説明

管路管理システム、管路管理方法及び管路管理プログラム

【課題】管路網を構成する各管路の配置情報及び使用情報を利用して、障害発生時における影響を評価するための管路管理システム、管路管理方法及び管路管理プログラムを提供する。
【解決手段】管路管理サーバ20の制御部21は、管路障害の影響範囲の使用状況を抽出し、管路IDに関連付けて影響区域情報を登録する。管路についての障害発生情報が登録された場合、制御部21は、最寄りの管路を特定する。そして、この管路が敷設された行政区における利用世帯数を取得する。次に、制御部21は、利用世帯数に応じて重み付け値を算出し、この重み付け値に応じた表示色によって示した影響を表示する。次に、制御部21は、各管路の障害についての重み付け値を総和して影響を評価する。そして、この評価結果により緊急性を特定し、復旧作業の優先順位を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路網を構成する各管路の配置情報及び使用情報を利用して、障害発生時における影響を評価するための管路管理システム、管路管理方法及び管路管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上水やガス、下水等は、各地区に敷設された配管設備(管路)によって各施設に供給されたり、各施設から排出されたりしている。従って、これらの管路において障害が発生した場合には、日常活動に支障が生じるため、迅速かつ効率的な対応が必要である。
【0003】
そこで、流体輸送管網の維持管理において、地震時における管網状態を把握し、被災管路復旧を支援することを目的とする管網状態把握システムが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載された技術においては、地震計、圧力計、流量計が出力する計測データを収集するサーバを用いる。地震時には、計測データに基づいて、各地域メッシュにおける地震動強度を推定し、管路被害率を求め、破断管路及び断水領域を推定する。現場作業員は、携帯端末を携帯し、サーバからデータベースや計算結果を入手し、現場での管網状態を報告する。
【0004】
また、地震による管路の被害発生箇所を予測するための地震被害予測装置も検討されている(例えば、特許文献2参照。)。この文献に記載された技術においては、被害予測規則ファイルと、被害予測対象管路データファイルとを用いる。そして、震度データ入力機能から被害予測機能へデータが入力された場合、被害予測機能は、地震が生じた際の管路の被害箇所を予測する。この予測結果は、被害予測結果出力機能へ送られて表示される。
【0005】
更に、災害が発生した時に、施設の被害状況および送水のための配水管の被害状況、断水に応じた応急給水状況についての状況を把握するための水道事業向け災害情報システムについても検討されている(例えば、特許文献3参照。)。この文献に記載された技術においては、施設被害情報データベース、管路被害情報データベース、応急給水活動情報データベースを備える。これらのデータベースを用いて、施設の位置情報と属性情報とを含む災害情報を地図情報として表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−259186号公報(第1頁、図5)
【特許文献2】特開2002−213700号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開2005−293436号公報(第1頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、管路に障害が生じた場合には、この管路状況を把握する必要がある。しかしながら、この障害の影響は、管路に対する被害だけではなく、この管路の使用状況によって異なる。特に、大きな災害の場合には、管路網において同時期に複数の障害が発生する可能性もある。この場合、復旧作業の優先順位を決める必要がある。
【0008】
また、管路を管理するためには、管路の敷設位置を特定した管路図を作成する必要がある。この場合には、効率的に敷設位置を特定できることが望ましい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、管路網を構成
する各管路の配置情報及び使用情報を利用して、障害発生時における影響を評価するための管路管理システム、管路管理方法及び管路管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、管路網を構成する各管路の管路識別子に関連付けて、この管路の影響地区の地区識別情報を記憶した管路情報記憶手段と、地区識別情報に関連付けて、管路を使用した使用施設情報を記憶した使用情報記憶手段と、管路の障害の影響を出力する制御手段とを備えた管路管理システムであって、前記制御手段が、管路に障害が発生した住所情報を取得する手段と、前記住所情報と前記管路情報記憶手段に記憶された地区識別情報とを比較して、最寄りの管路の管路識別子を特定する手段と、前記管路情報記憶手段を用いて、前記管路識別子の管路が敷設された地区識別情報を特定する手段と、前記使用情報記憶手段を用いて、前記地区識別情報に関連付けられた使用施設情報を特定する手段と、前記使用施設情報に基づいて重み付けを行なった障害発生情報を出力する手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の管路管理システムにおいて、前記管路情報記憶手段には、管路識別子に関連付けて、この管路の敷設場所を特定するための敷設情報が更に記憶されており、前記制御手段が、管路に障害が発生した住所情報を取得する手段と、前記住所情報と前記管路情報記憶手段に記憶された敷設情報とを比較して、最寄りの管路の管路識別子を特定することにより、管路に障害が発生した管路の管路識別子を特定することを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の管路管理システムにおいて、前記制御手段は、前記使用情報記憶手段に記憶された使用施設情報に基づいて管路使用量を算出し、前記障害発生情報の出力のための重み付けは、前記算出した管路使用量に基づいて行なうことを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の管路管理システムにおいて、前記制御手段は、前記使用情報記憶手段に記憶された使用施設情報に基づいて、使用施設の種別を特定し、前記障害発生情報の出力のための重み付けは、前記特定した使用施設の種別に基づいて行なうことを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の管路管理システムにおいて、地区識別情報に関連付けて、この地区の用途指定情報を記憶した地区別用途指定情報記憶手段を更に備え、前記制御手段は、前記地区別用途指定情報記憶手段を用いて、前記地区識別情報に関連付けられた用途指定情報を特定し、前記障害発生情報の出力のための重み付けは、前記特定した用途指定情報に基づいて行なうことを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の管路管理システムにおいて、前記制御手段は、障害が発生した管路の復旧までの所要時間帯を算出し、前記障害発生情報の出力のための重み付けは、前記算出した所要時間帯と用途指定に基づいて行なうことを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか一つに記載の管路管理システムにおいて、前記制御手段は、管路の始端位置と終端位置とを取得し、前記始端位置と終端位置とを結ぶことにより、前記管路の敷設場所を特定し、前記管路の管路識別子に関連付けて、前記管路情報記憶手段に敷設場所を記録することを要旨とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の管路管理システムにおいて、前記制御手段は、各管路の始端位置、終端位置について、他の管路の配置位置と比較し、各管路の始端
