説明

管継ぎ手

【解決手段】本発明は、管状導管を接続する、特に液体輸送システムを形成するために長パイプを接続する、管継ぎ手に関する。管継ぎ手(2)は、少なくとも1つの接続端(18)を有して形成される導管(14)を備える。接続端(18)は、長パイプ(4)の端部を受け入れる受入凹部(8)を画定する壁と、受入凹部(8)の壁の内面で所定の深さを形成する溝(12)と、溝(12)と接続端(18)の外面との間をつなげるチャネル(34)とを備える。管継ぎ手はさらに、チャネル(34)を介して溝(12)内に収容可能であって溝(12)内に収容されたときにコネクタ(30)が受入凹部(8)内を延伸するように溝(12)深さよりも幅広い細長の構成要素から形成されたコネクタ(30)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状導管を接続するため、特に液体輸送システムを形成する長パイプを接続するための、継ぎ手に関する。
【背景技術】
【0002】
液体輸送システムは、一般的な例として水やガス・石油等の燃料を含む、液体やガス等の物質を輸送することで知られる。このシステムは、数千マイルを超えて燃料を輸送する石油およびガスのパイプラインを含むことがある。燃料の液体輸送に使用される管状導管は、スチール、鉄、銅、アルミニウムおよびプラスチック等を含む異なる素材で作成されることがある。
【0003】
小内径のプラスチックパイプには、圧迫又はねじ式固定結合が可能であり、銅パイプでは、結合接続の手段として、通常は軟質はんだが利用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大内径のパイプには、通常直径1から1.5m(40から60インチ前後)の溶接継ぎ手が、燃料輸送に共通して使用される。しかし、溶接継ぎ手は、健康、安全および環境的に悪影響を与えると同時に、熟練工を必要とするという欠点がある。例えば、ガスまたは石油輸送パイプラインの建設では、一般的には直径1から1.5m(40から60インチ前後)の長さを有する約12メートル(40フィート)の鋼管から作成され、通常は溶接継ぎ手を使用する。各継ぎ手は、継ぎ手位置における設備の配備やX線装置による継ぎ手の検査を考慮すると、熟練者チームにより1日がかりで作成されることもある。また、このような溶接継ぎ手の約10分の1は、検査後に修理される必要がある。これにより、石油およびガスのパイプラインを高価にし、建設とメンテナンスに時間がかかることになる。
【0005】
圧入継ぎ手および溶接継ぎ手における更なる問題は、例えば修理やメンテナンス等のためにこれらを分離することが困難であり、一旦分離されると通常は再利用が不可能なことである。さらに、圧入継ぎ手または溶接継ぎ手の分離は、長パイプにダメージをもたらすことが多い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の観点によれば、管継ぎ手は、
少なくとも1つの接続端を有して形成される導管であって、前記接続端が、
長パイプの端部を受け入れる受入凹部を画定する壁、
前記受入凹部の前記壁の内壁に所定の深さで形成された溝、および
前記溝と前記接続端の外面との間をつなげるチャネルを有する該導管と、
前記チャネルを介して前記溝の中に収容可能で、前記溝の中に収容されたときに前記凹部内に延在するよう前記溝の深さよりも幅広い細長の構成要素から形成されるコネクタと
を備えることを特徴とする。
【0007】
管継ぎ手に接続される長パイプは、接続端の壁の内面の溝に対応する外面に溝を有して形成される。コネクタは、端部結合の壁の溝に収容されたときに、長パイプの対応する溝内を延伸する。長パイプを管継ぎ手内で密封することにも寄与する安定した固定を提供するために、コネクタは溝の間にぴったり嵌まる。
【0008】
次のステップに従い、長パイプを管継手に嵌めることができる。パイプの端部を受入凹部に挿入し、パイプの溝を受入凹部の内面の対応する溝に合せ、そして、コネクタを、合わせた溝により形成された空間に、チャネルを介して挿入することができる。パイプの溝は、受入凹部の壁の対応する溝に一致することができ、対応する一対の溝にコネクタを提供することもできる。
【0009】
長パイプを管継ぎ手にはめることは、コネクタを形成する細長の構成要素を、対応する溝の間の空間に沿ってチャネルを介してスライドさせることにより行うことができる。コネクタは、受入凹部の壁の内面の溝と、長パイプの外周の溝とをまたぎ、管継ぎ手に長パイプを固定する。
【0010】
