説明

簡易型脱臭装置

【課題】 ほとんどあるいは全く外部エネルギを必要とせず、簡単な構造で脱臭機能を有する簡易型脱臭装置を提供する。
【解決手段】 下部に吸気口と上部に排気口を設けた筐体1と、筐体1内部に設けられた筐体の上下方向を実質的に区切るように設けられた脱臭触媒フィルタ部2とから構成される簡易型脱臭装置は、熱によって下方の吸気口から上方の排気口へ向かって空気の対流を生じさせる筐体内部加熱機構を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易型脱臭装置に関し、特に脱臭成分を飛散して消耗することなくなおかつ電力等のエネルギを使用しないで脱臭機能を発揮する簡易手型の脱臭に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内を始めオフィス空間内や自動車室内等の居住空間では、調理臭やトイレ臭、たばこ臭、建材等の部材臭等、多種多様な臭気が発生しており、その除去が求められている。
【0003】
従来より、吸着剤をハニカムやウレタン発泡体等に担持させた脱臭フィルタ部を備えた脱臭器が知られている。例えば、特許文献1には、常温で活性化する触媒を脱臭フィルタ部に含有させることで吸着した臭気成分を分解し、長寿命化を図った脱臭器が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、常温で活性化する触媒を含有した脱臭フィルタ部と、不織布から成る集塵フィルタ部とを組み合わせた脱臭器において、臭気成分吸着性に優れた吸着剤と四酸化ルテニウムを含有しないルテニウム触媒を担持した活性炭とを組み合わせた脱臭剤を含有する脱臭フィルタ部と、この脱臭フィルタ部に対して空気流れ方向の上流側に配設され前記脱臭フィルタ部とは別体の不織布から成る集塵フィルタ部と、を具備すること脱臭器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2002−177717号公報
【特許文献2】 特開2005−177068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの脱臭装置は、脱臭フィルタ部と集塵フィルタ部を備えたことを前提にしており、これらの脱臭装置を機能させるためには、脱臭すべき空気を強制的に装置内に吸気する必要があった。そのため、相当量の吸気手段を有する必要があり、また筐体もある程度の強度が要求されることとなる。したがって、従来の脱臭装置は、構造が複雑となり、製造コストが高くなるという課題があった。
【0008】
したがって、本発明の課題は、ほとんどあるいは全く外部エネルギを必要とせず、簡単な構造で脱臭機能を有する簡易型脱臭装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、装置の筐体の下方部分に吸気口を設け上方部に排気口を設け、筐体内部に脱臭フィルタ部を設けた脱臭装置において、前記筐体の表面および/または内部に集熱手段を設け、この集熱手段により脱臭フィルタ部を介して下方の吸気口から上方の排気口に向かって空気の流れを生じさせることが可能であることを見出して本発明を創作するに至った。
【0010】
したがって、本発明は、次の各項目に関する。
(1) 下部に吸気口と上部に排気口を設けた筐体と、
前記筐体内部に設けられ、前記吸気口と前記排気口の間に空気が通過するように設けられ、常温帯域で効果を発揮する脱臭触媒を備えた脱臭触媒フィルタ部とから構成される簡易型脱臭装置であって、
前記脱臭触媒フィルタ部は、前記球体内で前記吸気口から排気口に流れる空気を通過させるように前記筐体を実質的に上下方向または左右方向に区切っており、
脱臭装置は、熱によって下方の吸気口から上方の排気口へ向かって前記脱臭フィルタ触媒部を介して空気の対流を生じさせる筐体内部加熱機構を有していることを特徴とする簡易型脱臭装置。
【0011】
(2) 前記筐体内部に設けられた前記筐体の上下方向を実質的に区切るように設けられた脱臭触媒フィルタ部とから構成されることを特徴とする(1)に記載の簡易型脱臭装置。
【0012】
(3) 前記筐体の表面の少なくとも1部が吸熱性素材から構成され、前記吸熱性素材が筐体内部加熱手段を構成することを特徴とする(1)または(2)に記載の簡易型脱臭装置。
【0013】
(4) 前記フィルタ部がハニカム状または網目状に構成されていることを特徴とする(1)から(3)のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【0014】
(5) 前記脱臭触媒フィルタ部がガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又はこれらを適宜混合した混合物(これらを総称して以下触媒剤と称する)を保有する外殻層が形成されてなり、係る外殻層は、触媒剤と無機接合剤とがガラス発泡体の表面並びに細孔面に、多数の空隙を備えて積層・固定されてなる触媒体であることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【0015】
