説明

箱ティッシュおよび収納箱

【課題】汎用性に優れ、かつ、様々な方向からティッシュペーパーを容易に取り出すことができ、更に、プラスチック製のフィルムなどを用いなくても使い勝手の良い箱ティッシュおよびそれに用いる収納箱を提供する。
【解決手段】上面12に上面取出口12Aが切割線で切り取れるように形成されている。上面12と側面14とにより構成される角部15には、上面12および側面14のそれぞれ一部と、その2面に隣接する2つの側面16,17のそれぞれ一部とを切り取るように、切割線で形成された角部取出口15Aが設けられている。角部取出口15Aには、稜線15Bに向かって突出した2対の角部突出部15Cが設けられ、稜線15Bの中心と両端とには切取面積が拡大された角部取出拡大部15Dが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に折り畳んだティッシュペーパーを収納した箱ティッシュおよびそれに用いる収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、箱ティッシュとしては、直方体状の収納箱の内部に折り畳んだティッシュペーパーを積層して収納し、積層方向の上面に設けた取出口からティッシュペーパーを取り出すものが広く用いられている。このような箱ティッシュでは、上面に取出口が設けられているので、上面を開放した状態で使用しなければならず、例えば、机の引き出しに収納して使用する場合には、取出口が露出されるまで引き出しを大きく引かなければティッシュペーパーを取り出しにくいという問題があった。
【0003】
また、箱ティッシュとしては、上面以外に取出口を設けたものも提案されている。例えば、特許文献1には、側面に取出口を設けた箱ティッシュが記載されており、特許文献2には、上面の中央部に取出口を設けると共に、上面の側辺に取出口を設けた箱ティッシュが記載されている。このような箱ティッシュによれば、上面を広く開放した状態でなくても、ティッシュペーパーを取り出すことができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている箱ティッシュでは、側面に取出口を設けているので、上面に取出口を設ける場合と同様にティッシュペーパーを積層して収納すると、積層している面が露出されることになり、ティッシュペーパーを取り出しにくいという問題があった。よって、ティッシュペーパーの収納方法を専用のものとしなければならず、汎用性に乏しかった。一方、特許文献2に記載されている箱ティッシュによれば、従来と同様にティッシュペーパーを積層して用いることができるので、汎用性には優れているものの、上面の側辺に設けている取出口の面積が狭いので、ティッシュペーパーを傷つけずに取り出すことが難しく、しかも、ティッシュペーパーが何枚も取り出されてしまう場合があるという問題があった。
【0005】
また、従来の箱ティッシュでは、取出口にプラスチック製のフィルムを張り付け、ティッシュペーパーを取り出す際に、一度に何枚も取り出されてしまうことを防止したものが多く見られる。しかし、このようにプラスチック製のフィルムを張り付けると、生産工程が複雑で製造コストも高くなり、しかも、リサイクル時には分別が面倒で、分別が十分にされない場合には不純物として再生に悪影響を与えてしまうという問題があった。
【特許文献1】特開平7−187261号公報
【特許文献1】特開2005−35592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、汎用性に優れ、かつ、様々な方向からティッシュペーパーを容易に取り出すことができ、更に、プラスチック製のフィルムなどを用いなくても使い勝手の良い箱ティッシュおよびそれに用いる収納箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の箱ティッシュは、直方体状の収納箱の内部に、交互に重ねて折り畳んだティッシュペーパーが収納され、収納箱の上面には、ティッシュペーパーを取り出すための上面取出口が切割線で切り取れるように形成されたものであって、上面または下面と1つの側面とにより構成される角部のうちの少なくとも1つに、その角部を構成する2面のそれぞれ一部と、その2面に隣接する2つの側面のそれぞれ一部とを切り取るように、切割線で形成された角部取出口を有するものである。
【0008】
