説明

管理型護岸の構築法

【課題】 廃棄物埋立地の仕切護岸において、ケーソンの下部の堆積層を不透水性処理する改良を行い、ケーソンの基部に対しても不透水処理を行って、仕切りの内外での水の流通を防止する。
【解決手段】 ケーソン11を設置して海洋構造物10を構築するに際して、海底地盤1の上部の堆積層3に対して、硬化材等を混入して不透水性地盤改良部4を構築し、ケーソン11を設置する部分に掘削溝部5を構築する。そして、基礎石層6を構築してから、アスファルト混合物を打設して基礎石層の石の間にも流動物を充満させて硬化させる。
また、前記ケーソン11の間にも目地遮水処理部を施工して、海洋構造物の下部とケーソンの間に隙間が形成されずに、仕切護岸の内外で水が流通しないように遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海底地盤の上にケーソン等の既製の構造体を据付けて、埋め立て区画を構築するに際して、前記海底地盤内部と、構造物と海底地盤との間での遮水性を良好に発揮可能にする管理型護岸の構築法に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物を海に埋め立てるために、埋立地を仕切ってその周囲を囲むように護岸を構築するに際しては、従来より海底地盤表面上に、捨石を所定の高さに積み上げた基礎マウンドを構築し、その基礎マウンドの上にケーソン等の既製の構造体を据付けて構築している。そして、前記護岸で囲まれる内側の内水面に廃棄物等を投棄して埋め立てし、埋め立て後の表面に所定の厚さで土を盛り、新たな陸地を造成して公園等の新たな需要に供することができる。また、前記護岸により仕切られた埋立地においては、護岸の内外に水が流通することを防止する手段を用いる必要があり、そのために、護岸の内側の基礎マウンドと海底地盤の表面に、遮水シートや遮水マット類を隙間なく敷設することや、ケーソン間の目地部を遮水処理する等の手段が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−152425
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来の遮水シートや遮水マット類を敷設して、護岸の内外に水の流通を阻止する遮水処理方法を適用する場合に、基礎マウンドの表面に敷設する遮水シート類等が、ケーソン側と海底地盤側との両方の端部で隙間が生じないように処理できないことが多くある。特に、近年では、水深が10m以上の海域を対象として廃棄物埋め立て処分場を確保することも多くあり、そのような大水深の海域では、遮水シート類を隙間なく敷設する等の、遮水処理を行う工事でも多くの問題が出現している。また、護岸本体工として基礎マウンドの上にケーソンを据付けする場合には、前記基礎マウンドの石の間、または、前記ケーソンを据え付ける海底地盤の砂やシルト等の透水性地層を通って、仕切護岸の内外部の間で水が流通することは避けられない。その他に、海底地盤の遮水処理を良好に行った場合でも、ケーソンの下面と基礎マウンドの間での遮水処理が不完全な場合があり、埋立地に溜まった保有水が外洋に漏れ出す等の問題が生じやすい。
【0004】
さらに、前記海底地盤が透水性の小さな土質である場合の他に、透水係数の小さな岩盤の場合でも、前記ケーソンの下面と岩盤との間から水が流通することがあり、そのような工事現場での遮水処理にも解決を要する問題が多く残っている。その他に、既設の防波堤等を仕切護岸として用い、港の内部を廃棄物処分場として利用することが提案されているところもある。ところが、そのような既設の港湾を処分場として利用する場合には、基礎マウンドと海底地盤の双方と、既設のケーソンの目地間に隙間が多くあったり、比較的透水性を有するものである場合が多くあり、その既設の構造物に対して遮水処理を行う経費が、仕切護岸を新設する場合と比較して安くならないことがあり、より有効な工事方法が模索されているのが現状である。
【0005】
本発明は、前記廃棄物海面処分場の管理型廃棄物埋立護岸での遮水処理を有効に行い得て、仕切護岸と基礎マウンドと下部の海底地盤とを、信頼性の高い遮水部として構築する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、海域を所定の広さに区画するように構造物を構築して、廃棄物投棄用に用いる仕切護岸の構築法に関する。
請求項1の発明は、底地盤上にケーソンのような既製の構造体を列状に並べて前記護岸を構築し、前記ケーソンの間には遮水処理を施工し、
前記海底地盤上に構築する構造物としての前記ケーソンの列と、海底地盤との間にも遮水処理を施して、
前記仕切護岸の海底地盤と構造物の双方を一体化した不透水層として構築することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記仕切護岸を構築する海底地盤が透水性の地盤である場合に、前記仕切護岸を構築する構造物としての前記ケーソンの下部を含む所定の範囲を不透水層とする処理と、
