説明

管継手の固定構造

【課題】連結状態にある管継手の保護性を高めることの可能な管継手の固定構造を提供する。
【解決手段】管継手10は、雄型継手21が固設された雄部材20と、雄型継手21が差し込まれることで連結される雌型継手31が固設された雌部材30とで構成されている。雄部材20は、ブラケット5に固設された可撓性の配管部材7に雄型継手21が連結されて、雄型継手21と雌型継手31との連結部分の破壊応力よりも小さい破壊応力を有した固定部材25によってブラケット5に固定されている。雌部材30は、ブラケット6に固設された可撓性の配管部材8に雌型継手31が連結されて、雄型継手21と雌型継手31との連結部分の破壊応力よりも小さい破壊応力を有した固定部材35によってブラケット6に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手を構成する2つの継手が互いに異なる対象物に固定された構造である管継手の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、突き合わされた第1配管と第2配管とを接続する管継手として、例えば特許文献1に記載のような管継手が知られている。この特許文献1に記載の管継手について図5を参照して説明する。図5は、従来例における管継手の断面構造を示した断面図である。
【0003】
図5に示されるように、特許文献1に記載の管継手100は、第1配管101の一端に固定された第1継手110と、第2配管102の一端に固定された第2継手120とから構成されている。第1継手110は、第1配管101に連結される本体111と、本体111が内挿されるスライダー112とで構成されている。本体111は、略円筒形状をなしており、その端縁に形成されたフランジ部111aが第1配管101と連結されている。スライダー112は、本体111が摺動可能に内挿された円筒部112aと、この円筒部112aの端縁に形成されたフランジ部112bとによって構成されている。
【0004】
一方、第2継手120は、第2配管102が連結される本体121と、第1継手110のスライダー112に形成されたフランジ部112bを本体121と挟持する連結部材122とで構成されている。本体121は、多段状の円筒形状をなしており、第2配管102が連結されるフランジ部を端縁に有する小径部121aと、連結部材122が連結される大径部121bと、これら小径部121aと大径部121bとを繋ぐ段差部121cとで構成されている。連結部材122は、スライダー112の円筒部112aが内挿可能な大きさの略円環形状をなしており、本体121の大径部121bに連結されると、本体121の段差部121c及び大径部121bとによって径方向に延びる収容凹部123を形成する。そして、第1継手110と第2継手120とが連結される際には、スライダー112のフランジ部112bが収容凹部123に収容されるように、第2継手120の本体121に連結部材122が連結される。なお、第1及び第2継手には、流通する流体が外部へ漏出することを抑えるべく各所にシール部材が配設されている。
【0005】
このような管継手が利用される環境では、第1継手110と第2継手120とが互いに連結された状態で、第1継手110の固定対象物に対し第2継手120の固定対象物を径方向に変位される荷重が作用することが少なくない。この点、上述した構成によれば、第1配管101と第2配管102とが互いに変位する際に、収容凹部123における第1継手110と第2継手120との隙間を利用して、第1配管101が第2配管102に対して移動することになる。そのため、上記のような荷重が管継手の固定構造に作用する場合であっても、第1継手110と第2継手120との連結が解除されたり、管継手100そのものが変形したりすることを抑えることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−6589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した構成であっても、収容凹部123における第1継手110と第2継手120との隙間よりも大きい変位が、第1継手110の固定対象物である第1配管101と第2継手120の固定対象物である第2配管102との間に生じる場合には、第1継手110と第2継手120との連結が解除されたり、管継手100そのものが変形したりすることになる。すなわち、連結状態にある管継手100を保護するうえでは、上述した構成も、依然として改善の余地を残すものである。
【0008】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、連結状態にある管継手の保護性を高めることの可能な管継手の固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、互いに連結可能な第1継手と第2継手とから構成される管継手のうち、第1対象物の第1配管に連結された前記第1継手が、前記第1対象物に固定され、第2対象物の第2配管に連結された前記第2継手が、前記第2対象物に固定されてなる管継手の固定構造であって、前記第1対象物に対し前記第1継手を固定する第1固定部材を備え、前記第1配管が、可撓性を有した配管であり、前記第1固定部材の破壊応力が、前記第1継手と前記第2継手との連結部分の破壊応力よりも小さいことを要旨とする。
【0010】
