説明

簡易テント装置

【課題】簡易な構造で強度的に優れ、また温調空気をテント内に均等に供給できる簡易テント装置を提供する。
【解決手段】骨組構造12が断熱性を有するテント材48で覆われた簡易テント装置10であって、床中央部に温調機32が設置され、温調機32上に温調機32の吹出口と接続されて、上端が閉塞された筒状の支柱34が立設され、該支柱34の上部が屋根枠組20の内側頂部に固定され、支柱34内に送風ファン42が設けられ、支柱34の上部に、温調機32により温調された温調空気を送風ファン42によりテント室内の四方に向けて吹き出す吹出口46が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、花屋などの店舗等に用いて好適な簡易テント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テント装置は組立式のものが一般的であり、軽量で、任意のところに自在に移動できるので便利である。しかしながら、夏は暑く、冬は寒いという問題がある。テント装置のこのような不具合を解消するものとして、空調機を備えたテント装置が考案されている(特開平8−199857号公報)。このテント装置は、適宜の支持構造により展張保持されて閉空間構造物を構成する外膜と、この外膜の内側に適宜の間隔を保って吊下支持された内膜と、内膜と外膜の隙間に配置され、かつ仕切膜により周囲から区画された空調機と、一端を空調機の冷房または暖房吹出口に連通するダクト部と、内膜を貫通してダクト部に連通する複数の吹出口ノズルを備えるものである。
【0003】
【特許文献1】特開平8−199857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のテント装置は、天井に、外膜と内膜とにより空間を形成し、この空間内にダクトを配設し、このダクトに内膜を貫通して内部に温調された空気を吹き出す複数のノズルを設けたものであるので、外膜と内膜の支持構造が複雑で大型化し、強度的にも不安があり、また、温調空気がテント内空間に均等に供給し難いという課題がある。
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、簡易な構造で強度的にも優れ、また温調空気をテント内に均等に供給できる簡易テント装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る簡易テント装置は、パイプ材により、側壁枠組と屋根枠組との骨組構造が、平面視多角形となるように、かつ屋根枠組が角錐状となるように形成され、該骨組構造が断熱性を有するテント材で覆われた簡易テント装置であって、床中央部に、側面に室内空気取入口が開口された温調機が設置され、該温調機上に温調機の吹出口と接続されて、上端が閉塞された筒状の支柱が立設され、該支柱の上部が前記屋根枠組の内側頂部に固定され、前記支柱内に送風ファンが設けられ、前記支柱の上部に、前記温調機により温調された温調空気を前記送風ファンによりテント室内の四方に向けて吹き出す吹出口が設けられていることを特徴とする。
【0006】
前記温調機が冷却機であることを特徴とする。
また、前記骨組構造が組立式の骨組構造であることを特徴とする。
前記骨組構造が平面視六角形に形成されていることを特徴とする。
また、入口に透明扉が用いられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、角錐状の屋根枠組の内側中央部が、温調空気が上昇するダクト兼用の筒状の支柱によって支持されているので、簡易な構造ではあるが極めて堅固である。
また、支柱の上部に設けられた吹出口からテント室内四方に向けて温調空気が吹き出されるので、テント室内が均等に温調される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は簡易テント装置の骨組構造の平面図、図2はその正面図、図3はその側面図である。図4は簡易テント装置10の正面図である。
骨組構造12はパイプ材14により、公知の差込式の分岐継手16(図5)を介して、平面視多角形となる側壁枠組18と屋根枠組20とに形成される。
【0009】
図示の例では、骨組構造12は、平面視正六角形になるように形成されている。側壁枠組18は、柱材22と梁材24とにより門形に形成されている。屋根枠組20は梁材24と屋根材26とにより正六角錐状に形成されている。屋根材24の上端部は、図6に示すような差込式の分岐継手28に挿入され、固定される。
このように骨組構造12は、簡易な組立式となっている。
なお、柱材22の下端は皿型に形成され(図示せず)、ピン等によって地面(床)に固定される。
【0010】
床面の中央部には、側面に室内空気の取入口30を有する温調機32が設置される。
温調機32の吹出口は温調機32の上面に形成され、この吹出口に筒状の支柱34の下端が取付けられる。支柱34の上端は天板により閉塞されている。
また、図6に示すように、支柱34の天板上面には、取付片36が立設され、この取付片36が、分岐継手28に設けられている取付片38にボルト40によって固定されることにより、支柱34は屋根枠組20の内側頂部に強固に固定されることとなる。
