可能性が高い時間帯の一例として、無効時間帯に昼食時間帯を登録した例を説明したが、これ以外の時間帯、例えば、出社時間帯や退社時間帯を登録するようにしてもよい。なお、昼食時間帯と同様、出社時間帯及び退社時間帯として、部屋毎に異なる時間を設定するようにしてもよいが、以下では、一例として、いずれの部屋も出社時間帯は「8:30〜9:30」であり、退社時間帯は、「17:30〜18:30」であるものとして説明する。
【0118】
この出社時間帯や退社時間帯を無効時間帯情報テーブル50の無効時間帯に登録した場合、これらの時間帯が終了したときに、在室情報テーブル40の是正在室数を所定値に設定する必要がある。図8に示す認証情報受信時処理では、認証日時が無効時間帯に含まれる場合に(ステップS14:YES)、在室情報テーブル40の是正在室数は更新されない(ステップS16)ためである。
【0119】
出社時間帯が終了した際に設定する所定値は、例えば、その部屋に出社予定の社員数であり、退社時間帯が終了した際に設定する所定値は、例えば、その部屋で残業予定の社員数である。
出社時間帯や退社時間帯が終了したときに、在室情報テーブル40の是正在室数を所定値に設定するために、図7に示す制御処理のステップS4の処理の前に、現在時刻が無効時間帯の終了時刻と一致するか否かの判定処理を行い、この判定処理において、肯定的な判定を行った場合に、以下説明する、無効時間帯終了時刻での更新処理を行うように変更する必要がある。
【0120】
図12は、変形例に係る入退室管理サーバによる無効時間帯終了時刻での更新処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、履歴情報更新部242は、現在時刻がいずれの無効時間帯の終了時刻と一致するのかを判定し(ステップS31)、出社時間帯の終了時刻(この例では、9:30)と一致する場合には(ステップS31:出社時間帯)、在室情報テーブル40の各是正在室数を、所定値V1(例えば、対応する部屋に出社予定の社員数)に設定し(ステップS32)、無効時間帯終了時刻での更新処理を終了する。
【0121】
また、退社時間帯の終了時刻(この例では、18:30)と一致する場合には(ステップS31:退社時間帯)、履歴情報更新部242は、在室情報テーブル40の各是正在室数を、所定値V2(例えば、対応する部屋で残業予定の社員数)に設定し(ステップS33)、無効時間帯終了時刻での更新処理を終了する。
また、昼食時間帯の終了時刻(この例では、部屋IDがR001である第1執務室では、12:45、部屋IDがR002である第2執務室では、13:00)と一致する場合には、(ステップS31:昼食時間帯)、履歴情報更新部242は、特に何もすることなく、無効時間帯終了時刻での更新処理を終了する。
【0122】
なお、この所定値V1及びV2については、無効時間帯情報テーブル50に登録される出社時間帯、退社時間帯と対応付けて登録しておいてもよい。
(2)実施の形態では、無効時間帯情報テーブル50の無効時間帯に、いわゆる「共連れ」や「すれ違い」等の入退場が生じる可能性が高い時間帯をシステム管理者等が予め登録しておくものとして説明したが、例えば、履歴情報テーブル70に基づいて、開扉から閉扉までの時間が一定時間以上である回数が既定回数以上ある時間帯や、単位時間内の認証回数が一定回数以上である時間帯を抽出できるように変形し、抽出した時間帯を、無効時間帯情報テーブル50の無効時間帯に自動的に登録するようにしてもよいし、システム管理者等に抽出した時間帯を通知し、システム管理者等からの登録指示を受けて登録するようにしてもよい。
【0123】
なお、単位時間内の認証回数が一定回数以上である時間帯を抽出するのは、出入りが頻繁に行われる時間帯においては、いわゆる「共連れ」や「すれ違い」等の入退場が生じる可能性が高いためである。
(3)実施の形態では、図7に示す制御処理のステップS6で、空調機器等を制御するか否かを判定し、肯定的な判定を行った場合に(ステップS6:YES)、空調機器等を制御する(ステップS7)ものとして説明したが、制御処理からは、ステップS6及びS7の処理を削除し、ステップS10、S20、S40、S50それぞれの処理の最後に行うようにしてもよい。
【0124】
(4)実施の形態で説明した制御情報テーブル60では、各空調機器に対する制御内容として、「空調ON」と「空調OFF」とを例に説明したが、空調の温度を制御するようにしてもよい。
