管路内に閉塞装置を供給して展開するためのシステム及び方法
【課題】管路内に閉塞装置を供給して展開するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】首部再建術又はバルーン再形成によって管路内の動脈瘤を再形成するために使用できる閉塞装置100を展開する。システムは、導入シース10と、閉塞装置100を支持するためのアセンブリ20とを備える。アセンブリ20は、閉塞装置100の第1の端部102を受けるための閉塞装置保持部材35を有する長尺柔軟部材10と、閉塞装置100の第2の端部107と係合するための基端側に位置された保持部材62と、長尺柔軟部材10の一部を取り囲む支持体20とを含んでおり、支持体20上に閉塞装置100を位置させることができる。
【解決手段】首部再建術又はバルーン再形成によって管路内の動脈瘤を再形成するために使用できる閉塞装置100を展開する。システムは、導入シース10と、閉塞装置100を支持するためのアセンブリ20とを備える。アセンブリ20は、閉塞装置100の第1の端部102を受けるための閉塞装置保持部材35を有する長尺柔軟部材10と、閉塞装置100の第2の端部107と係合するための基端側に位置された保持部材62と、長尺柔軟部材10の一部を取り囲む支持体20とを含んでおり、支持体20上に閉塞装置100を位置させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
[01]本発明は、一般に、管路内に医療装置を供給して展開するためのシステム及び方法に関し、特に、動脈瘤、特に脳動脈瘤を閉鎖して塞ぐために患者の脈管構造内に管腔内治療装置を供給して展開するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景技術)
[02]脈管構造の壁、特に動脈壁は、動脈瘤と呼ばれる病的拡張領域を発現する場合がある。良く知られているように、動脈瘤は、破裂し易い薄くて弱い壁を有する。動脈瘤は、病気、怪我又は先天的異常によって血管壁が弱められた結果であるということができる。動脈瘤は身体の様々な部分で見出すことができ、最も一般的なものが神経脈管構造内の脳動脈瘤及び腹部大動脈瘤である。動脈瘤の弱まった壁が破裂すると、特にそれが脳動脈瘤の破裂である場合には、死に至る可能性がある。
【0003】
[03]動脈瘤は、一般に、血管の弱まった部分を動脈循環から排除することにより処置される。脳動脈瘤を処置するため、そのような補強は、(i)動脈瘤の基部の周囲に金属クリップが固定される外科的クリッピング、(ii)小さい柔軟なワイヤコイル(マイクロコイル)を用いて動脈瘤を包む(iii)塞栓性材料を使用して動脈瘤を「満たす」、(iv)取り外し可能なバルーン又はコイルを使用して動脈瘤を与える親血管を閉塞する、(v)血管内ステント留置術を含む多くの方法で行なわれる。
【0004】
[04]血管内ステントは、血管狭窄又は動脈瘤の治療のために医療技術において良く知られている。ステントは、血管の潰れに抗する支持を与えるために血管又はルーメン内で径方向又は別な方向に拡張するプロテーゼである。これらの血管内ステントを供給するための方法も良く知られている。
【0005】
[05]圧縮されたステントを血管内へ導入してステントを狭窄領域又は動脈瘤内に位置決めする従来の方法では、先端チップを有するガイドカテーテルが患者の脈管系内へ経皮的に導入される。ガイドカテーテルは、その先端チップが狭窄又は動脈瘤に最も近接するまで血管内へ押し進められる。第2の内部カテーテルの内部ルーメン内に位置されたガイドワイヤ及び上記内部カテーテルがガイドカテーテルの先端を通じて押し進められる。その後、ガイドワイヤは、圧縮ステントを支持するガイドワイヤの先端部が血管内の病変点に位置されるまで、ガイドカテーテルの先端から血管内へと押し進められる。圧縮ステントが病変に位置されると、ステントが血管を支持するようにステントを解放して拡張させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[06]本発明の態様は、管路内で閉塞装置を展開するシステム及び方法を含む。閉塞装置は、例えば首部再建術又はバルーン再形成によって管路内の動脈瘤を再形成するために使用できる。閉塞装置は、導入された材料が動脈瘤内から逃げないように動脈瘤内にマイクロ治療による(ONYX)などの粘性流体或いは良く知られたコイル等の閉塞材料を保持するバリアを形成するために使用できる。また、展開中、閉塞装置とカテーテルの内面との間に形成される摩擦に応じて閉塞装置の長さを調整することができる。これが行なわれると、処置を行なう医師により望まれるように閉塞装置の展開長及び周方向サイズを変えることができる。
【0007】
[07]本発明の一態様は、閉塞装置を支持して展開するためのシステムを含む。システムは、導入シースと、閉塞装置を支持するためのアセンブリとを備える。アセンブリは、閉塞装置の第1の端部を受けるための閉塞装置保持部材を有する長尺柔軟部材と、閉塞装置の第2の端部と係合するための基端側に位置された保持部材と、長尺柔軟部材の一部を取り囲む支持体とを含んでおり、支持体上に閉塞装置を位置させることができる。
【0008】
[08]本発明の他の態様は、閉塞装置を支持して展開するためのシステムを含む。システムは、閉塞装置を支持するためのアセンブリを備える。アセンブリは、柔軟な先端チップ部を含む長尺部材と、閉塞装置の第1の端部を受けるための保持部材と、長尺柔軟部材の一部を取り囲んで閉塞装置を支持するための支持体とを備える。
【0009】
[09]本発明の更なる態様は、管路内に閉塞装置を導入して展開する方法を含む。方法は、ガイドワイヤアセンブリを支持する導入シースを含む長尺シースをカテーテル内へ導入するステップと、ガイドワイヤアセンブリをシースから押し出してカテーテル内へと押し進めるステップとを含む。また、方法は、カテーテルの端部を動脈瘤に最も近接させて位置決めするステップと、ガイドワイヤアセンブリの一部をカテーテルから押し出すステップと、動脈瘤の領域で閉塞装置を展開させつつガイドワイヤアセンブリの一部を回転させるステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一態様に係る閉塞装置及び閉塞装置供給アセンブリの断面である。
【図2】図1に示される導入シース及びカテーテルを示している。
【図3】閉塞装置が装填されたガイドワイヤアセンブリを支持する図2の導入シースの部分断面図である。
【図4】図3に示されるガイドワイヤアセンブリの断面である。
【図5】図4のガイドワイヤアセンブリの概略図である。
【図6】図4のガイドワイヤアセンブリの第2の概略図である。
【図7】カテーテルの外側に位置されたガイドワイヤアセンブリの一部及び閉塞装置を示すと共に、閉塞装置の基端がどのように管路内で展開し始めるのかを示している。
【図8】閉塞装置を展開する方法における1つのステップを示している。
【図9】本発明の一態様に係る閉塞装置の展開を示している。
【図10】本発明の他の実施形態に係るガイドワイヤアセンブリの概略図である。
【図11】図10のガイドワイヤアセンブリによって展開された後における展開された閉塞装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
[21]ここでは、断面が小さい部分を有し且つ非常に柔軟な閉塞装置供給アセンブリについて説明する。図1は、閉塞装置100を受けて収容すると共に、個体の脈管構造内に位置させるために柔軟なマイクロカテーテル1に対して閉塞装置100を供給する本発明の一態様に係る導入シース10を示している。閉塞装置100は、参照することによりその全体が本願に組み入れられる2005年5月25日に出願された(FLEXIBLE VASCULAR OCCLUDING DEVICE)と題される同時係属の米国特許出願(代理人整理番号006258.00010)に開示された実施形態を含むことができる。
【0012】