本発明の収納箱は、直方体状の内部にティッシュペーパーを収納するための空間が形成され、上面には、ティッシュペーパーを取り出すための上面取出口が切割線で切り取れるように形成されたものであって、上面または下面と1つの側面とにより構成される角部のうちの少なくとも1つに、その角部を構成する2面のそれぞれ一部と、その2面に隣接する2つの側面のそれぞれ一部とを切り取るように、切割線で形成された角部取出口を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の箱ティッシュおよび収納箱によれば、上面取出口に加えて、角部取出口を有するようにしたので、様々な方向からティッシュペーパーを取り出すことができ、様々な使い方に対応することができる。よって、上面が広く開放されていない状態、例えば、机の引き出しに収納して用いる場合に、引き出しを大きく引かなくてもティッシュペーパーを容易に取り出すことができる。また、角部取出口は、角部を構成する2面のそれぞれ一部と、その2面に隣接する2つの側面のそれぞれ一部とを切り取るようにしたので、上面取出口から取り出す場合と同様に、次のティッシュペーパーを引き出しながら、ティッシュペーパーを順に取り出すことができる。よって、ティッシュペーパーを特別な折り畳み方や収納をする必要がなく、汎用性を高くすることができると共に、従来と変わらないコストで製造することができる。更に、角部全体を露出させることができるので、ティッシュペーパーを容易に取り出すことができ、ティッシュペーパーが傷ついたり、一度に何枚も取り出されてしまうことを防止することができる。
【0010】
特に、角部取出口において、角部を構成する2面の少なくとも一方の切口に、稜線に向かって突出した角部突出部を有するようにすれば、ティッシュペーパーを取り出す際に、ティッシュペーパーが何枚も取り出されてしまうことをより容易に防止することができる。よって、プラスチック製のフィルムを用いなくてもよく、生産工程の簡素化および製造コストの低減を図ることができると共に、リサイクル時の分別を容易とすることができる。
【0011】
また、角部取出口において、角部を構成する2面の切口の対向する位置に、稜線に向かって突出した2対の角部突出部を形成し、稜線の中心と両端とに、切取面積が拡大された角部取出拡大部を有するようにすれば、ティッシュペーパーが何枚も取り出されてしまうことをより容易に防止することができると共に、稜線の中心と両端とに形成された角部取出拡大部のうち好きなところからティッシュペーパーを取り出すことができ、取り出す方向をより好みに合わせて調節することができる。
【0012】
更に、下面に、上面取出口から切り取った上面切取片を挿入する挿入口を設けるようにすれば、ティッシュペーパーの残量が少なくなったときに、上面切取片を利用してティッシュペーパーを上方に持ち上げることができる。よって、ティッシュペーパーの残量が少なくなっても、容易に取り出すことができる。また、上面切取片を利用するので、新たな部材が必要なく、従来と変わらないコストで製造することができる。
【0013】
加えて、挿入口を、上面切取片の挿入方向における側面からの距離が上面切取片の長さよりも短くなる位置に設けるようにすれば、上面切取片を挿入口から挿入することにより上面切取片の端部が側面に当接して、上面切取片が上方に湾曲するので、容易にティッシュペーパーを上方に持ち上げることができる。
【0014】
更にまた、下面に、上面切取片の挿入側と反対側の端部を固定するための固定口を設けるようにすれば、上面切取片を挿入口から挿入した時に反対側の端部を固定することができ、より容易にティッシュペーパーを上方に持ち上げることができる。
【0015】
加えてまた、上面取出口において、切口の対向する位置に、対向方向に突出した少なくとも1対の上面突出部を有するようにすれば、ティッシュペーパーが傷ついてしまうことを防止しつつ、ティッシュペーパーが一度に何枚も取り出されてしまうことを防止することができる。よって、プラスチック製のフィルムを用いなくてもよく、生産工程の簡素化および製造コストの低減を図ることができると共に、リサイクル時の分別を容易とすることができる。
【0016】
更にまた、上面取出口を一方向に伸長した帯状とし、上面突出部を長手方向に並んで2対形成し、長手方向の中心と両端とに、切取面積が拡大された上面取出拡大部を有するようにすれば、ティッシュペーパーが何枚も取り出されてしまうことをより容易に防止することができると共に、上面取出口の中心と両端とに形成された上面取出拡大部のうち好きなところからティッシュペーパーを取り出すことができ、取り出す方向をより好みに合わせて調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る箱ティッシュの外観構成を表すものであり、図2は図1に示したI−I線に沿った断面構造を表すものである。この箱ティッシュは、直方体状の収納箱10と、この収納箱10の内部に収納されたティッシュペーパー20とを有している。ティッシュペーパー20は、例えば、2枚重ねの状態で、2つ折りあるいは3つ折りなどに折り畳まれ、交互に重ねて積層されている。例えば、2つ折りの場合について具体的に説明すると、図2に示したように、ティッシュペーパー20を約半分の大きさの2つ折りとし、交互に折り畳み方向を逆向きとして、下側に重ねられるティッシュペーパー20の上半分と、上側に重ねられるティッシュペーパー20の下半分とを、その間のティッシュペーパー20で挟んで積層した構造とされている。ティッシュペーパー20を折り畳んだ形状は、例えば、折線方向Xに長い長方形状とされている。