本発明によれば、管継ぎ手の製造と配管は比較的安価である。また、溶接を必要としないため、配管が安全である。加えて、チャネルを介して溝からコネクタを取り外すだけで、管継ぎ手の外側から修理やメンテナンスのために固定を外すことができる。係合手段は、例えば、この目的のためにコネクタの一端に設けられた、手で握ることが可能な鉤である。
【0011】
長パイプを管継ぎ手内にはめ込むステップは、接続端の壁の内面に溝を形成し、長パイプの外面に溝を形成する、さらなるステップを含むことができる。このようなパイプや管継ぎ手の溝を切り込むためには、当技術分野の切削工具が利用可能である。
【0012】
コネクタは、チャネルを介してコネクタが溝に入る際に、受入凹部の壁の内面の溝の形をとることが可能な細長の弾性構成要素から形成することができる。コネクタは、例えば、棒状のばね鋼や細長の金属線等の細長の金属から形成することができる。また、コネクタは、チャネルと溝を通る動きを支援するために、テフロン(登録商標)等の潤滑コーティングで覆われていても良い。
【0013】
各溝に対応するチャネルおよびコネクタと共に、受取凹部には1つ以上の溝があっても良い。この場合、対応する数量の溝を、パイプ端の外面に形成することができる。受取凹部または長パイプの溝は、コネクタの横断面の一致する部分、具体的には、実質的にほぼ円の一部に一致する横断面を有することができる。
【0014】
受取凹部の溝は、受取凹部の壁の内面に沿ってほぼ周方向に延伸可能である。同様に、長パイプの溝も長パイプの外周に沿ってほぼ周方向に延伸可能である。例えば、溝は環状溝でも良く、コネクタは溝をほぼ一周して延伸しても良い。この構成は、接続端と、長パイプをほぼ一周して延伸する長パイプの間を固定し、それにより高強度の結合を提供する。あるいは、受取凹部の溝は、受取凹部の壁の内面の周りをらせん状に延伸しても良い。この場合、螺旋形の溝は、受取凹部の周囲を少なくとも1周して延伸する。
【0015】
コネクタの細長の構成要素は、チャネルに挿入される第1端と、例えば、コネクタが完全に挿入されたときに接続端の外面に当接することが可能な、第1端から離れた第2端とを有することができる。チャネルを介してコネクタを溝に挿入することを容易にするために、チャネルと溝はスムーズに合流することができる。
【0016】
導管は、バルブ装置を含むことができるが、他の長パイプや1つ以上の長パイプを接続するために用いられる他のいずれの導管であっても良い。
【0017】
通常、受取凹部の壁の内面は、標準的な管状パイプを受け入れるために、ほぼ円筒形である。
【0018】
接合部はさらに、導管の内面の内側を延伸するパイプ端面支台を備えても良い。この場合、この支台は環状支台であり、環状シールのための台座を形成することができる。
【0019】
環状シールは、環状支台と長パイプの端面の間を密封することが可能である。
【0020】
本発明の他の特徴や利点は、以下の図を参照して単なる一例として示された本発明の好ましい実施例の説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施例による、バルブと長パイプを組み込んだ管継ぎ手の部分縦断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った部分横断面図である。
【図3】本発明の第2実施例による管継ぎ手の部分縦断面図である。
【図4】図3のB−B線を通る部分横断面図である。
【図4a】図3の管継ぎ手の一部の別の構成を示す図である。
【図5】本発明の第3実施例による管継ぎ手の部分縦断面図である。
【図6】図5の管継ぎ手の側面図である。
【図7】図5の管継ぎ手の部分横断面図である。
【図8】本発明の第4実施例による管継ぎ手の部分縦断面図である。
【図9】図8の管継ぎ手の側面図である。
【図10】本発明の第5実施例による管継ぎ手の部分縦断面図である。
【図11】図10の管継ぎ手の部分横断面図である。
【図12】本発明の第6実施例による管継ぎ手の部分縦断面図である。
【図13】図12の管継ぎ手の部分横断面図である。
【図14】本発明の第7実施例による管継ぎ手の部分縦断面図である。
【図15】本発明の第8実施例による管継ぎ手の部分縦断面図である。
【図16】図15の管継ぎ手の部分横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
各図面において、同じ符号は同じ部品を示す。
【0023】
図1は、長パイプ4に接続された管継ぎ手2の中を通る部分縦断面を示す。図1は、管継ぎ手2に接続された長パイプ4の端部のみを示す。管継ぎ手2は、2つの開いた接続端18を有する導管14を含む。導管14は、当技術分野で周知のようにバルブ装置6を組み込むが、導管14はバルブ装置を組み込む必要はなく、任意の長さまたは形状の、1つ以上のこのような開いた接続端18を含むことができる。