位置、終端位置の少なくとも一端が、他の管路の配置位置と一致しない場合には、この端部についての注意情報を出力する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、管路網を構成する各管路の管路識別子に関連付けて、この管路の影響地区の地区識別情報を記憶した管路情報記憶手段と、地区識別情報に関連付けて、管路を使用した使用施設情報を記憶した使用情報記憶手段と、管路の障害の影響を出力する制御手段とを備えた管路管理システムを用いて、管路を管理する方法であって、前記制御手段が、管路に障害が発生した住所情報を取得する段階と、前記住所情報と前記管路情報記憶手段に記憶された地区識別情報とを比較して、最寄りの管路の管路識別子を特定する段階と、前記管路情報記憶手段を用いて、前記管路識別子の管路が敷設された地区識別情報を特定する段階と、前記使用情報記憶手段を用いて、前記地区識別情報に関連付けられた使用施設情報を特定する段階と、前記特定した使用施設情報に基づいて重み付けを行なった障害発生情報を出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、管路網を構成する各管路の管路識別子に関連付けて、この管路の影響地区の地区識別情報を記憶した管路情報記憶手段と、地区識別情報に関連付けて、管路を使用した使用施設情報を記憶した使用情報記憶手段と、管路の障害の影響を出力する制御手段とを備えた管路管理システムを用いて、管路を管理するためのプログラムであって、前記制御手段を、管路に障害が発生した住所情報を取得する手段、前記住所情報と前記管路情報記憶手段に記憶された地区識別情報とを比較して、最寄りの管路の管路識別子を特定する手段、前記管路情報記憶手段を用いて、前記管路識別子の管路が敷設された地区識別情報を特定する手段、前記使用情報記憶手段を用いて、前記地区識別情報に関連付けられた使用施設情報を特定する手段、前記特定した使用施設情報に基づいて重み付けを行なった障害発生情報を出力する手段として機能させることを要旨とする。
【0019】
(作用)
請求項1、9又は10に記載の発明によれば、制御手段が、管路に障害が発生した住所情報を取得し、この住所情報と管路情報記憶手段に記憶された地区識別情報とを比較して、最寄りの管路の管路識別子を特定する。次に、管路識別子の管路が敷設された地区識別情報を特定し、地区識別情報に関連付けられた使用施設情報を特定する。そして、この使用施設情報に基づいて重み付けを行なった障害発生情報を出力する。これにより、管路情報と、各管路の使用情報とを結び付けて、障害の影響を把握することができる。例えば、水道管の場合、使用情報として水道水の使用世帯数や使用量を用いることにより、障害が発生した管路の影響を特定することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段が、管路に障害が発生した住所情報を取得する。そして、住所情報と管路情報記憶手段に記憶された敷設情報とを比較して、最寄りの管路の管路識別子を特定することにより、管路に障害が発生した管路の管路識別子を特定する。これにより、障害が発生した住所により、障害が発生した管路を特定することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、使用施設情報に基づいて管路使用量を算出する。そして、障害発生情報の出力のための重み付けは、算出した管路使用量に基づいて行なう。これにより、管路の使用量を考慮して重み付けを行なうことができる。例えば、水道管の場合、管路使用量として水道水の使用世帯数や水量を用いることが可能である。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、使用施設の種別を特定する。そして、障害発生情報の出力のための重み付けは、特定した使用施設の種別に基づいて行なう。これにより、避難場所、重要施設等の施設の種別を考慮して重み付けを行なうことができる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、地区識別情報に関連付けられた用途指定情報を特定する。そして、障害発生情報の出力のための重み付けは、特定した用途指定情報に基づいて行なう。これにより、各地区の用途地域(例えば、都市計画法に基づいて指定された土地利用の用途)を考慮して重み付けを行なうことができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、障害が発生した管路の復旧までの所要時間帯を算出する。そして、障害発生情報の出力のための重み付けは、算出した所要時間帯と用途指定に基づいて行なう。これにより、地区用途と時間帯とを考慮して重み付けを行なうことができる。従って、人が多く存在すると予想される地域を優先して復旧作業を行なうことができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、制御手段が、管路の始端位置と終端位置とを取得する。そして、始端位置と終端位置とを結ぶことにより、管路の敷設場所を特定し、管路の管路識別子に関連付けて、管路情報記憶手段に敷設場所を記録する。これにより、始端及び終端の位置情報に基づいて管路図を作成することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、管路の始端位置、終端位置について、他の管路の配置位置と比較する。そして、各管路の始端位置、終端位置の少なくとも一端が、他の管路の配置位置と一致しない場合には、この端部についての注意情報を出力する。これにより、管路図において、管路の未接続部分についての注意喚起を行なうことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、管路網を構成する各管路の配置情報及び使用情報を利用して、障害発生時における影響を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】本実施形態で用いるデータの説明図であって、(a)は使用状況情報記憶部、(b)は断水処理情報記憶部、(c)は管路情報記憶部、(e)は中間点情報記憶部、(f)は影響区域情報記憶部、(d)は障害状況情報記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】本実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本実施形態の処理手順の説明図であって、(a)は障害発生入力処理、(b)は影響の表示処理、(c)は影響評価処理、(d)は障害対応処理の処理手順の説明図。
【図6】他の実施形態の処理手順の説明図であって、(a)は第2の実施形態の処理手順、(b)は第3の実施形態の処理手順、(c)は第4の実施形態の処理手順の説明図。
【図7】他の実施形態の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図5に従って説明する。本実施形態では、水道水を供給する水道管の管路網を管理する場合に用いる管路管理システム、管路管理方法及び管路管理プログラムとして説明する。
【0030】
本実施形態では、図1に示すように、水道管の管路網を管理するために、管路管理サーバ20を用いる。この管路管理サーバ20は、ネットワークを介して、入出力端末10や携帯端末15に接続される。
【0031】
入出力端末10は、水道管の管理者や入力担当者が用いるコンピュータ端末であり、携帯端末15は管路の障害に対して復旧作業を行なう作業担当者が用いるコンピュータ端末である。この入出力端末10や携帯端末15は、図示しないディスプレイ等から構成された表示部や、キーボードやポインティングデバイス等から構成された入力部を備える。
【0032】
入力担当者は、入出力端末10を用いて、水道管の管理情報(管理を遮断するための断水処理情報)を管路管理サーバ20に登録する。更に、水道管における障害情報を入手した場合には、入出力端末10を用いて、障害が発生した住所を入力して障害発生情報を管路管理サーバ20に登録する。そして、入出力端末10のディスプレイに表示された情報に基づいて、作業担当者の携帯端末15に対して復旧作業の指示を行なう。障害対応を行なう作業担当者は、障害が発生している水道管についての復旧作業を行なう。そして、復旧作業の進捗状況を携帯端末15に入力することにより、管路管理サーバ20に送信する。この場合、管理者は、入出力端末10を用いて、管路の復旧状況を把握する。
【0033】
管路管理サーバ20は、管路網の管理を支援するためのコンピュータシステムである。この管路管理サーバ20は、制御部21、管路図記憶部22、使用状況情報記憶部23、断水処理情報記憶部24、管路情報記憶部25、中間点情報記憶部26、影響区域情報記憶部27、障害状況情報記憶部28を備えている。
【0034】
ここで、制御部21は、CPU、RAM、ROM(図示せず)等から構成された制御手段を備えており、後述する処理(管路登録段階、管路図作成段階、管路接続支援段階、障害対応支援段階、影響評価段階等の各処理)を行なう。そして、制御部21は、図1に示すように、管路管理プログラムにより、管路登録手段211、管路図作成手段212、管路接続支援手段213、障害対応支援手段215、影響評価手段216として機能する。
【0035】
管路登録手段211は、断水処理情報に基づいて、管路管理情報、中間点情報、影響区分情報を生成して、各情報記憶部に登録する処理を実行する。
管路図作成手段212は、生成された管路管理情報、中間点情報に基づいて、管路図を作成する処理を実行する。
【0036】
