説明

簡易防寒具

【目的】 手で押さえていなくとも身体を保温でき、両腕の動きを制限することなく自由に動かすことが可能な簡易防寒具を提供すること。
【構成】 矩形状の生地より成る本体2の略中央位置に頭部が通過可能な大きさの孔3を形成する。本体2の裏面側長辺縁における前記孔3を中心とし、かつ孔3から適宜距離を隔てた対称位置2箇所に対を成すホック4aと4bを設ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、時候の変わり目等の冷え込み時や冬期における屋外でのスポーツ観戦時等に手軽に膝掛けや肩掛け等として使用したり、ポンチョとして使用できる簡易防寒具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年スポーツ観戦やオートキャンプ等屋外に出かける家庭が増加しているが、時候の変わり目や雨による急激な冷え込み、あるいはナイター観戦時等における気温低下による冷え込みに対して手軽な服装では身体を保温することができない。そこで、ナイター観戦時等には防寒用として毛布を持参し、身体を毛布で包んで保温している。
【0003】
しかし、身体を毛布で包んで保温する場合には、毛布を手で押さえていないと前記毛布が身体から離れてしまい保温できない。そこで、手で押さえていなくとも手軽に身体を保温できる防寒具を実開昭57−1813号公報、実公昭58−35602号公報で本出願人は提案している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、実開昭57−1813号公報、実公昭58−35602号公報で提案されているこれらの防寒具は、手で押さえていなくとも身体を保温できるのであるが、肩から腕にかけて上半身を覆うために、腕の動きを制限してしまい不自由である。また、防寒具が腕から垂れ下がった部分を形成するので、例えば自転車等を運転している場合には前記垂れ下がった部分にハンドルに引っ掛かり運転を誤る危険性がある。
【0005】
本考案は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、手で押さえていなくとも身体を保温でき、両腕の動きを制限することなく自由に動かすことが可能な簡易防寒具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本考案は、矩形状の生地の略中央位置に頭部が通過可能な大きさの孔を形成した本体と、この本体の裏面側長辺縁及び/又は表面側長辺縁における前記孔を中心とし、かつ孔から適宜距離を隔てた対称位置複数箇所に設けられた対を成す掛止手段とから構成し、また、前記孔の近傍に着脱自在なフードを設けているのである。
【0007】
【作用】
本考案は、矩形状の生地の略中央位置に頭部が通過可能な大きさの孔を形成した本体と、この本体の裏面側長辺縁及び/又は表面側長辺縁における前記孔を中心とし、かつ孔から適宜距離を隔てた対称位置複数箇所に設けられた対を成す掛止手段とから構成したので、着用時は頭部を孔から通し、両手を突出させて本体を二つ折りした状態で掛止手段によって長辺縁を綴じる。
【0008】
また、フードを設けている場合には、必要に応じてフードを着用する。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を添付した図面に基づいて説明する。
図1は請求項1に係る本考案の簡易防寒具の形状を示す展開図、図2は請求項1に係る本考案の簡易防寒具の使用形態を示した図、図3は請求項2に係る本考案の簡易防寒具の形状を示す展開図、図4は請求項2に係る本考案の簡易防寒具の使用形態を示した図である。
【0010】
図1・2において、1は本考案の簡易防寒具であって、矩形状をした例えば毛布地の生地から成る本体2の略中央位置に人の頭部が通過可能な大きさの孔3を短辺方向に長く形成し、この本体2の裏面側長辺縁に一対の掛止手段例えばホック4aと4bを、孔3を中心として対称にかつ孔3から適宜距離を隔てて例えば30cm、50cmの位置に2組ずつ設けている。
【0011】
請求項1に係る本考案の簡易防寒具1は以上のように構成されており、着用する場合には図2に示すように、孔3に頭を通した後に孔3を中心として本体2を長辺方向で二つ折りし、両腕を長辺縁より突出させた状態でホック4aと4bを係合し、長辺縁を綴じる。このとき、上半身は簡易防寒具1によって覆われて保温されるが、両腕は覆われない状態であるので、自転車等を運転している場合にも、両手を思いどおりに動かすことが可能であり、本体2が障害物に引っ掛かって事故を起こすという危険はない。
【0012】
また、本考案の簡易防寒具1は、下半身を保温する場合には膝掛けとして使用したり、寒さがあまり厳しくない場合には肩掛けとして使用したりすることも可能である。
【0013】
さらに、図3に示すように、孔3の近傍の本体2上及びフード5の例えばそれぞれ3ヵ所にホック6a・6bを設け、フード5を本体2に着脱自在に本考案の簡易防寒具1を構成すると、図4に示すように着用することによって上半身だけでなく頭部の防寒も可能となる。
【0014】
本実施例では、本体2の両長辺縁にホック4aと4bをそれぞれ2組ずつ設けたが、必要に応じて適宜増減すればよい。また、本体2の裏面側長辺縁にのみホック4aと4bを設けた場合を説明したが、本体2の表面側長辺縁にもホック4aと4bを設けてリバーシブルと成してもよい。
【0015】
本実施例では、掛止手段としてホックを用いた場合を説明したが、掛止手段にボタンと掛止環を用いてもよい。
また、本実施例では、本体2を毛布地の生地で作成した場合を説明したが、タオル地の生地で作成してもよい。
さらに、本体2及びフード5に防水加工を施しておけば、不意の降雨、降雪にも対応できる。
【0016】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の簡易防寒具は、矩形状の生地の略中央位置に頭部が通過可能な大きさの孔を形成した本体と、この本体の裏面側長辺縁及び/又は表面側長辺縁における前記孔を中心とし、かつ孔から適宜距離を隔てた対称位置複数箇所に設けられた対を成す掛止手段とから構成したので、着用時は頭部を孔から通し、両手を突出させて本体を二つ折りした状態で掛止手段によって長辺縁を綴じることにより、上半身は保温され、両腕を思いどおりに動かすことが可能である。
さらに、孔の近傍にフードを着脱自在に設ければ、着用時にはフードによって頭部の保温も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る本考案の簡易防寒具の形状を示す展開図である。
【図2】請求項1に係る本考案の簡易防寒具の使用形態を示した図である。
【図3】請求項2に係る本考案の簡易防寒具の形状を示す展開図である。
【図4】請求項2に係る本考案の簡易防寒具の使用形態を示した図である。
【符号の説明】
1 簡易防寒具
2 本体
3 孔
4a ホック
4b ホック

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 矩形状の生地の略中央位置に頭部が通過可能な大きさの孔を形成した本体と、この本体の裏面側長辺縁及び/又は表面側長辺縁における前記孔を中心とし、かつ孔から適宜距離を隔てた対称位置複数箇所に設けられた対を成す掛止手段とから成ることを特徴とする簡易防寒具。
【請求項2】 請求項1記載の簡易防寒具において、孔の近傍に着脱自在なフードを設けたことを特徴とする簡易防寒具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3008203号
【登録日】平成6年(1994)12月14日
【発行日】平成7年(1995)3月7日
【考案の名称】簡易防寒具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−10492
【出願日】平成6年(1994)8月24日
【出願人】(591231432)山賢株式会社 (2)