説明

管継手、並びにこれを用いた給湯装置、空気調和装置、及び床暖房装置

【課題】長期間安定したシール性能を確保することができる管継手を提供する。
【解決手段】管継手10は、内筒体14と、この内筒体14の径方向外側に配置され、当該内筒体14との間に管Pを挿入可能なスペースSを形成する外筒体15と、内筒体14に設けられ、スペースSに挿入された管Pの周面に密着する弾性シール部材36と、を備える。弾性シール部材36は、少なくとも軸方向に2つのシール部38a,38bを有し、2つのシール部38a,38bは、管Pの周面への密着による圧縮率が相互に異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手、並びにこれを用いた給湯装置、空気調和装置、及び床暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境に配慮したクリーンな給湯システムとしてヒートポンプ式給湯装置が普及してきている。ヒートポンプ式給湯装置は、冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を内蔵したヒートポンプユニットと、ヒートポンプユニットで生成された温水を貯水する貯水ユニットとを備えている。また、ヒートポンプ式給湯装置においては、現地据付工事に際して、ヒートポンプユニットと貯水ユニットとの間で温水を循環させるための連絡配管や、貯水ユニットから浴槽等の温水利用機器に温水を供給するための連絡配管が引き回され、各ユニットや温水利用機器に接続される。
【0003】
一般に、各ユニットや温水利用機器に連絡配管を接続するためには、管継手が用いられている。従来の管継手には、例えば図21に示されるように、内筒体114と、この内筒体114の径方向外側に配置され、当該内筒体114との間に連絡配管を挿入するためのスペースを形成する外筒体115と、内筒体114の基端部側に設けられた雄ネジを有するネジ筒116と、内筒体114の外周面に装着された弾性シール部材136と、外筒体115の内周面に装着された保持環142と、を備えたものがある。内筒体114とネジ筒116とは一体形成され、外筒体115は内筒体114の基端側にネジ結合されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、従来、図22に示される管継手210も知られている。この管継手210は、内筒体214と、この内筒体214の径方向外側に一体的にねじ結合された外筒体215と、内筒体214の基端側(図の右側)に相対回転可能に連結されたナット216とを備えている。内筒体214の外周面には弾性シール部材236が装着され、外筒体215の内周面には保持環242が装着されている。内筒体214の基端部は、ナット216の先端側(図の左側)に挿入されるとともに、ナット216の内周面に形成した溝219にCリング等の抜け止め部材220を圧入することによってナット216に対して抜け止めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−138378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図21及び図22に示されるように、弾性シール部材136、236の外周面は、連絡配管の内周面に密着し、圧縮されることによってシールがなされ、連絡配管の内周面と内筒体114,214の外周面との間に流体が漏れるのを防止している。
弾性シール部材136,236は、連絡配管の内周面に強く密着して大きく圧縮されるほど施工初期の流体の漏れを防止する効果が高くなるが、この場合、長期間使用後の永久歪が大きくなり、この永久歪によるシール面圧の低下によって流体の漏れが発生する可能性が高くなる。逆に、弾性シール部材136,236の圧縮が小さいと、長期間使用後の永久歪は小さくなり、流体の漏れが抑制されるが、施工初期の漏れが問題となる。
【0007】
近年においては、環境負荷の軽減のため、ヒートポンプユニットの冷媒回路に自然冷媒であるCO冷媒が使用されつつあり、このCO冷媒を用いた冷凍サイクルは高圧側で臨界圧力よりも高い圧力に設定されるため、90℃以上の高温の温水を生成することが可能となっている。しかし、温水が高温化することによって弾性シール部材の永久歪は大きくなる傾向にあり、比較的早期に流体の漏れが発生するという問題が生じている。
【0008】
また、弾性シール部材の圧縮量(圧縮率)は、弾性シール部材136,236自身の内外径の寸法精度(公差)だけでなく、これが装着される内筒体114,214の外径や、これに密着する連絡配管の内径等の寸法精度にも影響されるため、これらの寸法精度を加味して弾性シール部材の圧縮量を適切に設定する必要がある。
【0009】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、長期間安定したシール性能を確保することができる管継手、並びにこれを用いた給湯装置、空気調和装置、床暖房装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係る管継手は、管の周面に装着される筒体と、前記筒体の周面に設けられ、前記管の周面に密着する弾性シール部材と、を備えており、前記弾性シール部材は、軸方向に少なくとも2つのシール部を有し、前記2つのシール部は、管の周面への密着による圧縮率が相互に異なっていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第2の観点に係る管継手は、内筒体と、この内筒体の径方向外側に配置され、当該内筒体との間に管を挿入可能なスペースを形成する外筒体と、前記内筒体及び前記外筒体のいずれか一方に設けられ、前記スペースに挿入された管の周面に密着する弾性シール部材と、を備えており、前記弾性シール部材は、軸方向に少なくとも2つのシール部を有しており、前記2つのシール部は、管の周面への密着による圧縮率が相互に異なっていることを特徴とするものである。
【0012】
第1及び第2の観点に係る管継手によれば、例えば、一方のシール部によって初期の流体の漏れを抑制し、かつ他方のシール部によって長期間使用後の流体の漏れを抑制するように各シール部の圧縮率を所望に設定することが可能となる。
なお、第1の観点に係る管継手の筒体は、管の内周面に挿入されることによって管に装着されるもの(内筒体)であってもよいし、管の外周面を挿入させることによって管に装着されるもの(外筒体)であってもよい。また、前者の場合、管継手は、外筒体を備えない構成であってもよく、後者の場合、管継手は、内筒体を備えない構成であってもよい。
【0013】
上記の場合、前記2つのシール部のうち、より圧縮率の小さいシール部は、前記弾性シール部材が設けられた筒体、前記管、及び当該シール部の径方向の寸法公差範囲内において、予め規定された下限圧縮率以上の圧縮率で管の周面に圧接されるように径方向寸法が設定され、より圧縮率の大きいシール部は、前記公差内において、予め規定された上限圧縮率以下の圧縮率で管の周面に圧接されるように径方向寸法が設定されていることが好ましい。
このように構成することで、公差により各部品の径方向寸法にバラツキが生じても、初期の流体の漏れと長期使用後の流体の漏れとの双方を適切に抑制することができる。
【0014】
前記2つのシール部は、管に対する接触部分の径方向寸法が相互に異なっていてもよい。
また、前記2つのシール部がそれぞれ装着される前記筒体におけるシール装着部の径方向寸法が、相互に異なっていてもよい。
いずれの場合においても、2つのシール部の圧縮率を相互に異なるものとすることができる。