第1継手と第2継手とが連結した連結状態で、第1対象物や第2対象物に荷重が作用すると、第1継手と第2継手との連結部分や第1固定部材にも、こうした荷重が作用することになる。この際、第1固定部材の破壊応力が連結部分の破壊応力よりも大きい場合には、第1固定部材による固定が解除される前に、連結部分の連結が解除されることになる。この点、請求項1に記載の管継手の固定構造によれば、第1固定部材の破壊応力が連結部分の破壊応力よりも小さいため、連結部分の連結が解除される前に、第1固定部材による固定が解除されることになる。そして、第1固定部材による固定が解除された後には、第1対象物と第2対象物との相対的な変位が、可撓性を有した第1配管の変位によって吸収されることになる。それゆえに、連結部分に作用する荷重が低くなるため、連結状態にある管継手の保護性を高めることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記第1継手と前記第2継手との連結する方向と交差する方向では、前記第1固定部材の剪断強さが、前記第1継手と前記第2継手との連結部分の剪断強さよりも小さいことを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の管継手の固定構造によれば、第1継手と第2継手との連結する方向と交差する方向では、第1固定部材が連結部分よりも剪断されやすい。そのため、連結状態にある管継手を保護するうえで、連結方向と交差する方向の応力に対し、特に保護性を高めることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記第1固定部材が、前記第1継手と前記第2継手との連結する方向に延びる部材であることを要旨とする。
請求項3に記載の管継手の固定構造によれば、第1継手と第2継手との連結する方向と第1固定部材の長手方向とが一致することになる。すなわち、第1固定部材は、第1継手と第2継手との連結する方向において最も剛性が大きくなり、該連結する方向に直交する方向に近づくほど小さくなる。それゆえに、連結方向と交差する方向の応力に対し、特に保護性を高めるうえで、第1固定部材の構造設計が容易なものとなる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記第1固定部材は、前記第1継手と前記第1対象物との境目と対向する部位に切り欠きを有することを要旨とする。
請求項4に記載の管継手の固定構造によれば、第1継手と第1対象物との境目において、第1固定部材の剛性が特に小さくなる。こうした境目付近には、第1対象物に作用する荷重に基づく剪断力が生じることから、その境目付近の部位において第1固定部材を剪断させることができる。その結果、剪断後の第1固定部材が第1対象物の移動を妨げることを抑えることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記第2対象物に対し前記第2継手を固定する第2固定部材を備え、前記第2配管が、可撓性を有した配管であり、前記第2固定部材の破壊応力が、前記第1継手と前記第2継手との連結部分の破壊応力よりも小さいことを要旨とする。
【0016】
請求項5に記載の管継手の固定構造によれば、第2固定部材の破壊応力が連結部分の破壊応力よりも小さいため、連結部分の連結が解除される前に、第2固定部材による固定が解除されることになる。それゆえに、第1固定部材と第2固定部材とに作用する応力が互いに異なる場合であっても、大きい応力が作用する部材において固定が解除されることとなる。その結果、より高い確実性のもとで、連結状態にある管継手の保護性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る管継手の固定構造の一実施形態おける管継手を構成する雄部材及び雌部材の斜視構造を示す斜視図であって、雄部材と雌部材とが連結されていない非連結状態を示す図。
【図2】図1における2−2線に沿った断面構造を示す断面図であって、雄部材及び雌部材の左側半分の断面構造、及びブラケットに対する固定部分の断面構造を示した図。
【図3】連結状態における雄部材及び雌部材の断面構造を示す断面図であって、雄部材及び雌部材の左側半分の断面構造を示した図。
【図4】管継手の側面構造を模式的に示す図であって、(a)荷重が作用する前の状態を模式的に示す図、(b)荷重が作用した後の状態を模式的に示す図。
【図5】従来例における管継手の断面構造を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る管継手の固定構造の一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。図1に示されるように、管継手10は、第1継手としての雄型継手21を有する雄部材20と、該雄型継手21が軸線方向Aに沿って差し込まれることで該雄型継手21と連結される第2継手としての雌型継手31を有する雌部材30とによって構成される。
【0019】
雄部材20を構成する矩形平板状の雄側基体22は、ポリアミドで形成されており、その長手方向に沿って2つの雄型継手21が所定の間隔で固設されている。また、雄側基体22には、それら2つの雄型継手21を長手方向で挟むように略円柱形状をなした2つのガイドピン23が立設されている。雄側基体22には、雄型継手21及びガイドピン23を取り囲むように四角筒状の防御壁24が固設されている。雄側基体22の各隅部には、図示しない貫通孔が穿設されており、この貫通孔には第1対象物としてのブラケット5に雄部材20を固定する際に用いられる第1固定部材25(以下では単に固定部材25という。)が裏面22bから突出するように貫挿されている。
