簡易テント
【課題】製造コストの上昇を抑えることができ、かつ日除け高さや日除け角度を任意に且つ容易に変えることのできる簡易テントを提供する。
【解決手段】簡易テント10は、概ね円形状に形成されたシート11と、シート11の周縁部に形成された棒状部材挿通部111,112,113に挿入されてシート11に外径方向の張力を付与する弾性棒状部材12a,12b,12cと、弾性棒状部材12a,12b,12cをシート11の周方向に沿ってリング状に連結する連結具13a,13b,13cとを備えている。シート11は、伸縮性を有する織物布地から形成されているとともに、中心部に吊り具14を有している。
【解決手段】簡易テント10は、概ね円形状に形成されたシート11と、シート11の周縁部に形成された棒状部材挿通部111,112,113に挿入されてシート11に外径方向の張力を付与する弾性棒状部材12a,12b,12cと、弾性棒状部材12a,12b,12cをシート11の周方向に沿ってリング状に連結する連結具13a,13b,13cとを備えている。シート11は、伸縮性を有する織物布地から形成されているとともに、中心部に吊り具14を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば公園の砂場やキャンプ場などで用いられる簡易テントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日除けや雨除けなどに用いられる簡易テントは、帆布地などで形成されたテント本体を支える梁部材や支柱が金属製の管状部材で形成されているため、かなりの重量があり、持ち運びが不便であるとともに、分解しても支柱および梁部材が嵩張り、収納場所を大きくとるなどの問題がある。
そこで、上記の問題点を解消するために、可撓性軽量シートからなる四角錐状のテント本体と、このテント本体に取着され、その浮力によってテント本体を空中に持ち上げる軽量ガス入りのバルーンとからなるものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−155845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された簡易テントは、軽量ガス入りのバルーンを必要とし、しかもテント本体が例えば三角形状をなす四枚の合成樹脂シートを角錐状に縫製して形成されているため、製造コストの上昇を招きやすいなどの難点があった。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造コストの上昇を抑えることができ、かつ日除け用として用いる場合に日除け高さや日除け角度などを任意に且つ容易に変えることのできる簡易テントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係る簡易テントは、概ね円形状に形成されたシートと、該シートに形成された棒状部材挿通部に挿入されて前記シートに外径方向の張力を付与する複数本の弾性棒状部材と、該弾性棒状部材を前記シートの周方向に沿ってリング状に連結する複数個の連結具とを備えてなり、前記シートが伸縮性を有する織物布地から形成されているとともに、中心部に吊り具を有することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2の発明に係る簡易テントは、請求項1に記載の簡易テントにおいて、前記弾性棒状部材がガラス繊維強化プラスチックから形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項3の発明に係る簡易テントは、請求項1または2に記載の簡易テントにおいて、前記連結具と前記吊り具がアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項4の発明に係る簡易テントは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の簡易テントにおいて、前記吊り具が、前記シートを該シートの両面側から挟む一対の板状挟み部と、該板状挟み部の片面同士をねじ結合する雌雄一対のねじ部と、前記一対の板状挟み部から前記シートの厚さ方向に突出する一対の板状片とを有し、前記板状片の各々にロープ繋着孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項5の発明に係る簡易テントは、請求項1〜4のいずれか一項に記載の簡易テントにおいて、前記棒状部材挿通部が、前記シートの周縁部を袋状に縫い付けて形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る簡易テントによれば、軽量ガス入りのバルーンを用いたり、三角形状をなす四枚の合成樹脂シートを角錐状に縫製してなるものを日除けシートとして用いたりする必要がないので、製造コストの上昇を抑制することができる。また、シートの中心部に設けられた吊り具を介してシートを立木の枝などから吊るすとシートの形状が平面形状から円錐形状に変化するので、日除け用として用いる場合に日除け高さや日除け角度などを任意に且つ容易に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る簡易テントの組立前の状態を平面的に示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る簡易テントのシートの中心部を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る簡易テントの連結具の側面を示す図である。