[22]図1及び図2に示されるように、導入シース10の先端12は、マイクロカテーテル1のハブ2内に受けられるように寸法付けられて構成されている。ハブ2は、マイクロカテーテル1の基端に位置させることができ、或いは、マイクロカテーテル1の長さに沿って離間された他の場所に位置させることができる。マイクロカテーテル1は、患者の脈管構造を通じて導入して押し進めることができる任意の周知のマイクロカテーテルであってもよい。一実施形態において、マイクロカテーテルは0.047インチ以下の内径を有する。他の実施形態において、マイクロカテーテルは約0.027インチ〜約0.021インチの内径を有する。他に採りうる実施形態において、マイクロカテーテルは約0.025インチの内径を有することができる。しかしながら、カテーテル1は、0.047インチよりも大きい或いは0.021インチよりも小さい内径を有することができると考えられる。導入シース10がカテーテルハブ2内に位置された後、患者の脈管構造内での閉塞装置100の展開に備えて、閉塞装置100を導入シース10からマイクロカテーテル1内へ押し進めることができる。
【0013】
[23]マイクロカテーテル1は、ハブ2に隣接して配置され或いはその長さに沿う他の位置に配置された少なくとも1つの流体導入ポート6を有していてもよい。ポート6がマイクロカテーテル1の先端と流体連通し、それにより、脈管構造内へ挿入する前に流体、例えば生理食塩水をマイクロカテーテル1へ通して、マイクロカテーテル1内に捕捉された空気又は残骸及びマイクロカテーテル内に位置されたガイドワイヤなどの任意の器具を洗い流すことができるのが好ましい。また、ポート6は、望み通りに脈管構造内に薬物又は流体を供給するために使用されてもよい。
【0014】
[24]図3は、導入シース10、導入シース10内で移動できる細長い柔軟な供給ガイドワイヤアセンブリ20、及び、閉塞装置100を示している。図示のように、ガイドワイヤアセンブリ20及びガイドワイヤアセンブリ20により支持された閉塞装置100はマイクロカテーテル1内に導入されていない。その代わり、図示のように、これらは導入シース10内に位置されている。導入シース10は、様々な熱可塑性プラスチック、例えばPTFE、FEP、HDPE、PEEKなどから形成されても良く、場合によって、シースの内面又は隣接面上がPVPなどの親水性材料又は何らかの他のプラスチックコーティグで覆われてもよい。また、所望の結果に応じて、いずれかの表面が異なる材料の様々な組み合わせでコーティングされてもよい。
【0015】
[25]導入シース10は、閉塞装置100を覆う領域の近傍の壁に形成された排液ポート又はパージ穴(図示せず)を含んでいてもよい。単一の穴又は複数の穴、例えば3つの穴が導入シース10に形成されてもよい。これらのパージ穴により、導入シース10をカテーテルハブ2と接触した状態に位置させる前にシースをパージする際、例えば捕捉された空気又は残骸を除去するために、導入シース10とガイドワイヤアセンブリ20との間から流体、例えば生理食塩水を容易に逃がすことができる。
【0016】
[26]図4に示されるように、ガイドワイヤアセンブリ20は細長い柔軟なガイドワイヤ21を含む。ガイドワイヤ21の柔軟性により、ガイドワイヤアセンブリ20は、必要に応じて湾曲して脈管構造の曲率に適合し、脈管構造内で閉塞装置100を位置的に動かすことができる。ガイドワイヤ21は、従来のガイドワイヤ材料によって形成されても良く、また、中実な断面を有していてもよい。或いは、ガイドワイヤ21をハイポチューブによって形成することができる。いずれの実施形態においても、ガイドワイヤ21は約0.010インチ〜約0.020インチの範囲の直径D5を有する。一実施形態において、ガイドワイヤ21の最大直径は約0.016インチである。ガイドワイヤ21のために使用される材料は、例えばニチノール等の超弾性金属を含む任意の周知のガイドワイヤ材料であってもよい。或いは、ガイドワイヤ21は、ステンレス鋼などの金属によって形成することができる。ガイドワイヤの長さL4は約125cm〜190cmであってもよい。一実施形態において、長さL4は約175cmである。
【0017】
[27]ガイドワイヤアセンブリ20は、その全長に沿って同じ湾曲度合いを有することができる。他の実施形態において、ガイドワイヤアセンブリ20は複数の長手方向セクションを有することができ、各長手方向セクションは異なる湾曲/剛性度合いを有する。ガイドワイヤアセンブリ20における異なる湾曲度合いは、ガイドワイヤ21の異なる長手方向セクションの中で異なる材料及び/又は厚さを使用して形成することができる。他の実施形態において、ガイドワイヤ21の湾曲は、供給ガイドワイヤ21中に形成された離間する切れ込み(図示せず)によって制御できる。これらの切れ込みは、長手方向及び/又は周方向に互いに離間させることができる。切れ込みは、供給ガイドワイヤ21中に正確に形成することができる。供給ガイドワイヤ21の異なるセクションは、これらの別個のセクションに異なる大きさの湾曲及び剛性を与えるために、異なる間隔及び異なる深さで形成された切れ込みを含むことができる。前述した任意の実施形態において、ガイドワイヤアセンブリ20及びガイドワイヤ21は、術者によってガイドワイヤアセンブリ20に対して加えられるトルクに応答する。後述するように、ガイドワイヤ21を介してガイドワイヤアセンブリ20に対して加えられるトルクは、ガイドワイヤアセンブリ20から閉塞装置100を解放するために使用できる。
【0018】
[28]供給ガイドワイヤ21中に形成される切れ込みのサイズ及び形状は、大きな柔軟性又は小さな柔軟性を与えるように制御されてもよい。切れ込みの深さ或いは全体の形状を変えることなく切れ込みの幅を変えることができるため、供給ガイドワイヤ21のねじれ強度に影響を与えることなく供給ガイドワイヤ21の柔軟性が選択的に変えられてもよい。このように、供給ガイドワイヤ21の柔軟性及びねじれ強度が選択的に且つ独立に変えられてもよい。
【0019】
[29]切れ込みの長手方向に隣接する対は、横方向及び垂直方向に曲げを与えるため、供給ガイドワイヤ21の周方向に互いに約90度回転され得ることが有益である。しかしながら、切れ込みは、1つ以上の所望の方向で選択的曲げを与えるために所定の場所に配置されてもよい。無論、切れ込みは、全ての方向又は面内で均等に差異無く曲げを許容するように無作為に形成することができる。1つの実施形態において、これは、切れ込みを周方向に離間させることにより達成できる。
【0020】
[30]柔軟な供給ガイドワイヤ21は、同一の或いは異なる湾曲度合いを有する任意の数のセクションを含むことができる。例えば、柔軟な供給カイドワイヤ21は2つ以上のセクションを含むことができる。図4に示される実施形態では、柔軟な供給ガイドワイヤ21が3つのセクションを含み、各セクションが異なる直径を有する。各セクションは約0.005インチ〜約0.025インチの直径を有することができる。一実施形態では、1つ以上のセクションの直径が約0.010インチ〜約0.020インチであってもよい。第1のセクション22は、閉塞装置100の位置と反対側に位置付けられる基端23を含む。第1のセクション22は、その長さに沿って一定の厚さを有することができる。或いは、第1のセクション22は、その全長にわたって或いはその長さの一部のみにわたって先細る厚さ(直径)を有することができる。先細りの実施形態では、第1のセクション22の厚さ(直径)が第2の移行セクション24の方向で減少する。ガイドワイヤ21が円形断面を有する実施形態では、厚さがセクションの直径である。
【0021】
[31]第2の移行セクション24は、第1のセクション22と第3の先端セクション26との間で延びている。第2のセクション24は、第1のセクション22の大きい直径から第3のセクション26の小さい直径へと厚さが次第に小さくなっている。第1のセクション22と同様に、第2のセクション24は、その全長にわたって或いはその長さの一部のみにわたって先細ることができる。
【0022】
