簡易真空下水システム
【課題】主に、設置の容易化と、衛生面の向上とを両立し得るようにする。
【解決手段】運搬可能な台座21の上部に、固定用部材22を介して、真空弁7を据付けて成る簡易真空弁ユニット23を備えるようにしている。
また、台座21が、地面に直置き可能に構成される。そして、台座21に、地面に設けた汚水貯留部25の少なくとも一部の回りを包囲可能な包囲部が設けられる。
【解決手段】運搬可能な台座21の上部に、固定用部材22を介して、真空弁7を据付けて成る簡易真空弁ユニット23を備えるようにしている。
また、台座21が、地面に直置き可能に構成される。そして、台座21に、地面に設けた汚水貯留部25の少なくとも一部の回りを包囲可能な包囲部が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に、設置の容易化と、衛生面の向上とを両立し得るようにした簡易真空下水システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、大規模な災害の発生時などには、被災者が生活する避難所や仮設住宅などに対して、仮設トイレを設置する必要が生じる。
【0003】
このような仮設トイレにとって重要なことは、素早く構築できることや、衛生的なことなどである。
【0004】
しかし、通常の仮設トイレは、素早く構築できるようになっている反面、仮設トイレの内部に汚水を溜め込むようになっているので、衛生面については問題がある。
【0005】
一方、通常の下水道設備においては、自然流下式下水道システムに代えて、真空式下水道システムを用いることが行われている。この真空式下水道システムは、真空圧を利用して、汚水枡に一定量溜まった汚水を吸引収集するものである。
【0006】
そして、このような真空式下水道システムを用いた仮設トイレも、既に開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−121070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載された仮設トイレには、以下のような各種の問題があった。
【0009】
即ち、上記した仮設トイレは、その構造上、予め真空弁ユニットを埋設した場所の周辺にしか設置することができないので、汎用性がない。また、災害時に実際に使用できるようにするためには、地中に埋設した真空弁ユニットに対し継続して定期的なメンテナンスを行なわなければならず、日常的な維持コストが発生する。しかも、上記真空弁ユニットは、使用しないうちに老朽化してしまう可能性が高い。
【0010】
また、上記した仮設トイレは、上記した通常のものと同様、汚水を内部に貯留するようにしているので、衛生的でない。しかも、仮設トイレの内部に汚水を貯留する構造により、汚水の水位を検知するための水位検知管を仮設トイレ内に設けなければならず、これによって、仮設トイレと真空弁ユニットとの間に接続される汚水流入管も真空配管にしなければならない。すると、真空配管とされた汚水流入管は、真空圧の変動によって詰まりを発生するおそれが高くなってしまう。このことは、汚水流入管が長くなる程、また、真空弁ユニットに接続する仮設トイレの数が多くなる程、大きな問題となる。しかも、上記した仮設トイレでは、真空圧を、貯水タンクによる給水などの、汚水の排水以外の用途にも使用するようにしているので、真空圧の低下による真空弁ユニットの作動不良を生じ易い。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の簡易真空下水システムは、運搬可能な台座の上部に、固定用部材を介して、真空弁を据付けて成る簡易真空弁ユニットを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、汚水貯留部の近傍に上記構成の簡易真空弁ユニットを設置して、簡単な接続作業を行うことにより、実際に使用可能な簡易真空下水システムを短時間のうちに容易に構築することができる。また、簡易真空弁ユニットを生活区域から離して設置すれば、衛生上の問題も回避することができる。以上により、設置の容易化と、衛生面の向上とを両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例にかかる簡易真空下水システムの全体図である。
【図2】図1の簡易真空弁ユニット周辺の部分拡大図である。
【図3】図2の簡易真空弁ユニットを拡大した斜視図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図3の平面図である。
【図6】図3の固定用部材を示す図である。
【図7】図3の包囲部周辺の部分拡大図である。
【図8】図7の汚水枡部分の拡大図である。
【図9】図8の水位検知管に設けた設置位置指標を示す斜視図である。
【図10】汚水枡の側面図である。
【図11】容量変更機構を備えた汚水枡の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
図1〜図11は、この実施例およびその変形例を示すものである。
【実施例】
【0016】
<構成>以下、構成について説明する。
【0017】
先ず初めに、図1を用いて簡易真空下水システムの概要について説明する。図には、架台1の上に載置された貯水槽2と、仮設トイレなどの汚水発生源3と、汚水流入管4と、汚水枡5と、汚水吸込管6と、真空弁7と、仕切弁8とが示されている。仕切弁8の下流側には、図1には図示しない真空管路(図2中、符号14参照)を介して真空源が接続されている。
【0018】
ここで、「貯水槽2」は、給水弁2bを有する給水管路2aを介して汚水発生源3に接続されており、高所からの重力による自然落下を利用して汚水発生源3へ水を供給し得るものとされている。「汚水発生源3」は、単数または複数基並設されている。この場合には、3基並設されているが、これに限るものではない。「汚水流入管4」は、複数基の汚水発生源3の間を接続すると共に、所要の排水勾配を有して汚水を自然流下し得るものとされている。汚水流入管4は汚水の自然流下が可能な範囲であれば長くすることができる。「汚水枡5」は、汚水を所定量貯留するようにしたものである。「汚水吸込管6」は、汚水枡5の内部へ挿入配置されて、汚水枡5内の汚水を吸込むようにしたものである。「真空弁7」は、真空圧を利用して開閉することにより、汚水枡5内の汚水を汚水吸込管6から吸込ませるようにするものである。「仕切弁8」は、メンテナンスの際に、上記した真空管路を遮断するためのものである。
【0019】
そして、通常の真空下水システムの場合、真空弁7と、仕切弁8とは、汚水枡5の内部に一体的に収容設置されて真空弁ユニットを構成すると共に、この真空弁ユニットが地中に埋設されるようになっている。通常の真空下水システムの場合には、真空管路も地中に埋設される。
【0020】
これに対し、この実施例の簡易真空下水システムでは、汚水枡5は、真空弁7や仕切弁8とは分離されて単独で地中に埋設されることとなる。そして、真空弁7や、仕切弁8は地上に設置される。なお、真空管路も地上に配設される。真空源には、例えば、バキュームカーなどの移動式のものを使用することが可能である。これらの詳細については、後述する。
【0021】