前記不透水性とする処理を行った不透水性地盤改良部の所定の範囲に、溝部を構築する処理とを施工し、
前記溝部内で、前記構造物を支持するための支持部材を配置して、
ケーソンのような既製の構造体を並べて構造物の構築と、を順次施工してから、
前記溝部内で、構造物基部と下面、前記構造物の側部の側壁部とに亘って、所定の高さと巾に遮水材を充満させて遮水材の層を構築し、
不透水性改良地盤と前記構造物の間および、前記構造物の間の双方に、遮水処理を施すことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記仕切護岸を構築する地盤が、軟らかくて透水係数の小さい地質の不透水性軟質地盤である場合に、前記構造物を設置する前記地盤の所定の範囲に所定の巾と深さを有する掘削溝部を構築し、
前記掘削溝部内で整地を行うか、または前記構造物を支持するために設ける支持部材を配置して、ケーソンのような既製の構造体を並べて構造物を構築してから、
前記掘削溝部内で、前記構造物の下面、前記構造物の側部の所定の範囲に、所定の高さと巾で遮水材を充満させる処理を行い、
不透水性軟質地盤と構造物の間での遮水処理を施すとともに、前記構造物の間の目地部を遮水材料で充満させ、遮水処理を施すことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、前記構造物を構築する地盤が硬くて、透水係数の小さい地質の不透水性硬質地盤の場合に、構造物を設置する前記地盤上に、所定の間隔をおいて仕切り部材を構築し、
前記仕切り部材により仕切られた区画内の地盤表面の整地を行うか、あるいは構造物を支持するための支持部材を配置して、ケーソンを並べて護岸構造物を構築する処理を行ってから、
前記仕切り部材で囲まれた内部で、構造物との間に生じる内部の空間に、遮水材料を充満させて、前記構造物の基部を所定の高さに覆うとともに、前記地盤と前記構造物と前記仕切り部材との間での遮水処理を施すことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、前記ケーソンのような既製の構造体を並べて構築する構造物の陸側の面には、遮水性を発揮するシート部材を構造物の壁に沿わせて敷設して、遮水性を向上させる処理を施すことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、前記構造物に対応させて構築する遮水層に施工する遮水材として、アスファルト混合物または土質系遮水材、もしくはコンクリート系遮水材による遮水層を単独で用いて構築する他に、複数種類の遮水材の層を重ねて層状とした複合層、もしくは相互に列状とした複合列層として構築することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前述したようにして、ケーソンのような既成の構造物を用いて、所定の範囲の海域を囲むように列状に設置して、仕切護岸を構築するに際して、支持基礎となる海底地盤の透水係数を小さな値とする不透水性地盤改良工事を施工するとともに、ケーソンの下部と前記支持基礎となる不透水性地盤改良部等の間に遮水材の層を設けることにより遮水することができる。そして、前記既成の構造物としてのケーソン下部と不透水性地盤改良部との間に、流動性の大きな遮水材を充満させることで、隙間を生じない遮水層を構築することにより、遮水処理を容易に行い得て、仕切護岸の信頼性を向上させることができる。また、前記護岸を構築する海底地盤が、透水係数の小さな岩盤である場合にも、据付けるケーソンの基部と前記海底地盤の間に、遮水材料の層を所定の厚さで構築するのみで、遮水性を良好に発揮できる。さらに、前記護岸の設置場所の地盤の地質等に応じて、ケーソン等の下部に所定の高さの遮水性混合物層を構築するために、任意の手段を用いることが可能であり、その護岸の基部に対する遮水処理を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図示される例にしたがって、管理型護岸の構築法を説明する。一般的な管理型廃棄物埋立護岸は、図1に示されるように、海底地盤1の上に構築する護岸の荷重が作用する所定の区域に対して、地盤を改良する工事を施工した地盤改良部4を構築し、前記地盤改良部4の上にケーソンのような既製の構造体を設置して、海洋構造物10を構築している。ところが、前記海洋構造物10を構築する地盤の地質が、強固で透水係数の小さな岩盤ではなく、砂層等のように、透水係数が大きい堆積層3である場合が多くある。
【実施例】
【0014】
そこで、前記堆積層3の上にケーソン11等による海洋構造物10を構築するに際しては、図示するように、構造物10の構築区域を含む所定の巾に亘って、地盤改良工事を施工して不透水性地盤改良部4を構築する。前記地盤改良部4としては、従来より一般に行われているように、堆積層3の土にセメント等の硬化材を混合する等の、透水係数を小さな値とする改良工事を施工する。なお、前記地盤改良部4を施工するに際しては、ケーソン11を設置する下部の部分に対しては、後で土を除去してケーソン11の基部を位置させる掘削溝部5を設ける必要があるために、前記掘削溝部5に対応する部分には硬化材を混入せずに、未処理部分として残す。
