簡易建物
【課題】 梁の角度調整が可能で、梁の連結部の意匠性や施工性も良好な簡易建物の提供。
【解決手段】 柱1と、梁2と、柱と梁を連結する連結材3と、カバー材4とを備え、連結材3は、柱1の梁2側の側面に固定される柱固定部5と、梁2が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部6を有し、カバー材4は、柱1の小口を塞ぐ小口塞ぎ部7と、柱1と梁2との連結部の下方及び側方を覆う覆い部8を有する。
【解決手段】 柱1と、梁2と、柱と梁を連結する連結材3と、カバー材4とを備え、連結材3は、柱1の梁2側の側面に固定される柱固定部5と、梁2が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部6を有し、カバー材4は、柱1の小口を塞ぐ小口塞ぎ部7と、柱1と梁2との連結部の下方及び側方を覆う覆い部8を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式の簡易建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーポート等の簡易建物においては、屋根を支える梁を柱と連結するにあたり、略L形の連結具を柱の上端部と梁の一端部とに挿入しネジで固定することで、柱と梁を連結している。柱の上端部は、梁の取付角度に合わせて斜めに切断され、柱の梁側の側面には梁の端部を呑み込ませるために切り欠きを設けている(例えば、特許文献1参照)。
このような簡易建物では、屋根を壁にくっつけて設置するのに、屋根の壁側の高さを壁に設けられた窓の高さに合わせて変更したい場合等に、梁の角度を調整したい場合がある。従来の簡易建物では、梁の角度を変更するには連結具を新たに作り直さなければならず、設置する場所の状況に応じて梁の角度を任意に調整することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−240372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、梁の角度調整が可能で、梁の連結部の意匠性や施工性も良好な簡易建物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による簡易建物は、柱と、梁と、柱と梁を連結する連結材と、カバー材とを備え、連結材は、柱の梁側の側面に固定される柱固定部と、梁が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部を有し、カバー材は、柱の小口を塞ぐ小口塞ぎ部と、柱と梁との連結部の下方及び側方を覆う覆い部を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明による簡易建物は、請求項1記載の発明の構成に加え、カバー材に柱内部に挿入される裏板材が設けてあり、連結材を柱側面に固定するネジで裏板材を柱に共締めしてあることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明による簡易建物は、横架材と、梁と、横架材と梁を連結する連結材と、カバー材とを備え、連結材は、横架材の梁側の側面に固定される横架材固定部と、梁が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部を有し、カバー材は、横架材と梁との連結部の下方及び側方を覆う覆い部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明による簡易建物は、請求項3記載の発明の構成に加え、カバー材は、横架材の梁側の側面に当接する側面当接部を有し、カバー材の側面当接部と連結材の横架材固定部とを横架材にネジで共締めしてあることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明による簡易建物は、請求項1,2,3又は4記載の発明の構成に加え、梁の上面に屋根固定金具が設けてあり、カバー材は、屋根固定金具を避けるための切り欠き部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明による簡易建物は、連結材の梁固定部に梁を上下方向に角度調整自在に固定したので、梁の角度調整が容易に行え、設置する場所の状況に応じて梁の角度を調整でき、既設の柱に梁及び屋根を取付ける場合でも都合が良い。また、連結材の柱固定部を柱の梁側の側面に固定したので、柱に梁の端部を呑み込む切り欠きを設ける必要がなく、施工性が良い。さらに、梁の角度調整を行っても、柱と梁との連結部の下方及び側方がカバー材の覆い部により隠れ、柱の小口はカバー材の小口塞ぎ部によって塞がれるため、意匠性が良い。
【0011】
請求項2記載の発明による簡易建物は、カバー材に柱内部に挿入される裏板材を設け、連結材を柱側面に固定するネジで裏板材を柱に共締めしたので、カバー材を柱上に配置するだけで柱内に裏板材を容易にセッティングでき、連結材を柱にネジで固定するとカバー材も連結材と一緒に柱に固定されるので、施工性が良い。カバー材を固定するためだけのネジが不要になり、ネジの本数を少なくできる。
【0012】
