説明

管路の結合構造

【課題】 管路における部品点数を少なくし、管路の簡易化を図る。さらに、管路の接続部分における強度を向上させる。
【解決手段】 機器が取り付けられる基部2に一体的に設けられ、固定部材に固定される複数の脚部3A,3B,3C,3Dを備えたマウント1において内設される管路の結合構造であって、基部2に形成され、流体が流れるメイン管路20と、メイン管路20に合流する状態に結合され、流体が流れる複数のサブ管路23A,23B,23Dとを備え、サブ管路23A,23B,23Dは脚部3A,3B,3Dに沿って形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器が取り付けられるマウントにおいて内設される管路の結合構造に関し、より詳しくは、燃料電池を搭載した燃料電池自動車に好適な管路の結合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の原因になる二酸化炭素の排出量を抑制する等の観点から、燃料電池電気自動車(FCEV;Fuel Cell Electric Vehicle)が注目されている。燃料電池電気自動車は、水素(H2)と空気中の酸素(O2)とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池(FC;Fuel Cell)を搭載し、燃料電池が発電した電気を走行モータに供給して駆動力を発生させている。
【0003】
燃料電池を用いた発電システムでは、高圧水素タンクからの水素(アノードガス)が減圧された後に水素供給ラインを介してアノード極に供給される一方、電動コンプレッサにより加圧された空気(カソードガス)が空気供給ラインを介してカソード極に供給される。アノード極からは燃料電池で消費されなかった水素(アノードオフガス:反応オフガス)が排気ガスとしてアノードオフガス排出路を介して排出され、カソード極からは反応後の空気(カソードオフガス)が排気ガスとしてカソードオフガス排出路を介して排出される。
【0004】
このような燃料電池を用いた発電システムにおいては、燃料電池の作動温度が相当高温になることから、通常、燃料電池を冷却水によって所定の温度以下に冷却する必要があり、そのための構成として、冷却水を燃料電池と熱交換器との間で循環させて冷却する冷却系を備えたものが知られている。このような冷却系においては、循環される冷却水が燃料電池以外の構成部品にも供給されるように構成されている。そして、このような燃料電池の分野では、燃料電池に接続される配管の分配部等を燃料電池を収めるケース内に設けたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2002−362164号公報(段落0010、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の一般的な自動車においては、構成部品点数の増加に伴い、冷却水の循環経路における管路の複雑化が顕著になりつつある。特に、前記した燃料電池による発電システムを搭載した燃料電池自動車においては、燃料電池周りに各管路が設けられることが多く、前記したように、燃料電池を冷却するための冷却水を利用して燃料電池以外の構成部品も冷却するように構成した場合、循環経路等における管路の複雑化がより顕著になり、構成部品のさらなる増加を来たすという問題があった。また、管路の接続部分における強度の向上が望まれていた。
【0006】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、管路における部品点数を少なくすることができるとともに管路の簡易化を図ることができ、さらに、管路の接続部分における強度を向上させることができる管路の結合構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決すべく、請求項1に記載の管路の結合構造は、機器が取り付けられる基部と、この基部に一体的に設けられ、固定部材に固定される複数の脚部とを備えたマウントにおいて内設される管路の結合構造であって、前記基部に形成され、流体が流れるメイン管路と、このメイン管路に合流する状態に結合され、流体が流れる複数のサブ管路とを備え、前記サブ管路は前記脚部に沿って形成されていることを特徴とする。
【0008】