【0020】
一方、雌部材30を構成する矩形平板状の雌側基体32は、ポリアミドで形成されており、その長手方向に沿って2つの雌型継手31が雄型継手21と同じ間隔で固設されている。また、雌側基体32には、これら2つの雌型継手31を長手方向で挟むように略円筒形状をなした2つのガイド部材33が立設されている。ガイド部材33は、雄部材20に形成された2つのガイドピン23の各々に対応する位置に立設されており、該ガイドピン23が挿通可能なガイド孔34が形成されている。また雌側基体32の各隅部には、図示しない貫通孔が穿設されており、この貫通孔には、第2対象物としてのブラケット6に雌部材30を固定する際に用いられる第2固定部材35(以下では単に固定部材35という。)が裏面32bから突出するように貫挿されている。
【0021】
雄部材20と雌部材30とを連結する際には、ガイド部材33のガイド孔34に各ガイドピン23が進入するように雄部材20と雌部材30とを軸線方向Aで対向させる。そして、ブラケット5を軸線方向Aに沿って移動させて雄部材20と雌部材30とを近づけると、各雄型継手21は、ガイド孔34に進入したガイドピン23によって案内されながら雌型継手31に差し込まれる。なお、連結状態においては、雄型継手21と雌型継手31とが防御壁24によって取り囲まれた状態となる。
【0022】
ちなみに、本実施形態において、上述した管継手10は、電気自動車のバッテリーを冷却する冷却システムに用いられる。この冷却システムにおいては、車体側に配設された冷却装置で冷却される冷却水を車体とバッテリーとの間で循環させている。電気自動車では車体の底部にバッテリーが着脱可能に搭載されているため、例えば、雄部材20は、バッテリー側に設けられたブラケット5に固定され、雌部材30は、車体側に設けられたブラケット6に固定される。
【0023】
ブラケット5には、固定部材25が嵌入される図示しない貫通孔に加えて、後述する雄型継手21の接続部46が挿入される挿入口5aが形成されており、雄部材20は、その挿入口5aに接続部46を挿入した状態でブラケット5に固定される。同様に、ブラケット6には、固定部材35が嵌入される図示しない貫通孔に加えて、後述する雌型継手31の接続部71が挿入される挿入口6aが形成されており、雌部材30は、その挿入口に接続部71を挿入した状態でブラケット6に固定される。そして、本実施形態では、雄型継手21の接続部46には、バッテリー側で固設された配管部材であって、例えばゴムホースといった可撓性を有する第1配管としての配管部材7が、その長さに余裕を持たせた状態で接続される。また、雌型継手31の接続部71には、車体に固設された配管部材であって、例えばゴムホースといった可撓性を有する第2配管としての配管部材8が、その長さに余裕を持たせた状態で接続される。
(雄部材20)
図2に示されるように、雄側基体22には、取り付け座22cによって裏面22b側で縮径された多段円柱形状の取り付け孔41を貫挿するように雄型継手21が配設されている。雄型継手21は、外部の配管が接続される雄側接続体42と、雄側接続体42に支持される雄側筒体43とを備えている。
【0024】
雄側接続体42は、ポリアミドで形成されており、内側に流路44が形成されて軸線方向Aに沿って延びる多段円筒形状をなして、その中心軸が取り付け孔41の中心軸と一致するように配設されている。雄側接続体42は、取り付け孔41内に配設されて取り付け座22cに係合する係合部45と、係合部45よりも小さな外径で形成されて雄側基体22の裏面22bから突出する接続部46とが一体形成されている。
【0025】
雄側筒体43は、ポリアミドで形成されており、雄側接続体42の接続部46の内径よりも大きく且つ係合部45の内径よりも小さい外径を有して軸線方向Aに沿って延びる略円筒形状をなしている。雄側筒体43は、その中心軸が取り付け孔41の中心軸と一致するように、その一端が雄側接続体42の係合部45の内側に遊嵌された状態で配設されており、その内側に雄側接続体42の流路44に連通する流路47が形成されている。
【0026】
雄側筒体43の下端には、雄側接続体42の係合部45の外径と略等しい外径を有して、取り付け孔41内に配設される鍔部43aが形成されている。雄側筒体43は、鍔部43aが雄側接続体42の係合部45に当接することにより雄側接続体42に支持される。また雄側筒体43の外周面と雄側接続体42の係合部45の内周面とがなす隙間には、当該隙間を通じて内部の流体が漏出しないように環状のシール部材49が配設されている。
【0027】
そして、雄型継手21は、雄側接続体42の係合部45と雄側筒体43の鍔部43aとが取り付け孔41内に配設された状態で、該鍔部43aを覆う固定板50が図示しないねじによって雄側基体22の表面22aに螺着されることによって雄側基体22に対して固定されている。
【0028】
一方、雄側筒体43の上端には、雌型継手31に差し込まれて後述する雌側弁体84を押圧面51aで押圧する雄側押圧部51が形成されている。雄側押圧部51においては、雄側弁座52によって雄側筒体43の流路47よりも小さな径を有する雄側弁孔53が押圧面51aで開口しているとともに、外周面の全周にわたって凹設された溝部に環状のシール部材54が装着されている。