請求項3記載の発明による簡易建物は、連結材の梁固定部に梁を上下方向に角度調整自在に固定したので、梁の角度調整が容易に行え、設置する場所の状況に応じて梁の角度を調整でき、都合が良い。また、連結材の横架材固定部を横架材の梁側の側面に固定したので、横架材に梁の端部を呑み込む切り欠きを設ける必要がなく、施工性が良い。さらに、梁の角度調整を行っても、横架材と梁との連結部の下方及び側方がカバー材の覆い部により隠れるため、意匠性が良い。
【0013】
請求項4記載の発明による簡易建物は、カバー材に横架材の梁側の側面に当接する側面当接部を有し、カバー材の側面当接部と連結材の横架材固定部とを横架材にネジで共締めしたことで、連結材を横架材にネジで固定するとカバー材も連結材と一緒に横架材に固定されるので、施工性が良い。カバー材を固定するためだけのネジが不要になり、ネジの本数を少なくできる。
【0014】
請求項5記載の発明による簡易建物は、梁の上面に屋根固定金具が設けてあり、カバー材は、屋根固定金具を避けるための切り欠き部を有しているので、梁の角度調整や屋根の取付けにカバー材が邪魔にならない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】柱と梁との連結部(図14のA部)の縦断面図である。
【図2】柱と梁との連結部の横断面図である。
【図3】柱上端部へのカバー材及び連結材の取付け方を示す分解斜視図である。
【図4】柱上端部に取付けた連結材に梁を連結するときの状態を示す分解斜視図である。
【図5】梁の壁側の端部を示す縦断面図である。
【図6】柱と梁との連結部の縦断面図であって、梁を最大限傾けた状態を示す。
【図7】梁を最大限傾けたときの壁側の縦断面図である。
【図8】桁と補助梁との連結部(図14のB部)の縦断面図である。
【図9】桁と補助梁との連結部の横断面図である。
【図10】桁へのカバー材及び連結材の取付け方を示す分解斜視図である。
【図11】桁に取付けた連結材に補助梁を連結するときの状態を示す分解斜視図である。
【図12】桁と補助梁との連結部の縦断面図であって、補助梁を最大限傾けた状態を示す。
【図13】(a)は本発明の簡易建物の第1実施形態を示す正面図、(b)は同簡易建物の側面図である。
【図14】同簡易建物の平面図である。
【図15】図14のC−C断面図である。
【図16】(a)は第1実施形態の簡易建物の屋根を施工する前の状態を示す正面図、(b)は同側面図である。
【図17】本発明の簡易建物の第2実施形態を示す側面図である。
【図18】同簡易建物の柱と梁との連結部を示す縦断面図である。
【図19】本発明の簡易建物の第3実施形態を示す側面図である。
【図20】同簡易建物の柱と梁との連結部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図13〜15は、本発明の簡易建物の第1実施形態を示している。本簡易建物は、建物の外壁22にくっつけて設置される壁付けタイプの簡易建物であり、図13に示すように、外壁22から離れた位置に左右方向に間隔をおいて3本の柱1が立設してあり、各柱1の上端部と外壁22に取付けた梁掛け23間に3本の梁2が前後方向に架設してあり、梁2に支持して屋根24が設置してある。柱1の上端部間には桁11が設けてあり、図14に示すように、左側の梁2と中央の梁2との中間に日除け支持用の補助梁12が設けてあり、梁2及び補助梁12間に日除けカーテン25が取付けてある。桁11の下の柱1間には、図13(a)に示すように、パネル26が取付けてある。本簡易建物は、図16に示すように、柱1間にパネル26を取付けた既設のフェンス27に、後から屋根24を追加で設置できるようにしたものであり、外壁22に設けられたテラス窓(図示省略)の上部の高さに合わせて屋根24の傾きを調整できるように、梁2及び補助梁12の傾きを5°から20°の範囲で調整できるようになっている。なお図示の例は、梁2及び補助梁12の傾きが最も小さい5°の場合を示している。
【0017】
柱1の上端部には、図1,3,4に示すように、カバー材4と連結材3が取付けてある。柱1は、略正方形断面の筒状となっており、上端が水平にカットされている。
カバー材4は、柱1の小口を塞ぐ小口塞ぎ部7と、小口塞ぎ部7より柱1の梁2側の側面に沿うように垂下する覆い部8とを有している。小口塞ぎ部7は、上面が前方に向かって低くなるように傾斜しており、小口塞ぎ部7の下面にはアングル状の裏板材9がネジ28で取付けてあり、裏板材9は柱1の梁2側の側壁1aの内面に当接している。裏板材9には、連結材取付用のネジ10が螺入する雌ネジ孔29が設けてある。覆い部8は、左右の側壁30と底壁31とで略コ字形に形成され、側壁30間には連結材3が挿入可能な四角い孔32が設けられ、覆い部8の上部は切り欠き部21を設けて開放した形になっている。
連結材3は、図3に示すように、柱1の梁2側の側面に固定される柱固定部5と、柱固定部5の両側縁より梁2側に延出する梁固定部6とを有する平面視コ字型に形成され、柱固定部5にはネジ挿通孔33aが裏板材9の雌ネジ孔29と同じピッチで設けてあり、柱1の梁2側の側壁1aにも同じようにネジ挿通孔33bを形成してある。梁固定部6には、梁取付用のネジ34が螺入する雌ネジ孔35が設けてある。連結材3は、柱固定部5を柱1上端部の梁2側の側面に当接し、ネジ挿通孔33a,33bに挿通したネジ10を裏板材9の雌ネジ孔29に螺入して、柱1の梁2側の側面に固定している。
【0018】
