説明

箱詰システム

【課題】箱詰めされる物品列の搬送中に物品列の姿勢を乱すことなく、かつ、物品列の姿勢を整えながら、物品列を搬送して箱詰めの充填効率を向上させる。
【解決手段】複数の物品M同士の側面が互いに接触して複数の物品が一列に並んだ物品列の底部を下方から支持する搬送面65と、物品列における側面に隣接する後端Mdを前方に向かって押すことで、搬送面上の物品列を搬送する押し部61と、搬送面上を搬送される物品列における搬送方向に直交する幅方向の両端の側面に接触して物品列を案内する一対の案内板80と、物品列から一部の物品が前方に突出するのを抑制する矯正部9とを備える。矯正部は、物品列の前端Mfに接触することが可能なバー91と、バーの端部においてバーに連なり水平軸線の回りに回転する一対のアーム92と、バーが接触位置PTと退避位置PAとの間を移動するようにアームを回転駆動させる第1駆動部63とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱詰めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、組み合わせ計量装置や製袋包装機を含む生産ラインにおいては、袋のシール不良を検査するシールチェッカ等の検査装置や、検査を終えた正常品の袋を縦に複数並べた後、段ボール箱へ箱詰めする搬送装置等が用いられている。近年、流通コストの低減等のため、できるだけ高密度に物品を箱詰めすることが望まれている。これを実現するための装置として、例えば、特許文献1(特開2004−155428号公報)には、立ち姿勢で水平方向に整列させて1群の物品を形成し、開口部が水平方向を向いた段ボール箱に対する押し込み位置を鉛直方向に変えながら前述の1群の物品を押し込んでいく箱詰め装置が開示されている。これによれば、高速かつ確実に、物品を多段多層に箱詰めすることができる。また、物品を3次元的に整列集合させてダンボール箱等に箱詰めするシステムとして、特許文献2(特開2004−75174号公報)が周知である。なお、ここでは、段ボール箱の開口部が水平方向を向くように配置したときの、水平方向(奥行き方向)のならびを「段」、鉛直方向のならびを「層」という。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の箱詰め装置では、以下に示すような問題点を有している。
【0004】
すなわち、段ボール箱に対して一定の向き(縦向き)で物品を箱詰めする上記従来の箱詰め装置では、段ボール箱や物品のサイズによって発生する空間、例えば、段ボール箱に対して縦向きでは箱詰めできなくても横向きであれば箱詰めできる空間に対して、物品を箱詰めすることができない。また、かかる箱詰めにおいて、物品列の搬送中に物品列の姿勢が乱れたり、あるいは、物品列の姿勢が整っていないと箱詰めされた物品の充填効率が低下する。
【0005】
本発明の課題は、箱詰めされる物品列の搬送中に物品列の姿勢を乱すことなく、かつ、物品列の姿勢を整えながら、物品列を搬送して箱詰めの充填効率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る箱詰めシステムは、一対の側面と側面に連なる底部とを備えた袋に内容物を収容した複数の物品を箱に詰める箱詰システムであって、複数の物品同士の側面が互いに接触して複数の物品が一列に並んだ物品列の底部を下方から支持する搬送面と、物品列における側面に隣接する後端を前方に向かって押すことで、搬送面上の物品列を搬送する押し部と、搬送面上を搬送される物品列における搬送方向に直交する幅方向の両端の側面に接触して物品列を案内する一対の案内板と、物品列から一部の物品が前方に突出するのを抑制する矯正部とを備え、矯正部は、物品列における後端とは反対の前端に接触することが可能なバーと、バーの端部においてバーに連なり水平軸線の回りに回転する一対のアームと、バーが物品列の前端に接触する接触位置とバーが物品列の搬送の邪魔にならない退避位置との間を移動するようにアームを回転駆動させる第1駆動部とを有している。
【0007】
なお、ここで言う前方とは、箱詰めシステムにおける物品列の搬送方向をいい、物品列は、押し部によって搬送方向下流側方向に押し出される。
【0008】
かかる態様によれば、バーを接触位置に回転させることにより、物品列のうち一部の物品が前方に突出するのを抑制して、物品列が型崩れするのを防止できる。そのため、不定形な袋状の物品の列であっても物品列の搬送が可能となるので、箱詰めが可能となる。
【0009】
第2の発明に係る箱詰めシステムは、第1の発明に係る箱詰めシステムにおいて、一対の案内板の間の距離が変化するように少なくとも一方の案内板を幅方向に移動自在に支持する支持部と、案内板を幅方向に移動させる第2駆動部とを更に備えているのが好ましい。
【0010】
かかる態様によれば、物品列における物品相互のピッチを小さくすることができるので、箱詰めの充填効率が向上する。
【0011】
第3の発明に係る箱詰めシステムは、第2の発明に係る箱詰めシステムにおいて、バーがアームと共に回転する軌跡に沿ってバーの回転を許容するために、案内板に円弧状のスリットが形成されているのが好ましい。
【0012】
かかる態様によれば、バーが存在する部分についても案内板を設けることができるから、物品列の案内を確実に行うことができる。
【0013】
また、バーに袋が接触した状態で両案内板を互いに近づけることができるので、物品列の整列状態が乱れにくい。
【0014】
第4の発明に係る箱詰めシステムは、第1から第3の発明のいずれか1つに係る箱詰めシステムにおいて、退避位置におけるバーの位置が搬送面よりも下方であるのが好ましい。
【0015】
かかる態様によれば、バーが袋の進行(搬送)を妨げないので、物品列の搬送がスムースになる。
【0016】
また、上方にバーを逃がすのではなく下方に逃がすので、物品列を搬送する押し部を上方に配置できる。しかも、バーを逃がしつつ物品を搬送できるので、時間の短縮化を図ることができる。
【0017】
第5の発明に係る箱詰めシステムは、第1から第4の発明のいずれか1つに係る箱詰めシステムにおいて、バーの接触位置を任意の位置に設定可能であるのが好ましい。
【0018】
かかる態様によれば、バーの接触位置を任意の位置に設定することにより、種々の大きさの袋サイズの物品に対応可能することができる。
【0019】
第6の発明に係る箱詰めシステムは、第1から第5の発明のいずれか1つに係る箱詰めシステムにおいて、搬送面のうちの一部の搬送面が水平軸線のまわりに回転可能に設けられて回転プレートが形成され、回転プレートは物品列を水平軸線のまわりに90°回転させて、物品列の前端が下端となる姿勢に変更させるのが好ましい。
【0020】
かかる態様によれば、回転プレートを回転させることにより、物品列の姿勢を選択的に変更することが可能である。このように、物品列の姿勢を変更可能なことから、箱詰の形態の多様化が実現可能となる。
【0021】
第7の発明に係る箱詰めシステムは、一対の側面と側面に連なる底部とを備えた袋に内容物を収容した複数の物品を箱に詰める箱詰システムであって、複数の物品同士の側面が互いに接触して複数の物品が一列に並んだ物品列の底部を下方から支持する搬送面と、物品列における側面に隣接する後端を前方に向かって押すことで、搬送面上の物品列を搬送する押し部と、搬送面上を搬送される物品列における搬送方向に直交する幅方向の両端の側面に接触して物品列を案内する一対の案内板と、搬送面のうちの一部の搬送面が水平軸線のまわりに回転可能に設けられて形成され、物品列を水平軸線のまわりに90°回転させて物品列の前端が下端となる姿勢に変更させる回転プレートとを備えている。
【0022】
かかる態様によれば、物品列の姿勢を選択的に変更することが可能となる。そのため、物品の箱詰の形態の多様化が実現可能となる。
【0023】
第8の発明に係る箱詰めシステムは、第6または第7の発明に係る箱詰めシステムにおいて、回転プレートの下流に設けられ物品列を下方から支持すると共に、開くことにより支持した物品列を下方に落下させるシャッタを更に備えているのが好ましい。
【0024】
かかる態様によれば、シャッタを開くことにより物品列が落下する際に、各物品が互いに同期して下方に落下するので、物品列の整列状態が乱れにくい。
【0025】
第9の発明に係る箱詰めシステムは、第8の発明に係る箱詰めシステムにおいて、シャッタの下方には、シャッタが開いた際に落下する物品列を受け止める昇降台が設けられ、昇降台は物品列を受け止めた後に、当該物品列の高さに応じた高さだけ下降するのが好ましい。
【0026】