【0015】
また、前記地盤改良部4を施工するに際して、前記地盤が堆積土のような軟弱な地盤である場合等には、前記地盤に多数の遮水性を発揮する杭を連続して打設した遮水壁を施工することも可能である。前記遮水性を発揮する杭壁を構築するに際しては、地盤中に垂直にケーシングを打ち込み、アスファルトまたはセメントを混合した砂等を投下して硬化させて、不透水性を発揮できる杭を構築する方法も提案されている。そして、前記遮水性の杭を隣接させて列状に構築して、所定の厚さを有する壁状の遮水壁を構築することができる。
【0016】
前記地盤改良部4を施工する深さは、望ましくは不透水層としての岩盤2まで達するようにすれば良いことは勿論であり、上部に設置されるケーソン11等の厚さに対応させた任意の巾で施工することにより、海底地盤を通って海洋構造物10により仕切られた内外の海域の水が流通しないように遮断する。前記地盤改良部4を施工した後で、ケーソン11を設置するために、地盤改良部4の未処理部分の土を除去して、掘削溝部5を構築し、前記掘削溝部5の溝の表面に捨て石等を所定の厚さで敷き込み、基礎石層6を構築する。次いで、前記基礎石層6の表面を均してから、基礎石の空隙および基礎石層の表面を覆うように、遮水材もしくはアスファルト混合物の遮水層を施工して遮水処理を行い、その後にケーソン11を設置し、隣接するケーソン11の間に遮水処理を施すとともに、遮水シート15等を敷設して遮水を行うことで、二重の遮水が確保される。
【0017】
前記ケーソン11の下部に対する遮水工としては、掘削溝部5の内部に流動性の大きいアスファルト混合物を打設することにより施工するもので、前記掘削溝部5の両側から加熱して流動性の大きいアスファルト混合物を流し込むようにすることもできる。そして、その混合物の流動性が大きいことにより、基礎石層6の隙間にも流動物が入り込み、基礎石層6を形成する石の間にも隙間が残らないように充満される。なお、前記ケーソンの巾が大きく、アスファルト混合物を基礎の横部から流し込むのみでは、ケーソンの下部にまで十分に充満されない場合には、前述したように、基礎石層に対してアスファルト混合物を施工して遮水処理を行うことができる。
【0018】
その他に、基礎石層に代えて水中コンクリートを打設することや、アスファルトマットを敷設すること、アスファルト混合物を所定の厚さに打設して遮水層を設けた上に、ケーソンを構築する工法等を用いても良い。また、前記掘削した溝の内部では、地盤の壁とケーソンとの間にアスファルト混合物層20が充満されるので、透水係数を小さくする地盤改良を行った地盤改良部4とともに、不透水性を有するアスファルト混合物層20を組み合わせて、ケーソンの下部での遮水性を良好に発揮できるようにする。
【0019】
前記図1に示す例では、前記アスファルト混合物層20を掘削溝部5に充填し、ケーソン11間の遮水工を施工した後で、ケーソン11の陸側に遮水シート15を施工し、その遮水シート15の下部をアスファルト混合物層20の上に所定の長さで延長して、地盤上に押さえ層16を施工して、さらに、遮水シート15の端部にアスファルトブロック16aを所定の大きさに設けて、遮水シートの先端部を保持させるようにしている。前記押さえ層16と端部ブロック16aとしては、任意の厚さのアスファルトマットを敷設することや、アスファルト混合物を打設して構築することもでき、それによって、遮水シート15の下部に水が通る隙間が生じないようにする。また、海洋構造物10の海側には、ケーソンを据え付ける際の案内部材としての端部ブロック7と盛土層8を設けているが、そのような補助手段は必ずしも必要なものではない。
【0020】
前記海洋構造物10を構築するケーソン11は、所定の高さ、厚さと長さを有するものを複数並べて構築し、埋立地の周囲の仕切りを構築する。前記ケーソンとして説明している既製の構造体としては、コンクリート製のブロック状のもの、または鋼製や、鋼製の本体の表面にコンクリートを所定の厚さで被覆した、いわゆるハイブリッドケーソンと呼ばれるものや、セル等の任意の大きさに製造したものを構造体として用いることができる。また、前記ケーソン11の間(目地間)での遮水をするための目地遮水処理部12は、図2、3に示すような、従来より用いられている工法を用いることができる。
【0021】
前記図2、3に示す目地遮水処理部12としては、ケーソン11、11の間に、所定の間隔をおいてゴム等で略筒状に構成したシール部材13を配置し、そのシール部材13、13aの間の空間部にアスファルト混合物を充填して、アスファルト充填層14を構築するまた、前記シール部材13aの外側には、任意の型枠を配置して、コンクリート等の固化材の層14a、を構築する。なお、前記シール部材13、13aの内部にも、必要に応じてアスファルト混合物や砂等を充満させて、シール部材13が潰れないようにするが、前記目地遮水処理部12としては、前述したような方法を用いる他に、従来公知の目地遮水工を適用することも可能である。