そして、上記したような構成によれば、汚水発生源3を使用すると、貯水槽2の水が汚水発生源3へ流され、汚水となって汚水流入管4を通り自然流下で汚水枡5へ送られ、汚水枡5に溜められる。そして、汚水枡5の汚水が所定量に達すると、これを検知して真空弁7が開くことにより、汚水枡5の汚水は、汚水吸込管6を介して真空吸引され、真空管路を通って真空源へと送られる。
【0022】
次に、図2を用いて上記した真空弁7の概要について説明する。真空弁7は、主に、管路部11と、弁部12と、弁制御部13とを有している。
【0023】
ここで、「管路部11」は、汚水吸込管6と、仕切弁8(または真空管路14)との間を接続するものである。「弁部12」は、管路部11を開閉するようにした弁機構である。「弁制御部13」は、真空圧を利用して、弁部12による管路部11の開閉を制御するようにしたものである。弁制御部13には、汚水枡5内部の汚水の水位を検知可能な水位検知管15が、水位検知用ホース15aを介して接続されている。「真空管路14」の途中には、所要の間隔を有してリフト部14a(図3参照)が設けられる。汚水は、真空吸引によって、リフト部14aを乗越えながら順次送られて行く。
【0024】
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
【0025】
(構成1)図3の斜視図、図4の側面図、図5の平面図に示すように、運搬可能な台座21の上部に、固定用部材22を介して、真空弁7を据付けて成る簡易真空弁ユニット23を備えるようにする。
【0026】
ここで、運搬可能な「台座21」は、大人1人か2人によって人力輸送が可能な形状、大きさ、および、重さを有するものとする。台座21は、例えば、約1m四方の大きさに納まるようなものとするのが好ましい。但し、これよりも若干大きくても良い。この場合には、台座21は、縦1メートル、横70cm程度の大きさのものとしている。なお、台座21の詳細構造については後述する。
【0027】
「固定用部材22」は、台座21に対する真空弁7の取付位置や取付高さや取付角度などを調整可能な位置調整機構を備えたものとすることができる。この場合、固定用部材22は、図6に示すように、真空弁7に取付けられた取付用バンド部材22a、および、台座21からほぼ上方へ向けて突設された取付用ボルト22bと、取付用バンド部材22aを取付用ボルト22bに対して固定可能なナット22cとを有する締結固定部材を備えたものとされている。
【0028】
取付用バンド部材22aは、真空弁7の管路部11に対して所要の位置に複数取付けられている。取付用ボルト22bは、台座21における取付用バンド部材22aの設置位置と対応する位置に複数取付けられている。取付用バンド部材22aは、管路部11の外周に上下方向から挟み込むように取付可能な一対の半割りリング状部材とされ、その両端部には、それぞれフランジ部が設けられ、このフランジ部に設けたボルト挿通孔に取付用ボルト22bが挿通配置されるようになっている。ナット22cは、上記したフランジ部を挟着するように取付用ボルト22bに対して一対螺着される。そして、取付用ボルト22bとナット22cとによるフランジ部の挟着固定位置を調整することにより、真空弁7の取付位置や取付高さや取付角度などが調整される。なお、ナット22cは、一方をフランジ部に溶接固定するようにしても良い。但し、固定用部材22は、これに限るものではない。
【0029】
この実施の形態の簡易真空弁ユニット23は、上記したように、汚水枡5を一体的に備えていない点で、通常の真空下水システムの真空弁ユニットとは異なるものとされる。なお、台座21には、真空弁7と共に、仕切弁8も取付けられている。仕切弁8は、真空弁7と同様の固定用部材22によって台座21に固定される。
【0030】
(構成2)図3〜図5に示すように、上記した台座21が、地面(GL、図4参照)に直置(じかおき)可能に構成される。そして、台座21に、地面に設けた汚水貯留部25の少なくとも一部の回りを包囲可能な包囲部26を設ける。
【0031】
この場合、「台座21」は、左右一対の縦材21aと、この一対の縦材21aの間を横方向に連結する複数本の横材21bとを備えた、ラダー状のものとされている。縦材21aと横材21bとはそれぞれ鋼製とされている。一対の縦材21aは、所要の間隔を有して互いにほぼ平行に配設され、複数本の横材21bは、一対の縦材21aの間に所要の間隔(真空弁7や仕切弁8を取付けるのに必要な間隔)を有してほぼ直角に取付けられる。但し、一対の縦材21aは、必ずしも平行である必要はなく、また、複数本の横材21bは、一対の縦材21a間に必ずしも直角や等間隔に取付けられる必要はない。また、台座21は、ラダー状に限るものではなく、例えば、枠状や井桁状などとすることもできる。
【0032】
上記した真空弁7は、管路部11を縦材21aとほぼ平行にして、図示するような状態で横材21bの上方に配設されている。上記した固定用部材22は、各横材21bの上面に取付けられている。
【0033】
「汚水貯留部25」は、上記した汚水枡5とするのが最も好ましいが、単なる汚水溜穴などとすることもできる。
【0034】
「包囲部26」は、台座21における、真空弁7の吸込側の位置に設けられる。この包囲部26は、一対の縦材21aを汚水貯留部25の直径よりも大きい間隔を有して離間配置すると共に、一対の縦材21aに横材21bを設けない部分を設けることによって形成される。真空弁7は、台座21の包囲部26を避けた位置に、吸込側を包囲部26へ向けて取付けられる。
【0035】
(構成3)上記した簡易真空弁ユニット23に、真空吸引の際に真空弁7に作用する振動を吸収可能な弾性部28が設けられる。
【0036】
この場合、「弾性部28」は、台座21と真空弁7との少なくとも一方に対して設けることができる。或いは、弾性部28は、台座21と真空弁7との間に介在される介在物として設けることもできる。または、これらを組み合わせて設けることもできる。この場合には、弾性部28は、台座21に設けられる。即ち、台座21の一対の縦材21aが下向コ字状のものとされ、複数本の横材21bが帯板状のものとされることによって、弾性部28が構成される。そして、簡易真空弁ユニット23を地面に設置した際に、下向コ字状の縦材21aの各部が地面に対して必要量だけ食込むことにより、地面に対して比較的安定した状態で台座21が設置されると共に、下向コ字状の縦材21aが僅かに開閉動することによって弾性部28としての機能が発揮されることとなる。また、帯板状の横材21bが撓むことによって、弾性部28としての機能が発揮されることとなる。
【0037】
(構成4)図3の斜視図、および、図7、図8の部分拡大図に示すように、上記した簡易真空弁ユニット23が、汚水の水位を検知する水位検知管15を取付可能な水位検知管取付部材31を備えるようにする。
【0038】
ここで、「水位検知管取付部材31」は、台座21の一方の縦材21a(における包囲部26の位置の側面)に取付けられる。水位検知管取付部材31は、水位検知管15の取付高さを調整可能な高さ調整機能を備えたものとする。この場合、水位検知管取付部材31は、水位検知管15を包持可能なクランプ部材31a、および、台座21の一方の縦材21aの側面から側方(ほぼ横材21bと平行な方向)に突設された取付用ボルト31bと、クランプ部材31aを取付用ボルト31bに対して締込可能な図示しないナットとを有する締結固定部材を備えたものとされている。
【0039】
