説明

管長測定システム及びその測定方法

【課題】
雑音に強く遠方まで音波を届かせることが可能であり、波形の減衰を防いで正確に管長を測定する。
【解決手段】
可動機構部11と測定管12を有する測定機構1を配管3に接続した状態で、測定管内にハウリングが発生するように配置した、マイクロホン103から発せられた受音信号をスピーカ102より受信する。スピーカ102とマイクロホン103による大きな振幅の音波が配管3内に発生し、駆動部104を制御して定在波スペクトルが検出される時点まで、スピーカ102とマイクロホン103の間隔を一定に保ちつつ、これら2つを同時に調整する。この時の、配管に関する温度データと定在波のピーク周波数を用いて、測定装置2の制御部21で所定の式に基づき管長を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管長測定システム及びその測定方法に係り、特に、埋設された配管に対して定在波を発生させて測定され、フーリエ変換して得られる周波数を用いて配管の長さを算出する管長測定システム及びその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地下に埋設されたガス管や水道管の長さを測定する手段として、パルス音波やノイズを利用して管長を測定する方法が知られている。パルス音波を利用する方法は、入射音波の発生時間と反射音波の受音時間の時間差を音速で除算して管長を求める。またノイズを利用する方法は、受音信号の自己相関におけるピーク値の発生時間を音速で除算して管長を求めるものである。前者については、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
また、非特許文献1には、定在波を用いた距離の測定法として、スピーカから放射された音と対象物からの反射音の干渉によって生じる定在波を利用して距離を測定する原理が提唱されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−132540号公報
【非特許文献1】中迫、上保、森:「定在波を用いた距離推定の基礎的検討」日本音響学会講演論文集(2006年9月、pp.435〜436)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のパルス音波を利用して管長を測定する方法は、配管内を伝播する音波のエネルギーが小さく、外来ノイズが多い環境、極端に長い配管の場合においては正確に管長を求めることが困難である。また、白色雑音(あらゆる周波数の成分をほぼ同量ずつ含む音)などの広帯域信号による管長の測定は、それらの自己相関性を利用して測定をしており、自己相関が弱い場合は、高いピーク値を得られないため、管長を求めるのに必要なパラメータであるピーク発生時間を求めるのが困難である。
【0006】
このように、従来技術では、雑音に弱く、遠方まで音波を届かせることが困難であり、波形の減衰の心配があるために管長を正確に求めることが難しかった。また、上記非特許文献1には、定在波を用いた距離の測定法の原理について開示されているが、管長の測定のために定在波による方法を如何に適用したらよいかについてまでは言及されていない。
【0007】
本発明の目的は、雑音に強く遠方まで音波を届かせることが可能であり、波形の減衰を防いで正確に管長を測定することができる、定在波を利用した管長測定システム及び測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る管長測定システムは、定在波を利用して被測定管の長さを測定する管長測定システムにおいて、該被測定管に接続される測定機構にあって、音波を出力し、その出力された音波を受音してハウリングを発生させるハウリング発生手段と、被測定管内部に関する温度を取得する温度取得手段と、該ハウリング発生手段によってハウリングを発生させて得られる定在波の周波数データと、該温度取得手段から得られた温度データを用いて、所定の関係式に基づき被測定管の長さを計算する測定装置と、を有することを特徴とする管長測定システムとして構成される。
【0009】
好ましい例では、該ハウリング発生手段は、該測定機構内に配置された、音波を出力する音波出力手段と、出力された該音波を受音する受音手段とを一対としてハウリングを発生させるハウリング発生部から構成され、該測定装置が定在波の周波数を検出するまで該ハウリング発生部の位置を所定方向に可動する駆動手段と、受音した信号を再び音波の出力をするための電力を増幅する電力増幅部と、を有する。