【0022】
前記構造物を設置する溝の内部の地盤(表面)上には、前記基礎石層を構築せずに、遮水性を有するマットを敷設すること、またはアスファルト混合物や水中コンクリートを所定の厚さで打設して、遮水性を発揮可能な遮水体を構築して、不透水性の地盤と遮水体との間での遮水性を持たせることも可能である。そして、前記遮水体の上にケーソンを据付けてから、アスファルト混合物を打設してケーソンの基部を覆うようにし、構造物と遮水性(不透水性)地盤との間での遮水処理を施すことも可能である。
【0023】
前記図1に説明した実施例は、海底地盤1が不透水層としての岩盤2の上に、堆積層としての堆積層3が砂やシルトの層として存在する場合を例にしているものである。これに対して、非常に強固で透水係数の小さなな岩盤2の上に、直接ケーソン11等を設置して海洋構造物10を構築する場合もある。図4、5に示す例は、前記強固で透水性の小さな岩盤2の上にケーソン11を設置する場合の、地盤とケーソンの下部との間での遮水工を説明している。図4に示すように、岩盤2が比較的容易に掘削可能な場合には、岩盤2に対して所定の深さと巾を有する掘削溝部5aを、任意の掘削手段を用いて構築する。そして、前記掘削溝部5aの底面に所定の厚さで基礎石層6を施工してから、その上にケーソン11を載置し、掘削溝部5a内部の隙間(空間部)にアスファルト混合物を充填して、アスファルト混合物層20を構築してから、隣接するケーソン11の間に前記目地遮水処理部を各々施工して遮水処理を行う。
【0024】
また、前記図4のように、岩盤に溝部を掘削して構築することが困難である場合には、図5に示すように、ケーソン11を設置する部分の両側(内外海域の両側)に、所定の高さと巾を有する端部ブロック21、21aを配置して、前記端部ブロックの間にアスファルト混合物を充満させることが可能である。前記アスファルト混合物層20は、端部ブロック21と同じ高さに施工して、ケーソン11の基部を所定の高さまで埋没させるようにする。前記端部ブロックとしては、例えば、型枠を組んだ間に水中コンクリートを打設する等の工法を用いることにより、容易に岩盤2上に構築可能であり、その他に、比較的大きなコンクリートブロックを陸上で構築構築したものを、台船により搬送して所定の海域に沈設することによっても、前記端部ブロック21として構築することができる。
【0025】
前述したように、前記端部ブロック21、21aの間で、ケーソン11の基部の両側面と下面とを覆うようにアスファルト混合物層20を施工することにより、前記端部ブロック21とケーソン11とをアスファルト混合物層20を介して一体化することができる。そして、前記ケーソンの基部をアスファルト混合物により強固に支持することにより、護岸に対して波浪の衝撃が加えられた場合にも、前記ケーソンと端部ブロックとを一体化して、海洋構造物を保持する作用を良好に発揮できる。
【0026】
なお、前記図4、5に説明したように、強固な岩盤2の上にケーソンを設置する工事を行うに際して、前記岩盤2の表面が平らではないことから、ケーソン11の下部に対応させて基礎石層6を構築して、その表面をほぼ平らに均してから、ケーソン11を設置する工法を用いることができる。したがって、ケーソンの下部に基礎石層を構築してから、アスファルト混合物を施工する場合にも、流動性の大きなアスファルト混合物が基礎石層6の石の間にも入り込んで、岩盤2の表面とケーソン11の間にも、遮水性を良好に発揮できるものとなる。また、岩盤の上にアスファルト混合物を所定の厚さに施工してから、ケーソンまたは端部ブロックを載置し、その後に、アスファルト混合物層20を溝の中に施工する方法を用いても良い。
【0027】
前述したような海洋構造物を構築するに際して、前記堆積層3における透水性を改善して、掘削溝部5にケーソンを設置し、ケーソンの間の目地遮水処理部とケーソン下部でのアスファルト混合物層20を施工したのみでは、海洋構造物の強度が十分でないことが想定される。そのように、地盤の強度が、仕切護岸内部に埋め立てた廃棄物の圧力と、波浪の圧力に対して、十分な強度を発揮できないときには、図6に示すように、補助強化手段を追加して設けることもある。前記補助強化手段を施工する場合には、例えば、ケーソン11の一方の側に、所定の間隔をおいて鋼製矢板(鋼矢板、鋼管矢板、鋼製箱型矢板、鋼製H型矢板等を総称する)を列状に打設してパイル壁25を構築し、タイロッドのような接続具26を用いてケーソンと接続する。そして、前記パイル壁25を構成する鋼製矢板の接続部に対して公知の遮水処理を行い、鉛直な遮水壁を構築する。さらに、前記パイル壁25とケーソン11の間の空間部に、透水係数の小さな充填物層を構築することによって、より一層の遮水性質を発揮させることになり、ケーソンと複合して遮水性をより良好に維持できるものとなる。