[32]第3のセクション26は、供給ガイドワイヤ21の他のセクション22,24と比べて小さい厚さを有する。第3のセクション26は、閉塞装置100を支持する先細りの第2のセクション24から離れて延びている。第3のセクション26は、第2のセクション24から供給ガイドワイヤ21の先端27へとその全長にわたって先細ることができる。或いは、第3のセクション26は、一定の直径を有することができ、或いは、その長さの一部のみにわたって先細ることができる。そのような実施形態において、第3のセクション26のテーパ部分は、第2のセクション24から或いは第2のセクション24から離間された1つの点から、供給ガイドワイヤ21の先端27から離間された1つの点へと延びることができる。供給ガイドワイヤ21の3つのセクションについて説明されて図示されているが、供給ガイドワイヤ21は3つ以上のセクションを含むことができる。また、これらの各セクションは、それらの全長にわたって或いはそれらの長さの一部のみにわたってそれらの厚さ(直径)を次第に小さくすることができる。開示された任意の実施形態において、供給ガイドワイヤ21は、ニチノールなどの形状記憶合金から形成することができる。
【0023】
[33]図4及び図5に示されるように、供給ガイドワイヤ21の先端27にはチップ28及び柔軟なチップコイル29が固定されている。図示のように、チップ28は、チップコイル29の先端をしっかりと受ける連続的なエンドキャップ又はカバーを含むことができる。湾曲制御は、チップコイル29によって供給ガイドワイヤ21の先端部に対して行なわれる。しかしながら、一実施形態では、チップ28にコイル29が無くてもよい。チップ28は非経皮的な非外傷性端面を有する。図示の実施形態では、チップ28が丸みを帯びた面を有する。他の実施形態において、チップ28は、それが導入される管路を傷付けない他の非経皮的形状を有することができる。図4に示されるように、チップ28は、ハウジング45の内面の開口46内でガイドワイヤ21の先端をしっかりと受けるハウジング45を含む。ガイドワイヤ21は、任意の周知の手段によって開口内に固定することができる。
【0024】
[34]図4に示されるように、チップコイル29はガイドワイヤ21の一部を取り囲んでいる。チップコイル29は柔軟であり、それにより、チップ28が患者内の管路に沿って押し進められてガイドワイヤ21が曲がって脈管構造の曲がりくねった経路に追従する際、チップコイル29が前記管路の経路に適合して追従するようになっている。図示のように、チップコイル29は、基端23へと向かってチップ28から後方へ延びている。
【0025】
[35]チップ28及びコイル29は約0.010インチ〜約0.018インチの外径D1を有する。一実施形態において、それらの外径D1は約0.014インチである。また、チップ28及びコイル29は約0.1cm〜約3.0cmの長さL1を有する。一実施形態において、これらは約1.5cmの全長L1を有する。
【0026】
[36]図1及び図4に示されるように、チップコイル29の基端30は、保護コイル35の先端24でハウジング32内に受けられる。ハウジング32及び保護コイル35は約0.018インチ〜約0.038インチの外径D2を有する。一実施形態において、それらの外径D2は約0.024インチである。ハウジング32及び保護コイル35は約0.05cm〜約0.2cmの長さL2を有する。一実施形態において、それらの全長L2は約0.15cmである。
【0027】
[37]ハウジング32は非経皮的な非外傷性形状を成している。例えば、図5に示されるように、ハウジング32は略鈍的な外形を有する。また、ハウジング32は、それが管路を通過する際に管路を開放/支持するように寸法付けることができる。また、ハウジング32は、導入シース10の内面から離間されるように寸法付けられた傾斜側壁を含むことができる。
【0028】
[38]ハウジング32及び保護コイル35は、柔軟なガイドワイヤアセンブリ20上における閉塞装置100の位置を維持し且つ閉塞装置の供給及び脈管構造の管路内での展開前に閉塞装置100を圧縮状態に保持するのに役立つ先端保持部材を形成する。図4に示されるように、保護コイル35は、供給ガイドワイヤ21の基端23へ向けてハウジング32から延びている。保護コイル35は任意の周知の方法でハウジング32に対して固定されている。第1の実施形態において、保護コイル35はハウジング32の外面に対して固定することができる。他の実施形態において、保護コイル35は、ハウジング32が保護コイル35の先端51を取り囲んで内部で受ける(図4)ようにハウジング32の開口内に固定することができる。図3及び図4に示されるように、閉塞装置100の先端102は基端52内に保持されており、それにより、閉塞装置100は、シース10又はマイクロカテーテル1内に位置されている間において展開することができない。
【0029】
[39]閉塞装置100の基端において、バンパコイル60及びキャップ62は、基端23へと向かう方向での閉塞装置100のガイドワイヤ21の長さに沿う横方向移動を防止する(図3参照)。バンパコイル60及びキャップ62は約0.018インチ〜約0.038インチの外径D4を有する。一実施形態において、それらの外径D4は約0.024インチである。キャップ62は、閉塞装置100の基端107と接触して、閉塞装置が保護コイル35から離れるようにガイドワイヤ21の長さに沿って移動することを防止する。バンパコイル60は、保護コイル35へ向かう方向でキャップ62と接触してこれを押圧し、それにより、閉塞装置100に対する付勢力を形成するスプリングの形態を成すことができる。この付勢力(圧力)は、閉塞装置100の先端102と保護コイル35との間の強固な被覆関係を維持するのに役立つ。供給ガイドワイヤ21に沿って位置される任意のコイルと同様、バンパコイル60は、半田付け、溶接、RF溶着、糊、及び/又は、他の周知の接着剤によって供給ガイドワイヤ21に対して固定させることができる。
【0030】
[40]図10に示される他の実施形態では、バンパコイル60が利用されていない。その代わり、閉塞装置100の基端107は、導入シース10又はマイクロカテーテル1内に位置される間、一組のバネ荷重アーム(ジョー)140によって所定位置に保持される。マイクロカテーテル1及び導入シース10の内面は、アーム140の径方向の拡張を制限する。閉塞装置の基端がマイクロカテーテル1から抜け出ると、図11に示されるように、アーム140がバネ開放して閉塞装置を解放する。
【0031】
[41]他の実施形態では、バンパコイル60及びキャップ62を排除することができると共に、ガイドワイヤ21のテーパ状のセクションによって閉塞装置100の基端を保護コイル35に対して所定位置に保持することができる。そのような実施形態において、このテーパ状のセクションの拡大された断面は、閉塞装置100を供給ガイドワイヤ21の長さに沿う所定位置に保持すると共に、基端23へ向かう方向での閉塞装置100の移動を防止するために使用できる。
【0032】
[42]図4に示されるように、ガイドワイヤアセンブリ20は閉塞装置100のための支持体70を含む。第1の実施形態において、支持体70は、閉塞装置100がガイドワイヤアセンブリ20上に装填される際に閉塞装置100の内面と接触するように寸法付けられる供給ガイドワイヤ21の外面を含むことができる。この実施形態において、供給ガイドワイヤ21の外面は、閉塞装置100を支持すると共に、閉塞装置をいつでも展開できる状態に維持する。図に示される他の実施形態において、支持体70は、保護コイル35の基端側の位置からバンパコイル60へ向かって後方へ延びる中間コイル70を備える。図1に示されるように、中間コイル70は、閉塞装置100の下側で且つ供給ガイドワイヤ21上にわたって延びている。中間コイル70は、供給ガイドワイヤ21の1つ以上のセクションと同一の広がりを持つことができる。例えば、中間コイル70は、供給ガイドワイヤ21の第2のセクションだけと共に延在することができ、或いは、供給ガイドワイヤ21の第3のセクション26及び第2のセクション24の両方の一部分に沿って延在することができる。
【0033】
