説明

簡易バルーンシェルター

【課題】 比較的強度を有して大型のものが製造可能で、しかも、敷地面積に対して内部の空間を大きくでき、更に、その高さや幅を変えることができる簡易バルーンシェルターを提供する。
【解決手段】 間隔をあけて配置され前後に長い左右の基礎部材11、12と、基礎部材11、12に連結され垂直配置された側壁部13、14及びこれらを連結する屋根部15を形成しているカバー部材16とを有し、基礎部材11、12及びカバー部材16が軟質の合成樹脂シート等からなり、空気注入によって膨らむバルーンによって形成され、カバー部材16は、少なくとも左右の側壁部13、14が、並べて配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の筒状気室22、23で全体が構成され、更にそれぞれの筒状気室22、23の基部が基礎部材11、12に立設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、住宅や道路の工事現場、又はその他の場所(例えば、広場)において、雨天でも作業や工事を行うことができるように使用する簡易バルーンシェルターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、災害時に負傷者の収容や救助隊員の休息のため、また、建設現場での仮の倉庫として、さらに、各種のイベント会場等に空気膨張式テントが使用されている。空気膨張式テントは、現場での組立て及び収納が簡単で、収縮させた状態でコンパクトになって運搬も容易に行える。イベント会場用の空気膨張式テントとして、多数のアーチ状の柱状気室が並列に配置され、全体が蒲鉾形状の空気膜構造型テントが使用されている。
また、マンホール工事等の工事、特に、雨や風の強い日でもマンホール工事や点検作業に使用できるエアーチューブテントが特許文献1に記載されている。このエアーチューブテントは、円筒状に構成され内部に空気を充填した筒状気室を組合わせてテントの柱や梁が結合した骨組み構造を構成し、この骨組み構造の周囲を天幕で覆う構成となっている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−270191号公報(図1及び図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の空気膨張式テントやエアーチューブテントは未だ解決すべき以下のような問題があった。
蒲鉾形状の空気膨張式テントは、壁と天井が一体となっているので、高さを確保するのが困難であり、高さを確保しようとすれば幅が広くなって広い面積の敷地を必要とするという問題がある。更には蒲鉾形状の両側部内側は高さが低くなっているので、空間の使用効率が悪いという問題がある。
また、エアーチューブ型のテントの場合には、柱や梁自体が筒状気室によって構成されているので、全体の強度が下がり、大型のものを作るのが困難である。また、仮にできても、柱や梁の強度は小さく、壁や天井の一部は天幕で覆われているので、風を受けて簡単に傾いたり振動したりする等の問題がある。
更には、空気膨張式テントやエアーチューブ型のテントにおいては、全体の高さや幅を変えることが困難であり、一つの専用用途しか使用できなかった。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、比較的強度を有して大型のものが製造可能で、しかも、敷地面積に対して内部の空間を大きくできる簡易バルーンシェルターを提供することを第1の目的とする。また、場合によっては、一つの簡易バルーンシェルターでその高さや幅を変えることができる簡易バルーンシェルターを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る簡易バルーンシェルターは、間隔をあけて水平に配置され、前後に長い左右の基礎部材と、該それぞれの基礎部材に連結され、左右の垂直配置された側壁部及びこれらを連結する屋根部を形成しているカバー部材とを有し、前記それぞれの基礎部材及びカバー部材が軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなり、空気注入によって膨らむバルーンによって形成される簡易バルーンシェルターであって、
前記カバー部材は、少なくとも左右の前記側壁部が、並べて配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の筒状気室で全体が構成され、更にそれぞれの前記筒状気室の基部が前記基礎部材に立設されている。
【0007】
また、第2の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第1の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、前記カバー部材が、前記基礎部材のいずれか一つに立設される側壁部、及び該側壁部に連結される前記屋根部の一部をそれぞれ有する左右の半カバー部材を備え、前記左右の半カバー部材の先端部は折り込み可能な連結部材を介して連結されていると共に、前記左右の半カバー部材の先端部には、互いに係合するファスナーA、Bを有している。
【0008】
第3の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第1の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、前記カバー部材が、前記基礎部材のいずれか一つに立設される側壁部、及び該側壁部に連結される前記屋根部の一部をそれぞれ有する分離可能な左右の半カバー部材を備え、該左右の半カバー部材の先端部に係合するファスナーC、Dを設け、該左右の半カバー部材の先端部に、前記ファスナーC、Dに係合するファスナーE、Fを備える補助屋根部材を配置可能としている。
【0009】