【0015】
前記2つのシール部は、互いに一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。
2つのシール部が一体に形成されている場合、内筒体又は外筒体の周面に対する2つのシール部の装着を同時に迅速に行うことができる。また、2つのシール部が別体に形成されている場合、個々のシール部の径方向寸法を容易に異ならせることができる。
【0016】
上述の管継手は、管としての硬質樹脂管又は金属強化樹脂管と被接続箇所との接続に用いられるものであってもよい。
また、上述の管継手は、常温で相変化しない流体が流れる管と被接続箇所との接続に用いられるものであってもよい。
【0017】
本発明の第3の観点に係る給湯装置は、冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を有する熱源ユニットと、この熱源ユニットにおいて生成された温水を貯留する貯水ユニットと、この貯水ユニットに貯留された温水を排出する給湯機器と、前記熱源ユニットと前記貯水ユニットとの間、前記貯水ユニットと前記給湯機器との間で温水を流通させる連絡配管と、を備えている給湯装置であって、
前記熱源ユニットと前記連絡配管との接続部分、前記貯水ユニットと前記連絡配管との接続部分、及び前記給湯機器と前記連絡配管との接続部分のうち、少なくとも1つの接続部分に、上述した管継手が用いられていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明に第4の観点に係る空気調和装置は、冷凍サイクルにより冷温水を生成する冷媒回路を有する熱源ユニットと、この熱源ユニットで生成された冷温水を貯留する貯水ユニットと、この貯水ユニットに貯留された冷温水を熱交換媒体として室内空気の温度を調整する空気調和ユニットと、前記熱源ユニットと前記貯水ユニットとの間、前記貯水ユニットと前記空気調和ユニットとの間で冷温水を流通させる連絡配管と、を備えている空気調和装置であって、
前記熱源ユニットと前記連絡配管との接続部分、前記貯水ユニットと前記連絡配管との接続部分、及び前記空気調和ユニットと前記連絡配管との接続部分のうち、少なくとも1つの接続部分に、上述した管継手が用いられていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に第5の観点に係る床暖房装置は、冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を有する熱源ユニットと、この熱源ユニットで生成された温水により床面の温度を調整する床暖房ユニットと、両ユニット間で温水を流通させるための連絡配管と、を備えている床暖房装置であって、
前記熱源ユニットと前記連絡配管との接続部分、及び/又は、前記床暖房ユニットと前記連絡配管との接続部分に、上述した管継手が用いられていることを特徴とするものである。
【0020】
上記のような給湯装置、空気調和装置、及び床暖房装置に備わった熱源ユニットの冷媒回路には、CO冷媒が用いられていることが好ましい。
CO冷媒を用いた熱源ユニットは、非常に高温の温水を生成することができ、管継手の内部に高温の温水が流れると、その熱によって弾性シール部材の永久歪が大きくなり、長期使用後の流体の漏れが生じやすくなるが、本発明のように、弾性シール部材の2つのシール部の圧縮率を相互に異ならせることによって温水の高温化による悪影響を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、長期間安定したシール性能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る管継手を示す斜視図である。
【図2】図1に示される管継手の断面図である。
【図3】管継手における弾性シール部材及び保持環の装着部分を拡大して示す断面図である。
【図4】弾性シール部材の断面図である。
【図5】(a)は保持環の断面図、(b)は保持環の正面図である。
【図6】管継手にキャップを装着した状態を示す断面図である。
【図7】弾性シール部材の圧縮率と長期間使用後の永久歪率との関係を示すグラフである。
【図8】弾性シール部材の圧縮率の推奨範囲を示すグラフである。
【図9】圧縮率及び永久歪率について説明する図である。
【図10】給湯装置を概略的に示す構成図である。
【図11】空気調和装置を概略的に示す構成図である。
【図12】床暖房装置を概略的に示す構成図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る管継手の断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る管継手の断面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係る管継手の断面図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る管継手の断面図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態に係る管継手の断面図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態に係る管継手の断面図である。
【図19】本発明の第8の実施の形態に係る管継手の断面図である。
【図20】弾性シール部材についての他の実施形態を示す断面図である。
【図21】従来技術に係る管継手を示す断面図である。
【図22】他の従来技術に係る管継手を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
《第1の実施の形態》
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
(管継手10の全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る管継手10を示す斜視図である。
本実施の形態の管継手10は、液体や気体等の流体が流れる管Pと、この流体を利用する各種の機器Uとを接続するために用いられるものであり、その軸方向の先端部が管Pの端部に接続され、軸方向の基端部が機器Uに接続される。したがって、管継手10の軸方向先端側には、管Pを挿入するための挿入口11が形成され、軸方向基端側には、機器U側の配管(被接続箇所)U1の端部に設けられた雄ネジに螺合する、ネジ筒としてのナット16が設けられている。
【0024】
なお、本実施の形態の管継手10は、主として常温(例えば、5℃〜35℃)において相変化をしない水、海水、薬品、ブライン等の液体を扱う管Pと機器Uとの接続のために好適に使用される。また、管Pは、耐食性や耐熱性が良好な架橋ポリエチレン管やボリブデン管等の硬質樹脂管や、アルミニウム等の金属管の内面及び外面を樹脂材で被覆した三層管等の金属強化樹脂管が使用される。ただし、管Pとして、硬質なものに限らず軟質樹脂管等の軟質なものを使用することも可能である。
【0025】
図2は、図1に示される管継手10の断面図である。なお、この図に示される管継手10は、管Pが接続される先端部が図における左側に示され、機器Uの被接続箇所U1に接続される基端部が図における右側に示されている。
管継手10は、主として内筒体14と、外筒体15と、ナット16とから構成されている。内筒体14、外筒体15、及びナット16は、脱鉛青銅、砲金等の金属材料や硬質の樹脂材料からなる。内筒体14は、円筒形状に形成され、その先端部の外周面には環状の切欠溝17が形成され、この切欠溝17よりも基端側(図2の右側)には、後述する弾性シール部材36を装着するための環状の装着溝(シール装着部)18が形成されている。内筒体14の基端部の内周面は、基端側へ向かうに従って内径が拡大するテーパー面19に形成されている。