【図4】図3のA−A断面を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る簡易テントのシート周縁部に形成された3つの棒状部材挿通部に弾性棒状部材を挿入した状態を平面的に示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る簡易テントのシートの棒状部材挿通部に挿入された弾性棒状部材を3個の連結具によりリング状に連結した状態を平面的に示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る簡易テントの吊り具に吊り下げ用ロープを繋着すると共に各連結具に繋留ロープを繋着した状態を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る簡易テントを立木の枝などから吊り下げた状態を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る簡易テントのシートを地面に対して傾斜させた状態を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る簡易テントの他の使用方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図12】本発明の第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1〜図10を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る簡易テントの概略構成を示す図で、本発明の第1実施形態に係る簡易テント10は、シート11、弾性棒状部材12a,12b,12c、連結具13a,13b,13cおよび吊り具14を備えている。
シート(以下「日除けシート」という。)11は,例えば1700〜1800mmの直径で概ね円形状に形成されているとともに、伸縮性を有する織物布地(例えば藤掛株式会社製、SW41205200 広巾ツーウェー(製品名))から形成されている。
【0011】
また、日除けシート11は弾性棒状部材12a,12b,12cが挿入される棒状部材挿通部111,112,113を周縁部に有し、これらの棒状部材挿通部111,112,113は弾性棒状部材12a,12b,12cよりも若干短い長さで日除けシート11の周縁部に形成されているとともに、日除けシート11の周縁部を袋状に縫い付けて形成されている。
さらに、日除けシート11は連結具13a,13b,13cとの干渉を避けるための切欠部114,115,116を有し、これらの切欠部114,115,116は概ね120度の間隔で日除けシート11の周縁部に形成されている。
【0012】
弾性棒状部材12a,12b,12cは日除けシート11に外径方向の張力を付与するものであって、例えば直径7mm、長さ1800mmの寸法でガラス繊維強化プラスチック(FRP)から形成されている。
連結具13a,13b,13cは日除けシート11の棒状部材挿通部111,112,113に挿入された弾性棒状部材12a,12b,12cを日除けシート11の周方向に沿ってリング状に連結するものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。
【0013】
吊り具14はビニロンロープなどの吊り下げ用ロープを用いて日除けシート11を立木の枝などから吊り下げるためのものであって、日除けシート11の中心部に設けられている。また、吊り具14はアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されているとともに、図2に示すように、日除けシート11をその両面側から挟む一対の板状挟み部141,142と、これら板状挟み部141,142の片面同士をねじ結合する雌雄一対のねじ部143,144とを有している。
【0014】
さらに、吊り具14は日除けシート11を立木の枝などから吊り下げる吊り下げ用ロープの一端部が繋着される二つのロープ繋着孔145(図2参照)を有し、これらのロープ繋着孔145は板状挟み部141,142から日除けシート11の厚さ方向に突出する一対の板状片146,147に形成されている。なお、吊り具14の板状挟み部141,142は例えば直径45mm、厚さ3mmの寸法で円板状に形成されている。また、日除けシート11の中心部には、吊り具14の雄ねじ部143または雌ねじ部144を挿入するための貫通孔117(図2参照)が形成されている。
前記連結具13a,13b,13cは、また、例えば外径10mm、内径7.2mm、長さ45mmの円筒部131(図3及び図4参照)を有し、この円筒部131の内部に弾性棒状部材12a,12b,12cの端部が挿入されるようになっている。
【0015】
また、連結具13a,13b,13cは立木の枝などから吊り下げられた日除けシート11の周縁部を地面に打ち込まれたペグにビニロンロープなどの繋留ロープによって繋留するためのロープ繋留孔132,133(図3及び図4参照)を有し、これらのロープ繋留孔132,133は円筒部131の外周面に形成された板状繋留片134に穿設されている。