そして、第4の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第1〜第3の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、前記左右のいずれか一方又は双方の基礎部材の側部の上下位置に互いに係合するファスナーG、Hを水平配置し、前記ファスナーG、Hを連結した場合と、前記前記ファスナーG、Hを解放した場合とで、前記基礎部材の高さを変更可能としている。
【0010】
また、第5の発明に係る簡易バルーンシェルターは、水平に配置され前後に長い基礎部材と、該基礎部材に立設される側壁部及び該側壁部の上端に連結される屋根部を備えたカバー部材とを有し、該カバー部材は軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなり、空気注入によって膨らむバルーンによって形成される簡易バルーンシェルターであって、
前記側壁部は、前後方向に並べて配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の第1の筒状気室によって構成され、前記屋根部は、上下方向に並べて水平配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の第2の筒状気室によって構成される。
【0011】
そして、第6の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第5の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、前記屋根部は中間にファスナーによる連結部材を備え、該屋根部の長さを調整可能としている。
また、第7の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第5及び第6の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、前記屋根部の先端部にはロープ係止用孔が設けられていると共に、前記屋根部を構成する前記第2の筒状気室の一部又は全部の端部にはロープ係止用フック(即ち、ロープ係止具、鉤状のものの他、リング状のものを含む、以下同じ)が設けられている。
【0012】
そして、第8の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第1〜第7の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、前記側壁部の内側には、冷風又は温風を吹き出す送風口が並べて設けられた軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなるダクトが設けられている。
なお、第1〜第8の発明において、簡易バルーンシェルターの前後方向は、開放であってもよいし、壁材(例えば、シート材や垂れ幕)を配置してもよい。壁材を配置した場合は内部のシール性が更に高まる。
また、第1〜第8の発明において、合成樹脂シート又はゴムシートとは折り畳むことが可能なものをいい、内部に繊維が配置されている合成樹脂シート、ゴムシート及び繊維シートに防水コーティングしたものも含まれる。更に、合成樹脂シート及びゴムシートの選択にあっては、十分な強度を有し、耐候性及び耐熱性を有するものを使用するのがよい。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいては、カバー部材は、少なくとも左右の側壁部が、並べて配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の筒状気室で全体が構成され、更にそれぞれの筒状気室の基部が基礎部材に立設されているので、側壁部の全部が筒状気室によって形成されていることになり、簡易バルーンシェルター全体の強度を高めることができる。
そして、筒状気室を並べて形成される側壁部は基礎部材に垂直配置され、その上に筒状気室を並べて配置される屋根部を形成した場合には、更に、全体の強度が向上し、比較的大型のシェルターを形成できる。
【0014】
また、第2の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第1の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、カバー部材が、基礎部材のいずれか一つに立設される側壁部、及びこの側壁部に連結される屋根部の一部をそれぞれ有する左右の半カバー部材を備え、左右の半カバー部材の先端部は折り込み可能な連結部材を介して連結されていると共に、左右の半カバー部材の先端部には、互いに係合するファスナーA、Bを有している。従って、ファスナーA、Bの係合状態を解いた場合には、簡易バルーンシェルターの左右の幅が長くなり、ファスナーA、Bを係合させた場合には、連結部材の長さだけ簡易バルーンシェルターの左右の幅が短くなる。これによって、簡易バルーンシェルターの幅を変えることができる。
【0015】
第3の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第1の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、カバー部材が、基礎部材のいずれか一つに立設される側壁部、及び側壁部に連結される屋根部の一部をそれぞれ有する分離可能な左右の半カバー部材を備え、左右の半カバー部材の先端部に係合するファスナーC、Dを設け、左右の半カバー部材の先端部に、ファスナーC、Dに係合するファスナーE、Fを備える補助屋根部材を配置可能としている。
これによって、補助屋根部材を使用した場合、使用しない場合で簡易バルーンシェルターの横幅が変わり、この場合、補助屋根部材の長さを変えることによって、簡易バルーンシェルターの幅を自在に変更することができる。
【0016】