管路接続支援手段213は、管路図に配置された管路において、未接続端部がある場合に、この端部を他の管路に接続するための支援処理を実行する。この管路接続支援手段213は、他の管路との接続可否を判定するための距離基準値を保持している。
【0037】
障害対応支援手段215は、水道管における障害発生情報を取得するとともに、障害の影響の評価結果を入出力端末10に出力する処理を実行する。
影響評価手段216は、管路に発生した障害の影響の大きさを評価する処理を実行する。この影響評価手段216は、利用世帯数の件数範囲に対応して、重み付け値及び表示色が記録された重み付け評価テーブルを保持している。
【0038】
管路図記憶部22は、行政区の範囲、及び行政区に含まれる住所と(緯度、経度)との関係を示した地図データを記憶する。この地図データには、「区、町名、丁目」によって表される行政区の範囲が登録されている。更に、この地図には、(緯度、経度)による座標が配置されている。この座標を用いることにより、各住所の位置(緯度、経度)を特定することができる。この緯度、経度の特定においては、行政区の領域の重心位置を、この行政区の代表座標(緯度、経度)として算出する。更に、地図データには、後述する管路情報記憶部25、中間点情報記憶部26に記録された各点の位置(緯度、経度)を繋ぐことによって特定される管路の敷設場所についての敷設情報が記録される。
【0039】
使用状況情報記憶部23は使用情報記憶手段として機能し、図2(a)に示すように、
各地区において管路の使用状況を管理するための使用状況管理レコード230を記憶する。この使用状況管理レコード230は、各地区における水道水の使用状況の統計値を算出した場合に記録される。この使用状況管理レコード230は、地区別使用状況ID、年度、区コード、町名コード、丁目コード、月平均件数、月平均水量、日平均水量に関するデータを含んで構成される。
【0040】
地区別使用状況IDデータ領域には、各地区(行政区)における使用状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。
年度データ領域には、使用状況の登録年度に関するデータが記録される。
区コード、町名コード、丁目コードの各データ領域には、使用状況を登録した行政区(区、町名、丁目)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0041】
月平均件数データ領域には、この行政区における、所定期間(例えば、年度)の水道水の使用件数(世帯数)に関するデータが記録される。この使用件数は水道料金の請求件数により算出される値であり、水道水の使用施設数(世帯数)に対応する。
【0042】
月平均水量データ領域には、この行政区における使用水道量の月平均値に関するデータが記録される。
日平均水量データ領域には、この行政区における使用水道量の日平均値に関するデータが記録される。
【0043】
断水処理情報記憶部24は、図2(b)に示すように、水道管を遮断して水道水の供給を停止する処理(断水処理)を行なうための断水処理レコード240を記憶する。この断水処理レコード240は、水道水の供給に利用される水道管の情報が登録された場合に記録される。この断水処理レコード240は、路線名、路線番号、路線枝番、住所(自)、住所(至)、所管部署、重要路線区分、管種、住所(中間)、影響範囲に関するデータを含んで構成される。
【0044】
路線名データ領域には、水道管の管路の名称に関するデータが記録される。
路線番号、路線枝番の各データ領域には、この水道管を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0045】
住所(自)、住所(至)の各データ領域には、この管路の上流側の始端の住所、下流側の終端の住所に関するデータが記録される。
所管部署データ領域には、この管路を管理する支所や部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0046】
重要路線区分データ領域には、この管路の重要性を特定するための区分に関するデータが記録される。
管種データ領域には、この管路に用いられている水道管の種類(材質や口径)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0047】
住所(中間)データ領域には、この管路が通過する中間点の住所に関するデータが記録される。このデータ領域には、一つの管路に対して複数の中間点を登録することが可能であり、始点に近い位置から順番に記録される。
【0048】
影響範囲データ領域には、この水道管を遮断した場合に影響を与える範囲を特定するための識別子(例えば、区コード、町名コード、丁目コード)に関するデータが記録される。
【0049】
管路情報記憶部25は管路情報記憶手段として機能し、図2(c)に示すように、断水処理情報に基づいて特定した管路を管理するための管路管理レコード250を記憶する。この管路管理レコード250は、管路図作成処理を実行した場合に記録される。この管路管理レコード250は、路線ID、路線名、路線番号、路線枝番、所管部署コード、重要路線区分、管種、住所(自)、住所(至)、自_緯度、自_経度、至_緯度、至_経度に関するデータを含んで構成される。
【0050】
路線IDデータ領域には、各管路を特定するための識別子に関するデータが記録される。
路線名データ領域には、この管路の名称に関するデータが記録される。
路線番号、路線枝番の各データ領域には、この水道管を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0051】
所管部署コードデータ領域には、この管路を管理する支所や部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
重要路線区分データ領域には、この管路の重要性を特定するための区分に関するデータが記録される。
【0052】
管種データ領域には、この管路に用いられている水道管の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
住所(自)、住所(至)の各データ領域には、管路の敷設された地区情報が記録されており、それぞれ、この管路の始端の住所、終端の住所に関するデータが記録される。
【0053】
自_緯度、自_経度データ領域には、それぞれ、住所(自)によって特定される緯度、経度に関するデータが記録される。
至_緯度、至_経度データ領域には、それぞれ、住所(至)によって特定される緯度、経度に関するデータが記録される。
【0054】
中間点情報記憶部26は、図2(d)に示すように、各管路が通過する中間点についての中間点レコード260を記憶する。この中間点レコード260は、管路図作成処理を実行した場合に記録される。この中間点レコード260は、路線ID、折れ線番号、点番号、点緯度、点経度に関するデータを含んで構成される。
【0055】
路線IDデータ領域には、各管路を特定するための識別子に関するデータが記録される。
折れ線番号データ領域には、管路の始端から順番に、隣接する二つの各点(始端、中間点、終端)を結ぶ線分を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0056】
点番号データ領域には、管路の始端から終端までの中間点を特定するための識別子に関するデータが記録される。
点緯度、点経度データ領域には、各中間点の緯度、経度に関するデータが記録される。
【0057】
影響区域情報記憶部27は、図2(e)に示すように、各管路における障害の影響範囲を管理するための影響区域管理レコード270を記憶する。この影響区域管理レコード270は、管路図作成処理を行なった場合に記録される。この影響区域管理レコード270は、路線ID、地区別使用状況IDに関するデータを含んで構成される。
【0058】
路線IDデータ領域には、各管路を特定するための識別子に関するデータが記録される。
地区別使用状況IDデータ領域には、この管路によって供給される水道水を使用してい
る行政区の使用状況を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0059】
障害状況情報記憶部28は、図2(f)に示すように、各管路において発生した障害の対応状況を管理するための障害状況管理レコード280を記憶する。この障害状況管理レコード280は、管路において発生した障害情報を取得した場合に登録され、障害対応を行なった場合に更新される。この障害状況管理レコード280は、路線ID、障害内容、障害発生日時、現況、最終更新日時、緊急性、復旧予定日時、対応履歴に関するデータを含んで構成される。
【0060】
路線IDデータ領域には、障害が発生した管路を特定するための識別子に関するデータが記録される。
障害内容データ領域には、この管路において発生した障害の内容(例えば、漏水や破断)に関するデータが記録される。
【0061】