【0026】
内筒体14の基端には、径方向外方に突出する環状の第1突条部21が形成されている。また、第1突条部21の先端側(図2の左側)に隣接した位置には、当該第1突条部21よりも小さい突出量で径方向外方へ突出する環状の第2突条部22が形成されている。
【0027】
外筒体15は、円筒形状に形成され、内筒体14の径方向外側に、当該内筒体14と同心状に配置されている。そして、この外筒体15の内周面と内筒体14の外周面との間には、管Pを挿入することができるスペース(以下、「挿入スペース」ともいう)Sが形成されている。外筒体15の先端部の外周面は、基端側に向かうに従って外径が大きくなるテーパー面24に形成されている。外筒体15の先端部の内周面には、後述する保持環42を収容するための環状の保持凹部25が形成されている。この保持凹部25は、内筒体14に形成された切欠溝17と装着溝18の径方向外側に重複した位置に配置されている。
【0028】
ナット(ネジ筒)16は、外筒体15の基端部に一体に形成されている。つまり、ナット16と外筒体15とは、一つの素材を機械加工することによって単一の部品で構成されている。このナット16の外周面27は、スパナ等の工具を嵌合させることが可能な六角形状に形成され、内周面には雌ネジ28が形成されている。また、ナット16の先端側には、径方向内方に突出する環状の第3突条部29が形成されている。なお、ネジ筒16は、機器U側の被接続箇所U1の形状に応じて、外周面に雄ネジを有する形態とすることも可能である。
【0029】
内筒体14は、ナット16の基端側(図2の右側)からナット16の内部に挿入され、さらにナット16よりも先端側(図2の左側)へ突出して外筒体15の内部に配置される。この際、内筒体14の第1突条部21がナット16の第3突条部29に軸方向に当接することによって、ナット16に対する内筒体14の先端側への移動が制限されている。したがって、内筒体14の第1突条部21とナット16の第3突条部29とは、ナット16に対する内筒体14の先端側への移動を制限するための位置規制部31を構成している。
【0030】
なお、内筒体14に形成された第2突条部22は、挿入スペースSに対する管Pの挿入限界を設定するストッパとしての機能を有している。
また、ナット16の内部には、環状のパッキン33が設けられており、このパッキン33は、内筒体14の基端面と、機器U側の被接続箇所U1の先端面との間に挟まれ、両者の間からの流体の漏れを防止している。また、管継手10の不使用時や、管継手10に管Pのみを接続した状態では、ナット16に対する内筒体14の基端側への移動が制限されないため、図6に示されるように、ナット16には、内筒体14の基端側への移動を制限するキャップ34が取り付けられる。
【0031】
(弾性シール部材36の構成)
図3は、管継手10における弾性シール部材36及び保持環42の装着部分を拡大して示す断面図、図4は、弾性シール部材36の断面図である。
内筒体14に形成された装着溝18には、環状の弾性シール部材36が装着されている。この弾性シール部材36は、弾性変形可能な素材、例えばフッ素系ゴム等によって形成されている。弾性シール部材36の軸方向幅は、装着溝18の軸方向幅と同じかやや小さく形成されている。弾性シール部材36の軸方向両端部の内周側は円弧状に面取りされている。
【0032】
弾性シール部材36の外周面には、径方向外方へ円弧状に膨出する2つの環状のシール部38a,38bが軸方向に並べて形成されている。これらシール部38a,38bは、装着溝18に挿入された状態で内筒体14の内周面よりも径方向外方へ突出している。そして、これらシール部38a,38bは、挿入スペースS内に挿入された管Pの内周面に密着することによって、内筒体14と管Pとの間の流体の漏れを防止する機能を有している。
【0033】
弾性シール部材36の基端側(図3の右側)には、中心軸線Oに略平行な平坦面40が形成されている。この平坦面40は、装着溝18に対する弾性シール部材36の装着方向を示す目印となる。具体的に、本実施の形態では、平坦面40が基端側に位置するように弾性シール部材36が装着溝18に装着されている。
【0034】
なお、本実施の形態の弾性シール部材36は、軸方向に2つのシール部38a,38bを一体に備えた構成となっているが、2つのシール部38a,38bが別体に形成され、互いに独立した構成とされていてもよい。例えば、弾性シール部材36は、1つのシール部を構成するOリング等を軸方向に2つ並設することによって構成されていてもよい。
【0035】
(保持環42の構成)
図5(a)は保持環42の断面図、図5(b)は保持環42の正面図である。
図3及び図5に示されるように、外筒体15の内周面に形成された保持凹部25内には保持環42が収容されている。この保持環42は、周方向の一部分43が欠落したC字形状に形成されており、この欠落した部分43の間隔を狭めるように弾性変形させることによって径方向寸法を縮小できるようになっている。また、保持環42は、径方向寸法を縮小させた状態で外筒体15の先端開口から挿入されることによって保持凹部25に装着することが可能となっている。
【0036】
図3に示されるように、保持環42の内周面における軸方向先端部(図2の左端部)には、径方向内方に突出する第1爪部(第1保持部)46が形成され、軸方向基端部(図2の右端部)には、径方向内方に突出する第2爪部(第2保持部)45が形成されている。この第1爪部46と第2爪部45とは、保持環42の径方向寸法を縮小させることによって管Pの外周面に強く押し付けられて食い込み、管Pを強固に保持する機能を有している。
【0037】
保持環42の外周面における軸方向先端部には、基端側(図3の右側)に向かうにしたがって外径が大きくなるように傾斜する第1傾斜面49が形成されている。また、この第1傾斜面49よりも基端側には、基端側に向かうにしたがって外径が大きくなるように傾斜する第2傾斜面48が形成されている。したがって、第1,第2傾斜面49,48は、挿入スペースS内に挿入された管Pの外周面に対して、先端側ほど径方向の間隔が狭くなるように形成されている。また、第1傾斜面49と第2傾斜面48との間には第1段差面50が形成されており、この第1段差面50は、中心軸線Oに略平行に形成されている。
【0038】
第1傾斜面49と第2傾斜面48とは、互いに略同一の傾斜角度に形成されている。また、第1傾斜面49と第2傾斜面48とは、第1段差面50を間に挟んで軸方向に離れて配置されている。なお、保持環42の外周面における第2傾斜面48よりもさらに基端側は、基端側ほど外径が小さくなるような傾斜面52とされている。この傾斜面52によって、保持環42の基端側の外径が小さくなるので、外筒体15の先端開口から保持環42を挿入しやすくなり、保持凹部25への装着を容易に行うことができるようになる。
【0039】
外筒体15に形成された保持凹部25の底面は、保持環42の第1傾斜面49と略同一の角度で傾斜し、当該第1傾斜面49に当接する第3傾斜面54と、保持環42の第2傾斜面48と略同一の角度で傾斜し、当該第2傾斜面48に当接する第4傾斜面53とを有している。また、第3傾斜面54と第4傾斜面53との間には中心軸線Oに略平行な第2段差面55が形成されている。
【0040】