梁2は、四角形断面の筒状となっており、図1に示すように、端部が長手方向に対して直角にカットしてある。梁2の柱1側の端部は、図1,2,4に示すように、連結材3の梁固定部6を梁2の端部内に挿入し、梁2の側壁に両側から挿入したネジ34を梁固定部6の雌ネジ孔35に螺入して固定してあり、ネジ34を支点として梁2の角度を調節できるようになっている。図中の符号36は、梁2の角度を決定した後、梁2の角度を固定するために梁2の側壁を貫通して梁固定部6に螺入される止めネジである。図1,2に示すように、連結した梁2の端部はカバー材4の覆い部8内に呑み込まれ、柱1と梁2の連結部の下方及び側方が覆い部8によって覆われている。また、梁2の端部上面は柱1の上端よりも高い位置にあるが、カバー材4の小口塞ぎ部7がそれよりも高い位置まで盛り上がっているため、正面から見ても梁2の小口が見えないようになっている。梁2の上面には屋根固定金具20がネジ37で取付けてあり、カバー材4の覆い部8の上面側に切り欠き部21を設けてあるため、屋根固定金具20の取付けに覆い部8が邪魔にならず、屋根固定金具20を柱1に近付けて設置できる。図6は、梁2を最も傾けて設置した場合を示しており、この場合も柱1と梁2との連結部がカバー材4の覆い部8と小口塞ぎ部7に隠れて見えない。
【0019】
柱1と梁2を連結する際の手順を説明すると、既設のフェンス27の柱1に梁2を連結する場合、図3に示すように、柱1の上端部にもともと取付けてあるキャップ60を外し、柱1にネジ挿通孔33bを開ける。その後、カバー材4の小口塞ぎ部7の下面に裏板材9をネジ28で取付け、カバー材4の小口塞ぎ部7を柱1上端に載置する。すると、裏板材9が小口塞ぎ部7からぶら下がる状態で柱1内の所定の位置にセッティングされる。その後、連結材3の柱固定部5をカバー材4の孔32に挿入して柱1の側面に当接し、ネジ10を裏板材9の雌ネジ孔29に螺入し、連結材3を柱1に固定する。連結材3の柱固定部5とカバー材4の裏板材9とを柱1にネジ10で共締めしているため、連結材3を柱1に固定するとカバー材4も一緒に柱1に固定される。その後、図4に示すように、梁2の端部に連結材3の梁固定部6を挿入し、両側からネジ34で固定する。このように、本連結構造によれば、柱1及び梁2の端部をまっすぐカットすればよく、柱1に切り欠きを設ける必要もなく、さらには裏板材9のセッティングが容易で、梁2の角度調整も容易に行えるため、既設の柱1に梁2を連結する場合でも施工性が良い。
【0020】
梁掛け23は、図5に示すように、外壁22にアンカーボルト38で固定したベース材39に、ボルト・ナット40により角度調整可能に取付けてあり、梁掛け23に梁2の壁側の端部を引っ掛けて下方からネジ41で固定してあり、図7に示すように、梁2の傾きをより大きくした場合にも対応できるようになっている。
【0021】
図8〜11は、桁11と補助梁12との連結部を示している。桁11には、カバー材14と連結材13が取付けてある。カバー材14は、柱1の上端部に取付けられるカバー材4とよく似た形状となっており、桁11の上面に載置される載置部42と、載置部42より桁11の梁側側面に沿うように垂下する覆い部17とを有している。載置部42は、上面が前方に向かって低くなるように傾斜している。覆い部17は、左右の側壁43と、底壁59と、桁11の梁側の側面に当接する側面当接部18とを有し、上面側は切り欠き部21を設けて開放させてある。なお図示の例では、補助梁12の上面に屋根固定金具20を設けていないが、図1と同様に切り欠き部21内の補助梁12上面に屋根固定金具20を設けることができる。側面当接部18には、連結材取付用のネジ19が挿通されるネジ挿通孔44aが設けてあり、桁11の梁側側面には同ネジ19が螺入する雌ネジ孔47が設けてある。
連結材13は、桁11の梁側の側面に固定される桁固定部15と、桁固定部15の両側縁より補助梁12側に延出する梁固定部16とを有する平面視コ字型に形成され、桁固定部15にはネジ挿通孔44bがカバー材14の側面当接部18と同じピッチで設けてある。梁固定部16には、梁取付用のネジ45が螺入する雌ネジ孔46が設けてある。
【0022】
補助梁12は、梁2と同一の断面形状となっており、梁2と同様に端部を長手方向に対して直角に切断され、補助梁12の端部内に連結材13の梁固定部16を挿入し、両側から挿入したネジ45を梁固定部16の雌ネジ孔46に螺入することにより、上下方向に角度調整可能に固定されている。図8,9に示すように、連結した補助梁12の端部はカバー材14の覆い部17内に呑み込まれ、桁11と補助梁12の連結部の下方及び側方が覆い部17によって覆われている。また、補助梁12の端部上面は桁11の上面よりも高い位置にあるが、カバー材14の載置部42がそれよりも高い位置まで盛り上がっているため、正面から見て補助梁12の小口が見えないようになっている。図12は、補助梁12を最も傾けて設置した場合を示しており、この場合も桁11と補助梁12との連結部がカバー材14の覆い部17と載置部42に隠れて見えない。なお、補助梁12の壁側の端部は、梁2と同様に梁掛け23に固定してある。
【0023】