【0016】
次に、本発明の第1実施形態に係る簡易テント10の組立方法などを図5〜図10を参照して説明する。
本発明の第1実施形態に係る簡易テント10を公園の砂場やキャンプ場などで組み立てる場合は、まず、図5及び図6に示すように、日除けシート11の周縁部に形成された棒状部材挿通部111,112,113に弾性棒状部材12a,12b,12cを挿入し、日除けシート11の棒状部材挿通部111,112,113に挿入された弾性棒状部材12a,12b,12cを連結具13a,13b,13cによりリング状に連結する。このとき、弾性棒状部材12a,12b,12cには円弧状に湾曲した状態から元の状態に戻ろうとする弾性復元力が発生し、この弾性復元力によって日除けシート11に外径方向の張力が付与される。
【0017】
弾性棒状部材12a,12b,12cが連結具13a,13b,13cによりリング状に連結されたならば、日除けシート11の中心部に吊り具14を装着する。次に、図7に示すように、日除けシート11の中心部に装着された吊り具14にビニロンロープなどの吊り下げ用ロープ15の一端部を連結し、さらに、連結具13a,13b,13cの板状繋留片134に形成されたロープ繋留孔132または133にビニロンロープなどの繋留ロープ16a,16b,16cの一端部を繋着する。そして、繋留ロープ16a,16b,16cの他端部をペグなどによって地面に固定するとともに、吊り下げ用ロープ15の他端部を木立の枝などに縛り付けて日除けシート11を木立の枝などから吊り下げる。このとき、日除けシート11は、遮光シート自身の自重や弾性棒状部材12a,12b,12c及び連結具13a,13b,13cの重量などによって、図8に示すように、円錐形状となって木立の枝などから吊り下げられる。
【0018】
上述した本発明の第1実施形態に係る簡易テント10では、前述した先行技術のように、軽量ガス入りのバルーンを用いたり、三角形状をなす四枚の合成樹脂シートを角錐状に縫製してなるものを遮光シートとして用いたりする必要がないので、製造コストの上昇を抑制することができる。
【0019】
また、日除けシート11を木立の枝などから吊り下げると、遮光シート自身の自重や弾性棒状部材12a,12b,12c及び連結具13a,13b,13cの重量などによって日除けシート11の形状が平面形状から円錐形状に変化するので、遮光シートを木立の枝などから吊り下げたときの形状が平面形状のものと比較して、直射日光を有効に遮光することができる。
【0020】
また、吊り具14に繋がれた吊り下げ用ロープ15の長さあるいは連結具13a,13b,13cに繋がれた繋留ロープ16a,16b,16cの長さを調節することで、日除けシート11の高さ(日除け高さ)を任意の高さに簡単に変えることができる。さらに、連結具13a,13b,13cに繋がれた繋留ロープ16a,16b,16cの長さを例えば互いに異なる長さに調節することで、図9に示すように、日除けシート11の角度(日除け角度)を任意の角度に簡単に変えることができる。
【0021】
さらに、吊り具14や連結具13a,13b,13cをアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことで、例えば吊り具や連結具がステンレス鋼からなるものと比較して、軽量化を図ることができ、公園やキャンプ場などへより容易に持ち運ぶことができる。
また、弾性棒状部材12a,12b,12cをガラス繊維強化プラスチックから形成したことで、例えば弾性棒状部材が金属材料からなるものと比較して、軽量化を図ることができると共に、風などの影響により弾性棒状部材が幼児などに当っても大きな衝撃力を与える心配もない。
【0022】
さらに、吊り具14を、日除けシート11をその両面側から挟む一対の板状挟み部141,142と、板状挟み部141,142の片面同士をねじ結合する雌雄一対のねじ部143,144と、板状挟み部141,142から日除けシート11の厚さ方向に突出する一対の板状片146,147とで形成し、板状片146,147の各々にロープ繋着孔145を設けたことで、日除けシート11の表裏を問わず日除けシート11を立木の枝などから吊り下げることができる。
上述した本発明の第1実施形態では、遮光シートの周縁部に形成された棒状部材挿通部に挿入される弾性棒状部材として三本の弾性棒状部材を例示したが、弾性棒状部材の本数は二本であってもよいし四本以上であってもよい。
【0023】
また、遮光シートの中心部に設けられる吊り具や弾性棒状部材をリング状に連結する連結具としてアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものを例示したが、プラスチック製の吊り具や連結具を用いてもよい。
さらに、図10に示すように、吊り具14に繋がれたロープ18の先端部を地面に固定し、連結具13a,13b,13cの各々に繋がれたロープ16a,16b,16cの先端部を立木の枝などに縛り付けてもよい。
【0024】
また、上述した本発明の第1実施形態では、屋外での日除け用として用いる場合を例示したが、屋内において照明光の遮光用として用いてよい。