かかる態様によれば、物品列を複数段積みし、重ねることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る箱詰めシステムによれば、物品列のうち一部の物品が前方に突出するのを抑制して、物品列が型崩れするのを防止できる。そのため、不定形な袋状の物品の列であっても物品列の搬送が可能となるので、箱詰めが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る箱詰め装置の内部構成を示す側面図。
【図2】図1の箱詰め装置を示す側面図。
【図3】図1の箱詰め装置における商品の搬送経路を示す模式図。
【図4】図1の箱詰め装置に含まれる搬送機構と受渡し間隔を示した側面図。
【図5】図1の箱詰め装置に含まれる箱詰め機構の構成を示す側面図。
【図6】縦置き形態に集積する際の商品の受渡し間隔を示した説明図。
【図7】図1の箱詰め装置に含まれる搬送機構と受渡し間隔を示した側面図。
【図8】平置き形態に集積する際の商品の受渡し間隔を示した説明図。
【図9】平置き形態に集積する際の商品の離隔量を示した説明図。
【図10】図1の箱詰め装置に含まれる搬送機構と受渡し間隔を示した側面図。
【図11】サシミ置き形態に集積する際の商品の受渡し間隔を示した説明図。
【図12】サシミ置き形態に集積する際の商品の離隔量を示した説明図。
【図13】段ボール箱に対する箱詰め方法の一例を示した正面図。
【図14】図1の箱詰め装置に含まれるバケットの軌道軌跡と受渡し時における商品の動きを示した説明図。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る箱詰システムを示す概略側面図。
【図16】物品の集積および箱詰工程を示す工程図。
【図17】(a),(b)は、図15の箱詰めシステムに含まれる搬送装置を示す概略側面図。
【図18】(a),(b)は、図15の箱詰めシステムに含まれる搬送装置を示す概略側面図。
【図19】図15の箱詰めシステムに含まれる伸縮コンベヤおよび受渡し装置を示す概略斜視図。
【図20】図15の箱詰めシステムに含まれる伸縮コンベヤおよび受渡し装置を示す概略斜視図。
【図21】図15の箱詰めシステムに含まれる集積装置を示す概略正面図。
【図22】図15の箱詰めシステムに含まれる受渡し装置を示す概略正面図。
【図23】図15の箱詰めシステムに含まれる整列装置を示す概略平面図。
【図24】図15の箱詰めシステムに含まれる整列装置を示す概略正面図。
【図25】(a)〜(d)は、図24に示される整列装置における物品の集積方法を示す動作図。
【図26】図15の箱詰めシステムに含まれる搬送装置および集積装置を示す概略平面図。
【図27】(a),(b)は、物品列の搬送方法を示す概略斜視図。
【図28】(a),(b)は、物品列の搬送方法を示す概略斜視図。
【図29】搬送面近傍の物品列搬送装置を示す概略側面図。
【図30】(a),(b)は、物品列の搬送方法を示す概略側面図。
【図31】(a)は物品列の搬送方法を示す概略側面図、(b)はストッパ角度記憶部の記憶内容を示す図表。
【図32】(a),(b)は、回転プレートの動作を示す概略側面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
本発明の一実施形態に係る箱詰め装置1について、図1〜図14を用いて説明すれば以下の通りである。
【0030】
[箱詰め装置100全体の構成]
本発明の実施の形態に係る箱詰め装置100は、図1〜図3に示すように、スナック菓子を納めた軟包材によって形成された四角形状の袋である商品(物品)Xを搬送して段ボール箱(箱)Yに箱詰めにするための装置である。箱詰め装置100は、搬送装置110と、受渡し機構120と、箱詰め機構130と、を備えている。
【0031】
[搬送装置110の構成]
搬送装置110は、箱詰め装置100の最上流側に配置されており、図2に示すように、上流側のコンベア100から搬送されてくる商品Xを順次下流側へ搬送方向a(図3参照)に沿って搬送する。そして、搬送装置110は、図2,図3に示すように、取り込みコンベア111と、一対のサイドコンベア112,113と、を有している。
【0032】
取り込みコンベア111は、箱詰め装置100の最上流側に配置されており、上流側のコンベア200から搬送されてくる商品Xを搬送方向aに沿って下流側へ搬送する。
【0033】
ここで、コンベア200は、搬送方向aに沿って両端側にガイド201を有している。そして、コンベア200の搬送速度は、取り込みコンベア111の搬送速度よりも遅くなるように設定されている。また、上流側のコンベア200の搬送面は、取り込みコンベア111の搬送面よりも摩擦抵抗が小さくなっており、搬送面上を多少滑らせながら商品Xを搬送させることができる。
【0034】
一対のサイドコンベア112,113は、商品Xの搬送方向aから見て、略ハの字状に取り込みコンベア111の上方に配置されている。また、サイドコンベア112,113は、商品Xの搬送方向aと交差する方向における取り込みコンベア111の搬送面の両端側において、商品Xとそれぞれ当接して商品Xを所定の速度で下流側へ搬送方向aに沿って搬送する。
【0035】
[受渡し機構120の構成]
受渡し機構120は、図3に示すように、搬送装置110の下流側に隣接して配置されており、上流側の搬送装置110から搬送方向aに沿って下流側へ搬送されてくる商品Xを受け取って受渡し位置Qに起立姿勢で袋を順次並べる。そして、受渡し機構120は、図1に示すように、支持プレート121と、4台のパドル(受渡し部)122と、を有している。
【0036】
支持プレート121は、図1に示すように、搬送装置110の下流側において、搬送方向aと略対向するように、本体ケース1aの側面部に取り付けられており、中央部に有している回転軸123によって回転可能に支持されている円形プレートである。
【0037】
4台のパドル122は、搬送装置110の直下流側において、支持プレート121の側面部に円状にそれぞれ配置されており、櫛歯状の載置面をそれぞれ有している。また、パドル122は、それぞれ回転軸を有しており、回転可能に支持プレートにそれぞれ取り付けられている。
【0038】
ここで、パドル122の動作についてより具体的に説明する。
【0039】
まず、図1に示すP1の位置において、パドル122は、上流側の搬送装置110から搬送されてくる商品Xを略水平状態で受け取る。この際、受け取った商品Xは図示しない吸引装置によってパドル122の櫛歯状の載置面に固定された状態で保持される。
【0040】
次に、支持プレート121が回転軸123を中心にして回転方向dの方向に約90°回転する。この間に、パドル122は回転軸122aを中心にして商品Xが起立姿勢となるように約90°回転方向eの方向に回転して図1に示すP2の位置に移動する。このとき、P2(受渡し位置Q)におけるパドル122の水平方向に対する角度は略90度である。そして、下流側の受渡し位置Qに商品Xを起立姿勢で搬送する。この際、受渡し位置Qにはバケット(載置部)141,142(後段にて詳述)のうち、いずれか一方が配置されており、商品Xを起立姿勢のまま受け取る。
【0041】
さらに、パドル122は、図1に示すP2の位置から支持プレート121が回転軸123を中心にして回転方向dの方向に約90°回転する間に、パドル122が約90°回転方向eの方向に回転軸122aを中心に回転して図1に示すP3の位置に移動する。同様にして、パドル122は、P3の位置からP4の位置に移動する。
【0042】
このような動作を支持プレート121の側面部に配置された4台のパドル122が順次行うことによって、上流側の搬送装置110から搬送される商品Xを下流側の受渡し位置Qに起立姿勢で搬送することができる。
【0043】
[箱詰め機構130の構成]
箱詰め機構130は、図1,図3に示すように、受渡し機構120の下流側に隣接して配置されており、受渡し位置Qにおいて、上流側の受渡し機構120から起立姿勢で受渡される商品Xを整列させて所望の形態に集積された1群の商品X(以下、物品Xの束と示す)を形成し、搬送方向bに沿って排出位置Rまで搬送する。さらに、箱詰め機構130は、上記のように、排出位置Rまで商品Xの束が搬送されてくると、排出位置Rの側面側にセットされているダンボール箱Yへ商品Xの束を集積状態のまま排出して箱詰めする。そして、箱詰め機構130は、搬送機構(搬送装置)140と、排出機構(詰め込み部)150と、を有している。
【0044】
(搬送機構140の構成)
搬送機構140は、図1に示すように、受渡し機構120の下流側に隣接して配置されている。そして、搬送機構140は、図1に示すように、搬送チェーン(搬送部)143,144と、バケット141,142と、駆動部147,148と、制御部149を有しており、上流側の受渡し機構120から所定の位置Qに起立姿勢で受渡される商品Xを順に受け取って、所定の個数の商品Xを整列させて物品Xの束を形成し、下流側の排出位置Rへ搬送する。