クランプ部材31aは、水位検知管15の外周に対して取付可能な一対の半割りリング状部材の一方の端部間をヒンジ部によって開閉可能に連結したものである。このクランプ部材31aの他方の端部にはボルト挿通孔を有するフランジ部が設けられる。そして、このフランジ部に設けたボルト挿通孔に取付用ボルト31bが挿通配置されるようになっている。ナットは、上記したフランジ部を挟着するように取付用ボルト31bに一対螺着される。そして、クランプ部材31aによる水位検知管15の固定位置を調整することにより、水位検知管15の取付高さが調整される。なお、ナットは、一方をフランジ部に溶接固定しても良い。但し、クランプ部材31aは、これに限るものではない。
【0040】
更に、簡易真空弁ユニット23は、図9に示すように、水位検知管15の取付高さの設定基準となる設置位置指標32(目盛部など)を備えることができる。この場合、設置位置指標32は、簡易真空弁ユニット23の外周面に対して直接刻設されている。
【0041】
設置位置指標32は、汚水発生源3の接続個数に対応した目盛(接続数選択用目盛部32a)を有するものとされる。また、設置位置指標32は、作動タイミングを調整するための目盛(作動タイミング調整用目盛部32b)を有するものとされる。この場合、接続数選択用目盛部32aは大目盛、作動タイミング調整用目盛部32bは小目盛などとされている。
【0042】
なお、設置位置指標32は、上記以外にも、目盛板などとして、水位検知管15やその周囲などに設置することもできる。
【0043】
(構成5)
上記した簡易真空弁ユニット23が、図3、図5に示すように、真空圧を蓄圧可能な蓄圧器35を備えるようにする。
【0044】
ここで、蓄圧器35は、特に図示しないが、例えば、台座21の上に、真空弁7や仕切弁8などに対するものと同様の固定用部材22を介して取付けられる。但し、蓄圧器35に対する取付部材は、これに限るものではない。この蓄圧器35は、仕切弁8の真空管路14側の部分と、真空弁7の弁制御部13とを結ぶ真空ホース35aの途中に備えられる。
【0045】
その他に、簡易真空弁ユニット23は、真空弁7をバイパスさせるバイパス管37を備えることができる。このバイパス管37は、仕切弁8の真空管路14側の部分と、汚水枡5との間に、真空弁7をバイパスするように設けられる。バイパス管37の途中には、開閉弁37aが設けられる。上記した真空ホース35aは、汚水の逆流を防止し得るようにするなどのために、バイパス管37における仕切弁8と開閉弁37aとの間の位置に接続されている。また、真空ホース35aにおける蓄圧器35の入側には、逆止弁35bが設けられている。
【0046】
(構成6)既に上記したように、地中に埋設されて汚水を貯留可能な汚水枡5を、簡易真空弁ユニット23とは別個に備えるようにする。そして、図4に示すように、汚水枡5が、地上に設置された簡易真空弁ユニット23の真空弁7に対し汚水吸込管6を介して接続可能なものとされると共に、内部の汚水の水位を検知可能な水位検知管15を設置可能なものとされる。
【0047】
この場合、「汚水枡5」は、図10に示すように、溜枡部41と、容量調整用リング部42と、蓋部43との3つの部材を下側から順に備えて、これらを組立てて一体化する構造を有している。溜枡部41は、下方へ向かって縮径するテーパ形状の側面を有する有底の容器とされる。容量調整用リング部42は、溜枡部41の上端開口部に対して連結固定可能な円筒状のものとされる。溜枡部41と容量調整用リング部42との間には止水可能に連結するための連結部40aが設けられる。蓋部43は、円板状をして容量調整用リング部42の上端部に取り付けられるものとされる。この蓋部43は、地表面とほぼ同一高さレベルに設置される。容量調整用リング部42の上端部には、蓋部43を開閉可能に取付けるための蓋取付部40bが設けられる。
【0048】
そして、容量調整用リング部42の側部には、汚水発生源3からの汚水を流入させる汚水流入管4を挿通配置するための汚水流入管接続口42aが、予め1個設けられる。汚水流入管4と汚水流入管接続口42aとの間には、シールパッキン44aが設けられる。なお、汚水流入管接続口42aは、容量調整用リング部42の側部に対して後加工によって開口形成することもできる(新設または増設のどちらでも可能)。
【0049】
一方、図8に示すように、蓋部43には、汚水吸込管6を挿通配置するための汚水吸込管接続口43aが設けられる。汚水吸込管6と汚水吸込管接続口43aとの間には、シールパッキン44bが設けられる。
【0050】
また蓋部43には、水位検知管15を挿通配置するための水位検知管接続口43bが設けられる。水位検知管15と水位検知管接続口43bとの間には、シールパッキン44cが設けられる。
【0051】
更に、蓋部43には、必要に応じて、上記したバイパス管37を挿通配置するためのバイパス管接続口43cが設けられる。バイパス管37とバイパス管接続口43cとの間には、必要に応じてシールパッキンが設けられる。
【0052】
そして、上記した汚水枡5が、その容量を変更可能なものとされる。
【0053】
この場合、容量調整用リング部42に、長さの異なる複数種類のものを予め用意しておき、長さの異なる容量調整用リング部42のいずれかを選択使用することによって、容量を変更することが可能となるようにしている。
【0054】
或いは、汚水枡5に、容量変更機構46を備えるようにしても良い。
【0055】
この容量変更機構46は、例えば、図11に示すように、蓋部43の外周に、下方へ延びて、容量調整用リング部42の内面に摺接嵌合可能な容量変更用内筒部46aを設けることによって構成される。この場合、容量調整用リング部42に対する容量変更用内筒部46aの嵌め合い深さを調整し、これに合わせて汚水枡5の埋め込み深さを設定して、蓋部43を地面とほぼ同一レベルに設置することによって、汚水枡5の容量が調整、変更される。容量変更用内筒部46aには、汚水流入管接続口42a(図11には図示せず)と対応する(或いは、ほぼ合致する)位置に上下方向へ延びる汚水流入管挿入用長孔部(または切欠部)を設けておくようにする。或いは、汚水流入管挿入用長孔部を設けずに、後から、汚水流入管4を挿入するための開口部を開口形成するようにしても良い。なお、容量調整用リング部42については、予め溜枡部41の上端開口部に対して一体化した円筒状胴部などとすることも可能である。
【0056】
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0057】
(作用効果1)地面に汚水溜穴などの汚水貯留部25を掘削形成し、この汚水貯留部25に仮設トイレなどの汚水発生源3からの汚水を自然流下によって流入させると共に、この汚水貯留部25の近傍に上記簡易真空弁ユニット23を設置し、汚水吸込管6の一端部を汚水貯留部25へ挿入配置すると共に他端部を真空弁7の吸込側に接続し、水位検知管15を汚水貯留部25に設置して水位検知用ホース15aを真空弁7に接続し、真空源に接続された真空管路14を真空弁7の吐出側(の仕切弁8)に接続することにより、実際に使用可能な簡易真空下水システムを短時間のうちに容易に構築することができる。
【0058】
この簡易真空下水システムは、どこにでも設置することが可能なので、汎用性が高い。また、保管場所から現地へ運び込んで、すぐに組立てることや使用を開始することが可能なので、設置性が良い。また、保管時のメンテナンスが不要で維持コストもかからない。しかも、人手によって運搬することができるので、車両が入れないような場所であっても容易に設置することができる。