桁11と補助梁12を連結する際の手順を説明すると、図10に示すように、桁11の側面に雌ネジ孔47を開けた上で、載置部42を桁11の上面に載せ且つ側面当接部18を桁11の側面に当接するようにカバー材14を配置する。その後、連結材13の桁固定部15をカバー材14の側面当接部18に当接し、ネジ19で固定する。連結材13の桁固定部15とカバー材14の側面当接部18とを桁11にネジ19で共締めしているため、連結材13を桁11に固定するとカバー材14も一緒に桁11に固定される。その後、図11に示すように、補助梁12の端部に連結材13の梁固定部16を挿入し、両側からネジ45で固定する。このように、本連結構造によれば、補助梁12の端部をまっすぐカットすればよく、桁11に切り欠きを設ける必要もなく、連結材13とカバー材14を同一のネジ19で一緒に固定でき、補助梁12の角度調整も容易に行えるため、施工性が良い。
【0024】
図15に示すように、梁2及び補助梁12の対向する側面にはカーテンレール48が長手方向に沿って取付けてあり、カーテンレール48に係合して日除けカーテン25が前後方向にスライド可能に取付けてある。
屋根24は、図14,15に示すように、梁2上に前後方向に間隔をおいて野縁49を架設し、周囲に左右の側枠50と前枠51と樋52を取付け、前枠51と樋52間にパネル受け53を左右方向に間隔をおいて取付け、側枠50及びパネル受け53間に屋根パネル54を配置し、パネル押さえ55で屋根パネル54の縁部を押えてある。図13に示すように、左側の柱1には竪樋56が取付けられ、竪樋56は屋根24の樋52とエルボ57で連結してある。
【0025】
以上に述べたように本簡易建物は、柱1及び桁11の側面に連結材3,13を取付け、連結材3,13の梁固定部6,16を梁2及び補助梁12の端部に挿入し、両側からネジ34,45で固定するようにしたので、梁2及び補助梁12の角度調整が容易に行え、柱1と梁2と補助梁12は端部をまっすぐ切断すればよく、柱1に梁2を呑み込ませるための切り欠きを設けたりする必要もないので、既設の柱1及び桁11に梁2と補助梁12を連結する場合でも施工性が良い。またカバー材4,14の覆い部8,17により、柱1と梁2の連結部、桁11と補助梁12の連結部の下方及び側方が覆われているため、意匠性も良好である。さらにカバー材4,14を、連結材取付用のネジ10,19で柱1及び桁11に連結材3,13と一緒に固定するようにしたので、カバー材を後から取付ける手間が要らず、カバー材を固定するための専用のネジも不要なため、施工性が一層向上している。カバー材4,14は、覆い部8,17の上面側に屋根固定金具20を逃がす切り欠き部21を設けたので、カバー材4,14が屋根24の施工の邪魔にならない。
【0026】
図17,18は、本発明の簡易建物の第2実施形態を示している。本簡易建物は、独立タイプの簡易建物であって、屋根24を支持する梁2が柱1に片持ち支持されたものである。柱1と梁2との連結には、図18に示すように、第1実施形態と同様のカバー材4と連結材3を用いている。梁2の下面と柱1の側面間には補強材58を取付けて補強してある。
【0027】
図19,20は、本発明の簡易建物の第3実施形態を示している。本簡易建物は、独立タイプの簡易建物であって、屋根24を支持する梁2の両側が柱1に支持されたものである。柱1と梁2との連結には、図20に示すように、第1実施形態と同様のカバー材4と連結材3を用いている。
【0028】
本発明は、以上に述べた実施形態に限定されない。カバー材4,14及び連結材3,13の具体的な形状は、適宜変更することができる。補助梁12は、日除けカーテン25を設置しない場合には省略することができる。屋根24の構造は任意である。本発明は、テラス、カーポート、サイクルポート、通路用シェルターなど、あらゆる簡易建物に適用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 柱
2 梁
3 連結材
4 カバー材
5 柱固定部
6 梁固定部
7 小口塞ぎ部
8 覆い部
9 裏板材
10 ネジ
11 桁(横架材)
12 補助梁(梁)
13 連結材
14 カバー材
15 桁固定部(横架材固定部)
16 梁固定部
17 覆い部
18 側面当接部
19 ネジ
20 屋根固定金具
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式の簡易建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーポート等の簡易建物においては、屋根を支える梁を柱と連結するにあたり、略L形の連結具を柱の上端部と梁の一端部とに挿入しネジで固定することで、柱と梁を連結している。柱の上端部は、梁の取付角度に合わせて斜めに切断され、柱の梁側の側面には梁の端部を呑み込ませるために切り欠きを設けている(例えば、特許文献1参照)。