【0045】
搬送チェーン143,144は、図1に示すように、搬送機構140における上流側と下流側とにおいて、それぞれ1つずつ設けられている一対の回転軸145,146の間をそれぞれ独立して回転する。そして、搬送チェーン143,144に取り付けられているバケット141,142を、上流側の受渡し位置Qから下流側の排出位置Rまで搬送する。
【0046】
バケット141,142は、図1に示すように、搬送チェーン143,144にそれぞれ取り付けられており、搬送機構140における上流側と下流側とにおいて、それぞれ1つずつ設けられている一対の回転軸145,146の間をそれぞれ独立して走行する。また、バケット141,142は、それぞれ複数の底板141a,142aを組み合わせて構成されている。バケット141,142において、商品Xを起立姿勢に保持するため、上流側の端部の底板141a,142aには仕切り板141b,142bがそれぞれ設けられている。
【0047】
制御部149は、パドル122から商品Xを受け取る際のバケット141,142の間欠搬送時における間欠送り量(受渡し間隔)を制御、すなわち、バケット141,142が取り付けられている搬送チェーン143,144の搬送距離を制御する。
【0048】
ここで、バケット141,142における商品Xの搬送方法について、バケット141を例に挙げて図1および図4を用いて以下においてより具体的に説明する。
【0049】
上流側のパドル122から商品Xが搬送されてくると、下流側に待機しているバケット141は、図4に示すように、所定の間隔(受渡し間隔)(以下、受渡し間隔と示す)CLだけ下流側に移動して、パドル122から受渡される商品Xを載置していく。なお、受渡し間隔CLを切り換えることによって、物品Xの束の整列状態、すなわち、集積形態を変えることが可能となるが、これについては後段にて詳述する。なお、以下の説明は、商品Xが起立姿勢を確保できる状態でバケット141に載置されたものとして説明する。
【0050】
次に、バケット141は、上流側から受渡された商品Xを所定の個数分載置すると、下流側の排出位置Rまで商品Xの束を起立姿勢のまま搬送方向bに沿って搬送する。この際、図1に示すように、バケット141の搬送方向bにおける上流側に隣接して待機していたバケット142が下流側に速やかに移動して、上記バケット141と同様にパドル122から商品Xを順に起立姿勢で受け取る。
【0051】
また、バケット141,142では、図1に示すように、複数の底板141a,142aが上流側から下流側に向かって所定の角度で傾斜しており、商品Xを搬送する際に下流側の底板141a,142aのほうがより高くなるように配置されている。このため、バケット141の上流側の底板141aにバケット142の下流側の底板142aが一部オーバーラップ状態となって重なることができるようになっている。
【0052】
これにより、バケット142は、受渡し位置Qにより近い位置で待機することができるので、バケット141が下流側の排出位置Rへ移動すると速やかに搬送方向bにおける下流側に移動して、上流側から商品Xを受け取ることができる。なお、バケット141も同様にしてバケット142の上流側の底板142aに一部重なることができるようになっている。
【0053】
次に、バケット141は、後段にて詳述する排出機構150によってバケット141に起立姿勢で載置されている商品Xの束が排出されると、搬送機構140上をさらに搬送方向bの方向に移動する。そして、バケット141は、搬送機構140の下流側の端部まで移動すると搬送機構140の下部に回り込んで搬送方向bと反対の方向に移動してバケット142の搬送方向bにおける直上流側まで移動して待機する。そして、バケット142が所定の個数だけ上流側から商品Xを受け取って排出位置Rへ移動すると、速やかに搬送方向bにおける下流側へ移動して上記と同様に商品Xを上流側から順に所定の個数だけ受け取る。
【0054】
(排出機構150の構成)
排出機構150は、図3に示すように、上述した搬送機構140の下流側に隣接して配置されており、搬送機構140によって排出位置Rまで搬送されて起立姿勢で整列されている商品Xの束を、2段階の横送りによってダンボール箱Yに押し込む。また、排出機構150は、図5に示すように、第1横送り機構151と、第2横送り機構152と、リフト機構153と、を有している。
【0055】
第1横送り機構151は、上述した搬送機構140において排出位置Rまで移動してきた商品Xの束を図3に示す矢印c方向に横送りして、リフト機構153上へと搬送する。
【0056】
リフト機構153は、図5に示すように、第1横送り機構151によって搬送機構140から横送りされた複数の商品Xの束を、第2横送り機構152によって横送り可能な高さ位置まで略鉛直方向に移動させる。
【0057】
第2横送り機構152は、第1横送り機構151の上段に配置されており、後述するリフト機構153によって持ち上げられた商品Xの束を、リフト機構153から段ボール箱Y内へと押し込んで箱詰めする。
【0058】
本実施形態における箱詰め装置100は、段ボール箱Yへの搬入位置を鉛直方向に変えながら、上述したような排出機構150による動きの繰り返すことによって、商品の束が数層に格納された状態に箱詰めすることが可能となる。
【0059】
[受渡し間隔CLの切り換え制御の説明]
次に、制御部149によるパドル122からバケット141,142に商品Xを受渡す際の受渡し間隔CLの切り換え制御について説明する。
【0060】
なお、受渡し間隔CLとは、バケット141,142において隣接する下流側に載置された商品Xの搬送方向における上流側端部と受渡し位置Qとの搬送方向における距離を言い、図4,図7,図10で示すと、それぞれCL1,CL2,CL3が、それぞれ該当する受渡し間隔CLとなる。
【0061】
本実施形態の箱詰め装置100においては、制御部149が、パドル122から商品Xを受け取る際のバケット141,142の間欠搬送時における間欠送り量を制御、すなわち、バケット141,142が取り付けられている搬送チェーン143,144の搬送距離を制御することで受渡し間隔CLを切り換えている。
【0062】
以下、集積形態の種類(縦置き形態,平置き形態,サシミ置き形態)と受渡し間隔CLとの関係について説明する。
【0063】
(縦置き形態)
縦置き形態とは、図4に示すように、パドル22から起立姿勢で受け取った商品Xをそのままの起立姿勢で順番に整列させて、バケット141,142上に載置した状態をいう。
【0064】
本実施形態の箱詰め装置100においては、縦置き形態を実現するための受渡し間隔CL1を、起立姿勢の商品Xの搬送方向における長さの約半分(CL1=t1/2)としている。
【0065】
なお、本実施形態のように商品Xが、スナック菓子を納めた軟包材によって形成された形状の場合、起立姿勢における商品Xの搬送方向における長さとは、図6に示すように、最も厚みが大きな部分の厚みt1をさす。また、ここでは、受渡し間隔CLの定義上、CL1=t1/2となるが、受渡し位置Qと一つ前にバケット141,142に受渡された商品Xの搬送方向における中心位置との距離は、商品Xの厚みt1に該当する。
【0066】
この場合、受渡し位置Qにおいてパドル122から受けた渡された商品X1は、図6に示すように、体勢を崩すことなくそのまま起立した状態で一つ前の商品X2にもたれかかることになる。これにより、受渡し時の起立姿勢の商品X(X1,X2,・・・)を前後に並べた縦置き形態の集積形態を形成することができる。
【0067】
(平置き形態)
平置き形態とは、図7に示すように、商品Xの面積が最も大きな面を略鉛直方向に向けた状態、いわゆる平置きの状態で搬送方向に前後に並べて、バケット141,142上に載置した状態をいう。なお、このとき、商品Xの長手方向が搬送方向に向いているか、搬送方向とは直交する方向に向いているかは問わない。
【0068】
本実施形態の箱詰め装置100においては、平置き形態を実現するための受渡し間隔CL2を、起立姿勢の商品Xがバケット141,142に受渡された後の転倒した状態において、その商品Xの搬送方向における長さt2以上(CL2>=t2)としている。なお、本実施形態のように商品Xが、スナック菓子を納めた軟包材によって形成された形状の場合、転倒姿勢における商品Xの搬送方向における長さとは、図8(a)に示されたt2をさす。
【0069】