【0059】
また、汚水溜穴を掘ってその近くに簡易真空弁ユニット23を設置して使用するものであるので、汚水溜穴や簡易真空弁ユニット23を生活区域から遠くに離して設置すれば、衛生上の問題も回避することができる。しかも、汚水の水位を検知するための水位検知管15を、汚水溜穴に対して設けるようにしているので、真空圧の変動による汚水流入管4の詰まりが起こり難く、汚水発生源3を多数接続した場合の影響も少ない。更に、真空圧を他の用途に流用することもしていないので、これによる真空圧の低下および作動不良も生じることがない。
【0060】
以上により、設置の容易化と、衛生面の向上とを両立することが可能となる。
【0061】
また、固定用部材22が位置調整機能を備えることにより、設置された台座21に対して、真空弁7の取付位置や取付高さや取付角度などを調整することが可能となる。
【0062】
(作用効果2)台座21を地面に直置きすることにより、真空弁7を地中に埋設せずに地面に置いてそのまま使用することが可能となる。また、台座21に設けた包囲部26で、地面に設けた汚水貯留部25の少なくとも一部の回りを包囲させることにより、小さなスペースに設備を設置することが可能となる。また、上記により、汚水貯留部25内の汚水を吸い込む際の反力を、台座21の包囲部26を介して汚水貯留部25の周囲の地面に支持させることが可能となる。
【0063】
(作用効果3)簡易真空弁ユニット23に設けた弾性部28が、真空吸引の際に真空弁7に作用する振動を吸収することが可能となる。これにより、台座21を地面に対して強固に固定する必要をなくすことができると共に、必要な場合には簡易真空弁ユニット23を簡単に移設することが可能となる。
【0064】
(作用効果4)簡易真空弁ユニット23が水位検知管取付部材31を備えることにより、地面に直置きされた簡易真空弁ユニット23を基準として水位検知管15の取付け、調整を行うことができる。これにより、水位検知管15の設置を容易化すると共に、水位検知管15を正しい状態に設置することが可能となる。
【0065】
また、水位検知管取付部材31が高さ調整機能を備えることにより、水位検知管15の取付高さを容易に調整することが可能となる。
【0066】
更に、簡易真空弁ユニット23が設置位置指標32を備えたことにより、誰でも(専門家以外の者(例えば、被災者など)でも)簡単に水位検知管15の取付高さを設定および調整することができるようになる。即ち、通常の真空下水システムにおいては、水位検知管15の取付高さの調整は、微妙で手間の掛かるものとなっているのに対し、この簡易真空弁ユニット23では、設置位置指標32を設けることによって、水位検知管15の取付高さの調整を簡便に行うことができる。
【0067】
そして、接続数選択用目盛部32aによって、汚水発生源3の接続数に対応した正しい高さ設定を行うことができる。この場合、汚水発生源3の接続数が多くなるに従って、低い位置にある接続数選択用目盛部32aを選択して、水位検知管15の取付高さを高くすることになる。反対に、汚水発生源3の接続数が少なくなるに従って、高い位置にある接続数選択用目盛部32aを選択して、水位検知管15の取付高さを低くすることになる。
【0068】
また、作動タイミング調整用目盛部32bによって、運用状況に合わせて作動タイミングを調整することができる。この場合、作動タイミングを早くするには、高い位置にある作動タイミング調整用目盛部32bを選択して、水位検知管15の取付高さを低くすることになる。これにより、汚水貯留部25を常時空に近い状態にして衛生面の向上を図ることができる。反対に、作動タイミングを遅くするには、低い位置にある作動タイミング調整用目盛部32bを選択して、水位検知管15の取付高さを高くすることになる。これにより、汚水貯留部25の汚水を無駄に吸込み続けるようなことを防止することができる。
【0069】
(作用効果5)真空圧を蓄圧可能な蓄圧器35を備えることによって、真空源の真空圧が低下した場合でも、蓄圧器35を利用して真空下水システムを作動させることが可能となる。
【0070】
また、バイパス管37を備えることにより、真空弁7に詰まりが発生した場合などに、バイパス管37を使用して汚水を吸引させた後に、真空弁7を分解するなどしてメンテナンスすることが可能になる。
【0071】
(作用効果6)汚水貯留部25として汚水枡5を用いることにより、汚水を容易且つ衛生的に貯留することができると共に、汚水吸込管6の設置や簡易真空弁ユニット23の真空弁7との接続、および、水位検知管15の設置を規格化して容易化することができる。また、汚水枡5を簡易真空弁ユニット23と別個のものとすることにより、汚水枡5の容量を大幅に減らして汚水枡5の埋設を容易化することができる。
【0072】
また、汚水枡5が、容量を変更可能なものとされたことにより、汚水発生源3の接続数の変更に容易に対応することが可能となる。
【0073】
そして、汚水枡5が容量変更機構46を備えることにより、上記と同様の作用効果が得られると共に、長さの異なる容量調整用リング部42を複数容易しておく必要をなくすことができ、部品コストを削減することができる。
【0074】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、災害時用以外の汚水発生源3に対しても使用することができる。災害時用以外の汚水発生源3には、例えば、通常の仮設トイレなどが存在する。また、仮設トイレ以外の汚水発生源3に対しても広く適用することができる。仮設トイレ以外の汚水発生源3には、例えば、屋外用の流し台や外水栓などが存在する。
【符号の説明】
【0076】
5 汚水枡
6 汚水吸込管
7 真空弁
15 水位検知管
21 台座
22 固定用部材
23 簡易真空弁ユニット
25 汚水貯留部
26 包囲部
28 弾性部
31 水位検知管取付部材
35 蓄圧器
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に、設置の容易化と、衛生面の向上とを両立し得るようにした簡易真空下水システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、大規模な災害の発生時などには、被災者が生活する避難所や仮設住宅などに対して、仮設トイレを設置する必要が生じる。
【0003】
このような仮設トイレにとって重要なことは、素早く構築できることや、衛生的なことなどである。
【0004】
しかし、通常の仮設トイレは、素早く構築できるようになっている反面、仮設トイレの内部に汚水を溜め込むようになっているので、衛生面については問題がある。
【0005】
一方、通常の下水道設備においては、自然流下式下水道システムに代えて、真空式下水道システムを用いることが行われている。この真空式下水道システムは、真空圧を利用して、汚水枡に一定量溜まった汚水を吸引収集するものである。
【0006】
そして、このような真空式下水道システムを用いた仮設トイレも、既に開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−121070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載された仮設トイレには、以下のような各種の問題があった。
【0009】