(6) 前記脱臭触媒フィルタ部は、除菌触媒を含んで構成された除菌フィルタ部の機能を有するかおよび/または前記脱臭触媒フィルタ部に加えて、除菌触媒フィルタ部を有していることを特徴とする(1)から(5)のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【0016】
(7) 前記除菌触媒フィルタ部は、光触媒より構成されており、前記筐体は筐体外部からの光を前記筐体内部の前記除菌フィルタ部へ透過させる透過窓を有していることを特徴とする(6)に記載の簡易型脱臭装置。
【0017】
(8) 前記簡易型脱臭装置は、折りたたみ可能に構成されていることを特徴とする(1)から(7)のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【0018】
(9) 前記筐体は、壁掛け用または吊るし用の設置手段を有していることを特徴とする(1)から請求項(8)のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【0019】
(10) 前記筐体の底面は、強制吸気装置を備えた吸気台と着脱可能な開口部を有しており、
前記簡易型脱臭装置は、前記簡易型脱臭装置と、吸気台とから構成されていることを特徴とする(1)から(9)のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【0020】
(11) 前記強制吸気装置は、LEDランプであることを特徴とする(10)に記載の簡易型脱臭装置。
【0021】
(12) 上部に吸気口と排気口を設けた筐体と、
前記筐体内部に所定の空間をもって配置された脱臭触媒フィルタ部とから構成される簡易型脱臭装置であって、
前記筐体は、実質的に光透過性であり、前記脱臭触媒フィルタ部の少なくとも外側表面は吸熱性材料で構成されていることを特徴とする簡易型脱臭装置。
【0022】
(13) 太陽光を透過する窓ガラスに接続して脱臭機能を発揮させる脱臭用のアタッチメントであって、
前記窓ガラスのガラス面と平行に配置する吸熱板と、
前記窓ガラスと前記吸熱板との間に下方に隙間を空けて固定する一対の接続固定部材と、
前記前記窓ガラスと前記吸熱板との間を支持する支持部材と、
から構成され、前記吸熱板および前記支持部材の少なくとも一方が常温帯域で効果を発揮する脱臭触媒を備えた脱臭触媒フィルタ部を有していることを特徴とする脱臭用のアタッチメント。
【発明の効果】
【0023】
本発明の簡易型脱臭装置によると、筐体の下方部分に吸気口を設け上方部に排気口を設け、筐体内部に脱臭フィルタ部を設けた脱臭装置において、前記筐体の表面および/または内部に集熱手段を設け、この集熱手段により、脱臭フィルタ部を介して下方の吸気口から上方の排気口に向かって空気の流れを生じさせることが可能であり、実質的に外部エネルギを使用せずに安価な部品で構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【図3】 本発明の第3実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【図4】 本発明の第4実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【図5】 本発明の第5実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は壁面にかけて使用する場合の斜視図であり、そして(b)は吊るして使用する場合の斜視図である。
【図6】 本発明の第6実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【図7】 本発明の第7実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)は筐体を折りたたんだ際の斜視図である。
【図8】 本発明の第8実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は吸気台装着前の正面図であり、そして(b)は装着後の正面図である。
【図9】 本発明の第9実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【図10】 本発明の第10実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【図11】 本発明の第11実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【図12】 本発明の第11実施形態に係る簡易型脱臭装置を示す図面であり、(a)は斜視図であり、そして(b)はA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、第1実施形態から第8実施形態に係る本発明の簡易型脱臭装置を図1から図9に基づいて説明する。
【0026】