このような管路の結合構造によれば、機器が取り付けられる基部を備えたマウントに、流体が流れるメイン管路と、このメイン管路に合流する状態に結合されて流体が流れる複数のサブ管路とが内設されているので、このマウントを用いることにより、複数の管路を通じて流れてくる流体をマウント内で合流させることができる。このように管路を流れてくる流体の合流を一箇所でまとめて行うことができるので、その分、管路における部品点数を少なくすることができるとともに、管路の簡易化を図ることができる。また、管路の簡易化を図ることができるので、省スペース化を実現することができる。
しかも、サブ管路はマウントの脚部に沿って形成されているので、脚部の有する強度を利用したサブ管路の接続を行うことができ、管路の接続部分における強度の向上を図ることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の管路の結合構造は、請求項1に記載の管路の結合構造において、前記流体は、反応ガスの供給によって発電を行う燃料電池を冷却するための冷却媒体であるとともに、前記固定部材は、前記燃料電池を搭載した燃料電池自動車用車体であることを特徴とする。
【0010】
このような管路の結合構造によれば、燃料電池周りに配設される各管路をマウントに接続することにより、各管路内を流れる冷却水等の合流をマウント内で行うことができ、その分、燃料電池周りの配管レイアウトを簡素化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の管路の結合構造によれば、管路における部品点数を少なくすることができるとともに管路の簡易化を図ることができ、さらに、管路の接続部分における強度を向上させることができる。また、燃料電池が搭載された燃料電池自動車に好適な管路の結合構造が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を燃料電池電気自動車に適用した実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る管路の結合構造を説明するためのマウントを示した斜視図、図2は同じくマウントの平面図、図3は同じくマウントの正面図、図4は本発明の一実施の形態に係る管路の結合構造が適用された燃料電池システムの主要部を示す概略構成図、図5は同じく管路の結合構造が適用された燃料電池システムにおける冷却水の流れおよび水素ガスの流れを示す概略図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の管路の結合構造が適用されるマウント1は、後記する気液分離器30等が取り付けられる基部2と、この基部2に一体的に設けられ、図示しない燃料電池自動車の車体(固定部材)に固定される4本の脚部3A〜3Dとを備えて構成されている。マウント1には、流体としての冷却水が通流するメイン管路20が基部2の長手方向に沿って内設されているとともに、このメイン管路20に合流する状態に結合された3つのサブ管路23A,23B,23Dが脚部3A,3B,3Dに沿ってそれぞれ一体的に内設されている。
【0014】
基部2は、略矩形状を呈しており、下部1aに気液分離器30(図3参照)がボルト等の締結手段により取り付けられるとともに、上部1bに設けられた取付部1cにエゼクタ40(図3参照)がボルト等の締結手段により取り付けられる。つまり、マウント1の基部2を中心として、上下に気液分離器30およびエゼクタ40が取り付けられる。基部2に内設されたメイン管路20の入口部は、基部2の一端部1dに形成されており、また、メイン管路20の出口部は、基部2の他端部1e側に設けられた脚部3Cに沿って一体的に設けられている。入口部および出口部には、後記する冷却水循環復路13Bを接続するためのフランジが設けられている。
【0015】
脚部3A〜3Dは、基部2の側方へ向けて張り出される状態に形成されており、各脚部3A〜3Dには、基部2の下部1aに取り付けられる気液分離器30との干渉を避けるための段部3a,3b,3d(段部3cは不図示)が底面側にそれぞれ形成されており、また、図示しない車体のフレーム等へ各脚部3A〜3Dを固定するための取付フランジ3a1〜3d1が形成されている。各脚部3A〜3Dは、図2に示すように、基部2に対して平面視で所定の角度をもって張り出されており、このうち、本実施形態では、脚部3Aのサブ管路23Aから流入する冷却水の流入位置と、脚部3Bのサブ管路23Bから流入する冷却水の流入位置とが、メイン管路20内で重なることがないように構成されている。つまり、脚部3Bのサブ管路23Bから流入する冷却水の流入位置は、脚部3Aのサブ配管23Aから流入する冷却水の流入位置よりも、メイン管路20の下流側にずらされた構成となっている。本実施形態では、基部2を直線的に形成したが、これに限られることはなく、湾曲形状、折曲形状等の任意の形状を採用し得る。また、脚部3A〜3Dの全てにメイン管路20あるいはサブ管路23A,23B,23Dを設ける必要はなく、適宜選択して設けることもできる。また、メイン管路20あるいはサブ管路23A,23B,23Dは、基部2あるいは脚部3A〜3Dの側部などに突出する状態に設けてもよい。