外筒体15と内筒体14との間の挿入スペースS内に管Pが挿入され、管Pの内部を流れる流体の圧力等によって管Pに挿入スペースSから離脱する方向(矢印X)への力が作用すると、保持環42は、管Pとともに先端側へ移動するとともに、第1〜第4傾斜面49,48,54,53の作用で外筒体15によって径方向内方へ押され、径方向寸法が縮小する。そして、保持環42の径方向寸法が縮小することによって、第1爪部46及び第2爪部45がより強く管Pの外周面に押し付けられ、挿入スペースSからの管Pの離脱が確実に防止される。特に、保持環42は、軸方向両側の第1,第2傾斜面49,48の2箇所において径方向内方に押されるため、保持環42の軸方向の略全体の範囲を管Pの周面に強く押し付けることができる。
【0041】
ここに、第1〜第4傾斜面49,48,54,53は、管Pの離脱方向Xへの移動により保持環42の径方向寸法を縮小させる作用部を構成し、この作用部と保持環42とで、挿入スペースSに挿入された管Pを保持する保持機構47が構成されている。また、作用部は、第1傾斜面49と第3傾斜面54との組によって構成された第1作用面と、第2傾斜面48と第4傾斜面53との組によって構成された第2作用面とからなる。
【0042】
なお、作用部は、保持環42に形成された第1傾斜面(第1作用面)49と第2傾斜面(第2作用面)48のみによって構成されていてもよく、この場合、保持凹部25の底面には、第1傾斜面49及び第2傾斜面48に当接する部分(例えば角部)が存在していればよい。逆に、作用部は、第3傾斜面(第1作用面)54及び第4傾斜面(第2作用面)53のみによって構成されていてもよく、この場合、保持環42の外周面には、第3傾斜面54及び第4傾斜面53にそれぞれ当接する部分(例えば角部)が存在していればよい。
【0043】
管Pは、長期の使用で強度が劣化すると挿入スペースSから離脱しやすくなっていくが、上記のように挿入スペースSから離脱する方向Xへの管Pの移動によって保持環42が管Pを強固に保持するため、管Pの離脱は確実に防止される。
また、弾性シール部材36は、長期の使用で劣化し、弾性力の低下とともに永久歪が生じるようになっている。この永久歪は、管Pの内周面に対する弾性シール部材36の面圧の低下を招き、流体の漏れの原因となる。この問題に対して、本実施の形態では、保持環42の第2爪部45が弾性シール部材36の径方向外側に対向する位置に配置されているので、保持環42の径方向寸法が縮小して第2爪部45が管Pの外周面に強く押し付けられると、管Pの内周面が弾性シール部材36に強く押し付けられ、弾性シール部材36によるシール面圧が高められる。そのため、弾性シール部材36に永久歪が生じたとしても弾性シール部材36の機能を維持することができる。
【0044】
また、保持環42の第1爪部46は、内筒体14の切欠溝17の径方向外側に対向する位置に配置されている。このため、保持環42の径方向寸法が縮小して第1爪部46が管Pの外周面に強く押し付けられると、管Pの内周面が切欠溝17の端縁(係止部)56に強く押し付けられ、当該端縁56が管Pの内周面に食い込んで係止する。これによって、保持環42による管Pの保持力が増大し、挿入スペースSからの管Pの離脱がより確実に防止されるようになっている。
【0045】
以上に説明した管継手10は、挿入口11から挿入スペースS内に管Pを差し込むとともに、ナット16を機器Uの被接続箇所U1に螺合することによって管Pと機器Uとを接続するが、この際、管継手10を先に管Pに接続してもよいし、先に機器Uに接続してもよい。
前者の場合、例えば図2に示されるように、管継手10の挿入スペースSに管Pを差し込んだ状態で、機器Uとの接続にためにナット16を回転させると、ナット16と一体に形成された外筒体15も連れ回りする。一方、内筒体14は、ナット16及び外筒体15に対して位置規制部31によって先端側への移動が制限されるのみであり、ナット16及び外筒体15に対して相対回転可能であるので、ナット16の回転に連れ回りすることなく停止した状態を維持することになる。
【0046】
また、管Pに押し付けられている保持環42は、外筒体15の保持凹部25の底面に当接しているだけであるため、外筒体15がナット16と共に回転しても、保持環42は保持凹部25の底面上を滑って連れ回りせず、管Pも停止した状態を維持することになる。したがって、ナット16とともに回転するのは外筒体15のみとなり、ナット16の回転に伴って管Pがよじれたり、弾性シール部材36が管Pに過度に擦れて損傷を受けたりすることはない。そのため、弾性シール部材36によるシール性能を好適に維持することができる。
【0047】
後者の場合は、管継手10のナット16を機器U側の被接続箇所U1に螺合するときは勿論のこと、その後、管継手10の挿入スペースSに管Pを差し込むときにも、管Pがよじれたり弾性シール部材36が管Pに擦れて損傷を受けたりすることはほとんどない。したがって、なんら問題なく管Pと機器Uとを接続することができる。
【0048】
本実施の形態の管継手10は、ナット16の基端側から先端側へ向けて内筒体14を挿入して外筒体15の内部に配置することによって組み立てられる。そして、ナット16の第3突条部29と内筒体14の第1突条部21とを軸方向に当接させることによって、ナット16に対する内筒体14の先端側への移動が制限される。したがって、図22に示される従来技術のように抜け止め用のCリング220が不要であり、管継手22の組立てを非常に簡単に行うことができるとともに、部品点数の削減を図ることができる。
【0049】
図3に示されるように、保持環42に形成された第1,第2傾斜面49,48、及び保持凹部25に形成された第3,第4傾斜面54,53は、いずれも間に第1,第2段差面50,55が介在している。これにより、次のような利点がある。
例えば、第1段差面50を省略し、第1傾斜面49をそのまま基端側に延長して第2傾斜面48に連続させると、当該第1,第2傾斜面49,48は径方向外側に大きく拡がり、保持環42が径方向に分厚く形成されることになる。そして、保持環42が径方向に分厚く形成されると、重量が増大するとともに剛性も高くなり、保持凹部25への装着が困難になるという欠点がある。同様に、保持凹部25の第2段差面55を省略し、第3傾斜面54をそのまま基端側に延長して第4傾斜面53に連続させると、保持凹部25は、径方向外方へ深く形成されることになる。その分、外筒体15の径方向寸法を大きくしなければならず、管継手10が大型化する。また、保持凹部25が深くなると、当然に保持環42も径方向に分厚く形成しなければならない。
【0050】
この点、本実施の形態では、第1傾斜面49と第2傾斜面48との間には第1段差面50が形成され、第3傾斜面54と第4傾斜面53との間には第2段差面55が形成されているので、保持環42の径方向の厚みをそれほど大きくすることなく、また、保持凹部25をそれほど深く形成することなく、保持環42を軸方向の広い範囲で管Pの外周面に強く押し付けることができる。
なお、第1,第2段差面50,55は、管継手10の中心軸線Oに平行な面とするに限らず、第1〜第4傾斜面49,48,54,53よりも緩やかな角度でこれらと同じ向き傾斜する面や、第1〜第4傾斜面49,48,54,53とは逆向きに傾斜する面とすることができる。
【0051】
(弾性シール部材36における第1,第2シール部38a,38bの寸法設定)
図4に示される弾性シール部材36において、基端側に配置された一方のシール部(第1シール部)38aの直径daと、先端側に配置された他方のシール部38b(第2シール部)の直径dbとは互いに異なる寸法とされている。具体的に、本実施の形態では、基端側の第1シール部38aの直径daが、先端側の第2シール部38bの直径dbよりも大きく設定されている。
【0052】