[43]中間コイル70は、閉塞装置を支持して閉塞装置100をいつでも展開できる状態に維持するのに役立つように、閉塞装置100の内面と接触するように寸法付けられる外側へ延びる面をガイドワイヤアセンブリ20に対して与える。ここで説明して図示した他のコイルと同様、中間コイル70は、そのコイル形態により、供給ガイドワイヤ21が患者の脈管構造を通じて押し進められる際に供給ガイドワイヤ21と共に湾曲できる。中間コイル70は、閉塞装置100の下側の供給ガイドワイヤ21のテーパとは無関係に、閉塞装置100によって覆われる供給ガイドワイヤ21の長さに沿って一定の直径を与える。中間コイル70は供給ガイドワイヤ21をテーパ状にすることができ、それにより、供給ガイドワイヤ21は、閉塞装置100に対して与えられる支持に支障を来たすことなく、脈管構造の経路に追従するために必要な柔軟性を得ることができる。中間コイル70は、閉塞装置100が展開される前に供給ガイドワイヤ21のテーパにかかわらず閉塞装置100に対して一定の支持を与える。また、閉塞装置100の圧縮状態時の最小直径は、中間コイル70のサイズによっても制御される。また、中間コイル70の直径は、閉塞装置100の展開前に閉塞装置100とマイクロカテーテル1の内壁との間に適切な間隔(間隔が無いことも含む)が形成されるように選択することができる。また、中間コイル70は、閉塞装置の展開中に閉塞装置100を供給ガイドワイヤ21から離れるように付勢するべく使用することもできる。
【0034】
[44]いずれの実施形態においても、支持体70は約0.010インチ〜約0.018インチの外径D3を有することができる。一実施形態において、外径D3は約0.014インチである。また、支持体70は約2.0cm〜約30cmの長さL3を有することもできる。一実施形態において、支持体70の長さL3は約7cmである。
【0035】
[45]また、閉塞装置100は、ガイドワイヤアセンブリ20の長さに沿って位置された無線を透過しない随意的なマーカバンド対間で中間コイル70上に配置されてもよい。或いは、保護コイル35、バンパコイル60、及び/又は、中間コイル70が無線不透過マーカを含むことができる。他の実施形態では、ガイドワイヤアセンブリ20が1つの無線不透過マーカだけを含んでいてもよい。無線不透過マーカの使用により、ガイドワイヤアセンブリ20及び閉塞装置100を脈管構造内に配置している最中に視覚化することができる。そのような視覚化技術は、蛍光透視、X線撮影、超音波検査、磁気共鳴イメージング等の従来の方法を含んでいてもよい。
【0036】
[46]閉塞装置100は、以下の方法及びその変形にしたがって供給して動脈瘤Aの部位で展開させることができる。閉塞装置100の供給は、処置を必要する部位にマイクロカテーテル1が達するまでマイクロカテーテル1を脈管構造内へ導入することを含む。マイクロカテーテル1は、従来の血管ガイドワイヤ(図示せず)上にわたって或いは当該血管ガイドワイヤと同時に押し進められるなど、従来の技術を使用して脈管構造内へ導入される。マイクロカテーテル1の位置決めは、マイクロカテーテルがガイドワイヤアセンブリ20を受ける前又はマイクロカテーテルがガイドワイヤアセンブリ20を収容している間に行なうことができる。脈管構造内におけるマイクロカテーテル1の位置は、マイクロカテーテル1上又はマイクロカテーテル1内に位置された無線不透過マーカを識別することにより決定することができる。
【0037】
[47]マイクロカテーテル1が所望の場所に位置された後、ガイドワイヤが除去され、図1に示されるように導入シース10の先端がマイクロカテーテル1の基端内へ挿入される。一実施形態において、導入シース10の先端は、マイクロカテーテル1の基端にあるハブ2を通じて導入される。導入シース10は、導入シース10の先端がマイクロカテーテル1内に楔留めされるまでマイクロカテーテル1内に押し進められる。この位置では、導入シース10をマイクロカテーテル1内に更に押し進めることができない。その後、導入シース10は、閉塞装置100が導入シース10から押し出されてマイクロカテーテル1内に押し込まれるまで閉塞装置100を支持する供給ガイドワイヤアセンブリ20が導入シース10を通じて押し進められる間、強固に保持される。
【0038】
[48]ガイドワイヤアセンブリ20及び閉塞装置100は、チップコイル29がマイクロカテーテル1の先端に最も近接するまでマイクロカテーテル1を通じて押し進められる。この時点で、マイクロカテーテル1及びガイドワイヤアセンブリ20の位置を確認することができる。その後、ガイドワイヤアセンブリ20は、マイクロカテーテル1から押し出されると共に患者の脈管構造内に押し込まれ、それにより、閉塞装置100の基端107がマイクロカテーテル1の先端の外側に被処置領域に隣接して位置される。これらのステップ中の任意の時点で、閉塞装置100が正確に所望の場所で展開されるであろうことを決定するために閉塞装置100の位置をチェックすることができる。これは、前述した無線不透過マーカを使用することにより達成できる。
【0039】
[49]閉塞装置100の先端102がマイクロカテーテル1の外側に位置されると、基端107は、先端102が保護コイル35によって覆われたままの状態の間、脈管構造内で図7に示される矢印の方向に拡張し始める。閉塞装置100が適切な位置にある場合、閉塞装置100の先端102が保護コイル35から離れるように移動して脈管構造内の所望の場所で拡張するまで供給ガイドワイヤ21が回転される(図8参照)。供給ガイドワイヤ21は、閉塞装置100を展開させるために必要に応じて時計周り或いは反時計周りに回転させることができる。一実施形態において、供給ガイドワイヤ21は、例えば、いずれかの方向或いは両方向で2〜10回転にわたって回転されてもよい。他の実施例において、閉塞装置は、5回転未満にわたって、例えば3〜5回転にわたって時計周りに供給ガイドワイヤ21を回転させることにより展開されてもよい。閉塞装置100が展開された後、供給ガイドワイヤ21をマイクロカテーテル100内に引き込んで身体から除去することができる。
【0040】
[50]図9に示される代わりの或いは更なる展開ステップでは、閉塞装置100とマイクロカテーテル1の内面との間の摩擦により、閉塞装置100の先端が保護コイル35から分離される。この摩擦は、閉塞装置100の開放によって、及び/又は、中間コイル70がマイクロカテーテル1の内面へ向けて閉塞装置100を付勢することによって形成することができる。マイクロカテーテル1と閉塞装置100との間の摩擦は、閉塞装置100の展開を補助する。展開中に閉塞装置100が開放せず保護コイル35から離間しない場合には、閉塞装置100とマイクロカテーテル1の内面との間の摩擦により、供給ガイドワイヤ21及びマイクロカテーテル1が互いに対して移動するため、閉塞装置100が保護コイル35から離れるように移動する。その後、供給ガイドワイヤ21を回転させて閉塞装置100を管路内で展開させることができる。
【0041】
[51]閉塞装置100が動脈瘤Aの首部を閉塞するために径方向に自己拡張して管路の壁と穏やかであるが確実に接触した後、マイクロカテーテル1の全体が患者の身体から除去されてもよい。或いは、更なる器具の挿入ができるように或いは処置部位の近傍に薬物を塗布できるように、マイクロカテーテル1が脈管構造内の所定の位置に残されてもよい。
【0042】
[52]本発明では周知の材料を使用することができる。閉塞装置100及びガイドワイヤ21と共に使用できる1つの一般的な材料は、ニチノール、すなわち、低温で成形でき、アニールでき、変形できると共に、身体内における体温での展開時など加熱によりその当初の形状まで回復させることができるニッケル−チタン形状記憶合金である。無線不透過マーカは、視覚化を補助するためにプラチナなどの金属又はビスマスやタングステンを含有するドーププラスチックを含む無線不透過材料によって形成することができる。
【0043】
[53]本明細書中で説明した装置及び方法は、脈管系内での展開及び使用に限定されず、任意の数の更なる処置用途を含んでもよい。他の処置部位としては、身体臓器などの身体の領域又は部位を挙げることができる。本発明を実施するための前述した装置及び方法のそれぞれの変更、及び、当業者にとって明らかな本発明の態様の変形は、請求項の範囲内に入るものである。また、要素、コンポーネント、又は、方法ステップは、これらが請求項中に明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公衆にささげられるように意図されていない。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