このような簡易建物では、屋根を壁にくっつけて設置するのに、屋根の壁側の高さを壁に設けられた窓の高さに合わせて変更したい場合等に、梁の角度を調整したい場合がある。従来の簡易建物では、梁の角度を変更するには連結具を新たに作り直さなければならず、設置する場所の状況に応じて梁の角度を任意に調整することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−240372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、梁の角度調整が可能で、梁の連結部の意匠性や施工性も良好な簡易建物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による簡易建物は、柱と、梁と、柱と梁を連結する連結材と、カバー材とを備え、連結材は、柱の梁側の側面に固定される柱固定部と、梁が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部を有し、カバー材は、柱の小口を塞ぐ小口塞ぎ部と、柱と梁との連結部の下方及び側方を覆う覆い部を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明による簡易建物は、請求項1記載の発明の構成に加え、カバー材に柱内部に挿入される裏板材が設けてあり、連結材を柱側面に固定するネジで裏板材を柱に共締めしてあることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明による簡易建物は、横架材と、梁と、横架材と梁を連結する連結材と、カバー材とを備え、連結材は、横架材の梁側の側面に固定される横架材固定部と、梁が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部を有し、カバー材は、横架材と梁との連結部の下方及び側方を覆う覆い部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明による簡易建物は、請求項3記載の発明の構成に加え、カバー材は、横架材の梁側の側面に当接する側面当接部を有し、カバー材の側面当接部と連結材の横架材固定部とを横架材にネジで共締めしてあることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明による簡易建物は、請求項1,2,3又は4記載の発明の構成に加え、梁の上面に屋根固定金具が設けてあり、カバー材は、屋根固定金具を避けるための切り欠き部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明による簡易建物は、連結材の梁固定部に梁を上下方向に角度調整自在に固定したので、梁の角度調整が容易に行え、設置する場所の状況に応じて梁の角度を調整でき、既設の柱に梁及び屋根を取付ける場合でも都合が良い。また、連結材の柱固定部を柱の梁側の側面に固定したので、柱に梁の端部を呑み込む切り欠きを設ける必要がなく、施工性が良い。さらに、梁の角度調整を行っても、柱と梁との連結部の下方及び側方がカバー材の覆い部により隠れ、柱の小口はカバー材の小口塞ぎ部によって塞がれるため、意匠性が良い。
【0011】
請求項2記載の発明による簡易建物は、カバー材に柱内部に挿入される裏板材を設け、連結材を柱側面に固定するネジで裏板材を柱に共締めしたので、カバー材を柱上に配置するだけで柱内に裏板材を容易にセッティングでき、連結材を柱にネジで固定するとカバー材も連結材と一緒に柱に固定されるので、施工性が良い。カバー材を固定するためだけのネジが不要になり、ネジの本数を少なくできる。
【0012】
請求項3記載の発明による簡易建物は、連結材の梁固定部に梁を上下方向に角度調整自在に固定したので、梁の角度調整が容易に行え、設置する場所の状況に応じて梁の角度を調整でき、都合が良い。また、連結材の横架材固定部を横架材の梁側の側面に固定したので、横架材に梁の端部を呑み込む切り欠きを設ける必要がなく、施工性が良い。さらに、梁の角度調整を行っても、横架材と梁との連結部の下方及び側方がカバー材の覆い部により隠れるため、意匠性が良い。
【0013】
請求項4記載の発明による簡易建物は、カバー材に横架材の梁側の側面に当接する側面当接部を有し、カバー材の側面当接部と連結材の横架材固定部とを横架材にネジで共締めしたことで、連結材を横架材にネジで固定するとカバー材も連結材と一緒に横架材に固定されるので、施工性が良い。カバー材を固定するためだけのネジが不要になり、ネジの本数を少なくできる。
【0014】
請求項5記載の発明による簡易建物は、梁の上面に屋根固定金具が設けてあり、カバー材は、屋根固定金具を避けるための切り欠き部を有しているので、梁の角度調整や屋根の取付けにカバー材が邪魔にならない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】柱と梁との連結部(図14のA部)の縦断面図である。
【図2】柱と梁との連結部の横断面図である。
【図3】柱上端部へのカバー材及び連結材の取付け方を示す分解斜視図である。
【図4】柱上端部に取付けた連結材に梁を連結するときの状態を示す分解斜視図である。
【図5】梁の壁側の端部を示す縦断面図である。
【図6】柱と梁との連結部の縦断面図であって、梁を最大限傾けた状態を示す。
【図7】梁を最大限傾けたときの壁側の縦断面図である。
【図8】桁と補助梁との連結部(図14のB部)の縦断面図である。
【図9】桁と補助梁との連結部の横断面図である。
【図10】桁へのカバー材及び連結材の取付け方を示す分解斜視図である。
【図11】桁に取付けた連結材に補助梁を連結するときの状態を示す分解斜視図である。
【図12】桁と補助梁との連結部の縦断面図であって、補助梁を最大限傾けた状態を示す。
【図13】(a)は本発明の簡易建物の第1実施形態を示す正面図、(b)は同簡易建物の側面図である。
【図14】同簡易建物の平面図である。
【図15】図14のC−C断面図である。