そして、第1,第2シール部38a,38bが互いに異なる直径とされることによって、管Pの内周面に密着したときの第1,第2シール部38a,38bの圧縮量(圧縮率)が互いに異なっており、これによって弾性シール部材36によるシール性能が高められている。以下、この点について詳細に説明する。
【0053】
管継手10に用いられる弾性シール部材36は、管Pに密着したときの圧縮によって生じる面圧(シール面圧)で流体の漏れを防止しているので、施工当初よりある程度の量で弾性シール部材36を圧縮させる必要がある。その一方で、弾性シール部材36が長期間に亘って圧縮されると、永久歪によってシール面圧が低下する。このような永久歪は、弾性シール部材36の初期の圧縮量が大きいほど大きくなる傾向にある。そのため、施工当初より弾性シール部材36の圧縮量を大きくすれば、初期の流体の漏れを確実に抑制することができても、長期間使用後に流体の漏れが発生する可能性が高まり、逆に、施工当初の弾性シール部材36の圧縮量を小さくすれば、長期間使用後の流体の漏れを抑制することができても、初期の漏れが発生し易くなるという問題がある。したがって、初期の流体の漏れと長期間使用後の流体の漏れとの双方を防止するには、弾性シール部材36の圧縮量を、限られた適切な範囲内に収める必要がある。
【0054】
図7は、弾性シール部材36の圧縮率と長期間使用後の永久歪率との関係を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は弾性シール部材36の圧縮率を表し、縦軸は永久歪率を表している。圧縮率Crは、図9にOリングを例に示しているように、圧縮されていない状態(使用前の状態)の弾性シール部材36の厚さ(線径)をdとし、管Pに密着させたときの圧縮量をaとすると、Cr=a/d で表すことができる。また、永久歪率Drは、弾性シール部材36を長期間圧縮した後、圧縮を解いたときの厚さ(線径)の変化量をbとすると、Dr=b/a で表すことができる。
【0055】
図7のグラフから、弾性シール部材36の永久歪率は、圧縮率が概ね0.1〜0.25の範囲にあるときに比較的低い値を示し、当該範囲より圧縮率が小さくても大きくても永久歪率が大きくなる傾向にある。したがって、本実施の形態では、弾性シール部材36の下限圧縮率を0.1とし、上限圧縮率を0.25として、これらの間を圧縮率の推奨範囲に設定するものとする。
【0056】
ところで、弾性シール部材36自身の内外径寸法や厚さ寸法、弾性シール部材36が装着される内筒体14の装着溝18の外径寸法、弾性シール部材36に密着する管Pの内径寸法等には当然に製造誤差があり、各部品36,14,P毎に許容可能な製造誤差、すなわち公差が設定されている。しかし、各部品36,14,Pが公差の範囲内で製造されたとしても、各部品36,14,Pの公差が組み合わされることによって弾性シール部材36がとり得る圧縮率は広範囲となり、所定の推奨範囲内に収めることは困難となる。
【0057】
例えば、図8に示されるように、各部品36,14,Pの公差の範囲内でとり得る弾性シール部材36の最小の圧縮率が、下限圧縮率以上となるように弾性シール部材36の径方向寸法を設定した場合、同公差の範囲内でとり得る弾性シール部材36の最大の圧縮率が上限圧縮率を超えてしまう場合がある(図8の□印のグラフ参照)。逆に、各部品36,14,Pの公差の範囲内でとり得る弾性シール部材36の最大の圧縮率が上限圧縮率以下となるように、弾性シール部材36の径方向寸法を設定した場合、同公差の範囲内でとり得る弾性シール部材36の最小の圧縮率が下限圧縮率よりも小さくなる場合がある(図8の●印のグラフ参照)。
【0058】
そのため、本実施の形態では、各部品36,14,Pの公差の範囲内においては、二つのシール部38a,38bのうちの一方が必ず下限圧縮率以上となり、他方が必ず上限圧縮率以下となるように、弾性シール部材36の各シール部38a,38bの径方向寸法が設定されている。
具体的には、より外径の大きい第1シール部38aにおいては、各部品36,14,Pの径方向寸法の公差の範囲内では必ず圧縮率が上限圧縮率以下となるように内外径寸法(厚さ寸法)が設定されており、より外径の小さい第2シール部38bにおいては、各部品36,14,Pの径方向寸法の公差の範囲内では必ず圧縮率が下限圧縮率以上となるように内外径寸法(厚さ寸法)が設定されている。このように各シール部38a,38bの径方向寸法を設定することによって、初期の流体の漏れと、長期使用後の流体の漏れとの双方を適切に抑制することが可能となる。
【0059】
(シール部38a,38bに関する効果の検証)
本願出願人は、上述したシール部38a,38bに関する効果について、次に説明する手法によって検証した。
まず、下の表1に示されるように、弾性シール部材36として、線径が異なる3種のOリング(大径、中径、小径)を想定し、上記実施の形態で説明した外径の異なる2つのシール部38a,38bを有する弾性シール部材36の代わりに、1つの小径のOリングと1つの大径のOリングとを組み合わせて本発明の実施例とした。また、1〜3個の中径のOリングを組み合わせて使用した例を従来技術とした。そして、実施例と従来技術のそれぞれのケースで初期の流体の漏れ及び長期使用後の流体の漏れの発生率を求めた。
【0060】
【表1】

【0061】
Oリング(弾性シール部材)が装着される内筒体14の装着溝18の外径寸法とその公差、Oリングが密着する管Pの内径寸法とその公差、各種類のOリングの内径寸法とその公差は、表1に示されるように規定した(単位はmm)。なお、Oリングの線径については小径、大径、中径の3段階で示している。
Oリングの線径及び内径、装着溝18の外径、管Pの内径の、各寸法のバラツキは正規分布するものとし、±3σ(σは標準偏差)を公差の範囲内と仮定した。そして、各Oリングの圧縮率が0.1〜0.25の範囲では流体の漏れが発生せず、この範囲から外れると流体の漏れが発生するものと仮定して、流体の漏れ発生率を演算により求めた。
表2にその結果を示す。
【0062】
【表2】

【0063】
まず、従来技術として1個の中径のOリングを使用したケースでは、初期の流体の漏れ発生率が419(ppm:百万分の1)であったのに対して、長期使用後の流体の漏れ発生率は453(ppm)であった。同様に、2個の中径のOリングを使用したケースでは、初期及び長期使用後の流体の漏れ発生率がそれぞれ130(ppm)、152(ppm)であり、3個の中径のOリングを使用したケースでは、初期及び長期使用後の流体の漏れ発生率がそれぞれ40(ppm)、51(ppm)であった。以上の結果から、使用するOリングの数が多くなるほど流体の漏れ発生率は低下することが分かる。また、初期の流体の漏れ発生率よりも長期使用後の流体の漏れ発生率の方が高いことが分かる。
【0064】
これに対して、小径のOリングと大径のOリングとを各1個ずつ使用した本発明の実施例の場合、初期の流体の漏れ発生率が31(ppm)となり、長期使用後の流体の漏れ発生率も31(ppm)となった。したがって、2個の中径のOリングを使用した従来技術のケースはもちろんのこと、3個の中径のOリングを使用したケースよりも漏れ発生率が低減しており、実施例のケースでは、流体の漏れを抑制する効果が極めて高いことが分かる。また、初期と長期使用後との間で漏れ発生率には変化がないことも分かる。
【0065】
(管継手10の適用例)
図10〜図12は、本発明の管継手10を適用することができる各種機器について示している。
図10は、給湯装置80を概略的に示す構成図であり、この給湯装置80は、熱源ユニット57と、貯水ユニット58とを備え、両者は連絡配管59によって接続されている。また、貯水ユニット58は、浴槽等の給湯機器(温水利用機器)60に対して連絡配管59によって接続されている。