(5)実施の形態では、各利用者が保持するICカードに記憶されているカードIDが、カード情報テーブル30に登録されているカードIDと一致する場合に、いずれの部屋に対しても入退室が可能であるものとして説明したが、カード情報テーブル30に、入退室が可能な部屋の部屋IDを登録するようにしてもよい。つまり、入退室管理サーバ200の認証部241は、認証情報に含まれるCRIDに対応する物理情報テーブル10のCRNo.を取得し、取得したCRNo.に対応する部屋情報テーブル20の部屋IDを取得し、この部屋IDと、認証情報に含まれるカードIDとを含むレコードが、この変形に係るカード情報テーブルに登録されている場合に、認証が成功したと判定し、このレコードが登録されていない場合に、認証が失敗したと判定する。
【0125】
(6)実施の形態では、図7のステップS1、S2、S10、S20の処理と、ステップS4、S40の処理と、ステップS5、S50の処理との各処理を全て行うものとして説明したが、一部の処理のみを行うようにしてもよい。この一部の処理に、上記(1)の変形に係る処理を含めてもよい。
また、実施の形態では、入退室管理サーバ200は、図7に示す制御処理全体を繰り返し実行するものとして説明したが、図7のステップS1、S2、S10、S20の処理と、ステップS4、S40の処理と、ステップS5、S50の処理との各処理を、独立した処理として、非同期に実行するようにしてもよい。
【0126】
(7)実施の形態では、入退室管理サーバ200が認証を行うものとして説明したが、各GUにカード情報テーブル30を記憶させ、各GUが認証を行い、この認証結果に応じて、接続する電子錠を解錠するようにしてもよい。この場合、各GUは、入退室管理サーバ200に認証情報を送信する必要がなくなる。
また、この場合、入退室管理サーバ200は、図7の制御処理を以下のように変形する必要がある。
【0127】
即ち、図7の制御処理のステップS2に変えて、イベント情報が認証に係るものか否かを判定する処理を行い、イベント情報が認証に係るものである場合に、ステップS10の処理(図8のS11〜S16)のうち、ステップS13〜S16の処理を行うようにする。なお、ステップS13の判定は、認証に係るイベント情報のイベントの内容が「認証成功」であるか否かにより判定する。
【0128】
また、イベント情報が認証に係るものである場合に行う上記処理を完了し、又は、イベント情報が認証以外のイベント(開扉又は閉扉)に係るものである場合に、ステップS20の処理を行うようにする。
(8)実施の形態では、各GUが各空調機器を直接制御するものとして説明したが、各空調機器を制御する空調システムを介して制御するようにしてもよい。
【0129】
(9)実施の形態では、入退室管理サーバ200は、図11のステップS54において、所定時間を経過した場合には(ステップS54:YES)、特に何も行うことなく、所定差異発生時の更新処理を終了するものとして説明したが、この場合に、例えば、図7のステップS5で、在室数と是正在室数との差の絶対値が所定値以上であると判定したその判定に係る是正在室数を、判定に係る在室数と同じ値に更新し、変化を「−」に更新するようにしてもよい。
【0130】
(10)実施の形態において説明した各構成要素のうち、全部又は一部を1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよいし、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実現してもよい。
また、実施の形態において説明した各処理(図7〜図11)をCPUに実行させるためのプログラムを、記録媒体に記録し又は各種通信路等を介して、流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布されたプログラムは、機器におけるCPUで読み取り可能なメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのCPUがそのプログラムを実行することにより実施の形態で示した入退室管理サーバ200の各機能が実現される。
【0131】
また、これらのことは、上記変形においても、同様に適用できる。
(11)本発明に係る管理システムの認証手段は、入退室管理サーバ200の認証部241に相当し、本発明に係る管理システムの入退場制御手段は、各GU(100A、100B)の錠制御部152に相当し、本発明に係る管理システムの管理手段、判定手段、計数制御手段、設定手段、及び記憶手段は、入退室管理サーバ200の記憶部230及び在室情報更新部243に相当し、本発明に係る管理システムの通知手段は、入退室管理サーバ200の通知部245に相当する。
【符号の説明】
【0132】
1A〜1D カードリーダ
2A、2B 電気錠
3A、3B 開閉センサ
4A、4B 空調機器
5 LAN
100A、100B GU
110、210 通信部
120 ID受信部
130 開閉信号受信部
140、220 計時部
150、240 制御部
151 認証情報送信部
152 錠制御部
153 イベント情報生成部
154 空調制御部