第4の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第1〜第3の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、左右のいずれか一方又は双方の基礎部材の側部の上下位置に互いに係合するファスナーG、Hを水平配置し、ファスナーG、Hを連結した場合と、ファスナーG、Hを解放した場合とで、基礎部材の高さを変更可能としている。
これによって、簡易バルーンシェルターの全体高さを変えることができる。
【0017】
そして、第5の発明に係る簡易バルーンシェルターは、側壁部が、前後方向に並べて配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の第1の筒状気室によって構成され、屋根部が、上下方向に並べて水平配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の第2の筒状気室によって構成されているので、側壁部及び屋根部が強度を有し、大型の簡易バルーンシェルターを構成できる。
また、この発明において、一つの基礎部材とこれに連接するカバー部材のみしか使用しない場合には、例えば、木造建築の片側のみを覆うようにすることもできる。勿論、対となる簡易バルーンシェルターを連結して使用することもでき、この場合は、更に強度が増して、建屋状となる。
【0018】
そして、第6の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第5の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、屋根部は中間にファスナーによる連結部材を備え、屋根部の長さを調整可能としている。これによって、対象物に合わせて屋根の長さを変えることができる。
【0019】
また、第7の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第5及び第6の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、屋根部の先端部にはロープ係止用孔が設けられていると共に、屋根部を構成する第1の筒状気室の一部又は全部の端部にはロープ係止用フックが設けられている。これによって、一つの基礎部材とこれに連接するカバー部材のみしか使用しない場合には、側壁部のない開放側は、ロープ等で固定することができ、特に、木造家屋の片側を覆う場合に更に適している。
【0020】
そして、第8の発明に係る簡易バルーンシェルターは、第1〜第7の発明に係る簡易バルーンシェルターにおいて、側壁部の内側には、冷風又は温風を吹き出す送風口が並べて設けられた軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなるダクトが設けられている。これによって簡易バルーンシェルターの内部に冷風又は温風を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る簡易バルーンシェルターの使用状況を示す説明図、図2は同簡易バルーンシェルターの模式図、図3は同簡易バルーンシェルターのカバー部材の屋根部の長さの変更方法を示す説明図、図4は同簡易バルーンシェルターの基礎部材の高さの変更方法を示す説明図、図5は同簡易バルーンシェルターのカバー部材の屋根部の変形例を示す説明図、図6は本発明の第2の実施の形態に係る簡易バルーンシェルターの使用状況を示す説明図、図7は同簡易バルーンシェルターの変形例を展開した状態を示す模式図、図8は同簡易バルーンシェルターの変形例の使用方法を示す説明図である。なお、図7、図8においては、第1、第2の筒状気室65a、66aを断面円形に記載しているが、実際は図6に示すように、4辺が外方向に膨らんだ断面矩形形状をしている。
【0022】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る簡易バルーンシェルター10は、例えば、住宅工事で使用するものであって、左右方向に間隔をあけて水平に配置され、前後に長い左右の基礎部材11、12と、それぞれの基礎部材11、12の上部に連結され、左右の側壁部13、14及びこれらを連結する屋根部15を形成しているカバー部材16とを有して構成されている。カバー部材16は、基礎部材11に立設される左の垂直配置された側壁部13及び側壁部13に連結される屋根部15の左側部17を有する左の半カバー部材19と、左の半カバー部材19に対向して配置され、基礎部材12に立設される右の垂直配置された側壁部14及び側壁部14に連結される屋根部15の右側部18を有する右の半カバー部材20とを備えており、対向して配置された左右の半カバー部材19、20の先端部は折り込み可能な連結部材21を介して連結されている。
【0023】
また、それぞれの基礎部材11、12及びカバー部材16が軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなり、空気注入によって膨らむバルーンによって形成されている。しかも、住宅工事で使用する際、例えば、建設する住宅のサイズ(高さや幅又は奥行き)が異なる場合でも、それに応じて、基礎部材11、12の高さ(従って、カバー部材16の屋根部15の高さ)や屋根部15の左右方向の長さ(即ち、側壁部13、14間の距離)を変更することができるように構成されている。以下、これらについて詳しく説明する。
【0024】
左右の半カバー部材19、20はそれぞれ、前後方向に並べて配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数(本実施の形態では8個)の筒状気室22、23で全体が構成されており、更にそれぞれの筒状気室22、23の基部が基礎部材11、12に立設されている。空気注入によってバルーンが膨らんだ状態の筒状気室22、23の断面形状は、略矩形であって、各辺が外側に膨れた円弧状に形成される。
【0025】