【0019】
収納箱10は、例えば、厚紙を折り曲げて組み立てることにより構成されている。収納箱10の内部には、積層したティッシュペーパー20を収納する収納部11が形成されており、ティッシュペーパー20は、収納箱10の上面12と下面13との対向方向を積層方向Zとして収納されている。収納箱10の上面12および下面13は、ティッシュペーパー20の折り畳み形状に合わせた形状とされており、例えば、ティッシュペーパー20の折線方向Xに長い長方形状とされている。
【0020】
収納箱10の上面12には、ティッシュペーパー20を取り出すための上面取出口12Aが切割線で切り取れるように形成されている。切割線というのは、ミシン目孔などにより断続的に切込みが入れられた線のことである。上面取出口12Aは、一方向、例えばティッシュペーパー20の折線方向Xに伸長した帯状とされていることが好ましい。次のティッシュペーパー20を引き出しつつ、ティッシュペーパー20を容易に取り出すことができるからである。
【0021】
上面取出口12Aには、例えば、切口の対向する位置に、対向方向に突出した少なくとも1対の上面突出部12Bが設けられていることが好ましい。上面取出口12Aに例えばプラスチック製のフィルムを張らなくても、ティッシュペーパー20が傷ついてしまうことを防止しつつ、ティッシュペーパー20が一度に何枚も取り出されてしまうことを防止することができるからである。具体的には、例えば図1に示したように、上面突出部12Bを上面取出口12Aの長手方向に並んで2対形成し、長手方向の中心と両端とに、切取面積が拡大された上面取出拡大部12Cをそれぞれ形成することが好ましい。ティッシュペーパーが何枚も取り出されてしまうことをより容易に防止することができると共に、上面取出拡大部12Cのうち好きなところからティッシュペーパー20を取り出すことができ、取り出す方向を好みに合わせて調節することができるからである。
【0022】
この収納箱10は、また、上面12と1つの側面14とにより構成される角部15に、切割線で形成された角部取出口15Aを有している。上面12のみでなく、使い方に合わせて他の方向からもティッシュペーパー20を取り出すことができるようにするためである。この角部取出口15Aは、角部15を構成する2面のそれぞれ一部、すなわち上面12および側面14のそれぞれ一部と、その2面に隣接する2つの側面16,17のそれぞれ一部とを切り取るように、角部15の稜線15Bに沿って形成されている。上面取出口12Aから取り出す場合と同様に、次のティッシュペーパー20を引き出しながら、ティッシュペーパー20を順に取り出すことができると共に、角部15の全体を露出させるので、ティッシュペーパー20が傷ついたり、一度に何枚も取り出されてしまうことを防止することができるからである。
【0023】
角部取出口15Aには、角部15を構成する2面の切口に、角部15の稜線15Bに向かって突出した角部突出部15Cが設けられていることが好ましい。プラスチック製のフィルムを張らなくても、ティッシュペーパー20が何枚も取り出されてしまうことをより容易に防止することができるからである。角部突出部15Cは、1つでも複数でもよく、角部15を構成する2面の切口のうち、一方の面側にのみ設けられていても、両方に設けられていてもよい。また、角部15を構成する2面の切口にそれぞれ角部突出部15Cを設ける場合には、互いに対向する位置に設けてもよく、対向していなくてもよい。中でも、角部15を構成する2面の切口に2対の角部突出部15Cを対向させて形成し、稜線15Bの中心と両端とに、切取面積が拡大された角部取出拡大部15Dを形成するようにすればより好ましい。ティッシュペーパー20が何枚も取り出されてしまうことをより容易に防止することができると共に、角部取出拡大部15Dのうち好きなところからティッシュペーパー20を取り出すことができ、取り出す方向をより好みに合わせて調節することができるからである。
【0024】