障害発生日時データ領域には、この管路において障害が発生した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
現況データ領域には、この障害に対する現在の対応状況を特定するためのフラグ(未対応、復旧作業中、復旧済)に関するデータが記録される。
【0062】
最終更新日時データ領域には、現況が記録された年月日及び時刻に関するデータが記録される。
緊急性データ領域には、障害の影響に応じた復旧作業の緊急性を特定するためのフラグに関するデータが記録される。
【0063】
復旧予定日時データ領域には、復旧予定の年月日及び時刻に関するデータが記録される。
対応履歴データ領域には、対応ステータスの履歴(対応状況ステータス及びステータス更新日時)に関するデータが記録される。
【0064】
上記のように構成されたシステムを用いて、水道管の管路網を管理する場合の処理手順について、図3〜図5を用いて説明する。ここでは、管路図作成処理、分岐接続処理、障害発生入力処理、影響の表示処理、影響評価処理、障害対応処理の順番に説明する。
【0065】
(管路図作成処理)
まず、図3を用いて、管路図作成処理を説明する。この処理においては、断水処理情報記憶部24に記録されている断水処理レコード240に記録された管路を順次、抽出し、以下の処理を繰り返す。
【0066】
ここでは、まず、管路管理サーバ20の制御部21は、管路管理レコードの登録処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の管路登録手段211は、処理対象の断水処理レコード240の管路に対して路線IDを付与する。次に、管路登録手段211は、この路線ID及び断水処理レコード240に記録されていた路線名〜管種情報を含めた管路管理レコード250を生成して、管路情報記憶部25に登録する。
【0067】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、始端、終端の住所の変換処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の管路登録手段211は、断水処理レコード240から住所(自)を取得する。次に、管路登録手段211は、管路図記憶部22に記憶されている地図データを用いて、この住所(自)によって定められる領域(行政区範囲)を特定する。次に、管路登録手段211は、地図上の行政区範囲の重心位置を算出し、この重心位置の緯度、経度を特定する。また、管路登録手段211は、同様の処理によ
り、住所(至)に対応する緯度、経度を特定する。
【0068】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、始端、終端の登録処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の管路登録手段211は、算出した住所(自)、住所(至)の緯度、経度を、管路管理レコード250の自_緯度、自_経度、至_緯度、至_経度の各データ領域に記録する。
【0069】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、中間点住所の変換処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の管路登録手段211は、断水処理レコード240から住所(中間)を順次取得し、管路図記憶部22に記憶されている地図データを用いて、住所(中間)によって定められる領域(行政区範囲)を特定する。次に、管路登録手段211は、地図上の該当領域の重心位置を算出し、この重心位置の緯度、経度を特定する。
【0070】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、中間点の登録処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21の管路登録手段211は、処理対象の断水処理レコード240の管路について、路線ID、折れ線番号を記録した中間点レコード260を生成して、中間点情報記憶部26に登録する。次に、管路登録手段211は、始点に近い中間点から順番に折れ線番号、点番号を付与して、中間点レコード260に記録する。次に、管路登録手段211は、算出した緯度、経度を、中間点レコード260の点緯度、点経度の各データ領域に記録する。
【0071】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、影響範囲の使用状況の抽出処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21の管路登録手段211は、断水処理レコード240から影響範囲を取得する。次に、管路登録手段211は、断水処理レコード240から取得した影響範囲と、使用状況情報記憶部23に記憶されている使用状況管理レコード230の区コード、町名コード、丁目コードとをマッチングする。そして、管路登録手段211は、影響範囲が一致する使用状況管理レコード230を特定する。
【0072】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、影響区域情報の登録処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21の管路登録手段211は、特定した使用状況管理レコード230に記憶されている地区別使用状況IDを、路線IDに関連付けた影響区域管理レコード270を生成し、影響区域情報記憶部27に登録する。
【0073】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、管路図の表示処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21の管路図作成手段212は、管路情報記憶部25の管路管理レコード250を用いて、管路の始端、終端の位置(自_緯度、自_経度、至_緯度、至_経度)を取得する。更に、管路図作成手段212は、中間点情報記憶部26の中間点レコード260を用いて、管路の中間点の位置(点緯度、点経度)を取得する。そして、管路図作成手段212は、始端と終端とを、中間点を順番に経由しながら直線で補間した管路図を作成し、管路図記憶部22の地図上に記録する。更に、管路図作成手段212は、作成した管路図を、入出力端末10のディスプレイに出力する。
【0074】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、未接続端部の検索処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部21の管路図作成手段212は、各管路の始端又は終端の位置と、他の管路の配置位置とを比較する。各管路の始端又は終端の位置と、他の管路の配置位置とが一致する場合には、この端部は他の管路に接続されていることになる。
【0075】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、未接続端部があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、制御部21の管路図作成手段21
2は、管路の始端又は終端の位置と他の管路の配置とが一致しない端部を検出した場合には、未接続端部があると判定する。
【0076】
未接続端部がないと判定した場合(ステップS1−10において「NO」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、管路図作成処理を終了する。
一方、未接続端部があると判定した場合(ステップS1−10において「YES」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、分岐接続処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、制御部21の管路図作成手段212は、管路接続支援手段213に対して、以下の処理の実行を指示する。
【0077】
(分岐接続処理)
次に、図4を用いて、分岐接続処理を説明する。この分岐接続処理においては、未接続端部について、以下の処理を繰り返す。
【0078】
ここでは、まず、管路管理サーバ20の制御部21は、最寄りの管路の特定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の管路接続支援手段213は、未接続端部の位置(緯度、経度)から最も近い位置に配置された他の管路を特定する。
【0079】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、基準範囲内に管路があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の管路接続支援手段213は、最寄りの管路までの距離を算出する。そして、管路接続支援手段213は、算出した距離と距離基準値とを比較し、算出した距離が距離基準値より短い場合には、基準範囲内に管路があると判定する。