【0016】
サブ管路23A,23B,23Dは、前記のように、脚部3A,3B,3Dに沿ってそれぞれ一体的に内設されており、図1に示すように、各接続口23a,23b,23dは、脚部3A,3B,3Dの段部3a,3b,3dの上方に開口形成されている。これにより、各接続口23a,23b,23dは、各脚部3A,3B,3Dの取付フランジ3a1,3b1,3d1が形成される位置よりも段差分だけ高くなっており、これによって、取付フランジ3a1,3b1,3d1に挿入される図示しないボルト等と各接続口23a,23b,23dに接続される図示しない管路が干渉しないようになっている。
【0017】
また、マウント1には、図3に示すように、メイン管路20の周囲に沿う状態に上下方向に貫通された供給路35が形成されている。この供給路35は、マウント1の下部1aに形成された開口1fを通じて気液分離器30に連通するとともに、マウント1の取付部1cに形成された開口1gを通じてエゼクタ40に連通するようになっている。これにより、後記するように、気液分離器30から排出された反応オフガスがこの供給路35を通じてエゼクタ40に供給される。
【0018】
次に、図4,図5を参照して、本実施形態の管路の結合構造が採用された燃料電池システムについて説明する。図4に示すように、この燃料電池システムは、燃料電池10と、前記マウント1のメイン管路20(図4,図5では主としてメイン管路20を模式的に図示)と、気液分離器30と、エゼクタ40とを備え、気液分離器30とエゼクタ40とを隣接して一体的に配置するとともに、気液分離器30とエゼクタ40との間にメイン管路20が配置されて構成されている。
【0019】
燃料電池10は、図5に示すように、水素供給タンクCが設けられた水素供給系から燃料ガスである水素(アノードガス)が、水素熱交換器C1およびエゼクタ40を介して燃料電池10の図示しないアノード極に供給され、一方、空気供給系Aから酸化剤ガスである空気(カソードガス)が燃料電池10の図示しないカソード極に供給されることにより、これらを電気化学的に反応させて発電する。発電された電力は、図示しない車両に搭載された走行モータに供給される。ちなみに、ここでの燃料電池10は、固体高分子型であるPEM型の燃料電池であり、電解質を挟んで図示しないアノード極およびカソード極等から構成される膜電極構造体(MEA)をセパレータで更に挟み込んだ単セルを、例えば数十枚〜数百枚程度積層した積層構造を有している(以上図示外)。ここで、PEMとは、Proton Exchange Membraneの略であり、MEAとは、Membrane Electrode Assemblyの略である。
【0020】
図4に示すように、メイン管路20には、燃料電池10を通過して温められた冷却水(冷却媒体)が通流するようになっている。ここで、冷却水が通流する冷却系は、図5に示すように、主として、冷却水が燃料電池10からメイン管路20を通り、その後、熱交換器11を介して再び燃料電池10に供給されるという循環経路を備えて構成されており、熱交換器11により放熱した冷却水を循環ポンプ12により燃料電池10へ送出する冷却水循環往路13Aと、燃料電池10から吸熱した冷却水を熱交換器11に戻す冷却水循環復路13Bとを少なくとも備えている。
【0021】
メイン管路20には、前記のように、燃料電池10を通過して温められた冷却水が通流するので、メイン管路20に沿う供給路35が冷却水により加温されることとなる(図3参照)。
【0022】
気液分離器30は、燃料電池10から排出された余剰水素ガスである高湿潤のアノードオフガス(反応オフガス)から反応生成水(水分)を分離する役割をなす。
【0023】
気液分離器30の下部には、断面逆三角形状のドレン部31が設けられており、気液分離器30とドレン部31との間には、例えば、複数の透孔30b(図4では拡大して1つのみ図示)が形成された仕切り板30aが配設されている。これにより、気液分離器30で分離された反応生成水は、仕切り板30aの透孔30bを通過してドレン部31に溜まるようになっている。
【0024】