さらに、遮光シートの周縁部に袋状の棒状部材挿通部を形成する代わりに、図11に示すように、連結具13a,13b,13cを収容するスリット17a,17b,17cを日除けシート11に放射状に形成するとともに、面ファスナーの帯状フック部18a,18b,18cを日除けシート11の表面上に放射状に固設し、これら帯状フック部18a,18b,18c上の任意の位置に連結具13a,13b,13cによりリング状に連結された弾性棒状部材12a,12b,12cを載せた後、帯状フック部18a,18b,18cの上面に面ファスナーの帯状ループ部19a,19b,19cを貼り付けて弾性棒状部材12a,12b,12cを日除けシート11の表面上に固定するようにしてもよい。
また、図12に示すように、日除けシート11の形状を四角形状としてもよい。
【符号の説明】
【0025】
10…簡易テント
11…シート
111,112,113…棒状部材挿通部
114,115,116…切欠部
117…貫通孔
12a,12b,12c…弾性棒状部材
13a,13b,13c…連結具
131…円筒部
132,133…ロープ繋留孔
134…板状繋留片
14…吊り具
141,142…板状挟み部
143…雄ねじ部
144…雌ねじ部
145…ロープ繋着孔
146,147…板状片
15…吊り下げ用ロープ
16a,16b,16c…繋留ロープ
17a,17b,17c…スリット
18a,18b,18c…面ファスナーのフック部
19a,19b,19c…面ファスナーのループ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば公園の砂場やキャンプ場などで用いられる簡易テントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日除けや雨除けなどに用いられる簡易テントは、帆布地などで形成されたテント本体を支える梁部材や支柱が金属製の管状部材で形成されているため、かなりの重量があり、持ち運びが不便であるとともに、分解しても支柱および梁部材が嵩張り、収納場所を大きくとるなどの問題がある。
そこで、上記の問題点を解消するために、可撓性軽量シートからなる四角錐状のテント本体と、このテント本体に取着され、その浮力によってテント本体を空中に持ち上げる軽量ガス入りのバルーンとからなるものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−155845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された簡易テントは、軽量ガス入りのバルーンを必要とし、しかもテント本体が例えば三角形状をなす四枚の合成樹脂シートを角錐状に縫製して形成されているため、製造コストの上昇を招きやすいなどの難点があった。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造コストの上昇を抑えることができ、かつ日除け用として用いる場合に日除け高さや日除け角度などを任意に且つ容易に変えることのできる簡易テントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係る簡易テントは、概ね円形状に形成されたシートと、該シートに形成された棒状部材挿通部に挿入されて前記シートに外径方向の張力を付与する複数本の弾性棒状部材と、該弾性棒状部材を前記シートの周方向に沿ってリング状に連結する複数個の連結具とを備えてなり、前記シートが伸縮性を有する織物布地から形成されているとともに、中心部に吊り具を有することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2の発明に係る簡易テントは、請求項1に記載の簡易テントにおいて、前記弾性棒状部材がガラス繊維強化プラスチックから形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項3の発明に係る簡易テントは、請求項1または2に記載の簡易テントにおいて、前記連結具と前記吊り具がアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項4の発明に係る簡易テントは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の簡易テントにおいて、前記吊り具が、前記シートを該シートの両面側から挟む一対の板状挟み部と、該板状挟み部の片面同士をねじ結合する雌雄一対のねじ部と、前記一対の板状挟み部から前記シートの厚さ方向に突出する一対の板状片とを有し、前記板状片の各々にロープ繋着孔が形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項5の発明に係る簡易テントは、請求項1〜4のいずれか一項に記載の簡易テントにおいて、前記棒状部材挿通部が、前記シートの周縁部を袋状に縫い付けて形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る簡易テントによれば、軽量ガス入りのバルーンを用いたり、三角形状をなす四枚の合成樹脂シートを角錐状に縫製してなるものを日除けシートとして用いたりする必要がないので、製造コストの上昇を抑制することができる。また、シートの中心部に設けられた吊り具を介してシートを立木の枝などから吊るすとシートの形状が平面形状から円錐形状に変化するので、日除け用として用いる場合に日除け高さや日除け角度などを任意に且つ容易に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る簡易テントの組立前の状態を平面的に示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る簡易テントのシートの中心部を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る簡易テントの連結具の側面を示す図である。