図1、図2及び図3に示すように、連結部材21も、基礎部材11、12及びカバー部材16と同様、合成樹脂シート又はゴムシートからなっており、左右の半カバー部材19、20の筒状気室22、23のいずれか1又は2以上に図示しない空気流通口が連通している。この連結部材21は長尺の筒状気室が、前後方向に配置された構成となっており、中央には折り目24が形成されている。従って、左右の半カバー部材19、20の先端部はそれぞれ、左右方向の長さN(一例として、N=400〜600mm)の連結部材21の両端部に一体的に連結されている。
【0026】
図3に示すように、連結部材21で連結されている左右の半カバー部材19、20の先端部にはそれぞれ、互いに係合するファスナーA、Bが距離Nをあけて全周に沿って設けられている。一方、連結部材21の左右方向の中心線位置には、内側に畳み込まれるように折り目24が全周に沿って形成されている。
かかる構成によって、図3に示すように、連結部材21を折り目24で内側に折り込み、その後、ファスナーA、Bを連結すると、カバー部材16の屋根部15の長さL(バルーン幅)が(L−N)になる。
【0027】
図4に示すように、左の基礎部材11(右の基礎部材12も同じ)の側部の上下位置には、互いに係合するファスナーG、Hを間隔T(一例として、T=400〜600mm)あけて水平配置しており、ファスナーG、Hを連結した場合(右の図)と、ファスナーG、Hを解放した場合(左の図)とで、基礎部材11の高さを変更可能としている。従って、ファスナーG、Hを連結することにより、簡易バルーンシェルター10の高さSを(S−T)に調整することができる。
【0028】
図5には、変形例として、屋根部の長さを変更するカバー部材25を示す。
図5に示すように、カバー部材25は、基礎部材11、12に立設される側壁部13、14、及び側壁部13、14に連結される屋根部26の左側部27、右側部28をそれぞれ有する分離可能な左右の半カバー部材29、30からなっている。左右の半カバー部材29、30の先端部には係合するファスナーC、Dが設けられており、左右の半カバー部材29、30の先端部には、係合するファスナーC、Dにそれぞれ係合するファスナーE、Fを備える補助屋根部材31が配置可能となっている。補助屋根部材31のファスナーE、F間の距離はM(一例として、M=400〜1200mm)としている。補助屋根部材31は、各筒状気室22、23に連通する合成樹脂シート又はゴムシートから形成された長尺の筒状気室を備えている。
かかる構成によって、左右の半カバー部材29、30の先端部間に、補助屋根部材31を着脱することにより、カバー部材25の屋根部26の長さをL又は(L+M)に変更することができる。
【0029】
図1及び図2に示すように、側壁部13、14の左右方向の内側には、前後方向に沿って、冷風又は温風を吹き出す複数の送風口32が並べて設けられた軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなるダクト33、34が上下2段に設けられている。上下のダクト33、34は、前後方向に間隔をあけて垂直に配置された軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなる連通部材35を介して連通されている。冷風又は温風は、外部に設置された冷風又は温風の供給源36、37に接続され、しかも、側壁部13、14の左右方向を貫通して下段のダクト34に連通された供給口38、39を介して供給されるようになっている。複数の送風口32はそれぞれ、例えば、ファスナー(ジッパー)を設けて、開閉可能にすることもでき、これによって、送風口32を選択的に開閉することができる。また、送風口32の設置面からの高さ位置は0.5〜2mとしている。
【0030】
基礎部材11、12の左右方向の外側には、前後方向に沿って、ウェイト40、41及び複数のアンカー42を取付け可能な、平面視して細長い矩形でシート状の支持部材43、44が設けられている。ウェイト40(41も同じ)は基礎部材11側に載置されて、基礎部材11が設置面から移動しないようになっている。また、ウェイト40を支持部材43に載置した状態で、必要に応じて、さらに、アンカー42を設けて支持部材43を介して基礎部材11を設置面に強固に固定することもできる。なお、ウェイト40は砂を袋に詰めたものとしている。
【0031】
図1及び図2に示すように、基礎部材11、12の下部位置にはそれぞれ、外部に別置きされた送風機45、46から送られる空気によって、基礎部材11、12及びカバー部材16を形成するバルーンを膨らませる空気の給排気口47、48が設けられており、給排気口47、48はそれぞれ、接続管49、50を介して送風機45、46の吐出口に連結されている。送風機45、46には、雨よけカバー51、52が設けられている。かかる構成により、送風機45、46から供給される空気により、縮んだ状態の基礎部材11、12及びカバー部材16を膨らませ、その後は、縫い目やその他の小孔から漏れる空気の補給を行って、バルーンを維持することができる。
【0032】
側壁部13、14の外側下部位置には、ロープ係止用フック53が前後方向に沿って並べて、即ち、各筒状気室22、23の外側下部位置に設けられている。ロープ係止用フック53を介して固定用のロープ(図示せず)により、側壁部13、14を外部の固定物にしっかりと固定することができる。
基礎部材11、12の下面と設置面との間には、ウレタンゴムからなる平面視して細長い矩形でシート状の底面補強板54、55が設けられている。底面補強板54、55により、基礎部材11、12の下面と設置面との接触をより均一にすることができ、基礎部材11、12に作用する集中荷重を抑えて基礎部材11、12の耐久性を向上させることができる。
【0033】
次いで、本発明の第1の実施の形態に係る簡易バルーンシェルター10の使用方法及び作用(又は動作)について、図を参照しながら説明する。
まず、空気が抜かれた状態の基礎部材11、12と、カバー部材16とを分離した状態で建築現場に持ち込む。基礎部材11、12にはそれぞれ、支持部材43、44が取付けられている。
基礎部材11、12及び支持部材43、44を所定の位置の設置面に、底面補強板54、55を介して設置する。