ドレン部31の下部には、冷媒通路32が、ドレン部31の底面に密着した状態に配設されている。冷媒通路32は、一部が内管32aと外管32bとからなる二重管構造とされており、内管32aが、ドレン部31の排出口31aに連通してドレン管として機能するとともに、外管32bが、前記冷却水循環復路13B(図2参照)に連通して、冷却水の通流する通路として機能する。これにより、ドレン部31に溜まった反応生成水は、冷媒通路32の内管32aを通じて排出され、一方、冷却水循環復路13Bからの冷却水が、冷媒通路32の外管32bを通じてドレン部31に供給される。つまり、内管32aは、燃料電池10を通過した後の温かい冷却水により加温される。ここで、ドレンは、内管32aを図4中矢印X1方向に流れ、また、冷却水は、外管32bを図4中矢印X2方向に流れる。すなわち、内管32aの下流側に外管32bの上流側が位置することとなり、内管32aの下流側が内管32aの上流側より先に冷却水で加温される構造となっている。なお、冷媒通路32は、冷却水の流れる方向(図4中矢印X2方向)を基準として、ドレン部31の排出口31aより上流側が内管32aと外管32bとからなる二重管構造とされ、また、排出口31aより下流側が外管32bのみから構成されている。なお、冷媒通路32に供給される冷却水は、ドレン部31に溜まった反応生成水が蒸発することのない温度に設定され、好ましくは、燃料電池10やその他の機関が冷えている起動時や氷点下の温度条件において供給される。
【0025】
冷媒通路32には、ドレン弁33が接続されており、このドレン弁33の開閉により、内管32aが開放あるいは閉塞されるようになっている。なお、気液分離器30およびドレン部31の内部は、燃料電池10より排出された反応オフガスにより圧力が高くなっているので、ドレン弁33が開かれると、内管32aを通じてドレンが排出される。また、冷媒通路32の内管32aの端部は、図示しない希釈ボックスに連通している。
なお、エゼクタ40の上流側には、図示しない減圧弁が配設され、また、エゼクタ40の下流側には、図示しない水透過膜型等の加湿装置としての中空糸膜式加湿器が配設されている。さらに、空気供給系Aには、図示しないエアクリーナや、加湿器、電動コンプレッサ等が配設されている。
【0026】
燃料電池システムを起動すると、図示しないスロットルペダルの踏込み量や各機器(灯火装置や空調装置等)の消費電力等に基づき燃料電池10から取り出すべき電流量が図示しない制御装置により決定され、その電流量に応じたカソードガスが燃料電池10に供給される。また、燃料電池10にアノードガスが供給されることで、アノード極からカソード極への水素の移動に伴って電力が発生するとともに、消費されたアノードガスが水素供給タンクから供給される。そして、アノード極から消費されなかった余剰の水素は、アノードオフガスとして排出され、また、カソード極から反応後の空気がカソードオフガスとして排出される。
【0027】
一方、冷却系の循環ポンプ12が駆動制御され、図5に示すように、循環ポンプ12から吐出された冷却水が冷却水循環往路13Aを通じて燃料電池10に供給される。燃料電池10に供給されて燃料電池10を冷却した後の冷却水は、燃料電池10から吸熱して冷却水循環復路13Bに排出され、その後、メイン管路20に供給される。
ここで、燃料電池10から冷却水循環復路13Bに排出された冷却水の一部が、冷却水循環復路13Bから分岐路14a,14bを通じてエゼクタ40および水素熱交換器C1に供給され、これらと熱交換された後に、メイン管路20に戻されて合流する。例えば、図1,図2に示すように、この冷却水は、マウント1のサブ管路23A,23Bを通じてメイン管路20に戻される。
【0028】
メイン管路20を冷却水が通過する過程で供給路35が加温され、これによって、供給路35を流れる反応オフガスが加温される。つまり、反応オフガスの相対温度を低下できる。これにより、水素供給タンクCから供給される水素ガスが、仮に冷えている場合であっても、エゼクタ40で水素ガスと反応オフガスとが混合される際に、反応オフガス中に残存する水分(生成水)が凝縮しづらくなるという利点が得られる。
【0029】
また、冷却水循環復路13Bを通過する冷却水の一部は、図5に示すように、主として機関起動時の暖機運転等において、冷媒通路32のドレン配管である内管32aの周囲に沿って、ドレン弁33から気液分離器30のドレン部31に向けて流れ、その後、メイン管路20に戻される。例えば、図1,図2に示すように、この戻される冷却水は、マウント1のサブ管路23Dを通じてメイン管路20に戻される。
この際、冷媒通路32を流れる冷却水と、内管32a、ドレン弁33およびドレン部31との間で熱交換がなされ、内管32a、ドレン弁33およびドレン部31がそれぞれ加温される。したがって、ドレン部31で仮に生成水が凍結していても、これを好適に溶かすことができる。
【0030】