【0028】
前記充填物27としては、建築廃材等のように、有害物が水にとけて流出しない性質を有するものを用いることが可能であり、例えば、コンクリート残骸等の腐食しない性質を持つ材料を用いると良い。その他に、建築地盤を掘削した土(残土)や、その他の土状のものを投棄して、隙間が生じないように圧密する(締め固める)等して充填することもできる。なお、前記ケーソン11の陸側にパイル壁25を構築して、埋立地の遮水性をより良好に発揮させる手段は、前記図6の他に、図1に示した構造物10に対しても適用が可能であり、前記図1に示す例においては、例えば、遮水性地盤改良部4に鋼製矢板を打ち込んでパイル壁25を追加して構築することによって、前記図6の例と同様な遮水性を発揮させることができる。
【0029】
前記各実施例は、海洋構造物を新設する場合の構築工法を説明したのであるが、その他に、既設の防波堤等のような古い海洋構造物をそのまま利用して、廃棄物投棄処分場の仕切護岸を構築する場合も考えられる。例えば、図7に示すように、既設の防波堤を廃棄物埋立地の仕切護岸として用いる場合には、ケーソン11を立設する支持基礎17は、所定の大きさの石を積み重ねて構築していることが一般的であり、その支持基礎17の石の間には、水が流通可能な隙間が大きく形成された状態にある。
また、前記既設の防波堤等を支持する海底地盤では、不透水層としての性質を有する岩盤2の上の堆積層3に対しては、特に不透水性を発揮可能な地盤改良部として処理されているものではないことが多い。そこで、前述したような透水性を有する地盤上に構築されている既設の防波堤等の海洋構造物では、地盤の透水性と、支持基礎17における水の流通性を同時に解消し、新たな護岸を構築することが求められる。
【0030】
前記図7に示すように、既設の海洋構造物を用いる場合には、まず、既設のケーソン11の両側に所定の間隔を介して、盛土層23、23を所定の巾と高さに構築し、前記盛土層23と堆積層3に亘って、不透水性地盤改良を行って壁状不透水性処理層22、22を所定の厚さを有する壁状に構築する。また、前記壁状不透水性処理層22、22の間の堆積層3に対しては、可能な範囲で地盤改良部4を形成する工事を行い、堆積層3での透水係数が小さくなるようにする処理を行うと、より良い効果を奏することができる。その後で、前記壁状処理層22、22の間の余分な土等を除去してから、アスファルト混合物層20を打設して下部の遮水層を構築し、流動性の大きな材料を支持基礎の石の間にも充満させるようにして、アスファルト混合物層20によりケーソン11の基部を支持するとともに、海底地盤上に巾の広い遮水層を構築する。
【0031】
なお、前記図7に示す例において、壁状の不透水性処理層22、22としては、前記地盤改良部4を施工する場合と同様に、土にセメント等の固化材料を混入して地盤の透水性を改良することにより、地盤中に不透水性の壁状の仕切りを構築することが可能である。前記既設の防波堤等を利用して埋立地の仕切護岸を構築する場合に、ケーソンの間に隙間が生じていたりするときには、ケーソンの間にシール部材を挿入して、アスファルト混合物を隙間に充満させる等の追加工事を施工して、ケーソン目地での遮水処理を行うことが必要である。さらに、前記ケーソン間の遮水処理に加えて、ケーソンの内海側の両側または一方の側に沿わせて遮水シートを追加敷設して、ケーソンの側面を覆う等の処理を施すことで、仕切護岸での遮水性能をより向上させることも可能となる。
【0032】
前記図7に示す例において、前記地盤を不透水性のものとして改良することと、ケーソンの目地間での遮水止水処理によっても、十分な防水性能を発揮できない場合がある。そのような現場では、前記図6に説明したように、地盤の不透水処理層22に鋼製矢板を打ち込んでパイル壁25を構築して、遮水性を発揮させる処理を施すようにする。また、前記ケーソン11の側面に沿わせて、遮水シート15を敷設し、その遮水シート15の下部をアスファルト混合物層20に対して押えブロック15a等により一体化させて、遮水性をより良好に発揮させるようにすることもできる。その上で、前記ケーソン11とパイル壁25の間に、前記図6の場合と同様に、充填物27を充満させて、遮水シート15を押えて、構造物を安定化させるようにすることができる。
【0033】
前記図7とは異なり、図8に示す例では、既設の海洋構造物を用いる場合に、まず、既設のケーソン11を支持する地盤3に対して、ケーソンの両側に所定の間隔を介して、堆積層の地盤3の土にセメント等の固化材を混入する等の不透水性地盤改良を行って、壁状不透水性処理層22、22を所定の厚さを有する壁状のものとして構築する。その後に、前記壁状不透水性処理層22の外側に、地盤から所定の高さに突出させたパイル壁25を列状に打設して、アスファルト混合物層20を構築する仕切りを設ける。そして、前記パイル壁25とケーソン11の間の空間部に、アスファルト混合物層20を打設することにより、前記壁状処理層22、22とアスファルト混合物層20とを一体化し、前記ケーソン11の基部を支持するとともに、海底地盤中と上部に巾の広い遮水層を構築する。