【0034】
次いで、簡易バルーンシェルター10を適用する建築中の住宅のサイズに応じて、図3の上図のように、カバー部材16のファスナーA、Bを解放した状態にし、また、図4の右図のように、基礎部材11、12のそれぞれのファスナーG、Hを連結することによって、屋根部15の長さ(側壁部13、14の間隔)を長くすると共に、カバー部材16の高が低くなるように設定する。
その後、支持部材43、44上にウェイト40、41を載置し、さらに、支持部材43、44に複数のアンカー42を取付ける。
送風機45、46を運転し、給排気口47、48を介して、空気を基礎部材11、12及びカバー部材16に注入して、基礎部材11、12及びカバー部材16を形成するバルーンを膨らませる。バルーンからの空気漏れのため、その後も常時少量の空気を補給する。
【0035】
外部に設置された冷風又は温風の供給源36、37を運転して、冷風又は温風を、側壁部13、14を貫通して連通されたダクト34及びダクト33に供給し、ダクト33、34に形成された送風口32からカバー部材16内部に吹き出す。この状態で、雨天でも作業者はカバー部材16内で冷風又は温風により快適に作業を行うことができる。
また、工事の進展に伴って、屋根部15の長さを短くしたり、また、カバー部材16の高さを高くする場合には、一旦、給排気口47、48を介して、空気をバルーンから排出して、基礎部材11、12及びカバー部材16を縮んだ状態にして、カバー部材16のファスナーA、Bを連結し、また、基礎部材11、12のそれぞれのファスナーG、Hを解放し、その後、空気を注入する。
【0036】
図6に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る簡易バルーンシェルター60は、例えば、住宅工事で使用するものであって、水平に配置され前後に長い基礎部材61と、基礎部材61に立設される側壁部62及び側壁部62の上端に連結される屋根部63を備えたカバー部材64とを有しており、基礎部材61及びカバー部材64は、第1の実施の形態に係る簡易バルーンシェルター10の基礎部材11、12及びカバー部材16と同様、軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなり、空気注入によって膨らむバルーンによって形成されている。なお、第1の実施の形態に係る簡易バルーンシェルター10と同一の構成要素については、同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0037】
図6に示すように、簡易バルーンシェルター60のカバー部材64においては、側壁部62は、前後方向に並べて垂直配置され、それぞれの連結部分の一部が連通する複数(本実施の形態では11個)の第1の筒状気室65によって構成され、屋根部63は、上下方向に並べて水平配置され、それぞれの連結部分の一部が連通する複数(本実施の形態では11個)の第2の筒状気室66によって構成されている。第1の筒状気室65は、第1の実施の形態に係る簡易バルーンシェルター10の半カバー部材19、20の筒状気室22、23と同様、空気注入によってバルーンが膨らんだ状態の断面形状は、略矩形であって、各辺が外側に円弧状に形成される。一方、空気注入によって膨らんだ状態の第2の筒状気室66の断面は、各辺が外側に円弧状に形成され、しかも、左右方向の外側が長辺で内側が短辺の略台形状に形成されている。
【0038】
基礎部材61は、図4に示す簡易バルーンシェルター10の基礎部材11、12と同様、側部の上下位置に互いに係合するファスナーG、Hを水平配置しており、図6に示すファスナーG、Hを連結した場合と、ファスナーG、Hを解放した場合とで、基礎部材61の高さを変更可能としている。
屋根部63の隣り合う第2の筒状気室66は中間位置の表裏に互いに係合するファスナーX、Yを設けて、係合するファスナーX、Yの間を連結部材66dとすることもできる。これによって、ファスナーX、Yの連結及び解放により屋根部63の上下方向の長さが調整可能にすることができる。
【0039】
屋根部63を構成する第2の筒状気室66の全部の端部には、ロープ係止用フック53が設けられている。なお、図6に図示していないが、屋根部63の先端部には、固定用のロープにより、屋根部63の先端部を外部の固定物にしっかりと固定するためのロープ係止用孔が多数形成された細長い矩形でシート状の固定用部材が、前後方向に沿って設けられている。
【0040】
側壁部62の左右方向の外側下部位置には、給排気口67が設けられており、給排気口67は接続管68を介して、外部に別置きされた送風機69の吐出口に連結されている。送風機69から供給される空気によって、基礎部材61及びカバー部材64であるバルーンを膨らますことができる。また、送風機69には、雨よけカバー70が設けられている。
側壁部62の左右方向の外側下部位置には、ロープ係止用フック53が前後方向に沿って並べて、即ち、各第1の筒状気室65の外側下部位置に設けられており、固定用のロープ(図示せず)によりロープ係止用フック53を介して、側壁部62を外部の固定物にしっかりと固定することができる。
【0041】
基礎部材61の左右方向の外側には、前後方向に沿って、ウェイト71及び複数のアンカー42を取付け可能な、平面視して細長い矩形でシート状の支持部材72が設けられている。ウェイト71は基礎部材61側に載置されて、基礎部材61が設置面から移動しないようになっており、ウェイト71を支持部材72に載置した状態で、必要に応じて、さらに、アンカー42を設けて支持部材72を介して基礎部材61を設置面に強固に固定することもできる。
簡易バルーンシェルター10と同様、側壁部62の左右方向の内側には、前後方向に沿って、冷風又は温風を吹き出す多数の送風口が並べて設けられた軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなるダクトが上下2段に設けられている。
【0042】