また、好ましくは、該測定装置は、該ハウリング発生手段により受音した信号を増幅する信号増幅部と、該信号増幅部で増幅された信号を、アナログからデジタルに変換するA/D変換部と、該A/D変換部より得られる定在波の周波数データと該温度データを用いて被測定管の長さを計算する計算手段と、を有する。
また、好ましくは、該計算手段は、該A/D変換部で変換されて得られた時系列信号をフーリエ変換して周波数領域へ射影し、ピーク周波数f(Hz)を選択して、被測定管内の温度t(℃)から音速c(m/s)を算出し、そこから反射距離である管長L(m)を、関係式(L=c/2f)を用いて計算する。
【0010】
本発明に係る管長測定方法は、定在波を利用して被測定管の長さを測定する管長測定方法において、該被測定管に測定管を有する測定機構を接続するステップと、該被測定管に対して、音波を出力しその出力された音波を受音してハウリングを発生させるステップと、該被測定管内部に関する温度を取得するステップと、該ハウリングが発生させて得られる定在波の周波数データと、得られた温度データを利用して、処理装置で所定の式に基づき被測定管の長さを計算するステップと、を有することを特徴とする管長測定方法として構成される。
【0011】
また、好ましい例では、定在波を利用して被測定管の長さを測定する管長測定方法において、測定対象の被測定管と測定管を結合し、該測定管内に音波を出力してそれを受音して電力増幅し、再び該音波を出力することによりハウリングを発生させ、受音し信号増幅してアナログからデジタルに変換して得た複数の信号からデータ収集し、そこから定在波が発生するまでハウリング発生部の位置を変化させて制御し、そこから収集された測定データを、再びアナログからデジタルに変換して、データから定在波の検知を経時的に行い、定在波の検出がされた場合、被測定管内部の温度データと、これらの当該データを用いて、処理装置で所定の関係式に基づき被被測定管の長さを計算することを特徴とする管長測定方法として構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被測定管に測定管を接続した状態で、測定管内に配置された音波の出力部と受音部を用いてハウリングを発生させながら定在波のピーク周波数を経時的に測定し、その定在波のピーク周波数データと被測定管に関する温度データを用いて管長を算出することが可能となる。これにより、雑音に強く遠方まで音波を届かせることが可能であり、波形の減衰を防いで正確に管長を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例における管長測定システムの構成図である。
この測定システムは、被測定管である配管3と、その配管3に接続される測定機構1、その測定機構1から得られる信号を処理する測定装置2から構成される。
測定機構1は、配管3に接続される測定管12と、可動機構部11とから成る。測定管12の内部には配管内の温度を測定する温度センサ105が配置される。
【0014】
可動機構部11はその外周部が蛇腹構造を成し、駆動部104によって駆動されて矢印a方向へ移動可能である。なお、この可動機構部11を伸縮ジョイントということがある。可動機構部11の内部には、電力増幅器101に接続され音波を出力するスピーカ102が配置される。このような機構において、スピーカ102とマイクロホン103を一対として、これらをハイリングが発生する間隔に一定に保つハウリング生成部として構成する。そして、駆動部104の駆動により蛇腹構造が矢印a方向に可動して、定在波が検出されるまでハウリング生成部を移動して調整することができる。
【0015】
測定装置2は、主に、制御部21と、表示部22、入力部23、及び信号増幅部24及びA/D変換部25を有する。ここで、制御部21は、好ましくは、パソコン(PC)を用いてよく、管長を計算するプログラムを実行するCPU211と、プログラム及び種々の処理データを記憶するメモリ212を有する。算出された管長データは表示部22に表示される。なお、図示していないが、好ましくは、種々のデータ及びプログラムを格納するためのHD(ハードディスク)のような記憶装置が制御部21に接続されるのがよい。
【0016】