即ち、上記した仮設トイレは、その構造上、予め真空弁ユニットを埋設した場所の周辺にしか設置することができないので、汎用性がない。また、災害時に実際に使用できるようにするためには、地中に埋設した真空弁ユニットに対し継続して定期的なメンテナンスを行なわなければならず、日常的な維持コストが発生する。しかも、上記真空弁ユニットは、使用しないうちに老朽化してしまう可能性が高い。
【0010】
また、上記した仮設トイレは、上記した通常のものと同様、汚水を内部に貯留するようにしているので、衛生的でない。しかも、仮設トイレの内部に汚水を貯留する構造により、汚水の水位を検知するための水位検知管を仮設トイレ内に設けなければならず、これによって、仮設トイレと真空弁ユニットとの間に接続される汚水流入管も真空配管にしなければならない。すると、真空配管とされた汚水流入管は、真空圧の変動によって詰まりを発生するおそれが高くなってしまう。このことは、汚水流入管が長くなる程、また、真空弁ユニットに接続する仮設トイレの数が多くなる程、大きな問題となる。しかも、上記した仮設トイレでは、真空圧を、貯水タンクによる給水などの、汚水の排水以外の用途にも使用するようにしているので、真空圧の低下による真空弁ユニットの作動不良を生じ易い。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の簡易真空下水システムは、運搬可能な台座の上部に、固定用部材を介して、真空弁を据付けて成る簡易真空弁ユニットを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、汚水貯留部の近傍に上記構成の簡易真空弁ユニットを設置して、簡単な接続作業を行うことにより、実際に使用可能な簡易真空下水システムを短時間のうちに容易に構築することができる。また、簡易真空弁ユニットを生活区域から離して設置すれば、衛生上の問題も回避することができる。以上により、設置の容易化と、衛生面の向上とを両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例にかかる簡易真空下水システムの全体図である。
【図2】図1の簡易真空弁ユニット周辺の部分拡大図である。
【図3】図2の簡易真空弁ユニットを拡大した斜視図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】図3の平面図である。
【図6】図3の固定用部材を示す図である。
【図7】図3の包囲部周辺の部分拡大図である。
【図8】図7の汚水枡部分の拡大図である。
【図9】図8の水位検知管に設けた設置位置指標を示す斜視図である。
【図10】汚水枡の側面図である。
【図11】容量変更機構を備えた汚水枡の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
図1〜図11は、この実施例およびその変形例を示すものである。
【実施例】
【0016】
<構成>以下、構成について説明する。
【0017】
先ず初めに、図1を用いて簡易真空下水システムの概要について説明する。図には、架台1の上に載置された貯水槽2と、仮設トイレなどの汚水発生源3と、汚水流入管4と、汚水枡5と、汚水吸込管6と、真空弁7と、仕切弁8とが示されている。仕切弁8の下流側には、図1には図示しない真空管路(図2中、符号14参照)を介して真空源が接続されている。
【0018】
ここで、「貯水槽2」は、給水弁2bを有する給水管路2aを介して汚水発生源3に接続されており、高所からの重力による自然落下を利用して汚水発生源3へ水を供給し得るものとされている。「汚水発生源3」は、単数または複数基並設されている。この場合には、3基並設されているが、これに限るものではない。「汚水流入管4」は、複数基の汚水発生源3の間を接続すると共に、所要の排水勾配を有して汚水を自然流下し得るものとされている。汚水流入管4は汚水の自然流下が可能な範囲であれば長くすることができる。「汚水枡5」は、汚水を所定量貯留するようにしたものである。「汚水吸込管6」は、汚水枡5の内部へ挿入配置されて、汚水枡5内の汚水を吸込むようにしたものである。「真空弁7」は、真空圧を利用して開閉することにより、汚水枡5内の汚水を汚水吸込管6から吸込ませるようにするものである。「仕切弁8」は、メンテナンスの際に、上記した真空管路を遮断するためのものである。
【0019】
そして、通常の真空下水システムの場合、真空弁7と、仕切弁8とは、汚水枡5の内部に一体的に収容設置されて真空弁ユニットを構成すると共に、この真空弁ユニットが地中に埋設されるようになっている。通常の真空下水システムの場合には、真空管路も地中に埋設される。
【0020】
これに対し、この実施例の簡易真空下水システムでは、汚水枡5は、真空弁7や仕切弁8とは分離されて単独で地中に埋設されることとなる。そして、真空弁7や、仕切弁8は地上に設置される。なお、真空管路も地上に配設される。真空源には、例えば、バキュームカーなどの移動式のものを使用することが可能である。これらの詳細については、後述する。
【0021】
そして、上記したような構成によれば、汚水発生源3を使用すると、貯水槽2の水が汚水発生源3へ流され、汚水となって汚水流入管4を通り自然流下で汚水枡5へ送られ、汚水枡5に溜められる。そして、汚水枡5の汚水が所定量に達すると、これを検知して真空弁7が開くことにより、汚水枡5の汚水は、汚水吸込管6を介して真空吸引され、真空管路を通って真空源へと送られる。
【0022】
次に、図2を用いて上記した真空弁7の概要について説明する。真空弁7は、主に、管路部11と、弁部12と、弁制御部13とを有している。
【0023】
ここで、「管路部11」は、汚水吸込管6と、仕切弁8(または真空管路14)との間を接続するものである。「弁部12」は、管路部11を開閉するようにした弁機構である。「弁制御部13」は、真空圧を利用して、弁部12による管路部11の開閉を制御するようにしたものである。弁制御部13には、汚水枡5内部の汚水の水位を検知可能な水位検知管15が、水位検知用ホース15aを介して接続されている。「真空管路14」の途中には、所要の間隔を有してリフト部14a(図3参照)が設けられる。汚水は、真空吸引によって、リフト部14aを乗越えながら順次送られて行く。
【0024】
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
【0025】
(構成1)図3の斜視図、図4の側面図、図5の平面図に示すように、運搬可能な台座21の上部に、固定用部材22を介して、真空弁7を据付けて成る簡易真空弁ユニット23を備えるようにする。
【0026】
ここで、運搬可能な「台座21」は、大人1人か2人によって人力輸送が可能な形状、大きさ、および、重さを有するものとする。台座21は、例えば、約1m四方の大きさに納まるようなものとするのが好ましい。但し、これよりも若干大きくても良い。この場合には、台座21は、縦1メートル、横70cm程度の大きさのものとしている。なお、台座21の詳細構造については後述する。
【0027】
「固定用部材22」は、台座21に対する真空弁7の取付位置や取付高さや取付角度などを調整可能な位置調整機構を備えたものとすることができる。この場合、固定用部材22は、図6に示すように、真空弁7に取付けられた取付用バンド部材22a、および、台座21からほぼ上方へ向けて突設された取付用ボルト22bと、取付用バンド部材22aを取付用ボルト22bに対して固定可能なナット22cとを有する締結固定部材を備えたものとされている。