【0066】
熱源ユニット57は、いわゆるヒートポンプユニットであり、貯水ユニット58から連絡配管59を介して供給された水を冷凍サイクルによって加熱し、温水にした状態で貯水ユニット58に戻す機能を有している。熱源ユニット57は、冷媒が流動する冷媒回路を備えている。この冷媒回路は、低温低圧の冷媒を外気との間で熱交換して蒸発させ、蒸発させた高温の冷媒を圧縮した後に、貯水ユニット58から供給された水との間で熱交換することにより冷媒を凝縮し、水を加熱する。そして、凝縮された冷媒を膨張弁によって減圧し、再度、外気との間で熱交換を行う冷凍サイクルを繰り返し行う。冷媒回路は、冷媒として例えばCO冷媒が使用されており、このCO冷媒によって90℃以上の温水を生成することが可能となっている。なお、熱源ユニット57は、冷媒の逆循環によって水を冷却する機能をも有していてもよい。
【0067】
貯水ユニット58は、水道管等の水源から供給された水を熱源ユニット57に送ると共に、熱源ユニット57において生成された温水を貯水タンクで貯留し、さらに貯留された温水を給湯機器60に送る機能を有している。
【0068】
熱源ユニット57及び貯水ユニット58における水(湯)の出入り口には、止水弁63が設けられている。本実施の形態の管継手10は、管Pとしての連絡配管59と、機器Uとしての熱源ユニット57及び貯水ユニット58における止水弁63(被接続箇所U1)とを接続するために用いられている。また、給湯機器60における水の出入り口にも止水弁63が設けられており、この止水弁63と連絡配管59とを接続するために本実施の形態の管継手10が用いられている。なお、止水弁63と連絡配管59との複数箇所の接続部分のうち、いずれかに対して本実施の形態の管継手10が用いられていてもよい。
【0069】
CO冷媒を使用した熱源ユニット57は、90℃以上の非常に高温の温水を生成することができるため、連絡配管59として耐熱性の高い硬質樹脂管や三層管を使用することが推奨されている。これらの管を使用する場合において、上述したような管の離脱防止効果や、長期使用による流体漏れの防止効果の高い本実施の形態の管継手10を使用することが極めて有効である。
【0070】
図11は、空気調和装置81を概略的に示す構成図であり、この空気調和装置81は、熱源ユニット66と、貯水ユニット67と、空気調和ユニット68とを有している。熱源ユニット66及び貯水ユニット67は給湯装置80における熱源ユニット57及び貯水ユニット58と略同様の構成である。空気調和ユニット68は、熱源ユニット66によって生成された冷温水を冷媒として室内の空気と熱交換を行い、室内の温度や湿度を調整する。熱源ユニット66,貯水ユニット67及び空気調和ユニット68における水(湯)の出入り口や、所定の連絡管59の途中位置には止水弁63が設けられている。また、熱源ユニット66と貯水ユニット67とは連絡配管59によって接続され、貯水ユニット67と空気調和ユニット68とは連絡配管59によって接続されている。また、連絡配管59の適宜箇所にはポンプ65が設けられる。
【0071】
そして、各ユニット66〜68や連絡配管59に設けられた止水弁63と、連絡配管59との接続部分のいずれか又は全てに対して本実施の形態の管継手10を用いることができる。
【0072】
図12は、床暖房装置82を概略的に示す構成図であり、この床暖房装置82は、熱源ユニット70と、床暖房ユニット71とを有している。熱源ユニット70は給湯装置80の熱源ユニット57と略同様の構成である。床暖房ユニット71は、室内の床下に埋設されるともに温水が流れる放熱管72を有する床暖房パネル73を備えている。熱源ユニット70と床暖房パネル73の放熱管72とは連絡配管59によって接続されており、熱源ユニット70の止水弁63と連絡配管59との接続部分、及び床暖房パネル73と連絡配管59との接続部分のいずれか又は全てに本実施の形態の管継手10を用いることができる。
【0073】
《第2の実施の形態》
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る管継手10の断面図である。
本実施の形態の管継手10は、外筒体15の構成が第1の実施の形態における管継手10と若干異なっている。具体的に、本実施の形態における外筒体15は、その基端側(図13の右側)に配置された第1筒部74と、先端側(図13の左側)に配置された第2筒部75とからなっている。そして、第1筒部74の先端部の外周面には雄ネジ74aが形成され、第2筒部75の基端部の内周面には雌ネジ75aが形成され、この雄ネジ74aと雌ネジ75aとを螺合することによって第1筒部74と第2筒部75とが結合されている。また、保持環42を収容するための保持凹部25は、第2筒部75の内周面に形成されている。
【0074】
本実施の形態の管継手10におけるその他の構成については、第1の実施の形態と同様である。したがって、本実施の形態の管継手10においても第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。さらに、本実施の形態の管継手10は、外筒体15が第1筒部74と第2筒部75とから構成され、第2筒部75に保持凹部25が形成されているので、この保持凹部25に保持環42を収容した状態で第2筒部75を第1筒部74に螺合することができる。これにより、第1の実施の形態のように保持環42の径方向寸法を縮小させた状態で当該保持環42を外筒体15の先端開口から挿入する作業が不要となり、容易に外筒体15に保持環42を装着することができる。
【0075】
《第3の実施の形態》
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る管継手10の断面図である。
本実施の形態の管継手10は、外筒体15とナット16とが別体で形成され、互いに結合されることによって一体回転可能に構成されている。具体的に、本実施の形態のナット16の先端側(図14の左側)の外周面には雄ネジ16aが形成され、外筒体15の基端側(図14の右側)の内周面には雌ネジ15aが形成され、この雄ネジ16aと雌ネジ15aとを螺合することによってナット16と外筒体15とが一体的に結合されている。本実施の形態の管継手10におけるその他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、したがって、本実施の形態の管継手10においても第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。なお、外筒体15とナット16とは、雄ネジ16aと雌ネジ15aとの螺合による結合に限らず、圧入等の他の手段により結合されていてもよい。
【0076】
《第4の実施の形態》
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る管継手10の断面図である。
本実施の形態の管継手10は、保持環42と切欠溝17の配置が第1の実施の形態の管継手10と異なっている。具体的には、内筒体14の外周面であって、装着溝18よりも基端側には保持凹部25が形成されており、この保持凹部25内に保持環42が収容されている。そして、保持環42は、その外周面に第1爪部46と第2爪部45とを備えており、挿入スペースSから離脱する方向Xへの管Pの移動により保持凹部25の底面で径方向外側へ押されることで径方向寸法が拡大し、第1爪部46と第2爪部45とが管Pの内周面に押し付けられることで管Pを強固に保持するように構成されている。