【0024】
各接続端18は、長パイプ4の端部を受け入れるように形成された受入凹部8を有して形成される。受入凹部8は、通常ほぼ円形横断面を有する。受入凹部8は、端面24を有して形成される。ほぼ円周の環状溝12は、受入凹部8の壁の内面に形成され、ほぼ半円形の横断面を有する。溝12は、管継ぎ手2が形成される時に形成されるか、あるいは、このような溝を切り込む技術において周知の種類の切削工具を用いて、受入凹部8の内面に切り込むことができる。図2に示すように、溝12は、チャネル34を介して受入凹部8の壁の外面につながる。チャネル34は、溝12の底からほぼ接線方向に延伸して、溝12とスムーズに合流する。各受入凹部8は、導管14の内面から半径方向内向きに延伸するカラー22によって、端面24から離れたその端部で終端する。図1において、各カラー22はまた、バルブ装置6の部屋の一部を形成する。カラー22は、端面に向いたカラーの面に環状密封凹部26を形成するために、カラー22から端面24に向かう方向に延伸する環状支台16を有して形成される。環状密封凹部26は、環状支台16と受入凹部8の壁の内面との間のカラー22の面に形成される。弾性環状密封材28は、環状密封凹部26内に収納される。
【0025】
長パイプ4はその端部に形成され、その外面上でほぼ半円断面を有するほぼ円周の環状溝10により、管継ぎ手2に接続される。溝10は、パイプが形成される時に形成されるか、あるいは、このような溝を切り込む技術において周知の種類の切削工具を用いて、長パイプ4の端部に切り込むことができる。
【0026】
受入凹部8に形成された環状溝12と、長パイプ4に形成された環状溝10は、ほぼ同一の断面を有し互いに一致する。また、長パイプ4に形成された環状溝10は、端面32が受入凹部8の環状支台16に隣接するときに環状溝10,12が合致するように、パイプ4の端面32から一定の距離で形成されることが可能である。環状溝10,12が合致する時、これらはほぼ円形断面の環状空間を形成する。ここで、図1,2に関して、管継ぎ手2の接続端18内に長パイプ4をはめ込むために、連結環30と、ここでは呼ばれるコネクタが、環状溝10,12が合致することで形成される環状空間にはめ込まれる。連結環30は、例えば細長の金属線(複数の金属線をより合わせたもの(ストランド)であっても良い)または板状のばね鋼等の、ほぼ円形断面を有する細長の構成要素から形成することができる。細長の構成要素の一端は、例えば鉤36の形状等、手で掴めるハンドル型に形成されても良い。チャネル34に隣接する受入凹部8の壁の外面に隣接するハンドル36により、細長の構成要素は、環状溝10,12により形成される環状空間を満たすため、すなわち、パイプ端4内の溝10を完全に一周して延伸するために、十分な長さである。連結環30の断面は、合致した溝の間を連結環30がぴったりと嵌まるよう、溝10,12が合致することにより形成される空間の断面に一致する。連結環30は、管継ぎ手2の受入凹部8内にパイプ端4を固定する機能を果たす。これは、環状溝10,12が合致した時に形成される環状空間内に連結環30が位置する時に、管継ぎ手2の分離を抑止する締まりばめを提供することにより達成される。
【0027】
管継ぎ手2と長パイプ4の端部との間の接続は、次のように形成される。長パイプ4の端部は、管継ぎ手2の受取凹部8内で、長パイプ4の端面32が支台16に隣接するまでスライド可能に配置される。これは、環状シール28を、長パイプ4の端面32と導管14のカラー22の間に閉じ込める。環状シール28は、パイプ4と管継ぎ手2の導管14との間で流体密封材を形成する。長パイプ4の端面32が支台16に隣接するため、溝10,12が合致する。
【0028】
手で掴めるハンドル36から離れた位置にある、連結環30を形成する細長の構成要素の端部38は、チャネルを介して溝10,12によって形成された空間に挿入される。連結環30を形成する細長の構成要素は、手で掴めるハンドル36が受入凹部8の壁の外面に隣接して連結環30がパイプ端4を包囲するまで、溝10,12によって形成された環状空間の周囲で押される。連結環30は、手動もしくは例えば水圧システムの機械を用いて、環状空間に押し込められる。環状リング30の細長の構成要素は柔軟で弾性を有し、チャネル34に挿入されて環状空間の周囲で押される時に溝10,12の間で環状空間を形成する。連結環30の細長の構成要素は、テフロン(登録商標)から作成されたコーティング等の潤滑コーティングで覆うことができる。あるいは、またはそれに加えて、連結環30は、溝10,12の間に形成された環状空間に挿入される前に、油または他の適切な潤滑剤で潤滑されることが可能である。
