説明

簡易組み立てスリッパシート

【課題】 1枚のシートを切りぬいて組み立てることができるスリッパ組み立てシートを提供する。
【解決手段】 本発明の簡易組み立てスリッパシートは、1枚のシートに底部と、上掛け部と、前掛け部の切れ込みを入れ、上掛け部には足の両側面を押える側面押え部の曲げ位置を示す折線と、側面押え部分の先端にははぜ部を形作り、前掛け部には側面押え部分の傾斜を底部から60〜80度傾けるためのはぜ穴を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切り抜いて組み立てる簡易組み立てスリッパシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の簡易スリッパは、スリッパの形状に縫合されているものが多く、持ち運び等に不便であった。 一方、下記の出願のようなシート状の組み立て式スリッパの出願もある。
【0003】
【特許文献1】特開 2006−141811
【特許文献2】実登 3048889
【特許文献3】特開 2005−58439
【特許文献4】特開 2007−268
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
文献1は前鼻緒と後鼻緒を上部中央で差しこみ、あるいは両面接着テープ等で接合したものである。力の多くかかる後鼻緒が細く強度が弱く、また、上部中央で接合してあるため、足の甲が鼻緒に当たり、持ち上げられて外れたり、痛んだりする恐れがある。
【0005】
文献2は文献1と同様に外れ易く、上部中央部一箇所の接合だけでは弱い。
【0006】
文献3の組み立て式の簡易スリッパは、足の甲を覆う側縁を上部中央でかみ合わせただけのため、外れやすい。
【0007】
文献4は左右側縁で足の甲を覆って、はぜを上部中央3点に差しこんで接合するものだが、これも歩行時、足の甲が覆いを突き上げるため強度不足は否めない。
【0008】
このように従来の簡易組み立てスリッパ共通の問題点は接続部の強度ということになる。そこで、本発明は携帯性が良く、簡単に組み立てられるシート状の簡易組み立てスリッパで、歩くのに十分な強度を持ち、材質によっては使い捨ても可能な、安価な簡易組み立てスリッパシートを開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の簡易組み立てスリッパシートは、1枚のシートに切れ目を入れることにより、シート材に、底部と上掛け部と前掛け部に切れ込みを入れ、上掛け部には足の両側面を押える側面押え部の曲げ位置を示す折線と側面押え部分の先端にはぜ部を形作り、前掛け部には側面押え部分の傾斜を底部から60〜80度傾けるためのはぜ穴を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の簡易組み立てスリッパシートは、1枚のシートで作られており、描かれた図を簡単に切り抜いて組み立てるため、持ち運びに極めて便利である。 必要になったときに即座に利用できる。また安価で材質によっては使い捨ても可能である。さらに材質を選べば上履きとしてはもちろん、下履き、特にビーチサンダル等にも広く利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の簡易組み立てスリッパシート実施の形態を実施例にもとづき、図面を参照しつつ以下詳細に説明する。なお左右同形であるため、片方のスリッパのみについて説明する。 試作段階においては、厚さ約0.7ミリの厚紙を使用した。初めは前掛け部1を上掛け部9に設けた切れこみに入れて、切れこみをかみ合わせて固定した。しかしこの方法では、材質によっては強度不足となることがわかった。
【0012】
強度不足を解消するために、前掛け部1の左右に約10ミリの水平なはぜ穴を設ける一方、側面押え部6の先端に、はぜ部8を設けてはめ込むことにした。これにより強度は増したが、水平なはぜ穴を設けようとすると、前掛け部1の幅は少なくも15ミリ以上にしなければ、甲の入る広さが確保ですることができなくなる恐れが出た。
【0013】
そこで前掛け部1の長さ約10ミリのはぜ穴部2を、底部4から約70度傾けたところ、前掛け部1の幅は約15ミリあれば、強度は確保できることが分かり、甲の高さも確保できることが分かった。このことにより、側面押え部6を側面押え部折線7で折り曲げながら、はぜ穴部2にはぜ部8をはめ込むことにより、側面押え部6をねじるため、強度も増すことができた。
【0014】
これにより、本発明を完成することができた。 以下図面を参照しつつ実施例を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の簡易組み立てスリッパシートの説明図である。 本発明の簡易組み立てスリッパシートの実施例では、厚さが約0.7ミリの厚紙を使用した。 図1に示すように、一般的なスリッパを参考にして底部4の長さを約28センチとした。 底部4の前掛け部折れ線3の位置での幅は約9センチとした。 底部前掛け切れ込み線11の先端から前掛け折れ線3の位置までの長さを約4.5センチとし、その位置で底部に対して半径約4.5センチの半円を描いた。 その半円に切れ込みを入れた。
次に前掛け部1の前掛け部折れ線3の幅を約10ミリとし、はぜ穴部2の幅は約15ミリ、先端部での幅は約20ミリとして、それらの点を結んで補間する曲線を描き、先端部は円弧として前掛け部の外線とした。
【0016】
一方底部4の上掛け部折れ線5の位置での幅は約8センチとした。底部上掛け切れ込み線12のかかと部からはぜ部8の位置までの長さは約4センチとし、その位置で底部に対して半径約4センチの半円を描いた。その半円に切れ込みを入れ、さらに上掛け部折れ線5の位置まで直線の切れ込みを入れた。 次に上掛け部9の上掛け部折れ線5の幅を約25ミリ、はぜ部8を含めた幅を約30ミリ、上掛け部9のかかと部の幅を約20ミリとし、それぞれの点を結んで補間する曲線を描き円弧を上掛け部の外線とした。 また、はぜ部8の先端は矢印形とし、側面押さえ部6の先端にはぜ部8を形成した。このことにより、前掛け部折れ線3で立ち上げて前掛け部1を底部4から後方に傾けた。 次に上掛け部9を上掛け部折れ線5で立ち上げ、折り返して側面押さえ部6の先端のはぜ部8を前掛け部1のはぜ穴部2に差し込んだ。 はぜ穴部2は底部4から約70度傾いているため、側面押さえ部6の側面押さえ部折れ線7で折り返すことにより、上掛け部のねじれを落ち着かせて、履きやすく接合部の強度も増すことができた。
【0017】
このことにより、本発明の簡易組み立てスリッパシートから図2に示すようなスリッパが作られた。
【0018】
本発明の簡易組み立てスリッパシートは、上記の実施例に挙げたものだけでなく、色々な素材・厚み・大きさ・形を選択して作ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の簡易組み立てスリッパシートの説明図
【図2】本発明の使用状態の説明図
【符号の説明】
【0020】
1 前掛け部
2 はぜ穴部
3 前掛け部折線
4 底部
5 上掛け部折線
6 側面押え部
7 側面押え部折線
8 はぜ部
9 上掛け部
10 切り落とし部
11 底部前掛け切れ込み線
12 底部上掛け切れ込み線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のシートに切れ目を入れることにより簡易に組み立て可能なスリッパにおいて、シート材に、底部と、上掛け部と、前掛け部の切れ込みを入れ、上掛け部には足の両側面を押える側面押え部の曲げ位置を示す折線と側面押え部分の先端にはぜ部を形作り、前掛け部には側面押え部分の傾斜を底部から60〜80度傾けるためのはぜ穴を有することを特徴とする簡易組み立てスリッパシート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−239853(P2012−239853A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122707(P2011−122707)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(506218734)
【出願人】(304040382)
【Fターム(参考)】