[01]本発明は、一般に、管路内に医療装置を供給して展開するためのシステム及び方法に関し、特に、動脈瘤、特に脳動脈瘤を閉鎖して塞ぐために患者の脈管構造内に管腔内治療装置を供給して展開するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景技術)
[02]脈管構造の壁、特に動脈壁は、動脈瘤と呼ばれる病的拡張領域を発現する場合がある。良く知られているように、動脈瘤は、破裂し易い薄くて弱い壁を有する。動脈瘤は、病気、怪我又は先天的異常によって血管壁が弱められた結果であるということができる。動脈瘤は身体の様々な部分で見出すことができ、最も一般的なものが神経脈管構造内の脳動脈瘤及び腹部大動脈瘤である。動脈瘤の弱まった壁が破裂すると、特にそれが脳動脈瘤の破裂である場合には、死に至る可能性がある。
【0003】
[03]動脈瘤は、一般に、血管の弱まった部分を動脈循環から排除することにより処置される。脳動脈瘤を処置するため、そのような補強は、(i)動脈瘤の基部の周囲に金属クリップが固定される外科的クリッピング、(ii)小さい柔軟なワイヤコイル(マイクロコイル)を用いて動脈瘤を包む(iii)塞栓性材料を使用して動脈瘤を「満たす」、(iv)取り外し可能なバルーン又はコイルを使用して動脈瘤を与える親血管を閉塞する、(v)血管内ステント留置術を含む多くの方法で行なわれる。
【0004】
[04]血管内ステントは、血管狭窄又は動脈瘤の治療のために医療技術において良く知られている。ステントは、血管の潰れに抗する支持を与えるために血管又はルーメン内で径方向又は別な方向に拡張するプロテーゼである。これらの血管内ステントを供給するための方法も良く知られている。
【0005】
[05]圧縮されたステントを血管内へ導入してステントを狭窄領域又は動脈瘤内に位置決めする従来の方法では、先端チップを有するガイドカテーテルが患者の脈管系内へ経皮的に導入される。ガイドカテーテルは、その先端チップが狭窄又は動脈瘤に最も近接するまで血管内へ押し進められる。第2の内部カテーテルの内部ルーメン内に位置されたガイドワイヤ及び上記内部カテーテルがガイドカテーテルの先端を通じて押し進められる。その後、ガイドワイヤは、圧縮ステントを支持するガイドワイヤの先端部が血管内の病変点に位置されるまで、ガイドカテーテルの先端から血管内へと押し進められる。圧縮ステントが病変に位置されると、ステントが血管を支持するようにステントを解放して拡張させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[06]本発明の態様は、管路内で閉塞装置を展開するシステム及び方法を含む。閉塞装置は、例えば首部再建術又はバルーン再形成によって管路内の動脈瘤を再形成するために使用できる。閉塞装置は、導入された材料が動脈瘤内から逃げないように動脈瘤内にマイクロ治療による(ONYX)などの粘性流体或いは良く知られたコイル等の閉塞材料を保持するバリアを形成するために使用できる。また、展開中、閉塞装置とカテーテルの内面との間に形成される摩擦に応じて閉塞装置の長さを調整することができる。これが行なわれると、処置を行なう医師により望まれるように閉塞装置の展開長及び周方向サイズを変えることができる。
【0007】
[07]本発明の一態様は、閉塞装置を支持して展開するためのシステムを含む。システムは、導入シースと、閉塞装置を支持するためのアセンブリとを備える。アセンブリは、閉塞装置の第1の端部を受けるための閉塞装置保持部材を有する長尺柔軟部材と、閉塞装置の第2の端部と係合するための基端側に位置された保持部材と、長尺柔軟部材の一部を取り囲む支持体とを含んでおり、支持体上に閉塞装置を位置させることができる。
【0008】
[08]本発明の他の態様は、閉塞装置を支持して展開するためのシステムを含む。システムは、閉塞装置を支持するためのアセンブリを備える。アセンブリは、柔軟な先端チップ部を含む長尺部材と、閉塞装置の第1の端部を受けるための保持部材と、長尺柔軟部材の一部を取り囲んで閉塞装置を支持するための支持体とを備える。
【0009】
[09]本発明の更なる態様は、管路内に閉塞装置を導入して展開する方法を含む。方法は、ガイドワイヤアセンブリを支持する導入シースを含む長尺シースをカテーテル内へ導入するステップと、ガイドワイヤアセンブリをシースから押し出してカテーテル内へと押し進めるステップとを含む。また、方法は、カテーテルの端部を動脈瘤に最も近接させて位置決めするステップと、ガイドワイヤアセンブリの一部をカテーテルから押し出すステップと、動脈瘤の領域で閉塞装置を展開させつつガイドワイヤアセンブリの一部を回転させるステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一態様に係る閉塞装置及び閉塞装置供給アセンブリの断面である。
【図2】図1に示される導入シース及びカテーテルを示している。
【図3】閉塞装置が装填されたガイドワイヤアセンブリを支持する図2の導入シースの部分断面図である。
【図4】図3に示されるガイドワイヤアセンブリの断面である。
【図5】図4のガイドワイヤアセンブリの概略図である。
【図6】図4のガイドワイヤアセンブリの第2の概略図である。
【図7】カテーテルの外側に位置されたガイドワイヤアセンブリの一部及び閉塞装置を示すと共に、閉塞装置の基端がどのように管路内で展開し始めるのかを示している。
【図8】閉塞装置を展開する方法における1つのステップを示している。
【図9】本発明の一態様に係る閉塞装置の展開を示している。
【図10】本発明の他の実施形態に係るガイドワイヤアセンブリの概略図である。
【図11】図10のガイドワイヤアセンブリによって展開された後における展開された閉塞装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
[21]ここでは、断面が小さい部分を有し且つ非常に柔軟な閉塞装置供給アセンブリについて説明する。図1は、閉塞装置100を受けて収容すると共に、個体の脈管構造内に位置させるために柔軟なマイクロカテーテル1に対して閉塞装置100を供給する本発明の一態様に係る導入シース10を示している。閉塞装置100は、参照することによりその全体が本願に組み入れられる2005年5月25日に出願された(FLEXIBLE VASCULAR OCCLUDING DEVICE)と題される同時係属の米国特許出願(代理人整理番号006258.00010)に開示された実施形態を含むことができる。
【0012】
[22]図1及び図2に示されるように、導入シース10の先端12は、マイクロカテーテル1のハブ2内に受けられるように寸法付けられて構成されている。ハブ2は、マイクロカテーテル1の基端に位置させることができ、或いは、マイクロカテーテル1の長さに沿って離間された他の場所に位置させることができる。マイクロカテーテル1は、患者の脈管構造を通じて導入して押し進めることができる任意の周知のマイクロカテーテルであってもよい。一実施形態において、マイクロカテーテルは0.047インチ以下の内径を有する。他の実施形態において、マイクロカテーテルは約0.027インチ〜約0.021インチの内径を有する。他に採りうる実施形態において、マイクロカテーテルは約0.025インチの内径を有することができる。しかしながら、カテーテル1は、0.047インチよりも大きい或いは0.021インチよりも小さい内径を有することができると考えられる。導入シース10がカテーテルハブ2内に位置された後、患者の脈管構造内での閉塞装置100の展開に備えて、閉塞装置100を導入シース10からマイクロカテーテル1内へ押し進めることができる。
【0013】
[23]マイクロカテーテル1は、ハブ2に隣接して配置され或いはその長さに沿う他の位置に配置された少なくとも1つの流体導入ポート6を有していてもよい。ポート6がマイクロカテーテル1の先端と流体連通し、それにより、脈管構造内へ挿入する前に流体、例えば生理食塩水をマイクロカテーテル1へ通して、マイクロカテーテル1内に捕捉された空気又は残骸及びマイクロカテーテル内に位置されたガイドワイヤなどの任意の器具を洗い流すことができるのが好ましい。また、ポート6は、望み通りに脈管構造内に薬物又は流体を供給するために使用されてもよい。