【図16】(a)は第1実施形態の簡易建物の屋根を施工する前の状態を示す正面図、(b)は同側面図である。
【図17】本発明の簡易建物の第2実施形態を示す側面図である。
【図18】同簡易建物の柱と梁との連結部を示す縦断面図である。
【図19】本発明の簡易建物の第3実施形態を示す側面図である。
【図20】同簡易建物の柱と梁との連結部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図13〜15は、本発明の簡易建物の第1実施形態を示している。本簡易建物は、建物の外壁22にくっつけて設置される壁付けタイプの簡易建物であり、図13に示すように、外壁22から離れた位置に左右方向に間隔をおいて3本の柱1が立設してあり、各柱1の上端部と外壁22に取付けた梁掛け23間に3本の梁2が前後方向に架設してあり、梁2に支持して屋根24が設置してある。柱1の上端部間には桁11が設けてあり、図14に示すように、左側の梁2と中央の梁2との中間に日除け支持用の補助梁12が設けてあり、梁2及び補助梁12間に日除けカーテン25が取付けてある。桁11の下の柱1間には、図13(a)に示すように、パネル26が取付けてある。本簡易建物は、図16に示すように、柱1間にパネル26を取付けた既設のフェンス27に、後から屋根24を追加で設置できるようにしたものであり、外壁22に設けられたテラス窓(図示省略)の上部の高さに合わせて屋根24の傾きを調整できるように、梁2及び補助梁12の傾きを5°から20°の範囲で調整できるようになっている。なお図示の例は、梁2及び補助梁12の傾きが最も小さい5°の場合を示している。
【0017】
柱1の上端部には、図1,3,4に示すように、カバー材4と連結材3が取付けてある。柱1は、略正方形断面の筒状となっており、上端が水平にカットされている。
カバー材4は、柱1の小口を塞ぐ小口塞ぎ部7と、小口塞ぎ部7より柱1の梁2側の側面に沿うように垂下する覆い部8とを有している。小口塞ぎ部7は、上面が前方に向かって低くなるように傾斜しており、小口塞ぎ部7の下面にはアングル状の裏板材9がネジ28で取付けてあり、裏板材9は柱1の梁2側の側壁1aの内面に当接している。裏板材9には、連結材取付用のネジ10が螺入する雌ネジ孔29が設けてある。覆い部8は、左右の側壁30と底壁31とで略コ字形に形成され、側壁30間には連結材3が挿入可能な四角い孔32が設けられ、覆い部8の上部は切り欠き部21を設けて開放した形になっている。
連結材3は、図3に示すように、柱1の梁2側の側面に固定される柱固定部5と、柱固定部5の両側縁より梁2側に延出する梁固定部6とを有する平面視コ字型に形成され、柱固定部5にはネジ挿通孔33aが裏板材9の雌ネジ孔29と同じピッチで設けてあり、柱1の梁2側の側壁1aにも同じようにネジ挿通孔33bを形成してある。梁固定部6には、梁取付用のネジ34が螺入する雌ネジ孔35が設けてある。連結材3は、柱固定部5を柱1上端部の梁2側の側面に当接し、ネジ挿通孔33a,33bに挿通したネジ10を裏板材9の雌ネジ孔29に螺入して、柱1の梁2側の側面に固定している。
【0018】
梁2は、四角形断面の筒状となっており、図1に示すように、端部が長手方向に対して直角にカットしてある。梁2の柱1側の端部は、図1,2,4に示すように、連結材3の梁固定部6を梁2の端部内に挿入し、梁2の側壁に両側から挿入したネジ34を梁固定部6の雌ネジ孔35に螺入して固定してあり、ネジ34を支点として梁2の角度を調節できるようになっている。図中の符号36は、梁2の角度を決定した後、梁2の角度を固定するために梁2の側壁を貫通して梁固定部6に螺入される止めネジである。図1,2に示すように、連結した梁2の端部はカバー材4の覆い部8内に呑み込まれ、柱1と梁2の連結部の下方及び側方が覆い部8によって覆われている。また、梁2の端部上面は柱1の上端よりも高い位置にあるが、カバー材4の小口塞ぎ部7がそれよりも高い位置まで盛り上がっているため、正面から見ても梁2の小口が見えないようになっている。梁2の上面には屋根固定金具20がネジ37で取付けてあり、カバー材4の覆い部8の上面側に切り欠き部21を設けてあるため、屋根固定金具20の取付けに覆い部8が邪魔にならず、屋根固定金具20を柱1に近付けて設置できる。図6は、梁2を最も傾けて設置した場合を示しており、この場合も柱1と梁2との連結部がカバー材4の覆い部8と小口塞ぎ部7に隠れて見えない。
【0019】
柱1と梁2を連結する際の手順を説明すると、既設のフェンス27の柱1に梁2を連結する場合、図3に示すように、柱1の上端部にもともと取付けてあるキャップ60を外し、柱1にネジ挿通孔33bを開ける。その後、カバー材4の小口塞ぎ部7の下面に裏板材9をネジ28で取付け、カバー材4の小口塞ぎ部7を柱1上端に載置する。すると、裏板材9が小口塞ぎ部7からぶら下がる状態で柱1内の所定の位置にセッティングされる。その後、連結材3の柱固定部5をカバー材4の孔32に挿入して柱1の側面に当接し、ネジ10を裏板材9の雌ネジ孔29に螺入し、連結材3を柱1に固定する。連結材3の柱固定部5とカバー材4の裏板材9とを柱1にネジ10で共締めしているため、連結材3を柱1に固定するとカバー材4も一緒に柱1に固定される。その後、図4に示すように、梁2の端部に連結材3の梁固定部6を挿入し、両側からネジ34で固定する。このように、本連結構造によれば、柱1及び梁2の端部をまっすぐカットすればよく、柱1に切り欠きを設ける必要もなく、さらには裏板材9のセッティングが容易で、梁2の角度調整も容易に行えるため、既設の柱1に梁2を連結する場合でも施工性が良い。