【0034】
図9に示す例においては、既設の海洋構造物を用いる場合に、まず、既設のケーソン11を支持する地盤3に対して、ケーソンの両側に所定の間隔を介して、土嚢やコンクリートブロック等を積み重ねて、所定の高さの仕切り壁24、24を構築する。ついで、前記仕切り壁24、24の内側では、海底地盤の土にセメント等の固化材料を混入して地盤の透水性を改良することにより、遮水性を発揮できる壁状不透水性処理層22、22を所定の厚さを有する壁状のものとして構築する。そして、前記壁状不透水性処理層22、22の上に、砂とアスファルト混合物とを混合したものを壁状に構築した追加不透水層22aを構築し、前記壁状不透水性処理層22、22と追加不透水層22a、22aを上下で一体の壁状の不透水層として、ケーソン11の両側に所定の間隔を持たせて構築する。
【0035】
さらに、前記不透水層の壁の内部の空間にアスファルト混合物を打設して、前記ケーソン11の基部を支持するとともに、海底地盤中と上部に巾の広い遮水層を構築するようにしている。なお、前記図8、9に示す例において、前記地盤を不透水性のものとして改良することと、ケーソンの目地間での遮水止水処理によっても、十分な防水性能を発揮できないと考えられる場合には、前記図7に説明したように、地盤の不透水処理層22に鋼製矢板を打ち込んでパイル壁を構築することと、前記ケーソン11の側面に沿わせて遮水シート15を敷設する処理を追加することにより、遮水性をより良好に発揮させ、構造物を安定化させるようにすることができる。
【0036】
前記本発明の実施例において、遮水材としてアスファルト混合物を用いる場合で説明したが、前記遮水層としては、土質系遮水材またはコンクリート系遮水材を用いることが可能であり、その他に、前記遮水材の2種類もしくは3種類を組み合わせて施工することも可能である。前記遮水材として、種類の異なるものを組み合わせて施工するに際しては、例えば、任意の厚さの遮水材を層状に上下に積層させるように施工するか、任意の厚さの遮水材の層を列状に相互に隣接させるように施工して、遮水層の施工コストを低減させることを可能にしても良い。例えば、前記遮水材としてアスファルト混合物のみを用いて施工する場合には、そのアスファルト混合物のコストが比較的高価であることから、十分な遮水性を発揮できて、遮水層の施工コストを低減させるように、他の遮水材と組み合わせて施工することが強く望まれる場合が多くある。
【0037】
前記遮水材として用いる材料は、アスファルト混合物の他に、土質系遮水材またはコンクリート系遮水材を用いることが可能であるとされる。例えば、土質系遮水材としては、粘土質の土に対して任意の凝固を阻止する添加材を加えて、固化しないような処理を行った材料を用いることができるもので、コンクリート系遮水材としては、コンクリートの他に、モルタルや、セメントを所定の比率で土や砂等に混合した材料を用いることが可能である。そして、前記遮水層を複数の遮水材の層を重ねて構築する場合には、以下に説明する実施例に示すように、任意の縦横方向に複数種類の遮水材の層を積層した遮水層として構築することが可能である。
【0038】
図10に示す例は、前記図4に説明したように、強固で透水性の小さな岩盤2の上にケーソン11を設置する場合の、地盤とケーソンの下部との間での遮水工の別の実施例を説明している。前記構造物施工海域の岩盤2が、比較的容易に掘削可能な場合には、任意の掘削手段を用いて、岩盤2に対して所定の深さと巾を有する掘削溝部5aを掘削する。そして、前記掘削溝部5aの底面に所定の厚さで基礎石層6を施工してから、その上にケーソン11を載置し、掘削溝部5a内部の隙間(空間部)に土質系遮水材もしくはコンクリート系遮水材を所定の厚さで施工して下部の遮水層20aを設けることが可能である。また、前記土質系遮水材を充填して構築する遮水層20aの上に構造物11を設置し、前記構造物の両側の空間部内にさらに土質系遮水材を充満させてから、その上面をアスファルト混合物層20bで覆うように構築して、前記土質系遮水材の充填層20aを保護するようにして一体化した遮水層を構築する。
【0039】
また、前記図10に説明するように、岩盤に溝部を掘削して構築することが困難である場合には、図11に示すように、ケーソン11を設置する部分の両側(内外海域の両側)に、所定の高さと巾を有する端部ブロック21、21aを配置して、前記端部ブロックと構造物との間の隙間に遮水層20Aを構築して、ケーソンの両側に対する遮水処理を行うことが可能である。前記遮水層20Aとしては、前記図10の例と同様に、地盤上に所定の厚さで土質系遮水材の層20aを構築し、その上面にアスファルト混合物を所定の厚さで施工した層20bを構築することができる。なお、前記端部ブロック21、21aを用いる場合に、図示するように、端部ブロック21にケーソン11の脚部を押圧させるようにして位置決めすると、ケーソンの位置決めの作用を容易に行うことが可能である。そして、前記ケーソン11の固定のための補助手段を施工する必要もなくなり、施工性を良好なものとすることが可能である。前記図11に説明する構造物に対する遮水層としては、前記図10の例と同様に、土質系遮水材の層20aの上にアスファルト混合物の層20bを積層させるように施工して、遮水層20Aを構築することも可能である。