この場合、受渡し位置Qにおいてパドル122から受渡された商品X1は、図8(b)に示すように、一つ前に載置された商品X2に接触することがないので、結果的に移動するバケット141,142に対して最も安定した状況である転倒した状態となる。また、商品Xが載置されたパドル122の回動軌道は、図14に示すように、バケット側の端部が受渡し位置Qにおいてほとんど動かず、バケット側と反対側の端部が、バケットの進行方向に向き(i方向)に移動して商品を押し出すことから、起立姿勢における商品Xの上端側をバケットの進行方向に対して安定して反転させることができる。これにより、受渡し位置における起立姿勢の商品Xが、矢印g方向(図8(b)参照)に反転して倒れた状態の商品X(X1,X2,・・・)を前後に並べた平置き形態の集積形態を形成することができる。
【0070】
さらに、本実施形態の箱詰め装置100においては、上記に示した所定の受渡し間隔CL2の範囲において、受渡し間隔CLを調整することによって集積形態のバリエーションを増やしている。すなわち、平置き状態に載置される商品X(X1,X2,・・・)の離隔量S1,S2を調整することによって、例えば、図9(a),(b)に示すように、平置き集積における形態のバリエーションを増やすことができる。
【0071】
(サシミ置き形態)
サシミ置き形態とは、図10に示すように、搬送方向において隣接する商品Xの一部が重なるようにして搬送方向に前後に並べて集積した状態をいう。なお、このとき、長手方向が搬送方向に向いているか、搬送方向とは直交する方向に向いているかは問わない。
【0072】
本実施形態の箱詰め装置100においては、サシミ置き形態を実現するための受渡し間隔CL3を、起立姿勢の商品Xがバケット141,142に受渡された後の転倒した状態において、商品Xの搬送方向における長さt3より短く(CL3<t3)している。なお、本実施形態のように商品Xが、スナック菓子を納めた軟包材によって形成された形状の場合、転倒姿勢における商品Xの搬送方向における長さとは、図11(a)に示されたt3をさす。
【0073】
この場合、受渡し位置Qにおいてパドル122から受けた渡された商品X1は、一つ前に載置された商品X2に接触することがないので矢印h方向(図11(b)参照)に転倒する。しかし、商品X1は、図11(b)に示すように、前述の平置きの状態となるまで転倒せず、一つ前の商品X2の一部と重なり合った状態となる。また、商品Xが載置されたパドル122の回動軌道は、図14に示すように、バケット側の端部が受渡し位置Qにおいてほとんど動かず、バケット側と反対側の端部が、バケットの進行方向に向き(i方向)に移動して商品を押し出すことから、起立姿勢における商品Xの上端側をバケットの進行方向に対して安定して反転させることができる。これにより、前後の商品X(X1,X2,・・・)同士が一部重なり合った状態で前後に並べた、いわゆるサシミ置きの集積形態を形成することができる。
【0074】
さらに、本実施形態の箱詰め装置100においては、上記に示した所定の受渡し間隔CL3の範囲において、受渡し間隔CLを各種調整することによって集積形態のバリエーションを増やしている。すなわち、サシミ置き状態に載置される商品X(X1,X2,・・・)の重ね合わせ量L1,L2を調整することによって、例えば、図12(a),(b)に示すように、サシミ置き集積における形態のバリエーションを増やすことができる。
【0075】
なお、本実施形態の箱詰め装置100のように、バケット141,142の上流側の端部に仕切り板141b,142bがそれぞれ設けられている場合には、その仕切り板141b,142bと商品Xの束を形成する最初の1個(搬送方向先頭)の商品Xとの距離を制御することによって、さらに集積方法のバリエーションを増やすことができる。これにより、例えば、サシミ置き形態を実現する場合、図10に示すように、商品Xの束を形成する最初の商品Xを仕切り板141b,142bにもたれかかるように集積、あるいは、図11(a),(b)に示すように、最初の商品Xを完全に転倒した状態に集積することが可能となる。
【0076】
[排出機構150における箱詰めの説明]
本実施形態における箱詰め装置100では、上記に示したように、搬送機構140において受渡し間隔を制御しながら多種多様な集積形態を実現することによって、段ボール箱の開口部に対して箱詰めする商品Xの向きを変えることが可能となる。
【0077】
例えば、縦置き形態の状態に集積された商品Xの束を排出機構150によって箱詰めし、次に、同じく縦置き形態の状態に集積された商品Xの束を排出機構150によって箱詰めし、次に、平置き形態の状態に集積された商品Xの束を排出機構150によって箱詰めすることによって、段ボール箱Yには、図13に示すような商品Xの箱詰めが可能となる。
【0078】
[箱詰め装置100の特徴]
(1)
本実施形態の箱詰め装置100は、図4,図7,図10に示すように、所望の集積状態に応じて、パドル122からバケット141,142に商品Xを受渡す際の受渡し間隔CLを切り換えている。
【0079】
これにより、外部から1個ずつ受け入れた商品Xを異なる姿勢で整列させ、商品Xの束の集積形態を、平置き形態、サシミ置き形態、縦置き形態等に変えることが可能となる。
【0080】
この結果、受渡し間隔CLを切り換えることで所望の集積形態を容易に形成することが可能となり、このように形成された商品Xの束を段ボール箱Yの開口部に押し込むことによって箱詰めする商品Xの向きを変えることが可能となる。
【0081】
(2)
本実施形態の箱詰め装置100では、一定速度で回動するパドル122に対して、制御部149が、商品Xを受け取る側のバケット141,142を移送する搬送チェーン143の搬送距離を制御している。具体的には、パドル122から商品Xを受け取って、次の商品Xを受け取るまでのバケット141,142の搬送方向bにおける移動距離が集積形態(平置き形態、サシミ置き形態、縦置き形態)に応じた受渡し間隔CLとなるように搬送チェーン143の搬送距離を制御している。
【0082】
これにより、集積形態に応じた受渡し間隔CL(CL1,CL2,CL3)を確保することが可能となる。
【0083】
(3)
本実施形態の箱詰め装置100においては、図4に示すように、縦置き形態を実現するための受渡し間隔CL1を、起立姿勢の商品Xの搬送方向における長さの約半分(CL1=t1/2)としている。
【0084】
これにより、受渡し位置Qにおいてパドル122から受けた渡された商品X1は、図6に示すように、起立した体勢を崩すことなくそのまま起立した状態で一つ前の商品X2にもたれかかることになる。これにより、受渡し時の起立姿勢の商品X(X1,X2,・・・)を前後に並べた縦置き形態の集積形態を形成することができる。
【0085】
この結果、一つ前の商品Xにもたれかかった状態、かつ、ほとんど転倒しない状態で並べた縦置きの集積形態を形成することができる。
【0086】
(4)
本実施形態の箱詰め装置100においては、図7に示すように、平置き形態を実現するための受渡し間隔CL2を、起立姿勢の商品Xがバケット141,142に受渡され搬送方向に転倒した状態において、その商品Xの搬送方向における長さt2以上(CL2>=t2)としている。
【0087】
これにより、受渡し位置Qにおいてパドル122から受渡された商品X1は、図8(b)に示すように、一つ前に載置された商品X2に接触することがないので、結果的に移動するバケット141,142に対して最も安定した状況である完全に転倒した状態となる。この結果、受渡し時の起立姿勢から反転して倒れた平置きの状態の商品Xを前後に並べた平置き形態の集積形態を形成することができる。
【0088】
(5)
本実施形態の箱詰め装置100では、図10に示すように、サシミ置形態を実現するための受渡し間隔CL3を、起立姿勢の商品Xがバケット141,142に受渡され搬送方向に転倒した状態において、商品Xの搬送方向における長さt3より短く(CL3<t3)している。
【0089】
これにより、受渡し位置Qにおいてパドル122から受けた渡された商品X1は、一つ前に載置された商品X2に接触することがないので矢印h方向(図11(b)参照)に転倒する。しかし、商品X1は、図11(b)に示すように、前述の平置きの状態となるまで転倒せず、一つ前の商品X2の一部と重なり合った状態となる。
【0090】
この結果、一つ前の物品の一部と重なり合った状態で前後に並べた、いわゆるサシミ置きの集積形態を形成することができる。
【0091】
(6)
本実施形態の箱詰め装置100では、平置き形態において、上記の受渡し間隔CL2の範囲内で受渡し間隔CLを調整することで集積形態のバリエーションを増やしている。すなわち、平置き状態に載置される商品X(X1,X2,・・・)の離隔量S1,S2を調整することによって、図9(a),(b)に示すように、平置き集積における形態のバリエーションを増やしている。