図7には、簡易バルーンシェルター60の変形例に係る簡易バルーンシェルター80を展開した状態で示している。簡易バルーンシェルター80が簡易バルーンシェルター60と異なる主な点は、簡易バルーンシェルター80の基礎部材81の高さは可変ではなく、一定となっている点である。基礎部材81は合成樹脂シート又はゴムシートからなっている。なお、簡易バルーンシェルター60と同一の構成要素については、同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0043】
図7に示すように、簡易バルーンシェルター80においては、カバー部材64aの側壁部62aは、前後方向に並べて垂直配置され、それぞれの連結部分の一部が連通する複数(本実施の形態では6個)の第1の筒状気室65aによって構成されており、カバー部材64aの屋根部63aは、上下方向に並べて水平配置され、それぞれの連結部分の一部が連通する複数(本実施の形態では10個)の第2の筒状気室66aによって構成されている。空気注入によって膨らんだ状態の第1の筒状気室65a及び第2の筒状気室66aの断面は、連結部分が直線に、それ以外の部分が大きな円弧状に形成されている。
屋根部63aの上下方向に隣り合う第2の筒状気室66aの連結部分(1ヵ所でよい)には、周囲に対となる係合するファスナーI、Jを備えて、連結されている。この場合、上下の第2の筒状気室66aの空気の連通は、ファスナーI、Jでそれぞれ囲まれる筒状気室66aの一部に対向する1又は複数の空気孔を設けることによって行われている。この場合、係合するファスナーI、Jの接合部分から空気は漏れることにはなるが、常時送風機69aから空気が送られているので、屋根部63aが膨らんだ状態を維持できる。
また、上下の第2の筒状気室66aが係合するファスナーI、Jで連結されているので、この部分を切り離して、ファスナーIに係合するファスナーI´と、ファスナーJに係合するファスナーJ´を有する補助屋根部材を継ぎ足すことによって、屋根部63aの長さを延長できる。この場合、補助屋根部材は、例えば、第2の筒状気室66aと同一構造であってもよく、これによって、屋根部63a及び補助屋根部材を円滑に連結して、空気を供給し膨らませることができる。
隣り合う第2の筒状気室66と一対のファスナーI、Jによる補助屋根部材66fを備えており、一対のファスナーI、Jの連結及び解放により屋根部63aの長さが調整可能に構成されている。
【0044】
側壁部62aの下部位置には、給排気口67aが設けられており、給排気口67aは接続管68aを介して、外部に別置きされた送風機69aの吐出口に連結されている。送風機69aから供給される空気によって、カバー部材64aであるバルーンを膨らますことができる。また、送風機69aには、雨よけカバー70aが設けられている。基礎部材81の左右方向の外側には、前後方向に沿って、ウェイト71a及び複数のアンカー42を取付け可能な、平面視して細長い矩形でシート状の支持部材72aが設けられている。
【0045】
簡易バルーンシェルター60と同様、側壁部62aの左右方向の内側には、前後方向に沿って、冷風又は温風を吹き出す多数の送風口32が並べて設けられた軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなるダクト33a、34aが上下2段に設けられている。ダクト33a、34aは、前後方向に間隔をあけて垂直に配置された軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなる連通部材35aを介して連通されている。基礎部材81と設置面との間には、底面補強板54aが設けられている。
【0046】
屋根部63aの先端部には、固定用のロープ(図示せず)により、屋根部63aの先端部を外部の固定物にしっかりと固定するためのロープ係止用孔82が多数形成された、細長い矩形でシート状の固定用部材83が、前後方向に沿って設けられている。さらに、屋根部63aを構成する第2の筒状気室66aの全部の端部には、ロープ係止用フック53aが設けられている。
【0047】
次いで、本発明の第2の実施の形態の変形例である簡易バルーンシェルター80(60も略同じ)の使用方法及び作用(又は動作)について、図7及び図8を参照しながら説明する。
支持部材72a及びカバー部材64aが取付けられている基礎部材81を建築現場に持ち込み、基礎部材81及び支持部材72aを所定の位置の設置面に、底面補強板54aを介して設置する。支持部材72a上にウェイト71aを載置し、さらに、支持部材72aに複数のアンカー42を取付ける。
【0048】
次いで、送風機69aを運転し、給排気口67aを介して、空気をカバー部材64aに注入してカバー部材64aを膨らませて、図7に示す展開された状態のバルーンにする。
その後、簡易バルーンシェルター80を適用する建築中の住宅のサイズに応じて、図8にそれぞれ示すように、屋根部63aを構成する第2の筒状気室66aの下から1段(通常の使い方)又は2段(高さを高くする使い方)を、側壁部62aの上端に垂直にすると共に、残りの第2の筒状気室66aが、下方の設置物との干渉を避けて所定の形状を形成するように、固定用部材83のロープ係止用孔82を、ロープを介して外部の固定物に固定すると共に、第1の筒状気室65a及び第2の筒状気室66aのロープ係止用フック53、53aを介してロープにより外部の固定物に固定する。
【0049】
外部に設置された冷風又は温風の供給源を運転して、冷風又は温風をダクト33a、34aに供給し、ダクト33a、34aに形成された多数の送風口32からカバー部材64a内部に吹き出し、雨天でもカバー部材64a内で作業者が快適に作業を行うことができる。
また、工事の進展に伴って、補助屋根部材を追加した屋根部63aの長さを短くする場合には、一旦、給排気口467aを介して、空気をバルーンから排出して、カバー部材64aを一旦縮んだ状態にして、カバー部材64aの二対のファスナーI 、I ´とJ 、J ´を解放して、補助屋根部材を除去し、上下隣り合う第2の筒状気室66aの対向するファスナーI 、J を連結し、空気を注入する。