【0077】
外筒体15の内周面には切欠溝17が形成されている。この切欠溝17は、保持環42の第1爪部46の径方向外側に対向する位置に形成されている。このため、保持環42の径方向寸法が拡大して第1爪部46が管Pの内周面に強く押し付けられると、管Pの外周面が切欠溝17の端縁(係止部)56に強く押し付けられ、当該端縁56が管Pの内周面に食い込んで係止する。これによって、保持環42による管Pの保持力が増大し、挿入スペースSからの管Pの離脱がより確実に防止される。
ただし、本実施の形態では、保持環42が弾性シール部材36とともに内筒体14に設けられているので、第1の実施の形態の管継手10のように、保持環42が管Pに押し付けられることによって弾性シール部材36の面圧を高めるという作用効果を奏することができない。したがって、この点においては本実施の形態よりも第1の実施の形態の方が有利である。
【0078】
《第5の実施の形態》
図16は、本発明の第5の実施の形態に係る管継手10の断面図である。
本実施の形態の管継手10は、外筒体15とナット16とが別体に形成され、互いに一体回転可能に結合されている点で、上記第3の実施の形態(図14参照)と同様であり、また、保持環42が内筒体14に設けられ、切欠溝17が外筒体15に設けられている点で第4の実施の形態(図15参照)と同様である。したがって、本実施の形態と第3,第4の実施の形態との共通する構成に関しては、同様の作用効果を奏する。
【0079】
《第6の実施の形態》
図17は、本発明の第6の実施の形態に係る管継手10の断面図である。
本実施の形態の管継手10は、上述の第1〜第5の実施の形態のように外筒体15とナット16とが一体回転可能に構成されているのではなく、外筒体15と内筒体14とが一体回転可能に構成され、この外筒体15及び内筒体14と、ナット16とが相対回転可能に構成されたものである。
より具体的には、内筒体14における第2突条部22の外周面には雄ネジ14bが形成されており、外筒体15の基端部の内周面には雌ネジ15bが形成されている。そして、この雄ネジ14bと雌ネジ15bとを螺合することによって外筒体15と内筒体14とが一体的に結合されている。
【0080】
本実施の形態において、管継手10は、次のように組み立てられる。まず、外筒体15から分離した状態の内筒体14を、ナット16の基端側からナット16の内部に挿入する。この際、ナット16の第3突条部29と内筒体14の第1突条部21とを軸方向に当接させることによって、ナット16に対する内筒体14の先端側への移動が制限される。そして、ナット16から先端側へ突出した内筒体14を外筒体15の内部に挿入し、雄ネジ14bと雌ネジ15bとを螺合する。外筒体15の基端面は、ナット16の先端面に摺動可能に当接し、第1突条部21との間でナット16の第3突条部29を挟持している。したがって、外筒体15、内筒体14、及びナット16の相対的な軸方向の移動が完全に制限される。
【0081】
本実施の形態の管継手10を管Pに接続し、その後、機器Uの被接続箇所U1に接続する場合、ナット16は、内筒体14及び外筒体15に相対して単独で回転可能であるので、挿入スペースSに挿入した管Pがよじれたり、弾性シール部材36が管Pとの間で擦れて損傷を受けたりすることはなく、適切に管Pと機器Uとを接続することができる。
【0082】
また、内筒体14は、ナット16に対して基端側から挿入され、第1突条部21及び第3突条部29からなる位置規制部31によってナット16に対する内筒体14の先端側への移動が制限されているので、内筒体14と外筒体15とが一体回転可能に構成された図22の従来技術に係る管継手10よりも組立てが容易になるとともに、抜け止め用のCリング等が不要であるため、部品点数の削減を図ることができる。
【0083】
《第7の実施の形態》
図18は、本発明の第7の実施の形態に係る管継手10の断面図である。
本実施の形態の管継手10は、第6の実施の形態に係る管継手(図17参照)と同様に、外筒体15と内筒体14とが一体回転可能に構成され、この外筒体15及び内筒体14と、ナット16とが相対回転可能に構成されたものである。そして、本実施の形態では、第4の実施の形態(図15参照)と同様に、内筒体14の外周面であって、装着溝18よりも基端側には保持凹部25が形成されており、この保持凹部25内に、第1爪部46及び第2爪部45を有する保持環42が収容されている。また、外筒体15の内周面には切欠溝17が形成され、この切欠溝17は、保持環42の第1爪部46の径方向外側に対向する位置に形成されている。このため、保持環42の径方向寸法が拡大して第1爪部46が管Pの内周面に強く押し付けられると、管Pの外周面が切欠溝17の端縁(係止部)56に強く押し付けられ、当該端縁56が管Pの内周面に食い込んで係止する。これによって、保持環42による管Pの保持力が増大し、挿入スペースSからの管Pの離脱がより確実に防止されるようになっている。
【0084】
《第8の実施の形態》
図19は、本発明の第8の実施の形態に係る管継手10の断面図である。
本実施の形態の管継手10は、第6の実施の形態に係る管継手(図17参照)と同様に、外筒体15と内筒体14とが一体回転可能に構成され、外筒体15及び内筒体14と、ナット16とが相対回転可能に構成されたものである。そして、本実施の形態では、外筒体15と内筒体14とが1つの素材を機械加工することによって単一の部品として構成されている。
【0085】
また、外筒体15は、ナット16の基端部側からナット16内に挿入可能とされ、位置規制部31を構成する第1突条部21が外筒体15の基端部から径方向外側に突出して形成されている。したがって、外筒体15及び内筒体14は、第1突条部21と第3突条部29とが軸方向に当接することによってナット16に対する先端側への移動が制限されている。
【0086】
その他の構成は、第6の実施の形態と同じであり、この第6の実施の形態と同様の作用効果を奏する。また、外筒体15と内筒体14とが一体形成されているので、部品点数がより少なくなり、製造コストの低減を図ることができる。
【0087】
なお、上述の第2〜第8の実施の形態において説明した各管継手10についても、図10〜図12に示されるような給湯装置80、空気調和装置81、床暖房装置82における各ユニットと連絡配管との接続部分等に適用できることは勿論である。
【0088】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更できるものである。
例えば、上記各実施の形態においては、内筒体14の外周面に弾性シール部材36が設けられていたが、外筒体15の内周面に弾性シール部材36が設けられていてもよい。この場合、第1〜第5の実施の形態の変形例として、ナット16が外筒体15に対して相対回転可能な状態で、内筒体14に対して一体回転可能に設けられることになる。
【0089】
保持環42は、第1爪部(第1保持部)46と第2爪部(第2保持部)45とを別体に備えていてもよい。つまり、第1爪部46を有する第1の保持環と、第2爪部45を有する第2の保持環とによって本発明の保持環42が構成されていてもよい。
【0090】
上記各実施の形態では、弾性シール部材36の第1,第2シール部38a,38bは、互いに異なる外径に形成されることによって、相互の圧縮率が異なるものとされていたが、例えば、図20に示されるように、第1,第2シール部38a,38bの外径及び厚さ(線径)を互いに同一とし、弾性シール部材36が装着される装着溝18の外径(すなわち、装着溝18の深さ)を軸方向で異ならせることによって、第1,第2シール部38a,38bの圧縮率(内筒体14からの突出量)を異ならせてもよい。なお、図20においては、弾性シール部材36を、2つの同一形状のOリングから構成し、各Oリングによって各シール部38a,38bを構成したものとなっている。