【0092】
また、サシミ置き形態において、上記の受渡し間隔CL3の範囲内で受渡し間隔CLを調整することで集積形態のバリエーションを増やしている。すなわち、サシミ置き状態に載置される商品X(X1,X2,・・・)の重ね合わせ量L1,L2を調整することによって、図12(a),(b)に示すように、サシミ置き集積における形態のバリエーションを増やしている。
【0093】
(7)
本実施形態の箱詰め装置100では、商品Xが載置されたパドル122の回動軌道が、図14に示すように、バケット側に端部が受渡し位置Qにおいてほとんど動かず、バケット側と反対側の端部が、バケットの進行方向(i方向)に動くように形成される。
【0094】
これにより、パドル122が商品Xの上端側を押し出すこととなり、起立姿勢における商品Xの上端側をバケットの進行方向に対して安定して反転させることができる。
【0095】
(8)
本実施形態の箱詰め装置100では、パドル122は、回転軸122aを中心にして商品Xが起立姿勢となるように約90°回転方向eの方向に回転して図1に示すP2の位置に移動する。このとき、P2(受渡し位置Q)におけるパドル122の水平方向に対する角度は略90度である。
【0096】
これにより、商品Xがパドル122から確実に離れることになるので、商品Xをバケット141,142へ確実に受渡すことが可能となる。
【0097】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0098】
(A)
上記実施形態の箱詰め装置100では、バケット141,142が取り付けられている搬送チェーン143,144の搬送距離を制御することで受渡し間隔CLを切り換えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0099】
例えば、パドルがとりつけられている支持プレートの回動速度を制御することで受渡し間隔を切り換えてもよい。すなわち、回動速度を遅くすることによって一定速度で動くバケットに対して受渡し間隔を長くすることができ、回動速度を早くすることによって、受渡し間隔を短くすることができる。
【0100】
また、バケットの搬送速度あるいはパドルの回動速度のどちらか一方の速度を一定にするのではなく、両方の速度を制御して受渡し間隔を切り換えても良い。
【0101】
(B)
上記実施形態の箱詰め装置100では、平置き形態、縦置き形態の集積方法を組み合わせて、図13に示すような商品Xの箱詰めが行われる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0102】
例えば、平置き形態、縦置き形態、サシミ置き形態の集積方法を組み合わせて商品の箱詰めを行ってもよいし、任意の2つの集積方法の組み合わせ、あるいは、単独の集積方法によって集積された商品を段ボール箱に箱詰めをしてもよい。
【0103】
(C)
上記実施形態の箱詰め装置100では、4つのパドル122と2つのバケット141,142とから構成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0104】
例えば、箱詰め装置の構成は、パドルが3つ、バケットが1つであってもよく、パドルとバケットとを構成する数は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
【0105】
(D)
上記実施形態の箱詰め装置100では、受渡し位置Qが同じ位置に固定、すなわち、商品Xを受渡す位置が固定されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0106】
例えば、パドルがバケットの搬送方向に移動しながら、すなわち、受渡し位置を移動させながら商品を受渡してもよい。この場合も、上記の実施形態に係る箱詰め装置100と同様に、受渡し間隔を切り換えることによって所望の集積形態を容易に形成することができるという効果を得ることができる。
【0107】
(E)
上記実施形態の箱詰め装置100では、バケット141,142が取り付けられた搬送チェーン143,144を制御して受渡し間隔CLを切り換える例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0108】
例えば、バケットが取り付けられているのはベルト等の搬送部であってもよい。
【0109】
(F)
上記実施形態の箱詰め装置100では、パドル122から商品Xを受け取る載置部として、搬送チェーン143,144に取り付けられたバケット141,142の例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0110】
例えば、載置部であるバケットの上流側の端部には、仕切り板は設けられていなくてもよい。また、例えば、載置部は、無端状のベルト等であってもよい。この場合も、上記の実施形態に係る箱詰め装置100と同様に、受渡し間隔を切り換えることによって所望の集積形態を容易に形成することができるという効果を得ることができる。
【0111】
(第2の実施形態)
本発明の一実施形態に係る箱詰システム5について、図15〜図32を用いて説明すれば以下の通りである。
【0112】
以下の説明では、物品として、図16の二点鎖線で示すように、一対の側面Msと前記側面Msに連なる底部Mbとを備えた袋に内容物を収容した、例えば、袋入りのポテトチップスなどからなる物品Mを例示して説明する。なお、本発明において、底部Mbとは、前記一対の側面に連なる部位であって、起立姿勢による搬送中に搬送面に支持される部位をいう。
【0113】
[箱詰システム5全体の構成]
図15は、箱詰システム5を示す。
【0114】
箱詰システム5は、図15に示すように、集積装置1、物品列搬送装置2および箱詰装置3を備えている。集積装置1は、搬送装置(搬送部の一例)10、受渡し装置(姿勢変更部の一例)20および整列装置(整列部の一例)40を備えている。
【0115】
図16に示すように、搬送装置10によって水平姿勢で搬送された物品Mは、受渡し装置20によって水平姿勢から起立姿勢にその姿勢を変更され、整列装置40によってその側面Ms同士が互いに接触した整列状態に集合された物品列MLとなる。
【0116】
その後、物品列MLは、物品列搬送装置2(図15)によって鉛直上方向Z1に押上げられた後、シャッタ62まで第1の方向Xに搬送される。そして、上記搬送後、シャッタ62が開き、図15の二点鎖線で示す上昇状態の昇降台63上に物品列MLが載置された後、昇降台63が鉛直下方向Z2に下降して段積みされ、箱詰プッシャ64により、例えば、段ボール箱等からなる箱Bに箱詰される。
【0117】
つぎに、箱詰システム5における各機器の構成および動作について説明する。
【0118】
[搬送装置10]
図17および図18に示すように、搬送装置10は、投入コンベヤ11および伸縮コンベヤ30からなる。上流から投入コンベヤ11に搬送された物品Mは、投入コンベヤ11から伸縮コンベヤ30上に搬送される。図16に示すように、物品Mは、物品Mの一方の側面Msが、投入コンベヤ11および伸縮コンベヤ30の搬送面11s,30sにより下方から支えられた水平姿勢で、第1の方向Xに搬送される。
【0119】
[受渡し機構20]
図19および図20に示すように、受渡し機構20は、伸縮コンベヤ30の直下流側に配置されており、上流側の伸縮コンベヤ30から第1の方向Xに沿って下流側へ搬送されてくる物品Mを受け取って下流側の所定の位置に起立姿勢で袋を順次並べる。図21に示すように、受渡し機構20は、支持プレート21と、4台の受渡し台22と、回転軸23と、吸引装置70(図22参照)とを有している。
【0120】
支持プレート21は、回転軸23によって回転可能に支持されている略円形プレートであって、図19および図20に示す伸縮コンベヤ30の下流側において第1の方向Xに直交する面に沿って設けられている。支持プレート21は、回転軸23を中心に、第1軸線L1の回りに回転される。
【0121】
4台の受渡し台22は、搬送装置10の直下流側において、略円形の支持プレート21の表面に対して同一の円上にそれぞれ配置されており、櫛歯状に形成された載置面22dをそれぞれ有している。なお、受渡し台22の詳細な構成および動作については、後段にて詳述する。
【0122】
図22に示すように、回転軸23は、略円形の支持プレート21の中心部分に設けられており、4台の受渡し台22の回転軌道の中心となる。また、回転軸23は、4台の受渡し台22を重力加速度gよりも大きい加速度で移動させる。
【0123】