【0050】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、それぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の簡易バルーンシェルターを構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
左右の半カバー部材19、20の先端部に配置した補助屋根部材31として、各筒状気室22、23に連通する筒状気室を、合成樹脂シート又はゴムシートから形成するようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、補助屋根部材を伸縮しない材料で構成することもできる。
【0051】
左右の半カバー部材19、20の先端部に1個の補助屋根部材31を配置したが、これに限定されず、必要に応じて、2個以上の補助屋根部材を配置することもできる。
連結部材21を左右の半カバー部材19、20の筒状気室22、23の先部に連通する構造としたが、これに限定されず、必要に応じて、連結部材の左右方向の中間位置に、空気の連通を遮断する遮断部を設けることもできる。これにより、送風機45、46から供給される空気により、左右のバルーンが均等に、効率よく形成される。
基礎部材11、12にそれぞれ、送風機45、46を設けたが、これに限定されず、状況に応じて、いずれか一方の基礎部材に1台の送風機を設けることもできる。
【0052】
カバー部材16を構成する筒状気室22、23(カバー部材64、64aも同じ)の個数について特定したが、これに限定されず、必要に応じて、その他の個数に変えることもできる。また、筒状気室22、23、第1の筒状気室65、65a及び第2の筒状気室66、66aの断面形状について言及したが、これに限定されず、状況に応じて、他の断面形状にすることもできる。
双方の基礎部材11、12の側部の上下位置に互いに係合するファスナーG、Hを設けたが、これに限定されず、必要に応じて、いずれか一つの基礎部材にファスナーを設けることもできる。
【0053】
基礎部材11、12及び基礎部材61の高さ変更のために係合するファスナーG、Hを設けたが、これに限定されず、必要に応じて、補助屋根部材31と同じ構造の補助基礎部材を用いることもできる。
簡易バルーンシェルター80の屋根部63aの先端部にはロープ係止用孔82を設けると共に、屋根部63aを構成する第2の筒状気室66aの全部の端部にはロープ係止用フック53aを設けたが、これに限定されず、状況に応じて、ロープ係止用孔を省略したり、また、第2の筒状気室の一部の端部にロープ係止用フック53aを設けることもできる。
【0054】
側壁部の内側には、冷風又は温風を吹き出す多数の送風口32が並べて設けられた軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなるダクト33、34を設けたが、これに限定されず、必要に応じて、ダクトを省略したり、また、ダクトを別の材質で形成することもできる。また、外観を考慮して、ダクトを側壁部の内部に取付けることもできる。
基礎部材には、ウェイト及びアンカーの双方を取付け可能な支持部材を設けたが、これに限定されず、必要に応じて、ウェイト及びアンカーのいずれか一方を取付け可能な支持部材を設けることもできる。
【0055】
側壁部の外側下部位置には、ロープ係止用フック53を並べて設けたが、これに限定されず、状況に応じて、ロープ係止用フックを省略することもできる。
ファスナーの構造については、言及しなかったが、面状ファスナー又はジッパーのいずれか一方又は双方を使用することができる。また、連続して固定するファスナー以外にも、断続して固定するファスナーを用いることもできる。
カバー部材の屋根部の長さLは5〜14m程度、また、カバー部材の屋根部の高さSは3〜5m程度としている。
送風機及び冷風又は温風の供給源を基礎部材の左右方向の外側に設けたが、これに限定されず、状況に応じて、基礎部材の左右方向の内側に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る簡易バルーンシェルターの使用状況を示す説明図である。
【図2】同簡易バルーンシェルターの模式図である。
【図3】同簡易バルーンシェルターのカバー部材の屋根部の長さの変更方法を示す説明図である。
【図4】同簡易バルーンシェルターの基礎部材の高さの変更方法を示す説明図である。
【図5】同簡易バルーンシェルターのカバー部材の屋根部の変形例を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る簡易バルーンシェルターの使用状況を示す説明図である。
【図7】同簡易バルーンシェルターの変形例を展開した状態を示す模式図である。
【図8】同簡易バルーンシェルターの変形例の使用方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
10:簡易バルーンシェルター、11、12:基礎部材、13、14:側壁部、15:屋根部、16:カバー部材、17:左側部、18:右側部、19、20:半カバー部材、21:連結部材、22、23:筒状気室、24:折り目、25:カバー部材、26:屋根部、27:左側部、28:右側部、29、30:半カバー部材、31:補助屋根部材、32:送風口、33、33a:ダクト、34、34a:ダクト、35、35a:連通部材、36、37:供給源、38、39:供給口、40、41:ウェイト、42:アンカー、43、44:支持部材、45、46:送風機、47、48:給排気口、49、50:接続管、51、52:雨よけカバー、53、53a:ロープ係止用フック、54、54a:底面補強板、55:底面補強板、60:簡易バルーンシェルター、61:基礎部材、62、62a:側壁部、63、63a:屋根部、64、64a:カバー部材、65、65a:第1の筒状気室、66、66a:第2の筒状気室、66d:連結部材、67、67a:給排気口、68、68a:接続管、69、69a:送風機、70、70a:雨よけカバー、71、71a:ウェイト、72、72a:支持部材、80:簡易バルーンシェルター、81:基礎部材、82:ロープ係止用孔、83:固定用部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて水平に配置され、前後に長い左右の基礎部材と、該それぞれの基礎部材に連結され、左右の垂直配置された側壁部及びこれらを連結する屋根部を形成しているカバー部材とを有し、前記それぞれの基礎部材及びカバー部材が軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなり、空気注入によって膨らむバルーンによって形成される簡易バルーンシェルターであって、