図1から図9に示す通り、本発明の簡易型脱臭装置は、下部に吸気口11と上部に排気口12を設けた筐体1と、筐体内部1に設けられた前記筐体の上下方向を実質的に区切るように設けられた脱臭触媒フィルタ部2とから主として構成されている。そして、脱臭装置は、熱によって下方の吸気口から上方の排気口へ向かって空気の対流を生じさせる筐体内部加熱機構を有している。図1から図9に示す実施形態において、筐体内部加熱機構は、筐体1の外表面を覆う吸熱性素材から構成されている。
【0027】
本発明で使用できる吸熱性素材は、一般に黒色の材料、例えば黒色紙、黒色塗料等を塗布したプラスチック、金属薄膜等であり、筐体の外表面の少なくとも一部、好ましくは少なくとも一面、より好ましくは全面が黒色の材料で形成されている。
【0028】
このように吸熱素材で筐体の外表面を覆うことによって、太陽熱等の吸収し、筐体内部が加温された状態となり、内部加熱機構を構成する。
【0029】
また筐体1は、その下方、一般には底部または筐体側面の底部側の位置に吸気口11が設けられるが、吸気口11は底部全面であっても、底部の一部に1ないし複数個の開口が設けられてもよく、同様に、底部付近に1つまたは複数個一定間隔設けてあってもよく、あるいは底部と筐体側面の両者に吸気口11を設けてもよい。
【0030】
同様にして、筐体1は、その上方、一般には頂部または筐体側面の頂部側の位置に排気口12が設けられるが、排気口12は頂部全面であっても、頂部の一部に1ないし複数個の開口が設けられてもよく、同様に、頂部付近に1つまたは複数個一定間隔設けてあってもよく、あるいは頂部と筐体側面の両者に排気口12口を設けてもよい。
【0031】
なお、筐体の形状は、本発明の目的を奏する形状であれば特に限定されず、例えば図1から図4に示す通り、角柱であってもよく、円柱や楕円柱であってもよく、あるいは底部から頂部に向かって細くなる形状(角錐、円錐の上部を水平方向に切断した形状)であってもよい。
【0032】
そして筐体1内部には筐体1の上下方向を実質的に区切るように脱臭触媒フィルタ部2が設けられている。なお、本発明で使用する用語筐体1の上下方向を実質的に区切るように配置された脱臭触媒フィルタ部2とは、空気が下方側から上方側へと対流する際に脱臭触媒フィルタ部2を通過する構成を意味し、図1に示す通り、筐体1内部全面に脱臭触媒フィルタ部2を設けてもよく、図2に示す通り波上に脱臭触媒フィルタ部2を設けてもよく、あるいは、図3に示す通り、筐体1の上方から下方に斜めに筐体を区切る形式で脱臭触媒フィルタ部2を設けてもよい。もちろん、筐体1に対して、水平方向に1または複数の脱臭触媒フィルタ部2をもうけてもよい(図示せず)。
【0033】
さらに、図4に示す通り、上方側から下方側に斜めに延びる複数の脱臭触媒フィルタ部2の一部を開放することも本発明の範囲内である。
【0034】
また、本発明の簡易型脱臭装置の脱臭触媒フィルタ部2を構成する脱臭触媒は、常温(または加温下)で脱臭機能を有する触媒であり、フィルタを形成できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば特許文献1や特許文献2に記載の脱臭触媒であってもよい。本発明の好ましい実施形態において、特開2004−351244号公報に記載の脱臭触媒を使用することが好ましい。
【0035】
特開2004−351244号公報には、ガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又はこれらを適宜混合した混合物(これらを総称して以下触媒剤と称する、例えば金属酸化物系触媒、光触媒、低温触媒又は貴金属触媒)を保有する外殻層が形成されてなり、係る外殻層は、触媒剤と無機接合剤とがガラス発泡体の表面並びに細孔面に、多数の空隙を備えて積層・固定されてなる触媒体が記載されており、特に担体としてゼオライトを使用したものが好ましい。
【0036】
このような脱臭触媒フィルタ部2は熱による弱い対流により空気が通過可能な空隙で設けられる。
【0037】
このようにして構成された本発明の簡易型脱臭装置は、筐体1の外表面に設けられた吸熱部により太陽等の熱を吸収する。このようにして熱を吸収することにより筐体1の内部は暖められ、下方側に設けられた吸気口11から脱臭触媒フィルタ部2を通過して上方に設けられた排気口から排出されることとなる。
【0038】
そのため、外部吸気手段を特別に設けなくとも本発明の簡易型脱臭装置は脱臭効果を奏することが可能である。
【0039】
また、本発明の簡易型脱臭装置は、底面周辺部に吸気口11を設けてそのまま設置することも可能であるが、図5(a)、(b)に示す通り、筐体の一部に取付部4を設けて、壁掛け型や吊るし型とすることも可能である。あるいは、筐体の一部に接着剤を設けて壁面等に設置することも可能である(図示せず)。このようにして、オフィス空間内や自動車室内、居住空間の窓側に本発明の簡易型脱臭装置を設置し、窓から差し込む太陽の熱を吸熱性筐体表面に熱を吸収させることにより昼間時を中心にして脱臭機能を果たすことが可能である。
【0040】