【0029】
当然、潤滑剤は密封目的としても役立つ。使用によっては、導管またはパイプは、液体運搬システムの一部として使用できないこともあり、例えば、導管は、配線を収納するための電線用導管として使用することができる。あるいは、導管は建設業で使用可能であり、柵、手すり、柱等の構造体として設置することができる。導管は、例えば足場、支持梁、垂木等の支持体として使用可能である。これらの利用において、継手はシール28を必要としなくても良い。
【0030】
次に、図3に関して、本発明の別の実施例を示す。管継ぎ手31は、長パイプ33を、バルブ、T継ぎ手または他のフランジ管継ぎ手等の他の装置(図示せず)に結合するために使用可能なフランジ管継ぎ手の形態をとる。長パイプ33の端面35は、管継ぎ手31の受入凹部37に挿入されて環状シール28に押し付けられることができる溝を備える。図3に示すように、環状シール28は凹部に位置せず、面取りされた端面35に押しつけられて変形して三角形の断面を形成し、長パイプ33の端面35と管継ぎ手31の間で流体密封材を形成する。変形した環状シール28による3つの密封面のため、環状シール28は標準的なOリングシールよりも高い圧力に耐えることができる。
【0031】
図3および図4に示すように、連結環30はその端部にハンドル36を有しない。その代り、連結環30は、溝10,12により設けられた環状空間に連結環30を挿入することを可能にし、そして必要な時には環状空間から連結環30を抜き取れるようにするための、連結環30に取り付けられたリテーナ39を有する。リテーナ39は、管継ぎ手31上の対応するねじ部にねじで取り付けることができる。連結環30を溝10,12の間の環状空間から取り除く必要がある場合、リテーナ30は管継ぎ手31から外すよう回転させることができる。この回転は、最初に連結環30を開放または「起こす」役目を果たし、このことは、連結環30が長期間にわたり環状空間に配置されていた場合に特に有益である。リテーナ39はその外周に溝41を備え、この溝41は、溝10,12の間の環状空間から連結環30を引き抜くことを容易にするために、道具(図示せず)がリテーナ39と係合できるようにする。
【0032】
連結環30はまた、連結環が溝10,12の間の環状空間へ一旦挿入されたら、更にその中へ移動することを防ぐため、その端部43に取り付けられた口金45を備える。口金45は、例えば、かしめにより連結環30に取り付けることができる。口金45はリテーナ39の凹部49に収納され、そこでニップル47に支持される。凹部49のサイズとニップル47の配置は、口金45がリテーナ39内で自由に回転できるようにするものである。凹部49と口金45のサイズの差は両者の間にチャネルを設け、そこをニップル47を介して挿入される潤滑剤またはシーリング材が通って連結環30が配置された環状空間に到達できる。
【0033】
口金45は、連結環30を間接的に係合するために道具(図示せず)がその周囲に配置可能な多数の平面を有して形成されることができ、これにより溝10,14により形成される環状空間の中へ/中から、連結環30の挿入および/または取り外しを支援する。例えば図3に示すように、口金45が六角形の断面を有するよう6つの平面を備える場合、リテーナ39の凹部は、六角形の口金45が凹部で回転できる十分な大きさになるよう構成されるべきである。凹部は、口金45と同じ形状である必要はなく、例えば口金45は六角形で凹部49は円形であっても良い。
【0034】
次に、図5に関して、本発明の別の実施例を示す。図5は、2つの長パイプを結合するために使用可能な単純なカプラー50の形状をした管継ぎ手を示す。カプラー50は、受入凹部8の壁の内面に形成された環状溝54内に配置されるOリング52の形状をとる環状シールを備える。また、図6,7を参照して、本実施例の連結環30は手で掴めるハンドル36を含まない。その代り、チャネル34は、例えば雨水、土、露等のいかなる不要物質がチャネル34に侵入することを防ぐために使用可能なプラグ56を受け入れるためのねじ部を有する穴を備える。連結環30は、プラグ56と一体であっても良い。
【0035】
次に、図8,9に関して、別の実施例では、カプラー50が少なくともその一端でフランジ58を含むよう構成することができる。フランジ58は、ねじ穴を設けるために、ドリルで穴をあけてねじを切ることができる。パイプ端4上を滑ることができる固定環62は、フランジ58のねじ穴に受け入れることができるボルト60によりフランジ58に固定することができる。フランジ58はまた、フランジ58とカラー62との間の密封するよう密封環52をその中に配置可能な凹部64を備える。