200 入退室管理サーバ
230 記憶部
241 認証部
242 履歴情報更新部
243 在室情報更新部
244 指示部
245 通知部
300A、300B 管理端末
1000 入退室管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器の制御に用いる管理対象領域内の利用者数を管理する管理システムであって、
利用者による管理対象領域に対する入場及び退場に係る認証を行う認証手段と、
前記認証手段により入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、前記管理対象領域に対する利用者の入退場を可能に制御する入退場制御手段と、
前記認証手段により入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、1増加又は減少させる処理を実行することで計数した管理対象領域内の利用者数を管理する管理手段と、
前記入退場制御手段の前記制御により入退場が可能になった前記管理対象領域に対し、複数の利用者が入退場したと推定される一定条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記一定条件を満たすと判定した場合に、前記管理手段による前記処理の実行を抑止し、又は前記管理手段が管理する利用者の数を調整する計数制御手段とを備える
ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記一定条件は、前記認証手段による認証の時刻が既定の時間帯に含まれることであり、
前記計数制御手段は、前記判定手段が前記一定条件を満たすと判定した場合に、前記抑止を行う
ことを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記入退場制御手段は、前記認証手段により入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、管理対象領域に設けられた扉を解錠し、開扉及び閉扉を検出した後に施錠するものであり、
前記一定条件は、前記入退場制御手段により検出された開扉から閉扉までの時間が既定時間以上であったことであり、
前記計数制御手段は、前記判定手段が前記一定条件を満たすと判定した場合に、前記管理手段が管理する前記1増加又は減少させる処理後の利用者の数を、当該処理前の利用者の数に戻すよう前記調整を行う
ことを特徴とする請求項2記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理システムは、更に
現在時刻が既定の時刻と一致した場合に、前記管理手段が管理している利用者の数を所定値に設定する設定手段を備える
ことを特徴とする請求項3記載の管理システム。
【請求項5】
前記管理システムは、更に
ユーザへの通知を行う通知手段を備え、
前記設定手段は、
前記通知手段による通知から既定時間以内にユーザからの応答を受け付けない場合に、前記所定数をゼロとして前記設定を行う
ことを特徴とする請求項4記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理システムは、更に
前記認証手段により入場又は退場を許可する旨の認証が行われる毎に、1増加又は減少させる処理を実行することで計数した管理対象領域内の利用者の数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された利用者の数と、前記管理手段が管理する利用者の数との差が既定値以上になった場合に、前記管理手段が管理する利用者の数を所定値に設定する設定手段を備える
ことを特徴とする請求項3記載の管理システム。
【請求項7】
前記管理システムは、更に
ユーザへの通知を行う通知手段を備え、
前記設定手段は、
前記通知手段による通知から既定時間以内にユーザから利用者の数を含む応答を受け付けた場合に、前記所定値を当該応答に含まれる利用者の数として、前記設定を行う
ことを特徴とする請求項6記載の管理システム。
【請求項8】
前記管理システムは、更に
前記判定手段が前記一定条件を満たすと判定した場合に、前記既定の時間帯を経過した後に、前記管理手段が管理する利用者の数を、既定値に設定する設定手段を備える
ことを特徴とする請求項2記載の管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−144505(P2011−144505A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3672(P2010−3672)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】