【0080】
基準範囲内に管路がないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、注意表示処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の管路接続支援手段213は、入出力端末10のディスプレイに表示された管路図において、この端部について「接続先なし」の注意表示を出力する。
【0081】
基準範囲内に管路があると判定した場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、基準範囲内に単一の管路があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の管路接続支援手段213は、基準範囲内に存在する管路の本数を算出する。
【0082】
基準範囲内に単一の管路を検知した場合(ステップS2−4において「YES」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、管路接続の登録処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の管路接続支援手段213は、この端部の位置(緯度、経度)を最寄りの管路の中間点とした中間点レコード260を生成し、中間点情報記憶部26に登録する。
【0083】
一方、基準範囲内に複数の管路を検知することにより、単一の管路を特定できない場合(ステップS2−4において「NO」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、注意表示処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21の管路接続支援手段213は、入出力端末10のディスプレイに表示された管路図において、この端部について「接続先候補が複数」の注意表示を出力する。
以上の処理をすべての未接続端部について繰り返す。
【0084】
そして、管路管理サーバ20の制御部21は、接続先の修正処理を実行する(ステップS2−7)。入力担当者は、入出力端末10のディスプレイに出力された管理図において、「接続先なし」、「接続先候補が複数」が表示された未接続端部を確認して、必要に応
じて、管路図上で接続先の修正入力を行なう。この場合、入出力端末10は、管路管理サーバ20に対して、修正入力された接続情報(接続先の位置情報)を送信する。接続情報を取得した制御部21の管路接続支援手段213は、管路情報記憶部25に記憶された各端部の位置(緯度、経度)を、接続先の管路の位置(緯度、経度)に修正する。
【0085】
(障害発生入力処理)
次に、図5(a)を用いて、障害発生入力処理を説明する。この障害発生入力処理は、入出力端末10において障害発生入力が行なわれた場合に実行される。なお、地震等の広域災害の場合には、同時期に複数箇所についての障害発生入力が行なわれる場合もある。
【0086】
ここでは、まず、管路管理サーバ20の制御部21は、障害発生情報の登録処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、水道管についての障害の通報があった場合、入力担当者は入出力端末10を用いて、管路管理サーバ20にアクセスする。この場合、管路管理サーバ20の制御部21の障害対応支援手段215は、入出力端末10のディスプレイに、障害登録画面を出力する。そして、入力担当者は、この障害登録画面に障害発生箇所の住所情報、障害内容を入力する。この場合、障害対応支援手段215は、入出力端末10において入力された障害発生箇所の住所情報を取得する。次に、障害対応支援手段215は、障害内容を記録した障害状況管理レコード280を生成し、障害状況情報記憶部28に登録する。この場合、障害状況管理レコード280の現況データ領域には「未対応」フラグを記録し、障害発生日時、最終更新日時データ領域に現在日時を記録する。
【0087】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、最寄りの管路の特定処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、管路図記憶部22を用いて、障害発生箇所の住所に基づいて緯度、経度を算出する。次に、障害対応支援手段215は、管路図記憶部22に記憶された地図を用いて、障害発生箇所の緯度、経度に最も近い位置に配置された管路を特定する。そして、障害対応支援手段215は、この管路の路線IDを障害状況管理レコード280に記録する。
【0088】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、影響の表示処理を実行する(ステップS3−3)。この処理については、図5(b)を用いて後述する。
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、この管路に接続された他の管路の特定処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、管路図記憶部22に記憶された管路情報に基づいて、この管路の終端に接続されている他の管路を特定する。
【0089】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、他の管路における給水に影響があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、特定した他の管路が、障害が発生していない他の管路(給水可能な管路)に接続されている場合には、障害が発生した管路の断水処理により影響を受けないと判定する。
【0090】
他の管路における給水に影響があると判定した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、この管路についても、ステップS3−3の処理から繰り返す。
【0091】
一方、他の管路における給水に影響がないと判定した場合(ステップS3−5において「NO」の場合)には、管路管理サーバ20の制御部21は、障害発生入力処理を終了する。
【0092】
(影響の表示処理)
次に、図5(b)を用いて、影響の表示処理(ステップS3−3)を説明する。
ここでは、管路管理サーバ20の制御部21は、管路の行政区の特定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、障害が発生した管路の路線IDを用いて、影響区域情報記憶部27から地区別使用状況IDを取得する。なお、この路線IDに対して複数の地区別使用状況IDが記録されている場合には、すべての地区別使用状況IDを取得する。
【0093】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、行政区における利用世帯数の取得処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、使用状況情報記憶部23から、特定した地区別使用状況IDの使用状況管理レコード230を取得する。なお、ステップS4−1において、複数の地区別使用状況IDを特定した場合には、すべての使用状況管理レコード230を抽出する。そして、影響評価手段216は、使用状況管理レコード230から月平均件数を取得し、各行政区の利用世帯数を取得する。
【0094】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、利用世帯数に応じて重み付け評価処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、重み付け評価テーブルを用いて、各行政区における月平均件数が含まれる件数範囲に対応する重み付け値を特定する。
【0095】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、重み付け値に応じた表示色による表示処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、特定した重み付け値に対応する表示色を決定する。そして、影響評価手段216は、管路図上で、各行政区の重心位置(緯度、経度)に、この表示色の影響表示アイコンを出力する。
【0096】
(影響評価処理)
次に、図5(c)を用いて、影響評価処理を説明する。この処理は、発生した障害が継続している場合に定期的に実行される。
【0097】