【0028】
取付用バンド部材22aは、真空弁7の管路部11に対して所要の位置に複数取付けられている。取付用ボルト22bは、台座21における取付用バンド部材22aの設置位置と対応する位置に複数取付けられている。取付用バンド部材22aは、管路部11の外周に上下方向から挟み込むように取付可能な一対の半割りリング状部材とされ、その両端部には、それぞれフランジ部が設けられ、このフランジ部に設けたボルト挿通孔に取付用ボルト22bが挿通配置されるようになっている。ナット22cは、上記したフランジ部を挟着するように取付用ボルト22bに対して一対螺着される。そして、取付用ボルト22bとナット22cとによるフランジ部の挟着固定位置を調整することにより、真空弁7の取付位置や取付高さや取付角度などが調整される。なお、ナット22cは、一方をフランジ部に溶接固定するようにしても良い。但し、固定用部材22は、これに限るものではない。
【0029】
この実施の形態の簡易真空弁ユニット23は、上記したように、汚水枡5を一体的に備えていない点で、通常の真空下水システムの真空弁ユニットとは異なるものとされる。なお、台座21には、真空弁7と共に、仕切弁8も取付けられている。仕切弁8は、真空弁7と同様の固定用部材22によって台座21に固定される。
【0030】
(構成2)図3〜図5に示すように、上記した台座21が、地面(GL、図4参照)に直置(じかおき)可能に構成される。そして、台座21に、地面に設けた汚水貯留部25の少なくとも一部の回りを包囲可能な包囲部26を設ける。
【0031】
この場合、「台座21」は、左右一対の縦材21aと、この一対の縦材21aの間を横方向に連結する複数本の横材21bとを備えた、ラダー状のものとされている。縦材21aと横材21bとはそれぞれ鋼製とされている。一対の縦材21aは、所要の間隔を有して互いにほぼ平行に配設され、複数本の横材21bは、一対の縦材21aの間に所要の間隔(真空弁7や仕切弁8を取付けるのに必要な間隔)を有してほぼ直角に取付けられる。但し、一対の縦材21aは、必ずしも平行である必要はなく、また、複数本の横材21bは、一対の縦材21a間に必ずしも直角や等間隔に取付けられる必要はない。また、台座21は、ラダー状に限るものではなく、例えば、枠状や井桁状などとすることもできる。
【0032】
上記した真空弁7は、管路部11を縦材21aとほぼ平行にして、図示するような状態で横材21bの上方に配設されている。上記した固定用部材22は、各横材21bの上面に取付けられている。
【0033】
「汚水貯留部25」は、上記した汚水枡5とするのが最も好ましいが、単なる汚水溜穴などとすることもできる。
【0034】
「包囲部26」は、台座21における、真空弁7の吸込側の位置に設けられる。この包囲部26は、一対の縦材21aを汚水貯留部25の直径よりも大きい間隔を有して離間配置すると共に、一対の縦材21aに横材21bを設けない部分を設けることによって形成される。真空弁7は、台座21の包囲部26を避けた位置に、吸込側を包囲部26へ向けて取付けられる。
【0035】
(構成3)上記した簡易真空弁ユニット23に、真空吸引の際に真空弁7に作用する振動を吸収可能な弾性部28が設けられる。
【0036】
この場合、「弾性部28」は、台座21と真空弁7との少なくとも一方に対して設けることができる。或いは、弾性部28は、台座21と真空弁7との間に介在される介在物として設けることもできる。または、これらを組み合わせて設けることもできる。この場合には、弾性部28は、台座21に設けられる。即ち、台座21の一対の縦材21aが下向コ字状のものとされ、複数本の横材21bが帯板状のものとされることによって、弾性部28が構成される。そして、簡易真空弁ユニット23を地面に設置した際に、下向コ字状の縦材21aの各部が地面に対して必要量だけ食込むことにより、地面に対して比較的安定した状態で台座21が設置されると共に、下向コ字状の縦材21aが僅かに開閉動することによって弾性部28としての機能が発揮されることとなる。また、帯板状の横材21bが撓むことによって、弾性部28としての機能が発揮されることとなる。
【0037】
(構成4)図3の斜視図、および、図7、図8の部分拡大図に示すように、上記した簡易真空弁ユニット23が、汚水の水位を検知する水位検知管15を取付可能な水位検知管取付部材31を備えるようにする。
【0038】
ここで、「水位検知管取付部材31」は、台座21の一方の縦材21a(における包囲部26の位置の側面)に取付けられる。水位検知管取付部材31は、水位検知管15の取付高さを調整可能な高さ調整機能を備えたものとする。この場合、水位検知管取付部材31は、水位検知管15を包持可能なクランプ部材31a、および、台座21の一方の縦材21aの側面から側方(ほぼ横材21bと平行な方向)に突設された取付用ボルト31bと、クランプ部材31aを取付用ボルト31bに対して締込可能な図示しないナットとを有する締結固定部材を備えたものとされている。
【0039】
クランプ部材31aは、水位検知管15の外周に対して取付可能な一対の半割りリング状部材の一方の端部間をヒンジ部によって開閉可能に連結したものである。このクランプ部材31aの他方の端部にはボルト挿通孔を有するフランジ部が設けられる。そして、このフランジ部に設けたボルト挿通孔に取付用ボルト31bが挿通配置されるようになっている。ナットは、上記したフランジ部を挟着するように取付用ボルト31bに一対螺着される。そして、クランプ部材31aによる水位検知管15の固定位置を調整することにより、水位検知管15の取付高さが調整される。なお、ナットは、一方をフランジ部に溶接固定しても良い。但し、クランプ部材31aは、これに限るものではない。
【0040】
更に、簡易真空弁ユニット23は、図9に示すように、水位検知管15の取付高さの設定基準となる設置位置指標32(目盛部など)を備えることができる。この場合、設置位置指標32は、簡易真空弁ユニット23の外周面に対して直接刻設されている。
【0041】
設置位置指標32は、汚水発生源3の接続個数に対応した目盛(接続数選択用目盛部32a)を有するものとされる。また、設置位置指標32は、作動タイミングを調整するための目盛(作動タイミング調整用目盛部32b)を有するものとされる。この場合、接続数選択用目盛部32aは大目盛、作動タイミング調整用目盛部32bは小目盛などとされている。
【0042】
なお、設置位置指標32は、上記以外にも、目盛板などとして、水位検知管15やその周囲などに設置することもできる。
【0043】
(構成5)
上記した簡易真空弁ユニット23が、図3、図5に示すように、真空圧を蓄圧可能な蓄圧器35を備えるようにする。
【0044】
ここで、蓄圧器35は、特に図示しないが、例えば、台座21の上に、真空弁7や仕切弁8などに対するものと同様の固定用部材22を介して取付けられる。但し、蓄圧器35に対する取付部材は、これに限るものではない。この蓄圧器35は、仕切弁8の真空管路14側の部分と、真空弁7の弁制御部13とを結ぶ真空ホース35aの途中に備えられる。
【0045】
その他に、簡易真空弁ユニット23は、真空弁7をバイパスさせるバイパス管37を備えることができる。このバイパス管37は、仕切弁8の真空管路14側の部分と、汚水枡5との間に、真空弁7をバイパスするように設けられる。バイパス管37の途中には、開閉弁37aが設けられる。上記した真空ホース35aは、汚水の逆流を防止し得るようにするなどのために、バイパス管37における仕切弁8と開閉弁37aとの間の位置に接続されている。また、真空ホース35aにおける蓄圧器35の入側には、逆止弁35bが設けられている。