【0029】
また、雄側筒体43内には、雄側筒体43の内部を軸線方向Aに沿って摺動可能な雄側弁体55が配設されている。雄側弁体55は、ポリアミドで形成された略有蓋円筒形状をなしており、その中心軸が雄側筒体43の中心軸と一致するように配設されているとともに、雄側接続体42に下端が支持されたコイルばね56によって雄側弁孔53に向けて付勢されている。
【0030】
雄側弁体55は、雄側筒体43の内径よりも僅かに小さい外径を有する基端部55aと、該基端部55aよりも小さな外径であって雄側弁孔53を塞ぐかたちの先端部55bとが一体形成されている。雄側弁体55は、基端部55aが雄側弁座52に当接することにより、先端部55bの端面が雄側押圧部51の押圧面51aと面一にある位置で雄側弁孔53側への変位が規制されている。基端部55aの周壁には、コイルばね56の付勢力に抗して雄側弁体55が雄側接続体42側へと変位したときに、雄側弁孔53と雄側接続体42の流路44とを連通させる連通孔55cが穿設されている。また先端部55bの外周面に形成された溝部には、雄側弁体55と雄側押圧部51との隙間を通じて雄型継手21内の流体が漏出することを抑える環状のシール部材57が装着されている。
【0031】
また、雄側基体22には、雄型継手21の左側方にガイドピン23が配設されている。ガイドピン23は、軸線方向Aに沿って延びる略円柱形状をなしており、先端部23aが上方に向けて徐々に縮径されている。ガイドピン23のうち、下方に向けて拡径した部位である基端部23bは、ケース体61内に配設されている。ケース体61は、軸線方向Aに沿って延びる略円筒形状をなしてガイドピン23の基端部23bを収容している。ケース体61は、ガイドピン23の基端部23bが軸線方向Aに沿って摺動可能な内径を有しており、雄側基体22の表面22aに凹設された凹部62に嵌入されて雄側基体22に着脱可能に固定されている。ケース体61は、該ケース体61の頂部における開口が狭窄されており、ガイドピン23の基端部23bがケース体61の内側から該頂部に当接することによって、雄側基体22から離間する方向へのガイドピン23の変位を規制する。
【0032】
ケース体61内には、凹部62の底面に下端が支持された弾性部材としてのコイルばね63が配設されている。コイルばね63は、軸線方向Aに沿ってガイドピン23を雄側基体22から離間させるように付勢している。すなわち、ガイドピン23は、コイルばね63の付勢力に基づく変位がケース体61の頂部に規制される位置と、コイルばね63が最も縮んだ位置との間で軸線方向Aに沿って変位する。
【0033】
こうした構成の雄部材20は、雄側基体22の各隅部を貫挿させた4つの固定部材25によってブラケット5に固定されている。固定部材25は、雄側基体22及びブラケット5を貫挿させるのに十分な長さを有したボルトであって、軸線方向Aに沿うように配設されている。また、固定部材25は、これら4つの固定部材25の剪断強さの合計が雄側筒体43の剪断強さよりも小さくなるように、その材質及び断面積が選定されたものであって、例えば炭素鋼からなるM6のボルトである。ブラケット5に雄部材20を固定する際には、ブラケット5の挿入口5aに接続部46を挿入した状態で位置あわせが行われて、雄側基体22及びブラケット5に穿設された貫通孔に各固定部材25が表面22a側から嵌入される。そして、ブラケット5から突出した固定部材25の先端部にナット58が螺着されて、例えばトルクレンチ等を用いて、固定部材25の材質や大きさに応じた所定のトルクに締め付けられる。また、固定部材25には、雄側基体22とブラケット5との境目付近に、その全周にわたって凹設された切り欠き部によって、固定部材25のうちで最も剪断強さが小さくなる薄肉部25aが形成されている。
(雌部材30)
図2に示されるように、雌側基体32には、取り付け座32cによって裏面32b側で縮径された多段円柱形状の取り付け孔66を貫挿するように雌型継手31が配設されている。雌型継手31は、外部の配管が接続される雌側接続体67と、雌側接続体67に支持される雌側筒体68とを備えている。
【0034】
雌側接続体67は、ポリアミドで形成されており、内側に流路69が形成されて軸線方向Aに沿って延びる多段円筒形状をなして、その中心軸が取り付け孔66の中心軸と一致するように配設されている。雌側接続体67は、取り付け孔66内に配設されて取り付け座32cに係合する係合部70と、係合部70よりも小さな外径で形成されて雌側基体32の裏面32bから突出する接続部71とが一体形成されている。
【0035】
雌側筒体68は、ポリアミドで形成されており、雌側接続体67の接続部71の内径よりも大きい内径を有して軸線方向Aに沿って延びる多段円筒形状をなしている。雌側筒体68は、その内側に流路72が形成されているとともに、その中心軸が取り付け孔66の中心軸と一致するように配設されている。雌側筒体68は、取り付け孔66内に基端部が配設される大径部73と、大径部73の先端部に段差部74を介して連結された小径部75とが一体形成されている。小径部75は、雄側筒体43が摺動可能な大きさに形成されており、その先端部には外側に拡開されて雄側筒体43が差し込まれる差込口を形成する差込部75aが形成されている。
【0036】