ここでは、まず、管路管理サーバ20の制御部21は、各管路の障害についての影響の総和処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、障害が継続している管路(障害状況管理レコード280において「未対応」フラグが記録された管路)を特定し、各管路及び給水に影響を受ける他の管路についての重み付け値を取得する。そして、障害対応支援手段215は、重み付け値を合計することにより、各管路の障害についての影響総和値を算出する。
【0098】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、緊急性の登録処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、各管路の障害について、影響総和値が大きい順番に並び替える。そして、障害対応支援手段215は、影響総和値が大きい順番に、各障害に対して緊急性の高さを示すフラグを障害状況情報記憶部28に記録する。
【0099】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、緊急性に基づいて優先順位の出力処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、障害状況情報記憶部28に記録された障害の中で緊急性が高い順番に、障害対応案内を入出力端末10のディスプレイに出力する。管理者は、各作業担当者の携帯端末15に対して、この障害対応案内を用いて、各障害に対応する復旧作業の指示を送信する。
【0100】
(障害対応処理)
次に、図5(d)を用いて、障害対応処理を説明する。作業担当者は、復旧作業に進展があった場合、携帯端末15に状況情報を入力する。この場合、携帯端末15は、復旧作業の進捗情報を管路管理サーバ20に送信する。そして、復旧作業の進捗情報を取得した管路管理サーバ20は、障害対応処理を実行する。
【0101】
ここでは、まず、管路管理サーバ20の制御部21は、障害対応情報の取得処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、復旧作業の作業担当者は、障害対応情報を携帯端末15に入力する。この障害対応情報には、路線ID、現況(復旧作業中又は復旧済)に関する情報を含める。更に、予測可能な場合には、障害対応情報に復旧予定日時に関する情報を含める。この場合、制御部21の障害対応支援手段215は、携帯端末15から、障害対応情報を取得する。
【0102】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、障害対応情報の登録処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、携帯端末15から取得した路線IDに基づいて、障害状況情報記憶部28に記録された障害状況管理レコード280を特定する。次に、障害対応支援手段215は、この障害状況管理レコード280の現況データ領域、最終更新日時データ領域に記録されている内容を対応履歴データ領域に追加する。次に、障害対応支援手段215は、最終更新日時データ領域には現在日時、現況データ領域には携帯端末15から取得した障害対応情報の現況(「復旧作業中」又は「復旧済」)を記録する。更に、携帯端末15から復旧予定日時を取得した場合には、障害状況管理レコード280の復旧予定日時データ領域の復旧予定日時を更新記録する。
【0103】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、優先順位の更新処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、新たに取得した障害対応情報に基づいて、障害状況情報記憶部28に記録された障害の中で、緊急性が高い順番に障害対応案内を出力する。
【0104】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、管路管理サーバ20の制御部21は、影響範囲の使用状況の抽出処理を実行する(ステップS1−6)。そして、管路管理サーバ20の制御部21は、影響区域情報の登録処理を実行する(ステップS1−7)。これにより、各行政区に敷設された管路と、その管路における使用状況を関連付けることができ、管路の使用状況を把握することができる。
【0105】
(2)本実施形態では、管路管理サーバ20の制御部21は、障害発生情報の登録処理(ステップS3−1)、最寄りの管路の特定処理(ステップS3−2)を実行する。そして、管路管理サーバ20の制御部21は、影響の表示処理を実行する(ステップS3−3)。ここでは、管路管理サーバ20の制御部21は、行政区における利用世帯数の取得処理を実行する(ステップS4−2)。そして、管路管理サーバ20の制御部21は、利用世帯数に応じて重み付け評価処理(ステップS4−3)、重み付け値に応じた表示色による表示処理(ステップS4−4)を実行する。これにより、各行政区における使用状況に基づいて、発生した管路障害の影響を把握することができる。
【0106】
(3)本実施形態では、管路管理サーバ20の制御部21は、この管路に接続された他の管路の特定処理(ステップS3−4)、他の管路における給水に影響があるかどうかについての判定処理(ステップS3−5)を実行する。そして、管路管理サーバ20の制御部21は、各管路の障害についての影響の総和処理を実行する(ステップS5−1)。これにより、障害が発生した管路だけではなく、この管路に接続された他の管路の影響を総合的に把握することができる。
【0107】
(4)本実施形態では、障害発生時の影響の評価結果に基づいて、管路管理サーバ20の制御部21は、緊急性の登録処理を実行する(ステップS5−2)。そして、管路管理サーバ20の制御部21は、影響の評価結果に基づいて優先順位の出力処理を実行する(ステップS5−3)。これにより、障害発生時の影響を的確に把握し、効率的に復旧作業の指示を行なうことができる。
【0108】
(5)本実施形態では、管路管理サーバ20の制御部21は、障害対応情報の取得処理(ステップS6−1)、障害対応情報の登録処理(ステップS6−2)を実行する。そして、管路管理サーバ20の制御部21は、優先順位の更新処理を実行する(ステップS6−3)。これにより、復旧作業の進捗状況に応じて、次の障害対応の優先順位を決定することができる。
【0109】
(6)本実施形態では、分岐接続処理において、管路管理サーバ20の制御部21は、最寄りの管路の特定処理を実行する(ステップS2−1)。管路管理サーバ20の制御部21が、未接続端部の基準範囲内に単一の管路を検知した場合(ステップS2−4に「YES」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、管路接続の登録処理を実行する(ステップS2−5)。これにより、入力担当者の負担を軽減しながら、未接続端部を他の管路に効率的に接続することができる。
【0110】
(7)本実施形態では、分岐接続処理において、基準範囲内に管路がないと判定した場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、注意表示処理を実行する(ステップS2−3)。また、基準範囲内に複数の管路を検知することにより、単一の管路を特定できない場合(ステップS2−4に「NO」の場合)にも、管路管理サーバ20の制御部21は、注意表示処理を実行する(ステップS2−6)。これにより、入力担当者は、未接続端部について接続要否や接続先の特定を行なうことができる。
【0111】
<第2の実施形態>
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図6(a)に従って説明する。第1の実施形態においては、影響の表示処理において、月平均件数(利用世帯数)に応じて重み付け評価を行なう。第2の実施形態は、第1の実施形態の影響の表示処理において、使用水量に基づいて影響の評価を行なう構成であり、同様の部分については詳細な説明を省略する。この場合には、重み付け評価テーブルに、使用水量範囲に対応して、重み付け値及び表示色を記録しておく。
【0112】
ここでは、管路管理サーバ20の制御部21は、ステップS4−1と同様に、管路の行政区の特定処理を実行する(ステップS7−1)。
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、行政区における使用水量の取得処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、使用状況情報記憶部23から、特定した地区別使用状況IDの使用状況管理レコード230を取得する。そして、影響評価手段216は、使用状況管理レコード230から各行政区の月平均水量を取得する。
【0113】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、使用水量に応じて重み付け評価処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、重み付け評価テーブルを用いて、取得した月平均件数が含まれる件数範囲に対応する重み付け値を特定する。