ここで、マイクロホン103で受音された信号は電力増幅部101で増幅され、スピーカ102に提供されると共に、信号増幅部24に入力して増幅される。そして、A/D変換部25でアナログ信号からデジタル信号へ変換された信号が制御部21へ入力される。制御部21には、また、温度センサ105からの温度信号が入力される。
制御部21は、取得した音響信号をフーリエ変換し、得られる周波数データx及び温度データyを用い、所定の関係式に基づいて処理して、定在波が検出される条件を計算する。そして、定在波が検出されない場合には制御信号zを駆動部104へ出力する。駆動部104は受け取った制御信号zに従って、可動機構部11を所定量分、a方向へ移動するように駆動する。このような動作を、定在波が検出されるまで繰り返し、遂に定在波が検出された時点で、そこから得られる該周波数データ及び温度データから算出されるデータL(=L+L)を求める。
【0017】
ここで、本発明による管長測定の原理についてより詳しく説明する。
測定管12が配管3に接続された状態で、電源投入より予めハウリングが発生する位置に設定されるマイクロホン103と、測定管12外部の電力増幅器101を介して接続されるスピーカ102において、ハウリング現象により大振幅の音波を発生させる。
制御部21において、マイクロホン103からの受音信号を信号増幅部24で増幅して、A/D変換部25でアナログ信号からデジタル信号に変換して音響信号xを得る。この時系列信号を周波数領域へ射影するためフーリエ変換する。フーリエ変換された周波数領域において、定在波が検出されるまで、制御信号zを出力して駆動部104を制御する。さらに定在波のピーク周波数を検出した場合は、配管3内部の温度データyとデジタル変換した周波数データを用いて管長を計算する。この計算は、所定のプログラムがCPU211で実行して実現される。
【0018】
制御部21における処理動作に関して、デジタル信号に変換され入力された合成波信号をフーリエ変換して周波数領域へ射影し、ピーク周波数f(Hz)を選択して、管内温度t(℃)から音速c(m/s)を算出し、そこから反射距離である管長L(m)を関係式(L=c/2f)を用いて演算する。
例として、管内温度t(℃)を測定して音速c(m/s)を演算し、測定される複数データの中からピーク周波数f(Hz)を選択して、管長L(m)を求めて見る。
【0019】
音速c(m/s)は、管内温度t(℃)とした場合に関係式は、
c=331.5+0.61t ・・・(1)
となり、管内温度t(℃)を20度とすると、関係式(1)より音速c(m/s)は、
c=331.5+0.61×20=343.7(m/s) ・・・(2)
となる。
【0020】
次に定在波ピーク周波数f(Hz)の測定値が f=52.08(Hz)であったとすると、測定値と(2)の結果から、
=c/2f=343.7÷2×52.08)≒3.3(m) ・・・(3)
となり、管長L(m)が求められる。
【0021】
ここで求めた値は、配管3を測定管12に伸縮ジョイントを介して結合し測定するための結合部分長L(m)を含んだ値となっている。
この場合、結合部分長L(m)と求める管長L(m)の関係式は、
=L+L ・・・(4)
となり、結合部分長L(m)を0.3(m)の設定とすると、関係式(4)より配管3の管長L(m)は、
=L−L =3.3−0.3=3.0(m)
として求めることができる。
【0022】
このように、本実施例による管長測定システムは、駆動部104を制御することにより、定在波特有のスペクトルが得られる地点を、伸縮可能な可動機構部11内のスピーカ102とマイクロホン103の間隔を一定に保ちつつ、これら2つを同時に調整しながら経時的に測定することができる。
【0023】
管長の測定において、制御部21の処理により測定管12を外観から見ると、例えば、測定管12の伸縮ジョイント(可動機構部11)が縮んだ状態から測定を開始した場合は、経時的な測定とフーリエ変換処理とを繰り返すことにより、矢印aの方向に数センチづつ伸縮ジョイントが伸びる方向に移動し、定在波特有のスペクトルが得られた時点で駆動部104は伸縮ジョイントの移動が停止する。その時、制御部21のCPU211は、配管内の温度センサ105からの温度データと、測定された周波数を基に、管長測定の計算を実行し、その結果を表示部22に表示する。
なお、計算結果を表示部22に表示することは必ずしも必須の機能というわけではない。例えば、管長の計算結果をデータベースやメモリ212に記憶しておき、後々必要時応じて他の計算機に転送するようにしてもよい。