大径部73の基端部には、大径部73の外径よりも大きく且つ雌側接続体67の係合部70の内径よりも僅かに小さい外径で形成され、該係合部70に嵌入される嵌入部73aが形成されている。雄側筒体43は、この嵌入部73aが係合部70に嵌入されることにより雌側接続体67に支持される。また嵌入部73aの外周面に形成された溝部には、嵌入部73aと雌側接続体67の係合部70との隙間を通じて雌型継手31内の流体が漏出しないように環状のシール部材76が配設されている。
【0037】
そして、雌型継手31は、雌側接続体67の係合部70と大径部73の嵌入部73aとが取り付け孔66内に配設された状態で、該嵌入部73aを覆う固定板77が図示しないねじで雌側基体32の表面32aに螺着されることによって雌側基体32に対して固定されている。
【0038】
また、雌側筒体68内には、雄側弁体55を押圧する弁押体80が配設されている。弁押体80は、ポリアミドで形成されており、その一端には、120°間隔で放射状に延出された3つの固定部80aが形成されている。弁押体80は、固定部80aの先端が雌側接続体67と雌側筒体68とに挟持されることによって雌側筒体68内に固定されている。弁押体80には、3つの固定部80aの中心部から差込部75a側へ向けて略円柱形状の延出部80bが延出形成されている。
【0039】
延出部80bの外周面には、3つの固定部80aの間に向けて軸線方向Aに沿って凹設され、雌側接続体67の流路69と雌側筒体68の流路72とを連通させる連通路81が形成されている。
【0040】
延出部80bの先端には、略円柱形状の雌側押圧部82が形成されている。雌側押圧部82は、中心軸が取り付け孔66の中心軸と一致するように配設されており、延出部80bの径よりも大きな径であって、且つ雄側弁孔53に挿通可能な外径で形成されている。雌側押圧部82の外周面に形成された溝部には、環状のシール部材83が装着されている。
【0041】
また、雌側筒体68内には、雌側押圧部82と雌側筒体68との間の環状の隙間を塞ぐかたちをなす雌側弁体84が配設されている。雌側弁体84は、ポリアミドで形成された軸線方向Aに沿って延びる略円筒形状をなして、中心軸が取り付け孔66の中心軸と一致するように配設されている。雌側弁体84は、雌側押圧部82の外周面を摺動可能な内径と、雌側筒体68の小径部75を摺動可能な外径とを有する略円筒形状に形成されている。雌側弁体84の外周面に形成された溝部には、雌側弁体84と雌側筒体68との隙間を通じて雌型継手31内の流体が漏出することを抑える環状のシール部材85が装着されている。なお、雌側押圧部82に装着されたシール部材85は、雌側押圧部82と雌側弁体84との隙間を通じて雌型継手31内の流体が漏出することを抑える。
【0042】
雌側弁体84は、弁押体80の固定部80aに一端が支持されたコイルばね86によって差込部75a側へ付勢されている。雌側弁体84には、雌側接続体67側の端部における外周面に鍔部84aが突設されている。この鍔部84aは、雌側筒体68の段差部74に当接することにより、雌側弁体84の端面が雌側押圧部82の押圧面82aと面一になる位置で雌側弁体84の差込部75a側への変位を規制する。
【0043】
雌側基体32における雌型継手31の左側には、ガイド部材33が配設されている。ガイド部材33は、軸線方向Aに沿って延びる有底円筒形状をなしており、底部から延出形成されたねじ部89によって雌側基体32に螺着されている。ガイド部材33には、その端面に開口を有して軸線方向Aに沿って延びるガイド孔34が形成されている。ガイド孔34は、ガイドピン23の外径よりも大きな径で形成されているとともにガイドピン23を収容可能な長さに形成されている。
【0044】
こうした構成の雌部材30は、雌側基体32の各隅部を貫挿させた4つの固定部材35によってブラケット6に固定されている。固定部材35は、雌側基体32及びブラケット6を貫挿させるのに十分な長さを有したボルトであって、軸線方向Aに沿うように配設されている。また、固定部材35は、これら4つの固定部材35の剪断強さの合計が雌側筒体68の剪断強さよりも小さくなるように、その材質及び大きさが選定されたものである。ブラケット6に雌部材30を固定する際には、ブラケット6の挿入口6aに接続部71を挿入した状態で位置あわせが行われて、雌側基体32及びブラケット6に穿設された貫通孔に固定部材35が表面32a側から嵌入される。そして、ブラケット6から突出した固定部材35の先端部にナット90が螺着されて、例えばトルクレンチ等を用いて、固定部材35の材質や大きさに応じた所定のトルクに締め付けられる。また、固定部材35には、雌側基体32とブラケット6との境目付近に、その全周にわたって凹設された切り欠きによって、固定部材35のうちで最も剪断強さが小さな薄肉部35aが形成されている。
【0045】
上述した雄型継手21を有する雄部材20と、雌型継手31を有する雌部材30とで構成される管継手10の作用について図3を参照して説明する。
まず、ガイドピン23がガイド孔34に進入するように軸線方向Aに沿って雄部材20と雌部材30とが配置される。そして、雄部材20と雌部材30とが近づけられると、雄型継手21は、ガイド孔34に進入したガイドピン23に案内されながら雌型継手31に差し込まれる。雌型継手31に雄型継手21が差し込まれると、雄側筒体43が雌側筒体68の小径部75を摺動し、やがて雄側押圧部51と雌側弁体84とが当接するとともに雄側弁体55と雌側押圧部82とが当接する。