【0046】
(構成6)既に上記したように、地中に埋設されて汚水を貯留可能な汚水枡5を、簡易真空弁ユニット23とは別個に備えるようにする。そして、図4に示すように、汚水枡5が、地上に設置された簡易真空弁ユニット23の真空弁7に対し汚水吸込管6を介して接続可能なものとされると共に、内部の汚水の水位を検知可能な水位検知管15を設置可能なものとされる。
【0047】
この場合、「汚水枡5」は、図10に示すように、溜枡部41と、容量調整用リング部42と、蓋部43との3つの部材を下側から順に備えて、これらを組立てて一体化する構造を有している。溜枡部41は、下方へ向かって縮径するテーパ形状の側面を有する有底の容器とされる。容量調整用リング部42は、溜枡部41の上端開口部に対して連結固定可能な円筒状のものとされる。溜枡部41と容量調整用リング部42との間には止水可能に連結するための連結部40aが設けられる。蓋部43は、円板状をして容量調整用リング部42の上端部に取り付けられるものとされる。この蓋部43は、地表面とほぼ同一高さレベルに設置される。容量調整用リング部42の上端部には、蓋部43を開閉可能に取付けるための蓋取付部40bが設けられる。
【0048】
そして、容量調整用リング部42の側部には、汚水発生源3からの汚水を流入させる汚水流入管4を挿通配置するための汚水流入管接続口42aが、予め1個設けられる。汚水流入管4と汚水流入管接続口42aとの間には、シールパッキン44aが設けられる。なお、汚水流入管接続口42aは、容量調整用リング部42の側部に対して後加工によって開口形成することもできる(新設または増設のどちらでも可能)。
【0049】
一方、図8に示すように、蓋部43には、汚水吸込管6を挿通配置するための汚水吸込管接続口43aが設けられる。汚水吸込管6と汚水吸込管接続口43aとの間には、シールパッキン44bが設けられる。
【0050】
また蓋部43には、水位検知管15を挿通配置するための水位検知管接続口43bが設けられる。水位検知管15と水位検知管接続口43bとの間には、シールパッキン44cが設けられる。
【0051】
更に、蓋部43には、必要に応じて、上記したバイパス管37を挿通配置するためのバイパス管接続口43cが設けられる。バイパス管37とバイパス管接続口43cとの間には、必要に応じてシールパッキンが設けられる。
【0052】
そして、上記した汚水枡5が、その容量を変更可能なものとされる。
【0053】
この場合、容量調整用リング部42に、長さの異なる複数種類のものを予め用意しておき、長さの異なる容量調整用リング部42のいずれかを選択使用することによって、容量を変更することが可能となるようにしている。
【0054】
或いは、汚水枡5に、容量変更機構46を備えるようにしても良い。
【0055】
この容量変更機構46は、例えば、図11に示すように、蓋部43の外周に、下方へ延びて、容量調整用リング部42の内面に摺接嵌合可能な容量変更用内筒部46aを設けることによって構成される。この場合、容量調整用リング部42に対する容量変更用内筒部46aの嵌め合い深さを調整し、これに合わせて汚水枡5の埋め込み深さを設定して、蓋部43を地面とほぼ同一レベルに設置することによって、汚水枡5の容量が調整、変更される。容量変更用内筒部46aには、汚水流入管接続口42a(図11には図示せず)と対応する(或いは、ほぼ合致する)位置に上下方向へ延びる汚水流入管挿入用長孔部(または切欠部)を設けておくようにする。或いは、汚水流入管挿入用長孔部を設けずに、後から、汚水流入管4を挿入するための開口部を開口形成するようにしても良い。なお、容量調整用リング部42については、予め溜枡部41の上端開口部に対して一体化した円筒状胴部などとすることも可能である。
【0056】
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0057】
(作用効果1)地面に汚水溜穴などの汚水貯留部25を掘削形成し、この汚水貯留部25に仮設トイレなどの汚水発生源3からの汚水を自然流下によって流入させると共に、この汚水貯留部25の近傍に上記簡易真空弁ユニット23を設置し、汚水吸込管6の一端部を汚水貯留部25へ挿入配置すると共に他端部を真空弁7の吸込側に接続し、水位検知管15を汚水貯留部25に設置して水位検知用ホース15aを真空弁7に接続し、真空源に接続された真空管路14を真空弁7の吐出側(の仕切弁8)に接続することにより、実際に使用可能な簡易真空下水システムを短時間のうちに容易に構築することができる。
【0058】
この簡易真空下水システムは、どこにでも設置することが可能なので、汎用性が高い。また、保管場所から現地へ運び込んで、すぐに組立てることや使用を開始することが可能なので、設置性が良い。また、保管時のメンテナンスが不要で維持コストもかからない。しかも、人手によって運搬することができるので、車両が入れないような場所であっても容易に設置することができる。
【0059】
また、汚水溜穴を掘ってその近くに簡易真空弁ユニット23を設置して使用するものであるので、汚水溜穴や簡易真空弁ユニット23を生活区域から遠くに離して設置すれば、衛生上の問題も回避することができる。しかも、汚水の水位を検知するための水位検知管15を、汚水溜穴に対して設けるようにしているので、真空圧の変動による汚水流入管4の詰まりが起こり難く、汚水発生源3を多数接続した場合の影響も少ない。更に、真空圧を他の用途に流用することもしていないので、これによる真空圧の低下および作動不良も生じることがない。
【0060】
以上により、設置の容易化と、衛生面の向上とを両立することが可能となる。
【0061】
また、固定用部材22が位置調整機能を備えることにより、設置された台座21に対して、真空弁7の取付位置や取付高さや取付角度などを調整することが可能となる。
【0062】
(作用効果2)台座21を地面に直置きすることにより、真空弁7を地中に埋設せずに地面に置いてそのまま使用することが可能となる。また、台座21に設けた包囲部26で、地面に設けた汚水貯留部25の少なくとも一部の回りを包囲させることにより、小さなスペースに設備を設置することが可能となる。また、上記により、汚水貯留部25内の汚水を吸い込む際の反力を、台座21の包囲部26を介して汚水貯留部25の周囲の地面に支持させることが可能となる。
【0063】
(作用効果3)簡易真空弁ユニット23に設けた弾性部28が、真空吸引の際に真空弁7に作用する振動を吸収することが可能となる。これにより、台座21を地面に対して強固に固定する必要をなくすことができると共に、必要な場合には簡易真空弁ユニット23を簡単に移設することが可能となる。
【0064】
(作用効果4)簡易真空弁ユニット23が水位検知管取付部材31を備えることにより、地面に直置きされた簡易真空弁ユニット23を基準として水位検知管15の取付け、調整を行うことができる。これにより、水位検知管15の設置を容易化すると共に、水位検知管15を正しい状態に設置することが可能となる。
【0065】
また、水位検知管取付部材31が高さ調整機能を備えることにより、水位検知管15の取付高さを容易に調整することが可能となる。
【0066】