【0024】
次に、図2を参照して、管長の計算処理について説明する。
この計算処理は、主にCPU211で所定のプログラムを実行することで実現されるが、その実行結果を駆動部104による制御と、定在波の検出判断及び管長の算出、及び表示部22への表示を伴う。
可動機構部11を有する測定管12を配管3に結合して、測定装置2の電源投入をすると、電力増幅器101に接続された音波を出力するスピーカ102と、スピーカ102からの信号を受音するマイクロホン103により、これらの間隔を一定に保ちつつ、これら2つを同時に調整しハウリング現象を発生させる(S201)。
【0025】
ここから、制御部21のCPU211による処理動作となる。上記ステップS201において、スピーカ102とマイクロホン103は、予めハウリング現象が発生する位置に実装されており、その際、測定管12の伸縮ジョイントは、縮んだ状態から測定が開始される。ステップS201にてハウリング現象を発生させながら、マイクロホン103からの音波を信号増幅し、アナログからデジタルに変換され、この信号を周波数領域へ射影するためフーリエ変換する。周波数領域において定在波の検出を経時的に監視して位置調整信号の出力から駆動部104を制御する(S202)。
【0026】
定在波のピーク周波数を検出した場合には、配管3内の温度センサ105からの温度データとアナログからデジタルに変換して、定在波の検知から得られた周波数データを基に管長の演算を行い、演算結果を表示部22に表示をする(S203)。
このステップS203の処理では、ピーク周波数f(Hz)を選択して、管内温度t(℃)から音速c(m/s)を算出し、そこから反射距離である管長L(m)を関係式(L=c/2f)を用いて演算する。
例えば、上記の式(1)〜(4)を用いて、配管3の管長L(m)を算出する。
【0027】
図3は、定在波発生における周波数領域でのスペクトルレベルの概略図である。
この例による管長の測定では、配管内部の温度データと、定在波の波形検出がされた(ある周波数だけが高いピークの波形が観測される)時のピーク周波数を基に管長を算出する。
本実施例による管長の測定において、ハウリングを発生させた状態での定在波は、発生前のスペクトル(A)は、低い周波数から高い周波数までの周波数領域において一定のレベル以上での高いピーク波形が検出されないことが分かる。
一方、定在波の発生時におけるスペクトル(B)は、特定の周波数において先鋭な高いピーク波形が観測されることが分かる。
【0028】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されること無く、種々変形して実施し得る。
例えば、配管内の温度を測定する温度センサ105は、図1の測定管12内に配置されることに限定されない。温度センサ105を配管3に挿入して適当な場所に配置することでもよい。また他の例として、配管3内の温度として別途測定した温度データを用いてもよい。また、予め配管内の温度が分かっている場合には、その温度データを用いてもよい。
【0029】
また、他の例として、図1において駆動部104は可動機構部11の外部にあるように示されているが、駆動部104を可動駆動部11内に設けてもよい。要するに、駆動部104は、定在波が検出されるまでスピーカ102及びマイクロホン103の間隔を一定に保ちつつ、これら2つを同時に可動して調整できることが重要であり、その機能或いは手段が実現できれば上記の実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施例における管長測定システムの構成図、
【図2】一実施例における管長測定を示す処理フローチャート、
【図3】定在波発生における周波数領域でのスペクトルレベルの概略図。
【符号の説明】
【0031】
1:測定機構、 2:測定装置、 3配管、 11:可動機構部、 12:測定管、101:電力増幅器、 102:スピーカ、103:マイクロホン、 104:駆動部、 105:温度センサ、 21:制御部、 22:表示部、 23:入力部、 24:信号増幅部、 25:A/D変換部、 211:CPU、 212:メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定在波を利用して被測定管の長さを測定する管長測定システムにおいて、