【0046】
この状態から、さらに雌型継手31に雄型継手21が差し込まれると、図3に示されるように、雄側押圧部51が、コイルばね86の付勢力に抗して雌側弁体84を押圧し、雌側弁体84を雌側接続体67側へと変位させる。また雌側押圧部82が、コイルばね56の付勢力に抗して雄側弁体55を押圧し、雄側弁体55が雄側接続体42側へと変位する。こうした連結状態においては、雄側接続体42の流路44と雌側接続体67の流路69とが互いに連通して流体の流通が可能となる。なお、連結状態においては、雄側押圧部51の外周面に装着されたシール部材54は、雄側筒体43の外周面と雌側筒体68の内周面との隙間を通じて流体が漏出することを抑える。
【0047】
また、上述した雄部材20及び雌部材30においては、雄側筒体43の剪断強さよりも4つの固定部材25の剪断強さの合計が小さく、且つ雌側筒体68の剪断強さよりも4つの固定部材35の剪断強さが小さい。すなわち、雌側筒体68と、該雌側筒体68に差し込まれた雄側筒体43とによって構成される雄型継手21と雌型継手31との連結部分91は、これら固定部材25,35の剪断強さの合計よりも大きいことになる。
(作用)
次に、上述した雄部材20及び雌部材30のブラケット5,6への固定構造の作用の一例について図4を参照して説明する。なお、図4においては、防御壁24、ガイドピン23、ガイド部材33を省略して示しているとともに、雄側基体22とブラケット5との固定部分、及び雌側基体32とブラケット6との固定部分については断面構造を示している。また、上述したように、本実施形態において管継手10は、電気自動車に着脱可能に搭載されたバッテリーを冷却する冷却システムに用いられており、雄部材20はバッテリー側のブラケット5に固定されて、雌部材30は車体側のブラケット6に固定されている。
【0048】
図4(a)に示されるように、例えばこれら管継手10を備えた電気自動車に後続の自動車が追突したりすると、バッテリー(ブラケット5)に対して軸線方向Aに直交する方向へ移動させようとする荷重Fが作用する。この荷重Fは、雄部材20の各固定部材25、雄型継手21と雌型継手31との連結部分91、雌部材30の各固定部材35の各々に作用する。このとき、固定部材25において雄側基体22とブラケット6との境目に位置している薄肉部25aには、ブラケット5から受ける荷重Fに基づく剪断力が生じている。
【0049】
そして、ブラケット5に作用する荷重Fが連結部分91を変形させるような大きさである場合には、固定部材25の合計の剪断強さが連結部分91における剪断強さよりも小さいことから、図4(b)に示すように、固定部材25は、連結部分91が変形するよりも前に上述した剪断力によって薄肉部25aで剪断することになる。すなわち、固定部材25による雄部材20の固定が解除されることから、軸線方向Aに直交する方向にブラケット5が移動したとしても、雄型継手21と雌型継手31との連結部分91に作用する荷重が大幅に低減されてその連結状態が維持されやすくなる。
【0050】
なお、固定部材25は、薄肉部25aを基準として雄側基体22側の部位とブラケット5側の部位とに分断されることになるが、例えば雄側基体22側の部位が裏面22bから突出してしまったとしても、その突出量は僅かでありブラケット5の移動を妨げるようなものではない。
【0051】
また、こうしたブラケット5の移動、すなわちバッテリーの移動によって、当該バッテリーにおける配管部材7の固設部分も移動することになる。これに対して本実施形態では、配管部材7が可撓性を有し且つその長さに余裕があることから、バッテリーの移動によって配管部材7の固設部分と雄型継手21の接続部46との位置関係が変化したとしても、その変化に応じて配管部材7が追従することになる。
【0052】
なお、上述した作用の記載では、ブラケット5に荷重Fが作用したときに雄部材20の固定部材25が剪断する例について説明したが、雄部材20の固定部材25に加えて雌部材30の固定部材35までも剪断する場合もあるし、雌部材30の固定部材35のみが剪断する場合もある。しかし、いずれの場合もブラケット5とブラケット6との相対位置が変化しても、雄型継手21と雌型継手31とを連結状態に維持することが可能である。
【0053】
以上説明したように、上記実施形態に係る管継手10の固定構造によれば、以下列記するような効果が得られるようになる。
(1)固定部材25,35の剪断強さの合計が雄型継手21と雌型継手31との連結部分91における剪断強さよりも小さいことから、該連結部分91を変形させるような荷重Fがブラケット5に作用したとしても、その連結部分91が変形するより前に固定部材25,35の少なくとも一方が剪断することになる。上記実施形態のように、固定部材25が剪断すると、ブラケット5に対する雄部材20の固定が解除される。
【0054】
この際、雄型継手21の接続部46には、可撓性を有する配管部材7が接続されていることから、ブラケット5の移動によって配管部材7の固設部分と雄型継手21の接続部46との位置関係が変化したとしても、その変化に応じて配管部材7を追従させることができる。それゆえに、雄型継手21と雌型継手31との連結部分91に作用する荷重が大幅に低減されることから、雄型継手21と雌型継手31との連結状態が維持されやすくなるとともに管継手10の保護性を高めることができる。
【0055】