【0020】
梁掛け23は、図5に示すように、外壁22にアンカーボルト38で固定したベース材39に、ボルト・ナット40により角度調整可能に取付けてあり、梁掛け23に梁2の壁側の端部を引っ掛けて下方からネジ41で固定してあり、図7に示すように、梁2の傾きをより大きくした場合にも対応できるようになっている。
【0021】
図8〜11は、桁11と補助梁12との連結部を示している。桁11には、カバー材14と連結材13が取付けてある。カバー材14は、柱1の上端部に取付けられるカバー材4とよく似た形状となっており、桁11の上面に載置される載置部42と、載置部42より桁11の梁側側面に沿うように垂下する覆い部17とを有している。載置部42は、上面が前方に向かって低くなるように傾斜している。覆い部17は、左右の側壁43と、底壁59と、桁11の梁側の側面に当接する側面当接部18とを有し、上面側は切り欠き部21を設けて開放させてある。なお図示の例では、補助梁12の上面に屋根固定金具20を設けていないが、図1と同様に切り欠き部21内の補助梁12上面に屋根固定金具20を設けることができる。側面当接部18には、連結材取付用のネジ19が挿通されるネジ挿通孔44aが設けてあり、桁11の梁側側面には同ネジ19が螺入する雌ネジ孔47が設けてある。
連結材13は、桁11の梁側の側面に固定される桁固定部15と、桁固定部15の両側縁より補助梁12側に延出する梁固定部16とを有する平面視コ字型に形成され、桁固定部15にはネジ挿通孔44bがカバー材14の側面当接部18と同じピッチで設けてある。梁固定部16には、梁取付用のネジ45が螺入する雌ネジ孔46が設けてある。
【0022】
補助梁12は、梁2と同一の断面形状となっており、梁2と同様に端部を長手方向に対して直角に切断され、補助梁12の端部内に連結材13の梁固定部16を挿入し、両側から挿入したネジ45を梁固定部16の雌ネジ孔46に螺入することにより、上下方向に角度調整可能に固定されている。図8,9に示すように、連結した補助梁12の端部はカバー材14の覆い部17内に呑み込まれ、桁11と補助梁12の連結部の下方及び側方が覆い部17によって覆われている。また、補助梁12の端部上面は桁11の上面よりも高い位置にあるが、カバー材14の載置部42がそれよりも高い位置まで盛り上がっているため、正面から見て補助梁12の小口が見えないようになっている。図12は、補助梁12を最も傾けて設置した場合を示しており、この場合も桁11と補助梁12との連結部がカバー材14の覆い部17と載置部42に隠れて見えない。なお、補助梁12の壁側の端部は、梁2と同様に梁掛け23に固定してある。
【0023】
桁11と補助梁12を連結する際の手順を説明すると、図10に示すように、桁11の側面に雌ネジ孔47を開けた上で、載置部42を桁11の上面に載せ且つ側面当接部18を桁11の側面に当接するようにカバー材14を配置する。その後、連結材13の桁固定部15をカバー材14の側面当接部18に当接し、ネジ19で固定する。連結材13の桁固定部15とカバー材14の側面当接部18とを桁11にネジ19で共締めしているため、連結材13を桁11に固定するとカバー材14も一緒に桁11に固定される。その後、図11に示すように、補助梁12の端部に連結材13の梁固定部16を挿入し、両側からネジ45で固定する。このように、本連結構造によれば、補助梁12の端部をまっすぐカットすればよく、桁11に切り欠きを設ける必要もなく、連結材13とカバー材14を同一のネジ19で一緒に固定でき、補助梁12の角度調整も容易に行えるため、施工性が良い。
【0024】
図15に示すように、梁2及び補助梁12の対向する側面にはカーテンレール48が長手方向に沿って取付けてあり、カーテンレール48に係合して日除けカーテン25が前後方向にスライド可能に取付けてある。
屋根24は、図14,15に示すように、梁2上に前後方向に間隔をおいて野縁49を架設し、周囲に左右の側枠50と前枠51と樋52を取付け、前枠51と樋52間にパネル受け53を左右方向に間隔をおいて取付け、側枠50及びパネル受け53間に屋根パネル54を配置し、パネル押さえ55で屋根パネル54の縁部を押えてある。図13に示すように、左側の柱1には竪樋56が取付けられ、竪樋56は屋根24の樋52とエルボ57で連結してある。
【0025】
以上に述べたように本簡易建物は、柱1及び桁11の側面に連結材3,13を取付け、連結材3,13の梁固定部6,16を梁2及び補助梁12の端部に挿入し、両側からネジ34,45で固定するようにしたので、梁2及び補助梁12の角度調整が容易に行え、柱1と梁2と補助梁12は端部をまっすぐ切断すればよく、柱1に梁2を呑み込ませるための切り欠きを設けたりする必要もないので、既設の柱1及び桁11に梁2と補助梁12を連結する場合でも施工性が良い。またカバー材4,14の覆い部8,17により、柱1と梁2の連結部、桁11と補助梁12の連結部の下方及び側方が覆われているため、意匠性も良好である。さらにカバー材4,14を、連結材取付用のネジ10,19で柱1及び桁11に連結材3,13と一緒に固定するようにしたので、カバー材を後から取付ける手間が要らず、カバー材を固定するための専用のネジも不要なため、施工性が一層向上している。カバー材4,14は、覆い部8,17の上面側に屋根固定金具20を逃がす切り欠き部21を設けたので、カバー材4,14が屋根24の施工の邪魔にならない。