該被測定管に接続される測定機構にあって、音波を出力し、その出力された音波を受音してハウリング現象を発生させるハウリング発生手段と、
被測定管内部に関する温度を取得する温度取得手段と、
該ハウリング発生手段によってハウリングを発生させて得られる定在波の周波数データと、
該温度取得手段から得られた温度データを用いて、所定の関係式に基づき被測定管の長さを計算する測定装置と、を有することを特徴とする管長測定システム。
【請求項2】
該ハウリング発生手段は、該測定機構内に配置された、音波を出力する音波出力手段と、出力された該音波を受音する受音手段とを一対としてハウリングを発生させるハウリング発生部から構成され、該測定装置が定在波の周波数を検出するまで該ハウリング発生部の位置を所定方向に可動する駆動手段と、
受音した信号でハウリングの発生を継続するための電力増幅部と、
を有することを特徴とする請求項1の管長測定システム。
【請求項3】
該測定装置は、該ハウリング発生手段により受音した信号を増幅する信号増幅部と、
該信号増幅部で増幅された信号を、アナログからデジタルに変換するA/D変換部と、
該A/D変換部より得られる信号をフーリエ変換して求められる定在波の周波数データと該温度データを用いて被測定管の長さを計算する計算手段と、を有し、
該計算手段による計算結果に応じて、該駆動手段は該音波出力手段と該受音手段の間隔を一定に保ちつつ、これらの手段を調整することを特徴とする請求項2の管長測定システム。
【請求項4】
該計算手段は、該A/D変換部で変換されて得られた時系列信号をフーリエ変換して周波数領域へ射影し、ピーク周波数f(Hz)を選択して、被測定管内の温度t(℃)から音速c(m/s)を算出し、そこから反射距離である管長L(m)を、関係式(L=c/2f)を用いて計算することを特徴とする請求項2又は請求項3の管長測定システム。
【請求項5】
定在波を利用して被測定管の長さを測定する管長測定方法において、
該被測定管に測定管を有する測定機構を接続するステップと、
該被測定管に対して、音波を出力しその出力された音波を受音してハウリングを発生させるステップと、
該被測定管内部に関する温度データを取得するステップと、
該ハウリングを発生させて得られる定在波の周波数データと、得られた温度データを利用して、処理装置で所定の関係式に基づき被測定管の長さを計算するステップと、を有することを特徴とする管長測定方法。
【請求項6】
該ハウリング発生において、該測定機構内に配置された、音波を出力する音波出力手段と、出力された該音波を受音する受音手段との間隔を一定に保つハウリング発生部と、該ハウリング発生部の位置を可動させて制御し、該被測定管内部を定在波発生状態にして該所定の周波数データを得ることを特徴とする請求項5の管長測定方法。
【請求項7】
定在波を利用して被測定管の長さを測定する管長測定方法において、
測定対象の被測定管と測定管を結合し、該測定管内に音波を出力してそれを受音して電力増幅し、再び該音波を出力することによりハウリングを発生させ、受音し信号増幅してアナログからデジタルに変換して得た信号からデータ収集し、そこから定在波が発生するまでハウリング発生部の位置を可動させて制御し、そこから収集された測定データから定在波が検知となる当該データの選択を経時的に行い、定在波の検出された場合、被測定管内部の温度データと、これらの当該データを用いて、処理装置で所定の関係式に基づき被被測定管の長さを計算することを特徴とする管長測定方法。
【請求項8】
該処理装置による計算において、アナログからデジタルに変換されて得られた時系列信号をフーリエ変換して周波数領域へ射影し、ピーク周波数f(Hz)を選択して、被測定管内の温度t(℃)から音速c(m/s)を算出し、そこから反射距離である管長L(m)を、関係式(L=c/2f)を用いて計算することを特徴とする請求項6又は請求項7の管長測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−42142(P2009−42142A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209115(P2007−209115)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【出願人】(599016431)学校法人 芝浦工業大学 (109)
【Fターム(参考)】