【図4】図3のA−A断面を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る簡易テントのシート周縁部に形成された3つの棒状部材挿通部に弾性棒状部材を挿入した状態を平面的に示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る簡易テントのシートの棒状部材挿通部に挿入された弾性棒状部材を3個の連結具によりリング状に連結した状態を平面的に示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る簡易テントの吊り具に吊り下げ用ロープを繋着すると共に各連結具に繋留ロープを繋着した状態を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る簡易テントを立木の枝などから吊り下げた状態を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る簡易テントのシートを地面に対して傾斜させた状態を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る簡易テントの他の使用方法を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図12】本発明の第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1〜図10を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る簡易テントの概略構成を示す図で、本発明の第1実施形態に係る簡易テント10は、シート11、弾性棒状部材12a,12b,12c、連結具13a,13b,13cおよび吊り具14を備えている。
シート(以下「日除けシート」という。)11は,例えば1700〜1800mmの直径で概ね円形状に形成されているとともに、伸縮性を有する織物布地(例えば藤掛株式会社製、SW41205200 広巾ツーウェー(製品名))から形成されている。
【0011】
また、日除けシート11は弾性棒状部材12a,12b,12cが挿入される棒状部材挿通部111,112,113を周縁部に有し、これらの棒状部材挿通部111,112,113は弾性棒状部材12a,12b,12cよりも若干短い長さで日除けシート11の周縁部に形成されているとともに、日除けシート11の周縁部を袋状に縫い付けて形成されている。
さらに、日除けシート11は連結具13a,13b,13cとの干渉を避けるための切欠部114,115,116を有し、これらの切欠部114,115,116は概ね120度の間隔で日除けシート11の周縁部に形成されている。
【0012】
弾性棒状部材12a,12b,12cは日除けシート11に外径方向の張力を付与するものであって、例えば直径7mm、長さ1800mmの寸法でガラス繊維強化プラスチック(FRP)から形成されている。
連結具13a,13b,13cは日除けシート11の棒状部材挿通部111,112,113に挿入された弾性棒状部材12a,12b,12cを日除けシート11の周方向に沿ってリング状に連結するものであって、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。
【0013】
吊り具14はビニロンロープなどの吊り下げ用ロープを用いて日除けシート11を立木の枝などから吊り下げるためのものであって、日除けシート11の中心部に設けられている。また、吊り具14はアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されているとともに、図2に示すように、日除けシート11をその両面側から挟む一対の板状挟み部141,142と、これら板状挟み部141,142の片面同士をねじ結合する雌雄一対のねじ部143,144とを有している。
【0014】
さらに、吊り具14は日除けシート11を立木の枝などから吊り下げる吊り下げ用ロープの一端部が繋着される二つのロープ繋着孔145(図2参照)を有し、これらのロープ繋着孔145は板状挟み部141,142から日除けシート11の厚さ方向に突出する一対の板状片146,147に形成されている。なお、吊り具14の板状挟み部141,142は例えば直径45mm、厚さ3mmの寸法で円板状に形成されている。また、日除けシート11の中心部には、吊り具14の雄ねじ部143または雌ねじ部144を挿入するための貫通孔117(図2参照)が形成されている。
前記連結具13a,13b,13cは、また、例えば外径10mm、内径7.2mm、長さ45mmの円筒部131(図3及び図4参照)を有し、この円筒部131の内部に弾性棒状部材12a,12b,12cの端部が挿入されるようになっている。
【0015】