【0040】
前記各実施例に説明したものとは別に、図12に示す例では、海底地盤が砂質の地盤の場合等に、壁状に遮水層を施工した遮水層に対して、さらに矢板を打設して強固な遮水層を縦壁状に構築する場合を説明している。この図12に説明する実施例において、ケーソン11を支持する地盤3に対して、ケーソンの両側に所定の間隔を介して、コンクリートの壁28を不透水層2に達する深さに構築し、さらに、前記コンクリート壁28の中に、または壁28に沿わせて矢板29を打設して遮水壁を構築する。前記遮水壁28とケーソン1の基部と間に形成される空間部に対しては、前記遮水層20Aと同様に、土質系遮水材とアスファルト混合物とを積層した遮水処理部を施工することが可能である。
その他に、遮水処理層20Bとしては、土質系遮水材の層20aの上にコンクリート系遮水材の層20cを施工し、その上面をアスファルト混合物の層20bで覆って、ケーソンの周囲の部分からの漏水が生じないような処理を施しても良い。
【0041】
図13に示す例は、前記図6に説明したように、ケーソンの内陸側(埋立地側)に、所定の間隔をおいて鋼製矢板(鋼矢板、鋼管矢板、鋼製箱型矢板、鋼製H型矢板等を総称する)を列状に打設してパイル壁25を構築し、タイロッドのような接続具26を用いてケーソンと接続する。そして、前記パイル壁25を構成する鋼製矢板の接続部に対して公知の遮水処理を行い、鉛直な遮水壁を構築し、前記パイル壁25とケーソン11の間の空間部に、透水係数の小さな充填物層を構築する処理を施して、より遮水性を良好に維持可能な仕切りを構築している。本実施例において、地盤とケーソンの基部との間の隙間には、前記各実施例に説明したような遮水層20Aを構築することが可能である。前記構成に加えて、充填層27Aとしては、アスファルト混合物の層27bをケーソンの側面と充填層20Aに対して施工し、その側部には、土質系遮水材の層27aを壁25との間に施工する。前記充填層27Aの上面には、コンクリート系遮水材を所定の厚さで施工して、3種の遮水材を複合した遮水処理層27Aとして用いることが可能である。
【0042】
なお、前記本発明の各実施例において、ケーソンの基部に構築する遮水材の層20、20Aにおいては、前述したように、複数種類の遮水材料を積層して、遮水性をより向上させた層を構築することが可能であり、その積層する際の、各材料の厚さ等は、適宜設定することが可能である。前記遮水材の層の他に、ケーソンの側部に所定の厚さで壁状に構築する遮水層27A等においても、前述したように、性質の異なる複数の遮水材を組み合わせて、遮水層を形成することで対応が可能である。
また、前記遮水材としてアスファルト混合物を用いる場合に、その混合物でのアスファルト成分と骨材、その他の混合物の配合比率等は、その海域の波の荒さや施工能率等に対応させて、任意に作成することができる。その他に、前記土質系遮水材としては、任意の粘土質の材料を用いることが可能であるが、例えば、ベントナイト等に対して、乳化材や沈殿を抑制する成分等を混合したものを用いることが可能である。さらに、コンクリート系遮水材としては、任意の配合比率で形成したコンクリートやモルタルを、単独で打設することが可能であるが、比較的厚く打設する場合には、小石や栗石の層を構築した後で、コンクリート系遮水材を打設してそれ等の石の層をコンクリート系遮水材と一体化した遮水層を構築しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の海洋構造物の構成を示す説明図である。
【図2】ケーソン間に設ける目地遮水処理部の説明図である。
【図3】図2の目地遮水処理部の平面図である。
【図4】岩盤上に海洋構造物を構築する例の説明図である。
【図5】岩盤を掘削せずに海洋構造物を構築する例の説明図である。
【図6】図1の海洋構造物の改良図である。
【図7】既設の防波堤等を利用して仕切護岸を構築する例の説明図である。
【図8】既設の防波堤等を利用して構築する別の実施例の説明図である。
【図9】図8とは異なる例の説明図である。
【図10】ケーソンの基部に構築する別の実施例の説明図である。
【図11】図4の遮水層の変形例の説明図である。
【図12】コンクリート壁による遮水層の構築例の説明図である。
【図13】図6の遮水処理の変形例の説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 海底地盤、 2 岩盤、 3 堆積層、 4 不透水性地盤改良部、
5 掘削溝部、 6 基礎石層、 7 端部ブロック、 8 盛土層、
10 海洋構造物、 11 ケーソン、 12 目地遮水処理部、
13 シール部材、 14 アスファルト充填層、 15 遮水シート、