更に、簡易真空弁ユニット23が設置位置指標32を備えたことにより、誰でも(専門家以外の者(例えば、被災者など)でも)簡単に水位検知管15の取付高さを設定および調整することができるようになる。即ち、通常の真空下水システムにおいては、水位検知管15の取付高さの調整は、微妙で手間の掛かるものとなっているのに対し、この簡易真空弁ユニット23では、設置位置指標32を設けることによって、水位検知管15の取付高さの調整を簡便に行うことができる。
【0067】
そして、接続数選択用目盛部32aによって、汚水発生源3の接続数に対応した正しい高さ設定を行うことができる。この場合、汚水発生源3の接続数が多くなるに従って、低い位置にある接続数選択用目盛部32aを選択して、水位検知管15の取付高さを高くすることになる。反対に、汚水発生源3の接続数が少なくなるに従って、高い位置にある接続数選択用目盛部32aを選択して、水位検知管15の取付高さを低くすることになる。
【0068】
また、作動タイミング調整用目盛部32bによって、運用状況に合わせて作動タイミングを調整することができる。この場合、作動タイミングを早くするには、高い位置にある作動タイミング調整用目盛部32bを選択して、水位検知管15の取付高さを低くすることになる。これにより、汚水貯留部25を常時空に近い状態にして衛生面の向上を図ることができる。反対に、作動タイミングを遅くするには、低い位置にある作動タイミング調整用目盛部32bを選択して、水位検知管15の取付高さを高くすることになる。これにより、汚水貯留部25の汚水を無駄に吸込み続けるようなことを防止することができる。
【0069】
(作用効果5)真空圧を蓄圧可能な蓄圧器35を備えることによって、真空源の真空圧が低下した場合でも、蓄圧器35を利用して真空下水システムを作動させることが可能となる。
【0070】
また、バイパス管37を備えることにより、真空弁7に詰まりが発生した場合などに、バイパス管37を使用して汚水を吸引させた後に、真空弁7を分解するなどしてメンテナンスすることが可能になる。
【0071】
(作用効果6)汚水貯留部25として汚水枡5を用いることにより、汚水を容易且つ衛生的に貯留することができると共に、汚水吸込管6の設置や簡易真空弁ユニット23の真空弁7との接続、および、水位検知管15の設置を規格化して容易化することができる。また、汚水枡5を簡易真空弁ユニット23と別個のものとすることにより、汚水枡5の容量を大幅に減らして汚水枡5の埋設を容易化することができる。
【0072】
また、汚水枡5が、容量を変更可能なものとされたことにより、汚水発生源3の接続数の変更に容易に対応することが可能となる。
【0073】
そして、汚水枡5が容量変更機構46を備えることにより、上記と同様の作用効果が得られると共に、長さの異なる容量調整用リング部42を複数容易しておく必要をなくすことができ、部品コストを削減することができる。
【0074】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、災害時用以外の汚水発生源3に対しても使用することができる。災害時用以外の汚水発生源3には、例えば、通常の仮設トイレなどが存在する。また、仮設トイレ以外の汚水発生源3に対しても広く適用することができる。仮設トイレ以外の汚水発生源3には、例えば、屋外用の流し台や外水栓などが存在する。
【符号の説明】
【0076】
5 汚水枡
6 汚水吸込管
7 真空弁
15 水位検知管
21 台座
22 固定用部材
23 簡易真空弁ユニット
25 汚水貯留部
26 包囲部
28 弾性部
31 水位検知管取付部材
35 蓄圧器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬可能な台座の上部に、固定用部材を介して、真空弁を据付けて成る簡易真空弁ユニットを備えたことを特徴とする簡易真空下水システム。
【請求項2】
前記台座が、地面に直置可能に構成されると共に、台座に、地面に設けた汚水貯留部の少なくとも一部の回りを包囲可能な包囲部を設けたことを特徴とする請求項1記載の簡易真空下水システム。
【請求項3】
前記簡易真空弁ユニットに、真空吸引の際に真空弁に作用する振動を吸収可能な弾性部が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の簡易真空下水システム。
【請求項4】
前記簡易真空弁ユニットが、汚水の水位を検知する水位検知管を取付可能な水位検知管取付部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の簡易真空下水システム。
【請求項5】
前記簡易真空弁ユニットが、真空圧を蓄圧可能な蓄圧器を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の簡易真空下水システム。
【請求項6】
地中に埋設されて汚水を貯留可能な汚水枡を、簡易真空弁ユニットとは別個に備えると共に、
該汚水枡が、地上に設置された簡易真空弁ユニットの真空弁に対し汚水吸込管を介して接続可能とされると共に、内部の汚水の水位を検知可能な水位検知管を設置可能とされたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の簡易真空下水システム。
【請求項1】
運搬可能な台座の上部に、固定用部材を介して、真空弁を据付けて成る簡易真空弁ユニットを備えたことを特徴とする簡易真空下水システム。
【請求項2】
前記台座が、地面に直置可能に構成されると共に、台座に、地面に設けた汚水貯留部の少なくとも一部の回りを包囲可能な包囲部を設けたことを特徴とする請求項1記載の簡易真空下水システム。
【請求項3】
前記簡易真空弁ユニットに、真空吸引の際に真空弁に作用する振動を吸収可能な弾性部が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の簡易真空下水システム。
【請求項4】
前記簡易真空弁ユニットが、汚水の水位を検知する水位検知管を取付可能な水位検知管取付部材を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の簡易真空下水システム。
【請求項5】
前記簡易真空弁ユニットが、真空圧を蓄圧可能な蓄圧器を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の簡易真空下水システム。
【請求項6】
地中に埋設されて汚水を貯留可能な汚水枡を、簡易真空弁ユニットとは別個に備えると共に、
該汚水枡が、地上に設置された簡易真空弁ユニットの真空弁に対し汚水吸込管を介して接続可能とされると共に、内部の汚水の水位を検知可能な水位検知管を設置可能とされたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の簡易真空下水システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−28904(P2013−28904A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163947(P2011−163947)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
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