前記カバー部材は、少なくとも左右の前記側壁部が、並べて配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の筒状気室で全体が構成され、更にそれぞれの前記筒状気室の基部が前記基礎部材に立設されていることを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項2】
請求項1記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記カバー部材が、前記基礎部材のいずれか一つに立設される側壁部、及び該側壁部に連結される前記屋根部の一部をそれぞれ有する左右の半カバー部材を備え、前記左右の半カバー部材の先端部は折り込み可能な連結部材を介して連結されていると共に、前記左右の半カバー部材の先端部には、互いに係合するファスナーA、Bを有することを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項3】
請求項1記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記カバー部材が、前記基礎部材のいずれか一つに立設される側壁部、及び該側壁部に連結される前記屋根部の一部をそれぞれ有する分離可能な左右の半カバー部材を備え、該左右の半カバー部材の先端部に係合するファスナーC、Dを設け、該左右の半カバー部材の先端部に、前記ファスナーC、Dに係合するファスナーE、Fを備える補助屋根部材を配置可能としたことを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記左右のいずれか一方又は双方の基礎部材の側部の上下位置に互いに係合するファスナーG、Hを水平配置し、前記ファスナーG、Hを連結した場合と、前記前記ファスナーG、Hを解放した場合とで、前記基礎部材の高さを変更可能としたことを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項5】
水平に配置され前後に長い基礎部材と、該基礎部材に立設される側壁部及び該側壁部の上端に連結される屋根部を備えたカバー部材とを有し、該カバー部材は軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなり、空気注入によって膨らむバルーンによって形成される簡易バルーンシェルターであって、
前記側壁部は、前後方向に並べて配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の第1の筒状気室によって構成され、前記屋根部は、上下方向に並べて水平配置されそれぞれの連結部分の一部が連通する複数の第2の筒状気室によって構成されることを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項6】
請求項5記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記屋根部は中間にファスナーによる連結部材を備え、該屋根部の長さを調整可能としていることを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項7】
請求項5及び6のいずれか1項に記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記屋根部の先端部にはロープ係止用孔が設けられていると共に、前記屋根部を構成する前記第2の筒状気室の一部又は全部の端部にはロープ係止用フックが設けられていることを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記側壁部の内側には、冷風又は温風を吹き出す送風口が並べて設けられた軟質の合成樹脂シート又はゴムシートからなるダクトが設けられていることを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記基礎部材には、ウェイト及びアンカーのいずれか一方又は双方を取付け可能な支持部材が設けられていることを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記基礎部材又は前記側壁部の下部位置には、給排気口が設けられて、別置きされた送風機から送られる空気によって前記バルーンが膨らむことを特徴とする簡易バルーンシェルター。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の簡易バルーンシェルターにおいて、前記側壁部の外側下部位置には、ロープ係止用フックが並べて設けられていることを特徴とする簡易バルーンシェルター。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−63588(P2006−63588A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245841(P2004−245841)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(504324040)株式会社日本ビルダー (3)
【Fターム(参考)】