吸引装置70は、4台の受渡し台22の回転軌道における位置P1の近傍に配置されており、後述する受渡し台22の第2開口部22cに当接して、受渡し台22上に載置された物品Mを吸引する。なお、この吸引装置70の構成についても、後段にて詳述する。
【0124】
[受渡し台22]
受渡し台22は、各受渡し台22を回転可能な状態で支持する回転軸22aと、物品Mの載置面22dにおける櫛歯状の部分以外の面に開口する第1開口部22b(図17(b),図18(b))と、物品Mの載置面22dとは反対側に開口する第2開口部22cと、物品Mの載置面22dと、第1・第2開口部22b,22c間を連通させるチャンバ部22eとを有している。
【0125】
各回転軸22aは、受渡し台22の姿勢を切り換えるための回転軸であって、支持プレート21に対してそれぞれ取り付けられている。回転軸22aは、図19の第1軸線L1に平行な第2軸線L2の回りを回転可能に、それぞれ設定されている。受渡し台22は、この回転軸22aを中心に回転することで、搬送装置10(図16)から受け取った物品Mの姿勢を水平姿勢から起立姿勢へと切り換える。
【0126】
図17(b)および図18(b)に示すように、第1開口部22bは、受渡し台22における櫛歯状部分を除く金属プレートの部分に相当する物品Mの載置面22dに形成された複数の円形穴であって、チャンバ部22e内の内部空間S(図22)に発生した負圧によって物品Mを載置面22dに対して吸い付ける。
【0127】
図22に示す第2開口部22cは、受渡し台22における裏面側のチャンバ部22eの先端部分に形成された複数の円形穴によって構成されている。そして、第2開口部22cは、受渡し台22が回転軸23を中心とする回転軌道に沿って移動しながら自らも回転軸22aを中心に回転する際に、位置P1において、後述する吸引装置70の弾性部材72に当接する。このとき、第2開口部22cが当接した吸引装置70では、図示しない真空ポンプによって空気が吸引されているため、第2開口部22cを介してチャンバ部22e内に形成された内部空間Sに、受渡し台22上に載置された物品Mを吸引するための負圧を発生させることができる。
【0128】
載置面22dは、搬送装置10(図16)から搬入される物品Mと接触する面であって、前述した第1開口部22bが形成されている。
【0129】
[受渡し台22の動作]
受渡し台22は、支持プレート21の回転に伴って回転軸23を中心として回転移動しており、図22に示す位置P1において、上流側の搬送装置10から搬送されてくる物品Mの長手方向が略水平に向く水平姿勢の物品Mを受け取る(図16参照)。この際、受け取った物品Mは、吸引装置70によって受渡し台22の載置面22dに対して吸い付けられた状態で保持される。
【0130】
次に、支持プレート21が回転軸23を中心にして回転方向dに約90°回転して、受渡し台22が位置P1から位置P2へ移動する。この位置P2への移動の間に、受渡し台22は、回転軸22aを中心にして物品Mが起立姿勢となるように約90°だけ回転方向eに回転移動する。そして、受渡し台22は、図21に示す搬送機構40における所定の位置Qに物品Mを起立姿勢で載置した後、物品Mに接触しないように、回転軸23を中心に矢印e方向に回転しながら上方へ退避するように移動する。この際、所定の位置Qには、バケット41,42(後段にて詳述)のうち、いずれか一方が停止しており、物品Mを起立姿勢のまま受け取って整列させる。
【0131】
さらに、受渡し台22は、図22に示す位置P2から支持プレート21が回転軸23を中心にして回転方向dに約90°回転して位置P3に移動する間に、受渡し台22が約90°回転方向eに回転軸22aを中心に回転する。同様にして、受渡し台22は、位置P3から位置P4を経て再び位置P1へと移動する。
【0132】
支持プレート21の側面部に配置された4台の受渡し台22が、このような動作を順次行うことによって、複数の物品Mを所定の位置Qに起立姿勢で受け渡して物品Mの束を形成することができる。
【0133】
[吸引装置70]
吸引装置70は、前述のように、受渡し台22上に載置された物品Mを受渡し台22に対して吸引するための装置であって、本体71と弾性部材72とを有している。
【0134】
本体71は、図示しないエア配管を介して真空ポンプに接続されており、内部の空間には真空ポンプによって負圧が形成される。
【0135】
弾性部材72は、受渡し台22の第2開口部22cとほぼ同じ大きさの開口を有し、受渡し台22が搬送装置10から物品Mを受け取る位置P1において受渡し台22の第2開口部22cと当接するように、受渡し台22の回転軌道の接線方向に略平行になるように配置されている。
【0136】
なお、弾性部材72としては、ゴム製品や発泡ウレタン等の樹脂製品を用いることができる。
【0137】
[搬送機構40]
搬送機構40は、図21、図23および図24に示すように、複数のバケット41,42と、仕切り板43a,43bと、背板44a,44bと、駆動モータM1〜M3とを有しており、上流側の受渡し機構20から図21の所定の位置Qに起立姿勢で搬送される物品Mを順に受け取って所定の個数ずつ下流側の位置Rに向って搬送する。
【0138】
図24において、バケット41,42は、搬送機構40における上流側と下流側とにおいて、それぞれ1つずつ設けられており、回転軸45,46を中心に回転するスプロケットs1,s1間、s2,s2間に巻き掛けられたチェーンに沿ってループ状に走行する。そして、図21のバケット41,42は、その上に載置された複数の物品Mの束からなる物品列MLを、上流側の所定の位置Pから下流側の位置Rまで搬送する。また、バケット41,42は、それぞれ複数の底板41a,42aを組み合わせて構成されている。底板41a,42aは、物品Mの底部Mbを支持する支持面を構成している。
【0139】
仕切り板43a,43bは、複数の底板41a,42aのうち、最も下流側(先頭側)に配置された底板41a,42aにそれぞれ取り付けられている。この仕切り板43a,43bによって、受渡し台22から受け渡された物品列MLの先頭の物品Mを起立姿勢のままで保持しつつ、その後で受け渡される複数の物品Mを、各バケット41,42上において整列させることができる。また、仕切り板43a,43bは、後述する駆動モータM1,M2(図23)によってスプロケットs1,s2を介してそれぞれ独立駆動される。さらに、図17に示すように、仕切り板43a,43bは、物品Mと当接する面が櫛歯状となっており、前述した受渡し台22の櫛歯状の部分と離合可能で互いに接触しないように構成されている。
【0140】
図21に示す背板44a,44bは、各バケット41,42上に載置された物品列MLを、後方から支持する部材であって、各仕切り板43a,43bに対して1つずつ設けられている。また、背板44a,44bは、共通の駆動源である駆動モータM3(図23)によって駆動されており、移動ループにおいて互いに対向する位置に取り付けられている。このように、背板44a,44bを、仕切り板43a,43bとは別々の駆動源によって駆動させることで、箱詰めされる所定数の物品Mの数が変更された場合でも、仕切り板43a,43bとの間に物品列MLを挟み込んで、安定した状態で排出位置Rまで物品列MLを搬送することができる。なお、背板44a,44bは、物品Mと当接する面が櫛歯状となっており、前述した受渡し台22の櫛歯状の部分と離合可能で互いに接触しないように構成されている点については、仕切り板43a,43bと同様である。
【0141】
図23のスプロケットs1〜s3は、搬送機構40における両端部分にそれぞれ配置されており、同一の径を有している。これにより、仕切り板43aと仕切り板43bと背板44a,44bとを、同じ回転数で同じ速度で移動させることができる。
【0142】
本実施例では、前述のように、仕切り板43aと、仕切り板43bと、背板44a,44bとをそれぞれ独立して駆動するように構成されており、仕切り板43aを駆動する駆動モータM1によって第1のループが、仕切り板43bを駆動する駆動モータM2によって第2のループが、背板44a,44bを駆動する駆動モータM3によって第3のループが形成される。
【0143】
これにより、仕切り板43aと背板44aとの間、および仕切り板43bと背板44bとの間に、それぞれ物品列MLを挟み込むようにして搬送することで、搬送機構40において従来よりも大幅に安定した状態での搬送が可能になる。
【0144】
ここで、搬送機構40による物品列MLの搬送方法について、一方のバケット41側を例に挙げて具体的に説明すれば以下の通りである。なお、他方のバケット42についても、以下の説明と同様にして搬送を行う。
【0145】