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、ステップS4−4と同様に、重み付けに応じた表示色により表示処理を実行する(ステップS7−4)。
【0114】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(8)本実施形態では、管路管理サーバ20の制御部21は、使用水量に応じて重み付け評価処理を実行する(ステップS7−3)。これにより、世帯数が少ない地区でも、使用水量が多い場合には、重み付け値を高くして、発生した管路障害の影響を把握することができる。そして、影響が大きい場合には、障害対応の優先順位を高くすることができる。
【0115】
<第3の実施形態>
次に、本発明を具体化した第3の実施形態を図6(b)に従って説明する。第1の実施形態においては、影響の表示処理において、月平均件数(利用世帯数)に応じて重み付け評価を行なう。第3の実施形態は、第1の実施形態の影響の表示処理において、水道水を利用する施設の種別に応じて影響の評価を行なう構成であり、同様の部分については詳細な説明を省略する。この場合には、使用状況情報記憶部23の使用状況管理レコード230に、行政区を特定するための識別子に関連付けて、各行政区において水道水を利用する特別施設の種別情報を記録しておく。なお、この使用状況管理レコード230には、行政区に複数の特別施設が存在する場合には、すべての特別施設の種別情報を記録しておく。更に、重み付け評価テーブルに、水道利用施設の種別に対応して重み付け値、各重み付け値に対応する表示色を記録しておく。
【0116】
ここでは、管路管理サーバ20の制御部21は、ステップS4−1と同様に、管路の行政区の特定処理を実行する(ステップS8−1)。
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、行政区における水道利用施設情報の取得処理を実行する(ステップS8−2)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、使用状況情報記憶部23から、特定した町別有効使用水量IDの使用状況管理レコード230を取得する。そして、影響評価手段216は、使用状況管理レコード230に記録されているすべての特別施設の種別情報を取得する。
【0117】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、種別情報に応じて重み付け評価処理を実行する(ステップS8−3)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、重み付け評価テーブルを用いて、種別情報に対応する重み付け値を特定する。複数の特別施設の種別情報を取得した場合には、各施設に対応する重み付け値を合計する。
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、ステップS4−4と同様に、重み付けに応じた表示色により表示処理を実行する(ステップS8−4)。ここでは、重み付け値の合計値に対応する表示色を決定する。
【0118】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(9)本実施形態では、管路管理サーバ20の制御部21は、行政区における水道利用施設情報の取得処理を実行する(ステップS8−2)。学校等の避難施設、病院等の重要施設等の特別施設は地区によって異なる。このような特別施設が存在する地区の重み付け値を高くして、発生した管路障害の影響を把握することができる。そして、影響が大きい場合には、障害対応の優先順位を高くすることができる。
【0119】
<第4の実施形態>
次に、本発明を具体化した第4の実施形態を図6(c)に従って説明する。第1の実施形態においては、影響の表示処理において、月平均件数(利用世帯数)に応じて重み付け評価を行なう。第4の実施形態は、第1の実施形態の影響の表示処理において、地区の用途指定情報及び復旧までの所要時間帯に応じて重み付け評価を行なう構成であり、同様の部分については詳細な説明を省略する。この場合には、管路管理サーバ20に、行政区における土地の用途指定の識別情報(商業地域、工業地域、住宅地域等)を記憶した地区別
用途指定情報記憶手段を設ける。更に、重み付け評価テーブルに、用途指定の識別情報、曜日、時間帯に対応して重み付け値、各重み付け値に対応する表示色を記録しておく。
【0120】
ここでは、管路管理サーバ20の制御部21は、ステップS4−1と同様に、管路の行政区の特定処理を実行する(ステップS9−1)。
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、復旧までの所要時間帯の算出処理を実行する(ステップS9−2)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、障害状況情報記憶部28の障害状況管理レコード280に記憶されている障害発生日時、復旧予定日時を取得する。そして、影響評価手段216は、障害発生日時から復旧予定日時までの曜日及び時間帯を特定する。
【0121】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、行政区の用途指定の取得処理を実行する(ステップS9−3)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、地区別用途指定情報記憶手段から、障害が発生した管路が敷設された行政区の用途指定識別情報を取得する。
【0122】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、復旧までの時間帯、曜日、用途指定に応じて重み付け評価処理を実行する(ステップS9−4)。具体的には、制御部21の影響評価手段216は、重み付け評価テーブルを用いて、曜日、時間帯及び用途指定識別情報に対応する重み付け値を特定する。
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、ステップS4−4と同様に、重み付けに応じた表示色により表示処理を実行する(ステップS9−5)。
【0123】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(10)本実施形態では、管路が敷設された地区は、住宅地域や商業地域等の用途指定によって、管路障害の影響は異なる。更に、曜日や時間帯によっても影響は異なる。そこで、用途指定や復旧までの所要期間に応じた重み付け値を高くして、発生した管路障害の影響を把握することができる。そして、影響が大きい場合には、障害対応の優先順位を高くすることができる。例えば、カレンダ上の特定日(土曜日、日曜日、祝日のような休日)や、平日の帰宅時間帯(例えば18時以降)の場合には住宅地域を優先し、平日の昼間の場合には商業地域を優先する。これにより、多くの人がいると予想される地域を優先して復旧作業を行なうことができる。
【0124】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態では、水道水を供給する水道管の管路を管理する場合を想定したが、管路の用途は水道水の供給に限定されるものではなく、ガスの供給や下水等の排出など、流体を輸送する管路に適用することができる。
【0125】
・ 上記実施形態では、管路図作成処理において、管路管理サーバ20の制御部21は、影響区域情報の登録処理を実行する(ステップS1−7)。これに代えて、管路が敷設された地区識別情報と、各地区における使用施設情報との関連付けは、管路の障害発生時に行なうようにしてもよい。
【0126】
・ 上記実施形態では、影響の表示処理において、利用世帯数、水道利用施設の属性、復旧までの時間帯、用途指定に応じて影響を評価する。重み付け値の算出方法は、これらに限定されるものではなく、複数の情報を合計して重み付け値を算出するようにしてもよい。また、管種に応じた復旧作業の容易性に対して重み付け値を付与するようにしてもよい。更に、復旧所要日数と日平均水量とを乗算して重み付け値を算出するようにしてもよい。
【0127】
・ 上記実施形態では、障害対応処理において、携帯端末15から、復旧作業の進捗情報を入手した場合に障害状況管理レコード280を更新する。ここで、時間経過とともに、障害状況(復旧状況)についての注意喚起を行なうようにしてもよい。この場合、障害対応支援手段215に、復旧想定時間テーブルを保持させておく。この復旧想定時間テーブルには、障害内容、緊急性に対応して、復旧までに要する想定時間が記録されている。この処理を、図7を用いて説明する。ここでは、定期的に、復旧していない障害箇所(復旧済みフラグが記録されていない障害状況管理レコード280)毎に以下の処理を繰り返す。