【0036】
次に、図10,11に関して、本発明のさらに別の実施例では、管継ぎ手2は密封アセンブリ66を備える。密封アセンブリ66は、シール70が中に配置された管継ぎ手2の上にボス68を含む。シール70は、長パイプ4の端部が凹部8内に位置する時に、長パイプ4の外周の周りを延伸する。シール70は、バンドクランプ、ホースクリップ、またはジュビリークリップ等の、任意の好適なクランプ手段72により、長パイプ4の上にきつく固定可能である。シール70は、ゴムまたは任意の他の好適な素材から作成することができる。図10に示す実施例では、管継ぎ手2は連結環を有するよう示されていない。連結環30は、家庭内での使用等、高い結合強度が特に必要とされない場合の使用においては省略することができる。しかし、高強度の使用のために再導入することも可能である。
【0037】
図12,13は、密封アセンブリ66の別の形状を示す。密封アセンブリ66は、スナップリング69と、セパレートクランプ71とを含む。使用によっては、密封アセンブリ66により作用する力は、連結環30を必要としない。従って、連結環30は図12、13では表示しない。図からわかるように、長パイプ4の端部と、管継ぎ手2の接続端18のいずれも、それぞれ溝10,12を有して形成されず、この場合、管継ぎ手2が高強度の使用に必要とされる場合は、連結環30を再導入することができる。
【0038】
次に、図14に関して、管継ぎ手2は固定環74を含むことができる。固定環74は、管継ぎ手2の接続端18のねじ外面78と結合するよう構成されるねじ内面76を備える。連結環30は、長パイプ4の外形よりもわずかに小さい内径を有する弾性の分割環80に置き換えられる。この構成は、分割環80が長パイプ40の端部の上を滑り、長パイプ4の端部に形成された溝10内の位置に固定されるようにする。長パイプ4の端部は、固定環74が接続端18のねじ外面78を「駆け上がる」ことにより、接続端18に結合される。固定環74が一旦十分に駆け上がると、固定環74は分割環80に隣接し、端面32が環状シール28に持たれて収納されるまで長パイプ4の端部を凹部に押し込む。固定環74は、Cスパナの使用または当技術分野で周知の任意の他の方法により、駆け上がることができる。
【0039】
当然、連結環30を、図14の実施例で説明する固定環74と共に使用することもできる。
【0040】
次に、図15,16に関して、管継ぎ手のさらなる実施例を示す。図15,16の管継ぎ手は、分割環80、スクリュー環82、および先細り分割環84を含む。スクリュー環82は、管継ぎ手2の接続端18のねじ内面88と結合するよう構成された外ねじ面86を備える。管継ぎ手2のこの実施例において、連結環30は、ナイロン等の弾性素材で形成されたボディー90を含むことができる先細り分割環84に置き換えられる。分割環80は、先細り分割環84と一体であっても良く、あるいは、分割環80と先細り分割環84は、2つの別個の部品でも良い。
【0041】
使用時に、図15に示す管継ぎ手の構成は、最初にパイプ4の端部の上にスクリュー環82を滑らせることによって組み立てられる。次に、分割環80は、パイプ4の溝10内に位置するように配置される。先細り分割環84は、先細り分割環84の内面に位置する溝92が分割環80上に配置されるよう、パイプ4の端部上を滑る。次に、パイプ4の端部は、先細り分割環84の外面が凹部8の内面に隣接するまで、パイプ継ぎ手2の凹部8内に位置する。パイプ4の端部は、スクリュー環82のノッチ94を係合するCスパナを使用して、接続端18のねじ山88の上へスクリュー環82を「駆け上がる」ことにより、接続端18に結合する。
【0042】
図15において、管継ぎ手2がシール28に隣接して流体密封材を形成することがわかる。しかし、管継ぎ手2はまた、先細り分割環74とスクリュー環82の接触面に配置されたシール96を含むことも可能である。シール96は、管継ぎ手が2つの密封材を必要とする時、または腐食性ガスがパイプの外側に存在する、危険な環境で用いられる場合に利用される。シール96は、そのようなガスが分割環80と先細り分割環84のいずれかまたは両方に接触することを阻止するために使用できる。
【0043】
当然、使用によっては、ナイロン製先細りリング84の使用は、必要な流体密封材を管継ぎ手2に提供することができ、これにより、管継ぎ手2のシール28またはシール96の必要性をなくすことができる。
【0044】