【0014】
[24]図3は、導入シース10、導入シース10内で移動できる細長い柔軟な供給ガイドワイヤアセンブリ20、及び、閉塞装置100を示している。図示のように、ガイドワイヤアセンブリ20及びガイドワイヤアセンブリ20により支持された閉塞装置100はマイクロカテーテル1内に導入されていない。その代わり、図示のように、これらは導入シース10内に位置されている。導入シース10は、様々な熱可塑性プラスチック、例えばPTFE、FEP、HDPE、PEEKなどから形成されても良く、場合によって、シースの内面又は隣接面上がPVPなどの親水性材料又は何らかの他のプラスチックコーティグで覆われてもよい。また、所望の結果に応じて、いずれかの表面が異なる材料の様々な組み合わせでコーティングされてもよい。
【0015】
[25]導入シース10は、閉塞装置100を覆う領域の近傍の壁に形成された排液ポート又はパージ穴(図示せず)を含んでいてもよい。単一の穴又は複数の穴、例えば3つの穴が導入シース10に形成されてもよい。これらのパージ穴により、導入シース10をカテーテルハブ2と接触した状態に位置させる前にシースをパージする際、例えば捕捉された空気又は残骸を除去するために、導入シース10とガイドワイヤアセンブリ20との間から流体、例えば生理食塩水を容易に逃がすことができる。
【0016】
[26]図4に示されるように、ガイドワイヤアセンブリ20は細長い柔軟なガイドワイヤ21を含む。ガイドワイヤ21の柔軟性により、ガイドワイヤアセンブリ20は、必要に応じて湾曲して脈管構造の曲率に適合し、脈管構造内で閉塞装置100を位置的に動かすことができる。ガイドワイヤ21は、従来のガイドワイヤ材料によって形成されても良く、また、中実な断面を有していてもよい。或いは、ガイドワイヤ21をハイポチューブによって形成することができる。いずれの実施形態においても、ガイドワイヤ21は約0.010インチ〜約0.020インチの範囲の直径D5を有する。一実施形態において、ガイドワイヤ21の最大直径は約0.016インチである。ガイドワイヤ21のために使用される材料は、例えばニチノール等の超弾性金属を含む任意の周知のガイドワイヤ材料であってもよい。或いは、ガイドワイヤ21は、ステンレス鋼などの金属によって形成することができる。ガイドワイヤの長さL4は約125cm〜190cmであってもよい。一実施形態において、長さL4は約175cmである。
【0017】
[27]ガイドワイヤアセンブリ20は、その全長に沿って同じ湾曲度合いを有することができる。他の実施形態において、ガイドワイヤアセンブリ20は複数の長手方向セクションを有することができ、各長手方向セクションは異なる湾曲/剛性度合いを有する。ガイドワイヤアセンブリ20における異なる湾曲度合いは、ガイドワイヤ21の異なる長手方向セクションの中で異なる材料及び/又は厚さを使用して形成することができる。他の実施形態において、ガイドワイヤ21の湾曲は、供給ガイドワイヤ21中に形成された離間する切れ込み(図示せず)によって制御できる。これらの切れ込みは、長手方向及び/又は周方向に互いに離間させることができる。切れ込みは、供給ガイドワイヤ21中に正確に形成することができる。供給ガイドワイヤ21の異なるセクションは、これらの別個のセクションに異なる大きさの湾曲及び剛性を与えるために、異なる間隔及び異なる深さで形成された切れ込みを含むことができる。前述した任意の実施形態において、ガイドワイヤアセンブリ20及びガイドワイヤ21は、術者によってガイドワイヤアセンブリ20に対して加えられるトルクに応答する。後述するように、ガイドワイヤ21を介してガイドワイヤアセンブリ20に対して加えられるトルクは、ガイドワイヤアセンブリ20から閉塞装置100を解放するために使用できる。
【0018】
[28]供給ガイドワイヤ21中に形成される切れ込みのサイズ及び形状は、大きな柔軟性又は小さな柔軟性を与えるように制御されてもよい。切れ込みの深さ或いは全体の形状を変えることなく切れ込みの幅を変えることができるため、供給ガイドワイヤ21のねじれ強度に影響を与えることなく供給ガイドワイヤ21の柔軟性が選択的に変えられてもよい。このように、供給ガイドワイヤ21の柔軟性及びねじれ強度が選択的に且つ独立に変えられてもよい。
【0019】
[29]切れ込みの長手方向に隣接する対は、横方向及び垂直方向に曲げを与えるため、供給ガイドワイヤ21の周方向に互いに約90度回転され得ることが有益である。しかしながら、切れ込みは、1つ以上の所望の方向で選択的曲げを与えるために所定の場所に配置されてもよい。無論、切れ込みは、全ての方向又は面内で均等に差異無く曲げを許容するように無作為に形成することができる。1つの実施形態において、これは、切れ込みを周方向に離間させることにより達成できる。
【0020】
[30]柔軟な供給ガイドワイヤ21は、同一の或いは異なる湾曲度合いを有する任意の数のセクションを含むことができる。例えば、柔軟な供給カイドワイヤ21は2つ以上のセクションを含むことができる。図4に示される実施形態では、柔軟な供給ガイドワイヤ21が3つのセクションを含み、各セクションが異なる直径を有する。各セクションは約0.005インチ〜約0.025インチの直径を有することができる。一実施形態では、1つ以上のセクションの直径が約0.010インチ〜約0.020インチであってもよい。第1のセクション22は、閉塞装置100の位置と反対側に位置付けられる基端23を含む。第1のセクション22は、その長さに沿って一定の厚さを有することができる。或いは、第1のセクション22は、その全長にわたって或いはその長さの一部のみにわたって先細る厚さ(直径)を有することができる。先細りの実施形態では、第1のセクション22の厚さ(直径)が第2の移行セクション24の方向で減少する。ガイドワイヤ21が円形断面を有する実施形態では、厚さがセクションの直径である。
【0021】
[31]第2の移行セクション24は、第1のセクション22と第3の先端セクション26との間で延びている。第2のセクション24は、第1のセクション22の大きい直径から第3のセクション26の小さい直径へと厚さが次第に小さくなっている。第1のセクション22と同様に、第2のセクション24は、その全長にわたって或いはその長さの一部のみにわたって先細ることができる。
【0022】
[32]第3のセクション26は、供給ガイドワイヤ21の他のセクション22,24と比べて小さい厚さを有する。第3のセクション26は、閉塞装置100を支持する先細りの第2のセクション24から離れて延びている。第3のセクション26は、第2のセクション24から供給ガイドワイヤ21の先端27へとその全長にわたって先細ることができる。或いは、第3のセクション26は、一定の直径を有することができ、或いは、その長さの一部のみにわたって先細ることができる。そのような実施形態において、第3のセクション26のテーパ部分は、第2のセクション24から或いは第2のセクション24から離間された1つの点から、供給ガイドワイヤ21の先端27から離間された1つの点へと延びることができる。供給ガイドワイヤ21の3つのセクションについて説明されて図示されているが、供給ガイドワイヤ21は3つ以上のセクションを含むことができる。また、これらの各セクションは、それらの全長にわたって或いはそれらの長さの一部のみにわたってそれらの厚さ(直径)を次第に小さくすることができる。開示された任意の実施形態において、供給ガイドワイヤ21は、ニチノールなどの形状記憶合金から形成することができる。
【0023】