【0128】
ここでは、管路管理サーバ20の制御部21は、障害状況の取得処理を実行する(ステップS10−1)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、障害状況管理レコード280に記録された障害内容及び障害発生日時を取得する。
【0129】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、障害発生日時からの経過時間の算出処理を実行する(ステップS10−2)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、現在日時から最終更新日時を差し引くことにより、経過時間を算出する。
【0130】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、障害内容、緊急性に応じて復旧までの想定時間の算出処理を実行する(ステップS10−3)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、復旧想定時間テーブルを用いて、障害内容、緊急性に対応する復旧想定時間を取得する。
【0131】
次に、管路管理サーバ20の制御部21は、経過時間が想定時間より長いかどうかについての判定処理を実行する(ステップS10−4)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、障害発生からの経過時間と復旧想定時間とを比較する。
【0132】
ここで、障害発生からの経過時間が復旧想定時間よりも長くなっている場合(ステップS10−4において「YES」の場合)、管路管理サーバ20の制御部21は、アラーム処理を実行する(ステップS10−5)。具体的には、制御部21の障害対応支援手段215は、入出力端末10のディスプレイに出力された管路図において、復旧が遅れていることを示すアラームを出力する。一方、障害発生からの経過時間が復旧想定時間以下の場合(ステップS10−4において「NO」の場合)、この障害箇所についての処理を終了する。
【0133】
これにより、予想以上に復旧が遅れている場合や復旧作業の作業担当者からの連絡忘れの場合に、管理者に対して注意喚起することができる。なお、復旧想定時間の算出は、他の障害箇所を考慮して算出するようにしてもよい。具体的には、障害対応支援手段215が、評価対象の障害及びこの障害よりも緊急性が高いすべての障害の復旧想定時間を取得する。そして、取得したすべての復旧想定時間を合計することにより、この障害について復旧までの想定時間を算出する。
【符号の説明】
【0134】
10…入出力端末、15…携帯端末、20…管路管理サーバ、21…制御部、211…管路登録手段、212…管路図作成手段、213…管路接続支援手段、215…障害対応支援手段、216…影響評価手段、22…管路図記憶部、23…使用状況情報記憶部、24…断水処理情報記憶部、25…管路情報記憶部、26…中間点情報記憶部、27…影響区域情報記憶部、28…障害状況情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路網を構成する各管路の管路識別子に関連付けて、この管路の影響地区の地区識別情報を記憶した管路情報記憶手段と、
地区識別情報に関連付けて、管路を使用した使用施設情報を記憶した使用情報記憶手段と、
管路の障害の影響を出力する制御手段とを備えた管路管理システムであって、
前記制御手段が、
障害が発生した管路の管路識別子を特定する手段と、
前記管路情報記憶手段を用いて、前記管路識別子の管路の影響地区の地区識別情報を特定する手段と、
前記使用情報記憶手段を用いて、前記地区識別情報に関連付けられた使用施設情報を特定する手段と、
前記使用施設情報に基づいて重み付けを行なった障害発生情報を出力する手段と
を備えたことを特徴とする管路管理システム。
【請求項2】
前記管路情報記憶手段には、管路識別子に関連付けて、この管路の敷設場所を特定するための敷設情報が更に記憶されており、
前記制御手段が、
管路に障害が発生した住所情報を取得する手段と、
前記住所情報と前記管路情報記憶手段に記憶された敷設情報とを比較して、最寄りの管路の管路識別子を特定することにより、管路に障害が発生した管路の管路識別子を特定することを特徴とする請求項1に記載の管路管理システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記使用情報記憶手段に記憶された使用施設情報に基づいて管路使用量を算出し、
前記障害発生情報の出力のための重み付けは、前記算出した管路使用量に基づいて行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の管路管理システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記使用情報記憶手段に記憶された使用施設情報に基づいて、使用施設の種別を特定し、
前記障害発生情報の出力のための重み付けは、前記特定した使用施設の種別に基づいて行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の管路管理システム。
【請求項5】
地区識別情報に関連付けて、この地区の用途指定情報を記憶した地区別用途指定情報記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記地区別用途指定情報記憶手段を用いて、前記地区識別情報に関連付けられた用途指定情報を特定し、
前記障害発生情報の出力のための重み付けは、前記特定した用途指定情報に基づいて行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の管路管理システム。
【請求項6】
前記制御手段は、障害が発生した管路の復旧までの所要時間帯を算出し、
前記障害発生情報の出力のための重み付けは、前記算出した所要時間帯と用途指定に基づいて行なうことを特徴とする請求項5に記載の管路管理システム。
【請求項7】
前記制御手段は、管路の始端位置と終端位置とを取得し、
前記始端位置と終端位置とを結ぶことにより、前記管路の敷設場所を特定し、前記管路の管路識別子に関連付けて、前記管路情報記憶手段に敷設場所を記録することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の管路管理システム。
【請求項8】
前記制御手段は、
各管路の始端位置、終端位置について、他の管路の配置位置と比較し、
各管路の始端位置、終端位置の少なくとも一端が、他の管路の配置位置と一致しない場合には、この端部についての注意情報を出力する手段を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の管路管理システム。
【請求項9】
管路網を構成する各管路の管路識別子に関連付けて、この管路の影響地区の地区識別情報を記憶した管路情報記憶手段と、
地区識別情報に関連付けて、管路を使用した使用施設情報を記憶した使用情報記憶手段と、
管路の障害の影響を出力する制御手段とを備えた管路管理システムを用いて、管路を管理する方法であって、
前記制御手段が、
障害が発生した管路の管路識別子を特定する段階と、
前記管路情報記憶手段を用いて、前記管路識別子の管路が敷設された地区識別情報を特定する段階と、
前記使用情報記憶手段を用いて、前記地区識別情報に関連付けられた使用施設情報を特定する段階と、
前記使用施設情報に基づいて重み付けを行なった障害発生情報を出力する段階と
を実行することを特徴とする管路管理方法。
【請求項10】
管路網を構成する各管路の管路識別子に関連付けて、この管路の影響地区の地区識別情報を記憶した管路情報記憶手段と、
地区識別情報に関連付けて、管路を使用した使用施設情報を記憶した使用情報記憶手段と、
管路の障害の影響を出力する制御手段とを備えた管路管理システムを用いて、管路を管理するためのプログラムであって、
前記制御手段を、
障害が発生した管路の管路識別子を特定する手段、
前記管路情報記憶手段を用いて、前記管路識別子の管路が敷設された地区識別情報を特定する手段、
前記使用情報記憶手段を用いて、前記地区識別情報に関連付けられた使用施設情報を特定する手段、
前記使用施設情報に基づいて重み付けを行なった障害発生情報を出力する手段
として機能させることを特徴とする管路管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−146078(P2012−146078A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3211(P2011−3211)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】