この箱ティッシュでは、使用の態様に応じて、上面取出口12Aあるいは角部取出口15Aの一方、またはその両方を切割線で切り取って開け、使用する。ティッシュペーパー20を取り出す際には、上面取出拡大部12Cまたは角部取出拡大部15Dのうち、好きなところから引き出すことにより、ティッシュペーパー20の取り出し方向をより細かく調節する。
【0025】
このように本実施の形態によれば、上面取出口12Aに加えて、角部取出口15Aを有するようにしたので、使用の態様に応じてティッシュペーパー20の取り出し方向を選択することができる。よって、上方が広く開放されていない状態、例えば、机の引き出しに収納して用いる場合に、引き出しを大きく引かなくてもティッシュペーパー20を容易に取り出すことができる。また、角部取出口15Aは、角部15を構成する2面のそれぞれ一部と、その2面に隣接する2つの側面のそれぞれ一部とを切り取るようにしたので、上面取出口12Aから取り出す場合と同様に、次のティッシュペーパー20を引き出しながら、ティッシュペーパー20を順に取り出すことができる。よって、ティッシュペーパー20を特別な折り畳み方や収納をする必要がなく、汎用性を高くすることができると共に、従来と変わらないコストで製造することができる。更に、角部15の全体を露出させることができるので、ティッシュペーパー20を容易に取り出すことができ、ティッシュペーパー20が傷ついたり、一度に何枚も取り出されてしまうことを防止することができる。
【0026】
特に、角部取出口15Aに角部突出部15Cを設けるようにすれば、または、上面取出口12Aに上面突出部12Bを設けるようにすれば、ティッシュペーパー20が傷ついてしまうことを防止しつつ、ティッシュペーパー20が何枚も取り出されてしまうことをより容易に防止することができる。よって、プラスチック製のフィルムを用いなくてもよく、生産工程の簡素化および製造コストの低減を図ることができると共に、リサイクル時の分別を容易とすることができる。
【0027】
また、角部取出口15Aに2対の角部突出部15Cを形成し、稜線15Bの中心と両端とに角部取出拡大部15Dを形成するようにすれば、または、上面取出口12Aに2対の上面突出部12Bを形成し、長手方向の中心と両端とに上面取出拡大部12Cを有するようにすれば、ティッシュペーパー20が何枚も取り出されてしまうことをより容易に防止することができると共に、角部取出拡大部15Dまたは上面取出拡大部12Cのうち好きなところからティッシュペーパー20を取り出すことができ、取り出す方向をより好みに合わせて調節することができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態に係る箱ティッシュの外観構成を表すものであり、図4は図3に示したII−II線に沿った断面構造を表すものである。なお、図4は使用状態を表すものであり、ティッシュペーパー20の記載を省略している。この箱ティッシュは、収納箱30の下面33の構造が異なることを除き、他は第1の実施の形態と同様の構成を有している。よって、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0029】
この収納箱30は、下面33に、上面取出口12Aから切り取った上面切取片12Dを挿入する挿入口33Aが切割線により形成されている。ティッシュペーパー20の残量が少なくなったときに、上面切取片12Dを利用してティッシュペーパー20を上方に持ち上げることができるので、新たな部材を用いることなく、容易にティッシュペーパー20を取り出すことができるからである。挿入口33Aは、例えば、上面切取片12Dの長手方向を、角部取出口15Aが設けられている角部15の側面14に向かって挿入できるように形成されていることが好ましい。上面取出口12Aまたは角部取出口15Aのどちらからティッシュペーパー20を取り出す場合にも効果を得ることができるからである。
【0030】
挿入口33Aを設ける位置は、例えば、上面切取片12Dの挿入方向における側面14からの距離Lが、上面切取片12Dの長手方向の長さよりも短くなるようにすることが好ましい。上面切取片12Dの端部12Eが側面14に当接して上面切取片12Dが上方に湾曲するので、容易にティッシュペーパー20を上方に持ち上げることができるからである。挿入口33Aは、例えば、側面14と平行に、上面切取片12Dの上面取出拡大部12Cの幅とほぼ同一かそれよりも少し長い直線状に形成されていることが好ましい。
【0031】