本発明のさらに別の実施例では、管継ぎ手4の端面32と環状支台16との間に小さな隙間があるときに溝10,12が合致して、長パイプ4の熱膨張を可能にする。本実施例では、管継ぎ手が密封を必要とする場合、図5,7,10、または12のいずれかに示す密封構成を管継ぎ手に組み入れることが可能である。
【0045】
上記の実施例は、本発明の説明に役立つ実例として理解されるべきである。本発明のさらなる実施例を構想する。例えば、密封環52が環状支台16により近くなるよう、図5に示す連結環30と密封環52は置き換えることが可能である。このような構成は、状況によっては連結環30を腐食させることもあるシステム内を通る液体に、連結環30が触れることを阻止する。
【0046】
上記図3に関して説明したように、環状シール28は、凹部に配置されなくても良い。
【0047】
図8に示すボルト60は、フランジ58から延伸する鋲に置き換えても良く、ナットとワッシャを使用することでカラー62が固定される。
【0048】
長パイプは、その一方の端部において接続端18と溝12を備え、その結果、長パイプのこの端部が張り出す。反対側のパイプの端部は、図に示すようにその外面に環状溝10を有するよう構成することができる。本実施例において、2つの類似する長パイプを結合するためにカプラーを使用する必要はない。その代り、一方のパイプ接合部の一端にある溝10が、隣接するパイプ接合部の端部にある溝12と結合する。
【0049】
コネクタの挿入と溝10,12からの取り出しを支援するために、連結環30がテフロン(登録商標)で覆われても良いことを上記で説明したが、連結環30を潤滑するために、他のプラスチック素材で連結環30を覆うまたは含浸しても良い。
【0050】
チャネル34は、潤滑油やコパスリップ等の好適な潤滑油が溝10,12に注入されるよう、ニップルが取り付けられたねじ山を備えても良い。
【0051】
ほぼ円筒形の管継ぎ手2と長パイプ4を上記で説明したが、管継ぎ手2と長パイプ4は任意の形状であっても良い。同様に、溝10,12および連結環30も任意の形状をとることができる。例えば、溝10,12が四角形等の四辺形断面環状空間の形状となるよう構成することができ、その中に、対応する形状の連結環30を管継ぎ手の長パイプを接続するために配置しても良い。四角形環状空間は、使用時において、管継ぎ手と長パイプの間の結合が、溝10,12と連結環30が円形断面を有する時に生成される接続よりもより大きな力に耐える結果となることもある。しかし、四角環を提供することは、使用によっては長パイプの溝10の角に疲労破砕を起こすこともある。そのため、それらの使用においては、長パイプの溝10の形状は半円形であることが望ましい場合がある。
【0052】
いずれの実施例に関して説明されたどの特徴も、単独で、もしくは他の説明された特徴と組み合わせて使用可能であり、また任意の他の実施例の1つ以上の特徴と組み合わせて使用することもでき、いずれの実施例と組み合わせることも可能である。さらに、上記していない同等物や変更もまた、添付の請求の範囲で定義された本発明の範囲を逸脱することなく使用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管継ぎ手において、
少なくとも1つの接続端を有して形成される導管であって、前記接続端が、
長パイプの端部を受け入れる受入凹部を画定する壁、
前記受入凹部の前記壁の内面壁に所定の深さで形成された溝、および
前記溝と前記接続端の外面との間をつなげるチャネルを有する該導管と、
前記チャネルを介して前記溝の中に収容可能で、前記溝の中に収容されたときに前記凹部内に延在するよう前記溝の深さよりも幅広い細長の構成要素から形成されるコネクタと
を備えることを特徴とする管継ぎ手。
【請求項2】
前記コネクタは細長の弾性構成要素から形成されることを特徴とする、請求項1に記載の管継ぎ手。
【請求項3】
前記コネクタは細長の金属から形成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の管継ぎ手。
【請求項4】
前記溝は、コネクタの横断面の一部と一致する横断面を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項5】
前記一部は実質的に円の一部であることを特徴とする、請求項4に記載の管継ぎ手。
【請求項6】
前記コネクタの前記横断面はほぼ円形であることを特徴とする、請求項4または5に記載の管継ぎ手。
【請求項7】
前記溝は、前記受入凹部の壁の内面に沿ってほぼ円周方向に延伸することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項8】