【0011】
図6に示されるように、支柱34内部には送風ファン42が回転自在に設置されている。これにより、室内空気が取入口30から温調機32に取り入れられ、温調される。
また、支柱34の上部には、支柱34に連通する吹出しチャンバー44が固定され、この吹出しチャンバー44の側壁面に、温調された空気をテント室内の四方に向けて吹き出す吹出口46が設けられている。なお、吹出口46は直接支柱34に開口してもよい。なおまた、四方に向けて吹き出すとは、支柱34から放射状に、周囲に万遍なく均等に吹き出すという意味である。
【0012】
そして、発泡ポリウレタンシートを両側からテント生地で挟み込んで形成したテント材48で骨組構造12を覆って簡易テント装置10に完成される。入口は図4に示すようにテント材48の一側が開閉できるようにしておけばよい。なお、店舗等に使用する場合であって、テント装置10内が外部から見えるようにする必要がある場合には、適宜支柱22間に、透明な扉(図示せず)を開閉自在に設けるようにするとよい。
【0013】
簡易テント装置10は上記のように構成されている。
簡易テント装置10は、六角錐状の屋根枠組20の内側中央部が、温調空気が上昇するダクト兼用の筒状の支柱34によって支持されているので、簡易な構造ではあるが極めて堅固である。
また、支柱34の上部に設けられた吹出口46からテント室内四方に向けて温調空気が吹き出されるので、テント室内が均等に温調される。
【0014】
また、簡易テント装置10は、平面視六角形状に形成されているので、蜂の巣のように、複数の簡易テント装置10を空間的に無駄なく配置することが可能となる。また、屋根材26と梁材24とが基本的に三角形状に組み合わさるので、この点からも堅固な骨組構造となる。
なお、平面視六角形状に限定されるものではなく、平面視多角形であればよい。また、複数の簡易テント装置10を設置する場合、それぞれのテント材48に種々の色彩のものを用いれば、視覚的にも楽しいものとなる。
【0015】
簡易テント装置10は、例えば、花屋の店舗等に用いて好適である。温調機32を冷却機とし、冷却機によりテント室内を10℃前後となるように温調しておけば、花をつぼみの状態で長く保持できるので、花屋の店舗として好適となる。
あるいは、野菜、果実、米等の農業資材の簡易保管テントとしても好適に用いることができる。
あるいはまた、ワインやビールの冷却用テントとしても好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】簡易テント装置の骨組構造の平面図である。
【図2】簡易テント装置の骨組構造の正面図である。
【図3】簡易テント装置の骨組構造の側面図である。
【図4】簡易テント装置の正面図である。
【図5】分岐継手の説明図である。
【図6】支柱と屋根枠組との固定構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0017】
10 簡易テント装置
12 骨組構造
14 パイプ材
16 分岐継手
18 側壁枠組
20 屋根枠組
22 柱材
24 梁材
26 屋根材
28 分岐継手
30 取入口
32 温調機
34 支柱
36、38 取付片
40 ボルト
42 送風ファン
44 吹出しチャンバー
46 吹出口
48 テント材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ材により、側壁枠組と屋根枠組との骨組構造が、平面視多角形となるように、かつ屋根枠組が角錐状となるように形成され、該骨組構造が断熱性を有するテント材で覆われた簡易テント装置であって、
床中央部に、側面に室内空気取入口が開口された温調機が設置され、
該温調機上に温調機の吹出口と接続されて、上端が閉塞された筒状の支柱が立設され、
該支柱の上部が前記屋根枠組の内側頂部に固定され、
前記支柱内に送風ファンが設けられ、
前記支柱の上部に、前記温調機により温調された温調空気を前記送風ファンによりテント室内の四方に向けて吹き出す吹出口が設けられていることを特徴とする簡易テント装置。
【請求項2】
前記温調機が冷却機であることを特徴とする請求項1記載の簡易テント装置。
【請求項3】
前記骨組構造が組立式の骨組構造であることを特徴とする請求項1または2記載の簡易テント装置。
【請求項4】
前記骨組構造が平面視六角形に形成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の簡易テント装置。
【請求項5】
入口に透明扉が用いられていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の簡易テント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−308942(P2008−308942A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159812(P2007−159812)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(502405620)
【出願人】(000250786)
【Fターム(参考)】