また、連結具13a,13b,13cは立木の枝などから吊り下げられた日除けシート11の周縁部を地面に打ち込まれたペグにビニロンロープなどの繋留ロープによって繋留するためのロープ繋留孔132,133(図3及び図4参照)を有し、これらのロープ繋留孔132,133は円筒部131の外周面に形成された板状繋留片134に穿設されている。
【0016】
次に、本発明の第1実施形態に係る簡易テント10の組立方法などを図5〜図10を参照して説明する。
本発明の第1実施形態に係る簡易テント10を公園の砂場やキャンプ場などで組み立てる場合は、まず、図5及び図6に示すように、日除けシート11の周縁部に形成された棒状部材挿通部111,112,113に弾性棒状部材12a,12b,12cを挿入し、日除けシート11の棒状部材挿通部111,112,113に挿入された弾性棒状部材12a,12b,12cを連結具13a,13b,13cによりリング状に連結する。このとき、弾性棒状部材12a,12b,12cには円弧状に湾曲した状態から元の状態に戻ろうとする弾性復元力が発生し、この弾性復元力によって日除けシート11に外径方向の張力が付与される。
【0017】
弾性棒状部材12a,12b,12cが連結具13a,13b,13cによりリング状に連結されたならば、日除けシート11の中心部に吊り具14を装着する。次に、図7に示すように、日除けシート11の中心部に装着された吊り具14にビニロンロープなどの吊り下げ用ロープ15の一端部を連結し、さらに、連結具13a,13b,13cの板状繋留片134に形成されたロープ繋留孔132または133にビニロンロープなどの繋留ロープ16a,16b,16cの一端部を繋着する。そして、繋留ロープ16a,16b,16cの他端部をペグなどによって地面に固定するとともに、吊り下げ用ロープ15の他端部を木立の枝などに縛り付けて日除けシート11を木立の枝などから吊り下げる。このとき、日除けシート11は、遮光シート自身の自重や弾性棒状部材12a,12b,12c及び連結具13a,13b,13cの重量などによって、図8に示すように、円錐形状となって木立の枝などから吊り下げられる。
【0018】
上述した本発明の第1実施形態に係る簡易テント10では、前述した先行技術のように、軽量ガス入りのバルーンを用いたり、三角形状をなす四枚の合成樹脂シートを角錐状に縫製してなるものを遮光シートとして用いたりする必要がないので、製造コストの上昇を抑制することができる。
【0019】
また、日除けシート11を木立の枝などから吊り下げると、遮光シート自身の自重や弾性棒状部材12a,12b,12c及び連結具13a,13b,13cの重量などによって日除けシート11の形状が平面形状から円錐形状に変化するので、遮光シートを木立の枝などから吊り下げたときの形状が平面形状のものと比較して、直射日光を有効に遮光することができる。
【0020】
また、吊り具14に繋がれた吊り下げ用ロープ15の長さあるいは連結具13a,13b,13cに繋がれた繋留ロープ16a,16b,16cの長さを調節することで、日除けシート11の高さ(日除け高さ)を任意の高さに簡単に変えることができる。さらに、連結具13a,13b,13cに繋がれた繋留ロープ16a,16b,16cの長さを例えば互いに異なる長さに調節することで、図9に示すように、日除けシート11の角度(日除け角度)を任意の角度に簡単に変えることができる。
【0021】
さらに、吊り具14や連結具13a,13b,13cをアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことで、例えば吊り具や連結具がステンレス鋼からなるものと比較して、軽量化を図ることができ、公園やキャンプ場などへより容易に持ち運ぶことができる。
また、弾性棒状部材12a,12b,12cをガラス繊維強化プラスチックから形成したことで、例えば弾性棒状部材が金属材料からなるものと比較して、軽量化を図ることができると共に、風などの影響により弾性棒状部材が幼児などに当っても大きな衝撃力を与える心配もない。
【0022】
さらに、吊り具14を、日除けシート11をその両面側から挟む一対の板状挟み部141,142と、板状挟み部141,142の片面同士をねじ結合する雌雄一対のねじ部143,144と、板状挟み部141,142から日除けシート11の厚さ方向に突出する一対の板状片146,147とで形成し、板状片146,147の各々にロープ繋着孔145を設けたことで、日除けシート11の表裏を問わず日除けシート11を立木の枝などから吊り下げることができる。
上述した本発明の第1実施形態では、遮光シートの周縁部に形成された棒状部材挿通部に挿入される弾性棒状部材として三本の弾性棒状部材を例示したが、弾性棒状部材の本数は二本であってもよいし四本以上であってもよい。
【0023】
また、遮光シートの中心部に設けられる吊り具や弾性棒状部材をリング状に連結する連結具としてアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものを例示したが、プラスチック製の吊り具や連結具を用いてもよい。
さらに、図10に示すように、吊り具14に繋がれたロープ18の先端部を地面に固定し、連結具13a,13b,13cの各々に繋がれたロープ16a,16b,16cの先端部を立木の枝などに縛り付けてもよい。
【0024】
また、上述した本発明の第1実施形態では、屋外での日除け用として用いる場合を例示したが、屋内において照明光の遮光用として用いてよい。