前記溝は環状溝であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項9】
前記コネクタは前記溝をほぼ一周して延伸することを特徴とする、請求項8に記載の管継ぎ手。
【請求項10】
前記コネクタの前記細長の構成要素は、前記チャネルに挿入可能な第1端と、前記接続端の外面に当接する、前記第1端から離れた第2端とを備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項11】
前記第2端は、手で握ることができるハンドルを含むことを特徴とする、請求項10に記載の管継ぎ手。
【請求項12】
前記チャネルと前記溝はスムーズに合流することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項13】
前記導管はバルブ装置を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項14】
前記凹部の壁の内面はほぼ管状であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項15】
前記導管の内面の、内側に延伸するパイプ端面支台をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項16】
前記パイプ端面支台は環状支台であって環状シールの台座を形成することを特徴とする、請求項15に記載の管継ぎ手。
【請求項17】
密封アセンブリをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項18】
前記長パイプはその外面に、前記接続端の壁の内面の前記溝に対応する溝を有して形成され、前記コネクタは前記接続端の壁の溝に収容された時に、前記長パイプの前記溝の中を延伸することを特徴とする、長パイプに接続された請求項1〜17のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項19】
前記長パイプの前記溝は、前記凹部の壁の対応する溝と適合することを特徴とする、請求項18に記載の管継ぎ手。
【請求項20】
前記コネクタは前記溝の間にぴったり嵌まることを特徴とする、請求項18または19に記載の管継ぎ手。
【請求項21】
前記環状シールは、前記環状支台と前記長パイプの端面の間を密封するために適用される、請求項16に従属する請求項18〜20のいずれか一項に記載の管継ぎ手。
【請求項22】
請求項18〜21のいずれか一項に記載の管継ぎ手を製造する方法であって、
前記長パイプの端部を前記受入凹部に挿入するステップと、
前記パイプの前記溝を、前記受入凹部の前記内壁の対応する前記溝に整列させるステップと、
前記チャネルを介して、前記コネクタを前記整列させた溝により形成される空間に挿入するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項23】
前記接続端の壁の前記内面に前記溝を形成するステップと、
前記長パイプの前記外面に溝を形成するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
パイプにおいて、
少なくとも1つの接続端を有して形成される導管であって、前記接続端が、
管継ぎ手内に受け入れられる面を画定する壁、および
前記壁の外面に所定の深さで形成された溝を有する該導管を備え、
前記溝は、前記溝の深さよりも幅広い細長の構成要素から形成されるコネクタを受け入れるよう適合されていることを特徴とするパイプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4a】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2012−506013(P2012−506013A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531555(P2011−531555)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002483
【国際公開番号】WO2010/046627
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(511098677)エイコーン キャピタル ホルディングス リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ACORN CAPITAL HOLDINGS LIMITED
【Fターム(参考)】