下面33には、また、挿入口33Aの近傍に、上面切取片12Dの挿入側と反対側の端部12Fを固定するための固定口33Bが切割線により設けられていることが好ましい。上面切取片12Dを挿入口33Aから挿入した時に反対側の端部12Fを固定することができ、より容易にティッシュペーパー20を上方に持ち上げることができるからである。固定口33Bは、例えば、挿入口33Aの側面14と反対側に、側面14と平行に、直線状に形成されていることが好ましい。固定口33Bの長さは、例えば、上面切取片12Dの上面取出拡大部12Cの幅よりも短いことが好ましい。上面切取片12Dの端部12Fが挿入方向と反対側に移動することを容易に防止することができるからである。
【0032】
この箱ティッシュでは、例えば、上面取出口12Aを切り取って使用する場合には、切り取った上面切取片12Dを下面33の挿入口33Aから挿入して保存しておく。そののち、ティッシュペーパー20の残量が少なくなり、次のティッシュペーパー20を引き出しにくくなったら、挿入口33Aに挿入しておいた上面切取片12Dを挿入方向に押し、上面切取片12Dを上方に湾曲させてティッシュペーパー20を上方に持ち上げる。その際、上面切取片12Dの端部12Fを固定口33Bに挿入して固定する。また、例えば、角部取出口15Aを切り取って使用する場合には、そのままティッシュペーパー20の残量が少なくなるまで使用し、取り出しにくくなったら、上面取出口12Aを切り取って下面33の挿入口33Aから挿入してティッシュペーパー20を上方に持ち上げる。
【0033】
このように本実施の形態によれば、下面33に上面切取片12Dを挿入する挿入口33Aを設けるようにしたので、ティッシュペーパー20の残量が少なくなったときに、新たな部材を用いることなく、上面切取片12Dを利用してティッシュペーパー20を上方に持ち上げることができる。よって、ティッシュペーパー20の残量が少なくなっても、容易に取り出すことができると共に、従来と変わらないコストで製造することができる。
【0034】
特に、挿入口33Aを、上面切取片12Dの挿入方向における側面14からの距離Lが上面切取片12Dの長さよりも短くなる位置に設けるようにすれば、上面切取片12Dの端部12Eが側面14に当接して、上面切取片12Dが上方に湾曲するので、容易にティッシュペーパー20を上方に持ち上げることができる。
【0035】
また、挿入口33Aを、角部取出口15Aが設けられている角部15の側面14に向かって上面切取片12Dを挿入するように設けるようにすれば、上面取出口12Aまたは角部取出口15Aのどちらからティッシュペーパー20を取り出す場合にも効果を得ることができる。
【0036】
更に、下面33に、上面切取片12Dの挿入側と反対側の端部12Fを固定する固定口33Bを設けるようにすれば、上面切取片12Dを挿入口33Aから挿入した時に反対側の端部12Fを固定することができ、より容易にティッシュペーパー20を上方に持ち上げることができる。
【0037】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、角部取出口15Aを上面12と側面14とにより構成される角部15に設けるようにしたが、例えば図5に示したように、下面13と1つの側面14とにより構成される角部45に角部取出口45Aを設けるようにしてもよい。この角部取出口45Aは、設けられている位置が異なることを除き、他は第1の実施の形態で説明した角部取出口15Aと同様の構成を有している。よって、図5では、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、角部取出口15Aと対応する構成要素には十の位を4に変えた符号を付して表している。
【0038】
また、上記実施の形態では、角部取出口15Aを1つ設ける場合について説明したが、複数設けるようにしてもよい。その場合、上面12の側の角部に複数設けるようにしてもよく、下面13の側の角部に複数設けるようにしてもよく、上面12の側の角部および下面13の側の角部に少なくとも1つずつ設けるようにしてもよい。なお、角部取出口を設ける位置は、ティッシュペーパー20の折線方向Xに位置する角部、すなわち角部15および角部15と稜線が平行な角部が好ましい。ティッシュペーパー20を容易に取り出すことができるからである。
【0039】
更に、上記実施の形態では、上面切取片12Dを挿入する挿入口33Aを1つ設ける場合について説明したが、複数設けるようにしてもよく、固定口33Bも複数設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る箱ティッシュの外観構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示した箱ティッシュのI−I線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る箱ティッシュの外観構成を表す斜視図である。