(2)雄部材20及び雌部材30は、軸線方向Aに沿うように配設されたボルトである固定部材25,35によってブラケット5,6に固定されている。すなわち、固定部材25,35は、雄型継手21を雌型継手31に差し込む軸線方向Aに直交する方向の荷重Fに対する剪断強さが最も小さくなるように配設されている。その結果、該荷重Fによって固定部材25,35が剪断されやすくなることから、軸線方向Aと交差する方向の荷重、特に軸線方向Aと直交する方向の荷重に対して、管継手10の保護性を高めることができる。
【0056】
(3)ブラケット5に荷重Fが作用すると、固定部材25における雄側基体22とブラケット5との境目付近の部位には、その荷重Fに基づく剪断力が生じる。上記固定部材25には、その部位に最も剪断強さが小さくなる薄肉部25aが形成されている。これにより、固定部材25を薄肉部25aで剪断させることができる。その結果、こうした薄肉部25aが設けられていない固定部材を用いた場合に比べて、すなわち固定部材25のどの部位が剪断するか特定されない場合に比べて、剪断後の固定部材25がブラケット5の移動を妨げることを抑えることができる。また、雄部材20の固定がより小さな荷重で解除されることから、雄型継手21と雌型継手31との連結部分91への機械的な負荷を高い確実性のもとで低減することもできる。
【0057】
(4)固定部材25の剪断強さの合計及び固定部材35の剪断強さの合計の各々が連結部分91の剪断強さよりも小さいことから、これら固定部材25,35に互いに異なる大きさの剪断力が作用したとしても、よい大きな剪断力が作用する固定部材が剪断される。その結果、より高い確実性のもとで、連結状態にある管継手10の保護性を高めることができる。
【0058】
(5)固定部材25が剪断することによって雄部材20の固定が解除されることから、当該雄部材20を再使用する際には、固定部材25を取替えるだけで済む。なお、雌部材30についても同様のことがいえる。
【0059】
なお、上記実施の形態は、以下のような態様をもって実施することもできる。
・雄部材20及び雌部材30の各々は、筒体43,68よりも小さな剪断強さを有する固定部材25,35によってブラケット5,6に固定されている。これを変更して、雄部材20及び雌部材30のいずれか一方が、上述した固定部材で固定されていてもよい。すなわち、例えば、雄側筒体43の剪断強さよりも小さい剪断強さを有する固定部材によって雄側基体22が固定され、雌側筒体68の剪断強さよりも大きい剪断強さを有する固定部材によって雌側基体32が固定されてもよい。こうした構成の下においては、雌部材30が固定されたブラケット6に荷重Fが作用した場合、雄部材20を固定する固定部材25が剪断してブラケット5に対する雄部材20の固定が解除され、連結状態にある管継手10はブラケット6とともに移動することになる。
【0060】
・薄肉部25a、35aの形成される部位は、雄側基体22とブラケット5との境目付近の部位以外であってもよい。また薄肉部25a、35aは、割愛されてもよい。要は、固定部材の剪断強さが連結部分よりも小さい構成であればよい。
【0061】
・固定部材25は、その長手方向が軸線方向Aに沿って配設されている態様に限らず、軸線方向Aに直交する方向の荷重に対する剪断強さが雄側筒体43の剪断強さよりも小さいならば、例えば軸線方向Aに交差する方向に沿って配設されていてもよい。すなわち、例えばブラケット5の移動が想定される方向に応じて固定部材25の延出方向を適宜変更するとよい。なお、固定部材35に対しても同様のことがいえる。
【0062】
・固定部材の剪断強さが連結部分の剪断強さよりも大きい構成であってもよく、要は、固定部材における剪断強さ、圧縮強さ、及び引っ張り強さの少なくとも一つ、すなわち破壊応力が連結部分よりも小さい構成であればよい。このような構成であれば、固定構造に作用する剪断応力、圧縮応力、引っ張り応力の少なくとも一つに対し、連結状態の管継手に対し保護性を高めることが可能である。
【0063】
・雄部材20及び雌部材30には、それぞれ可撓性を有した配管部材7,8がそれぞれ接続されている。これを変更して、例えば、雄側筒体43の剪断強さよりも小さい剪断強さを有する固定部材によって雄側基体22が固定され、雌側筒体68の剪断強さよりも大きい剪断強さを有する固定部材によって雌側基体32が固定されている場合には、雄型継手21のみに可撓性を有した配管部材7が接続されていてもよい。
【0064】
こうした構成の下では、雌部材30が固定されたブラケット6に荷重Fが作用すると、雄部材20を固定する固定部材25が剪断してブラケット5に対する雄部材20の固定が解除される。そして、連結状態にある管継手10はブラケット6にとともに移動する。
【0065】
このとき、雄型継手21の接続部46に非可撓性の配管部材が接続されているとなれば、ブラケット6に追従した管継手10の移動がその配管部材によって妨げられるばかりか、連結部分91に機械的な負荷が作用することになる。この点、上述した構成によれば、雄部材20の固定解除後、ブラケット6とともに移動する管継手10に配管部材7を追従させることができる。すなわち、筒体よりも剪断強さが小さい固定部材によって固定された継手に対して、可撓性を有する配管部材が接続されていればよい。
【0066】
・雄側筒体43等、雄型継手21に関わる部材の材質は、ポリアミドに限られるものではない。また、雌側筒体68等、雌型継手31に関わる部材の材質も、ポリアミドに限られるものではない。