また、弾性シール部材36のシール部は、2つに限らず3つ以上設けられていてもよい。
【0091】
本発明の管継手10は、液体だけでなく気体を扱う管Pと機器Uとを接続するために用いることができる。
【0092】
本発明の管継手10は、外筒体15を備えず、内筒体14の外周面に弾性シール部材36を設けたものであってもよい。また、本発明の管継手10は、内筒体14を備えず、外筒体15の内周面に弾性シール部材36を設けたものであってもよい。
【符号の説明】
【0093】
10: 管継手
14: 内筒体
15: 外筒体
18: 装着溝(シール装着部)
36: 弾性シール部材
38a: シール部
38b: シール部
57: 熱源ユニット
58: 貯水ユニット
59: 連絡配管
60: 給湯機器
63: 止水弁(被接続箇所)
68: 空気調和ユニット
71: 床暖房ユニット
80: 給湯装置
81: 空気調和装置
82: 床暖房装置
P: 管
U1:被接続箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管(P)の周面に装着される筒体(14,15)と、
前記筒体(14,15)の周面に設けられ、前記管(P)の周面に密着する弾性シール部材(36)と、を備えており、
前記弾性シール部材(36)は、軸方向に少なくとも2つのシール部(38a,38b)を有し、
前記2つのシール部(38a,38b)は、管(P)の周面への密着による圧縮率が相互に異なっていることを特徴とする管継手。
【請求項2】
内筒体(14)と、
この内筒体(14)の径方向外側に配置され、当該内筒体(14)との間に管(P)を挿入可能なスペース(S)を形成する外筒体(15)と、
前記内筒体(14)及び前記外筒体(15)のいずれか一方に設けられ、前記スペース(S)に挿入された管(P)の周面に密着する弾性シール部材(36)と、を備えており、
前記弾性シール部材(36)は、軸方向に少なくとも2つのシール部(38a,38b)を有し、
前記2つのシール部(38a,38b)は、管(P)の周面への密着による圧縮率が相互に異なっていることを特徴とする管継手。
【請求項3】
前記2つのシール部(38a,38b)のうち、より圧縮率の小さいシール部(38b)は、前記弾性シール部材(36)が設けられた筒体(14,15)、前記管(P)、及び前記シール部(38b)の径方向の寸法公差範囲内において、予め規定された下限圧縮率以上の圧縮率で管(P)の周面に圧接されるように径方向寸法が設定され、
より圧縮率の大きいシール部(38a)は、前記公差内において、予め規定された上限圧縮率以下の圧縮率で管(P)の周面に圧接されるように径方向寸法が設定されている請求項1又は2に記載の管継手。
【請求項4】
前記2つのシール部(38a,38b)における管(P)に対する接触部分の径方向寸法が、相互に異なっている請求項1〜3のいずれか1項に記載の管継手。
【請求項5】
前記2つのシール部(38a,38b)がそれぞれ装着される前記筒体(14,15)におけるシール装着部(18)の径方向寸法が、相互に異なっている請求項1〜3のいずれか1項に記載の管継手。
【請求項6】
前記2つのシール部(38a,38b)が互いに一体に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の管継手。
【請求項7】
前記2つのシール部(38a,38b)が互いに別体に形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の管継手。
【請求項8】
管(P)としての硬質樹脂管又は金属強化樹脂管と被接続箇所(U1)との接続に用いられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の管継手。
【請求項9】
常温で相変化しない流体が流れる管(P)と被接続箇所(U1)との接続に用いられる請求項1〜8のいずれか1項に記載の管継手。
【請求項10】
冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を有する熱源ユニット(57)と、この熱源ユニット(57)において生成された温水を貯留する貯水ユニット(58)と、この貯水ユニット(58)に貯留された温水を排出する給湯機器(60)と、前記熱源ユニット(57)と前記貯水ユニット(58)との間、前記貯水ユニット(58)と前記給湯機器(60)との間で温水を流通させる連絡配管(59)と、を備えている給湯装置であって、
前記熱源ユニット(57)と前記連絡配管(59)との接続部分、前記貯水ユニット(58)と前記連絡配管(59)との接続部分、及び前記給湯機器(60)と前記連絡配管(59)との接続部分のうち、少なくとも1つの接続部分に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の管継手が用いられていることを特徴とする給湯装置。
【請求項11】
前記熱源ユニット(57)の冷媒回路に、CO冷媒が用いられている請求項10に記載の給湯装置。
【請求項12】
冷凍サイクルにより冷温水を生成する冷媒回路を有する熱源ユニット(57)と、この熱源ユニット(57)で生成された冷温水を貯留する貯水ユニット(58)と、この貯水ユニット(58)に貯留された冷温水を熱交換媒体として室内空気の温度を調整する空気調和ユニット(68)と、前記熱源ユニット(57)と前記貯水ユニット(58)との間、前記貯水ユニット(58)と前記空気調和ユニット(68)との間で冷温水を流通させる連絡配管(59)と、を備えている空気調和装置であって、
前記熱源ユニット(57)と前記連絡配管(59)との接続部分、前記貯水ユニット(58)と前記連絡配管(59)との接続部分、及び前記空気調和ユニット(68)と前記連絡配管(59)との接続部分のうち、少なくとも1つの接続部分に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の管継手が用いられていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項13】
前記熱源ユニット(57)の冷媒回路に、CO冷媒が用いられている請求項12に記載の空気調和装置。
【請求項14】
冷凍サイクルにより温水を生成する冷媒回路を有する熱源ユニット(57)と、この熱源ユニット(57)で生成された温水により床面の温度を調整する床暖房ユニット(71)と、両ユニット間で温水を流通させるための連絡配管(59)と、を備えている床暖房装置であって、
前記熱源ユニット(57)と前記連絡配管(59)との接続部分、及び/又は、前記床暖房ユニット(71)と前記連絡配管(59)との接続部分に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の管継手が用いられていることを特徴とする床暖房装置。
【請求項15】
前記熱源ユニット(57)の冷媒回路に、CO冷媒が用いられている請求項14に記載の床暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−47224(P2012−47224A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188367(P2010−188367)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】