【図4】図3に示した箱ティッシュのII−II線に沿った断面図である。
【図5】本発明の変形例を表す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10,30,40…収納箱、11…収納部、12…上面、12A…上面取出口、12B…上面突出部、12C…上面取出拡大部、12D…上面切取片、12E,12F…端部、13,33…下面、14,16,17…側面、15,45…角部、15A,45A…角部取出口、15B,45B…稜線、15C,45C…角部突出部、15D,45D…角部取出拡大部、33A…挿入口、33B…固定口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体状の収納箱の内部に、交互に重ねて折り畳んだティッシュペーパーが収納され、収納箱の上面には、ティッシュペーパーを取り出すための上面取出口が切割線で切り取れるように形成された箱ティッシュであって、
上面または下面と1つの側面とにより構成される角部のうちの少なくとも1つに、その角部を構成する2面のそれぞれ一部と、その2面に隣接する2つの側面のそれぞれ一部とを切り取るように、切割線で形成された角部取出口を有する
ことを特徴とする箱ティッシュ。
【請求項2】
前記角部取出口は、その角部を構成する2面のうちの少なくとも一方の切口に、その角部の稜線に向かって突出した角部突出部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の箱ティッシュ。
【請求項3】
前記角部取出口は、その角部を構成する2面の切口の対向する位置に、その角部の稜線に向かって突出した2対の角部突出部を有し、前記稜線の中心と両端とに、切取面積が拡大された角部取出拡大部が形成された
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の箱ティッシュ。
【請求項4】
下面に、前記上面取出口から切り取った上面切取片を挿入する挿入口が切割線により形成された
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の箱ティッシュ。
【請求項5】
前記挿入口は、前記上面切取片の挿入方向における側面からの距離が前記上面切取片の長さよりも短くなる位置に設けられた
ことを特徴とする請求項4記載の箱ティッシュ。
【請求項6】
下面に、前記上面切取片を前記挿入口から挿入した時に、前記上面切取片の挿入側と反対側の端部を固定するための固定口が切割線により形成された
ことを特徴とする請求項4または請求項5記載の箱ティッシュ。
【請求項7】
前記上面取出口は、切口の対向する位置に、対向方向に突出した少なくとも1対の上面突出部を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1に記載の箱ティッシュ。
【請求項8】
前記上面取出口は、一方向に伸長した帯状であり、前記上面突出部を長手方向に並んで2対有し、長手方向の中心と両端とに、切取面積が拡大された上面取出拡大部が形成された
ことを特徴とする請求項7記載の箱ティッシュ。
【請求項9】
直方体状の内部にティッシュペーパーを収納するための収納部が形成され、上面には、ティッシュペーパーを取り出すための上面取出口が切割線で切り取れるように形成された収納箱であって、
上面または下面と1つの側面とにより構成される角部のうちの少なくとも1つに、その角部を構成する2面のそれぞれ一部と、その2面に隣接する2つの側面のそれぞれ一部とを切り取るように、切割線で形成された角部取出口を有する
ことを特徴とする収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−220859(P2009−220859A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67680(P2008−67680)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【特許番号】特許第4216896号(P4216896)
【特許公報発行日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(508081167)
【復代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
【出願人】(508081189)
【出願人】(508081215)
【復代理人】
【識別番号】100131026
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 博
【Fターム(参考)】