すなわち、図21の物品Mが受け渡される所定の位置Qにおいて待機しているバケット41は、上流側の受渡し台22から物品Mが搬送されてくると、先頭の物品Mを仕切り板43aによって起立姿勢で受け取り、該起立姿勢を保持する。そして、バケット41は、物品Mの袋の厚みd1(図21)分に相当する所定の間隔だけ下流側に移動することによって、図25(a)に示すように、先頭で受け入れた物品Mの後方に複数の物品Mを整列させた状態で受け入れる。このとき、背板44aは、物品Mを受け入れる所定の位置Q(図26参照)の下流側で待機している。そして、下流側のバケット42に相当する仕切り板43bは、背板44aのすぐ下流側において待機している。やがて、図25(b)に示すように、受け渡された物品列MLが所定の個数になると、図25(c)に示すように、仕切り板43aと背板44aとの間に物品列MLを挟み込んだ状態で、図25(d)に示すように、下流側の位置R(図26参照)まで第2の方向Yに沿って搬送する。このとき、図25(b)に示すように、背板44aの第2の方向Yにおける直下流側に待機していた仕切り板43bは、背板44aの下流側に速やかに移動して、次のバッチの物品Mを受渡し台22から受け取る。
【0146】
[物品列搬送装置2]
図26に示す整列装置40によって所定の袋数ごとに整列された物品列MLは、第1プッシャ51によってリフタ52上に押し出される。図16に示すように、リフタ52上の物品列MLは、鉛直上方Z1に持ち上げられた後、第2プッシャ54によって第1の方向Xに押し出され、図15に示す物品列搬送装置2の搬送面65上に搬送される。
【0147】
その後、図16の二点鎖線に示す昇降プッシャ61が、物品列MLを第1の方向Xに押す。ここで、図15に示す物品列搬送装置2の搬送面65の第2の方向(幅方向)Yの両側には案内板80が設けられている。昇降プッシャ61が物品列MLを押す時、第2の方向Yに直線状に連なるバー91(図16)を起立状態に保持することにより、案内板80にその側面Msを案内された物品列MLは、後端部を昇降プッシャ61に押されてバー91(図16)に接触し、各物品Mが一列に整列される。
【0148】
そして、上記整列後、バー91(図16)が倒れ、物品列MLはシャッタ62上に搬送される。
【0149】
そして、上記搬送後、シャッタ62が開き、二点鎖線で示す上昇状態の昇降台63上に物品列MLが載置された後、昇降台63が鉛直下方Z2に下降する。一方、開口部Buが横向きになるように倒されて配置された箱Bがセットされる。昇降台63上に物品列MLが段積みされた後に、昇降台63は、箱Bの下側の開口部Buと、物品列MLのレベルが概ね同じになる位置まで下降する。そして、上記下降後、箱詰プッシャ64により、物品列MLが箱B内に押し出されて箱詰される。
【0150】
箱詰の終了した箱Bは、開口部Buが上になるように回動される。
【0151】
つぎに、本発明の要部である物品列MLの矯正方法の概要について説明する。
【0152】
[物品列MLの整列]
前述のように、図16に示すリフタ52上の物品列MLは、鉛直上方Z1に持ち上げられた後、図27(a)の二点鎖線で示す物品列MLの後端Mdが第2プッシャ54(図16)によって第1の方向(搬送方向)Xに押され、物品列搬送装置2の搬送面65上に物品列MLが搬送される。
【0153】
以下に説明するように、第2プッシャ54で物品列MLが押し込まれた時に、第2プッシャ54で押される物品列MLの先端の位置に乱れが生じるおそれがある。
【0154】
この乱れは物品列MLの前端Mfに設けられたバー91により矯正されて、第2プッシャ54の先端が揃えられる。
【0155】
すなわち、図27(b)の片方の案内板80が他方の案内板80に近づくように第2の方向Yに移動して物品列MLの袋同士を寄せる動作に入ると、物品列MLは弓なり形状になり易いが、バー91に物品列MLが当接(接触)させることで、物品列MLが弓なり形状になることを防止し、整列させることができる。
【0156】
物品列MLの袋同士が寄せられた後、バー91が前方の下方に向って回転し始めると、図28(a)の物品列MLの後端Mdが昇降プッシャ61に押されて、図28(b)のように、物品列MLが案内板80に案内されながら搬送面65上を前方に向って搬送され始める。このように、バー91の退避動作の開始と同時に物品列MLの搬送を開始することもできるので、搬送の高速化が図られる。しかも、物品列MLがバー91上を通過すると同時に、バー91は元の位置に向って戻ることができるので、昇降プッシャ61の前進中に次の物品列MLを受け入れる動作に入ることができる。
【0157】
その後、図27(a)に示すように、昇降プッシャ61は、次の物品列MLに備えて、物品Mの上部よりも上方の待機位置に移動される。
【0158】
なお、昇降プッシャ61は、図16(b)の二点鎖線の矢印に示すように、待機位置から上流方向に水平移動した後、下降し、物品列MLの後端を第1の方向Xに押す一連の動作を繰り返し行う。
【0159】
[矯正部9]
図27(a)に示すように、バー91の両端部には、アーム92,92が形成されている。アーム92,92は、バー91の両端部を概ね直角に折り曲げて形成される。アーム92,92の端部は回転軸94の側部に固着されている。回転軸94は、第2の方向Yに沿って形成された水平軸線L3に沿って設けられており、その一方の端部には回転軸94を水平軸線L3の回りに回転させる第1駆動部93が設けられている。
【0160】
したがって、回転軸94の回転により、アーム92を種々の角度に回転させることが可能である。
【0161】
図29、図30(a)および図31(a)に示すように、第1駆動部93が回転軸94を回転させて、アーム92を水平軸線L3の回りに回転させることで、バー91が物品列MLの前端Mfに接触する接触位置PTに位置させることが可能である。
【0162】
したがって、バー91、アーム92、第1駆動部93および回転軸94は、物品列MLから一部の物品Mが前方に突出するのを抑制する矯正部9を構成している。
【0163】
一方、第1駆動部93が回転軸94を逆方向に回転させ、搬送面65に設けられた収容溝95内にバー91が収容されることにより、図30(b)に示すように、バー91を物品列MLの搬送の邪魔にならない退避位置PAに位置させることが可能である。
【0164】
退避位置PAにおけるバー91の位置は、搬送面65よりも下方に位置するように設定されている。
【0165】
[アーム92の角度設定]
第1駆動部93には、たとえば、ステッピングモータやパルスモータなどが用いられている。モータを制御することにより、回転軸94の回転によるアーム92の角度を変更することで、バー91の接触位置PTを任意の位置に設定することが可能である。例えば、図30(a)に示すように、物品Mが小さい場合には、第1の方向Xとは逆方向にアーム92を回転させて、昇降プッシャ61とバー91との距離を小さくする。一方、図31(a)のように、物品Mが大きい場合には、アーム92を第1の方向Xに向って回転させて、昇降プッシャ61とバー91との距離を大きくする。
【0166】
アーム92の角度は、図31(b)に示すストッパ角度記憶部に、物品Mの大きさ毎に対応するストッパ角度を予め記憶させ、物品Mの大きさに応じたモータの回転数やエンコーダのカウント数からなるストッパの角度をストッパ角度記憶部から読み出すことで行う。
【0167】
[案内板80]
図27(a)〜図28(b)に示すように、両案内板80,80には、バー91がアーム92,92と共に回転する軌跡に沿ってバー91の回転を許容するために、円弧状のスリット82が形成されている。
【0168】
前述のように、図27に示す一方の案内板80Aは、支持部81,81を介して、第2の方向Y(図27(a))に移動可能に設けられている。支持部81,81には、図示しない第2駆動部が接続されており、第2駆動部は、支持部81,81を介して、図27(a),(b)に示すように、一方の案内板80Aを第2の方向Y(図27(a))に移動させることが可能である。
【0169】
したがって、図27(b)に示すように、一方の案内板80Aが他方の案内板80に近づくことにより、搬送面65上に搬送された物品列MLの両端の側面に案内板80が接触して押すことで、物品列MLにおける物品Mのピッチを詰めることが可能である。
【0170】
一方、昇降プッシャ61が上方から下降し、更に、第1の方向Xに物品列MLの後端Mdを押すことで、物品列MLの前端Mfがバー91に接触し物品列MLの一部が前方に突出するのを抑制して物品列MLが型崩れすることなく搬送される。
【0171】
[シャッタと昇降台]