さらに、遮光シートの周縁部に袋状の棒状部材挿通部を形成する代わりに、図11に示すように、連結具13a,13b,13cを収容するスリット17a,17b,17cを日除けシート11に放射状に形成するとともに、面ファスナーの帯状フック部18a,18b,18cを日除けシート11の表面上に放射状に固設し、これら帯状フック部18a,18b,18c上の任意の位置に連結具13a,13b,13cによりリング状に連結された弾性棒状部材12a,12b,12cを載せた後、帯状フック部18a,18b,18cの上面に面ファスナーの帯状ループ部19a,19b,19cを貼り付けて弾性棒状部材12a,12b,12cを日除けシート11の表面上に固定するようにしてもよい。
また、図12に示すように、日除けシート11の形状を四角形状としてもよい。
【符号の説明】
【0025】
10…簡易テント
11…シート
111,112,113…棒状部材挿通部
114,115,116…切欠部
117…貫通孔
12a,12b,12c…弾性棒状部材
13a,13b,13c…連結具
131…円筒部
132,133…ロープ繋留孔
134…板状繋留片
14…吊り具
141,142…板状挟み部
143…雄ねじ部
144…雌ねじ部
145…ロープ繋着孔
146,147…板状片
15…吊り下げ用ロープ
16a,16b,16c…繋留ロープ
17a,17b,17c…スリット
18a,18b,18c…面ファスナーのフック部
19a,19b,19c…面ファスナーのループ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
概ね円形状に形成されたシートと、該シートの周縁部に形成された棒状部材挿通部に挿入されて前記シートに外径方向の張力を付与する複数本の弾性棒状部材と、該弾性棒状部材を前記シートの周方向に沿ってリング状に連結する複数個の連結具とを備えてなり、前記シートが伸縮性を有する織物布地から形成されているとともに、中心部に吊り具を有することを特徴とする簡易テント。
【請求項2】
請求項1に記載の簡易テントにおいて、前記弾性棒状部材がガラス繊維強化プラスチックから形成されていることを特徴とする簡易テント。
【請求項3】
請求項1または2に記載の簡易テントにおいて、前記連結具と前記吊り具がアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることを特徴とする簡易テント。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の簡易テントにおいて、前記吊り具が、前記シートを該シートの両面側から挟む一対の板状挟み部と、該板状挟み部の片面同士をねじ結合する雌雄一対のねじ部と、前記一対の板状挟み部から前記シートの厚さ方向に突出する一対の板状片とを有し、前記板状片の各々にロープ繋着孔が形成されていることを特徴とする簡易テント。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の簡易テントにおいて、前記棒状部材挿通部が、前記シートの周縁部を袋状に縫い付けて形成されていることを特徴とする簡易テント。
【請求項1】
概ね円形状に形成されたシートと、該シートの周縁部に形成された棒状部材挿通部に挿入されて前記シートに外径方向の張力を付与する複数本の弾性棒状部材と、該弾性棒状部材を前記シートの周方向に沿ってリング状に連結する複数個の連結具とを備えてなり、前記シートが伸縮性を有する織物布地から形成されているとともに、中心部に吊り具を有することを特徴とする簡易テント。
【請求項2】
請求項1に記載の簡易テントにおいて、前記弾性棒状部材がガラス繊維強化プラスチックから形成されていることを特徴とする簡易テント。
【請求項3】
請求項1または2に記載の簡易テントにおいて、前記連結具と前記吊り具がアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることを特徴とする簡易テント。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の簡易テントにおいて、前記吊り具が、前記シートを該シートの両面側から挟む一対の板状挟み部と、該板状挟み部の片面同士をねじ結合する雌雄一対のねじ部と、前記一対の板状挟み部から前記シートの厚さ方向に突出する一対の板状片とを有し、前記板状片の各々にロープ繋着孔が形成されていることを特徴とする簡易テント。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の簡易テントにおいて、前記棒状部材挿通部が、前記シートの周縁部を袋状に縫い付けて形成されていることを特徴とする簡易テント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−184890(P2011−184890A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49102(P2010−49102)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【Fターム(参考)】
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