[33]図4及び図5に示されるように、供給ガイドワイヤ21の先端27にはチップ28及び柔軟なチップコイル29が固定されている。図示のように、チップ28は、チップコイル29の先端をしっかりと受ける連続的なエンドキャップ又はカバーを含むことができる。湾曲制御は、チップコイル29によって供給ガイドワイヤ21の先端部に対して行なわれる。しかしながら、一実施形態では、チップ28にコイル29が無くてもよい。チップ28は非経皮的な非外傷性端面を有する。図示の実施形態では、チップ28が丸みを帯びた面を有する。他の実施形態において、チップ28は、それが導入される管路を傷付けない他の非経皮的形状を有することができる。図4に示されるように、チップ28は、ハウジング45の内面の開口46内でガイドワイヤ21の先端をしっかりと受けるハウジング45を含む。ガイドワイヤ21は、任意の周知の手段によって開口内に固定することができる。
【0024】
[34]図4に示されるように、チップコイル29はガイドワイヤ21の一部を取り囲んでいる。チップコイル29は柔軟であり、それにより、チップ28が患者内の管路に沿って押し進められてガイドワイヤ21が曲がって脈管構造の曲がりくねった経路に追従する際、チップコイル29が前記管路の経路に適合して追従するようになっている。図示のように、チップコイル29は、基端23へと向かってチップ28から後方へ延びている。
【0025】
[35]チップ28及びコイル29は約0.010インチ〜約0.018インチの外径D1を有する。一実施形態において、それらの外径D1は約0.014インチである。また、チップ28及びコイル29は約0.1cm〜約3.0cmの長さL1を有する。一実施形態において、これらは約1.5cmの全長L1を有する。
【0026】
[36]図1及び図4に示されるように、チップコイル29の基端30は、保護コイル35の先端24でハウジング32内に受けられる。ハウジング32及び保護コイル35は約0.018インチ〜約0.038インチの外径D2を有する。一実施形態において、それらの外径D2は約0.024インチである。ハウジング32及び保護コイル35は約0.05cm〜約0.2cmの長さL2を有する。一実施形態において、それらの全長L2は約0.15cmである。
【0027】
[37]ハウジング32は非経皮的な非外傷性形状を成している。例えば、図5に示されるように、ハウジング32は略鈍的な外形を有する。また、ハウジング32は、それが管路を通過する際に管路を開放/支持するように寸法付けることができる。また、ハウジング32は、導入シース10の内面から離間されるように寸法付けられた傾斜側壁を含むことができる。
【0028】
[38]ハウジング32及び保護コイル35は、柔軟なガイドワイヤアセンブリ20上における閉塞装置100の位置を維持し且つ閉塞装置の供給及び脈管構造の管路内での展開前に閉塞装置100を圧縮状態に保持するのに役立つ先端保持部材を形成する。図4に示されるように、保護コイル35は、供給ガイドワイヤ21の基端23へ向けてハウジング32から延びている。保護コイル35は任意の周知の方法でハウジング32に対して固定されている。第1の実施形態において、保護コイル35はハウジング32の外面に対して固定することができる。他の実施形態において、保護コイル35は、ハウジング32が保護コイル35の先端51を取り囲んで内部で受ける(図4)ようにハウジング32の開口内に固定することができる。図3及び図4に示されるように、閉塞装置100の先端102は基端52内に保持されており、それにより、閉塞装置100は、シース10又はマイクロカテーテル1内に位置されている間において展開することができない。
【0029】
[39]閉塞装置100の基端において、バンパコイル60及びキャップ62は、基端23へと向かう方向での閉塞装置100のガイドワイヤ21の長さに沿う横方向移動を防止する(図3参照)。バンパコイル60及びキャップ62は約0.018インチ〜約0.038インチの外径D4を有する。一実施形態において、それらの外径D4は約0.024インチである。キャップ62は、閉塞装置100の基端107と接触して、閉塞装置が保護コイル35から離れるようにガイドワイヤ21の長さに沿って移動することを防止する。バンパコイル60は、保護コイル35へ向かう方向でキャップ62と接触してこれを押圧し、それにより、閉塞装置100に対する付勢力を形成するスプリングの形態を成すことができる。この付勢力(圧力)は、閉塞装置100の先端102と保護コイル35との間の強固な被覆関係を維持するのに役立つ。供給ガイドワイヤ21に沿って位置される任意のコイルと同様、バンパコイル60は、半田付け、溶接、RF溶着、糊、及び/又は、他の周知の接着剤によって供給ガイドワイヤ21に対して固定させることができる。
【0030】
[40]図10に示される他の実施形態では、バンパコイル60が利用されていない。その代わり、閉塞装置100の基端107は、導入シース10又はマイクロカテーテル1内に位置される間、一組のバネ荷重アーム(ジョー)140によって所定位置に保持される。マイクロカテーテル1及び導入シース10の内面は、アーム140の径方向の拡張を制限する。閉塞装置の基端がマイクロカテーテル1から抜け出ると、図11に示されるように、アーム140がバネ開放して閉塞装置を解放する。
【0031】
[41]他の実施形態では、バンパコイル60及びキャップ62を排除することができると共に、ガイドワイヤ21のテーパ状のセクションによって閉塞装置100の基端を保護コイル35に対して所定位置に保持することができる。そのような実施形態において、このテーパ状のセクションの拡大された断面は、閉塞装置100を供給ガイドワイヤ21の長さに沿う所定位置に保持すると共に、基端23へ向かう方向での閉塞装置100の移動を防止するために使用できる。
【0032】
[42]図4に示されるように、ガイドワイヤアセンブリ20は閉塞装置100のための支持体70を含む。第1の実施形態において、支持体70は、閉塞装置100がガイドワイヤアセンブリ20上に装填される際に閉塞装置100の内面と接触するように寸法付けられる供給ガイドワイヤ21の外面を含むことができる。この実施形態において、供給ガイドワイヤ21の外面は、閉塞装置100を支持すると共に、閉塞装置をいつでも展開できる状態に維持する。図に示される他の実施形態において、支持体70は、保護コイル35の基端側の位置からバンパコイル60へ向かって後方へ延びる中間コイル70を備える。図1に示されるように、中間コイル70は、閉塞装置100の下側で且つ供給ガイドワイヤ21上にわたって延びている。中間コイル70は、供給ガイドワイヤ21の1つ以上のセクションと同一の広がりを持つことができる。例えば、中間コイル70は、供給ガイドワイヤ21の第2のセクションだけと共に延在することができ、或いは、供給ガイドワイヤ21の第3のセクション26及び第2のセクション24の両方の一部分に沿って延在することができる。
【0033】
[43]中間コイル70は、閉塞装置を支持して閉塞装置100をいつでも展開できる状態に維持するのに役立つように、閉塞装置100の内面と接触するように寸法付けられる外側へ延びる面をガイドワイヤアセンブリ20に対して与える。ここで説明して図示した他のコイルと同様、中間コイル70は、そのコイル形態により、供給ガイドワイヤ21が患者の脈管構造を通じて押し進められる際に供給ガイドワイヤ21と共に湾曲できる。中間コイル70は、閉塞装置100の下側の供給ガイドワイヤ21のテーパとは無関係に、閉塞装置100によって覆われる供給ガイドワイヤ21の長さに沿って一定の直径を与える。中間コイル70は供給ガイドワイヤ21をテーパ状にすることができ、それにより、供給ガイドワイヤ21は、閉塞装置100に対して与えられる支持に支障を来たすことなく、脈管構造の経路に追従するために必要な柔軟性を得ることができる。中間コイル70は、閉塞装置100が展開される前に供給ガイドワイヤ21のテーパにかかわらず閉塞装置100に対して一定の支持を与える。また、閉塞装置100の圧縮状態時の最小直径は、中間コイル70のサイズによっても制御される。また、中間コイル70の直径は、閉塞装置100の展開前に閉塞装置100とマイクロカテーテル1の内壁との間に適切な間隔(間隔が無いことも含む)が形成されるように選択することができる。また、中間コイル70は、閉塞装置の展開中に閉塞装置100を供給ガイドワイヤ21から離れるように付勢するべく使用することもできる。
【0034】