図30(b)の二点鎖線に示すように、昇降台63は物品列MLの上端がシャッタ62の直下になる位置まで下降する。シャッタ62上に次の物品列MLが搬送されると、シャッタ62が開き、二点鎖線で示す物品列MLの上に実線で示す次の物品列MLが積載される。昇降台63は、物品列MLが積載される段数に応じて、順次、物品列MLの上端がシャッタ62の直下になる位置まで下降を繰り返し、所定の段数に物品列MLが積載された後、前述のように、箱Bの下側の開口部Buと、最下段の物品列MLの底部Mbのレベルが概ね同じになる位置まで下降する。
【0172】
昇降台63が下降すると、シャッタ62が閉じる。このシャッタ62の閉止後、昇降台63が若干上昇し、シャッタ62と昇降台63との間で物品列MLが上下方向に圧縮される。所定の段数の物品列MLが箱Bのサイズよりも大きい場合でも、圧縮動作により、全体的な積載サイズを圧縮して、積載した物品列MLを箱B内に押し込むことができる。
【0173】
[回転プレート66]
ところで、図32(b)の二点鎖線に示すように、物品列MLの前端Mfが昇降台63に接するように、物品列MLの姿勢を変更して箱詰する場合がある。
【0174】
図32(a)に示すように、搬送面65には、搬送面65の一部を構成する回転プレート66が設けられている。回転プレート66の前端部には、水平軸線L4を中心に回転プレート66を回転させる回転軸68が設けられている。回転軸68は、第3駆動部69(図27(a))に接続されている。
【0175】
物品列MLの後端Mdが昇降プッシャ61に押されて、回転プレート66上に搬送されると、図32(b)の第3駆動部69により回転軸68を中心に回転プレート66が約90度回転され、物品Mの前端Mfが下端となる姿勢に変更される。
【0176】
なお、図示の例の場合、回転プレート66の他端部には、回転プレート66の遠心力により、物品Mが飛び出さないように、その後端部67が内方に向って折り曲げられている。
【0177】
なお、アーム92の角度設定には、第1駆動部93のモータを制御する代わりに、アーム92を所定の角度で停止させるブレーキを用いてもよい。
【0178】
また、矯正部9は、搬送面65の他にリフタ52上に設け、リフタ52上に設けた第2バーにより、一旦、物品列MLの整列状態を矯正してもよい。
【0179】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
【0180】
例えば、アームの角度の制御や回転プレートの回転の有無は、上流に設けた物品Mや袋のサイズの情報に基づき、物品の種類の変更(段取り替え)の際に自動的に行われるようにしてもよい。
【0181】
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0182】
本発明によれば、所望の並べ方(集積形態)で商品を下流工程に受渡すことが可能となるという効果を奏することから、下流側に箱詰め装置を配置する場合に限らず、下流工程に商品を搬送する搬送装置として広く適用可能である。
【符号の説明】
【0183】
100 箱詰め装置
110 搬送装置
111 取り込みコンベア
112,113 サイドコンベア
120 受渡し機構
121 支持プレート
122 パドル(受渡し部)
122a 回転軸
123 回転軸
130 箱詰め機構
140 搬送機構(搬送装置)
141,142 バケット(載置部)
141a,142a 底板
141b,142b 仕切り板
143,144 搬送チェーン(搬送部)
145,146 回転軸
147,148 駆動部
149 制御部
150 排出機構(詰め込み部)
151 第1横送り機構
152 第2横送り機構
153 リフト機構
200 コンベア
201 ガイド
X,X1,X2 商品(物品)
Q 受渡し位置
R 排出位置
CL,CL1,CL2,CL3 受渡し間隔
t1,t2,t3 搬送方向長さ
S1,S2 離隔量
L1,L2 重ね合わせ量
5 箱詰めシステム
61 昇降プッシャ(押し部)
65 搬送面
66 回転プレート
80,80A 案内板
81 支持部
82 スリット
9 矯正部
91 バー
92 アーム
93 第1駆動部
M 物品
Mf 前端
Md 後端
PA 退避位置
PT 接触位置
X 第1の方向(搬送方向)
Y 第2の方向(幅方向)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0184】
【特許文献1】特開2004−155428号公報
【特許文献2】特開2004−75174号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の側面と前記側面に連なる底部とを備えた袋に内容物を収容した複数の物品を箱に詰める箱詰システムであって、
前記複数の物品同士の側面が互いに接触して前記複数の物品が一列に並んだ物品列の底部を下方から支持する搬送面と、
前記物品列における前記側面に隣接する後端を前方に向かって押すことで、前記搬送面上の前記物品列を搬送する押し部と、
前記搬送面上を搬送される前記物品列における前記搬送方向に直交する幅方向の両端の側面に接触して前記物品列を案内する一対の案内板と、
前記物品列から一部の前記物品が前方に突出するのを抑制する矯正部と、
を備えており、
前記矯正部は、
前記物品列における前記後端とは反対の前端に接触することが可能なバーと、
前記バーの端部において前記バーに連なり水平軸線の回りに回転する一対のアームと、
前記バーが物品列の前端に接触する接触位置と前記バーが前記物品列の搬送の邪魔にならない退避位置との間を移動するように前記アームを回転駆動させる第1駆動部と、
を有している箱詰システム。
【請求項2】
前記一対の案内板の間の距離が変化するように少なくとも一方の案内板を前記幅方向に移動自在に支持する支持部と、
前記案内板を前記幅方向に移動させる第2駆動部と、
をさらに備えている、
請求項1に記載の箱詰システム。
【請求項3】
前記バーが前記アームと共に回転する軌跡に沿って前記バーの回転を許容するために、前記案内板に円弧状のスリットが形成されている、
請求項2に記載の箱詰システム。
【請求項4】
前記退避位置における前記バーの位置が前記搬送面よりも下方である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の箱詰システム。
【請求項5】
前記バーの接触位置を任意の位置に設定可能である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の箱詰システム。
【請求項6】
前記搬送面のうちの一部の搬送面が水平軸線のまわりに回転可能に設けられて回転プレートが形成され、前記回転プレートは前記物品列を前記水平軸線のまわりに90°回転させて、前記物品列の前記前端が下端となる姿勢に変更させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の箱詰システム。
【請求項7】
一対の側面と前記側面に連なる底部とを備えた袋に内容物を収容した複数の物品を箱に詰める箱詰システムであって、
前記複数の物品同士の側面が互いに接触して前記複数の物品が一列に並んだ物品列の底部を下方から支持する搬送面と、
前記物品列における前記側面に隣接する後端を前方に向かって押すことで、前記搬送面上の前記物品列を搬送する押し部と、
前記搬送面上を搬送される前記物品列における前記搬送方向に直交する幅方向の両端の側面に接触して前記物品列を案内する一対の案内板と、
前記搬送面のうちの一部の搬送面が水平軸線のまわりに回転可能に設けられて形成され、前記物品列を前記水平軸線のまわりに90°回転させて前記物品列の前端が下端となる姿勢に変更させる回転プレートと、
を備えている箱詰システム。
【請求項8】
前記回転プレートの下流に設けられ前記物品列を下方から支持すると共に、開くことにより前記支持した前記物品列を下方に落下させるシャッタをさらに備えている、
請求項6または7に記載の箱詰システム。
【請求項9】
前記シャッタの下方には、前記シャッタが開いた際に落下する前記物品列を受け止める昇降台が設けられ、前記昇降台は前記物品列を受け止めた後に、前記物品列の高さに応じた高さだけ下降する、
請求項8に記載の箱詰システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2013−47123(P2013−47123A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−238331(P2012−238331)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2008−534395(P2008−534395)の分割
【原出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】