メイン管路20に戻された冷却水は、メイン管路20を流れてきた冷却水とともに冷却水循環復路13Bをさらに循環して熱交換器11に流入し、熱交換器11で放熱された後に再び循環ポンプ12により燃料電池10に向けて吐出される。
【0031】
以上説明した本実施形態の管路の結合構造によれば、気液分離器30およびエゼクタ40が取り付けられる基部2を備えたマウント1に、流体が流れるメイン管路20と、このメイン管路20に合流する状態に結合されて流体が流れる3つのサブ管路23A,23B,23Dとが内設されているので、このマウント1を用いることにより、複数の管路を通じて流れてくる流体をマウント1内で合流させることができる。このように各管路(分岐路14a,14b等、以下同じ)を流れてくる流体の合流を一箇所でまとめて行うことができるので、その分、管路における部品点数を少なくすることができるとともに、管路の簡易化を図ることができる。また、管路の簡易化を図ることができるので、省スペース化を実現することができる。
しかも、サブ管路23A,23B,23Dは、マウント1の脚部3A,3B,3Dに沿ってそれぞれ形成されているので、脚部3A,3B,3Dの有する強度を利用したサブ管路3A,3B,3Dの接続を行うことができ、管路の接続部分における強度の向上を図ることができる。
【0032】
また、このような管路の結合構造によれば、燃料電池10の周りに配設される各管路をマウント1に接続することにより、各管路内を流れる冷却水等の合流をマウント1内で行うことができ、その分、燃料電池10の周りの配管レイアウトを簡素化することができる。
【0033】
本発明は、前記実施形態に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。例えば、また、前記実施形態では燃料電池電気自動車を例に説明したが、船舶や航空機等の移動体、あるいは定置発電装置用の燃料電池システム等に本発明を適用することができる。また、前記実施形態ではPEM型の燃料電池を備えた燃料電池システムを取り上げたが、本発明は、アルカリ型燃料電池やリン酸型燃料電池等、他種の燃料電池を備えた燃料電池システムにも当然に適用できる。また、燃料電池システムを構成する各機器のレイアウト等についても本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
さらに、前記マウントは、燃料電池自動車の車体に脚部が固定される構成としたが、これに限られることはなく、例えば、燃料電池やその他の機器に対して固定されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施の形態に係る管路の結合構造を説明するためのマウントを示した斜視図である。
【図2】同じくマウントの平面図である。
【図3】同じくマウントの正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る管路の結合構造が適用された燃料電池システムの主要部を示す概略構成図である。
【図5】同じく管路の結合構造が適用された燃料電池システムにおける冷却水の流れおよび水素ガスの流れを示す概略図である。
【符号の説明】
【0035】
1 マウント
2 基部
3A,3B,3C,3D 脚部
23A,23B,23D サブ管路
10 燃料電池
11 熱交換器
12 循環ポンプ
13A 冷却水循環往路
13B 冷却水循環復路
20 メイン管路
30 気液分離器
40 エゼクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器が取り付けられる基部と、この基部に一体的に設けられ、固定部材に固定される複数の脚部とを備えたマウントにおいて内設される管路の結合構造であって、
前記基部に形成され、流体が流れるメイン管路と、このメイン管路に合流する状態に結合され、流体が流れる複数のサブ管路とを備え、
前記サブ管路は前記脚部に沿って形成されていることを特徴とする管路の結合構造。
【請求項2】
前記流体は、反応ガスの供給によって発電を行う燃料電池を冷却するための冷却媒体であるとともに、前記固定部材は、前記燃料電池を搭載した燃料電池自動車用車体であることを特徴とする請求項1に記載の管路の結合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−132692(P2006−132692A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323547(P2004−323547)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】