【0026】
図17,18は、本発明の簡易建物の第2実施形態を示している。本簡易建物は、独立タイプの簡易建物であって、屋根24を支持する梁2が柱1に片持ち支持されたものである。柱1と梁2との連結には、図18に示すように、第1実施形態と同様のカバー材4と連結材3を用いている。梁2の下面と柱1の側面間には補強材58を取付けて補強してある。
【0027】
図19,20は、本発明の簡易建物の第3実施形態を示している。本簡易建物は、独立タイプの簡易建物であって、屋根24を支持する梁2の両側が柱1に支持されたものである。柱1と梁2との連結には、図20に示すように、第1実施形態と同様のカバー材4と連結材3を用いている。
【0028】
本発明は、以上に述べた実施形態に限定されない。カバー材4,14及び連結材3,13の具体的な形状は、適宜変更することができる。補助梁12は、日除けカーテン25を設置しない場合には省略することができる。屋根24の構造は任意である。本発明は、テラス、カーポート、サイクルポート、通路用シェルターなど、あらゆる簡易建物に適用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 柱
2 梁
3 連結材
4 カバー材
5 柱固定部
6 梁固定部
7 小口塞ぎ部
8 覆い部
9 裏板材
10 ネジ
11 桁(横架材)
12 補助梁(梁)
13 連結材
14 カバー材
15 桁固定部(横架材固定部)
16 梁固定部
17 覆い部
18 側面当接部
19 ネジ
20 屋根固定金具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と、梁と、柱と梁を連結する連結材と、カバー材とを備え、連結材は、柱の梁側の側面に固定される柱固定部と、梁が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部を有し、カバー材は、柱の小口を塞ぐ小口塞ぎ部と、柱と梁との連結部の下方及び側方を覆う覆い部を有することを特徴とする簡易建物。
【請求項2】
カバー材に柱内部に挿入される裏板材が設けてあり、連結材を柱側面に固定するネジで裏板材を柱に共締めしてあることを特徴とする請求項1記載の簡易建物。
【請求項3】
横架材と、梁と、横架材と梁を連結する連結材と、カバー材とを備え、連結材は、横架材の梁側の側面に固定される横架材固定部と、梁が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部を有し、カバー材は、横架材と梁との連結部の下方及び側方を覆う覆い部を有することを特徴とする簡易建物。
【請求項4】
カバー材は、横架材の梁側の側面に当接する側面当接部を有し、カバー材の側面当接部と連結材の横架材固定部とを横架材にネジで共締めしてあることを特徴とする請求項3記載の簡易建物。
【請求項5】
梁の上面に屋根固定金具が設けてあり、カバー材は、屋根固定金具を避けるための切り欠き部を有することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の簡易建物。
【請求項1】
柱と、梁と、柱と梁を連結する連結材と、カバー材とを備え、連結材は、柱の梁側の側面に固定される柱固定部と、梁が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部を有し、カバー材は、柱の小口を塞ぐ小口塞ぎ部と、柱と梁との連結部の下方及び側方を覆う覆い部を有することを特徴とする簡易建物。
【請求項2】
カバー材に柱内部に挿入される裏板材が設けてあり、連結材を柱側面に固定するネジで裏板材を柱に共締めしてあることを特徴とする請求項1記載の簡易建物。
【請求項3】
横架材と、梁と、横架材と梁を連結する連結材と、カバー材とを備え、連結材は、横架材の梁側の側面に固定される横架材固定部と、梁が上下方向に角度調整自在に固定される梁固定部を有し、カバー材は、横架材と梁との連結部の下方及び側方を覆う覆い部を有することを特徴とする簡易建物。
【請求項4】
カバー材は、横架材の梁側の側面に当接する側面当接部を有し、カバー材の側面当接部と連結材の横架材固定部とを横架材にネジで共締めしてあることを特徴とする請求項3記載の簡易建物。
【請求項5】
梁の上面に屋根固定金具が設けてあり、カバー材は、屋根固定金具を避けるための切り欠き部を有することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の簡易建物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−172446(P2012−172446A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36865(P2011−36865)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
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