16 押さえブロック、 17 支持基礎、 20 アスファルト混合物層、
21 端部ブロック、 22 壁状不透水処理層、 23 盛土層、
24 仕切り壁、 25 パイル壁、 26 接続具、 27 充填物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海域を所定の広さに区画するように構造物を構築して、廃棄物投棄用に用いる仕切護岸であって、
海底地盤上にケーソンのような既製の構造体を列状に並べて前記護岸を構築し、前記ケーソンの間には遮水処理を施工し、
前記海底地盤上に構築する構造物としての前記ケーソンの列と、海底地盤との間にも遮水処理を施して、
前記仕切護岸の海底地盤と構造物の双方を一体化した不透水層として構築することを特徴とする管理型護岸の構築法。
【請求項2】
前記仕切護岸を構築する海底地盤が透水性の地盤である場合に、前記仕切護岸を構築する構造物としての前記ケーソンの下部を含む所定の範囲を不透水層とする処理と、
前記不透水性とする処理を行った不透水性地盤改良部の所定の範囲に、溝部を構築する処理とを施工し、
前記溝部内で、前記構造物を支持するための支持部材を配置して、
ケーソンのような既製の構造体を並べて構造物の構築と、を順次施工してから、
前記溝部内で、構造物基部と下面、前記構造物の側部の側壁部とに亘って、所定の高さと巾に遮水材を充満させて遮水材の層を構築し、
不透水性改良地盤と前記構造物の間および、前記構造物の間の双方に、遮水処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の管理型護岸の構築法。
【請求項3】
前記仕切護岸を構築する地盤が、軟らかくて透水係数の小さい地質の不透水性軟質地盤である場合に、前記構造物を設置する前記地盤の所定の範囲に所定の巾と深さを有する掘削溝部を構築し、
前記掘削溝部内で整地を行うか、または前記構造物を支持するために設ける支持部材を配置して、ケーソンのような既製の構造体を並べて構造物を構築してから、
前記掘削溝部内で、前記構造物の下面、前記構造物の側部の所定の範囲に、所定の高さと巾で遮水材を充満させる処理を行い、
不透水性軟質地盤と構造物の間での遮水処理を施すとともに、前記構造物の間の目地部を遮水材料で充満させ、遮水処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の管理型護岸の構築法。
【請求項4】
前記仕切護岸を構築する地盤が硬くて、透水係数の小さい地質の不透水性硬質地盤の場合に、構造物を設置する前記地盤上に、所定の間隔をおいて仕切り部材を構築し、
前記仕切り部材により仕切られた区画内の地盤表面の整地を行うか、あるいは構造物を支持するための支持部材を配置して、ケーソンを並べて護岸構造物を構築する処理を行ってから、
前記仕切り部材で囲まれた内部で、構造物との間に生じる内部の空間に、遮水材料を充満させて、前記構造物の基部を所定の高さに覆うとともに、前記地盤と前記構造物と前記仕切り部材との間での遮水処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の管理型護岸の構築法。
【請求項5】
前記ケーソンのような既製の構造体を並べて構築する構造物の陸側の面には、遮水性を発揮するシート部材を構造物の壁に沿わせて敷設して、遮水性を向上させる処理を施すことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の管理型護岸の構築法。
【請求項6】
前記構造物に対応させて構築する遮水層に施工する遮水材として、アスファルト混合物または土質系遮水材、もしくはコンクリート系遮水材による遮水層を単独で用いて構築する他に、複数種類の遮水材の層を重ねて層状とした複合層、もしくは相互に列状とした複合列層として構築することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の管理型護岸の構築法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−85005(P2009−85005A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300261(P2008−300261)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【分割の表示】特願2003−303165(P2003−303165)の分割
【原出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願人】(594067368)ワールドエンジニアリング株式会社 (21)
【出願人】(000232508)日本道路株式会社 (48)
【出願人】(390002185)大成ロテック株式会社 (90)
【出願人】(000230711)日本海上工事株式会社 (25)
【Fターム(参考)】