また、本発明の特定の実施形態において、前記脱臭触媒フィルタ部2に加えて除菌触媒フィルタ部3’を設けることも可能であり、また前記脱臭触媒フィルタブ2に除菌触媒機能を付加して脱臭・除菌フィルタ部3’を構成することも可能である。
【0041】
図6に示す実施形態では除菌触媒として代表的な光触媒を除菌触媒フィルタ部3’を設けた例を示すものである。この際に、光触媒が作用するように太陽光や蛍光灯等の光を除菌触媒フィルタ部3’に透過させるために光透過窓13を除菌触媒フィルタ部3’に太陽光等が透過する位置に設けている。
【0042】
このように構成することにより図6に示す実施形態では、本発明の簡易型脱臭装置に紫外線ランプ等の外部エネルギを使用することなく脱臭機能に加えて除菌機能を付与することができる。
【0043】
図7に示す実施形態では、本発明の簡易型脱臭装置は、折りたたみ可能に構成されている。すなわち、本実施形態において、吸熱性の筐体1は、例えば蛇腹状に構成され、図7(a)に示す通り使用時には蛇腹を引き伸ばし、また図7(b)に示す通り、収納時には蛇腹を収縮させることにより省スペース化を図ることが可能である。この際に、脱臭触媒フィルタ部2は、例えばスポンジ状のフィルタとすることにより収縮に追従することが可能である。
【0044】
図8に示す実施形態では、筐体1の底面は、開口部を有しており、この開口部に強制吸気装置を備えた吸気台5を着脱自在に取り付けられる構成となっている。
【0045】
すなわち、筐体1は、昼間など太陽光を受けられる環境にある場合には、吸気台を取り付けずに使用し、夜間や雨天など太陽光を受けられない状態の場合には吸気台5を装着しと着脱可能な開口部を有しており、この開口部に強制吸気を行う。
【0046】
この際に使用できる強制吸気手段は、吸気ファンなどであることができるが、本発明の好ましい実施形態においては、図8に示す通り、強制吸気手段はLEDランプ51である。
【0047】
この際に、吸気口11は、吸気台5を取り付けずに使用する際には底部の開口部(壁掛けや吊るして使用する場合)と底部側側面に設けられた吸気口であり、一方吸気台5を取り付け用する場合には底部側側面に設けられた吸気口である。
【0048】
LEDランプ51は少ない電力で発熱するのでこの熱により共体内において空気の対流が生じ、吸気口11から入った空気はこの対流により上昇して排気口12へと流れる。また、吸気口41からランプ51を光源とする光が漏れるので、本実施形態の簡易型脱臭装置は、簡易ライトスタンドとしても使用可能である。
【0049】
図9に示す実施形態は、吸熱性筐体1の内部に中空の脱臭触媒フィルタ部2を所定間隔で空隙が生じるように配置し、吸熱性筐体1の底部側の側面に吸気口11を設け、吸熱性筐体1の頂部の脱臭触媒フィルタ部2の中空部分に同様する箇所に排気口12を設けた構成を有している。
【0050】
このように構成することによって、図9に示す本発明の簡易型脱臭装置も図1から図8に示す実施形態と同様な脱臭効果を発揮することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を図1から図9に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0052】
例えば、図10に示す通り、本発明の簡易型脱臭装置は、上部に吸気口と排気口を設けた筐体1と前記筐体内部に所定空間をもって配置される吸熱性脱臭(除菌)触媒フィルタ部2とから構成されている簡易型脱臭装置も本発明の範囲内である。
【0053】
この際に筐体1は、透明または半透明等の光透過性の素材から構成され、吸熱性の脱臭(除菌)フィルタ部2の少なくとも外表面は吸熱素材(例えば黒色素材)で構成される。このように構成することによって、太陽光の照射により内部の吸熱性脱臭(除菌)触媒フィルタ部2が加熱され図1から図8に示した実施形態と同様に空気の対流が生じ、吸気口11から入った空気はこの対流により上昇して排気口12へと流れる。
【0054】
さらに、本発明の特定の実施形態において、図11および図12に示す通り、太陽光を透過する窓ガラス1’に接続して脱臭機能を発揮させる脱臭用のアタッチメントも本発明の範囲内である。
【0055】
この場合、本発明のアタッチメントは。窓1’のガラス面と平行に配置する吸熱板1”と、窓1’と吸熱板1”との間に下方に隙間を空けて固定する一対の接続固定部材6と、前記前記窓ガラスと前記吸熱板との間を支持する支持部材7とから構成され、窓1’に本発明のアタッチメントを取り付けた状態で本発明の簡易型脱臭装置を構成する仕組みとなっている。
【0056】
図11に示す実施形態では、窓1’のガラス面と平行に配置する吸熱板1”に本発明の脱臭フィルタ部を設けた構成となっており、この場合支持部材7は、所定間隔で配置される複数の部材から構成される。
【0057】
一方、図12に示す実施形態では、支持部材7に脱臭触媒フィルタ部を設けたアタッチ面とである。この場合支持部材7は、窓1’の幅方向に渡って設けられる板状のフィルタ部で構成される。
【0058】