【0067】
・また、固定部材は、雄型継手21と雌型継手31との連結部分91よりも破壊応力が小さいものであればよく、炭素鋼からなるボルトに限らず、樹脂製のボルトであってもよい。また、樹脂製のアンカークリップやカヌークリップ、ブラッシュクリップ等のクリップ類、ターンファスナー等のファスナー類であってもよい。
【0068】
・また、雄部材20の固定部材は、例えば、雄側基体22の裏面22bから立設された取り付けピンと、取り付けピンが嵌入される嵌入部を有してブラケット5に対して直接あるいは間接的に固定されるボスとによって構成されてもよい。こうした構成においては、雄型継手21と雌型継手31との連結部分91に比較して、取り付けピンの剪断強さを大きく且つボスの剪断強さを小さくしてもよいし、取り付けピンの剪断強さを小さく且つボスの剪断強さを大きくしてもよいし、双方の剪断強さが小さくてもよい。こうした構成によれば、取り付けピン及びボスのいずれか一方が剪断することによって、ブラケット5に対する雄部材20の固定を解除することが可能である。なお、雌部材30についても同様である。
【0069】
・雄部材20及び雌部材30が固定される対象物は、各々に配設された配管部材が雄部材20と雌部材30とによって互いに接続されるものであればよく、電気自動車を構成する車体及びバッテリーに限られるものではない。
【0070】
・雄部材20に固設される雄型継手21、及び雌部材30に固設される雌型継手31の数は、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0071】
A…軸線方向、F…荷重、5…ブラケット、5a…挿入口、6…ブラケット、6a…挿入口、7,8…配管部材、10…管継手、20…雄部材、21…雄型継手、22…雄側基体、22a…表面、22b…裏面、22c…取り付け座、23…ガイドピン、23a…先端部、23b…基端部、24…防御壁、25…第1固定部材、25a…薄肉部、30…雌部材、31…雌型継手、32…雌側基体、32a…表面、32b…裏面、32c…取り付け座、33…ガイド部材、34…ガイド孔、35…第2固定部材、35a…薄肉部、41…取り付け孔、42…雄側接続体、43…雄側筒体、43a…鍔部、44…流路、45…係合部、46…接続部、47…流路、49…シール部材、50…固定板、51…雄側押圧部、51a…押圧面、52…雄側弁座、53…雄側弁孔、54…シール部材、55…雄側弁体、55a…基端部、55b…先端部、55c…連通孔、56…コイルばね、57…シール部材、58…ナット、61…ケース体、62…凹部、63…コイルばね、66…取り付け孔、67…雌側接続体、68…雌側筒体、69…流路、70…係合部、71…接続部、72…流路、73…大径部、73a…嵌入部、74…段差部、75…小径部、75a…差込部、76…シール部材、77…固定板、80…弁押体、80a…固定部、80b…延出部、81…連通路、82…雌側押圧部、82a…押圧面、83…シール部材、84…雌側弁体、84a…鍔部、85…シール部材、86…コイルばね、89…ねじ部、90…ナット、91…連結部分、100…管継手、101…第1配管、第2配管…102、110…第1継手、111…本体、112…スライダー、112a…円筒部、112b…フランジ部、120…第2継手、121…本体、121a…小径部、121b…大径部、121c…段差部、122…連結部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連結可能な第1継手と第2継手とから構成される管継手のうち、
第1対象物の第1配管に連結された前記第1継手が、前記第1対象物に固定され、
第2対象物の第2配管に連結された前記第2継手が、前記第2対象物に固定されてなる
管継手の固定構造であって、
前記第1対象物に対し前記第1継手を固定する第1固定部材を備え、
前記第1配管が、可撓性を有した配管であり、
前記第1固定部材の破壊応力が、前記第1継手と前記第2継手との連結部分の破壊応力よりも小さい
ことを特徴とする管継手の固定構造。
【請求項2】
前記第1継手と前記第2継手との連結する方向と交差する方向では、
前記第1固定部材の剪断強さが、前記第1継手と前記第2継手との連結部分の剪断強さよりも小さい
請求項1に記載の管継手の固定構造。
【請求項3】
前記第1固定部材が、
前記第1継手と前記第2継手との連結する方向に延びる部材である
請求項2に記載の管継手の固定構造。
【請求項4】
前記第1固定部材は、前記第1継手と前記第1対象物との境目と対向する部位に切り欠きを有する
請求項3に記載の管継手の固定構造。
【請求項5】
前記第2対象物に対し前記第2継手を固定する第2固定部材を備え、
前記第2配管が、可撓性を有した配管であり、
前記第2固定部材の破壊応力が、前記第1継手と前記第2継手との連結部分の破壊応力よりも小さい
請求項1〜4のいずれか一項に記載の管継手の固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−2585(P2013−2585A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136120(P2011−136120)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】