[44]いずれの実施形態においても、支持体70は約0.010インチ〜約0.018インチの外径D3を有することができる。一実施形態において、外径D3は約0.014インチである。また、支持体70は約2.0cm〜約30cmの長さL3を有することもできる。一実施形態において、支持体70の長さL3は約7cmである。
【0035】
[45]また、閉塞装置100は、ガイドワイヤアセンブリ20の長さに沿って位置された無線を透過しない随意的なマーカバンド対間で中間コイル70上に配置されてもよい。或いは、保護コイル35、バンパコイル60、及び/又は、中間コイル70が無線不透過マーカを含むことができる。他の実施形態では、ガイドワイヤアセンブリ20が1つの無線不透過マーカだけを含んでいてもよい。無線不透過マーカの使用により、ガイドワイヤアセンブリ20及び閉塞装置100を脈管構造内に配置している最中に視覚化することができる。そのような視覚化技術は、蛍光透視、X線撮影、超音波検査、磁気共鳴イメージング等の従来の方法を含んでいてもよい。
【0036】
[46]閉塞装置100は、以下の方法及びその変形にしたがって供給して動脈瘤Aの部位で展開させることができる。閉塞装置100の供給は、処置を必要する部位にマイクロカテーテル1が達するまでマイクロカテーテル1を脈管構造内へ導入することを含む。マイクロカテーテル1は、従来の血管ガイドワイヤ(図示せず)上にわたって或いは当該血管ガイドワイヤと同時に押し進められるなど、従来の技術を使用して脈管構造内へ導入される。マイクロカテーテル1の位置決めは、マイクロカテーテルがガイドワイヤアセンブリ20を受ける前又はマイクロカテーテルがガイドワイヤアセンブリ20を収容している間に行なうことができる。脈管構造内におけるマイクロカテーテル1の位置は、マイクロカテーテル1上又はマイクロカテーテル1内に位置された無線不透過マーカを識別することにより決定することができる。
【0037】
[47]マイクロカテーテル1が所望の場所に位置された後、ガイドワイヤが除去され、図1に示されるように導入シース10の先端がマイクロカテーテル1の基端内へ挿入される。一実施形態において、導入シース10の先端は、マイクロカテーテル1の基端にあるハブ2を通じて導入される。導入シース10は、導入シース10の先端がマイクロカテーテル1内に楔留めされるまでマイクロカテーテル1内に押し進められる。この位置では、導入シース10をマイクロカテーテル1内に更に押し進めることができない。その後、導入シース10は、閉塞装置100が導入シース10から押し出されてマイクロカテーテル1内に押し込まれるまで閉塞装置100を支持する供給ガイドワイヤアセンブリ20が導入シース10を通じて押し進められる間、強固に保持される。
【0038】
[48]ガイドワイヤアセンブリ20及び閉塞装置100は、チップコイル29がマイクロカテーテル1の先端に最も近接するまでマイクロカテーテル1を通じて押し進められる。この時点で、マイクロカテーテル1及びガイドワイヤアセンブリ20の位置を確認することができる。その後、ガイドワイヤアセンブリ20は、マイクロカテーテル1から押し出されると共に患者の脈管構造内に押し込まれ、それにより、閉塞装置100の基端107がマイクロカテーテル1の先端の外側に被処置領域に隣接して位置される。これらのステップ中の任意の時点で、閉塞装置100が正確に所望の場所で展開されるであろうことを決定するために閉塞装置100の位置をチェックすることができる。これは、前述した無線不透過マーカを使用することにより達成できる。
【0039】
[49]閉塞装置100の先端102がマイクロカテーテル1の外側に位置されると、基端107は、先端102が保護コイル35によって覆われたままの状態の間、脈管構造内で図7に示される矢印の方向に拡張し始める。閉塞装置100が適切な位置にある場合、閉塞装置100の先端102が保護コイル35から離れるように移動して脈管構造内の所望の場所で拡張するまで供給ガイドワイヤ21が回転される(図8参照)。供給ガイドワイヤ21は、閉塞装置100を展開させるために必要に応じて時計周り或いは反時計周りに回転させることができる。一実施形態において、供給ガイドワイヤ21は、例えば、いずれかの方向或いは両方向で2〜10回転にわたって回転されてもよい。他の実施例において、閉塞装置は、5回転未満にわたって、例えば3〜5回転にわたって時計周りに供給ガイドワイヤ21を回転させることにより展開されてもよい。閉塞装置100が展開された後、供給ガイドワイヤ21をマイクロカテーテル100内に引き込んで身体から除去することができる。
【0040】
[50]図9に示される代わりの或いは更なる展開ステップでは、閉塞装置100とマイクロカテーテル1の内面との間の摩擦により、閉塞装置100の先端が保護コイル35から分離される。この摩擦は、閉塞装置100の開放によって、及び/又は、中間コイル70がマイクロカテーテル1の内面へ向けて閉塞装置100を付勢することによって形成することができる。マイクロカテーテル1と閉塞装置100との間の摩擦は、閉塞装置100の展開を補助する。展開中に閉塞装置100が開放せず保護コイル35から離間しない場合には、閉塞装置100とマイクロカテーテル1の内面との間の摩擦により、供給ガイドワイヤ21及びマイクロカテーテル1が互いに対して移動するため、閉塞装置100が保護コイル35から離れるように移動する。その後、供給ガイドワイヤ21を回転させて閉塞装置100を管路内で展開させることができる。
【0041】
[51]閉塞装置100が動脈瘤Aの首部を閉塞するために径方向に自己拡張して管路の壁と穏やかであるが確実に接触した後、マイクロカテーテル1の全体が患者の身体から除去されてもよい。或いは、更なる器具の挿入ができるように或いは処置部位の近傍に薬物を塗布できるように、マイクロカテーテル1が脈管構造内の所定の位置に残されてもよい。
【0042】
[52]本発明では周知の材料を使用することができる。閉塞装置100及びガイドワイヤ21と共に使用できる1つの一般的な材料は、ニチノール、すなわち、低温で成形でき、アニールでき、変形できると共に、身体内における体温での展開時など加熱によりその当初の形状まで回復させることができるニッケル−チタン形状記憶合金である。無線不透過マーカは、視覚化を補助するためにプラチナなどの金属又はビスマスやタングステンを含有するドーププラスチックを含む無線不透過材料によって形成することができる。
【0043】
[53]本明細書中で説明した装置及び方法は、脈管系内での展開及び使用に限定されず、任意の数の更なる処置用途を含んでもよい。他の処置部位としては、身体臓器などの身体の領域又は部位を挙げることができる。本発明を実施するための前述した装置及び方法のそれぞれの変更、及び、当業者にとって明らかな本発明の態様の変形は、請求項の範囲内に入るものである。また、要素、コンポーネント、又は、方法ステップは、これらが請求項中に明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公衆にささげられるように意図されていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。
【請求項1】
明細書中に記載の発明。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−66763(P2013−66763A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−275726(P2012−275726)
【出願日】平成24年12月18日(2012.12.18)
【分割の表示】特願2011−34565(P2011−34565)の分割
【原出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−275726(P2012−275726)
【出願日】平成24年12月18日(2012.12.18)
【分割の表示】特願2011−34565(P2011−34565)の分割
【原出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
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