このように本発明のアタッチメントは。窓1’に取り付けることによって、本発明の簡易型脱臭装置と同様の機能を有する。このような窓ガラスに取り付けるアタッチメントとして最も簡単な構成が吸熱素材で構成されたフィルタ部材からなるカーテンである。したがって、本発明のアタッチメントは、このようなカーテンまで拡張されると解釈される。
【符号の説明】
【0059】
1 筐体
2 脱臭触媒層
11 吸気口
12 排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に吸気口と上部に排気口を設けた筐体と、
前記筐体内部に設けられ、前記吸気口と前記排気口の間に空気が通過するように設けられ、常温帯域で効果を発揮する脱臭触媒を備えた脱臭触媒フィルタ部とから構成される簡易型脱臭装置であって、
前記脱臭触媒フィルタ部は、前記球体内で前記吸気口から排気口に流れる空気を通過させるように前記筐体を実質的に上下方向または左右方向に区切っており、
脱臭装置は、熱によって下方の吸気口から上方の排気口へ向かって前記脱臭フィルタ触媒部を介して空気の対流を生じさせる筐体内部加熱機構を有していることを特徴とする簡易型脱臭装置。
【請求項2】
前記筐体内部に設けられた前記筐体の上下方向を実質的に区切るように設けられた脱臭触媒フィルタ部とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項3】
前記筐体の表面の少なくとも1部が吸熱性素材から構成され、前記吸熱性素材が筐体内部加熱手段を構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項4】
前記フィルタ部がハニカム状または網目状に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項5】
前記脱臭触媒フィルタ部がガラス発泡体の表面並びにガラス発泡体の表面に開口する多数の細孔面に、触媒、担体又は触媒を担体に担持した担持触媒の群から選ばれる何れか一種又はこれらを適宜混合した混合物(これらを総称して以下触媒剤と称する)を保有する外殻層が形成されてなり、係る外殻層は、触媒剤と無機接合剤とがガラス発泡体の表面並びに細孔面に、多数の空隙を備えて積層・固定されてなる触媒体であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項6】
前記脱臭触媒フィルタ部は、除菌触媒を含んで構成された除菌フィルタ部の機能を有するかおよび/または前記脱臭触媒フィルタ部に加えて、除菌触媒フィルタ部を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項7】
前記除菌触媒フィルタ部は、光触媒より構成されており、前記筐体は筐体外部からの光を前記筐体内部の前記除菌フィルタ部へ透過させる透過窓を有していることを特徴とする請求項6に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項8】
前記簡易型脱臭装置は、折りたたみ可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項9】
前記筐体は、壁掛け用または吊るし用の設置手段を有していることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項10】
前記筐体の底面は、強制吸気装置を備えた吸気台と着脱可能な開口部を有しており、
前記簡易型脱臭装置は、前記簡易型脱臭装置と、吸気台とから構成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項11】
前記強制吸気装置は、LEDランプであることを特徴とする請求項10に記載の簡易型脱臭装置。
【請求項12】
上部に吸気口と排気口を設けた筐体と、
前記筐体内部に所定の空間をもって配置された脱臭触媒フィルタ部とから構成される簡易型脱臭装置であって、
前記筐体は、実質的に光透過性であり、前記脱臭触媒フィルタ部の少なくとも外側表面は吸熱性材料で構成されていることを特徴とする簡易型脱臭装置。
【請求項13】
太陽光を透過する窓ガラスに接続して脱臭機能を発揮させる脱臭用のアタッチメントであって、
前記窓ガラスのガラス面と平行に配置する吸熱板と、
前記窓ガラスと前記吸熱板との間に下方に隙間を空けて固定する一対の接続固定部材と、
前記前記窓ガラスと前記吸熱板との間を支持する支持部材と、
から構成され、前記吸熱板および前記支持部材の少なくとも一方が常温帯域で効果を発揮する脱臭触媒を備えた脱臭触媒フィルタ部を有していることを特徴とする脱臭用のアタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−52211(P2013−52211A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206604(P2011−206604)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(306016523)株式会社菊池エコアース (11)
【Fターム(参考)】